JP2006131832A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 強度や弾性率など代表される機械的特性に優れ、さらに靱性、耐久性、耐摩擦摩耗性、低吸水性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 膨潤性層状珪酸塩の配合量が0.5〜20質量%の珪酸塩層が分子レベルで均一に分散されてなるポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、1分子中に2個以上のエポキシ基や酸無水物基等の官能基を有する有機化合物(B)を0.1〜4質量部配合してなるポリアミド樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、強度や弾性率などの機械的特性に優れ、さらに靱性、耐久性、摺動性、低吸水性に優れたポリアミド樹脂組成物に関するものである。
ポリアミド樹脂は優れた物理的、化学的特性を有しており、各種成形品、フィルム、繊維などの材料として幅広い分野で利用されている。特に近年、自動車や電機・電子部品、機械機構部品、建材部品として広く利用されてきているなかで、ポリアミド樹脂に要求される性能はさらに高度化・多様化してきている。例えば、自動車の電動パワーステアリングシステムのギアでは高い負荷下に長期間さらされることになるために、強度、剛性のみならず靱性、耐久性が要求される。さらには、耐磨耗性を高めるための摺動性や、ギア部品の抵抗を一定に保つための寸法精度、あるいは低比重であることが要求される。
強度や剛性を向上させるために、ポリアミド樹脂にガラス繊維や各種の無機充填材などの強化材を配合することはよく知られておりで、さまざまな分野において利用されている(たとえば特許文献1参照)。しかし、たとえばガラス繊維を配合したポリアミド樹脂組成物は比重が大きくなってしまうばかりでなく、ギア部品とした場合、相手材の金属ギアとのかみ合わせ時にガラス繊維が金属ギアを磨耗してしまうために、摺動性が要求される部材には適当ではなかった。
また、ポリアミド樹脂中に合成フッ素雲母やモンモリロナイトに代表される膨潤性層状珪酸塩を分散させて得られるポリアミド樹脂組成物が強度、剛性、耐熱性などに優れていることが従来から知られており、例えば、ナイロン6と合成フッ素雲母からなる樹脂組成物(特許文献2参照)や、ナイロン6とモンモリロナイトからなる樹脂組成物(特許文献3参照)が知られている。しかし、これらの樹脂組成物は靱性や耐久性の面では更なる改良が求められていた。
また、ガラス繊維などの強化材を用いることなく高い強度や耐久性を有するポリアミド樹脂としてモノマーキャストナイロン(MCナイロン)が知られている。しかし、MCナイロンは射出成形が容易ではなく、また、実際にはブロックを切削加工することにより所望の形を作成する必要があり、生産コストに問題があった。
特開昭57−137762号公報 特許第2941159号公報 特許第2131467号公報
本発明は、強度や弾性率などに代表される機械的特性に優れ、さらに靱性、耐久性、耐摩擦摩耗性、低吸水性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ポリアミド樹脂に1分子中に特定の官能基を2個以上有する有機化合物を配合することにより上記の課題が解決できることを見出し本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、次の通りである。
ポリアミド樹脂に膨潤性層状珪酸塩のシリケート層が分散されてなる強化ポリアミド樹脂100質量部に対し、1分子中に2個以上の官能基を有する有機化合物0.05〜5質量部配合してなるポリアミド樹脂組成物。
本発明によれば、強度や弾性率などに代表される機械的特性に優れ、さらに靱性、耐久性、摺動性、低吸水性、寸法精度に優れたポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド樹脂マトリックス中に膨潤性層状珪酸塩の珪酸塩層が分子レベルで均一に分散されたものである。
ここで珪酸塩層とは、膨潤性層状珪酸塩を構成する基本単位であり、膨潤性層状珪酸塩の層構造を崩すこと(以下、「劈開」という)によって得られる板状の無機結晶である。
また、珪酸塩層が分子レベルで均一に分散されるとは、膨潤性層状珪酸塩の珪酸塩層がポリアミド樹脂マトリックス中に分散する際に、それぞれが平均1nm以上の層間距離を保ち、互いに塊を形成することなく存在している状態をいう。ここで塊とは原料である膨潤性層状珪酸塩が劈開していない状態を指す。また層間距離とは珪酸塩層間の距離をいう。ポリアミド樹脂マトリックス中における珪酸塩層の分散状態は、例えば透過型電子顕微鏡観察を行うことにより確認することができる。
