JP4629103B2 - 膨張構造のもろい酪農製品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般にミルク−酪農業の分野に関する。特に、本発明は、硬質チーズを原料とするもろく、サクサクの、膨張(expanded)酪農製品の製造方法に関する。 明らかにする目的で、主にグラーナ・パダーノ(Grana Padano)に言及するが、例えば、パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)、他のパルメザン様チーズ、サージニアン・ペコリーノ(Sardinian Pecorino)、ロマン(Roman)、シシリアン(Sicilian)及びトスカナ・ペコリーノ(Tuscan Pecorino)、スブリンツ(Sbrinz)等のような類似の硬質チーズにまで及ぶものを開示し、クレームすることを意図する。
硬質チーズ、特に、グラーナ・パダーノ及びパルミジャーノ・レッジャーノは、チーズボード・チーズとして、ならびにメイン又はセカンド料理のシーズニングとして粉形態で、カルパッチョ(肉の薄いスライス)及びブレザーオラ(塩漬けの牛肉)のような調理に加えるフレークの形態で、イタリアで伝統的に常に使用されており、他のヨーロッパ及びヨーロッパ外の諸国においてもさらなる盛況で長い間楽しまれている。
この成功は、その食事の栄養的特徴(比較的低脂肪レベルを伴う高タンパク質含量、高ビタミン及びカルシウム含量)だけでなく、その濃厚で、バランスのよい味のためである。
硬質チーズ、主にグラーナ・パダーノ及びパルミジャーノ・レッジャーノは、主に、前菜として、または、レセプション、カクテル、ワインを味見するセッションなどの軽食として、不ぞろいな片またはフレークで提供される。この場合、その片は、その場で準備されなければならず、そのため、チーズの感覚を刺激する特性が悪化しない。また、チーズの濃厚な粘稠により、爪楊枝又は他のピックアップ手段を使用しなくてもよいが、それらを消費する際、人の指に油がつくことを避けることは困難である。
このように、硬質チーズの優れた感覚を刺激し、栄養的な特徴がある製品を提供する必要があるが、軽食または前菜としてより万能で、特に、消費により適したものとする必要もある。
上述した必要性の第1の解決は、仏特許出願2750015号に開示された酪農製品によって提供されている。それは、凝乳状の粒又はチーズ片又はフレークを、40℃未満の温度で、10重量%未満の水分含量まで、真空マイクロウェーブ・オーブンによって乾燥−膨張処理に付すことによって得られる乾燥した膨張酪農製品である。
仏特許出願2750015号の製品は、凝乳状又はチップ形状から得られた場合、チーズフレークから得られた場合、ポップコーン型の球形を示す。 よって、最終製品の形状は、原料製品の形状に非常に制約され、影響される。 よく知られているように、非常に変化にとみ、魅力的な形の軽食を提供することによって、軽食食品産業は、公衆に非常に広い選択を提供しようと努力している。
本発明の元となる課題は、特に、原料チーズの感覚刺激性及び栄養特性を有し、制限のない多くの形状で利用することができ、軽食としての消費に適する、もろく、かつ膨張した酪農製品をまさに提供することである。
本発明によれば、そのような課題は、45%以下の水分を有する硬質チーズを、任意に、芳香ハーブ、スパイス、エッセンシャルオイル、芳香ハーブのアルコール又は含水アルコールエキスから選択される少なくとも1つの芳香成分と混合し、15%未満の水分を有する、もろく、膨張した製品が得られるまで、マイクロウェーブ処理に付し、即座に4〜10℃にて乾燥空気で冷却に付す工程を含み、原料硬質チーズを、チーズをすりおろし、ふるいにより適当な粒径の粒を選択することによって、0.2から5mmの粒径に細かく分割することを特徴とする方法によって解決される。
上記の規定の限度に入らない片は、すりおろし工程に戻される。
次いで、細かく分割されたチーズを、均一層として、いずれかの形状のモールド内部に堆積し、マイクロウェーブ処理に送る。
モールド内に堆積された、細かく分割されたチーズの層を、好ましくは2から25mmの厚さ、有利には3から15mmの厚さとすればよい。 最終的な膨張製品の水分含量は、3から8%が好ましい。
本発明に使用することができる芳香成分の例は以下である。新鮮な又は乾燥したいずれかのバジル、パセリ、ハナハッカ、セージ、ウイキョウ及びタイムのような芳香ハーブならびにこれらのハーブ類のアルコール又は含水アルコールエキス、コショウ、赤トウガラシ及びカレーのようなスパイス及びエッセンシャルオイルである。
