JP2001098147A - ガスバリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム及び容器 - Google Patents
ガスバリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム及び容器Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 層状珪酸塩が共重合ポリアミド樹脂中に分子
レベルで分散され、高ガスバリヤー性と高伸度の両方の
特性を有するポリアミド樹脂組成物、並びにこれを用い
たフィルム及び容器を提供する。 【解決手段】 層状珪酸塩の珪酸塩層が、カプロアミド
単位を主成分とする特定の共重合ポリアミド樹脂中に分
子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物であって、
23℃、100%RHでの酸素透過係数が2.2ml・
mm/m2 ・24hrs・atm以下であるガスバリヤ
ー性に優れたポリアミド樹脂組成物。
レベルで分散され、高ガスバリヤー性と高伸度の両方の
特性を有するポリアミド樹脂組成物、並びにこれを用い
たフィルム及び容器を提供する。 【解決手段】 層状珪酸塩の珪酸塩層が、カプロアミド
単位を主成分とする特定の共重合ポリアミド樹脂中に分
子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物であって、
23℃、100%RHでの酸素透過係数が2.2ml・
mm/m2 ・24hrs・atm以下であるガスバリヤ
ー性に優れたポリアミド樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリヤー性に
優れた共重合ポリアミド樹脂組成物に関する。さらに詳
しくは、層状珪酸塩の珪酸塩層が共重合ポリアミド樹脂
中に分子レベルで分散され、23℃、100%RHでの酸素透過
係数が 2.2 ml ・mm/m2・24hrs ・atm 以下である共重
合ポリアミド樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム
及び容器に関する。
優れた共重合ポリアミド樹脂組成物に関する。さらに詳
しくは、層状珪酸塩の珪酸塩層が共重合ポリアミド樹脂
中に分子レベルで分散され、23℃、100%RHでの酸素透過
係数が 2.2 ml ・mm/m2・24hrs ・atm 以下である共重
合ポリアミド樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム
及び容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリアミド樹脂中にモンモリ
ロナイトに代表される層状珪酸塩が分子レベルで均一分
散された樹脂組成物は知られており(特開昭62-79475号
公報等)、これらの樹脂組成物を用いたガスバリヤー性
フィルムや、液体又は気体バリヤー性成形品用材料が提
案されている(特開平2-105856号公報、特開平2-69562
号公報)。
ロナイトに代表される層状珪酸塩が分子レベルで均一分
散された樹脂組成物は知られており(特開昭62-79475号
公報等)、これらの樹脂組成物を用いたガスバリヤー性
フィルムや、液体又は気体バリヤー性成形品用材料が提
案されている(特開平2-105856号公報、特開平2-69562
号公報)。
【0003】しかし、上記の樹脂組成物においては、ナ
イロン6樹脂をマトリックス樹脂としているため、ガス
バリヤー性の点で十分といえるものではなかった。そこ
で、特開平6ー80873 号公報においては、ガスバリヤー性
を高めるために、ナイロン6樹脂に20重量%以上の割合
で芳香族ポリアミドをブレンドする方法が提案されてい
るが、コスト高になるという問題があった。
イロン6樹脂をマトリックス樹脂としているため、ガス
バリヤー性の点で十分といえるものではなかった。そこ
で、特開平6ー80873 号公報においては、ガスバリヤー性
を高めるために、ナイロン6樹脂に20重量%以上の割合
で芳香族ポリアミドをブレンドする方法が提案されてい
るが、コスト高になるという問題があった。
【0004】このような問題点を改良する試みとして、
本発明者らは、特定の膨潤性フッ素雲母系鉱物がナイロ
ン6樹脂中に分子レベルで均一分散された樹脂組成物を
ガスバリヤー性に優れた成形品に適用することを提案し
(特開平8-283567号公報)、さらに特定の粒子径分布を
有する層状珪酸塩がナイロン6樹脂中に分子レベルで均
一分散された樹脂組成物をガスバリヤー性に優れたフィ
ルム及び容器に適用することを提案したが(特開平11-2
28817号公報)、これらの成形品(フィルム、容器等)
はいずれも、伸度という点では十分といえるものではな
かった。
本発明者らは、特定の膨潤性フッ素雲母系鉱物がナイロ
ン6樹脂中に分子レベルで均一分散された樹脂組成物を
ガスバリヤー性に優れた成形品に適用することを提案し
(特開平8-283567号公報)、さらに特定の粒子径分布を
有する層状珪酸塩がナイロン6樹脂中に分子レベルで均
一分散された樹脂組成物をガスバリヤー性に優れたフィ
ルム及び容器に適用することを提案したが(特開平11-2
28817号公報)、これらの成形品(フィルム、容器等)
はいずれも、伸度という点では十分といえるものではな
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点を解消し、高ガスバリヤー性と高伸度
の両方の特性を有し、フィルムや容器等に好適に利用で
きるポリアミド樹脂組成物を提供するものである。
従来技術の問題点を解消し、高ガスバリヤー性と高伸度
の両方の特性を有し、フィルムや容器等に好適に利用で
きるポリアミド樹脂組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、そこで鋭
意研究を重ねた結果、層状珪酸塩の珪酸塩層がマトリッ
クス樹脂である共重合ポリアミド樹脂中に分子レベルで
分散された樹脂組成物が、高ガスバリヤー性と高伸度の
両方の特性を有し、上記問題点が解決できることを見い
出し、本発明に到達した。
意研究を重ねた結果、層状珪酸塩の珪酸塩層がマトリッ
クス樹脂である共重合ポリアミド樹脂中に分子レベルで
分散された樹脂組成物が、高ガスバリヤー性と高伸度の
両方の特性を有し、上記問題点が解決できることを見い
出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) 層状珪酸塩の珪酸塩層が共重合ポリアミド樹脂中に
分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物であっ
て、23℃、100%RHでの酸素透過係数が2.2 ml・mm/m2・
24hrs ・atm 以下であることを特徴とするガスバリヤー
性に優れたポリアミド樹脂組成物。ただし、共重合ポリ
アミド樹脂は、ナイロン6/12コポリマー、ナイロン6/66
コポリマー、コポリ(カプロアミド/m−キシリレンテ
レフタルアミド)、コポリ(カプロアミド/m−キシリ
レンイソフタルアミド)、コポリ〔カプロアミド/ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミ
ド〕、コポリ〔カプロアミド/ビス(4−アミノシクロ
ヘキシル)メタンイソフタルアミド〕、コポリ〔カプロ
アミド/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシ
ル)メタンテレフタルアミド〕、コポリ〔カプロアミド
/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタ
ンイソフタルアミド〕からなる群より選ばれたいずれか
の樹脂である。 (2) 層状珪酸塩が、膨潤性フッ素雲母系鉱物又はモンモ
リロナイトであることを特徴とする上記(1) 記載のガス
バリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物。 (3) 上記(1)、(2) のいずれか1項に記載のガスバリヤー
性に優れたポリアミド樹脂組成物を用いたフィルム及び
容器。
る。 (1) 層状珪酸塩の珪酸塩層が共重合ポリアミド樹脂中に
分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物であっ
て、23℃、100%RHでの酸素透過係数が2.2 ml・mm/m2・
24hrs ・atm 以下であることを特徴とするガスバリヤー
性に優れたポリアミド樹脂組成物。ただし、共重合ポリ
アミド樹脂は、ナイロン6/12コポリマー、ナイロン6/66
コポリマー、コポリ(カプロアミド/m−キシリレンテ
レフタルアミド)、コポリ(カプロアミド/m−キシリ
レンイソフタルアミド)、コポリ〔カプロアミド/ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミ
ド〕、コポリ〔カプロアミド/ビス(4−アミノシクロ
ヘキシル)メタンイソフタルアミド〕、コポリ〔カプロ
