JP2014004481A - 産業用ワイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】素拭き、仕上げ拭き等の目的に応じて拭き取り面を選択して使用可能な産業用ワイプを提供する。
【解決手段】エンボス5を単層シート2に形成し、単層シート2のMMD比を120%以上、ロール密度を50〜200kg/m3にする。
【選択図】図2
【解決手段】エンボス5を単層シート2に形成し、単層シート2のMMD比を120%以上、ロール密度を50〜200kg/m3にする。
【選択図】図2
Description
本発明は、単層シートからなるロール状の産業用ワイプに関するものである。
産業用ワイプは、各種の産業用製品やこれに用いる部品に付着した塵・埃・水分・油分等の拭き取りに使用される。
産業用ワイプには、水分や油分等の拭き取り性能に加え、産業用ワイプから発生する紙粉(リントと呼ぶこともある)が少ないことが求められており、これらの要求に応えるべく、複数の基材シートを積層した産業用ワイプの表面に、エンボスを付与したものがある。
産業用ワイプには、水分や油分等の拭き取り性能に加え、産業用ワイプから発生する紙粉(リントと呼ぶこともある)が少ないことが求められており、これらの要求に応えるべく、複数の基材シートを積層した産業用ワイプの表面に、エンボスを付与したものがある。
産業用ワイプに付与されるエンボスとしては、ピン形状エンボス、ディンプル形状エンボスが代表的である。
ピン形状エンボスが付された産業用ワイプは、多数のピン形状エンボスにより応圧されているためプライ剥離が防止され、多数のピン形状エンボスにより形成された凹部に、塵や埃を効率よく収容することができる。しかし、ピン形状エンボスが付された産業用ワイプは、粘度の高いグリス等の拭き取り性能が乏しい。
一方、ディンプル形状エンボスが付された産業用ワイプは、ディンプル形状エンボスにより形成された比較的大きな口径を有する凹部に、粘度の高いグリス等を効率よく収容することができる。しかし、ディンプル形状エンボスが付された産業用ワイプは、粘度の低い水等の拭き取り性能が乏しく、また、比較的少数のディンプル形状エンボスにより応圧されているためプライ剥離が生じるおそれがある(特許文献1)。
また、ピン形状エンボス、ディンプル形状エンボスの他にも種々の形状のエンボスが提案されている(特許文献2〜4)。
ピン形状エンボスが付された産業用ワイプは、多数のピン形状エンボスにより応圧されているためプライ剥離が防止され、多数のピン形状エンボスにより形成された凹部に、塵や埃を効率よく収容することができる。しかし、ピン形状エンボスが付された産業用ワイプは、粘度の高いグリス等の拭き取り性能が乏しい。
一方、ディンプル形状エンボスが付された産業用ワイプは、ディンプル形状エンボスにより形成された比較的大きな口径を有する凹部に、粘度の高いグリス等を効率よく収容することができる。しかし、ディンプル形状エンボスが付された産業用ワイプは、粘度の低い水等の拭き取り性能が乏しく、また、比較的少数のディンプル形状エンボスにより応圧されているためプライ剥離が生じるおそれがある(特許文献1)。
また、ピン形状エンボス、ディンプル形状エンボスの他にも種々の形状のエンボスが提案されている(特許文献2〜4)。
しかし、従来の基材シートを積層した産業用ワイプにあっては、産業用ワイプの表面側と裏面側との滑らかさが等しく、素拭き、仕上げ拭き等の目的に応じて表面側、裏面側を選択して使用することができず、迅速に粉塵、汚物等の回収が行えないだけでなく、一度に大量の産業用ワイプを使用することから経済的な不利益もあった。
そこで、本発明の主たる課題は、単層シートからなるロール状の産業用ワイプの表面側と裏面側との滑らかさを相違させ、素拭き、仕上げ拭き等の目的に応じて表面側、裏面側を選択して使用することができる産業用ワイプを提供することにあり、従たる課題は、湿潤時においても引張強度が大きい産業用ワイプを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は、次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
ロール状の産業用ワイプであって、
前記産業用ワイプは、米坪が15.0〜45.0g/m2、厚みが150〜400μmの単層シートから構成され、
