JP4622017B2 - 円形構造部を有する成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリアミド樹脂と層状珪酸塩を必須成分とし、溶融混練により得られるポリアミド樹脂組成物を成形してなる円形構造部を有する成形品の製造方法に関するものである。詳しくは耐衝撃性の低下を抑制し、さらに高温使用時の耐久性、寸法精度に優れた円形構造部を有する成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車部品、電気製品、日用品、スポーツ・レジャー用品等にエンジニアリングプラスチック製の成形品が広く使用されている。その中でも特にポリアミド樹脂は、その優れた特性を利用して、自動車部品、電気製品などで幅広く使用されている。これら自動車部品、電気部品にはその機能の必要上、それ自身が円筒・円柱状であったり、円筒・円柱等の円形構造部を有する成形品の形で使用されるものが多い。こうした円形構造部を有する成形品には寸法精度が要求される。
【0003】
一方で、ポリアミド樹脂の機械的強度、特に剛性を高めるために、ガラス繊維などの無機充填材を配合することは従来から行われているが、これら無機充填材の配合により成形品の成形収縮率に異方性が生じるとともに、ガラス繊維などの無機充填材が成形品表面の平滑性を損ね、外観の悪化や摩擦抵抗の増大など成形品の嵌合性に悪影響を与える問題が生じている。
【0004】
さらに、ポリアミド樹脂は、高温高湿下においては吸水による寸法変化、機械的特性の低下が見られるといった問題がある。
【0005】
このような寸法変化、機械的特性の低下を抑制する方法として、層状珪酸塩をポリアミドの重合時に添加する方法が公知である(特開平10-38053号公報)。しかしながら、該手法とて満足できるものではなく、層状珪酸塩の配合量に制限(1〜5重量%)がある上、重合時に層状珪酸塩と同時に他の特性改良剤を添加しようとする場合にも制限があるため、機械的特性改善効果に限界がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の手法の問題点を解決し、ポリアミド樹脂と層状珪酸塩の溶融混練で得られたポリアミド樹脂組成物を成形してなり、耐衝撃性やウェルド部の強度を保持した上で、高温使用時の耐久性が改善され、さらに、吸水時における寸法安定性に優れた円形構造部を有する成形品を得ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂に層間の交換性陽イオンがトリオクチルメチルアンモニウムイオンで交換された層状珪酸塩を配合し、溶融混練することで、容易に層状珪酸塩をポリアミド樹脂組成物中に単層レベルで分散させることが可能であり、また、該組成物から得られた円形構造部を有する成形品は、重合法により得られた組成物を用いたものと比較して、耐衝撃性を損なわず、かつ耐久性、寸法安定性が優れていることを見出し、さらに、(A)ポリアミド樹脂と層間の交換性陽イオンがトリオクチルメチルアンモニウムイオンで交換された(B)層状珪酸塩を溶融混練する際に(C)非膨潤性フィラーを添加すること、(B)層状珪酸塩の層間に存在する交換性陽イオンをトリオクチルメチルアンモニウムイオンで交換した上で、反応性官能基を有するカップリング剤で処理し、さらに、(D)無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸およびポリ無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種を添加すること等により、一層高い効果が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は(A)ポリアミド樹脂と、層間の交換性陽イオンがトリオクチルメチルアンモニウムイオンで交換された(B)層状珪酸塩とを溶融混練することにより、該(B)層状珪酸塩をポリアミド樹脂組成物中に単層レベルで均一に分散せしめたポリアミド樹脂組成物を製造し、該ポリアミド樹脂組成物を射出成形することを特徴とする円形構造部を有する成形品の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0010】
本発明の円形構造部を有する成形品は、機械的性質、真円性に優れ、またポリアミドのもつ耐熱性、耐薬品性が維持されるうえ、高温高湿時の寸法安定性、耐久性に優れるという大きな特徴を有する。さらに、射出成形により容易に製造することができ、生産性も良好である。
【0011】
本発明で円形構造部を有する成形品の製造に用いられるポリアミド樹脂組成物を構成する(A)ポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするナイロン樹脂である。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