アミド/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシ
ル)メタンテレフタルアミド〕、コポリ〔カプロアミド
/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタ
ンイソフタルアミド〕からなる群より選ばれたいずれか
の樹脂である。 (2) 層状珪酸塩が、膨潤性フッ素雲母系鉱物又はモンモ
リロナイトであることを特徴とする上記(1) 記載のガス
バリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物。 (3) 上記(1)、(2) のいずれか1項に記載のガスバリヤー
性に優れたポリアミド樹脂組成物を用いたフィルム及び
容器。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0009】本発明のポリアミド樹脂組成物は、共重合
ポリアミド樹脂に層状珪酸塩の珪酸塩層が分子レベルで
分散されていることが必要である。ここで珪酸塩層と
は、層状珪酸塩を構成する基本単位であり、層状珪酸塩
が劈開されることにより得られるものである。分子レベ
ルで分散されるとは、前記層状珪酸塩が共重合ポリアミ
ド樹脂中に分散される際に、それぞれが平均20Å以上の
層間距離を保っている状態をいう。ここで、層間距離と
は層状珪酸塩の珪酸塩層の平板の重心間の距離を指し、
分散されるとは層状珪酸塩の珪酸塩層の一枚一枚がもし
くは平均的な重なりが5層以下の多層物が平行にあるい
はランダムに、もしくは平行とランダムが混在した状態
で、その50%以上が塊を形成することなく分散されてい
る状態をいう。具体的には、透過型電子顕微鏡写真撮影
観察により、層状珪酸塩の塊がないことから確認するこ
とができる。
ポリアミド樹脂に層状珪酸塩の珪酸塩層が分子レベルで
分散されていることが必要である。ここで珪酸塩層と
は、層状珪酸塩を構成する基本単位であり、層状珪酸塩
が劈開されることにより得られるものである。分子レベ
ルで分散されるとは、前記層状珪酸塩が共重合ポリアミ
ド樹脂中に分散される際に、それぞれが平均20Å以上の
層間距離を保っている状態をいう。ここで、層間距離と
は層状珪酸塩の珪酸塩層の平板の重心間の距離を指し、
分散されるとは層状珪酸塩の珪酸塩層の一枚一枚がもし
くは平均的な重なりが5層以下の多層物が平行にあるい
はランダムに、もしくは平行とランダムが混在した状態
で、その50%以上が塊を形成することなく分散されてい
る状態をいう。具体的には、透過型電子顕微鏡写真撮影
観察により、層状珪酸塩の塊がないことから確認するこ
とができる。
【0010】また、本発明ポリアミド樹脂組成物は、後
述する方法で求めた23℃、100%RHでの酸素透過係数が2.
2 ml・mm/m2・24hrs ・atm 以下であることが必要であ
り、1.6 ml・mm/m2・24hrs ・atm 以下であることが好
ましい。酸素透過係数が2.2ml・mm/m2・24hrs ・atm
を超えるとガスバリヤー性に優れたフィルムや容器とす
ることができない。
述する方法で求めた23℃、100%RHでの酸素透過係数が2.
2 ml・mm/m2・24hrs ・atm 以下であることが必要であ
り、1.6 ml・mm/m2・24hrs ・atm 以下であることが好
ましい。酸素透過係数が2.2ml・mm/m2・24hrs ・atm
を超えるとガスバリヤー性に優れたフィルムや容器とす
ることができない。
【0011】本発明においては、ポリアミド樹脂組成物
を構成するマトリックス樹脂が特定の共重合ポリアミド
樹脂であることが必要であり、具体的にはナイロン6/12
コポリマー、ナイロン6/66コポリマー、コポリ(カプロ
アミド/m−キシリレンテレフタルアミド)、コポリ
(カプロアミド/m−キシリレンイソフタルアミド)、
コポリ〔カプロアミド/ビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)メタンテレフタルアミド〕、コポリ〔カプロアミド
/ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタル
アミド〕、コポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル−
4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミ
ド〕、コポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル−4−
アミノシクロヘキシル)メタンイソフタルアミド〕が挙
げられる。
を構成するマトリックス樹脂が特定の共重合ポリアミド
樹脂であることが必要であり、具体的にはナイロン6/12
コポリマー、ナイロン6/66コポリマー、コポリ(カプロ
アミド/m−キシリレンテレフタルアミド)、コポリ
(カプロアミド/m−キシリレンイソフタルアミド)、
コポリ〔カプロアミド/ビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)メタンテレフタルアミド〕、コポリ〔カプロアミド
/ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタル
アミド〕、コポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル−
4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミ
ド〕、コポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル−4−
アミノシクロヘキシル)メタンイソフタルアミド〕が挙
げられる。
【0012】これら共重合ポリアミド樹脂のモノマー成
分は、共重合比(モル%比)で 96/4 〜 50/50(カプロ
アミド単位/コモノマー単位)のものが好ましく、90/1
0 〜50/50 のものがより好ましい。カプロアミド単位が
96モル%より大きくなると、共重合による効果が小さく
なり、伸度特性の不十分なポリアミド樹脂組成物とな
る。一方、カプロアミド単位が50モル%より小さくなる
と、重合後得られるポリアミド樹脂組成物のストランド
が粘着質なものになり、取り扱いが困難になる同時に、
コストアップ等の問題も生じる。
分は、共重合比(モル%比)で 96/4 〜 50/50(カプロ
アミド単位/コモノマー単位)のものが好ましく、90/1
0 〜50/50 のものがより好ましい。カプロアミド単位が
96モル%より大きくなると、共重合による効果が小さく
なり、伸度特性の不十分なポリアミド樹脂組成物とな
る。一方、カプロアミド単位が50モル%より小さくなる
と、重合後得られるポリアミド樹脂組成物のストランド
が粘着質なものになり、取り扱いが困難になる同時に、
コストアップ等の問題も生じる。
【0013】上記共重合ポリアミド樹脂の相対粘度は、
溶媒として96%濃硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/dlの
条件で求めた値で、1.5 〜5.0 の範囲にあることが好ま
しく、2.0 〜4.0 の範囲にあることがより好ましい。。
この相対粘度が 1.5未満のものでは、成形品としたとき
の機械的強度が低下する。逆にこれが 5.0を超えると、
成形性が著しく低下する。
溶媒として96%濃硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/dlの
条件で求めた値で、1.5 〜5.0 の範囲にあることが好ま
しく、2.0 〜4.0 の範囲にあることがより好ましい。。
この相対粘度が 1.5未満のものでは、成形品としたとき
の機械的強度が低下する。逆にこれが 5.0を超えると、
成形性が著しく低下する。
【0014】本発明における層状珪酸塩は、珪酸塩を主
成分とする負に帯電した層とその層間に介在する陽電荷
(イオン)からなる構造を有するものである。
成分とする負に帯電した層とその層間に介在する陽電荷
(イオン)からなる構造を有するものである。
【0015】かかる層状珪酸塩の好ましい例としては、
スメクタイト族(例えば、モンモリロナイト、バイデラ
イト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト)、バ
ーミキュライト族(例えば、バーミキュライト)、雲母
族(例えば、フッ素雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲
母、黒雲母、レピドライト)、脆雲母族(例えば、マー
ガライト、クリントナイト、アナンダイト)、緑泥石族
(例えば、ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイ
ト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト)などが挙
げられる。
スメクタイト族(例えば、モンモリロナイト、バイデラ