なお、珪酸塩層は必ずしも一枚一枚にまで分離している必要はなく、珪酸塩層が部分的に積層していてもよい。
本発明において用いられる膨潤性層状珪酸塩は、珪酸塩を主成分とする負に帯電した結晶層とその層間に介在するイオン交換能を有するカチオンとからなる構造を有するものであり、後述する方法で求めた陽イオン交換容量が50ミリ当量/100g以上であることが望ましい。この陽イオン交換容量が50ミリ当量/100g未満のものでは、膨潤能が低いためにポリアミド複合材料の製造時に実質的に未劈開状態のままとなり、ポリアミド複合材料の性能の向上が不十分となる。陽イオン交換容量の値の上限に特に制限はなく、現実に調製可能な膨潤性層状珪酸塩の中から適当なものを選べばよい。
本発明において用いられる膨潤性層状珪酸塩としては、天然に産出するものでも人工的に合成あるいは変成されたものでもよく、例えばスメクタイト族(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、ソーコナイト等)、バーミキュライト族(バーミキュライト等)、雲母族(フッ素雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、レピドライト等)、脆雲母族(マーガライト、クリントナイト、アナンダイト等)、緑泥石族(ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモナイト、ニマイト等)が挙げられるが、本発明においてはNa型あるいはLi型膨潤性フッ素雲母やモンモリロナイトが特に好適に用いられる。
本発明において好適に用いられる膨潤性フッ素雲母は一般的に次式で示される構造式を有するものである。
M((MgxLi()Si4yz
(式中で、Mはイオン交換性のカチオンを表し、具体的にはナトリウムやリチウムが挙げられる。また、(、(、X、YおよびZはそれぞれ係数を表し、0≦(≦0.5、0≦(≦0.5、2.5≦X≦3、10≦Y≦11、1.0≦Z≦2.0、である)
このような膨潤性フッ素雲母としては、コープケミカル株式会社やトピー工業株式会社からの市販品を好適に使用できるほか、次のような製造法により容易に得ることができる。
すなわち、酸化珪素と酸化マグネシウムと各種のフッ化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガス炉で1400〜1500℃の温度で完全に溶融し、その冷却過程で反応容器内にフッ素雲母を結晶成長させる、いわゆる溶融法がある。また、タルクを出発物質として用い、これにアルカリ金属イオンをインターカレーションしてフッ素雲母を得る方法がある。後者の方法では、タルクに珪フッ化物アルカリあるいはフッ化アルカリを混合し、磁製ルツボ内で700〜1200℃で短時間加熱処理することによってフッ素雲母を得ることができる。
本発明に用いることができるモンモリロナイトは次式で表されるもので、天然に産出するものを水ひ処理等を用いて精製することにより得ることができる。
aSi(Al2-aMg)O10(OH)2・nH2
(式中で、Mはナトリウム等のカチオンを表し、0.25≦a≦0.6である。また層間のイオン交換性カチオンと結合している水分子の数はカチオン種や湿度等の条件によって様々に変わりうるので、式中ではnH2Oで表した)
また、モンモリロナイトにはマグネシアンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネシアンモンモリロナイト等の同型イオン置換体の存在が知られており、これらを用いてもよい。
本発明において用いられる膨潤性層状珪酸塩の初期粒子径については特に制限はない。ここで初期粒子径とは本発明において用いるポリアミド樹脂(A)を製造するに当たって用いる原料としての膨潤性層状珪酸塩の粒子径であり、複合材料中の珪酸塩層の大きさとは異なるものである。しかしこの粒子径もまた得られたポリアミド複合材料の物性、特に剛性や耐熱性に少なからず影響を及ぼす。従って、膨潤性層状珪酸塩の混合比率を選択するにあたってはこの点も考慮するのが望ましく、必要に応じてジェットミル等で粉砕して粒子径をコントロールすることが好ましい。
ここで、膨潤性フッ素雲母系鉱物をインターカレーション法により合成する場合には、原料であるタルクの粒子径を適切に選択することにより初期粒子径を変更することができる。粉砕との併用により、より広い範囲で初期粒子径を調節することができる点で好ましい方法である。
