JP2001002913A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

Info

Publication number
JP2001002913A
JP2001002913A JP11170936A JP17093699A JP2001002913A JP 2001002913 A JP2001002913 A JP 2001002913A JP 11170936 A JP11170936 A JP 11170936A JP 17093699 A JP17093699 A JP 17093699A JP 2001002913 A JP2001002913 A JP 2001002913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
polyamide resin
montmorillonite
nylon
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11170936A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Fujimoto
康治 藤本
Tsuneo Tamura
恒雄 田村
Takashi Ida
孝 井田
Masatake Yoshikawa
昌毅 吉川
Sachiko Kokuryo
佐知子 國領
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP11170936A priority Critical patent/JP2001002913A/ja
Publication of JP2001002913A publication Critical patent/JP2001002913A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高伸度でかつ透明性に優れ、フィルム、繊維
等に好適に利用できるポリアミド樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 共重合ポリアミド樹脂中にモンモリロナ
イトの珪酸塩層が分子レベルで分散されたポリアミド樹
脂組成物であって、該珪酸塩層の平均厚み及び平均アス
ペクト比(長さ/厚み)が、それぞれ共重合ポリアミド
樹脂マトリックス中において特有の値を有することを特
徴とするポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高伸度でかつ透明
性に優れ、フィルム、シート、繊維、成形品等に好適に
利用できるポリアミド樹脂組成物に関する。さらに詳し
くは、共重合ポリアミド樹脂中にモンモリロナイトの珪
酸塩層が分子レベルで、かつ特定のサイズで分散された
ポリアミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂を、ガラス繊維や炭素繊
維等の繊維質や炭酸カルシウム等の無機充填材で強化し
た樹脂組成物は広く知られている。しかし、これらの強
化材はポリアミド樹脂との親和性に乏しく、得られたポ
リアミド樹脂組成物の機械的強度や耐熱性は改良される
ものの、靱性が低下し、また繊維質で強化した樹脂組成
物では成形品のそりが大きくなるという問題があった。
しかも、これら無機充填材で強化した樹脂組成物では、
充填材を多量に配合しないと機械的強度や耐熱性が向上
しないという問題もあった。
【0003】このようなポリアミド樹脂組成物の欠点を
改良する試みとして、ポリアミド鎖を層状珪酸塩の層間
に侵入させることによって、珪酸塩層が分子レベルでポ
リアミド樹脂マトリックス中に均一に分散された複合体
が提案されている。その代表的な例としては、ポリアミ
ド樹脂とモンモリロナイトとからなる樹脂組成物(特開
昭62-74957号公報、特開昭63-230766 号公報、特開平2-
102261号公報、特開平3-7729号公報)や、ポリアミド樹
脂と膨潤性フッ素雲母系鉱物とからなる樹脂組成物(特
開平6-248176号公報)等がある。
【0004】上記の樹脂組成物は、いずれも機械的強
度、耐熱性、成形時のそり等は改良されるが、主として
高結晶性のナイロン6樹脂がマトリックスとして用いら
れているため、フィルムや繊維等に成形する際に必要と
される伸度や透明性という点で十分ではないという問題
があった。
【0005】上記の問題点を解消する試みとして、特開
平5-339498号公報には、共重合ポリアミド樹脂中に層状
珪酸塩0.05〜1.5 重量%を均一分散させてなる透明性や
表面光沢性に優れたフィルム用ポリアミド樹脂組成物が
提案されている。しかし、この樹脂組成物は、共重合ポ
リアミド樹脂と層状珪酸塩とを混合もしくは混練するこ
とにより得られるものであり、分子レベルでの分散が達
成されているとは言えず、透明性も十分ではなかった。
【0006】一方、特開平9-194606号公報には、ポリア
ミド樹脂中に膨潤性フッ素雲母系鉱物0.01〜10重量%を
均一分散させてなる突き刺しピンホール強度やレトルト
処理後の機械的性質、寸法安定性に優れたポリアミドフ
ィルムが提案されている。しかし、伸度や透明性という
点で必ずしも満足できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点を解消し、高伸度でかつ透明性に優
れ、フィルム、繊維等に好適に利用できるポリアミド樹
脂組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、そこで鋭
意研究を重ねた結果、共重合ポリアミド樹脂中にモンモ
リロナイトの珪酸塩層が分子レベルで、かつ特定の平均
厚み及び平均アスペクト比を有して分散されていると、
上記課題を解決できることを見い出し、本発明に到達し
た。
【0009】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) ナイロン6/12コポリマー中にモンモリロナイトの珪
酸塩層が分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物
であって、該珪酸塩層の平均の厚みが30Å以下で、かつ
平均アスペクト比(長さ/厚み)が30以上であることを
特徴とするポリアミド樹脂組成物。 (2) ナイロン6/66コポリマー中にモンモリロナイトの珪
酸塩層が分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物