イト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト)、バ
ーミキュライト族(例えば、バーミキュライト)、雲母
族(例えば、フッ素雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲
母、黒雲母、レピドライト)、脆雲母族(例えば、マー
ガライト、クリントナイト、アナンダイト)、緑泥石族
(例えば、ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイ
ト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト)などが挙
げられる。
【0016】これらの層状珪酸塩は、天然に産するもの
であっても、人工的に合成あるいは変性されたものであ
ってもよく、またそれらをオニウム塩などの有機物で処
理したものであってもよい。
であっても、人工的に合成あるいは変性されたものであ
ってもよく、またそれらをオニウム塩などの有機物で処
理したものであってもよい。
【0017】上記層状珪酸塩の中で、膨潤性フッ素雲母
系鉱物は白色度の点で最も好ましく、これは次式で示さ
れるもので、容易に合成できるものである。 α(MF)・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2 (式中、Mはナトリウム又はリチウムを表し、α、β、
γ、a及びbは各々係数を表し、0.1 ≦α≦2、2≦β
≦3.5 、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a+b
=1である。)
系鉱物は白色度の点で最も好ましく、これは次式で示さ
れるもので、容易に合成できるものである。 α(MF)・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2 (式中、Mはナトリウム又はリチウムを表し、α、β、
γ、a及びbは各々係数を表し、0.1 ≦α≦2、2≦β
≦3.5 、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a+b
=1である。)
【0018】このような膨潤性フッ素雲母系鉱物の製造
法としては、例えば、酸化珪素と酸化マグネシウムと各
種フッ化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガ
ス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融し、その
冷却過程で反応容器内にフッ素雲母系鉱物を結晶成長さ
せる、いわゆる溶融法がある。
法としては、例えば、酸化珪素と酸化マグネシウムと各
種フッ化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガ
ス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融し、その
冷却過程で反応容器内にフッ素雲母系鉱物を結晶成長さ
せる、いわゆる溶融法がある。
【0019】また、タルクを出発物質として用い、これ
にアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤
性フッ素雲母系鉱物を得る方法がある(特開平2-149415
号公報)。この方法では、タルクに珪フッ化アルカリあ
るいはフッ化アルカリを混合し、磁製ルツボ内で約 700
〜1200℃で短時間加熱処理することによって膨潤性フッ
素雲母系鉱物を得ることができる。
にアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤
性フッ素雲母系鉱物を得る方法がある(特開平2-149415
号公報)。この方法では、タルクに珪フッ化アルカリあ
るいはフッ化アルカリを混合し、磁製ルツボ内で約 700
〜1200℃で短時間加熱処理することによって膨潤性フッ
素雲母系鉱物を得ることができる。
【0020】この際、タルクと混合する珪フッ化アルカ
リあるいはフッ化アルカリの量は、混合物全体の10〜35
重量%の範囲とすることが好ましく、この範囲を外れる
場合には膨潤性フッ素雲母系鉱物の生成収率が低下する
ので好ましくない。
リあるいはフッ化アルカリの量は、混合物全体の10〜35
重量%の範囲とすることが好ましく、この範囲を外れる
場合には膨潤性フッ素雲母系鉱物の生成収率が低下する
ので好ましくない。
【0021】上記の膨潤性フッ素雲母系鉱物を得るため
には、珪フッ化アルカリ又はフッ化アルカリのアルカリ
金属は、ナトリウムあるいはリチウムとすることが必要
である。これらのアルカリ金属は単独で用いてもよいし
併用してもよい。また、アルカリ金属のうち、カリウム
の場合には膨潤性フッ素雲母系鉱物が得られないが、ナ
トリウムあるいはリチウムと併用し、かつ限定された量
であれば膨潤性を調節する目的で用いることも可能であ
る。さらに、膨潤性フッ素雲母系鉱物を製造する工程に
おいて、アルミナを少量配合し、生成する膨潤性フッ素
雲母系鉱物の膨潤性を調整することも可能である。
には、珪フッ化アルカリ又はフッ化アルカリのアルカリ
金属は、ナトリウムあるいはリチウムとすることが必要
である。これらのアルカリ金属は単独で用いてもよいし
併用してもよい。また、アルカリ金属のうち、カリウム
の場合には膨潤性フッ素雲母系鉱物が得られないが、ナ
トリウムあるいはリチウムと併用し、かつ限定された量
であれば膨潤性を調節する目的で用いることも可能であ
る。さらに、膨潤性フッ素雲母系鉱物を製造する工程に
おいて、アルミナを少量配合し、生成する膨潤性フッ素
雲母系鉱物の膨潤性を調整することも可能である。
【0022】上記のアルカリ金属イオンのインターカレ
ーションによって得られる膨潤性フッ素雲母系鉱物の場
合、その製造工程においてインターカレーションに関与
しなかった原料タルクあるいは副生物としての針状結晶
が、通常数重量%程度のオーダーで存在することがあ
り、これらは膨潤性フッ素雲母系鉱物のポリアミドマト
リックス中への分散には一切関与せず、得られるポリア
ミド樹脂組成物中に粗大粒子として残存し、フィルムや
容器にしたときに、そのガスバリヤー性を低下させる。
従って、これらの粗大粒子は分級あるいは粉砕などの手
段によって除去する必要があり、これらの手段によっ
て、フィルムや容器などのガスバリヤー性を向上させる
ことができる。
ーションによって得られる膨潤性フッ素雲母系鉱物の場
合、その製造工程においてインターカレーションに関与
しなかった原料タルクあるいは副生物としての針状結晶
が、通常数重量%程度のオーダーで存在することがあ
り、これらは膨潤性フッ素雲母系鉱物のポリアミドマト
リックス中への分散には一切関与せず、得られるポリア
ミド樹脂組成物中に粗大粒子として残存し、フィルムや
容器にしたときに、そのガスバリヤー性を低下させる。
従って、これらの粗大粒子は分級あるいは粉砕などの手
段によって除去する必要があり、これらの手段によっ
て、フィルムや容器などのガスバリヤー性を向上させる
ことができる。
【0023】上記層状珪酸塩の中で、モンモリロナイト
は、次式で示されるもので、天然に算出するものを精製
することにより得ることができる。 Ma Si4 (Al2-a Mga )O10(OH)2 ・nH2
O (式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.25〜
0.60である。また、層間のイオン交換性カチオンと結合
している水分子の数は、カチオン種や湿度等の条件に応
じて変わりうるので、これ以降、式中ではnH2 Oで表
す。) またモンモリロナイトには次式群で表される、マグネシ
アンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネ
シアンモンモリロナイトの同型イオン置換体も存在し、
これらを用いてもよい。 Ma Si4 (Al1.67-aMg0.5+a )O10(OH)2 ・
nH2 O Ma Si4 (Fe2-a 3+Mga )O10(OH)2 ・nH
2 O Ma Si4 (Fe1.67-a 3+Mg0.5+a )O10(OH)2
・nH2 O (式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.25〜
0.60である。)
は、次式で示されるもので、天然に算出するものを精製
することにより得ることができる。 Ma Si4 (Al2-a Mga )O10(OH)2 ・nH2
O (式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.25〜
0.60である。また、層間のイオン交換性カチオンと結合
している水分子の数は、カチオン種や湿度等の条件に応
じて変わりうるので、これ以降、式中ではnH2 Oで表
す。) またモンモリロナイトには次式群で表される、マグネシ
アンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネ
シアンモンモリロナイトの同型イオン置換体も存在し、
これらを用いてもよい。 Ma Si4 (Al1.67-aMg0.5+a )O10(OH)2 ・
nH2 O Ma Si4 (Fe2-a 3+Mga )O10(OH)2 ・nH
2 O Ma Si4 (Fe1.67-a 3+Mg0.5+a )O10(OH)2
・nH2 O (式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.25〜
0.60である。)
【0024】通常モンモリロナイトは、その層間にナト
リウムやカルシウムなどのイオン交換性カチオンを有す
るが、その含有比率は産地によって異なる。本発明にお
いては、イオン交換処理などによって層間のイオン交換
性カチオンがナトリウムに置換されていることが必要で
ある。また水ひ処理により精製したモンモリロナイトを
用いることが好ましい。
リウムやカルシウムなどのイオン交換性カチオンを有す
るが、その含有比率は産地によって異なる。本発明にお
いては、イオン交換処理などによって層間のイオン交換
性カチオンがナトリウムに置換されていることが必要で
ある。また水ひ処理により精製したモンモリロナイトを
用いることが好ましい。
【0025】本発明のポリアミド樹脂組成物を製造する
には、層状珪酸塩と共重合ポリアミド樹脂を形成するモ
ノマーとを混合し、重合させる方法がある。さらに詳し
くは、層状珪酸塩と共重合ポリアミド樹脂を形成するモ
ノマーと水とを混合し、温度240 〜300 ℃、圧力2〜30
kg/cm2で、1〜5時間の範囲で重合する。この際、層状
珪酸塩の配合量は、共重合ポリアミド樹脂 100重量部を
形成するモノマー量に対して、0.1 〜50重量部とするこ
とが好ましく、1〜20重量部とすることがより好まし
く、2〜5重量部とすることが特に好ましい。この配合
量が 0.1重量部未満では、ガスバリヤー性や、剛性、耐
熱性などに優れた成形品とすることができるポリアミド
樹脂組成物が得られない。一方、この配合量が50重量部
を超えると、フィルムや容器などの靱性や伸度特性が低
下する。また、共重合ポリアミド樹脂 100重量部と層状
珪酸塩1〜20重量部とを、2軸押出機を用いて混練する
方法もある。この際、層状珪酸塩は、共重合ポリアミド
樹脂中での分散性を向上させる目的で、層間のアルカリ
金属イオンをラクタムカチオン、アミノ酸カチオン、ア
ルキルアンモニウム等の有機オニウムイオンで交換す
る、いわゆる有機処理を施すことが好ましい。
には、層状珪酸塩と共重合ポリアミド樹脂を形成するモ
ノマーとを混合し、重合させる方法がある。さらに詳し
くは、層状珪酸塩と共重合ポリアミド樹脂を形成するモ
ノマーと水とを混合し、温度240 〜300 ℃、圧力2〜30
kg/cm2で、1〜5時間の範囲で重合する。この際、層状
珪酸塩の配合量は、共重合ポリアミド樹脂 100重量部を
形成するモノマー量に対して、0.1 〜50重量部とするこ
とが好ましく、1〜20重量部とすることがより好まし
く、2〜5重量部とすることが特に好ましい。この配合
量が 0.1重量部未満では、ガスバリヤー性や、剛性、耐
熱性などに優れた成形品とすることができるポリアミド
樹脂組成物が得られない。一方、この配合量が50重量部
を超えると、フィルムや容器などの靱性や伸度特性が低
下する。また、共重合ポリアミド樹脂 100重量部と層状
珪酸塩1〜20重量部とを、2軸押出機を用いて混練する
方法もある。この際、層状珪酸塩は、共重合ポリアミド
樹脂中での分散性を向上させる目的で、層間のアルカリ
金属イオンをラクタムカチオン、アミノ酸カチオン、ア
ルキルアンモニウム等の有機オニウムイオンで交換す
る、いわゆる有機処理を施すことが好ましい。
【0026】本発明のポリアミド樹脂組成物には、その
特性を大きく損わない限りにおいて、熱安定剤、酸化防
止剤、強化材、顔料、劣化防止剤、耐候剤、難燃剤、可
塑剤、離型剤などが添加されていてもよく、これらは重
合時あるいは得られたポリアミド樹脂組成物を溶融混練
もしくは溶融成形する際に加えられる。
特性を大きく損わない限りにおいて、熱安定剤、酸化防
止剤、強化材、顔料、劣化防止剤、耐候剤、難燃剤、可
塑剤、離型剤などが添加されていてもよく、これらは重
合時あるいは得られたポリアミド樹脂組成物を溶融混練
もしくは溶融成形する際に加えられる。
【0027】熱安定剤、酸化防止剤及び劣化防止剤とし
ては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒ
ンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ
金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられ
る。
ては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒ
ンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ
金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられ
る。
【0028】強化剤としては、例えばクレー、タルク、
炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、
アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミ
ン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネ
シウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜
鉛、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属
ウィスカー、セラミックウィスカー、チタン酸カリウム
ウィスカー、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、
炭素繊維などが挙げられる。
炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、
アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミ
ン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネ
シウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜
鉛、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属
ウィスカー、セラミックウィスカー、チタン酸カリウム
ウィスカー、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、
炭素繊維などが挙げられる。
【0029】さらに、ポリアミド樹脂組成物には、本発
明の特性を損なわない範囲で他の熱可塑性重合体が少量
混合されていてもよく、これらはポリアミド樹脂組成物
を溶融混練もしくは溶融成形する際に加えられる。この
ような熱可塑性重合体としては、例えばポリテトラメチ
レンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンア
ジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミ
ド(ナイロン 610)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン 612)、ポリウンデカメチレンアジパミド
(ナイロン 116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリトリメ
チルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMH
T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6
I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミ
ド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(4−アミノシクロヘ
キシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビ
ス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンド
デカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリ
レンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリノナメチレンテ
レフタルアミド(ナイロン9T)、ポリウンデカメチレン
テレフタルアミド(ナイロン 11T)、ポリウンデカメチ
レンヘキサヒドロテレフタルアミド〔ナイロン11T(H)〕
