JP2019136239A - 不織布ワイパーおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水性および嵩高感に優れ、更にクッション性も改善されている新規な不織布ワイパーを提供する。【解決手段】合成繊維ウエブ14、24上に、天然系繊維に熱融着性繊維が配合してある熱融着性天然系繊維ウエブ12、22を積層した状態で一体形成してあるスパンレース型不織布を基材シート10、20として含み、2枚の前記基材シート10、20を、前記合成繊維ウエブ14、24同士が対向するように配置し、当該合成繊維ウエブの間に更に熱融着性のシート材40が設けてある積層構造体が形成されており、当該積層構造体は前記熱融着性天然系繊維ウエブに基づいた繊維と前記熱融着性のシート材に基づいた繊維とが溶融固化した接合部30を介して、接合されている不織布ワイパー1である。【選択図】図1

Description

本発明は、パルプなどの天然繊維や再生セルロース繊維などからなる吸水性を有する天然系繊維に熱融着性繊維が配合してある熱融着性天然系繊維ウエブと、ポリプロピレンなどの合成繊維ウエブとによって形成してあるスパンレース型の基材シートを重ね合わせた構造を含む、新規な不織布ワイパーに関する。
パルプなどの天然系繊維とポリプロピレンなどの合成繊維とによって形成されるスパンレース型の不織布ワイパーは、天然系繊維ウエブと合成繊維系ウエブとを積層状態にした後、これに水流交絡処理することにより得られる。この様な不織布ワイパーは強度と吸水性等とを両立させている優れた不織布製品となるので、工業用ワイパーや対人用のワイパーとして様々な用途で使用されている。
上記の複合型の不織布ワイパーについては、例えば特許文献1に基本的な製造工程が開示されており、天然系繊維ウエブと合成繊維系ウエブとの比率や坪量を適宜に調整して所望する不織布ワイパーを製造することができる。
特許第2533260号公報
上記のような不織布ワイパーにあっては、その吸水性を向上させることができれば、拭取り性能を向上させた製品となる。また、更に、クッション性等も改善することができれば、より好ましい不織布としてユーザに提供できる。
ところが、従来にあっては、不織布における吸水性を向上させるための対処としては、一般にウエブの坪量を上げることであった。ウエブの坪量を上げて、前述した水流交絡処理を実行すると、繊維が交絡する密度も増加してしまう。その結果、完成した不織布は厚みが低下し、嵩高感(バルク感)に乏しく、クッション性にも劣る不織布になる傾向があった。
よって、本発明の目的は、吸水性および嵩高感に優れ、更にクッション性も改善されている新規な不織布ワイパーを提供することにある。また、この不織布ワイパーの製造方法を提供することにある。
上記目的は、合成繊維ウエブ上に、天然系繊維に熱融着性繊維が配合してある熱融着性天然系繊維ウエブを積層した状態で一体形成してあるスパンレース型不織布を基材シートとして含み、2枚の前記基材シートを、前記合成繊維ウエブ同士が対向するように配置し、当該合成繊維ウエブの間に更に熱融着性のシート材が設けてある積層構造体が形成されており、当該積層構造体は前記熱融着性天然系繊維ウエブに基づいた繊維と前記熱融着性のシート材に基づいた繊維とが溶融固化した接合部を介して、接合されている、ことを特徴とする不織布ワイパーにより達成できる。
そして、前記熱融着性天然系繊維ウエブにおける前記熱融着性繊維の配合率は20重量%以上とするのが好ましい。
また、前記熱融着性のシート材は、熱融着性繊維を含んだ不織布であるが望ましい。
そして、前記熱融着性のシート材用の前記不織布は、天然系繊維と熱融着性繊維とを含み、前記熱融着性繊維の含有比率が40重量%以上であるのが好ましい。
また、前記積層構造体の少なくとも一方側に、前記熱融着性のシート材を介して、前記基材シートが更に積層されている構造としてもよい。
上記目的は、合成繊維ウエブの上に、天然系繊維に熱融着性繊維が配合してある熱融着性天然系繊維ウエブを積層した状態で一体形成してあるスパンレース型不織布を基材シートとして、2枚を準備すると共に、更に熱融着性のシート材を準備し、前記基材シートを前記合成繊維ウエブ同士が対向するようにして送り出し、且つ、前記熱融着性のシート材が前記合成繊維ウエブの間に挟み込まれるように送り出して、前記基材シート同士の間に前記熱融着性のシート材が重ね合わされた予備的積層体を得る積層形成工程と、前記予備的積層体を挟持しながら、加熱処理を行って前記熱融着性天然系繊維ウエブに基づいた繊維と熱融着性のシート材に基づいた繊維とが溶融固化した接合部により、2枚の前記基材シートと前記熱融着性のシート材とを一体化する接合処理工程とを含む、ことを特徴とする不織布ワイパーの製造方法によっても達成される。