【0012】
本発明において、とくに有用なポリアミド樹脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたナイロン樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2ーメチルペンタメチレン)テレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンセバカミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/610/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6T/12/66)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/12/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。
【0013】
とりわけ好ましいものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン610、またナイロン6T/66コポリマー、ナイロン6T/6Iコポリマー、ナイロン6T/6コポリマー、ナイロン6T/12/66コポリマー、ナイロン6T/12/6Iコポリマーなどのヘキサメチレテレフタラミド単位を有する共重合体を挙げることができ、更にこれらのナイロン樹脂を成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。
【0014】
これらポリアミド樹脂の重合度にはとくに制限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の範囲のものが好ましい。
【0015】
本発明で用いる(B)層状珪酸塩とは、通常、膨潤性の層状珪酸塩であり、例えばアルミニウム、マグネシウム、リチウム等から選ばれる元素を含む8面体シートの上下に珪酸4面体シートが重なって1枚の板状結晶層を形成している2:1型の構造を持ち、その板状結晶層の層間に交換性の陽イオンを有しているものである。その1枚の板状結晶の大きさは、通常幅0.05〜0.5μm、厚さ6〜15オングストロームである。また、その交換性陽イオンのカチオン交換容量は0.2〜3meq/gのものが挙げられ、好ましくはカチオン交換容量が0.8〜1.5meq/gのものである。
【0016】
(B)層状珪酸塩の具体例としてはモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性のフッ素雲母等が挙げられ、天然のものであっても合成されたものであっても良い。これらのなかでもモンモリロナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト系粘土鉱物やNa型四珪素フッ素雲母、Li型フッ素テニオライトなどの膨潤性のフッ素雲母が好ましく、モンモリロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物がより好ましい。
【0017】
本発明に使用する(B)層状珪酸塩は、層間に存在する交換性陽イオンがトリオクチルメチルアンモニウムイオンで交換された層状珪酸塩である。
【0026】
本発明における層間に存在する交換性陽イオンがトリオクチルメチルアンモニウムイオンで交換された層状珪酸塩は、交換性の陽イオンを層間に有する層状珪酸塩とトリオクチルメチルアンモニウムイオンを公知の方法で反応させることにより製造することができる。具体的には、水、メタノール、エタノールなどの極性溶媒中でのイオン交換反応による方法か、層状珪酸塩に液状あるいは溶融させたアンモニウム塩を直接反応させることによる方法などが挙げられる。
【0027】
本発明において、(B)層状珪酸塩に対するトリオクチルメチルアンモニウムイオンの量は、層状珪酸塩の分散性、溶融時の熱安定性、成形時のガス、臭気の発生抑制などの点から、層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対し通常、0.4〜2.0当量の範囲であるが、0.8〜1.2当量であることが好ましい。
【0028】
また、これら(B)層状珪酸塩は上記の有機オニウム塩に加え、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などの反応性官能基を有するカップリング剤で処理した上で使用しても良い。ここでいう反応性官能基の反応性とは必ずしも(A)ポリアミド樹脂との直接の反応性を意味するものではなく、他の化合物との間に化学結合を形成しうる反応性を有するという意味である。