などであり、その他にも、ポリブタジエン、ブタジエン
/スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン/プロピ
レン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合
体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン
等のエラストマー又はこれらの無水マレイン酸などによ
る酸変性物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチ
レン/フェニルマレイミド共重合体、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ
化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフ
ェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエ
ーテルケトン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリアリレートなどが挙げられる。
明の特性を損なわない範囲で他の熱可塑性重合体が少量
混合されていてもよく、これらはポリアミド樹脂組成物
を溶融混練もしくは溶融成形する際に加えられる。この
ような熱可塑性重合体としては、例えばポリテトラメチ
レンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンア
ジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミ
ド(ナイロン 610)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン 612)、ポリウンデカメチレンアジパミド
(ナイロン 116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリトリメ
チルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMH
T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6
I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミ
ド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(4−アミノシクロヘ
キシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビ
ス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンド
デカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリ
レンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリノナメチレンテ
レフタルアミド(ナイロン9T)、ポリウンデカメチレン
テレフタルアミド(ナイロン 11T)、ポリウンデカメチ
レンヘキサヒドロテレフタルアミド〔ナイロン11T(H)〕
などであり、その他にも、ポリブタジエン、ブタジエン
/スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン/プロピ
レン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合
体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン
等のエラストマー又はこれらの無水マレイン酸などによ
る酸変性物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチ
レン/フェニルマレイミド共重合体、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ
化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフ
ェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエ
ーテルケトン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリアリレートなどが挙げられる。
【0030】本発明のポリアミド樹脂組成物は、通常の
成形加工方法でフィルムや容器などとすることができ
る。例えば、フィルムにする場合には、上記のポリアミ
ド樹脂組成物を用いて、延伸フィルム又は未延伸フィル
ムのいずれの形態にもすることができる。
成形加工方法でフィルムや容器などとすることができ
る。例えば、フィルムにする場合には、上記のポリアミ
ド樹脂組成物を用いて、延伸フィルム又は未延伸フィル
ムのいずれの形態にもすることができる。
【0031】未延伸フィルムを成形する方法としては、
例えば、層状珪酸塩を分散させたポリアミド樹脂組成物
を 220〜300 ℃で押出し機により溶融し、T−ダイによ
りフィルム状に押出し、キャスティングロール面上にキ
ャスティングしたフィルムを冷却するキャスティング法
(T−ダイ法)、またはリング状ダイにより筒状に押出
したものを空冷又は水冷するチューブラー法などの方法
を適用することができる。
例えば、層状珪酸塩を分散させたポリアミド樹脂組成物
を 220〜300 ℃で押出し機により溶融し、T−ダイによ
りフィルム状に押出し、キャスティングロール面上にキ
ャスティングしたフィルムを冷却するキャスティング法
(T−ダイ法)、またはリング状ダイにより筒状に押出
したものを空冷又は水冷するチューブラー法などの方法
を適用することができる。
【0032】延伸フィルムを成形する方法としては、キ
ャスティング法又はチューブラー法で成形した未延伸フ
ィルムを、50〜180 ℃の延伸温度で一軸延伸又は二軸延
伸し、必要に応じて 120℃以上で融点より低い温度で熱
固定する方法を適用することができる。
ャスティング法又はチューブラー法で成形した未延伸フ
ィルムを、50〜180 ℃の延伸温度で一軸延伸又は二軸延
伸し、必要に応じて 120℃以上で融点より低い温度で熱
固定する方法を適用することができる。
【0033】また、容器にする場合には、上記ポリアミ
ド樹脂組成物を用いて、射出成形により、ガソリンタン
ク、アルコールタンク、フューエルチューブ、フューエ
ルストレーナー、ブレーキオイルタンク、クラッチオイ
ルタンク、パワーステアリングオイルタンク、クーラー
用フレオンチューブ、フレオンタンク、キャニスタータ
ンク、エアクリーナー、インテークマニホールドなどの
自動車部品や、農業用ボトル、飲料水用ボトルなどの各
種ボトル、エアーダクトや中空パイプなどガスバリヤー
性を必要とする容器にすることができる。
ド樹脂組成物を用いて、射出成形により、ガソリンタン
ク、アルコールタンク、フューエルチューブ、フューエ
ルストレーナー、ブレーキオイルタンク、クラッチオイ
ルタンク、パワーステアリングオイルタンク、クーラー
用フレオンチューブ、フレオンタンク、キャニスタータ
ンク、エアクリーナー、インテークマニホールドなどの
自動車部品や、農業用ボトル、飲料水用ボトルなどの各
種ボトル、エアーダクトや中空パイプなどガスバリヤー
性を必要とする容器にすることができる。
【0034】射出成形の方法としては、例えば、層状珪
酸塩を分散させたポリアミド樹脂組成物を、一般的な射
出成型機を用い 220〜300 ℃のシリンダー温度で射出
し、30〜80℃の金型温度で成形する方法を適用すること
ができる。
酸塩を分散させたポリアミド樹脂組成物を、一般的な射
出成型機を用い 220〜300 ℃のシリンダー温度で射出
し、30〜80℃の金型温度で成形する方法を適用すること
ができる。
【0035】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に具体的に説明する。なお、実施例並びに比較例で用い
た原料及び物性試験の測定法は、次の通りである。 1.層状珪酸塩 (1) 膨潤性フッ素雲母系鉱物 コープケミカル社製の膨潤性合成雲母「ME-100」を用い
た。 (2) モンモリロナイト 山形県産の天然モンモリロナイトを分級することにより
特定の粒子径のものを集めた。すなわち、まず初めに 4
00meshの Tyler標準ふるい(目の開き:37μm)を用い
て粗大粒子を除去し、次いで1480meshの Tyler標準ふる
い(目の開き:7〜10μm)を用いて微小粒子を除去し
た。このモンモリロナイトのレーザー回折散乱法により
求めた平均粒子径は 2.5μm、最大粒子径は15μmであ
った。
に具体的に説明する。なお、実施例並びに比較例で用い
た原料及び物性試験の測定法は、次の通りである。 1.層状珪酸塩 (1) 膨潤性フッ素雲母系鉱物 コープケミカル社製の膨潤性合成雲母「ME-100」を用い
