JP6705617B2 - ウェットワイパー - Google Patents
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Description
〔1〕
布帛と、該布帛に含浸させた除菌液と、を有するウェットワイパーであって、
前記布帛が、パルプとポリエステルとを含み、
前記パルプの含有量が、前記布帛100質量%に対して、20〜80質量%であり、
前記ウェットワイパーの最大引張強度(T1)を有する方向に対し直交する方向における前記ウェットワイパーの引張強度(T2)が、20N/50mm以上であり、
前記布帛の目付量が、20〜60g/m2である、
ウェットワイパー。
〔2〕
前記引張強度(T2)に対する前記最大引張強度(T1)の比(T1/T2)が、1.0〜5.0である、〔1〕に記載のウェットワイパー。
〔3〕
前記除菌液の含有量が、前記布帛100質量部に対して、50〜350質量部である、〔1〕又は〔2〕に記載のウェットワイパー。
〔4〕
医療用である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のウェットワイパー。
に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の
範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態のウェットワイパーは、布帛と、該布帛に含浸させた除菌液と、を有し布帛の最大引張強度(T1)を有する方向に対し直交する方向における布帛の引張強度(T2)が、20N以上である。
布帛を構成する繊維としては、特に限定されないが、例えば、天然繊維、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、無機繊維が挙げられる。布帛を構成する繊維は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
除菌液としては、特に限定されないが、例えば、清浄、殺菌、静菌、消毒、及び除菌等の作用を有する成分(以下、単に「有効成分」ともいう。)を含む溶液が挙げられる。
有効成分としては、特に限定されないが、例えば、第四級アンモニウム塩;2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル、又は2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−ジブロモ−ジフェニルエーテル等のようなハロゲン化ジフェニルエーテル;フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、パラクロロ−メタ−キシレノール(PCMX)等のようなフェノール化合物;2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(3,4,6−トリクロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−クロロ−6−ブロモフェノール)、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルフィド、又はビス(2−ヒドロキシ−5−クロロベンジル)スルフィド等のようなビスフェニル化合物;3,4,4’−トリクロロカルバニリド等のようなハロゲン化カルバニリド;ベンジルアルコール;クロルヘキシジン;グルコン酸クロルヘキシジン;塩酸クロルヘキシジンが挙げられる。有効成分は、ウェットワイパーの用途に応じて適宜選択することができ、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
[R(CH3)3N+]nX ・・式(2)
[R(CH3)N+(CH2CH2O)m'H[(CH2CH2O)m''H]]nX・・式(3)
[R(CH3)2N+CH2C6H5]nX ・・式(4)
[RPy+]nX ・・式(5)
(式(2)、(3)、(4)、及び(5)中、Rは、各々独立して、アルキル基を表し、Xは、各々独立して、1価又は2価の陰イオンを表し、m’及びm’’は、2〜40の整数を示し、n又は2の整数を表す。また、Pyはピリジンの略である。)
除菌液は、溶媒を含む。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水及び/又は非水溶媒が挙げられる。非水溶媒を用いることにより、有効成分又はその他の成分の溶解性がより向上する傾向にある。
除菌液は、界面活性剤、低級アルコール、キレート剤、防腐剤、着色料、香料、及び安定剤などを含んでもよい。
特に、引張強度(T2)が上記範囲内であり、かつ除菌液の含有量が上記範囲内であることにより、拭き取り時に布帛が解れリントを発生させることなく、殺菌性能がより向上する傾向にある。
ウェットワイパーの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、布帛を製造する布帛製造工程と、得られた布帛に除菌液を含浸させる含浸工程とを有する方法が挙げられる。
布帛製造工程は、布帛を製造する工程であり、布帛の種類に応じて公知の方法を用いることができる。例えば、布帛として不織布を用いる場合の製造方式には、ウェブ形成工程と繊維間接着工程の2工程がある。
含浸工程は、布帛に除菌液を含浸させる工程である。除菌液の含浸方法としては、除菌液が、特に限定されないが、例えば、ボトル容器にロール状に巻き取られた布帛を、ロール面(円形状になっている面をいう。)がボトル容器の底部に接するように入れ、ロール状に巻き取られた布帛の上方ロール面側より除菌液を投入することにより含浸させる方法;布帛に除菌液を含浸させて、除菌液における溶媒を必要に応じて蒸留などにより一部留去する方法;布帛に除菌液を含浸させて、除菌液における溶媒を必要に応じて蒸留などにより一部留去し、次いで、水を含浸させる方法が挙げられる。なお、留去される溶媒は、ウェットワイパーに残存していてもよい。
