JPH06248176A - 強化ポリアミド樹脂組成物およびその製造法 - Google Patents
強化ポリアミド樹脂組成物およびその製造法Info
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- JPH06248176A JPH06248176A JP31437993A JP31437993A JPH06248176A JP H06248176 A JPH06248176 A JP H06248176A JP 31437993 A JP31437993 A JP 31437993A JP 31437993 A JP31437993 A JP 31437993A JP H06248176 A JPH06248176 A JP H06248176A
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Abstract
にすぐれた強化ポリアミド樹脂組成物、およびその製造
法を提供する。 【構成】(1)ポリアミド100重量部と、膨潤性のフ
ッ素雲母系鉱物0.01〜100重量部とからなる強化
ポリアミド樹脂組成物。 (2)ポリアミド100重量部を形成するモノマ−量に
対して、膨潤性フッ素雲母系鉱物を0.01〜100重
量部存在せしめた状態で、モノマ−を重合することを特
徴とする強化ポリアミド樹脂組成物の製造法。
Description
素雲母とからなる機械的強度,靭性,耐熱性および寸法
安定性にすぐれた強化ポリアミド樹脂組成物およびその
製造法に関する。
の繊維質や炭酸カルシウムなどの無機充填材で強化した
樹脂組成物は広く知られている。しかし、これらの強化
材はポリアミドとの親和性に乏しく、強化ポリアミドの
機械的強度や耐熱性は改良されるものの靭性が低下し、
また繊維質で強化した樹脂組成物では成形品のそりが大
きくなるという問題がある。しかも、これら無機充填材
で強化した樹脂組成物では、充填材を多量に配合しない
と機械的強度や耐熱性が向上しないという問題点があっ
た。
る試みとして、ポリアミドとモンモリロナイトに代表さ
れる粘土鉱物とからなる樹脂組成物が提案されている。
この方法はポリアミド鎖を粘土鉱物の層間に侵入させる
ことによって微細に均一分散した複合体を製造すること
を目的とするものであり、たとえば特開昭62−749
57号公報、特開平1−301750号公報、特開平2
−866628号公報および特開平3−7729号公報
にはポリアミドとモンモリロナイトからなる樹脂組成
物、ならびに、その製造法が開示されている。
トを用いる場合、上記の各公報に記載されているよう
に、ポリアミドあるいはポリアミドを形成するモノマ−
にモンモリロナイトを配合する前に、これをアミノ酸等
の膨潤化剤と接触させることによってモンモリロナイト
の層間距離を拡げるための処理が不可欠であった。した
がって、当業界においては、このような処理が不要で、
従来の強化ポリアミド樹脂の欠点を解消することができ
る無機充填剤が強く求められていた。
点を解決しようとするものであり、成形品のそりがなく
機械的強度、靭性、耐熱性および寸法安定性に優れた強
化ポリアミド樹脂組成物、ならびに、ポリアミドに配合
する無機充填剤を予め膨潤化剤と接触させる工程を必要
としない優れた製造法を提供することにある。
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリア
ミドと特定のフッ素雲母とからなる強化ポリアミド樹脂
組成物が優れた性能を有し、また、特定の製造法を用い
ることにより更に効果的に本発明の課題を解決すること
ができることを見いだし、本発明に到達した。
る。 1.ポリアミド100 重量部と、膨潤性フッ素雲母0.01〜
100 重量部とからなる強化ポリアミド樹脂組成物。 2.ポリアミド100 重量部を形成するモノマー量に対し
て膨潤性フッ素雲母を0.01〜100 重量部存在せしめた状
態でモノマーを重合することを特徴とする強化ポリアミ
ド樹脂組成物の製造法。
クタムあるいはジアミンとジカルボン酸とから形成され
るアミド結合を有する重合体を意味する。このようなポ
リアミドを形成するモノマーの例を挙げると、次のよう
なものがある。アミノ酸としては6−アミノカプロン
酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸、パラアミノメチル安息香酸などがある。
−ラウロラクタムなどがある。ジアミンとしてはテトラ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカ
メチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,
4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチ
ルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、
パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−
3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,8−ビス
(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピ
ペラジン、アミノエチルピペラジンなどがある。
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2