た。 (2) モンモリロナイト 山形県産の天然モンモリロナイトを分級することにより
特定の粒子径のものを集めた。すなわち、まず初めに 4
00meshの Tyler標準ふるい(目の開き:37μm)を用い
て粗大粒子を除去し、次いで1480meshの Tyler標準ふる
い(目の開き:7〜10μm)を用いて微小粒子を除去し
た。このモンモリロナイトのレーザー回折散乱法により
求めた平均粒子径は 2.5μm、最大粒子径は15μmであ
った。
【0036】2.測定法 (a) 層状珪酸塩の粒子径分布(平均粒子径、最大粒子
径) レーザー回折散乱法による粒度分布測定機(島津製作所
製、SALD-2000 型)を用いて、メタノールを分散媒と
し、フローセル中で測定することにより求めた。 (b) ポリアミド樹脂組成物中の層状珪酸塩の分散性 曲げ測定用の試験片から小さく切り出したサンプルをエ
ポキシ樹脂に包埋し、ダイヤモンドナイフにて超薄切片
に切り出したものについて、透過型電子顕微鏡(日本電
子製、JEM-200CX 型、加速電圧 100kV)で撮影した電子
顕微鏡写真観察から、ポリアミドマトリックス中に分散
した層状珪酸塩の珪酸塩層のおおよその大きさを求める
ことによりその分散性を評価した。 (c) 酸素透過係数 モダンコントロール社製の酸素透過率測定装置 MOCONOX
-TRAN-100Aを用いて、ASTM D-3985-81に準じて厚み40μ
mの未延伸フィルムの酸素透過量を測定した。測定は、
23℃、100%RH、1気圧の条件下で行い、酸素透過係数
は次式より求めた。 酸素透過係数(ml・mm/m2・24hrs ・atm )=酸素透過
量(ml/m2・24hrs ・atm )×厚み(mm) なお、この値はガスバリヤー性の指標となるもので、小
さいものほどガスバリヤー性が良好である。 (d) ポリアミド樹脂組成物の相対粘度 ポリアミド樹脂組成物の乾燥ペレットの濃度が1g/dLに
なるように96%濃硫酸に溶解し、温度25℃で測定した。 (e) 試験片の引張強度及び引張破断伸度 ASTM D-638に基づいて測定した。 (f) 試験片の曲げ強度及び曲げ弾性率 ASTM D-790に基づいて測定した。 (g) 試験片のアイゾット衝撃強度 ASTM D-256に基づいて、厚み 3.2mmの試験片に所定の深
みのノッチをつけて測定した。 (h) 試験片の熱変形温度 ASTM D-648に基づいて、荷重 1.86MPaで測定した。
径) レーザー回折散乱法による粒度分布測定機(島津製作所
製、SALD-2000 型)を用いて、メタノールを分散媒と
し、フローセル中で測定することにより求めた。 (b) ポリアミド樹脂組成物中の層状珪酸塩の分散性 曲げ測定用の試験片から小さく切り出したサンプルをエ
ポキシ樹脂に包埋し、ダイヤモンドナイフにて超薄切片
に切り出したものについて、透過型電子顕微鏡(日本電
子製、JEM-200CX 型、加速電圧 100kV)で撮影した電子
顕微鏡写真観察から、ポリアミドマトリックス中に分散
した層状珪酸塩の珪酸塩層のおおよその大きさを求める
ことによりその分散性を評価した。 (c) 酸素透過係数 モダンコントロール社製の酸素透過率測定装置 MOCONOX
-TRAN-100Aを用いて、ASTM D-3985-81に準じて厚み40μ
mの未延伸フィルムの酸素透過量を測定した。測定は、
23℃、100%RH、1気圧の条件下で行い、酸素透過係数
は次式より求めた。 酸素透過係数(ml・mm/m2・24hrs ・atm )=酸素透過
量(ml/m2・24hrs ・atm )×厚み(mm) なお、この値はガスバリヤー性の指標となるもので、小
さいものほどガスバリヤー性が良好である。 (d) ポリアミド樹脂組成物の相対粘度 ポリアミド樹脂組成物の乾燥ペレットの濃度が1g/dLに
なるように96%濃硫酸に溶解し、温度25℃で測定した。 (e) 試験片の引張強度及び引張破断伸度 ASTM D-638に基づいて測定した。 (f) 試験片の曲げ強度及び曲げ弾性率 ASTM D-790に基づいて測定した。 (g) 試験片のアイゾット衝撃強度 ASTM D-256に基づいて、厚み 3.2mmの試験片に所定の深
みのノッチをつけて測定した。 (h) 試験片の熱変形温度 ASTM D-648に基づいて、荷重 1.86MPaで測定した。
【0037】実施例1 ε−カプロラクタム7kg、12−アミノドデカン酸(12-AD
A)3kg、上記膨潤性合成フッ素雲母 0.2kg及び水1kgを
内容量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら、15kg
/cm2の圧力まで昇圧した。そして徐々に水蒸気を放圧し
つつ、圧力15kg/cm2、温度 260℃に保って2時間重合し
た後、1時間かけて常圧まで放圧した。その後、常圧
下、260 ℃に30分間放置した後、ストランド状に払い出
し、冷却、固化後、切断することにより、膨潤性合成フ
ッ素雲母がナイロン6/12コポリマー中に分子レベルで分
散されたポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。次い
で、このペレットを95℃の熱水で8時間精練を行い、こ
の操作を2度繰り返した後、真空乾燥した。次に、この
乾燥ペレットを射出成形機(三菱重工業社製、125/75MS
型)を用い、シリンダー温度 260℃、金型温度70℃、射
出時間6秒、冷却時間6秒で射出成形を行い、厚み 3.2
mmの各種の試験片を作成し、物性試験を行った。また、
この乾燥ペレットを 260℃にて押出機(直径40mmの単軸
スクリュー、回転数 30rpm)を用いて溶融し、T−ダイ
からフィルム状に押出し、0℃の冷却ロールで固化し、
厚さ40μmの未延伸フィルムを作製し、酸素透過量を測
定した。
A)3kg、上記膨潤性合成フッ素雲母 0.2kg及び水1kgを
内容量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら、15kg
/cm2の圧力まで昇圧した。そして徐々に水蒸気を放圧し
つつ、圧力15kg/cm2、温度 260℃に保って2時間重合し
た後、1時間かけて常圧まで放圧した。その後、常圧
下、260 ℃に30分間放置した後、ストランド状に払い出
し、冷却、固化後、切断することにより、膨潤性合成フ
ッ素雲母がナイロン6/12コポリマー中に分子レベルで分
散されたポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。次い
で、このペレットを95℃の熱水で8時間精練を行い、こ
の操作を2度繰り返した後、真空乾燥した。次に、この
乾燥ペレットを射出成形機(三菱重工業社製、125/75MS
型)を用い、シリンダー温度 260℃、金型温度70℃、射
出時間6秒、冷却時間6秒で射出成形を行い、厚み 3.2
mmの各種の試験片を作成し、物性試験を行った。また、
この乾燥ペレットを 260℃にて押出機(直径40mmの単軸
スクリュー、回転数 30rpm)を用いて溶融し、T−ダイ
からフィルム状に押出し、0℃の冷却ロールで固化し、
厚さ40μmの未延伸フィルムを作製し、酸素透過量を測
定した。
【0038】実施例2 ε−カプロラクタム8kg、ナイロン66塩(BASF社製、
「AH salt 」)2kg、上記膨潤性合成フッ素雲母 0.2kg
及び水1kgを内容量30リットルの反応缶に入れ、実施例
1と同様に重合を行い、膨潤性合成フッ素雲母がナイロ
ン6/66コポリマー中に分子レベルで分散されたポリアミ
ド樹脂組成物のペレットを得た。このペレットについ
て、実施例1と同様にして精錬・乾燥を行った後、試験
片及び未延伸フィルムを作製し、各種の試験を行った。
「AH salt 」)2kg、上記膨潤性合成フッ素雲母 0.2kg
及び水1kgを内容量30リットルの反応缶に入れ、実施例
1と同様に重合を行い、膨潤性合成フッ素雲母がナイロ
ン6/66コポリマー中に分子レベルで分散されたポリアミ
ド樹脂組成物のペレットを得た。このペレットについ
て、実施例1と同様にして精錬・乾燥を行った後、試験
片及び未延伸フィルムを作製し、各種の試験を行った。
【0039】実施例3 膨潤性合成フッ素雲母 0.2kgの代わりに、天然モンモリ
ロナイト 0.2kgを用いた他は、実施例2と同様に重合を
行い、モンモリロナイトがナイロン6/66コポリマー中に
分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物のペレッ
トを得た。このペレットについて、実施例1と同様にし
て精錬・乾燥を行った後、試験片及び未延伸フィルムを
作製し、各種の試験を行った。
ロナイト 0.2kgを用いた他は、実施例2と同様に重合を
行い、モンモリロナイトがナイロン6/66コポリマー中に
分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物のペレッ
トを得た。このペレットについて、実施例1と同様にし
て精錬・乾燥を行った後、試験片及び未延伸フィルムを
作製し、各種の試験を行った。
【0040】実施例4 メタキシレンジアミン〔MXDA〕480g、イソフタル酸〔IP