本発明におけるポリアミドは、アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる)を主たる原料とするアミド結合を主鎖内に有する重合体である。その原料の具体例としては、アミノカルボン酸としては、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等が挙げられる。またラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタム等がある。ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミン、2,4-ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等がある。またジカルボン酸としては、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2-クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等がある。またこれらジアミンとジカルボン酸は一対の塩として用いることもできる。
本発明において用いられるポリアミド樹脂の好ましい例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMDT)、ポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンテレフタルアミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。中でもナイロン6、ナイロン66が特に好ましい。
なお、ポリアミド樹脂としては、2種以上のポリアミド樹脂成分を混合して用いることができる。
本発明におけるポリアミド樹脂(A)の相対粘度は、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した相対粘度が、2.0〜5.0の範囲、好ましくは2.3〜4.5、さらに好ましくは2.5〜4.0であることが望ましい。相対粘度が2.0未満の場合には、本発明によって得られるポリアミド樹脂組成物は耐久性や靱性に乏しいものとなり好ましくない。一方、相対粘度が5.0を越える場合にはポリアミド樹脂組成物の溶融時の流動性が極端に低下し成形性が著しく悪化するので好ましくない。
本発明における1分子中に2個以上の官能基を有する有機化合物(B)としては、官能基がエポキシ基、酸無水物基、オキサゾリン基、カルボン酸基、アミノ基、イソシアネート基を有するものが挙げられる。中でも、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル化合物、トリグリシジルイソイアヌレートなどのグリシジルシアヌレート化合物のようなエポキシ基を有する化合物、スチレン/無水マレイン酸共重合体のような酸無水物基をモノマーとする化合物が特に好適に用いることができる。
(B)成分の配合量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0.05〜4.0質量部であり、好ましくは0.1〜3.0質量部、さらに好ましくは0.2〜2.0質量部の範囲である。(B)成分の配合量が0.05質量部未満の場合には、ポリアミド樹脂組成物の剛性、靱性、耐久性、摺動性の向上が不十分であるため好ましくない。一方、この配合量が4.0質量部を超えると、ポリアミド樹脂組成物の流動性が著しく低下し、成形加工性が悪化するばかりか、相対粘度測定溶媒(濃硫酸)に不溶なゲル化物が発生し、物性を低下させる傾向があるため好ましくない。
本発明のポリアミド樹脂組成物を製造する方法は特に限定されないが、通常は、スクリューを備えた2軸押出機を用いてポリアミド樹脂(A)と有機化合物(B)を溶融混練し、ストランド状に押出して、ペレット化すればよい。得られるポリアミド樹脂組成物の相対粘度は特に限定されるものではないが、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した相対粘度が2.7〜5.0の範囲であることが望ましく、さらに好ましくは2.9〜4.5の範囲であることが望ましい。相対粘度が2.7より小さい場合には、靱性、耐久性に劣るものとなるため好ましくない。また、5.0を超える場合においては、ポリアミド樹脂組成物の溶融時の流動性が極端に低下し、成形性に支障をきたす傾向にあるので好ましくない。
次に本発明におけるポリアミド樹脂(A)の製造方法について説明する。