であって、該珪酸塩層の平均厚みが60Å以下で、かつ平
均アスペクト比(長さ/厚み)が20以上であることを特
徴とするポリアミド樹脂組成物。 (3) コポリ(カプロアミド/m−キシリレンジアミンテ
レフタルアミド)又はコポリ(カプロアミド/m−キシ
リレンジアミンイソフタルアミド)中に、モンモリロナ
イトの珪酸塩層が分子レベルで分散されたポリアミド樹
脂組成物であって、該珪酸塩層の平均厚みが30Å以下
で、かつ平均アスペクト比(長さ/厚み)が30以上であ
ることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。 (4) コポリ〔カプロアミド/ビス(4−アミノシクロヘ
キシル)メタンテレフタルアミド〕又はコポリ〔カプロ
アミド/ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソ
フタルアミド〕中に、モンモリロナイトの珪酸塩層が分
子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物であって、
該珪酸塩層の平均厚みが40Å以下で、かつ平均アスペク
ト比(長さ/厚み)が25以上であることを特徴とするポ
リアミド樹脂組成物。 (5) コポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル−4−ア
ミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミド〕又はコ
ポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル−4−アミノシ
クロヘキシル)メタンイソフタルアミド〕中に、モンモ
リロナイトの珪酸塩層が分子レベルで分散されたポリア
ミド樹脂組成物であって、該珪酸塩層の平均厚みが40Å
以下で、かつ平均アスペクト比(長さ/厚み)が25以上
であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明のポリアミド樹脂組成物は、共重合
ポリアミド樹脂中にモンモリロナイトの珪酸塩層が分子
レベルで分散されたものである。ここで珪酸塩層とは、
モンモリロナイトを構成する基本単位であり、モンモリ
ロナイトが劈開されることにより得られるものである。
分子レベルで分散されるとは、モンモリロナイトが共重
合ポリアミド樹脂中に分散する際に、それぞれが平均20
Å以上の層間距離を保っている場合をいう。また、層間
距離とは、前記珪酸塩層の重心間の距離を指し、分散さ
れるとは、前記珪酸塩層の一枚一枚、もしくは平均的な
重なりが5層以下の多層物が平行にあるいはランダム
に、もしくは平行とランダムが混在した状態で、その50
%以上が塊を形成することなく存在している状態をい
う。具体的には、ポリアミド樹脂組成物を用いた曲げ試
験片について、透過型電子顕微鏡写真観察を行うことに
より確認することができる。
【0012】さらに本発明においては、ポリアミド樹脂
組成物中におけるモンモリロナイトの珪酸塩層のサイズ
を、平均厚みT〔Å〕と平均アスペクト比(長さ/厚
み)Aで規定したとき、それらの値が以下の範囲内にあ
ることが必要である。すなわち、マトリックスとなる共
重合ポリアミド樹脂がナイロン6/12コポリマーである場
合にはT≦30ÅかつA≧30、ナイロン6/66である場合に
はT≦60ÅかつA≧20、コポリ(カプロアミド/m−キ
シリレンテレフタルアミド)又はコポリ(カプロアミド
/m−キシリレンイソフタルアミド)である場合にはT
≦30ÅかつA≧30、コポリ〔カプロアミド/ビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミド〕又は
コポリ〔カプロアミド/ビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)メタンイソフタルアミド〕である場合にはT≦40Å
かつA≧25、コポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル
−4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミ
ド〕又はコポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタルアミド〕で
ある場合にはT≦40ÅかつA≧25である。これらの珪酸
塩層の厚みが上記した値より大きい場合あるいは平均ア
スペクト比が上記した値より小さい場合には、珪酸塩層
の分子レベルでの分散が達成されていないため、不透明
で低伸度の成形品しか得られず好ましくない。ここで、
珪酸塩層の平均厚み及び平均アスペクト比は、後述する
透過型電子顕微鏡写真観察により求められるものであ
る。
【0013】本発明においては、ポリアミド樹脂組成物
を構成するマトリックス樹脂が特定の共重合ポリアミド
であることが必要であり、具体的には後述するような共
重合ポリアミド樹脂が挙げられる。この共重合ポリアミ
ド樹脂中にモンモリロナイトの珪酸塩層が分子レベル
で、かつ上記したサイズで分散されると、伸度特性や透
明性に優れたポリアミド樹脂組成物が得られ、フィルム
や繊維等に好適に利用できる。
【0014】本発明におけるナイロン6/12コポリマーと
は、カプロアミド単位とドデカミド単位とを繰り返し単
位とするものであり、通常は、ε−カプロラクタム及び
/又は6−アミノカプロン酸からなるナイロン6モノマ
ーと、ω−ラウロラクタム及び/又は12−アミノドデカ
ン酸からなるナイロン12モノマーとを共重合させること
により得られるものである。
【0015】本発明におけるナイロン6/66コポリマーと
は、カプロアミド単位とヘキサメチレンアジパミド単位
とを繰り返し単位とするもので、通常は、ε−カプロラ
クタム及び/又は6−アミノカプロン酸からなるナイロ
ン6モノマーと、ヘキサメチレンジアミン及びアジピン
酸から得られる塩(ナイロン66塩)とを共重合させるこ
とにより得られるものである。
【0016】本発明におけるコポリ(カプロアミド/m
−キシリレンテレフタルアミド)又はコポリ(カプロア
ミド/m−キシリレンイソフタルアミド)(以下、両者
をまとめて「ナイロン 6/MXD」コポリマーという。)と
は、カプロアミド単位とm−キシリレンテレフタルアミ
ド単位、又はカプロアミド単位とm−キシリレンイソフ
タルアミド単位とを繰り返し単位とするもので、通常
は、ε−カプロラクタム及び/又は6−アミノカプロン