−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−
メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸、ジグリコール酸などがある。
ものとしては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ
テトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキ
サメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメ
チレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチ
レンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチ
レンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンア
ミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン
12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミ
ド(ナイロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタ
ルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフ
タル/イソフタルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリ
ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、
(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロン
ジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミ
ド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフ
タルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレン
ヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T
(H))およびこれらの共重合ポリアミド、混合ポリア
ミドなどがある。中でもとくに好ましくはナイロン6、
ナイロン46、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン
12およびこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミド
である。
溶融重合法で、あるいはさらに固相重合法を併用して製
造される。本発明で用いられるポリアミドの相対粘度と
しては特に制限はないが、溶媒としてフェノール/テト
ラクロルエタン=60/40(重量比)を用い、温度2
5℃、濃度1g/dlの条件で求めた相対粘度で1.5
から5.0の範囲であることが好ましい。相対粘度が
1.5未満である場合には樹脂組成物の機械的性能が低
下するので好ましくない。逆に、これが5.0を超える
場合には樹脂組成物の成形性が急速に低下するので好ま
しくない。
タルクとナトリウムおよび/またはリチウムの珪フッ化
物またはフッ化物の混合物を加熱処理して得られる。そ
の具体的方法としては特開平2−149415号公報に
開示された方法がある。すなわち、タルクを出発物質と
して用い、これにナトリウムイオンおよび/またはリチ
ウムイオンをインターカレーションして膨潤性フッ素雲
母を得る方法である。この方法ではタルクに珪フッ化物
および/またはフッ化物を混合し、磁性ルツボ内で約7
00〜1200℃で短時間加熱処理することによってフ
ッ素雲母が得られる。本発明で用いる膨潤性フッ素雲母
は特にこの方法で製造されたものが好ましい。
ッ化物あるいはフッ化物を構成する金属はアルカリ金属
のうち、ナトリウムあるいはリチウムとすることが必要
である。これらのアルカリ金属は単独で用いてもよいし
併用してもよい。アルカリ金属のうち、カリウムの場合
には膨潤性のフッ素雲母が得られないので好ましくない
が、ナトリウムあるいはリチウムと併用し、かつ限定さ
れた量であれば膨潤性を調節する目的で用いることも可
能である。また、タルクと混合する珪フッ化物および/
またはフッ化物の量は混合物全体の10〜35重量%の範囲
が好ましく、この範囲を外れる場合は膨潤性フッ素雲母
の生成率が低下する。
一般式として下式(1)で表される構造を有する。 α(MF)・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2 (1) (ただし,Mはナトリウムまたはリチウムを表し、α,
β,γ,aおよびbは各々係数を表し,0.1≦α≦
2,2≦β≦3.5,3≦γ≦4,0≦a≦1,0≦b
≦1,a+b=1である)
ミノ酸、ナイロン塩、水分子などの極性分子あるいは陽
イオンを層間に吸収することにより、層間距離が拡が
り、あるいは更に膨潤へき開して、超微細粒子となる特
性である。式(1)で表されるフッ素雲母はこのような
膨潤性を示す。本発明で用いる膨潤性フッ素雲母の好ま
しいサイズは1辺が10μm以下で、厚みは0.1μm
以下である。また本発明で用いる膨潤性フッ素雲母は、