前記シートのMMD比が120%以上であり、ロール密度が50〜200kg/m3である産業用ワイプ。
<請求項1記載の発明>
ロール状の産業用ワイプであって、
前記産業用ワイプは、米坪が15.0〜45.0g/m2、厚みが150〜400μmの単層シートから構成され、
前記シートのMMD比が120%以上であり、ロール密度が50〜200kg/m3である産業用ワイプ。
<作用効果>
発明者の知見によれば、請求項1に係る発明は、米坪が15.0〜45.0g/m2で、厚みが150〜400μmの単層シートで構成されていることから、厚み感に優れ、拭き取り時に破断する恐れが少ない。
発明者の知見によれば、請求項1に係る発明は、米坪が15.0〜45.0g/m2で、厚みが150〜400μmの単層シートで構成されていることから、厚み感に優れ、拭き取り時に破断する恐れが少ない。
単層シートの表面側のMMD値と裏面側のMMD値のMMD比(裏面側のMMD値/表面側のMMD値×100で算出)が120%以上であり、単層シートの裏面側が素拭きに好適であり、表面側が裏面側に比較し滑らかであることから仕上げ拭きに好適である。つまり拭き取り状態に応じて単層シートの拭き取り面を適宜選択することにより効率的な拭き取りができる。
本請求項においては、ロール密度が50〜200kg/m3であることから、搬送時に変形することなく、厚み感に優れ、裏抜けを防止することができる。
<請求項2記載の発明>
ピッチ間隔が3〜10mmで面積率が3〜30%のエンボスが形成されている請求項1記載の産業用ワイプ。
ピッチ間隔が3〜10mmで面積率が3〜30%のエンボスが形成されている請求項1記載の産業用ワイプ。
<作用効果>
本請求項においては、単層シートの片面側からピッチ間隔が3〜10mmで面積率が3〜30%のエンボスが形成されていることから、嵩だか性が向上し、粘度が低い粉塵、汚物等、粘度が高い油分、グリス等の被対象物を迅速に吸収、除去できる。
本請求項においては、単層シートの片面側からピッチ間隔が3〜10mmで面積率が3〜30%のエンボスが形成されていることから、嵩だか性が向上し、粘度が低い粉塵、汚物等、粘度が高い油分、グリス等の被対象物を迅速に吸収、除去できる。
<請求項3記載の発明>
前記シートには、湿潤紙力剤が10〜30kg/ton含有され、縦乾燥引張強度が1000cN以上、縦湿潤引張強度が300cN以上である請求項1又は2記載の産業用ワイプ。
前記シートには、湿潤紙力剤が10〜30kg/ton含有され、縦乾燥引張強度が1000cN以上、縦湿潤引張強度が300cN以上である請求項1又は2記載の産業用ワイプ。
<作用効果>
請求項3記載の発明は、シートに湿潤紙力剤が10〜30kg/ton含有されていることから乾燥時引張強度、湿潤時引張強度が大きく厨房用のキッチンペーパーとして使用することができる。
請求項3記載の発明は、シートに湿潤紙力剤が10〜30kg/ton含有されていることから乾燥時引張強度、湿潤時引張強度が大きく厨房用のキッチンペーパーとして使用することができる。
<請求項4記載の発明>
前記シートの吸水量が100〜300g/m2である請求項1〜3の何れか1項に記載の産業ワイプ。
前記シートの吸水量が100〜300g/m2である請求項1〜3の何れか1項に記載の産業ワイプ。
<作用効果>
請求項4記載の発明は、吸水量が100〜300g/m2であることから、粘度が低い水分、粉塵、汚物等の被対象物を迅速に吸収、除去できる。
請求項4記載の発明は、吸水量が100〜300g/m2であることから、粘度が低い水分、粉塵、汚物等の被対象物を迅速に吸収、除去できる。
<請求項5記載の発明>
前記シートの吸油量が300〜800g/m2である請求項1〜4の何れか1項に記載の産業ワイプ。
前記シートの吸油量が300〜800g/m2である請求項1〜4の何れか1項に記載の産業ワイプ。
<作用効果>
請求項5記載の発明は、吸油量が300〜800g/m2であることから、粘度が高い油、グリス等の被対象物を迅速に吸収、除去できる。
請求項5記載の発明は、吸油量が300〜800g/m2であることから、粘度が高い油、グリス等の被対象物を迅速に吸収、除去できる。