ポリアミド樹脂(A)の製造方法は、基本的には、適宜選択した膨潤性層状珪酸塩の存在下、所定量のモノマーをオートクレーブに仕込んだ後、水等の開始剤を用い、温度240〜300℃、圧力0.2〜3MPa、1〜15時間の範囲内で溶融重縮合法によればよい。ナイロン6を樹脂マトリックスとする場合には、温度250〜280℃、圧力0.5〜2MPa、3〜5時間の範囲で重合することが好ましい。
また、重合後のポリアミド樹脂組成物に残留しているポリアミドのモノマーを除去するために、ポリアミド樹脂組成物のペレットに対して熱水による精練を行うことが好ましい。この場合、好ましくは90〜100℃の熱水中で8時間以上の処理を行えばよい。
また、ポリアミド樹脂(A)の製造は、予めオニウム塩で前処理しておいた膨潤性層状珪酸塩とポリアミド樹脂とを溶融混練することにより得ることもできる。
膨潤性層状珪酸塩の配合量は、ポリアミド樹脂(A)を形成するモノマーに対して0.5〜20質量%とすることが好ましく、1.0〜10質量%とすることがより好ましい。この配合量が0.5質量%未満では、膨潤性層状珪酸塩の珪酸塩層によるポリアミド樹脂マトリックスの補強効果に乏しい。一方、この配合量が20質量%を越える場合には、靱性が低下する傾向があるため好ましくない。
本発明のポリアミド樹脂組成物を製造するに当たっては、その特性を大きく損なわない限りにおいて、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、着色防止剤、耐候剤、難燃剤、摺動性改良材、可塑剤、結晶核剤、離型剤等を添加してもよい。これらはポリアミド樹脂組成物を製造する任意の段階で加えることができ、例えば、ポリアミド樹脂(A)の重合時に添加してもよいし、有機化合物(B)と溶融混練する際に加えてもよい。
熱安定剤や酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、他の熱可塑性樹脂が混合されていてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えばポリブタジエン、ブタジエン/スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン等のエラストマーまたはこれらの無水マレイン酸等による変性物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリレート等が挙げられる。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例で用いた原料および物性試験の測定方法は次の通りである。
1.原料
(1)ポリアミド樹脂(A−1)
ε−カプロラクタム10kgに対して、1kgの水と200gの膨潤性フッ素雲母(コープケミカル社製ME−100)とを添加し、これを内容積30リットルのオートクレーブに入れ、260℃に加熱し、内圧が1.5MPaになるまで上昇させた。その後徐々に水蒸気を放出しつつ、圧力1.5MPa、温度260℃に保持したまま2時間重合した後、1時間かけて常圧まで放圧し、さらに30分間重合した。重合が終了した時点で、上記の反応生成物をストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断して強化ポリアミド樹脂のペレットを得た。次いでこのペレットを95℃の熱水で8時間精練を行った後、真空乾燥した。得られたポリアミド樹脂は、灰分測定により珪酸塩層を2.2質量%含有し、相対粘度が2.7であることがわかった。また、この強化ポリアミド樹脂のペレットについて広角X線回折測定を行ったところ、フッ素雲母の厚み方向のピークは完全に消失しており、ポリアミド樹脂中にフッ素雲母が均一に分散されていることが分かった。
(2)ポリアミド樹脂(A−2)
ε−カプロラクタム10kgに対して、1kgの水と400gの膨潤性フッ素雲母(コープケミカル社製ME−100)とを添加し、これを内容積30リットルのオートクレーブに入れ、260℃に加熱し、内圧が1.5MPaになるまで上昇させた。その後徐々に水蒸気を放出しつつ、圧力1.5MPa、温度260℃に保持したまま2時間重合した後、1時間かけて常圧まで放圧し、さらに15分間重合した。重合が終了した時点で、上記の反応生成物をストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断して強化ポリアミド樹脂のペレットを得た。次いでこのペレットを95℃の熱水で8時間精練を行った後、真空乾燥した。得られたポリアミド樹脂は、珪酸塩層を4.2質量%含有し、後述する粘度測定法による相対粘度が2.5であった。
