JP4193229B2 - ポリアミド樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド樹脂と層状珪酸塩からなる機械的性質の改良されたポリアミド樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリアミド樹脂の機械的性質を改良するために、ガラス繊維や無機充填剤を樹脂に配合することが実施されている。しかし、これら無機フィラーを単純に溶融混練するだけでは、樹脂中の無機フィラーの分散や界面接着も悪く、耐衝撃性が低い、表面外観が悪いといった問題がある。そこで、ポリアミド樹脂と無機フィラーとの親和性または結合力を高める為に、無機フィラーの表面に有機シラン等のカップリング処理を施し、樹脂中のフィラー分散を改良する方法があるが、かかる方法では樹脂と無機フィラーとの間のなじみを良くする程度であり、十分な改良には到っていない。また、通常のフィラーでは、十分な強度を得るためには充填量を上げる必要があり、得られる樹脂組成物が高比重になるといった問題も生じてくる。
【0003】
一方、無機層状化合物の一種である粘土鉱物は、フィラーとしての使用が古くから試みられているが、通常の混合、混練では、二次凝集が起こってしまい、樹脂中への均一な分散が困難であった。そこで特開平8−12881号公報には層状珪酸塩をホストとし特定の4級アンモニウムイオンゲストとする層間化合物を用いることで、均一な分散を得ようとする試みがなされているが、層間化合物を得るために層状珪酸塩と4級アンモニウムイオンを水などの溶媒中でカチオン交換させる必要があり工程が複雑であるという問題があった。とくに、層状珪酸塩を水に分散させる際には水の量が少ないと分散液がゲル状になってしまうため、多量の水が必要であり、製造設備の大型化が避けられなかった。また水から回収した後の乾燥に時間を要し、さらに乾燥によって得られる層間化合物を再度粉砕し微粉化する必要があり改良が望まれていた。
【0004】
また、特開平8−151449号公報や特開平9−48856号公報には粘土鉱物を溶媒で膨潤させた後に樹脂と溶融混練し、押出機に設けたベント口を減圧に保持することで溶媒を除去することで均一な分散を得ようとする試みが開示されているが、その分散性は不十分であり、溶媒を用いるために工程が複雑になるといった問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決し、層状珪酸塩の分散性が改良され機械強度に優れたポリアミド樹脂組成物を容易に得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリアミド樹脂と層状珪酸塩と有機オニウム塩を同時に添加し、溶融混練することにより層状珪酸塩の分散性が改良され機械強度に優れたポリアミド樹脂組成物を容易に得ることができることを見出し本発明に至った。
【0007】
すなわち本発明は、
下記(a)〜(c)の合計を100重量部としたとき、
(a)ポリアミド樹脂 65〜99.8重量部
(b)層状珪酸塩 0.1〜20重量部
(c)有機オニウム塩 0.1〜15重量部
を同時に溶融混練装置に供給し、溶融混練することを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法であり、好ましくは、該有機オニウム塩の10%加熱減量温度以上、同90%加熱減量温度以下の温度範囲で溶融混練を行うことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明で用いられる(a)ポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするポリアミドである。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
【0010】
本発明において、とくに有用なポリアミド樹脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。
【0011】
とりわけ好ましいものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン6/12コポリマーなどの例を挙げることができ、更にこれらのナイロン樹脂を成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。
【0012】
これらナイロン樹脂の重合度にはとくに制限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の範囲のものが好ましい。
【0013】
本発明における(b)層状珪酸塩は、幅0.05〜0.5μm、厚さ6〜15オングストロームの板状物が積層した構造を持ち、カチオン交換容量が20〜300meq/100gのものが挙げられ、好ましくはカチオン交換容量が80〜150meq/100gのものである。
【0014】
層状珪酸塩の具体例としてはモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、バーミキュライトなどのスメクタイト系粘土鉱物、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母等が挙げられ、天然のものであっても合成されたものであっても良い。これらのなかでもモンモリロナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト系粘土鉱物やNa型四珪素フッ素雲母などの膨潤性合成雲母が好ましい。