芳香成分は、細かく分割した固体状又は液体状のいずれかとすることができ、細かく分割した硬質チーズに、チーズ重量に対して0.5から30重量%で加えることができる。
マイクロウェーブのパワーは、好ましくは500から900Wであり、有利には700から800Wであり、処理の時間は好ましくは25から240秒間である。
十分滅菌した製品を得ることを望むならば、処理を700Wより高いマイクロウェーブのパワーで、62秒間より長い時間行えばよい。このような条件では、少なくとも130℃の温度に達する。
マイクロウェーブ処理は、真空下にてオーブンで行うことができる。
好都合なことに、トンネルマイクロウェーブ・オーブンを用いることができ、その内部で、コンベアベルトを、細かく分割したチーズの均一層が充填されたテフロン(登録商標)コートされた複数のモールドを運ぶ間、走らせる。マイクロウェーブ処理の間、細かく分割したチーズ中に含有される水分子が、製品の非常に大きな比表面積のために、非常に容易に蒸発する。この方法では、エネルギーの供給を制御することができるため、製品の感覚刺激性及び栄養特性に決してダメージを与えない。
水の蒸発と同時に、チーズ粒の脂肪部分が溶融し、多孔質の膨張した塊が形成される。続く冷たい空気での迅速な冷却により、得られた膨張製品を安定化させる。このような冷却は、モールドに堆積され、マイクロウェーブ・オーブンから出した製品で都合よく行われ、それは水平から垂直位に、最終的にひっくり返した位置にし、モールドから製品を分離して終了する。
マイクロウェーブ処理の間に溶融した相当量の脂肪は、モールドに付着したままである。その結果、最終製品は、原料のチーズよりもよりよい食事の栄養的なプロファイルを示し、タンパク質/脂肪比を増加させる。そのような脂肪含量の低減は、原料チーズが細かく分割されているという事実によって、強く支持される。実際、チーズ片又はフレークからの原料によって、脂肪含量が非常に低く減少する。 本発明の方法は、上記した仏特許出願で知られているものとは異なり、得られた膨張した製品に対して、用いたモールドによって、例えば、スティックパン、クラッカー、チップ、動物の形、物等の非常に異種の形状を与えることができる。外形寸法も自由に変化させることができ、プレートまたはバスケットの形態で製品を得ることもでき、それはサラダ、ソース、保存処理された肉、その他で満たすことができる。
本発明で得られた製品を、軽食として又は前菜として、消費することができるのみならず、スープ及びブイヨンのためのクルトンとすることもでき、あるいはそれをトルティーヤのようなソースに浸すこともできる。
本発明のもろく、膨張した酪農製品のさらなる利点は、全くべたつかないことであり、よって、消費者の指に硬質チーズ片又はフレークの油をつけるという欠点を与えない。これは、カクテル−タイプレセプションでの軽食または前菜として製品を使用するとき、非常に重要である。 また、いずれかの添加物又はチーズ以外の成分を完全に排除することが重要であり、それは、原料チーズの感覚刺激特性を維持するのを助ける。
最後に、本発明の膨張酪農製品の高い特異タンパク質含量は、低脂肪分とともに、それをスポーツマンのための又は食事の目的のための食物補助食品として用いることが特に適している。
本発明の方法は、以下に、実例限定されない具体例となる方法によって、いくつかの例を参照してさらに詳しく説明する。
実施例1
32%の水分含量を有する調味したグラーナ・パダーノの皮をむき、従来の業務用の卸し金でおろし、0.2から20mmの粒径の粉状製品を得た。製品を、振動しているふるいでふるいにかけ、ふるいの出力で、0.2から2mmの粒径を得た。ふるいの上に維持される製品は、卸し金に送り返した。
次いで、おろされ、ふるいにかけられたチーズを、用量バットに送り、そこから、それを、オーブンのコンベヤーベルト上の平行線に整列する細長いテフロン(登録商標、以下同じ)被覆モールドに分配した。各モールドを製品で満たし、その後、過剰な製品をトリミングによって除去し、回収し、計量器に再び供給した。
このように、各モールドに、6mm厚のおろしチーズ約3gを入れた。
次に、モールドを、コンベヤーベルトによって、トンネル電子レンジ内部に輸送し、製品を、40秒間、800ワットのパワーでマイクロウェーブ作用に付した。オーブンから出てきた製品は、小さなスティックパンと類似した形状で、非常に膨張された構造を有し、約40℃の温度であった。オーブンから出てきたベルトは、モールドに6℃の乾燥空気流を吹き付けながら、モールドを、はじめに垂直、次いでひっくりかえった位置にいたらせるように偏位させた。空気冷却を続け、その後、実質的にスティックパン形状の膨張製品を、モールドから出し、それを安定させ、空気から水分を吸収することを防止した。