酸からなるナイロン6モノマーと、m−キシリレンジア
ミン・テレフタル酸塩又はm−キシリレンジアミン・イ
ソフタル酸塩とを共重合させることにより得られるもの
である。
【0017】本発明におけるコポリ〔カプロアミド/ビ
ス(4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミ
ド〕又はコポリ〔カプロアミド/ビス(4−アミノシク
ロヘキシル)メタンイソフタルアミド〕(以下、両者を
まとめて「ナイロン6/PACM」コポリマーという。)と
は、カプロアミド単位とビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)メタンテレフタルアミド単位、又はカプロアミド単
位とビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタ
ルアミド単位とを繰り返し単位とするもので、通常は、
ε−カプロラクタム及び/又は6−アミノカプロン酸か
らなるナイロン6モノマーと、ビス(4−アミノシクロ
ヘキシル)メタン・テレフタル酸塩又はビス(4−アミ
ノシクロヘキシル)メタン・イソフタル酸塩とを共重合
させることにより得られるものである。
【0018】本発明におけるコポリ〔カプロアミド/ビ
ス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンテ
レフタルアミド〕又はコポリ〔カプロアミド/ビス(3
−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタ
ルアミド〕(以下、両者をまとめて「ナイロン6/DMPAC
M」コポリマーという。)とは、カプロアミド単位とビ
ス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンテ
レフタルアミド単位、又はカプロアミド単位とビス(3
−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタ
ルアミド単位とを繰り返し単位とするもので、通常は、
ε−カプロラクタム及び/又は6−アミノカプロン酸か
らなるナイロン6モノマーと、ビス(3−メチル−4−
アミノシクロヘキシル)メタン・テレフタル酸塩又はビ
ス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン・
イソフタル酸塩とを共重合させることにより得られるも
のである。
【0019】これら共重合ポリアミド樹脂のモノマー成
分は、共重合比(モル%比)で96/4〜50/50 (カプロア
ミド単位/コモノマー単位)のものが好ましく、85/15
〜50/50 のものがより好ましく、70/30 〜50/50 のもの
が特に好ましい。カプロアミド単位が96モル%より大き
くなると、共重合による効果が小さくなり、伸度特性の
不十分なポリアミド樹脂組成物となる。一方、カプロア
ミド単位が50モル%より小さくなると、重合後得られる
ポリアミド樹脂組成物のストランドが粘着質なものにな
り、取り扱いしづらくなると同時に、コストアップ等の
問題も生じる。
【0020】上記の共重合ポリアミド樹脂の相対粘度
は、溶媒として96重量%濃硫酸を用い、温度25℃、濃度
1g/dlの条件で求めた値で、1.5 〜5.0 の範囲にあるこ
とが好ましく、2.0 〜4.0 の範囲にあることがより好ま
しい。この相対粘度が 1.5未満のものは、フィルム等の
成形品に加工した際の機械的強度が著しく低下する。一
方、この相対粘度が 5.0を超えるものは、加工性が著し
く低下する。
【0021】本発明におけるモンモリロナイトは、珪酸
塩を主成分とする負に帯電した層とその層間に介在する
イオン交換能を有する陽電荷(イオン)とからなる構造
を有するものであり、後述する方法で求めた陽イオン交
換容量が、50〜200 ミリ当量/100g の範囲にあることが
望ましい。この陽イオン交換容量が50ミリ当量/100g未
満のものでは、重合時にモンモリロナイトの劈開が十分
に進行しない場合がある。一方、この陽イオン交換容量
が 200ミリ当量/100g を超えるものでは、層間の結合力
が強固なため、モンモリロナイトの劈開が困難な場合が
ある。
【0022】上記のモンモリロナイトは、次式で示され
るもので、天然に産出するものを精製することにより得
ることができる。 Ma Si4 (Al2-a Mga )O10(OH)2 ・nH2
O (式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.25〜
0.60である。また、層間のイオン交換性カチオンと結合
している水分子の数は、カチオン種や湿度等の条件に応
じて変わりうるので、これ以降、式中ではnH2 Oで表
す。) またモンモリロナイトには次式群で表される、マグネシ
アンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネ
シアンモンモリロナイトの同型イオン置換体も存在し、
これらを用いてもよい。 Ma Si4 (Al1.67-aMg0.5+a )O10(OH)2
nH2 O Ma Si4 (Fe2-a 3+Mga )O10(OH)2 ・nH
2 O Ma Si4 (Fe1.67-a 3+Mg0.5+a )O10(OH)2
・nH2 O (式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.25〜
0.60である。)
【0023】通常モンモリロナイトは、その層間にナト
リウムやカルシウム等のイオン交換性カチオンを有する
が、その含有比率は産地によって異なる。本発明におい
ては、イオン交換処理等によって層間のイオン交換性カ
チオンがナトリウムに置換されていることが必要であ
る。また水ひ処理により精製したモンモリロナイトを用
いることが好ましい。
【0024】次に、本発明のポリアミド樹脂組成物を製
造する方法について説明する。すなわち、本発明のポリ
アミド樹脂組成物はモンモリロナイトの存在下に、ε−
カプロラクタム及び/又は6−アミノカプロン酸と、前
記したコポリマー成分とを共重合することによって得る
ことができる。
【0025】この際モンモリロナイトの配合量は、共重
合ポリアミド樹脂を形成するモノマー 100重量部に対し
て 0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.5 〜5重量
部とすることがより好ましく、2〜5重量部とすること
が特に好ましい。この配合量が 0.1重量部未満では、モ