X線粉末法で測定してC軸方向の層厚みが9〜20Åで
ある。
造する工程において、アルミナ(Al2O3)を少量配合
し、生成する膨潤性フッ素雲母の膨潤性を調整すること
も可能である。
00重量部あるいはそれを形成するモノマー量に対して
0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜20重量
部である。0.01重量部未満では本発明の目的とする
機械的強度、耐熱性、寸法安定性の改良効果が得られ
ず、100重量部を超える場合には靭性の低下が大きく
なるので好ましくない。
法としては、一般的な押出機を用いてポリアミドと膨潤
性フッ素雲母とを溶融混練する方法があるが、膨潤性フ
ッ素雲母の分散をよくする意味で2軸の押出機を使用す
ることが好ましい。この場合、本発明で用いる膨潤性フ
ッ素雲母はモンモリロナイトのように膨潤化処理を前も
って行う必要はなく、そのまま配合して溶融混練するこ
とができる。
する最も好ましい方法は、ポリアミドを形成するモノマ
ーに対して、膨潤性フッ素雲母を所定量存在させた状態
でモノマ−を重合することによって強化ポリアミド樹脂
組成物を得る方法である。この場合には膨潤性フッ素雲
母がポリアミド中に十分細かく分散し、本発明の効果が
もっとも顕著に現れる。この場合にも、本発明で用いる
膨潤性フッ素雲母は膨潤化処理を前もって行う必要はな
く、そのままモノマーに所定量配合して重合すればよ
い。
の特性を大きく損なわない限りにおいて顔料、熱安定
剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、他
の強化材などを添加することも可能である。熱安定剤や
酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール
類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅
化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの
混合体を使用することができる。特に銅化合物やアルカ
リ金属のハロゲン化物が最も効果的である。これら熱安
定剤、酸化防止剤、耐候剤などの添加剤は一般に溶融混
練時あるいは重合時に加えられる。強化材としては、た
とえばクレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワ
ラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、
ケイ酸カルシウム、アスベスト、アルミン酸ナトリウ
ム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、
珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイド
ロタルサイド、金属繊維、金属ウイスカー、セラミック
ウイスカー、チタン酸カリウム、チッカホウ素、グラフ
ァイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。
樹脂組成物に配合することも可能である。このような重
合体としてはポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共
重合体、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴ
ム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレンなどのエラ
ストマー、およびこれらの無水マレイン酸などによる酸
変性物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン
−フェニルマレイミド共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、
ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル
ケトン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリテト
ラフルオロエチレンなどがある。
で目的の成形品をつくることができる。たとえば射出成
形、押出し成形、吹き込み成形、焼結成形などの熱溶融
成形法や、有機溶媒溶液から流延法により薄膜とするこ
ともできる。本発明の樹脂組成物は機械的強度、耐熱性
および寸法安定性がポリアミド単独の場合に比べて顕著
に改良され、また吸水による機械的性質や寸法の変化が
少ない。本発明の樹脂組成物はそのすぐれた性能によ
り、電気電子機器分野におけるスイッチやコネクターな
どの機構部品やハウジング類、自動車分野におけるアン
ダーボンネット部品や外装部品、外板部品あるいはリフ
レクターなどの光学部品、あるいは機械分野におけるギ
アやベアリングリテーナーなどに使用される。
明する。なお、実施例および比較例の評価に用いた原料
および測定法は次のとおりである。 (1)原料 1.フッ素雲母 ボ−ルミルにより平均粒径が2μmとなるように粉砕し
たタルクに対し、平均粒径が同じく2μmの表1に示す
珪フッ化物、フッ化物あるいはアルミナを全量の20重量
%となるように混合し、これを磁性ルツボに入れ,電気
炉で1時間 800℃に保持しM−1からM−7のフッ素雲
母を合成した。生成したフッ素雲母をX線粉末法で測定
した結果、M−1からM−6は、原料タルクのC軸方向
の厚み9.2 Åに対応するピークは消失し、膨潤性フッ素