以上、本発明によれば、産業用ワイプは、表面側と裏面側の滑らかさが相違し、素拭き、仕上げ拭きに応じて表面側、裏面側を選択して使用できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。なお、本発明の用語のうち、「厚み」とは図3のTを意味し、「ピッチ間隔」とは図2のPを意味し、「面積率」はエンボスの頂部面積Sの合計面積/シート面積×100により算出した値を意味し、「MMD比」とはシートの裏面側のMMD/シートの表面側MMD×100により算出した値を意味し、「ロール密度」とは米坪×巻長さ×重ね枚数/ロール断面積により算出した値を意味する。
図1はロール状の産業用ワイプ1の斜視図である。本発明に係る産業用ワイプ1は、エンボス5が形成された単層シート2を紙管3にロール状に巻き付けた産業用ワイプであり、ロール密度は50〜200kg/m3であり、特に90〜130kg/m3にするのが好適である。
ロール密度は巻き固さの指標値であり、ロール密度が50kg/m3未満であると巻きが緩くロール状の産業用ワイプ1の輸送時、使用時に単層シート2が鏡面から突き出す恐れがあり形状維持が困難である。一方、ロール密度が200kg/m3超であると巻きが固く単層シート2が潰れ、厚み感が劣り、拭き取り時に裏抜けが発生する恐れがある。
なお、前述した「巻長さ」とは単層シート2の巻取り方向の長さをいい、「ロール断面積」とはロールの中心軸と直交する面の面積(紙管3、中央の空間を除く。)をいう。
ロール密度は巻き固さの指標値であり、ロール密度が50kg/m3未満であると巻きが緩くロール状の産業用ワイプ1の輸送時、使用時に単層シート2が鏡面から突き出す恐れがあり形状維持が困難である。一方、ロール密度が200kg/m3超であると巻きが固く単層シート2が潰れ、厚み感が劣り、拭き取り時に裏抜けが発生する恐れがある。
なお、前述した「巻長さ」とは単層シート2の巻取り方向の長さをいい、「ロール断面積」とはロールの中心軸と直交する面の面積(紙管3、中央の空間を除く。)をいう。
図2は単層シート2の表面側から見た平面展開図であり、図3は図2のA−A断面図である。
<単層シート>
単層シート2の米坪は適宜定めることができるが、米坪としては15.0〜45.0g/m2、特に25.0〜39.0g/m2にするのが好適である。
米坪が15.0g/m2未満の場合、単層シート2の破断強度が小さく、拭き取り時に単層シート2が裂破する恐れがある。一方、米坪が45.0g/m2超の場合、単層シート2の剛性が高く、単層シート2をロール状に巻き取ることが困難になる。
<単層シート>
単層シート2の米坪は適宜定めることができるが、米坪としては15.0〜45.0g/m2、特に25.0〜39.0g/m2にするのが好適である。
米坪が15.0g/m2未満の場合、単層シート2の破断強度が小さく、拭き取り時に単層シート2が裂破する恐れがある。一方、米坪が45.0g/m2超の場合、単層シート2の剛性が高く、単層シート2をロール状に巻き取ることが困難になる。
単層シート2の厚みTは適宜定めることができるが、厚みTとしては150〜400μm、特に200〜350μmにするのがより好適である。
厚みTが150μm未満の場合、単層シート2の破断強度が小さく、拭き取り時に単層シート2が裂破する恐れがある。一方、厚みTが400μm超の場合、単層シート2の剛性が高まり、単層シート2をロール状にする際に大きな抵抗となる恐れがあり、特に、精密医療機器の清拭が困難になる。
なお、単層シート2の厚みTは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−9510)を用い、それぞれ10回ずつ3次元測定した値の平均値である。
厚みTが150μm未満の場合、単層シート2の破断強度が小さく、拭き取り時に単層シート2が裂破する恐れがある。一方、厚みTが400μm超の場合、単層シート2の剛性が高まり、単層シート2をロール状にする際に大きな抵抗となる恐れがあり、特に、精密医療機器の清拭が困難になる。
なお、単層シート2の厚みTは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−9510)を用い、それぞれ10回ずつ3次元測定した値の平均値である。