ンモリロナイトによる共重合ポリアミド樹脂マトリック
スの補強効果が小さく、成形品としたときの機械的強度
や耐熱性が低下する。一方、この配合量が10重量部を超
えると、成形品としたときの透明性や伸度が低下する。
【0026】なお共重合は、240 〜300 ℃、圧力2〜30
kg/cm2で、1〜15時間の範囲で適宜行えばよい。
【0027】また共重合に先立って、上記モノマーを含
む混合液(分散媒として水を用いる)をホモジナイザ等
の高回転・高剪断が得られる攪拌装置を用いて攪拌する
か、オートクレーブ中で高温で攪拌するか、あるいはこ
れら両者を組み合わせた処理をすると、モンモリロナイ
トの分散性が向上する点で好ましい。
【0028】さらに共重合時には酸を添加してもよい。
酸を添加することにより、モンモリロナイトの珪酸塩層
の前記共重合ポリアミド樹脂マトリックス中への分散が
促進され、より高伸度でかつ透明性の高い成形品とする
ことができるポリアミド樹脂組成物が得られる。
【0029】上記の酸としては、pKa(25℃、水中での
値)が0〜6又は負の酸であるなら、有機酸でも無機酸
でもよく、具体的には、安息香酸、セバシン酸、ギ酸、
酢酸、クロル酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢
酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨ
ウ化水素酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、フルオロスルホン
酸−ペンタフルオロアンチモン(1:1)〔アルドリッ
チ社製「マジックアシッド」(登録商標)〕、フルオロ
アンチモン酸等が挙げられる。
【0030】また、酸の添加量はモンモリロナイトの全
陽イオン交換容量に対して、3倍モル以下となるように
することが好ましく、0.5 〜2倍モル量とすることがよ
り好ましい。この添加量が3倍モルを超えると、共重合
ポリアミド樹脂の重合度が上がりにくくなる。
【0031】本発明のポリアミド樹脂組成物には、その
特性を大きく損なわない限りにおいて、熱安定剤、酸化
防止剤、強化剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型
剤等が添加されていてもよく、これらは、重合時あるい
は得られたポリアミド樹脂組成物を溶融混練もしくは溶
融成形する際に加えられる。
【0032】熱安定剤や酸化防止剤としては、例えばヒ
ンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン
類、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン
化物あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0033】強化剤としては、例えばクレー、タルク、
炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、
アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミ
ン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネ
シウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、ゼオライ
ト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウィスカー、
セラミックウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、
窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維等が
挙げられる。
【0034】さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物に
は、他の熱可塑性重合体が混合されていてもよく、これ
らはポリアミド樹脂組成物を溶融混練もしくは溶融成形
する際に加えられる。熱可塑性重合体としては、例えば
ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレン
アジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン610)、ポリウンデカメチレンアジパミド
(ナイロン 116)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、
ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサ
メチレンテレフタルアミド(ナイロンTMDT)、ポリヘキ
サメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキ
サメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ナイロン6T
/6I)、ポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンド
デカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3-メチル-4-
アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジ
メチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイ
ロンMXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイ
ロン9T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナ
イロン 11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレ
フタルアミド〔ナイロン11T(H)〕又はこれらの共重合ポ
リアミド、混合ポリアミド等が挙げられる。その他にも
ポリブタジエン、ブタジエン/スチレン共重合体、アク
リルゴム、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/
プロピレン/ジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチル
ゴム、塩素化ポリエチレン等のエラストマー又はこれら
の無水マレイン酸等による酸変性物、スチレン/無水マ
レイン酸共重合体、スチレン/フェニルマレイミド共重
合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン/ア
クリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレン
エーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケ
トン、ポリカーボネート、ポロテトラフルオロエチレ
ン、ポリアリレート等が挙げられる。
【0035】本発明のポリアミド樹脂組成物は、チュー
ブラー法やT−ダイ法あるいは溶液キャスティング法等
によりフィルムあるいはシートにすることができ、高伸
度かつ透明性に優れる点から包装用フィルム等に好適で
ある。
【0036】さらに本発明のポリアミド樹脂組成物を、
常法によって溶融紡糸して得られたモノフィラメント
は、高伸度かつ透明性に優れ、人工芝等に好適に利用で
きる。
【0037】また本発明のポリアミド樹脂組成物は、射
出成形、押出し成形、ブロー成形、焼結成形等の熱溶融
成形法により各種の成形品にすることもでき、その優れ
た伸度特性を利用して、自動車分野におけるタンク、チ
ューブあるいはホース等、さらには電気・電子機器分野
における電線被覆等に好適に利用できる。
【0038】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例並びに比較例で用いた原料及び
性能試験の測定法は、次の通りである。 1.原料 (1) モンモリロナイト クニミネ工業社よりモンモリロナイト“クニピア−F”
を入手し、水ひ処理により精製したものを使用した。こ
の水ひ処理したモンモリロナイトの陽イオン交換容量は
120ミリモル/100gであり、平均粒子径は 1.0μmであ
った。
【0039】2.測定法 (a) モンモリロナイトの平均粒子径 レーザー回折散乱法による粒度分布測定(島津製作所社
製、SALD-2000 型)を用い、水を分散媒とし、フローセ
ル中で測定することにより求めた。 (b) モンモリロナイトの陽イオン交換容量(ミリ当量/
100g) 日本ベントナイト工業会標準試験方法によるベントナイ
ト(粉状)の陽イオン交換容量測定方法(JBAS-106-77
)に基づいて求めた。すなわち、浸出液容器、浸出管
及び受器を縦方向に連結した装置を用いて、まず初め
に、水ひ処理したモンモリロナイトを pH 7 に調整した
1N酢酸アンモニウム水溶液により処理して、その層間
カチオンの全てを NH4 + に交換する。その後、水とエチ
ルアルコールを用いて十分に洗浄してから、前記 NH4 +
型のモンモリロナイトを10重量%の塩化カリウム水溶液
中に浸し、試料中の NH4 + を K+ に交換する。引き続い
て、前記イオン交換反応に伴って浸出した NH4 + を 0.1
N水酸化ナトリウム水溶液で滴定することによって、モ
ンモリロナイトの陽イオン交換容量を求めた。また、使
用したモンモリロナイトは、ナトリウム層間イオン型で
あるので、その陽イオン交換容量は、1ミリ当量/100g
=1ミリモル/100gに相当する。 (c) ポリアミド樹脂組成物におけるポリアミド樹脂の共
重合組成 精練後のポリアミド樹脂組成物のペレット 200mgを重水
素化トリフルオロ酢酸3mlに溶解させ、25℃で13C−N
MR測定(日本電子社製、Lambda 300WB型)を行い、カ
ルボニル炭素の強度比から求めた。 (d) ポリアミド樹脂組成物中の珪酸塩層のサイズ(層の
厚み、アスペクト比) ASTM D-790曲げ試験片の長手方向に平行面から一部を取
り出し、ウルトラミクロトームを用いて超薄切片を作製
し、透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEM-200CX 型、
加速電圧 100kV)により、倍率 100,000倍にて樹脂組成
物中の珪酸塩層の分散状態を調べた。観察された電子顕
微鏡写真から、画像解析装置(日本アビオニクス社製、
スピカ2)により、樹脂中に分散している珪酸塩層の厚
みと長さを、n=100 で測定し、平均厚み及び平均アス
ペクト比を求めた。 (e) ポリアミド樹脂組成物の相対粘度 96重量%濃硫酸中に、ポリアミド樹脂組成物の乾燥ペレ
ットの濃度が1g/dlになるように溶解し、温度25℃で測
定した。 (f) ポリアミド樹脂組成物の透明性 厚さ2mmのプレートを成形し、色差計(日本電色工業社
製、Z-Σ90型)を用いて、平行光線透過率及びヘイズ値
を測定することにより透明性を評価した。なお、平行光
線透過率に関してはその数値が大きいほど透明性が良好
であり、ヘイズ値に関してはその数値が小さいほど透明
性が良好である。 (g) 試験片の引張強度及び引張伸度 ASTM D-638に基づいて測定した。
【0040】実施例1 ε−カプロラクタム 1.0kg、12−アミノドデカン酸 1.0
kg及びモンモリロナイト200g(全陽イオン交換容量は0.
24モルに相当する)を水1kgに混合し、ホモミキサーを
用いて1時間攪拌した。引き続いて、予めε−カプロラ
クタム 8.0kgを仕込んでおいた内容積30リットルのオー
トクレーブに、前記混合液及び85重量%リン酸水溶液 2
7.4g(0.24モル)を投入し、内容物が 180℃に到達した
時点で攪拌機の回転を始め、この温度を維持しながら1
時間攪拌を続けた。その後、260℃に加熱し、5kg/cm2
の圧力まで昇圧した後、徐々に水蒸気を放出しつつ、圧
力5kg/cm2、温度 260℃に保持したまま2時間重合し、
1時間かけて常圧まで放圧し、さらに40分間重合した。
重合が終了した時点で、上記の反応生成物をストランド
状に払い出し、冷却、固化後、切断してナイロン6/12樹
脂組成物からなるペレットを得た。次いで、このペレッ
トを95℃の熱水で8時間精練を行った後、乾燥した。次
に、この乾燥ペレットを射出成形機(東芝機械社製、IS
80G-3A)を用い、シリンダ温度 260℃、金型温度50℃、
射出時間6秒、冷却時間6秒で射出成形を行い、厚さ2
mmのプレートを成形し透明性を測定した。また、金型温
度を70℃にした以外は上記と同様の条件で厚さ 3.2mmの
試験片を作製し、引張強度及び引張伸度を測定した。
【0041】実施例2 ε−カプロラクタム 1.0kg、12−アミノドデカン酸 3.0
kg及びモンモリロナイト200g(全陽イオン交換容量は0.