雲母の生成を示す12〜16Åに対応するピークが認められ
た。
填材 モンモリロナイト(日本タルク社製) カオリン(白石工業社製)
片を用いて行った. 3.熱変形温度(HDT) ASTM D648に基づいて行った。荷重は18.6
kg/cm2および4.5kg/cm2で行った。 4.吸湿処理 試験片を60℃,95%RHの条件で24時間処理し
た。 5.寸法変化 厚さ2mm、一辺50mmの正方形の試験片を用い、そ
の厚みと縦、横の寸法変化を測定し、その平均値を寸法
変化とした。 6.吸水率 上記と同じ試験片を用い、吸湿処理後の重量変化から求
めた。
−1、M−2およびM−3をそれぞれε−カプロラクタ
ムに対して表2に掲げた量を配合し、これを内容量30
リットルの反応缶に入れ、膨潤性フッ素雲母の存在下で
ε−カプロラクタムを重合し、強化ナイロン6樹脂組成
物を得た。重合反応は以下のごとく行った。すなわち攪
拌しながら250℃に加熱し、徐々に水蒸気を放出しつ
つ、4kg/cm2から15kg/cm2の圧力まで昇圧
した。そののち2kg/cm2の圧力まで放圧し、26
0℃で3時間重合した。重合の終了した時点で反応缶か
ら強化ナイロン6樹脂組成物を払い出し、これを切断し
てペレットとした。得られた強化ナイロン6樹脂組成物
のペレットを95℃の熱水で処理し、精練を行い、乾燥
して試験片の成形に供した。試験片の成形は射出成形機
を用い、シリンダー温度260℃、金型温度80℃で行
った。得られた試験片を用いて各種の性能評価を行っ
た。その結果を表2に掲げた。
1、M−2およびM−3をそれぞれナイロン66塩に対
して表3に掲げた量を配合し、これを内容量30リット
ルの反応缶に入れ、膨潤性フッ素雲母の存在下でナイロ
ン66塩の重合を行い、強化ナイロン66樹脂組成物を
得た。重合反応は以下のごとく行った。すなわち230
℃で攪拌しながら、内圧が18kg/cm2になるまで
加熱した。その圧力に到達後、徐々に水蒸気を放出しつ
つ、加熱しその圧力を保持した。280℃に達した時点
で、常圧まで放圧し、さらに2時間重合を行った。重合
が終了した時点で強化ナイロン66樹脂組成物を払い出
し、これを切断してペレットとした。ペレットは乾燥し
て試験片の成形に供した。試験片の成形は射出成形機を
用い、シリンダー温度290℃、金型温度80℃で行っ
た。得られた試験片を用いて各種の性能評価を行った。
その結果を表3に掲げた。
およびM−6を表4に掲げた量を用いたほかは実施例1
〜5と同様にしてナイロン6強化樹脂組成物を得た。実
施例1〜5と同様にして試験片を成形し、得られた試験
片を用いて各種の性能評価を行った。その結果を表4に
掲げた。
およびM−6を表5に掲げた量を用いたほかは実施例6
〜10と同様にしてナイロン66強化樹脂組成物を得
た。実施例6〜11と同様にして試験片を成形し、得ら
れた試験片を用いて各種の性能評価を行った。その結果
を表5に掲げた。
とM−1を12−アミノドデカン酸に対して表6に掲げ
た量を配合し、これを内容量30リットルの反応缶に入
れ、膨潤性フッ素雲母の存在下で12−アミノドデカン
酸の重合を行い、強化ナイロン12樹脂組成物を得た。
重合反応は以下のごとく行った。すなわち180℃で攪
拌しながら、内圧が3kg/cm2から20kg/cm2
になるまで加熱した。その圧力に到達後、温度を徐々に
240℃まで上げ、徐々に水蒸気を放出しつつ、最後に
は減圧とし、さらに2時間重合を行った。重合が終了し
た時点で強化ナイロン12樹脂組成物を払い出し、これ
を切断してペレットとした。ペレットは乾燥して試験片
の成形に供した。試験片の成形は射出成形機を用い、シ
リンダー温度270℃、金型温度80℃で行った。得ら
れた試験片を用いて各種の性能評価を行った。その結果
を表6に掲げた。
リロナイトおよびカオリンを表7に掲げた量を用いたほ
かは実施例1〜5と同様にしてナイロン6強化樹脂組成
物を得た。実施例1〜5と同様にして試験片を成形し、
得られた試験片を用いて各種の性能評価を行った。その
結果を表7に掲げた。
リロナイトおよびカオリンを表8に掲げた量を用いたほ
かは実施例6〜10と同様にしてナイロン66強化樹脂
組成物を得た。得られた試験片を用いて各種の性能評価
を行った。その結果を表8に掲げた。
て12−アミノドデカン酸の重合を行い、ナイロン12
を得た。以下実施例17と同様にして性能評価を行い、
結果を表6に掲げた。
および寸法安定性がポリアミド単独と比べて顕著に改良
されると共に、靭性の低下が少なく、優れた衝撃強度を
有する強化ポリアミド樹脂組成物が得られる。さらに、
本発明のフッ素雲母を用いれば、モンモリロナイトに代
表される従来の粘土鉱物を使用する場合に求められる膨
潤化処理を行うことなく、これをポリアミドに配合し溶
融混練する方法、あるいはポリアミドを形成するモノマ
ー成分に直接配合し、これを重合することにより、優れ
た性能の強化ポリアミド樹脂組成物が得られる。
製造法
素雲母系鉱物とからなる機械的強度,靭性,耐熱性およ
び寸法安定性にすぐれた強化ポリアミド樹脂組成物およ
びその製造法に関する。
の繊維質や炭酸カルシウムなどの無機充填材で強化した
樹脂組成物は広く知られている。しかし、これらの強化
材はポリアミドとの親和性に乏しく、強化ポリアミドの
機械的強度や耐熱性は改良されるものの靭性が低下し、
また繊維質で強化した樹脂組成物では成形品のそりが大
きくなるという問題がある。しかも、これら無機充填材
で強化した樹脂組成物では、充填材を多量に配合しない
と機械的強度や耐熱性が向上しないという問題点があっ
た。
る試みとして、ポリアミドとモンモリロナイトに代表さ