【0015】
(c)有機オニウム塩とはアンモニウム塩やホスホニウム塩、スルホニウム塩に代表される化合物群である。これらのなかではアンモニウム塩とホスホニウム塩が好ましく、特にアンモニウム塩が好んで用いられる。アンモニウム塩としては、1級アンモニウム、2級アンモニウム、3級アンモニウム、4級アンモニウムのクロライド、ブロマイド、アセテート、スルフェートなどいずれでも良い。
【0016】
1級アンモニウム塩としてはデシルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、オクタデシルアンモニウム、オレイルアンモニウム、ベンジルアンモニウムなどの塩が挙げられる。
【0017】
2級アンモニウム塩としてはメチルドデシルアンモニウム、メチルオクタデシルアンモニウムなどの塩が挙げられる。
【0018】
3級アンモニウム塩としてはジメチルドデシルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウムなどの塩が挙げられる。
【0019】
4級アンモニウム塩としてはベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメチルドデシルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムなどのベンジルトリアルキルアンモニウム類の塩、トリオクチルメチルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウムなどのアルキルトリメチルアンモニウム類の塩、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウムなどのジメチルジアルキルアンモニウム類の塩などが挙げられる。
【0020】
また、これらの他にもアニリン、p−フェニレンジアミン、α−ナフチルアミン、p−アミノジメチルアニリン、ベンジジン、ピリジン、ピペリジン、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などから誘導されるアンモニウム塩類なども挙げられる。
【0021】
これらのうち、4級アンモニウムのクロライドがその入手性から好ましく、具体的にはトリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
【0022】
これら有機オニウム塩は1種で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0023】
本発明においては、層状珪酸塩をより微分散させ、樹脂組成物により優れた機械特性を付与する点から、ポリアミド樹脂(a)の融点をTa、有機オニウム塩(c)の10%加熱減量温度をTc10、90%加熱減量温度をTc90としたとき
Tc10<Ta+20<Tc90
であることが好ましい。
【0024】
ポリアミド樹脂の融点Taとはポリアミドの結晶が融解する温度であり、示指走査熱量測定(DSC)などの熱分析的手法で測定できる。また、用いるポリアミド樹脂が非晶性であり融点を示さない場合においては、融点とは塑性加工が可能になる温度を指すものとする。
【0025】
本発明における有機オニウム塩の加熱減量は、熱重量測定(TG)で測定でき、具体的には乾燥状態の有機オニウム塩を窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定した値を用いる。有機オニウム塩(c)の10%加熱減量温度Tc10とは上記の条件で加熱減量を測定した場合に初期試料量から10%の重量が減少したときの温度を指し、同様に90%加熱減量温度Tc90とは初期試料量から90%の重量が減少したときの温度を指す。
【0026】
本発明において、ポリアミド樹脂(a)の配合量は(a)〜(c)の合計を100重量部とした場合に65〜99.8重量部、好ましくは80〜98重量部、より好ましくは90〜96重量部である。また層状珪酸塩(b)の配合量は(a)〜(c)の合計を100重量部とした場合に0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは2〜5重量部である。ポリアミド樹脂の配合量が少なすぎるとポリアミド樹脂本来の機械物性が損なわれ、また多すぎると層状珪酸塩添加による機械強度の改良効果が小さくなり、いずれも好ましくない。
【0027】
有機オニウム塩(c)の配合量は(a)〜(c)の合計を100重量部とした場合には0.1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは2〜5重量部である。また、層状珪酸塩(b)に対する有機オニウム塩(c)の量は、層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対し通常、0.4〜2.0当量の範囲であるが、0.8〜1.2当量であることが好ましい。有機オニウム塩の配合量が少なすぎると層状珪酸塩を微分散化する効果が少なく、逆に多すぎるとガス量が多くなるなどいずれも機械物性に与える影響が大きくなり好ましくない。
【0028】
本発明の組成物は、ポリアミド樹脂(a)と層状珪酸塩(b)を溶融混練する際に有機オニウム塩(c)を同時に添加することによって製造される。その混練方法には特に制限はなく、ポリアミド樹脂の溶融状態下で機械的剪断を行うことができればよい。その処理方法もバッチ式または連続式のいずれでも良いが、連続的に製造できる連続式の方が作業効率の面から好ましい。具体的な装置にも制限はないが、押出機、特に二軸押出機が生産性の面で好ましい。