24モルに相当する)を水 1.5kgに混合し、ホモミキサー
を用いて1時間攪拌した。引き続いて、予めε−カプロ
ラクタム 6.0kgを仕込んでおいた内容積30リットルのオ
ートクレーブに、前記混合液及び85重量%リン酸水溶液
27.4g(0.24モル)を投入し、以下、実施例1と同様に
してナイロン6/12樹脂組成物からなるペレットを得た。
次いで、精練後、乾燥したペレットを用い、射出成形機
(東芝機械社製、IS80G-3A)を用い、シリンダ温度 260
℃、金型温度50℃、射出時間6秒、冷却時間6秒で射出
成形を行い、厚さ2mmのプレート及び厚さ 3.2mmの試験
片を作製し、それぞれ物性試験を行った。
【0042】実施例3 ε−カプロラクタム 1.0kgとナイロン66塩(BASF社製、
「AH salt 」)1.0 kgとを内容積30リットルのオートク
レーブに仕込み、100 ℃で1時間攪拌した。引き続い
て、このオートクレーブ中にε−カプロラクタム 8.0k
g、モンモリロナイト200g(全陽イオン交換容量は0.24
モルに相当する)、85重量%リン酸水溶液27.4g (0.24
モル)及び水1kgを投入し、180 ℃に昇温後、この温度
を維持しながら1時間攪拌を続けた。その後、260 ℃に
加熱し、5kg/cm2の圧力まで昇圧した後、徐々に水蒸気
を放出しつつ、圧力5kg/cm2、温度 260℃に保持したま
ま2時間重合し、1時間かけて常圧まで放圧し、さらに
40分間重合した。重合が終了した時点で、上記の反応生
成物をストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断し
てナイロン6/66樹脂組成物のペレットを得た。次いで、
このペレットを95℃の熱水で8時間精練を行った後、乾
燥した。次に、この乾燥ペレットを射出成形機(東芝機
械社製、IS80G-3A)を用い、シリンダ温度 240℃、金型
温度50℃、射出時間10秒、冷却時間20秒で射出成形を行
い、厚さ2mmのプレートを成形し透明性を評価した。ま
た、金型温度を70℃にした以外は上記と同様の条件で厚
さ 3.2mmの試験片を作製し、引張強度及び引張伸度を測
定した。
【0043】実施例4 ε−カプロラクタム 1.0kgとナイロン66塩(BASF社製、
「AH salt 」)3.0kgとを内容積30リットルのオートク
レーブに仕込み、100 ℃で1時間攪拌した。引き続い
て、このオートクレーブ中にε−カプロラクタム 6.0k
g、モンモリロナイト200g(全陽イオン交換容量は0.24
モルに相当する)、85重量%リン酸水溶液27.4g (0.24
モル)及び水 1.5kgを投入し、以下、実施例3と同様に
してナイロン6/66樹脂組成物のペレットを得た。次い
で、精練後、乾燥したペレットを用い、射出成形機(東
芝機械社製、IS80G-3A)を用い、シリンダ温度 240℃、
金型温度50℃、射出時間10秒、冷却時間30秒で射出成形
を行い、厚さ2mmのプレート及び厚さ 3.2mmの試験片を
作製し、それぞれ物性試験を行った。
【0044】実施例5 メタキシリレンジアミン〔MXDA〕480g、イソフタル酸
〔IPA 〕580g及び水1kgを混合し、90℃で1時間攪拌し
て混合液が透明になったことを確認後、25℃まで冷却
し、デカンテーションにより得た生成物を、25℃で24時
間真空乾燥してMXDA・IPA 塩 1.0kgを得た。このMXDA・
IPA 塩 1.0kgとε−カプロラクタム 1.0kgとを内容積30
リットルのオートクレーブに仕込み、100 ℃で1時間攪
拌した。引き続きいて、このオートクレーブ中にε−カ
プロラクタム 8.0kg、モンモリロナイト200g(全陽イオ
ン交換容量は0.24モルに相当する)、85重量%リン酸水
溶液 27.4g(0.24モル)及び水1.5kg を投入し、180 ℃
に昇温後、この温度を維持しながら1時間攪拌を続け
た。その後、260 ℃に加熱し、5kg/cm2の圧力まで昇圧
した後、徐々に水蒸気を放出しつつ、圧力5kg/cm2、温
度 260℃に保持したまま2時間重合し、1時間かけて常
圧まで放圧し、さらに40分間重合した。重合が終了した
時点で、上記の反応生成物をストランド状に払い出し、
冷却、固化後、切断してナイロン6/MXD 樹脂組成物のペ
レットを得た。次いで、このペレットを95℃の熱水で8
時間精練を行った後、乾燥した。次に、この乾燥ペレッ
トを射出成形機(東芝機械社製、IS80G-3A)を用い、シ
リンダ温度 240℃、金型温度50℃、射出時間10秒、冷却
時間20秒で射出成形を行い、厚さ2mmのプレートを成形
し透明性を評価した。また、金型温度を70℃にした以外
は上記と同様の条件で厚さ 3.2mmの試験片を作製し、引
張強度及び引張伸度を測定した。
【0045】実施例6 IPA の代わりにテレフタル酸〔TPA 〕を用いた他は、実
施例5と同様にしてナイロン6/MXD 樹脂組成物を得、物
性試験を行った。
【0046】実施例1〜6における結果を表1にまとめ
て示す。
【0047】
【表1】
【0048】実施例7 MXDA 1440g、IPA 1750g 及び水3kgを混合し、90℃で1