れる粘土鉱物とからなる樹脂組成物が提案されている。
この方法はポリアミド鎖を粘土鉱物の層間に侵入させる
ことによって微細に均一分散した複合体を製造すること
を目的とするものであり、たとえば特開昭62−749
57号公報、特開平1−301750号公報、特開平2
−866628号公報および特開平3−7729号公報
にはポリアミドとモンモリロナイトからなる樹脂組成
物、ならびに、その製造法が開示されている。
トを用いる場合、上記の各公報に記載されているよう
に、ポリアミドあるいはポリアミドを形成するモノマ−
にモンモリロナイトを配合する前に、これをアミノ酸等
の膨潤化剤と接触させることによってモンモリロナイト
の層間距離を拡げるための処理が不可欠であった。した
がって、当業界においては、このような処理が不要で、
従来の強化ポリアミド樹脂の欠点を解消することができ
る無機充填剤が強く求められていた。
点を解決しようとするものであり、成形品のそりがなく
機械的強度、靭性、耐熱性および寸法安定性に優れた強
化ポリアミド樹脂組成物、ならびに、ポリアミドに配合
する無機充填剤を予め膨潤化剤と接触させる工程を必要
としない優れた製造法を提供することにある。
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリア
ミドと特定のフッ素雲母系鉱物とからなる強化ポリアミ
ド樹脂組成物が優れた性能を有し、また、特定の製造法
を用いることにより更に効果的に本発明の課題を解決す
ることができることを見いだし、本発明に到達した。
る。 1.ポリアミド100 重量部と、膨潤性フッ素雲母系鉱物
0.01〜100 重量部とからなる強化ポリアミド樹脂組成
物。 2.ポリアミド100 重量部を形成するモノマー量に対し
て膨潤性フッ素雲母系鉱物を0.01〜100 重量部存在せし
めた状態でモノマーを重合することを特徴とする強化ポ
リアミド樹脂組成物の製造法。
クタムあるいはジアミンとジカルボン酸とから形成され
るアミド結合を有する重合体を意味する。このようなポ
リアミドを形成するモノマーの例を挙げると、次のよう
なものがある。アミノ酸としては6−アミノカプロン
酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸、パラアミノメチル安息香酸などがある。
−ラウロラクタムなどがある。ジアミンとしてはテトラ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカ
メチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,
4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチ
ルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、
パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−
3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,8−ビス
(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピ
ペラジン、アミノエチルピペラジンなどがある。
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2
−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−
メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸、ジグリコール酸などがある。
ものとしては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ
テトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキ
サメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメ
チレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチ
レンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチ
レンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンア
ミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン
12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミ
ド(ナイロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタ
ルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフ
タル/イソフタルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリ
ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、
(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロン
ジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミ
ド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフ
タルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレン
ヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T
(H))およびこれらの共重合ポリアミド、混合ポリア
ミドなどがある。中でもとくに好ましくはナイロン6、
ナイロン46、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン
12およびこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミド
である。
溶融重合法で、あるいはさらに固相重合法を併用して製
造される。本発明で用いられるポリアミドの相対粘度と
しては特に制限はないが、溶媒としてフェノール/テト
ラクロルエタン=60/40(重量比)を用い、温度2
5℃、濃度1g/dlの条件で求めた相対粘度で1.5
から5.0の範囲であることが好ましい。相対粘度が
1.5未満である場合には樹脂組成物の機械的性能が低
下するので好ましくない。逆に、これが5.0を超える
場合には樹脂組成物の成形性が急速に低下するので好ま
しくない。
物は、タルクとナトリウムおよび/またはリチウムの珪
フッ化物またはフッ化物の混合物を加熱処理して得られ
る。その具体的方法としては特開平2−149415号
公報に開示された方法がある。すなわち、タルクを出発
物質として用い、これにナトリウムイオンおよび/また
はリチウムイオンをインターカレーションして膨潤性フ
ッ素雲母系鉱物を得る方法である。この方法ではタルク
に珪フッ化物および/またはフッ化物を混合し、磁性ル
ツボ内で約700〜1200℃で短時間加熱処理するこ
とによってフッ素雲母系鉱物が得られる。本発明で用い
る膨潤性フッ素雲母系鉱物は特にこの方法で製造された
ものが好ましい。
は、珪フッ化物あるいはフッ化物を構成する金属はアル
カリ金属のうち、ナトリウムあるいはリチウムとするこ
とが必要である。これらのアルカリ金属は単独で用いて
もよいし併用してもよい。アルカリ金属のうち、カリウ
ムの場合には膨潤性のフッ素雲母系鉱物が得られないの
で好ましくないが、ナトリウムあるいはリチウムと併用
し、かつ限定された量であれば膨潤性を調節する目的で
用いることも可能である。また、タルクと混合する珪フ
ッ化物および/またはフッ化物の量は混合物全体の10〜
35重量%の範囲が好ましく、この範囲を外れる場合は膨
潤性フッ素雲母系鉱物の生成率が低下する。
鉱物は一般式として下式(1)で表される構造を有す
る。 α(MF)・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2 (1) (ただし,Mはナトリウムまたはリチウムを表し、α,
β,γ,aおよびbは各々係数を表し,0.1≦α≦
2,2≦β≦3.5,3≦γ≦4,0≦a≦1,0≦b
≦1,a+b=1である)
物がアミノ酸、ナイロン塩、水分子などの極性分子ある
いは陽イオンを層間に吸収することにより、層間距離が
拡がり、あるいは更に膨潤へき開して、超微細粒子とな
る特性である。式(1)で表されるフッ素雲母系鉱物は
このような膨潤性を示す。本発明で用いる膨潤性フッ素
雲母系鉱物の好ましいサイズは1辺が10μm以下で、
厚みは0.1μm以下である。また本発明で用いる膨潤
性フッ素雲母系鉱物は、X線粉末法で測定してC軸方向
の層厚みが9〜20Åである。
物を製造する工程において、アルミナ(Al2O3)を少
量配合し、生成する膨潤性フッ素雲母系鉱物の膨潤性を
調整することも可能である。
ミド100重量部あるいはそれを形成するモノマー量に
対して0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜2
0重量部である。0.01重量部未満では本発明の目的
とする機械的強度、耐熱性、寸法安定性の改良効果が得
られず、100重量部を超える場合には靭性の低下が大
きくなるので好ましくない。
法としては、一般的な押出機を用いてポリアミドと膨潤
性フッ素雲母系鉱物とを溶融混練する方法があるが、膨
潤性フッ素雲母系鉱物の分散をよくする意味で2軸の押
出機を使用することが好ましい。この場合、本発明で用
いる膨潤性フッ素雲母系鉱物はモンモリロナイトのよう
に膨潤化処理を前もって行う必要はなく、そのまま配合
して溶融混練することができる。
する最も好ましい方法は、ポリアミドを形成するモノマ
ーに対して、膨潤性フッ素雲母系鉱物を所定量存在させ
た状態でモノマ−を重合することによって強化ポリアミ
ド樹脂組成物を得る方法である。この場合には膨潤性フ
ッ素雲母系鉱物がポリアミド中に十分細かく分散し、本
発明の効果がもっとも顕著に現れる。この場合にも、本
発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱物は膨潤化処理を前
もって行う必要はなく、そのままモノマーに所定量配合
して重合すればよい。
の特性を大きく損なわない限りにおいて顔料、熱安定
剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、他
の強化材などを添加することも可能である。熱安定剤や
酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール
類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅
化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの
混合体を使用することができる。特に銅化合物やアルカ
リ金属のハロゲン化物が最も効果的である。これら熱安
定剤、酸化防止剤、耐候剤などの添加剤は一般に溶融混
練時あるいは重合時に加えられる。強化材としては、た
とえばクレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワ
ラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、
ケイ酸カルシウム、アスベスト、アルミン酸ナトリウ
ム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、
珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイド
ロタルサイド、金属繊維、金属ウイスカー、セラミック
ウイスカー、チタン酸カリウム、チッカホウ素、グラフ
ァイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。
樹脂組成物に配合することも可能である。このような重
合体としてはポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共
重合体、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴ
ム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレンなどのエラ
ストマー、およびこれらの無水マレイン酸などによる酸
変性物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン
−フェニルマレイミド共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、
ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル
ケトン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリテト
ラフルオロエチレンなどがある。
で目的の成形品をつくることができる。たとえば射出成
形、押出し成形、吹き込み成形、焼結成形などの熱溶融
成形法や、有機溶媒溶液から流延法により薄膜とするこ
ともできる。本発明の樹脂組成物は機械的強度、耐熱性
および寸法安定性がポリアミド単独の場合に比べて顕著
に改良され、また吸水による機械的性質や寸法の変化が
少ない。本発明の樹脂組成物はそのすぐれた性能によ
り、電気電子機器分野におけるスイッチやコネクターな
どの機構部品やハウジング類、自動車分野におけるアン
ダーボンネット部品や外装部品、外板部品あるいはリフ
レクターなどの光学部品、あるいは機械分野におけるギ
アやベアリングリテーナーなどに使用される。
明する。なお、実施例および比較例の評価に用いた原料
および測定法は次のとおりである。 (1)原料 1.フッ素雲母系鉱物 ボ−ルミルにより平均粒径が2μmとなるように粉砕し
たタルクに対し、平均粒径が同じく2μmの表1に示す
珪フッ化物、フッ化物あるいはアルミナを全量の20重量
%となるように混合し、これを磁性ルツボに入れ,電気
炉で1時間 800℃に保持しM−1からM−7のフッ素雲
母系鉱物を合成した。生成したフッ素雲母系鉱物をX線
粉末法で測定した結果、M−1からM−6は、原料タル
クのC軸方向の厚み9.2 Åに対応するピークは消失し、
膨潤性フッ素雲母系鉱物の生成を示す12〜16Åに対応す
るピークが認められた。
填材 モンモリロナイト(日本タルク社製) カオリン(白石工業社製)
片を用いて行った. 3.熱変形温度(HDT) ASTM D648に基づいて行った。荷重は18.6
kg/cm2 および4.5kg/cm2 で行った。 4.吸湿処理 試験片を60℃,95%RHの条件で24時間処理し
た。 5.寸法変化 厚さ2mm、一辺50mmの正方形の試験片を用い、そ
の厚みと縦、横の寸法変化を測定し、その平均値を寸法
変化とした。 6.吸水率 上記と同じ試験片を用い、吸湿処理後の重量変化から求
めた。
−1、M−2およびM−3をそれぞれε−カプロラクタ
ムに対して表2に掲げた量を配合し、これを内容量30
リットルの反応缶に入れ、膨潤性フッ素雲母系鉱物の存
在下でε−カプロラクタムを重合し、強化ナイロン6樹
脂組成物を得た。重合反応は以下のごとく行った。すな
わち攪拌しながら250℃に加熱し、徐々に水蒸気を放
出しつつ、4kg/cm2 から15kg/cm2 の圧力
まで昇圧した。そののち2kg/cm2 の圧力まで放圧
し、260℃で3時間重合した。重合の終了した時点で
反応缶から強化ナイロン6樹脂組成物を払い出し、これ
を切断してペレットとした。得られた強化ナイロン6樹
脂組成物のペレットを95℃の熱水で処理し、精練を行
い、乾燥して試験片の成形に供した。試験片の成形は射
出成形機を用い、シリンダー温度260℃、金型温度8
0℃で行った。得られた試験片を用いて各種の性能評価
を行った。その結果を表2に掲げた。
1、M−2およびM−3をそれぞれナイロン66塩に対
して表3に掲げた量を配合し、これを内容量30リット
ルの反応缶に入れ、膨潤性フッ素雲母系鉱物の存在下で
ナイロン66塩の重合を行い、強化ナイロン66樹脂組