【0029】
好ましい反応性官能基を有するカップリング剤は、有機シラン系化合物であり、その具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩等の炭素炭素不飽和基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。特に、炭素炭素不飽和基含有アルコキシシラン化合物が好ましく用いられる。
【0030】
これらカップリング剤による層状珪酸塩の処理は、水、メタノール、エタノールなどの極性溶媒中、あるいはこれらの混合溶媒中でカップリング剤を層状珪酸塩に吸着させる方法か、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌混合機の中で層状珪酸塩を攪拌しながらカップリング剤溶液を滴下して吸着させる方法、さらには層状珪酸塩に直接シランカップリング剤を添加して、乳鉢等で混合して吸着させることによる方法のどれを用いても良い。層状珪酸塩をカップリング剤で処理する場合には、カップリング剤のアルコキシ基の加水分解を促進するために水、酸性水、アルカリ性水等を同時に混合するのが好ましい。また、カップリング剤の反応効率を高めるため、水のほかにメタノールやエタノール等の水およびカップリング剤両方を溶解する有機溶媒を混合してもかまわない。このようなカップリング剤で処理した層状珪酸塩を熱処理することによってさらに反応を促進させることも可能である。なお、予め層状珪酸塩のカップリング剤での処理を行わずに、層状珪酸塩とポリアミド樹脂を溶融混練する際に、これらカップリング剤を添加するいわゆるインテグラルブレンド法を用いてもよい。
【0031】
層状珪酸塩のトリオクチルメチルアンモニウムイオンによる処理とカップリング剤による処理の順序にも特に制限はないが、まずトリオクチルメチルアンモニウムイオンで処理した後、カップリング剤処理をすることが好ましい。
【0032】
本発明に使用するポリアミド樹脂組成物の好ましい実施様態として、さらに(C)非膨潤性フィラーを添加することが挙げられる。ここでいう(C)非膨潤性フィラーとは、板状結晶構造を持たない点、あるいは板状結晶構造を有する場合であっても、基本的に板状結晶層間に交換性陽イオンを持たない点で上記(B)層状珪酸塩とは区別されるものである。(C)非膨潤性フィラーの具体例としては、タルク、カオリン、非膨潤性マイカなどの板状フィラー、針状ワラステナイト、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカーなどの針状フィラー、炭酸カルシウムなどの粒状フィラーが挙げられる。(C)非膨潤性フィラーの好ましい例としては、タルク、カオリンなどが挙げられる。(C)非膨潤性フィラーを(B)層状珪酸塩と併用し、添加することによりとりわけ寸法精度の高い成形品が得られる。
【0033】
本発明において(B)層状珪酸塩と必要に応じて併用する(C)の合計含有量は組成物中の無機灰分量として2〜20重量%、特に好ましくは5〜10重量%となる範囲である。灰分量が少なすぎると機械物性の改良効果が顕著ではなく、灰分量が多すぎると層状珪酸塩の分散不良、及び靱性が低下する場合がある。
【0034】
(B)層状珪酸塩と(C)非膨潤性フィラーを併用する場合、その使用割合は、重量比で10/1〜1/10であることが期待する併用効果が発現する点で好ましく、特に5/1〜1/8であることが好ましい。
【0035】
本発明の成形品は、マトリックスである(A)ポリアミド樹脂中に(B)層状珪酸塩が単層のレベルで均一に分散していることが特徴である。単層のレベルで均一に分散している状態とは、層状珪酸塩が単層〜10層程度の状態で、二次凝集することなくマトリックス樹脂全体に分散していることを言い、実際上、単層〜5層程度の状態で分散している状態がより理想的である。この状態はポリアミド樹脂組成物から切片を切削しこれを透過型電子顕微鏡で観察することにより確認できる。
【0036】
本発明の成形品に使用するポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂、(B)層状珪酸塩および必要に応じて配合される(C)非膨潤性フィラーに加えて、さらに(D)無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸およびポリ無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種を添加しても良い。ポリ無水マレイン酸の重合度は2〜100が好ましく、2〜50がより好ましく、さらに2〜20が最も好ましい。これらの中で、無水マレイン酸、ポリ無水マレイン酸が延性、剛性付与の効果が高く最も好ましく用いられる。ポリ無水マレイン酸としては、例えばJ. Macromol. Sci.-Revs. Macromol. Chem., C13(2), 235(1975)等に記載のものを用いることができる。これら無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸およびポリ無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種は(B)層状珪酸塩にあらかじめ配合して(A)ポリアミド樹脂と溶融混練することも可能である。