そして、前記加熱処理を行うための加熱手段は、熱エンボス装置又は超音波接合装置とすることができる。
本発明によると、従来の天然系繊維ウエブと合成繊維系ウエブとによるスパンレース型の不織布を改善した基材シートと熱融着性のシート材とにより、吸水性、嵩高感に優れ、更にはクッション性も向上させた新規な不織布ワイパーを提供することができる。
本発明の実施形態に係る不織布ワイパーについて示した模式図である。 図1の不織布ワイパーの製造工程を説明するために示した概略図である。 本発明の他の実施形態に係る不織布ワイパーについて示した模式図である。
以下、本発明の一実施形態に係る不織布ワイパーを、図を参照して説明する。
図1は本発明の不織布ワイパー1について一部を拡大して示している模式図であり、図1の右側図は断面構成を示している図、図1の左側図は不織布ワイパー1を構成している2枚の基材シート10、20及びこれらシート10、20の間に挿入される熱融着性のシート材40を分離して示した図である。
不織布ワイパー1の概略を予め説明すると、スパンレース型の複合不織布(天然系繊維ウエブと合成繊維系ウエブとによる不織布)を基材シートとして、この基材シート2枚の間に熱融着性のシート材を挟み込んである新規な構造に形成してある。
より詳細に説明すると、基材シート10、20は合成繊維ウエブ上に、天然系繊維に熱融着性繊維が配合してある熱融着性天然系繊維ウエブを積層した状態で一体形成してあるスパンレース型不織布である。そして、合成繊維系ウエブ同士を対向配置し、その間に更に熱融着性のシート材40を挟み込んである構造(積層体構造)に形成されている。前記基材シート10、20の熱融着性天然系繊維ウエブの繊維と熱融着性のシート材40の繊維とが溶融固化した接合部30を介して一体化され、不織布ワイパー1が形成されている。
本発明者は、単体のスパンレース型不織布の坪量を単に増加させると先に指摘した問題が生じるが、相対的に薄く(低坪量に)形成した2枚の不織布を重ね合せて同等の坪量とした場合、吸水性(保水性)が改善され、厚さの減少(嵩高感の減少)も抑制できること、更に風合いも柔らかくなることを確認して、本発明の着眼点を得た。
ただし、天然系繊維ウエブと合成繊維系ウエブとによるスパンレース不織布を重ね合わせる場合、拭取り性、肌触り感などを考慮すると、天然系繊維ウエブが表側(すなわち、表裏両面)に配置された形態とすることが好ましい。よって、2枚のスパンレース不織布は、合成繊維系ウエブ同士を対向させた姿勢で接合(接着)するのが望ましいことになる。
従来の一般的な天然系繊維ウエブと合成繊維系ウエブとによるスパンレース不織布の合成繊維系ウエブ面側を微視的に見ると、反対側(表面側とする)に位置している天然系繊維ウエブを構成している繊維(例えばパルプ繊維)が、合成繊維系ウエブを貫通して裏面側へ突出した状態となっている。これは水流交絡処理(スパンレース処理)した際に、天然系繊維ウエブ上に噴射された高圧の水流によりパルプ繊維の一部が反対側まで流し出されて、突出するからである。このように、裏面側に突出したパルプ繊維が、合成繊維系ウエブの表面にある程度の密度をもって存在すると、吸水性の乏しい合成繊維系ウエブの表面を吸水性に富むパルプ繊維が表面覆うことになる。これにより、従来のスパンレース型の不織布は吸水性に劣る裏面側であっても、違和感なくして拭取り作業を行うことができる。
上記のように、単体であるスパンレース型不織布の場合は、合成繊維系ウエブの表面にパルプ繊維等が突出している形態は、不織布をそのまま使用する上では好ましいと言うことができる。
しかし、このスパンレース型不織布を接合するという観点からは課題のある形態である。何故なら、合成繊維系ウエブを構成している繊維(合成樹脂)を溶融することによって、接合させる場合、表面を覆うように存在するパルプ繊維等の天然系繊維は合成繊維の結合の障害となるからである。本発明者は、この問題を解消して本発明の完成に至ったものである。
以下、図1に基づいて、不織布ワイパー1を更に詳細に説明する。なお、図1では、下側の第2の基材シート20を上下反転させた姿勢で示している。
前述したように、第1の基材シート10、第2の基材シート20のそれぞれは、合成繊維ウエブ14、24上に天然系繊維に熱融着性繊維が配合してある熱融着性天然系繊維ウエブ12、22を積層した状態で一体形成してあるスパンレース型不織布である。上記のウエブ12、22は天然系繊維に熱融着性繊維が配合されており、熱によって溶融して接着する機能が付与された繊維ウエブに改善されている。