本実施形態のウェットワイパーは、種々の払拭対象、被払拭物に用いることができる。
JIS L 1085に従って、ウェットワイパーの各平面方向における引張強度を測定し、最大引張強度(T1)、及び、最大引張強度(T1)を有する方向に対し直交する方向における布帛の引張強度(T2)を求めた。測定条件は以下の通りとした。
(測定条件)
試料幅 :50mm
つかみ間隔:100mm
引張速度 :300mm/分
白色のほうろうバットに、牛の凍結乾燥血液を水に溶かした20%水溶液0.5mLを塗布し、5cm×10cmに塗り広げた。その後、25℃にて6時間乾燥した後、16g/cm2の荷重かけてウェットワイパーで5往復払拭を行った。払拭後、血液の拭き取り性能とリントの発生状況を目視にて確認し、下記評価基準により評価した。
(評価基準:拭き取り性能)
◎:バットに血液がほとんど拭き残っていない。
○:バットに血液が僅かに拭き残っている。
△:バットに血液が少し拭き残っている。
×:バットに血液がかなり拭き残っている。
(評価基準:リントの発生状況)
◎:リントの発生が全く認められない。
○:リントが僅かに認められる。
△:リントが少し認められる。
×:リントがかなり発生している。
ボトル容器の上方部から底部までの4ヶ所からそれぞれ試験片を切り取り、水中に30分間浸漬させ、第四級アンモニウム塩を抽出した。その後に、水中に溶解した第四級アンモニウム塩の濃度を高速液体クロマトグラフにて定量した。得られた濃度に基づいて、吸着溶解率を下記計算式より求めた。
(装置構成)
UV検出器:SPD−6AV(検出波長 256nm 島津製作所製)
カラム :ODSカラム(CAPCELL PAK UG80型 資生堂製)
移動相 :アセトニトリルと1.3%過塩素酸ナトリウム水溶液の混合物(混合比55/45)
[計算式]
吸着溶解率(%)=試験片中から水に抽出された第四級アンモニウム塩の質量(W1)/試験片不織布の質量(W2)×100
W1=試験片の抽出水溶液中の第四級アンモニウム塩の濃度(質量%)×{抽出水の質量(W4)+試験片不織布中の水の質量(W3)}
ロール外側、ロール中央、ロール内側のシートよりそれぞれ上方部から底部までの4ヶ所の試験片における吸着溶解率の最大値と最小値から、各シートにおける吸着溶解率の最大/最小比率を求めた。
ここで、ロール巻き数をn枚とした場合に、ロール外側とは、外側から数えて1枚目を意味し、ロール中央とは、n/2枚目を意味し、ロール内側とは、n枚目のロール巻きの最中心のシートを意味する。
ロール状に巻き取られた不織布から上記と同様に切り取った試験片をポリデキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製)に貼付し、カビ懸濁液(クラドスポリウムかび106〜107cfu/mL)1mLを滴下しコンラージ棒で広げ培養を行った。培養時間は25℃で2週間とした。2週間後の試験片を目視にて観察し、下記評価基準により防かび性を評価した。
(評価基準)
○:試験片不織布にかびが全く発生しない。
△:試験片不織布の3分の1未満がかびで覆われている。
×:試験片不織布の3分の1以上がかびで覆われている。
有効成分として50質量%ラウリルベンジルジメチルアンモニウムクロライド水溶液1.5質量部と精製水98.5質量部をステンレス容器に投入し、15分間、300rpmで撹拌を行い、0.75質量%除菌液を調製した。
目付量50g/m2のクロスレイ−スパンレース製法で製造した不織布(組成比 ウッドパルプ/ポリエステル=60/40)を幅15cmのシート状に裁断し、長さ方向に18cmごとにミシン目を入れて90枚のロール巻きとした。ロール状に巻き取られた不織布をボトル容器にロール状の面が接するように配置し、このロール巻きの質量に対して2.5倍量の除菌液を上方ロール面側から含浸させてウェットワイパーを製造した。
表1に示す繊維構成の不織布ロールを使用し、このロール巻きの質量に対して表1に示す倍量の除菌液を上方ロール面側から含浸させてウェットワイパーを製造した以外は実施例1と同様にしてウェットワイパーを製造し、実施例1と同様に評価を実施した。結果を表1に示す。
スパンレース製法で製造した目付量51g/m2の不織布(組成比 ウッドパルプ/ポリエステル=60/40)(比較例1)、目付量47g/m2のレーヨン系不織布(組成比 レーヨン=100)(比較例2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてウェットワイパーを製造し、実施例1と同様に評価を実施した。結果を表1に示す。
Claims (4)
- 布帛と、該布帛に含浸させた除菌液と、を有するウェットワイパーであって、
前記布帛が、パルプとポリエステルとを含み、
前記パルプの含有量が、前記布帛100質量%に対して、20〜80質量%であり、
前記ウェットワイパーの最大引張強度(T1)を有する方向に対し直交する方向における前記ウェットワイパーの引張強度(T2)が、20N/50mm以上であり、
前記布帛の目付量が、20〜60g/m2である、
ウェットワイパー。 - 前記引張強度(T2)に対する前記最大引張強度(T1)の比(T1/T2)が、1.0〜5.0である、請求項1に記載のウェットワイパー。
- 前記除菌液の含有量が、前記布帛100質量部に対して、50〜350質量部である、請求項1又は2に記載のウェットワイパー。
- 医療用である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のウェットワイパー。
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