時間攪拌して混合液が透明になったことを確認後、25℃
まで冷却し、デカンテーションにより得た生成物を、25
℃で24時間真空乾燥してMXDA・IPA 塩 3.0kgを得た。こ
のMXDA・IPA 塩 3.0kgとε−カプロラクタム 1.0kgとを
内容積30リットルのオートクレーブに仕込み、100 ℃で
1時間攪拌した。引き続きε−カプロラクタム 6.0kg、
モンモリロナイト200g(全陽イオン交換容量は0.24モル
に相当する)、85重量%リン酸水溶液 27.4g(0.24モ
ル)及び水 1.5kgを投入し、以下、実施例5と同様にし
てナイロン6/MXD 樹脂組成物のペレットを得た。引き続
いて精練、乾燥後、射出成形機(東芝機械社製、IS80G-
3A)を用い、シリンダ温度 240℃、金型温度50℃、射出
時間10秒、冷却時間30秒で射出成形を行い、厚さ2mmの
プレート及び厚さ 3.2mmの試験片を作製し、それぞれ物
性試験を行った。
【0049】実施例8 IPA の代わりにTPA を用いた他は、実施例7と同様にし
てナイロン6/MXD 樹脂組成物を得、物性試験を行った。
【0050】実施例9 ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン〔PACM〕490
g、イソフタル酸〔IPA〕460g及び水 1.5kgを内容積10リ
ットルのオートクレーブに仕込み、120 ℃で1時間攪拌
し、PACM・IPA 塩の水溶液を得た。このPACM・IPA 塩の
水溶液の全量を、輸送管を通して、予めε−カプロラク
タム 1.0kg、モンモリロナイト200g(全陽イオン交換容
量は0.24モルに相当する)及び85重量%リン酸水溶液 2
7.4g(0.24モル)を仕込んでおいた内容積30リットルの
オートクレーブに投入し、150 ℃で1時間攪拌した。引
き続いて、このオートクレーブ中にε−カプロラクタム
8.0kgを投入し、さらにこの温度を維持しながら1時間
攪拌を続けた。その後、260 ℃に加熱し、5kg/cm2の圧
力まで昇圧した後、徐々に水蒸気を放出しつつ、圧力5
kg/cm2、温度 260℃に保持したまま2時間重合し、1時
間かけて常圧まで放圧し、さらに40分間重合した。重合
が終了した時点で、上記の反応生成物をストランド状に
払い出し、冷却、固化後、切断してナイロン6/PACM樹脂
組成物のペレットを得た。次いで、このペレットを95℃
の熱水で8時間精練を行った後、乾燥した。次に、この
乾燥ペレットを射出成形機(東芝機械社製、IS80G-3A)
を用い、シリンダ温度 240℃、金型温度50℃、射出時間
10秒、冷却時間30秒で射出成形を行い、厚さ2mmのプレ
ートを成形し透明性を評価した。また、金型温度を70℃
にした以外は上記と同様の条件で厚さ 3.2mmの試験片を
作製し、引張強度及び引張伸度を測定した。
【0051】実施例10 PACM 1760g、IPA 1390g 及び水 1.5kgを内容積10リット
ルのオートクレーブに仕込み、120 ℃で2時間攪拌しPA
CM・IPA 塩の水溶液を得た。このPACM・IPA 塩の水溶液
の全量を、輸送管を通して、予めε−カプロラクタム
1.0kg、モンモリロナイト200g(全陽イオン交換容量は
0.24モルに相当する)及び85重量%リン酸水溶液 27.4g
(0.24モル)を仕込んでおいた内容積30リットルのオー
トクレーブに投入し、150 ℃で1時間攪拌した。引き続
いてこのオートクレーブ中にε−カプロラクタム 6.0kg
を投入し、以下、実施例9と同様に重合してナイロン6/
PACM樹脂組成物のペレットを得た。引き続いて精練、乾
燥後、実施例9と同様にして物性試験を行った。
【0052】実施例11 ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン
〔DMPACM〕650g、TPA450g及び水 1.5kgを内容積10リッ
トルのオートクレーブに仕込み、120 ℃で1時間攪拌
し、DMPACM・TPA 塩の水溶液を得た。このDMPACM・TPA
塩の水溶液の全量を、輸送管を通して、予めε−カプロ
ラクタム 1.0kg、モンモリロナイト200g(全陽イオン交
換容量は0.24モルに相当する)及び85重量%リン酸水溶
液 27.4g(0.24モル)を仕込んでおいた内容積30リット
ルのオートクレーブに投入し、150 ℃で1時間攪拌し
た。引き続いて、このオートクレーブ中にε−カプロラ
クタム 8.0kgを投入し、以下、実施例9と同様に重合し
てナイロン6/DMPACM樹脂組成物のペレットを得た。引き
続いて精練、乾燥後、実施例9と同様にして物性試験を
行った。
【0053】実施例12 DMPACM 1230g、TPA 860g及び水 1.5kgを内容積10リット
ルのオートクレーブに仕込み、120 ℃で2時間攪し、DM
PACM・TPA 塩の水溶液を得た。このDMPACM・TPA 塩の水
溶液の全量を、輸送管を通して、予めε−カプロラクタ
ム 1.0kg、モンモリロナイト200g(全陽イオン交換容量
は0.24モルに相当する)及び85重量%リン酸水溶液 27.