なお、上記基材シート10、20の熱融着性をより確実に確保するという観点から、熱融着性天然系繊維ウエブ12、22における前記熱融着性繊維の配合率は20重量%以上としておくのが望ましい。
第1の基材シート10、第2の基材シート20では、水流交絡処理によりに熱融着性天然系繊維ウエブ12、22の繊維の一部が、下側の合成繊維ウエブ14、24を貫通して不織布の裏面(すなわち、合成繊維ウエブの表面)側に突出している。熱融着性天然系繊維ウエブ12、14の繊維が、合成繊維ウエブ14、24の表面全体を密に覆った状態となっても、基材シート10、20を接合することができる。
本発明の不織布ワイパーは、基材シート10、20同士を直に接合させるのではなく、熱融着性のシート材40を間に挿入した積層構造体としている。これにより、クッション性を向上させた不織布ワイパーとすることができる。
図1左側の第1の基材シート10および第2の基材シート20では、貫通し反対側に突出した熱融着性天然系繊維ウエブ12、22の一部である繊維を符号12a、22a(以下、突出した熱融着性天然系繊維12a、22a)で示している。
合成繊維ウエブ14、24の表面は上記のように、突出した熱融着性天然系繊維12a、22aにより覆われるが、前述したようにこれら繊維は熱融着性を具備しているので、合成繊維ウエブ14、24側を接合することに不都合は生じない。なお、合成繊維ウエブ14、24の表面には、自身の繊維の一部も表面に存在しており、この繊維も接合に寄与する。
上記合成繊維ウエブ14、24を一定の割合以上を加熱して、突出した熱融着性天然系繊維12a、22aの繊維と熱融着性のシート材40の繊維とを溶融させるための加熱領域を設定して接合する。合成繊維ウエブの面積に対して、例えば10〜40%の加熱領域を設定するのが好ましい。より具体的には、加熱領域は、後述する熱エンボス装置あるいは超音波接合装置等の加熱手段によって加熱する領域となる。
上記熱融着性天然系繊維ウエブ12、22に用いる天然系繊維としては、パルプ、コットンなどの天然繊維に基づくものや再生繊維を採用することができる。例えば、木材パルプを採用する場合には、材種としてラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、スプルース、ダグラスファー等のNBKPが好ましく、解繊性や歩留まり等を考慮して適宜に選定すればよい。再生セルロース繊維としてはレーヨンなどを好適に用いることができる。
そして、熱融着性天然系繊維ウエブ12、22に配合される熱融着繊維としては、上記合成繊維系ウエブ14、24を構成する合成繊維よりは融点が低く、溶融固化した時に天然系繊維を包み込んだ状態で接合できるものを採用するのが好ましい。例えば、中心側に融点が相対的に高い第1の合成樹脂、その外側に第1の合成樹脂より融点が低い第2の合成樹脂を配置してある、所謂、芯鞘構造に形成した複合型の熱融着性繊維を採用することができる。
上記第1の合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド類、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体等のポリオレフィン類のホモポリマー、コポリマ−、グラフト変性体あるいはこれらのポリマーアロイなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
そして、第2の合成樹脂としては、としては例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレン三元共重合体等のプロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
また、上記合成繊維系ウエブ14、24を構成する合成繊維としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等から選択するのが好ましい。
上記基材シート10、20のぞれぞれは、通常よりも薄め(低坪量)とされ、例えば坪量は85g/m以下とすることができる。例えば基材シート10、20それぞれの坪量を40g/mとし、更にシート材40については、例えば坪量60g/mであり、パルプ繊維が混合してあるポリプロピレン(PP)繊維によるメルトブロー不織布とすることができる。本発明の不織布ワイパー1は、同程度の坪量で製造された従来の単体型不織布ワイパーと比較して、吸水性および嵩高感に優れたものとなる。また、ポリプロピレン(PP)繊維が配合してある不織布を構成に含めると、保油性にも優れたワイパーとすることができる。