【0037】
これら(D)無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸およびポリ無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種の添加量は(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部が延性の向上効果、組成物の流動性の点から好ましく、さらに0.1〜5重量部の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。
【0038】
なお、ここで用いる(D)無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸およびポリ無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種は実質的にポリアミド樹脂と溶融混練する際に無水物の構造を取ればよく、これら無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸およびポリ無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種を加水分解してカルボン酸あるいはその水溶液の様な形態で溶融混練に供し、溶融混練の際の加熱により脱水反応させ、実質的に無水酸の形でポリアミド樹脂と溶融混練してもかまわない。
【0039】
本発明の成形品には、本発明の目的を損なわない範囲で常用の各種添加成分、例えば、各種エラストマー類などの衝撃性改良材、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンなどの酸化防止剤、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を添加することができる。
【0040】
本発明の成形品に使用するポリアミド樹脂組成物の製造において、(A)ポリアミド樹脂に(B)層状珪酸塩を配合する際には、(A)ポリアミド樹脂と(B)層状珪酸塩を溶融混練するが、その方法については、(B)層状珪酸塩が該ポリアミド樹脂組成物中に単層レベルで均一に分散するよう溶融混練される限り特に制限はない。例えば(B)層状珪酸塩として、その層間に存在する交換性陽イオンをトリオクチルメチルアンモニウムイオンで交換された層状珪酸塩を用いる際に、ポリアミド樹脂の溶融状態下で機械的剪断を行うことができればよい。その処理方法もバッチ式または連続式のいずれでも良いが、連続式の方が作業効率の面から好ましい。具体的な混練装置にも制限はないが、押出機、特に二軸押出機が生産性の面で好ましい。また、溶融混練時に発生する低分子量の揮発成分を除去する目的で、ベント口を設けることも好ましい。二軸押出機を用いる場合には、(A)ポリアミド樹脂と(B)層状珪酸塩をあらかじめブレンダー等で混合しておき、それを押出機のフィード口から供給する方法や、(A)成分を押出機の上流側のフィード口から供給し、(B)成分を下流側のフィード口から供給する方法など供給の方法にも特に制限はない。押出機のスクリューアレンジにも特に制限はないが、層状珪酸塩を微分散化させるために、ニーディングゾーンを設けることが好ましい。
【0041】
また、さらに(C)非膨潤性フィラーや(D)無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸およびポリ無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種を配合する場合においても、その添加方法に制限はなく、(A)ポリアミド樹脂と(B)層状珪酸塩を溶融混練する前にプレブレンドしておく方法や、(A)と(B)を溶融混練している最中に添加する方法などが挙げられる。
【0042】
本発明の成形品は、上記のポリアミド樹脂組成物を射出成形して得られる。またその際、上記のポリアミド樹脂組成物をマスターバッチとして使用してもよい。例えば、(A)ポリアミド樹脂の一部と(B)層状珪酸塩からなるマスターバッチペレットと(A)ポリアミド樹脂の残部のペレットを配合して溶融成形して直接成形品とする方法などが挙げられる。