【0029】
各成分の添加の順序は(a)、(b)、(c)の各成分を同時に溶融混練装置に供給することができればよく、(a)、(b)、(c)の3成分をプレブレンドした後に溶融混練装置に供給する方法や、連続式装置においては(a)、(b)、(c)の3成分を同じフィード口から供給することが好ましい。
【0030】
その具体的な添加方法はポリアミド樹脂(a)、層状珪酸塩(b)、有機オニウム塩(c)をヘンシェルミキサーやVブレンダー、タンブラーミキサーなど粉体の混合に用いられる公知の混合機でプレブレンドした後、溶融混練装置に供給する方法や、各成分を個別に定量式フィーダー等で押出機に供給する方法などが挙げられる。
【0031】
溶融混練の際には(a)、(b)、(c)の各成分は乾燥状態にあることが好ましいが、層状珪酸塩(b)や有機オニウム塩(c)に関しては溶融混練時に著しい発泡を生じたり、ポリアミド樹脂を加水分解するレベルの含水量でない範囲において吸水していても問題はない。
【0032】
本発明においては、溶融混練時の温度を有機オニウム塩(c)の10%加熱減量温度以上、90%加熱減量温度以下に保つことが必要であり、有機オニウム塩(c)の30%加熱減量温度以上、70%加熱減量温度以下に保つことが好ましい。溶融混練温度が有機オニウム塩(c)の10%加熱減量温度に満たない場合や90%加熱減量温度を越える場合はいずれも層状珪酸塩を微分散させることができず、得られる組成物の機械物性が低くなる。
【0033】
本発明の組成物中においては、単層レベルに剥離した層状珪酸塩が存在することが好ましい。単層レベルとは、層状珪酸塩が単層〜10層程度の状態で、二次凝集することなく分散していることを言う。この状態は本発明の組成物から切片を切削しこれを電子顕微鏡で観察することによって確認できる。
さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で常用の各種添加成分、例えばガラス繊維、炭素繊維、針状ワラステナイトなどの針状無機充填材、ガラスフレーク、タルク、カオリン、マイカなどの板状無機充填材、各種エラストマー類などの衝撃性改良材、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンなどの酸化防止剤、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を添加することができる。
【0034】
本発明のポリアミド樹脂組成物は押出成形、射出成形など通常の加工方法で容易に成形品とすることができる。また、フィルムやシート、チューブ、マルチフィラメント、モノフィラメント等に成形することもできる。得られた成形品は少ないフィラー量で、高い曲げ弾性率を示すため、種々のエンジニアリング部品、構造材料に適している。
【0035】
その具体的用途の例としては各種ギア、各種ケース、センサー、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチコイルボビン、ハウジング、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品
VTR、テレビ、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器、電子レンジ、音響機器、照明器具、冷蔵庫、エアコン、タイプライター、ワードプロセッサーなどに代表される家庭、事務電気製品部品、
オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライター、各種ボルト・ナット、電動工具ハウジング、自転車・三輪車・雪上車などのホイールなどの機械関連部品
オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、ワイヤーハーネスコネクター、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、リレーボックス、ジャンクションボックス、ホイールキャップ、クリップ、ファスナー、エンジンカバー、シリンダヘッドカバー、タイミングベルトカバー、ラジエタータンクなどの自動車・車両関連部品、床下支持具、床面調整用のアジャスター、サッシの戸車などの建築資材、椅子脚などの家具関連部品などが挙げられる。
【0036】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳述する。
【0037】
実施例で使用したポリアミド樹脂は次のとおりである。
【0038】
ナイロン6 :濃硫酸中、濃度1%、25℃で測定した相対粘度が2.70DSCで測定した融点が225℃
ナイロン66:濃硫酸中、濃度1%、25℃で測定した相対粘度が2.75DSCで測定した融点が265℃
実施例で使用した有機オニウム塩は表1のとおりである。なお、加熱減量は熱重量測定装置(セイコー電子工業:TG/DTA200型)を用い、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定した。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例1
ナイロン6ペレット95.8重量部、合成雲母(コープケミカル:ME−100、陽イオン交換容量100m当量/100g)粉末3重量部、ベンジルジメチルステアリルルアンモニウムクロライド(東京化成:試薬)粉末1.2重量部をタンブラーミキサーで撹拌混合し混合物を得た。この混合物をPCM−30型二軸押出機(池貝鉄鋼製)を用いて樹脂温度250℃で溶融混練し、組成物ペレットを得た。