単層シート2の原料パルプとしては、例えばグランドウッドパルプ(GP)・プレッシャーライズドグランドウッドパルプ(PGW)・サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、セミケミカルパルプ(CP)、針葉樹高歩留り未晒クラフトパルプ(HNKP)・針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)・広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)・広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の化学パルプ、及びデインキングパルプ(DIP)・ウェイストパルプ(WP)等の古紙パルプの中から一種または二種以上を適宜選択して使用することができる。
通常の場合、填料や異物を含まない化学パルプが好適であり、特にNBKPを100質量%用いるのが好ましいが、一部LBKPを配合することも可能である。
一般的にLBKPよりもNBKPのほうが、繊維長が長く繊維太さが太いため、NBKPが多いほうが、強度が高く、嵩高となるとともに、表裏面に付着した吸水性や吸油性が良好となり、水分・油分の保持性も良好となる。NBKPとLBKPとを混合して用いる場合、NBKPの配合量は70質量%以上であるのが好ましい。
通常の場合、填料や異物を含まない化学パルプが好適であり、特にNBKPを100質量%用いるのが好ましいが、一部LBKPを配合することも可能である。
一般的にLBKPよりもNBKPのほうが、繊維長が長く繊維太さが太いため、NBKPが多いほうが、強度が高く、嵩高となるとともに、表裏面に付着した吸水性や吸油性が良好となり、水分・油分の保持性も良好となる。NBKPとLBKPとを混合して用いる場合、NBKPの配合量は70質量%以上であるのが好ましい。
なお、産業用ワイプ1に高い破断強度が要求される場合には、単層シート2をパルプを主体とする化繊混抄紙にすることもできる。
この場合、単層シート2のパルプの配合量は適宜定めることができるが、通常の場合10〜85質量%、特に35〜70質量%とするのが好適である。パルプの配合量が少な過ぎると吸収性、吸油性及び水分、油分の保持性が悪くなり、多過ぎると強度と厚みのバランスが取りにくく拭き取り性の低いシートとなる。
混抄する化学繊維も適宜選択することができるが、主に嵩高性を確保するためにクリンプ繊維を含有させるのが好適である。また、湿潤時強度、圧縮復元性、低発塵性等を確保するために他の化繊とは別に熱融着繊維を含有させ、層中の繊維相互を融着させるのが好ましい。さらに他の化学繊維、すなわちクリンプ繊維及びバインダーとして機能する熱融着繊維以外の化学繊維が含まれていてもよい。
この場合、単層シート2のパルプの配合量は適宜定めることができるが、通常の場合10〜85質量%、特に35〜70質量%とするのが好適である。パルプの配合量が少な過ぎると吸収性、吸油性及び水分、油分の保持性が悪くなり、多過ぎると強度と厚みのバランスが取りにくく拭き取り性の低いシートとなる。
混抄する化学繊維も適宜選択することができるが、主に嵩高性を確保するためにクリンプ繊維を含有させるのが好適である。また、湿潤時強度、圧縮復元性、低発塵性等を確保するために他の化繊とは別に熱融着繊維を含有させ、層中の繊維相互を融着させるのが好ましい。さらに他の化学繊維、すなわちクリンプ繊維及びバインダーとして機能する熱融着繊維以外の化学繊維が含まれていてもよい。
クリンプ繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維の長繊維に対して、正逆反対の撚りの繰り返しと熱処理とを繰り返して行うクリンプ加工(仮撚り加工、ウーリー加工とも言われる)を施して形成されるものが適する。中でもポリエチレンテレフタレート繊維をクリンプ加工して形成されるPETクリンプ繊維が好適である。なお、化学繊維をクリンプ加工して形成される繊維のほか羊毛等の天然のクリンプ繊維をも用い得る。
クリンプ繊維の繊度は適宜定めることができるが、通常の場合1〜30dtex、特に2〜20dtexとするのが好適である。クリンプ繊維が細過ぎると繊維が柔らかくなり効果的に嵩が出ず、太過ぎると剛直となり、シートが硬くなる。
また、クリンプ繊維の繊維長は適宜定めることができるが、通常の場合2〜10mm、特に3〜7mmとするのが好適である。クリンプ繊維が短過ぎると効果的に嵩が出ず、長過ぎると絡まりやすくなり抄紙が困難となる。