【0043】
本発明の成形品を切削加工することや、金属類をインサートすること、本発明の成形品同士、あるいは本発明の成形品と別の成形品を公知の方法で溶着、接着、融着させることも可能である。
【0044】
本発明の成形品は、上記のポリアミド樹脂組成物からなるもので、耐久性に優れ、特に温度による寸法変化が小さく、高温高湿下での使用が可能である。
【0045】
本発明の円形構造部を有する成形品とは、成形品の少なくとも一部に、形状が円筒、円柱、円錐など断面が本質的に円形の部分を有する成形品である。ここで、断面が本質的に円形とは、断面が単純に円であることのみを指すのではなく、嵌合、かみ合わせ、補強などの目的のための凹凸がある形状も含む。
【0046】
本発明の円形構造部を有する成形品の具体的な用途例としては、キャニスター、フューエルストレーナー、オイルリザーバータンク、ラジエタータンク、フューエルフィルター、ヒーターコアタンク、クーリングファン、ウォーターポンプインペラー、シリンダーヘッドカバー、ホイールキャップ、バランスシャフトギヤ・減速ギヤ・パワーウインドウ用ギヤ・パワーシート用ギヤ等の各種ギヤ類、吸排気パイプ等のパイプ類等の自動車関連部品、コイルボビン、ボビンカバー、洗濯機の減速ギヤ、プリンター・複写機・ビデオカメラ・ビデオデッキ・AV機器・パソコン等の各種プーリー・ギヤ類等の電気関連部品、ボルト−ナット、キャスター車輪のタイヤ、自転車用ホイール、ボールベアリングのハウジング、ローラーベアリング、時計やカメラ部品等の機械関連部品、サッシの戸車、各種蝶番部品等の建築資材等、家具の高さ調節用(脚)アジャスター、椅子用高さ調節ネジ、椅子脚、家具転倒防止用突張支持具、水道接続用部品等の日用品、医療用機器、スポーツレジャー用品等のギア類、その他の本発明の形状を有する成形品が挙げられる。
【0047】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、実施例及び比較例に記した試験片の物性測定は次の方法によって行った。
【0048】
(1)寸法変化率測定
ASTM1号ダンベルを射出成形により成形し、温度60℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽内で100時間吸水処理した後、ノギスにより寸法測定を行い、成形直後の値との差から、寸法変化率を算出した。
【0049】
(2)ウェルド部強度
ASTM1号ダンベル試験片と同等の形状で両端2カ所にゲートを有し、中央部分にウェルドラインが形成される試験金型を用いて、射出成形により成形を行い、ASTMD638に準じて引張試験を行い、ウェルド部の引張強度を測定した。同様に通常のASTM1号ダンベル試験片(非ウェルド)用金型を用いて射出成形、引張強度測定を行い、通常の試験片(非ウェルド)に対するウェルド部分を有する試験片の強度の保持率を求めた。
【0050】
(3)低温衝撃強度
80×80×3mmの角板試験片を射出成形により成形し、−30℃で1mの高さから500gの球状のおもりを該角板上に落下させ、破壊試験を行った。
【0051】
(4)歯車耐久試験
下記歯車Aを射出成形により成形し、下記の条件で歯車Aの摩耗量(mm3)を歯車耐久試験機を用いて測定した。なお、相手歯車となる歯車Bは、アルミ合金製である。
【0052】
歯車A:モジュール=1、歯数=35、歯幅=8mm
歯車B:モジュール=1、歯数=45、歯幅=8mm
負荷トルク:2.5kgf・cm、回転数:250rpm、温度130℃(雰囲気)、試験時間:150時間。
【0053】
(5)真円性
外径20mm、内径16mm、長さ30mmの円筒形状の真円度測定用成形品を射出成形機により成形し、三次元測定器(ミツトヨ製)により円筒の真円度を測定した。該成形品において、真円度はゲートのある円筒の一端から15mmの位置の断面の内円及び外円の直径を測定することにより代表し、測定点数は24点とした。この測定点の内最大直径と最小直径の差を持って真円度とした。真円度の単位はmmであり、この値が小さいほど真円性が良好であることを示す。
【0054】
参考例1
Na型モンモリロナイト(クニミネ工業:クニピアF、陽イオン交換容量120m当量/100g)100gを温水10リットルに攪拌分散させ、ここにトリオクチルメチルアンモニウムクロリド48g(陽イオン交換容量と等量)を溶解させた温水2Lを添加し、1時間攪拌を行った。生じた沈殿物を濾別した後、温水で洗浄した。さらに洗浄と濾別の操作を3回繰り返し行い、得られた固体を80℃で真空乾燥し、有機化層状珪酸塩を得た。得られた有機化層状珪酸塩の無機灰分量を測定したところ、67重量%であった。なお、無機灰分量の測定は有機化層状珪酸塩0.1gを500℃の電気炉で3時間灰化して求めた値である。
【0055】