A 〕580g及び水1kgを混合し、90℃で1時間攪拌して混
合液が透明になったことを確認後、25℃まで冷却し、デ
カンテーションにより得た生成物を、25℃で24時間真空
乾燥してMXDA・IPA 塩 1.0kgを得た。このMXDA・IPA 塩
1kg、ε−カプロラクタム9kg、上記膨潤性合成フッ素
雲母0.2kg 及び水1kgを内容量30リットルの反応缶に入
れ、攪拌しながら、15kg/cm2の圧力まで昇圧した。そし
て徐々に水蒸気を放圧しつつ、圧力15kg/cm2、温度 260
℃に保って2時間重合した後、1時間かけて常圧まで放
圧した。その後、常圧下、260 ℃に30分間放置した後、
ストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断すること
により、膨潤性合成フッ素雲母がコポリ(カプロアミド
/m−キシリレンイソフタルアミド)中に分子レベルで
分散されたポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。こ
のペレットについて、実施例1と同様にして精錬・乾燥
を行った後、試験片及び未延伸フィルムを作製し、各種
の試験を行った。
A 〕580g及び水1kgを混合し、90℃で1時間攪拌して混
合液が透明になったことを確認後、25℃まで冷却し、デ
カンテーションにより得た生成物を、25℃で24時間真空
乾燥してMXDA・IPA 塩 1.0kgを得た。このMXDA・IPA 塩
1kg、ε−カプロラクタム9kg、上記膨潤性合成フッ素
雲母0.2kg 及び水1kgを内容量30リットルの反応缶に入
れ、攪拌しながら、15kg/cm2の圧力まで昇圧した。そし
て徐々に水蒸気を放圧しつつ、圧力15kg/cm2、温度 260
℃に保って2時間重合した後、1時間かけて常圧まで放
圧した。その後、常圧下、260 ℃に30分間放置した後、
ストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断すること
により、膨潤性合成フッ素雲母がコポリ(カプロアミド
/m−キシリレンイソフタルアミド)中に分子レベルで
分散されたポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。こ
のペレットについて、実施例1と同様にして精錬・乾燥
を行った後、試験片及び未延伸フィルムを作製し、各種
の試験を行った。
【0041】実施例5 IPA の代わりにテレフタル酸〔TPA 〕を用いた他は、実
施例4と同様に重合を行い、膨潤性合成フッ素雲母がコ
ポリ(カプロアミド/m−キシリレンテレフタルアミ
ド)中に分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物
のペレットを得た。このペレットについて、実施例1と
同様にして精錬・乾燥を行った後、試験片及び未延伸フ
ィルムを作製し、各種の試験を行った。
施例4と同様に重合を行い、膨潤性合成フッ素雲母がコ
ポリ(カプロアミド/m−キシリレンテレフタルアミ
ド)中に分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物
のペレットを得た。このペレットについて、実施例1と
同様にして精錬・乾燥を行った後、試験片及び未延伸フ
ィルムを作製し、各種の試験を行った。
【0042】実施例6 ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン〔PACM〕490
g、イソフタル酸〔IPA〕460g及び水 1.5kgを内容積10リ
ットルのオートクレーブに仕込み、120 ℃で1時間攪拌
し、PACM・IPA 塩の水溶液を得た。このPACM・IPA 塩の
水溶液の全量を、輸送管を通して、予めε−カプロラク
タム9kg、上記膨潤性合成フッ素雲母 0.2kgを仕込んで
おいた内容量30リットルのオートクレーブに投入し、15
0 ℃で1時間攪拌した。その後、260 ℃に加熱し、15kg
/cm2の圧力まで昇圧した後、徐々に水蒸気を放出しつ
つ、圧力15kg/cm2、温度 260℃に保持したまま2時間重
合し、1時間かけて常圧まで放圧し、さらに40分間重合
した。重合が終了した時点で、上記の反応生成物をスト
ランド状に払い出し、冷却、固化後、切断することによ
り、膨潤性合成フッ素雲母がコポリ〔カプロアミド/ビ
ス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタルアミ
ド〕中に分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物
のペレットを得た。このペレットについて、実施例1と
同様にして精錬・乾燥を行った後、試験片及び未延伸フ
ィルムを作製し、各種の試験を行った。
g、イソフタル酸〔IPA〕460g及び水 1.5kgを内容積10リ
ットルのオートクレーブに仕込み、120 ℃で1時間攪拌
し、PACM・IPA 塩の水溶液を得た。このPACM・IPA 塩の
水溶液の全量を、輸送管を通して、予めε−カプロラク
タム9kg、上記膨潤性合成フッ素雲母 0.2kgを仕込んで
おいた内容量30リットルのオートクレーブに投入し、15
0 ℃で1時間攪拌した。その後、260 ℃に加熱し、15kg
/cm2の圧力まで昇圧した後、徐々に水蒸気を放出しつ
つ、圧力15kg/cm2、温度 260℃に保持したまま2時間重
合し、1時間かけて常圧まで放圧し、さらに40分間重合
した。重合が終了した時点で、上記の反応生成物をスト
ランド状に払い出し、冷却、固化後、切断することによ
り、膨潤性合成フッ素雲母がコポリ〔カプロアミド/ビ
ス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタルアミ
ド〕中に分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物
のペレットを得た。このペレットについて、実施例1と
同様にして精錬・乾燥を行った後、試験片及び未延伸フ
ィルムを作製し、各種の試験を行った。
【0043】実施例7 ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン
〔DMPACM〕650g、TPA450g及び水 1.5kgを内容積10リッ
トルのオートクレーブに仕込み、120 ℃で1時間攪拌
し、DMPACM・TPA 塩の水溶液を得た。このDMPACM・TPA
塩の水溶液の全量を、輸送管を通して、予めε−カプロ
ラクタム9kg、上記膨潤性合成フッ素雲母 0.2kgを仕込
んでおいた内容量30リットルのオートクレーブに投入
し、以下、実施例6と同様に重合を行い、膨潤性合成フ
ッ素雲母がコポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル−
4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミド〕
中に分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物のペ
レットを得た。このペレットについて、実施例1と同様
にして精錬・乾燥を行った後、試験片及び未延伸フィル
ムを作製し、各種の試験を行った。
〔DMPACM〕650g、TPA450g及び水 1.5kgを内容積10リッ
トルのオートクレーブに仕込み、120 ℃で1時間攪拌
し、DMPACM・TPA 塩の水溶液を得た。このDMPACM・TPA
塩の水溶液の全量を、輸送管を通して、予めε−カプロ
ラクタム9kg、上記膨潤性合成フッ素雲母 0.2kgを仕込
んでおいた内容量30リットルのオートクレーブに投入
し、以下、実施例6と同様に重合を行い、膨潤性合成フ
ッ素雲母がコポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル−
4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミド〕
中に分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物のペ
レットを得た。このペレットについて、実施例1と同様
にして精錬・乾燥を行った後、試験片及び未延伸フィル
ムを作製し、各種の試験を行った。
【0044】比較例1 ε−カプロラクタム10kg、上記膨潤性合成フッ素雲母
0.2kg及び水1kgを内容量30リットルの反応缶に入れ、
実施例1と同様に重合を行い、膨潤性合成フッ素雲母が
ナイロン6ホモポリマー中に分子レベルで分散されたポ
リアミド樹脂組成物のペレットを得た。このペレットに
ついて、実施例1と同様にして精錬・乾燥を行った後、
試験片及び未延伸フィルムを作製し、各種の試験を行っ
た。
0.2kg及び水1kgを内容量30リットルの反応缶に入れ、
実施例1と同様に重合を行い、膨潤性合成フッ素雲母が
ナイロン6ホモポリマー中に分子レベルで分散されたポ
リアミド樹脂組成物のペレットを得た。このペレットに
ついて、実施例1と同様にして精錬・乾燥を行った後、
試験片及び未延伸フィルムを作製し、各種の試験を行っ