さらに、クリンプ繊維の配合量は適宜定めることができるが、通常の場合10〜85質量%、特に25〜60質量%とするのが好適である。クリンプ繊維の配合量が少な過ぎると嵩が出ず、多過ぎると強度が低くなる。
クリンプ繊維の繊度は適宜定めることができるが、通常の場合1〜30dtex、特に2〜20dtexとするのが好適である。クリンプ繊維が細過ぎると繊維が柔らかくなり効果的に嵩が出ず、太過ぎると剛直となり、シートが硬くなる。
また、クリンプ繊維の繊維長は適宜定めることができるが、通常の場合2〜10mm、特に3〜7mmとするのが好適である。クリンプ繊維が短過ぎると効果的に嵩が出ず、長過ぎると絡まりやすくなり抄紙が困難となる。
さらに、クリンプ繊維の配合量は適宜定めることができるが、通常の場合10〜85質量%、特に25〜60質量%とするのが好適である。クリンプ繊維の配合量が少な過ぎると嵩が出ず、多過ぎると強度が低くなる。
また、産業用ワイプ1に高い湿潤強度が要求される場合には、湿潤紙力剤を単層シート2の原料パルプに対し10〜30kg/ton配合し抄紙をする。湿潤紙力増強剤としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、グリオキザール・ポリアクリルアミド共重合物、官能基数を通常の1/10に低減したポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ジアルデヒドスターチまたはカチオン変性デンプン、酸化デンプン等、より具体的にはカチオン性を有するポリビニルアミド共重合体と二価アルデヒドからなる熱硬化性樹脂、カチオン性アルデヒド変性ポリアクリルアミド共重合体、カチオン性高分子とアニオン性高分子を含有し、カチオン性高分子及びアニオン性高分子の少なくとも1つの高分子が疎水性を有するもの等、公知のものを用いることができる。
<エンボス>
単層シート2には、単層シート2の表面側から裏面側に向かいエンボス5が形成され、裏面側に突出するエンボス5の頂部により、単層シート2の裏面側は表面側に比較しざらつきを有する。すなわち、単層シート2のMMD比(裏面側のMMD/表面側のMMD×100から算出)が120%以上である。特に、MMD比が150%の場合、拭き取り状態に応じて単層シート2の拭き取り面を適宜選択することにより効率的な拭き取りができ好適である。
なお、表面側及び裏面側のMMDの測定は、摩擦感テスター KESSE(カトーテック株式会社製)を使用し、横断面直径0.5mmのピアノ線からなり、その接触面の長さは5mmである摩擦子を、単層シート2に10gの接触圧で接触させながら、移動方向に20g/cmの張力を単層シート2に与えつつ、0.1cm/秒の速度で2cm移動させて測定した値である。
単層シート2には、単層シート2の表面側から裏面側に向かいエンボス5が形成され、裏面側に突出するエンボス5の頂部により、単層シート2の裏面側は表面側に比較しざらつきを有する。すなわち、単層シート2のMMD比(裏面側のMMD/表面側のMMD×100から算出)が120%以上である。特に、MMD比が150%の場合、拭き取り状態に応じて単層シート2の拭き取り面を適宜選択することにより効率的な拭き取りができ好適である。
なお、表面側及び裏面側のMMDの測定は、摩擦感テスター KESSE(カトーテック株式会社製)を使用し、横断面直径0.5mmのピアノ線からなり、その接触面の長さは5mmである摩擦子を、単層シート2に10gの接触圧で接触させながら、移動方向に20g/cmの張力を単層シート2に与えつつ、0.1cm/秒の速度で2cm移動させて測定した値である。
エンボス5としては、ピン形状エンボス、ディンプル形状エンボス 富士山型エンボスを形成することができるが、特に、富士山型エンボスを形成した場合、嵩だか性が向上し、粘度が低い粉塵、汚物等、粘度が高い油分、グリス等の被対象物を迅速に吸収、除去でき好適である。
図3に示す富士山エンボスは、頂部Fの周端部が一定の曲率半径Rを有する曲線状であるため、単層シート2の表面側のざらつきが小さく滑らかである。
周端部の曲率半径Rについては適宜定めることができるが、曲率半径Rが0.01〜0.5mm、特に0.03〜0.1mmにするのが好適である。曲率半径Rが0.01mm未満であると、頂部Fの周端部が鋭過ぎ、単層シート2の強度がさがり拭き取り時に単層シート2が裂破する恐れがある。一方、曲率半径Rが0.5mm超であると、頂部Fの周端部がなだらか過ぎ、粘度の高い油分、グリス等の拭き取り性が低下する。