実施例1
濃硫酸中、濃度1%、25℃で測定した相対粘度が2.75のナイロン6樹脂(N6)および、参考例1で製造した有機化層状珪酸塩を表1に示した比率で配合し、シリンダー温度を250℃に設定した二軸押出機(日本製鋼所:TEX−30)で、スクリュー回転数200rpmで溶融混練した。得られたペレットを乾燥後、シリンダー温度250℃の射出成形機(東芝機械IS100FA)に供し、金型温度80℃で射出成形し、80×80×3mmの角板、寸法変化率評価用のASTM1号ダンベル試験片、同形状のウェルド評価用試験片、および、歯車Aを成形した。ASTM1号ダンベル試験用成形品から超薄切片を切削し透過型電子顕微鏡(TEM)で観測し、層状珪酸塩の分散状態を調べたところ、層状に重なった構造は全く見られず、珪酸塩がほぼ単層の状態に分離し、均一にナイロン6中に分散していた。
【0056】
ASTM1号ダンベル片を60℃、95% R.H.の条件で2日間恒温恒湿槽に入れ、寸法変化率の測定を行った結果、表1に示すとおり、寸法安定性が良好であることがわかった。また、ウェルド部分の強度の非ウェルド部分の強度に対する保持率は75%であった。さらに、3mm厚角板を使用した−30℃における落球衝撃試験の結果、角板に亀裂が見られたが、破壊には至らなかった。また歯車Aを使用し、130℃の高温下で歯車耐久試験を行った結果、歯車の歯の摩耗量は低い値であり、耐久性が良好であった。真円度測定の結果、表1に示すとおり真円度は良好であった。
【0057】
実施例2
層状珪酸塩として参考例1で製造した有機化層状珪酸塩200gに、さらに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン製商品名:SZ6030)1.34gを添加し、乳鉢で20分間混合した。得られた有機化層状珪酸塩とナイロン6を無機灰分量が5重量%となるように配合し、さらに、無水マレイン酸をナイロン6と有機化層状珪酸塩の総量100重量部に対し、0.34重量部になるように追加配合した。それ以外は実施例1と同様の条件でポリアミド樹脂組成物を得、成形、評価を行った。層状珪酸塩の分散状態を調べたところ、層状に重なった構造は全く見られず、珪酸塩がほぼ単層の状態に分離し、均一にナイロン6中に分散していた。また、寸法安定性は良好であった。また、ウェルド部分の強度の非ウェルド部分の強度に対する保持率は80%であった。さらに、破壊試験についても、試験後の角板に亀裂は観察されず、高温下における歯車耐久試験についても歯の摩耗量は低く、良好な耐久性を有することがわかった。真円度も良好であった。
【0058】
実施例3
層状珪酸塩として参考例1の有機化層状珪酸塩、非膨潤性フィラーとして平均粒子径1.4μmのタルクを表1に示した比率で併用した以外は実施例1と同様の条件でポリアミド樹脂組成物を得、成形、評価を行った。層状珪酸塩の分散状態を調べたところ、層状に重なった構造は全く見られず、珪酸塩がほぼ単層の状態に分離し、ナイロン6中に分散していた。また、タルクの粒子もナイロン6中に均一に分散していた。吸水処理後の寸法安定性は良好であり、ウェルド保持率も良好であった。さらに、低温下での破壊試験については、角板に一部亀裂が観察されたものの、破壊には至らなかった。さらに高温下における歯車耐久試験についても歯の摩耗量は低く、良好であった。真円度も良好であった。
【0059】
実施例4
層状珪酸塩として参考例1の有機化層状珪酸塩をそのまま用い、無機灰分量を3%とした以外は実施例1と同様の方法によりポリアミド樹脂組成物を得、成形、評価を行った。層状珪酸塩の分散状態を調べたところ、層状に重なった構造は全く見られず、珪酸塩がほぼ単層の状態に分離し、ナイロン6中に分散していた。吸水処理後の寸法安定性は良好であり、ウェルド強度保持率も良好であった。低温下での破壊試験についても、角板に亀裂は観察されず、破壊には至らなかった。さらに高温下における歯車耐久試験についても歯の摩耗量は低く、良好であった。真円度も良好であった。
【0060】
比較例1
実施例1で使用した層状珪酸塩(有機化処理を行う前のもの)をそのまま用い、無機灰分量が3%になる量を、ナイロン6の重合過程に添加、重合を完結させ、ポリアミド樹脂組成物を得、成形、評価を行った。層状珪酸塩の分散状態を調べたところ、珪酸塩は数十層の層状構造を有する粒子の状態で、ナイロン6中に分散していることがわかった。吸水後の寸法変化率、ウェルド強度保持率、低温下での破壊試験、高温下での歯車耐久試験、真円度いずれにおいても実施例1,2,3及び4の組成物に対して劣っていた。
【0061】
参考例2