そして、上記熱融着性のシート材40については、熱融着性を備えたシート材を広く採用可能であるが、製品となる不織布ワイパー1のクッション性を向上させるという観点から熱融着性の繊維を含む不織布を採用するのが好ましい。熱融着性のシート材40が不織布であれば、不織布である第1の基材シート10と第2の基材シート20との間に、更に不織布層を挿入した3層積層構造の不織布ワイパーとなるので、クッション性が確実に改善される。
熱融着性のシート材40用の不織布として、天然系繊維と熱融着性合成繊維とによる複合型不織布を採用してもよい。このように熱融着性のシート材40に天然系繊維を含めば、製品となる不織布ワイパー1の吸水性能を更に向上させることができる。ただし、熱融着性のシート材40は前後に位置している合成繊維ウエブ上の突出した熱融着性天然系繊維12a、22aと接触し、接合部30を確実に形成する必要があるので、熱融着性のシート材40における熱融着性合成繊維の含有比率は40%以上とするのが好ましい。
上記シート材40用の不織布としては、スパンボンド、メルトブロー、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)、スパンレース、エアースルー、ポイント−ボンド、コフォーム(パルプ繊維混合型のメルトブロー)などの公知のものを採用できる。
熱融着性のシート材40を構成する熱融着性合成繊維については、前述した熱融着性天然系繊維ウエブ12、22に配合される熱融着繊維を同様に採用することができる。
図1右側は、上記基材シート10、20を、ここでは図示していない加熱手段により加熱して、合成繊維ウエブ14、24上の突出した熱融着性天然系繊維12a、22aと熱融着性のシート材40とを溶融固化した接合部30を介して一体化された不織布ワイパー1である。
図1右図に示した不織布ワイパーは、周表面に複数の凸部が設けてある加熱ローラと周表面が平坦な平滑ローラとを備えたローラ式の熱エンボス装置を用い、2つのローラ間に重ね合せ状態の基材シート10、熱融着性のシート材40、基材シート20を挟持しながら加熱することにより、対向し接触した繊維同士が溶融固化して接合部30となる。このように形成される接合部30は厚みが減少するので、各接合部30に対応してワイパー表面に複数の凹部35となって現れることになる(図1右図、参照)。
上記凹部35が複数存在するエンボス処理を施したワイパー表面の状態は、汚れに対する掻き取り性能などが改善することが知られている。よって、本発明の不織布ワイパー1は、掻き取り性能においても改善がされている不織布ワイパーになる。
ただし、図1右図は例示の一形態である。上下ローラ両方がその周表面に凸部が設けてあるものとして、表裏両面に凹部が形成された不織布ワイパーとしてもよい。また、熱エンボス装置に替えて超音波接合装置で、接合部30を形成するようにしてもよい。
上記基材シート10、20が一定以上の高坪量になると接合部30への熱伝達が困難となってくる。よって、基材シートの坪量が、例えば80g/mを超えるような場合には、熱エンボス装置に替えて坪量変化の影響の小さい超音波接合装置を用いて接合するのが好ましい。
図2は不織布ワイパー1の製造工程の概略を模式的に示した図である。
図2の左側には、ロール状に巻かれた2つの基材シート10、20が予め準備されている。各基材シート10、20は、合成繊維ウエブ上に天然系繊維に熱融着性繊維が配合してある熱融着性天然系繊維ウエブを積層した状態で一体形成してあるスパンレース型不織布である。
図2で、上側の基材シート10は上面側に天然系繊維ウエブ12が位置している不織布であり、下側の基材シート20は下面側に天然系繊維ウエブ22が位置している不織布である。この基材シート10、20は、互いに合成繊維系ウエブ14、24側が対向するように設定されている。
そして、更に、上記基材シート10、20との間に挿入される、熱融着性のシート材40も同様にロール状に巻かれた状態で準備されている。
上記ロールから送り出された基材シート10、20及び熱融着性のシート材40は、先ず積層形成工程を経る。この工程では、基材シート10、20及び熱融着性のシート材40が一緒に挟持ローラ装置2の間に案内されて、上記3つのシート材10、40、20が重ね合わされた予備的積層体50が形成される。
その下流では、予備的積層体50を挟持しながら、所定の加熱領域に加熱処理を行う接合処理工程が実行される。