周端部の曲率半径Rについては適宜定めることができるが、曲率半径Rが0.01〜0.5mm、特に0.03〜0.1mmにするのが好適である。曲率半径Rが0.01mm未満であると、頂部Fの周端部が鋭過ぎ、単層シート2の強度がさがり拭き取り時に単層シート2が裂破する恐れがある。一方、曲率半径Rが0.5mm超であると、頂部Fの周端部がなだらか過ぎ、粘度の高い油分、グリス等の拭き取り性が低下する。
エンボス5の深さDは適宜定めることができるが、深さDが75〜800μm、特に100〜600μmが好適である。
深さDが75μm未満の場合、粘性が高い油分、グリス等の拭き取りが低下し、単層シート2の表面側と裏面側との滑らかさを相違させるのが困難になる。一方、深さDが800μm超の場合、使用時に単層シート2が富士山エンボスを起点として裂破する恐れがある。
深さDが75μm未満の場合、粘性が高い油分、グリス等の拭き取りが低下し、単層シート2の表面側と裏面側との滑らかさを相違させるのが困難になる。一方、深さDが800μm超の場合、使用時に単層シート2が富士山エンボスを起点として裂破する恐れがある。
エンボス5のピッチ間隔は適宜定めることができるが、ピッチ間隔を3〜10mm、特に、4〜6mmにするのが好適である。
ピッチ間隔が3mm未満の場合、単層シート2の表面側と裏面側との滑らかさを相違させるのが困難になる。一方、ピッチ間隔が10mm超の場合拭き取り性が低下する。
ピッチ間隔が3mm未満の場合、単層シート2の表面側と裏面側との滑らかさを相違させるのが困難になる。一方、ピッチ間隔が10mm超の場合拭き取り性が低下する。
エンボス5の面積率は適宜定めることができるが、面積率を3〜30%、特に、10〜25%にするのが好適である。
面積率が3%未満の場合、粘性が高い油分、グリス等の拭き取りが低下し、単層シート2の表面側と裏面側との滑らかさを相違させるのが困難になる。一方、面積率が30%超の場合、使用時に単層シート2がエンボス5を起点として裂破する恐れがある。
なお、エンボス5の曲率半径R、深さD、頂部面積Sは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−9510)を用い、それぞれ10回ずつ3次元測定した値の平均値であり、単層シート2のエンボス5は、エンボス5形状に対応する凸状に加工されたエンボスロールと対向ロールとの間に単層シート2を挿進し形成した。
面積率が3%未満の場合、粘性が高い油分、グリス等の拭き取りが低下し、単層シート2の表面側と裏面側との滑らかさを相違させるのが困難になる。一方、面積率が30%超の場合、使用時に単層シート2がエンボス5を起点として裂破する恐れがある。
なお、エンボス5の曲率半径R、深さD、頂部面積Sは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−9510)を用い、それぞれ10回ずつ3次元測定した値の平均値であり、単層シート2のエンボス5は、エンボス5形状に対応する凸状に加工されたエンボスロールと対向ロールとの間に単層シート2を挿進し形成した。
本発明の効果を確認するため、引張強度、吸収速度、吸収量、MMD、拭き取り性について評価を行った結果を表1に示す。
実施例、比較例とも単層シートを構成する基材紙の原料には、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、100%質量を使用し、MMDの測定には摩擦感テスター KESSE(カトーテック株式会社製)を使用した。
<乾燥引張強度>
JIS P 8113に準拠して測定した測定値[cN]であり、縦方向(繊維の配向と平行方向)と横方向(繊維の配向に直角方向)をそれぞれ測定した。
<湿潤引張強度>
JIS P 8135に準拠して測定した測定値[cN]であり、縦方向(繊維の配向と平行方向)と横方向(繊維の配向に直角方向)をそれぞれ測定した。
<吸水量>
試験片(幅100mm×奥行き100mm)を裁断し、表面層と裏面層を交互に4枚重ねした状態で水に3分間つけて取出し、網状の水平台の上に30秒放置した後の重量を測定し、増加重量を算出した算出値[g/m2]である。
<吸油量>