参考例1で使用したNa型モンモリロナイト(クニミネ工業:クニピアF、陽イオン交換容量120m当量/100g)100gを温水10リットルに攪拌分散させ、ここに12−アミノドデカン酸51.6gおよび濃塩酸26g(陽イオン交換容量の約2倍量)を添加し、1時間攪拌を行った。生じた沈殿物を濾別した後、温水で洗浄した。さらに洗浄と濾別の操作を3回繰り返し行い、得られた固体を80℃で真空乾燥し、有機化層状珪酸塩を得た。得られた有機化層状珪酸塩の無機灰分量を測定したところ、約80重量%であった。なお、無機灰分量の測定は参考例1と同条件で行った。
【0062】
比較例2
参考例2で得られた有機化層状珪酸塩を用い、無機灰分量が3%となる量を、ナイロン6の重合過程に添加、重合を完結させ、ポリアミド樹脂組成物を得、成形、評価を行った。層状珪酸塩の分散状態を調べたところ、層状構造は全く見られず、珪酸塩単層が均一にナイロン6中に分散していることがわかった。吸水後の寸法変化率、ウェルド強度保持率、低温下での破壊試験、高温下での歯車耐久試験、真円度のいずれにおいても実施例1、2、3及び4の組成物に対して劣っていた。
【0063】
比較例3
参考例2で得られた有機化層状珪酸塩を用い、無機灰分量が5%となる量を、ナイロン6の重合過程に添加、重合を完結させ、ポリアミド樹脂組成物の製造を試みたが、重合時の粘度上昇が激しく均一な組成物が得られなかった。層状珪酸塩の分散状態を調べたところ、層状構造がわずかに残存している構造が見られた。吸水後の寸法変化率、低温下での破壊試験、ウェルド強度保持率、高温下での歯車耐久試験、真円度いずれにおいても実施例1、2、3及び4の組成物に対して劣っていた。
【0064】
比較例4
参考例1の有機化層状珪酸塩をそのまま用い、無機灰分量を12%にして、それ以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、成形、評価を行った。層状珪酸塩の分散状態を調べたところ、層状構造が見られ、多数の凝集物がナイロン6中に存在していた。吸水処理後の寸法変化率については、無機灰分量が多いため、実施例とほぼ同じ値を示したが、ウェルド強度保持率、低温下での破壊試験、高温下における歯車耐久試験、真円度いずれにおいても実施例1,2,3,及び4の組成物に対して劣っていた。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の円形構造部を有する成形品用樹脂組成物、および成形品は、高温下の耐久性に優れ、吸水処理後の寸法安定性が良好であり、高温、高湿下においても使用することが可能な成形品を与える。
Claims (6)
- (A)ポリアミド樹脂と、層間の交換性陽イオンがトリオクチルメチルアンモニウムイオンで交換された(B)層状珪酸塩とを溶融混練することにより、該(B)層状珪酸塩をポリアミド樹脂組成物中に単層レベルで均一に分散せしめたポリアミド樹脂組成物を製造し、該ポリアミド樹脂組成物を射出成形することを特徴とする円形構造部を有する成形品の製造方法。
- (A)ポリアミド樹脂と、層間の交換性陽イオンがトリオクチルメチルアンモニウムイオンで交換された(B)層状珪酸塩にさらに(C)非膨潤性フィラーを溶融混練することによりポリアミド樹脂組成物を製造する請求項1記載の円形構造部を有する成形品の製造方法。
- (B)層状珪酸塩と(C)非膨潤性フィラーの含有量の合計が、該ポリアミド樹脂組成物中の無機灰分量として2〜20重量%である請求項2記載の円形構造部を有する成形品の製造方法。
- 前記(B)層状珪酸塩が反応性官能基を有するカップリング剤で処理された層状珪酸塩である請求項1〜3のいずれか記載の円形構造部を有する成形品の製造方法。
- (A)ポリアミド樹脂と、層間の交換性陽イオンがトリオクチルメチルアンモニウムイオンで交換された(B)層状珪酸塩にさらに(D)無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸およびポリ無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種を溶融混練することによりポリアミド樹脂組成物を製造する請求項1〜4のいずれか記載の円形構造部を有する成形品の製造方法。
- 円形構造部を有する成形品が、キャニスター、フューエルストレーナー、オイルリザーバータンク、ラジエタータンク、フューエルフィルター、クーリングファン、ウォーターポンプインペラー、シリンダーヘッドカバー、ホイールキャップ、コイルボビン、ボビンカバー、ボルト−ナット、キャスター車輪のタイヤ、自転車用ホイール、ボールベアリングのハウジング、ローラーベアリング、家具の高さ調節用(脚)アジャスター、椅子用高さ調節ネジ、椅子脚、家具転倒防止用突張支持具であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の円形構造部を有する成形品の製造方法。
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