【0041】
得られたペレットは乾燥後、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形して、ASTM1号ダンベル形試験片(1/8”厚)および1/2”×5”×1/4”厚の棒状試験片に成形した。
【0042】
ASTM1号ダンベル形試験片を用い、ASTM D638法に準じて引張強度を測定したところ、91MPaを示した。また棒状試験片を用い、ASTM D790法に準じて曲げ試験を行った結果、曲げ強度は120MPa、曲げ弾性率は3.9GPaを示した。また棒状試験片から超薄切片を切削し透過型電子顕微鏡(TEM)で観測し、層状珪酸塩の分散状態を調べたところ、珪酸塩単層レベルの分散が多数確認できた。
【0043】
実施例2
実施例1において合成雲母に代えて、Na型モンモリロナイト(クニミネ工業:クニピアF、陽イオン交換容量120m当量/100g)を用いた他は実施例1と同様にして溶融混練し組成物ペレットを得て、射出成形後、評価を行った。結果を表2に示した。
【0044】
実施例3
ナイロン6ペレット94重量部、実施例1で用いたものと同じ合成雲母4重量部、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(東京化成:試薬)2重量部を用い実施例1と同様に溶融混練して組成物ペレットを得て、射出成形後、評価を行った。結果を表2に示した。
【0045】
実施例4
ナイロン66ペレット95.7重量部、実施例1で用いたものと同じ合成雲母3重量部、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド(東京化成:試薬)1.3重量部を用い実施例1と同様にして樹脂温度280℃で溶融混練し、組成物ペレットを得た。
【0046】
得られたペレットは乾燥後、シリンダ温度280℃、金型温度80℃で射出成形して、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示した。
【0047】
【表2】
【0048】
参考例1
ナイロン6ペレット95.8重量部、実施例1で用いたものと同じ合成雲母3重量部、トリメチルステアリルアンモニウムクロライド1.2重量部を用い、実施例1と同様にして樹脂温度240℃で溶融混練し、組成物ペレットを得た。実施例1と同様に射出成形後、評価した。結果は表3に示したように強度、弾性率の改良効果は小さかった。
【0049】
参考例2
ナイロン66ペレット94重量部、実施例1で用いたものと同じ合成雲母4重量部、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド2重量部を用い実施例1と同様にして樹脂温度280℃で溶融混練し、組成物ペレットを得た。
【0050】
得られたペレットは乾燥後、シリンダ温度280℃、金型温度80℃で射出成形して、実施例1と同様に評価した。結果を表3に示した。
【0051】
比較例1
ポリアミドと層状珪酸塩のみを表3に示す配合比率で、実施例1と同様に溶融混練して組成物を得、評価した。結果を表3に示した。
【0052】
比較例2
ポリアミドと有機オニウム塩のみを表3に示す配合比率で、実施例1と同様に溶融混練して組成物を得、評価した。結果を表3に示した。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、機械的性質に優れた樹脂組成物が容易に得られ、特に無機灰分量が少なくても曲げ弾性率など剛性に優れた樹脂組成物が得られるので、自動車部品、電機・電子部品、建材、家具、日用雑貨品などの成形品用に適している。
Claims (5)
- 下記(a)〜(c)の合計を100重量部としたとき、(a)ポリアミド樹脂65〜99.8重量部(b)層状珪酸塩 0.1〜20重量部(c)有機オニウム塩 0.1〜15重量部を同時に溶融混練装置に供給し、溶融混練することを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- (c)有機オニウム塩の10%加熱減量温度以上、同90%加熱減量温度以下の温度範囲で溶融混練を行うことを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 得られたポリアミド樹脂組成物において、層状珪酸塩(b)の一部または全部が単層レベルでポリアミド樹脂(a)中に分散していることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- (a)ポリアミド樹脂が、ナイロン6および/またはナイロン66である請求項1〜3いずれか記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- (c)有機オニウム塩が、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、およびトリメチルステアリルアンモニウムクロライドから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4いずれか記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
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JPH11335554A (ja) | 1999-12-07 |
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