(3)ポリアミド樹脂(P−1)
ユニチカ社製「A1030BRT」を用いた。後述する粘度測定法による相対粘度は3.4であった。
(4)ポリアミド樹脂(P−2)
ユニチカ社製「A1030BRL」を用いた。後述する粘度測定法による相対粘度は2.5であった。
(4)有機化合物(B−1)
坂本薬品社製「トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル」
(5)有機化合物(B−2)
Hercules社製「スチレン/無水マレイン酸共重合体」
2.測定方法
(1)ポリアミド樹脂の相対粘度
96質量%濃硫酸中に、ポリアミド複合材料の乾燥ペレットの濃度が1g/dlになるように溶解させ、G-3ガラスフィルターにより無機成分を濾別した後測定に供した。測定はウベローデ型粘度計を用い、25℃で行った。
(2)ポリアミド樹脂組成物の無機灰分率
ポリアミド樹脂組成物の乾燥ペレットを磁性ルツボに精秤し、500℃に保持した電気炉で15時間焼却処理した後の残渣を無機灰分として、次式に従って無機灰分率を求めた。
無機灰分(質量%)={無機灰分質量(g)}/{焼却処理前の試料の全質量(g)}×100
(3)引張強度
ASTM D638に準拠して23℃で測定した。
(4)曲げ弾性率
ASTM D790に準拠して23℃で測定した。
(5)Izod衝撃強度(ノッチ付き)
ASTM D256に準拠して23℃で測定した。
(6)耐久試験
振動疲労試験機を用いて、23℃で測定した。試験片寸法は幅3.2mm、厚み12.7mm、長さ127mmであり、スパン間距離を35mmになるように固定し、荷重98Nで30サイクル/secの振動を与え、試験片が破断するまでのサイクル数を測定した。
(7)比摩耗量、動摩擦係数
JIS K7218に準拠した鈴木式摩擦摩耗試験により23℃において測定した。試料は中空円筒とし、相手材はS45Cの中空円筒、荷重430N、速度0.5m/sec、滑り距離3.6kmの条件で測定した。
(8)吸水率
引張強度測定に用いた試験片を使用し、23℃水中、48時間後の吸水率を測定した。
実施例1
ポリアミド樹脂(A−1)100質量部と有機化合物(B-1)0.5質量部を二軸押出機(東芝機械社製、TEM37−BS)にて樹脂温度270℃で溶融混練押出し、ペレット化した。次いで、このペレットを乾燥後、射出成形機(東芝機械社製、IS100E−3A )を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度100℃の条件で射出成形することにより、各種試験片を作製し、それぞれ試験に供した。結果を表1に示す。
実施例2〜3および比較例1〜5
表1に示す成分比率にした他は、実施例1と同様にして試験片を作製し、それぞれ物性試験に供した。ただし、比較例1および3はポリアミド樹脂A−1およびA−2単体を評価した。比較例4と5においては、珪酸塩層を含有していないポリアミド樹脂を用いた。結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3を対比すると、比較例ではとくに耐久性が乏しいのに対して、実施例においては引張強度や曲げ弾性率の向上とともにIzod衝撃強度、耐久性、摺動性の向上も見られた。比較例4と5においては、珪酸塩層を含有せいていないポリアミド樹脂を用いたために、有機化合物(B)を配合しても、Izod衝撃強度と摺動性に向上が見られたが、強度、弾性率耐久性においては向上が見られなかった。また、吸水率が高いという欠点も見受けられる。

Claims (3)

  1. 膨潤性層状珪酸塩の珪酸塩層が分子レベルで均一に分散されてなるポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、1分子中に2個以上の官能基を有する有機化合物(B)を0.1〜4質量部配合してなるポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド樹脂(A)中の膨潤性層状珪酸塩の配合量が0.5〜20質量%である請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 有機化合物(B)の官能基が、エポキシ基、酸無水物基の少なくともいずれかである請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物。
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