ここでは、予備的積層体50に部分的な加熱処理をするための加熱手段3が配設してある。加熱手段3は、加熱領域にある合成繊維系ウエブ14、24および熱融着性のシート材40の加熱処理を行って、合成繊維系ウエブ14、24上に突出している熱融着性天然系繊維12a、22aと熱融着性のシート材40の繊維とを溶融する。加熱手段3としては、発熱部を備えて、予備的積層体50を挟持しながら部分的な加熱処理を実行する熱エンボス装置又は超音波接合装置など、公知の加熱装置を適宜に採用することができる。よって、接合処理工程を経ると、繊維が溶融固化した接合部30により、基材シート10、シート材40、そして基材シート20が一体的に接合されている不織布ワイパー1を得ることができる。
本発明の不織布ワイパーは、図1に示すような基材シート10、20の間に熱融着性のシート材40を配置してある3プライ(層)構造の積層構造体に限るものではない。
図3は、図1で例示した積層体に対して、下側に、第1の熱融着性のシート材40と同じ構成の第2の熱融着性のシート材70を介して、第1、第2の基材シート10、20と同じ構成の第3の基材シート60を追加し形成した5プライ(層)構造の積層構造体とした不織布ワイパー11を示している。
図3に示した不織布ワイパー11も前述したと同様の製造工程により製造可能であるが、この場合には第3の基材シート60および第2の熱融着性のシート材70を供給するためのロールが2つ追加され、製造される不織布ワイパー11は5プライ(層)構造となる。
このような不織布ワイパー11は、更に吸水性、嵩高性を向上させた不織布ワイパーとして、ユーザに供給することができる。
さらに、図3の下側の追加構造を、上側にも同様に追加して、7プライ(層)構造としてもよい。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
1、11 不織布ワイパー
10、20 基材シート
(10:第1の基材シート、20:第2の基材シート)
12、22 熱融着性天然系繊維ウエブ
12a、22a 突出した熱融着性天然系繊維
14、24 合成繊維系ウエブ
30 接合部
35 凹部
40 (第1の)熱融着性のシート材
50 予備的積層体
60 (第3の)基材シート
70 (第2の)熱融着性のシート材

Claims (7)

  1. 合成繊維ウエブ上に、天然系繊維に熱融着性繊維が配合してある熱融着性天然系繊維ウエブを積層した状態で一体形成してあるスパンレース型不織布を基材シートとして含み、
    2枚の前記基材シートを、前記合成繊維ウエブ同士が対向するように配置し、当該合成繊維ウエブの間に更に熱融着性のシート材が設けてある積層構造体が形成されており、当該積層構造体は前記熱融着性天然系繊維ウエブに基づいた繊維と前記熱融着性のシート材に基づいた繊維とが溶融固化した接合部を介して、接合されている、ことを特徴とする不織布ワイパー。
  2. 前記熱融着性天然系繊維ウエブにおける前記熱融着性繊維の配合率は20重量%以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の不織布ワイパー。
  3. 前記熱融着性のシート材は、熱融着性繊維を含んだ不織布である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の不織布ワイパー。
  4. 前記熱融着性のシート材用の前記不織布は、天然系繊維と熱融着性繊維とを含み、前記熱融着性繊維の含有比率が40重量%以上である、ことを特徴とする請求項3に記載の不織布ワイパー。
  5. 前記積層構造体の少なくとも一方側に、前記熱融着性のシート材を介して、前記基材シートが更に積層されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の不織布ワイパー。
  6. 合成繊維ウエブの上に、天然系繊維に熱融着性繊維が配合してある熱融着性天然系繊維ウエブを積層した状態で一体形成してあるスパンレース型不織布を基材シートとして、2枚を準備すると共に、更に熱融着性のシート材を準備し、
    前記基材シートを前記合成繊維ウエブ同士が対向するようにして送り出し、且つ、前記熱融着性のシート材が前記合成繊維ウエブの間に挟み込まれるように送り出して、前記基材シート同士の間に前記熱融着性のシート材が重ね合わされた予備的積層体を得る積層形成工程と、
    前記予備的積層体を挟持しながら、加熱処理を行って前記熱融着性天然系繊維ウエブに基づいた繊維と熱融着性のシート材に基づいた繊維とが溶融固化した接合部により、2枚の前記基材シートと前記熱融着性のシート材とを一体化する接合処理工程とを含む、ことを特徴とする不織布ワイパーの製造方法。
  7. 前記加熱処理を行うための加熱手段は、熱エンボス装置又は超音波接合装置である、ことを特徴とする請求項6に記載の不織布ワイパーの製造方法。
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