成物を得た。重合反応は以下のごとく行った。すなわち
230℃で攪拌しながら、内圧が18kg/cm2 にな
るまで加熱した。その圧力に到達後、徐々に水蒸気を放
出しつつ、加熱しその圧力を保持した。280℃に達し
た時点で、常圧まで放圧し、さらに2時間重合を行っ
た。重合が終了した時点で強化ナイロン66樹脂組成物
を払い出し、これを切断してペレットとした。ペレット
は乾燥して試験片の成形に供した。試験片の成形は射出
成形機を用い、シリンダー温度290℃、金型温度80
℃で行った。得られた試験片を用いて各種の性能評価を
行った。その結果を表3に掲げた。
およびM−6を表4に掲げた量を用いたほかは実施例1
〜5と同様にしてナイロン6強化樹脂組成物を得た。実
施例1〜5と同様にして試験片を成形し、得られた試験
片を用いて各種の性能評価を行った。その結果を表4に
掲げた。
およびM−6を表5に掲げた量を用いたほかは実施例6
〜10と同様にしてナイロン66強化樹脂組成物を得
た。実施例6〜11と同様にして試験片を成形し、得ら
れた試験片を用いて各種の性能評価を行った。その結果
を表5に掲げた。
とM−1を12−アミノドデカン酸に対して表6に掲げ
た量を配合し、これを内容量30リットルの反応缶に入
れ、膨潤性フッ素雲母系鉱物の存在下で12−アミノド
デカン酸の重合を行い、強化ナイロン12樹脂組成物を
得た。重合反応は以下のごとく行った。すなわち180
℃で攪拌しながら、内圧が3kg/cm2 から20kg
/cm2になるまで加熱した。その圧力に到達後、温度
を徐々に240℃まで上げ、徐々に水蒸気を放出しつ
つ、最後には減圧とし、さらに2時間重合を行った。重
合が終了した時点で強化ナイロン12樹脂組成物を払い
出し、これを切断してペレットとした。ペレットは乾燥
して試験片の成形に供した。試験片の成形は射出成形機
を用い、シリンダー温度270℃、金型温度80℃で行
った。得られた試験片を用いて各種の性能評価を行っ
た。その結果を表6に掲げた。
リロナイトおよびカオリンを表7に掲げた量を用いたほ
かは実施例1〜5と同様にしてナイロン6強化樹脂組成
物を得た。実施例1〜5と同様にして試験片を成形し、
得られた試験片を用いて各種の性能評価を行った。その
結果を表7に掲げた。
リロナイトおよびカオリンを表8に掲げた量を用いたほ
かは実施例6〜10と同様にしてナイロン66強化樹脂
組成物を得た。得られた試験片を用いて各種の性能評価
を行った。その結果を表8に掲げた。
様にして12−アミノドデカン酸の重合を行い、ナイロ
ン12を得た。以下実施例17と同様にして性能評価を
行い、結果を表6に掲げた。
および寸法安定性がポリアミド単独と比べて顕著に改良
されると共に、靭性の低下が少なく、優れた衝撃強度を
有する強化ポリアミド樹脂組成物が得られる。さらに、
本発明のフッ素雲母系鉱物を用いれば、モンモリロナイ
トに代表される従来の粘土鉱物を使用する場合に求めら
れる膨潤化処理を行うことなく、これをポリアミドに配
合し溶融混練する方法、あるいはポリアミドを形成する
モノマー成分に直接配合し、これを重合することによ
り、優れた性能の強化ポリアミド樹脂組成物が得られ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 ポリアミド100 重量部と、膨潤性フッ素
雲母0.01〜100 重量部とからなる強化ポリアミド樹脂組
成物。 - 【請求項2】 膨潤性フッ素雲母が、タルクとナトリウ
ムおよび/またはリチウムの珪フッ化物またはフッ化物
の混合物を加熱して得られたものであることを特徴とす
る請求項1記載の強化ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項3】 膨潤性フッ素雲母が、タルク90〜65
重量%とナトリウムおよび/またはリチウムの珪フッ化
物またはフッ化物の混合物10〜35重量%との混合物
を加熱して得られたものであることを特徴とする請求項
2記載の強化ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリアミドが、ポリカプロアミド(ナイ
ロン6)である請求項1記載の強化ポリアミド樹脂組成
物。 - 【請求項5】 ポリアミドが、ポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン66)である請求項1記載の強化ポリ
アミド樹脂組成物。 - 【請求項6】 ポリアミドが、ポリテトラメチレンアジ
パミド(ナイロン46)である請求項1記載の強化ポリ
アミド樹脂組成物。 - 【請求項7】 ポリアミドが、ポリドデカンアミド(ナ
イロン12)である請求項1記載の強化ポリアミド樹脂
組成物。 - 【請求項8】 膨潤性フッ素雲母の配合量がポリアミド
100 重量部あるいはそれを形成するモノマー量に対して
0.1〜20重量部である請求項1記載の強化ポリアミ
ド樹脂組成物。 - 【請求項9】 ポリアミド100 重量部を形成するモノマ
ー量に対して膨潤性フッ素雲母を0.01〜100 重量部存在
せしめた状態でモノマーを重合することを特徴とする強
化ポリアミド樹脂組成物の製造法。
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-
1993
- 1993-11-18 JP JP31437993A patent/JP2941159B2/ja not_active Expired - Lifetime
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