試験片(幅100mm×奥行き100mm)を裁断し、表面層と裏面層を交互に4枚重ねした状態でサラダ油に3分間つけて取出し、網状の水平台の上に30秒放置した後の重量を測定し、増加重量を算出した算出値[g/m2]である。
<拭き取り性>
表面平滑な水平台(一般に使われる実験台、天板材質:セグラン、セルロン)上に、グリス(昭和シェル石油製、名称:カートリッジグリス、型式:EP―2)を1.5gへらで均一に延ばし、試験片(幅100mm×奥行き100mm)を裁断し、500gのおもりを載せた状態で水平台上を約2秒間スライド移動させた後、試験片の表裏面を逆さに500gのおもりを載せた状態で水平台上を約2秒間スライド移動させた後、グリスの残存状態を目視評価した。
なお、グリスがよく拭き取れた「○」、グリスが普通に拭き取れた「△」、少量のグリスが拭き取れず残る「×」とした。
実施例、比較例とも単層シートを構成する基材紙の原料には、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、100%質量を使用し、MMDの測定には摩擦感テスター KESSE(カトーテック株式会社製)を使用した。
<乾燥引張強度>
JIS P 8113に準拠して測定した測定値[cN]であり、縦方向(繊維の配向と平行方向)と横方向(繊維の配向に直角方向)をそれぞれ測定した。
<湿潤引張強度>
JIS P 8135に準拠して測定した測定値[cN]であり、縦方向(繊維の配向と平行方向)と横方向(繊維の配向に直角方向)をそれぞれ測定した。
<吸水量>
試験片(幅100mm×奥行き100mm)を裁断し、表面層と裏面層を交互に4枚重ねした状態で水に3分間つけて取出し、網状の水平台の上に30秒放置した後の重量を測定し、増加重量を算出した算出値[g/m2]である。
<吸油量>
試験片(幅100mm×奥行き100mm)を裁断し、表面層と裏面層を交互に4枚重ねした状態でサラダ油に3分間つけて取出し、網状の水平台の上に30秒放置した後の重量を測定し、増加重量を算出した算出値[g/m2]である。
<拭き取り性>
表面平滑な水平台(一般に使われる実験台、天板材質:セグラン、セルロン)上に、グリス(昭和シェル石油製、名称:カートリッジグリス、型式:EP―2)を1.5gへらで均一に延ばし、試験片(幅100mm×奥行き100mm)を裁断し、500gのおもりを載せた状態で水平台上を約2秒間スライド移動させた後、試験片の表裏面を逆さに500gのおもりを載せた状態で水平台上を約2秒間スライド移動させた後、グリスの残存状態を目視評価した。
なお、グリスがよく拭き取れた「○」、グリスが普通に拭き取れた「△」、少量のグリスが拭き取れず残る「×」とした。
表1に示すとおり、実施例1〜4はMMD比が146%以上であり拭き取り性が高いことが確認できた。
本発明は、産業用製品に付着した塵・埃・水分・油分等の拭き取りに使用される産業用ワイプに利用可能である。
1…産業用ワイプ
2…単層シート
3…紙管
4…ミシン目
5…エンボス
D…深さ
F…頂部
P…ピッチ間隔
R…曲率半径
S…頂部面積
T…厚み
2…単層シート
3…紙管
4…ミシン目
5…エンボス
D…深さ
F…頂部
P…ピッチ間隔
R…曲率半径
S…頂部面積
T…厚み
Claims (5)
- ロール状の産業用ワイプであって、
前記産業用ワイプは、米坪が15.0〜45.0g/m2、厚みが150〜400μmの単層シートから構成され、前記シートのMMD比が120%以上であり、ロール密度が50〜200kg/m3である産業用ワイプ。 - ピッチ間隔が3〜10mmで面積率が3〜30%のエンボスが形成されている請求項1記載の産業用ワイプ。
- 前記シートには、湿潤紙力剤が10〜30kg/ton含有され、縦乾燥引張強度が1000cN以上、縦湿潤引張強度が300cN以上である請求項1又は2記載の産業用ワイプ。
- 前記シートの吸水量が100〜300g/m2である請求項1〜3の何れか1項に記載の産業ワイプ。
- 前記シートの吸油量が300〜800g/m2である請求項1〜4の何れか1項に記載の産業ワイプ。
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- 2013-10-03 JP JP2013207850A patent/JP2014004481A/ja active Pending
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