冷却が完了した時点で、膨張製品(それは5%の水分含量を有する)を、不活性雰囲気で、包装を行う前に保存した。
得られた膨張製品を、脂肪、タンパク質及び炭水化物含量を測定するために、定量分析した。
分析結果を以下の表に示し、原料のグラーナ・バダーノから得た値と比較した。
Figure 0004629103
本発明の膨張製品の脂肪含量は、乾燥重量ベースでの計算によれば、36.8%であり、グラーナ・パダーノの40.0%と比較すると、原料のグラーナ・パダーノのそれよりも非常に低いことが分かる。
さらに、タンパク含量は、乾燥重量ベースでの計算によれば、49.5%であり、グラーナ・パダーノの47.1%に対して、原料グラーナ・パダーノのそれよりも明らかに高い。
上記報告のデータは、本発明の方法が、原料チーズと比較して脂肪レベルにおいて顕著な減少を示し、得られた食品が、スポーツマンのための食物補助食品として使われることに特に適していることを確認する。
実施例2
32%の水分含量を有する調味したグラーナ・パダーノの皮をむき、先の実施例と同様におろして0.2から20mmの粒径の粉状製品を得た。製品を、振動しているふるいでふるいにかけ、ふるいの出力で、0.2から4mmの粒径を得た。ふるいの上に維持される製品は、卸し金に送り返した。
次いで、おろされ、ふるいにかけられたチーズを、用量バットに送り、そこから、オーブンのコンベヤーベルト上の平行線に整列する楕円形のテフロン被覆モールドに分配した。各モールドを製品で満たし、その後、過剰な製品を、トリミングによって除去し、回収し、計量器に再び供給した。
各モールド内部のおろしチーズ層は10mm厚であった。
次に、コンベヤーベルトによって、モールドを、トンネル電子レンジ内部に輸送し、製品を、30秒間、800ワットのパワーでマイクロウェーブ作用に付した。オーブンから出てきた製品は、チップと類似した形状で、非常に膨張された構造を有し、約38℃の温度であった。オーブンから出てきたベルトは、モールドに8℃の乾燥空気流を吹き付けながら、モールドを、はじめに垂直、次いでひっくりかえった位置にいたらせるように偏位させた。空気冷却を実施例1と同様に行った。
冷却が完了した時点で、膨張製品(それは7.5%の水分含量を有する)を、不活性雰囲気で、包装を行う前に保存した。
実施例3
30%の水分含量を有する調味したグラーナ・パダーノの皮をむき、先の実施例と同様におろして0.2から20mmの粒径の粉状製品を得た。製品を、振動しているふるいでふるいにかけ、ふるいの出力で、0.2から3mmの粒径を得た。ふるいの上に維持される製品は、卸し金に送り返した。
次いで、おろされ、ふるいにかけられたチーズを、用量バットに送り、そこから、オーブンのコンベヤーベルト上の平行線に整列する長方形のテフロン被覆モールドに分配した。各モールドを、製品で満たし、その後、過剰な製品を、トリミングによって除去し、回収し、計量器に再び供給した。
このように、各モールド内部に、7mm厚のおろしチーズを入れた。
次に、コンベヤーベルトによって、モールドを、トンネル電子レンジ内部に輸送し、製品を、50秒間、800ワットのパワーでマイクロウェーブ作用に付した。オーブンから出てきた製品は、長方形のクラッカーと類似した形状で、非常に膨張された構造を有し、約45℃の温度であった。オーブンから出てきたベルトは、モールドに8℃の乾燥空気流を吹き付けながら、モールドを、はじめに垂直、次いでひっくりかえった位置にいたらせるように偏位させた。空気冷却を実施例1と同様に行った。
冷却が完了した時点で、膨張製品(それは6%の水分含量を有する)を、不活性雰囲気で、包装を行う前に保存した。
実施例4
32%の水分含量を有する調味したグラーナ・パダーノの皮をむき、実施例1と同様におろして0.2から20mmの粒径の粉状製品を得た。製品を、振動しているふるいでふるいにかけ、ふるいの出力で、0.2から3mmの粒径を得た。ふるいの上に維持される製品は、卸し金に送り返した。
次いで、おろされ、ふるいにかけられたチーズを、用量バットに送り、そこから、オーブンのコンベヤーベルト上の平行線に整列する丸いテフロン被覆モールドに分配した。各モールドを、製品で満たし、その後、過剰な製品を、トリミングによって除去し、回収し、計量器に再び供給した。