た。
【0045】比較例2 膨潤性合成フッ素雲母 0.2kgの代わりに、天然モンモリ
ロナイト 0.2kgを用いた他は、比較例1と同様に重合を
行い、モンモリロナイトがナイロン6ホモポリマー中に
分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物のペレッ
トを得た。このペレットについて、実施例1と同様にし
て精錬・乾燥を行った後、試験片及び未延伸フィルムを
作製し、各種の試験を行った。
ロナイト 0.2kgを用いた他は、比較例1と同様に重合を
行い、モンモリロナイトがナイロン6ホモポリマー中に
分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物のペレッ
トを得た。このペレットについて、実施例1と同様にし
て精錬・乾燥を行った後、試験片及び未延伸フィルムを
作製し、各種の試験を行った。
【0046】実施例1〜7及び比較例1〜2におけるポ
リアミド樹脂組成物についての原料仕込み割合、相対粘
度、試験片の物性、及び未延伸フィルムの酸素透過係数
を表1に示す。
リアミド樹脂組成物についての原料仕込み割合、相対粘
度、試験片の物性、及び未延伸フィルムの酸素透過係数
を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】実施例1〜7で得られたポリアミド樹脂組
成物は、いずれもガスバリヤー性に優れ、かつ伸度特性
に優れたものであった。これに対して、比較例1〜2で
得られたポリアミド樹脂組成物は、伸度特性に劣るもの
であった。
成物は、いずれもガスバリヤー性に優れ、かつ伸度特性
に優れたものであった。これに対して、比較例1〜2で
得られたポリアミド樹脂組成物は、伸度特性に劣るもの
であった。
【0049】なお、実施例1〜7及び比較例1〜2にお
いて、透過型電子顕微鏡写真観察を行ったところ、層状
珪酸塩の珪酸塩層の厚みは約1nmで、長さは20〜40nmの
範囲にあり、層状珪酸塩がポリアミド樹脂中に分子レベ
ルで分散されていることがわかった。
いて、透過型電子顕微鏡写真観察を行ったところ、層状
珪酸塩の珪酸塩層の厚みは約1nmで、長さは20〜40nmの
範囲にあり、層状珪酸塩がポリアミド樹脂中に分子レベ
ルで分散されていることがわかった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、層状珪酸塩が共重合ポ
リアミド樹脂中に分子レベルで分散され、ガスバリアー
性、機械的強度、耐熱性、伸度特性に優れ、フィルムや
容器などに好適に利用できるポリアミド樹脂組成物を得
ることができる。
リアミド樹脂中に分子レベルで分散され、ガスバリアー
性、機械的強度、耐熱性、伸度特性に優れ、フィルムや
容器などに好適に利用できるポリアミド樹脂組成物を得
ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 國領 佐知子 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 3E033 BA21 BB04 CA16 3E086 AD01 AD06 BA15 BA35 BB01 4F071 AA55 AB26 AB30 AF08 AH05 BB02 BB05 BB07 BC01 BC04 4J002 CL051 DJ006 DJ036 GG01
Claims (3)
- 【請求項1】 層状珪酸塩の珪酸塩層が共重合ポリアミ
ド樹脂中に分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成
物であって、23℃、100%RHでの酸素透過係数が2.2 ml・
mm/m2・24hrs ・atm 以下であることを特徴とするガス
バリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物。ただし、共
重合ポリアミド樹脂は、ナイロン6/12コポリマー、ナイ
ロン6/66コポリマー、コポリ(カプロアミド/m−キシ
リレンテレフタルアミド)、コポリ(カプロアミド/m
−キシリレンイソフタルアミド)、コポリ〔カプロアミ
ド/ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタ
ルアミド〕、コポリ〔カプロアミド/ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)メタンイソフタルアミド〕、コポリ
〔カプロアミド/ビス(3−メチル−4−アミノシクロ
ヘキシル)メタンテレフタルアミド〕、コポリ〔カプロ
アミド/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシ
ル)メタンイソフタルアミド〕からなる群より選ばれた
いずれかの樹脂である。 - 【請求項2】 層状珪酸塩が、膨潤性フッ素雲母系鉱物
又はモンモリロナイトであることを特徴とする請求項1
記載のガスバリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1、2のいずれか1項に記載のガ
スバリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物を用いたフ
ィルム及び容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27915599A JP2001098147A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | ガスバリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム及び容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27915599A JP2001098147A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | ガスバリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム及び容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001098147A true JP2001098147A (ja) | 2001-04-10 |
Family
ID=17607229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27915599A Pending JP2001098147A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | ガスバリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム及び容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001098147A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040017062A (ko) * | 2002-08-20 | 2004-02-26 | 주식회사 코오롱 | 연신 폴리아미드 필름 |
JP2005042068A (ja) * | 2003-07-25 | 2005-02-17 | Okamoto Ind Inc | カレンダー成形用共重合ポリアミド樹脂組成物 |
DE102007062770A1 (de) | 2006-12-28 | 2008-08-07 | Denso Corp., Kariya | Schweißteil für Kunststofftanks |
-
1999
- 1999-09-30 JP JP27915599A patent/JP2001098147A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040017062A (ko) * | 2002-08-20 | 2004-02-26 | 주식회사 코오롱 | 연신 폴리아미드 필름 |
JP2005042068A (ja) * | 2003-07-25 | 2005-02-17 | Okamoto Ind Inc | カレンダー成形用共重合ポリアミド樹脂組成物 |
JP4511137B2 (ja) * | 2003-07-25 | 2010-07-28 | オカモト株式会社 | カレンダー成型用共重合ポリアミド樹脂組成物 |
DE102007062770A1 (de) | 2006-12-28 | 2008-08-07 | Denso Corp., Kariya | Schweißteil für Kunststofftanks |
US8092883B2 (en) | 2006-12-28 | 2012-01-10 | Kyosan Denki Co., Ltd. | Resin tank weld member |
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