各モールド内部のおろしチーズ層は、7mm厚であった。
次に、コンベヤーベルトによって、モールドを、トンネル電子レンジ内部に輸送し、製品を、80秒間、800ワットのパワーでマイクロウェーブ作用に付し、約130℃の温度に達した。オーブンから出てきた製品は、チップと類似した形状で、非常に膨張された構造を有し、約100℃の温度であった。オーブンから出てきたベルトは、モールドに4℃の乾燥空気流を吹き付けながら、モールドを、はじめに垂直、次いでひっくりかえった位置にいたらせるように偏位させた。空気冷却を実施例1と同様に行った。
冷却が完了した時点で、膨張製品(それは3.5%の水分含量を有する)を、不活性雰囲気で、包装を行う前に保存した。
微生物分析に付したところ、得られた製品は十分に滅菌されていた。
実施例5
32%の水分含量を有する調味したグラーナ・パダーノの皮をむき、実施例1と同様におろして0.2から20mmの粒径の粉状製品を得た。製品を、振動しているふるいでふるいにかけ、ふるいの出力で、0.2から3mmの粒径を得た。ふるいの上に維持される製品は、卸し金に送り返した。
次いで、おろされ、ふるいにかけられたチーズを、粉末状の赤トウガラシと100:1の重量比で十分混合し、得られた粉末状の混合物を、用量バットに送り、そこから、オーブンのコンベヤーベルト上の平行線に整列する丸形のテフロン被覆モールドに分配した。各モールドを、製品で満たし、その後、過剰な製品を、トリミングによって除去し、回収し、計量器に再び供給した。
各モールド内部の粉末混合物層の厚さは8mm厚であった。
次に、コンベヤーベルトによって、モールドを、トンネル電子レンジ内部に輸送し、製品を、70秒間、800ワットのパワーでマイクロウェーブ作用に付し、約130℃の温度に達した。オーブンから出てきた製品は、チップと類似した形状で、非常に膨張された構造を有し、約100℃の温度であった。オーブンから出てきたベルトは、モールドに4℃の乾燥空気流を吹き付けながら、モールドを、はじめに垂直、次いでひっくりかえった位置にいたらせるように偏位させた。空気冷却を実施例1と同様に行った。
冷却が完了した時点で、膨張製品(それは3.6%の水分含量を有する)を、不活性雰囲気で、包装を行う前に保存した。
微生物分析に付したところ、得られた製品は十分に滅菌されていた。

Claims (9)

  1. もろく、膨張した酪農製品の製造方法であって、
    45%以下の水分含量の細かく分割した硬質チーズを、任意に、芳香ハーブ、スパイス、エッセンシャルオイル及び芳香ハーブのアルコール又は含水アルコールエキスから選択される少なくとも1つの芳香成分と混合し、もろく、膨張した製品が15%以未満の水分含量になるまでマイクロウェーブ処理に付し、
    それを4から10℃の乾燥空気で迅速に冷却する工程を含み、
    原料の細かく分割したチーズは、すりおろし、次いでふるいにかけることによって得た、0.2から5mmの粒径を有する粒状製品であることを特徴とする酪農製品の製造方法。
  2. マイクロウェーブパワーが500から900ワットである請求項1の方法。
  3. マイクロウェーブ処理を25から240秒間行う請求項2の方法。
  4. マイクロウェーブ処理を真空オーブン中で行う請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 細かく分割した硬質チーズを、マイクロウェーブ処理に送る前に、モールド内部に均一層で堆積する請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. モールドを、コンベアベルトに載置し、マイクロウェーブ処理をトンネルオーブンの内部で行う請求項5の方法。
  7. モールドはテフロン(登録商標)で被覆される請求項5又は6の方法。
  8. 硬質チーズは、グラーナ・パダーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、トスカーナ、ロマン、シシリアン、サージニアン・ペコリーノ、スブリンツ及びそれらの組み合わせから選択される請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 少なくとも1つの芳香成分を、細かく分割した硬質チーズに、チーズ重量の0.5から30重量%で混合する請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
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