4g(0.24モル)を仕込んでおいた内容積30リットルのオ
ートクレーブに投入し、150 ℃で1時間攪拌した。引き
続いて、このオートクレーブ中にε−カプロラクタム
7.0kgを投入し、以下、実施例9と同様に重合してナイ
ロン6/DMPACM樹脂組成物のペレットを得た。引き続いて
精練、乾燥後、実施例9と同様にして物性試験を行っ
た。
【0054】実施例7〜12における結果を表2にまと
めて示す。
【0055】
【表2】
【0056】比較例1 ε−カプロラクタム10kg、モンモリロナイト200g(全陽
イオン交換容量は0.24モルに相当する)及び85重量%リ
ン酸水溶液 27.4g(0.24モル)を内容積30リットルのオ
ートクレーブに仕込み、260 ℃に加熱し、5kg/cm2の圧
力まで昇圧した。その後、徐々に水蒸気を放出しつつ、
圧力5kg/cm2、温度 260℃に保持したまま2時間重合し
た後、1時間かけて常圧まで放圧し、さらに40分間重合
した。重合が終了した時点で、上記の反応生成物をスト
ランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してナイロン
6樹脂組成物からなるペレットを得た。次いで、このペ
レットを95℃の熱水で8時間精練を行った後、乾燥し
た。次に、この乾燥ペレットを射出成形機(東芝機械社
製、IS80G-3A)を用い、シリンダ温度 260℃、金型温度
50℃、射出時間6秒、冷却時間6秒で射出成形を行い、
厚さ2mmのプレートを成形し透明性を測定した。また、
金型温度を70℃にした以外は上記と同様の条件で厚さ
3.2mmの試験片を作製し、引張強度及び引張伸度を測定
した。
【0057】比較例2 12−アミノドデカン酸10kg、モンモリロナイト200g(全
陽イオン交換容量は0.24モルに相当する)、85重量%リ
ン酸水溶液 27.4g(0.24モル)及び水 2.5kgを内容積30
リットルのオートクレーブに仕込み、内容物が 180℃に
到達した時点で攪拌機の回転を始め、この温度を維持し
ながら1時間攪拌を続けた。その後、220 ℃に加熱し、
12kg/cm2の圧力まで昇圧した後、徐々に水蒸気を放出し
つつ、圧力12kg/cm2、温度 220℃に保持したまま2時間
重合し、1時間かけて常圧まで放圧し、さらに40分間重
合した。重合が終了した時点で、上記の反応生成物をス
トランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してナイロ
ン12樹脂組成物からなるペレットを得た。次いで、乾燥
したペレットを射出成形機(東芝機械社製、IS80G-3A)
を用い、シリンダ温度 220℃、金型温度50℃、射出時間
6秒、冷却時間12秒で射出成形を行い、厚さ2mmのプレ
ート及び厚さ 3.2mmの試験片を作製し、それぞれ物性試
験を行った。
【0058】比較例3 ナイロン66塩(BASF社製、「AH salt 」)10kg、モンモ
リロナイト200g(全陽イオン交換容量は0.24モルに相当
する)、85重量%リン酸水溶液 27.4g(0.24モル)及び
水 2.5kgを内容積30リットルのオートクレーブに仕込
み、内容物が 180℃に到達した時点で攪拌機の回転を始
め、この温度を維持しながら1時間攪拌を続けた。その
後、220 ℃に加熱し、18kg/cm2の圧力まで昇圧した後、
徐々に水蒸気を放出しつつ、圧力18kg/cm2、温度 220℃
に保持したまま2時間重合し、1時間かけて常圧まで放
圧しつつ温度を 270℃に上げ、さらに40分間重合した。
重合が終了した時点で、上記の反応生成物をストランド
状に払い出し、冷却、固化後、切断してナイロン66樹脂
組成物のペレットを得た。次いで、乾燥したペレットを
射出成形機(東芝機械社製、IS80G-3A)を用い、シリン
ダ温度 260℃、金型温度50℃、射出時間6秒、冷却時間
12秒で射出成形を行い、厚さ2mmのプレート及び厚さ
3.2mmの試験片を作製し、それぞれ物性試験を行った。
【0059】比較例1〜3における結果を表3にまとめ
て示す。
【0060】
【表3】
【0061】実施例1〜2においては、ナイロン6/12樹
脂組成物中のモンモリロナイトの珪酸塩層の平均厚みは
30Å以下でかつ平均アスペクト比が30以上であった。実
施例3〜4においては、ナイロン6/66樹脂組成物中のモ
ンモリロナイトの珪酸塩層の平均厚みは60Å以下でかつ
平均アスペクト比が20以上であった。実施例5〜8にお
いては、ナイロン6/MXD 樹脂組成物中のモンモリロナイ
トの珪酸塩層の平均厚みは30Å以下でかつ平均アスペク
ト比が30以上であった。実施例9〜12においては、ナ
イロン6/PACMもしくはナイロン6/DMPACM樹脂組成物中の
モンモリロナイトの珪酸塩層の平均厚みは40Å以下でか
つ平均アスペクト比が25以上であった。また、実施例1
〜12においては、いずれの場合も、共重合ポリアミド
樹脂マトリックス中にモンモリロナイトの珪酸塩層が分
子レベルで分散されていることが分かった。さらに、プ
レートの透明性は良好で、試験片の引張伸度も良好であ
った。
【0062】これに対して比較例1〜3においては、プ
レートの透明性と試験片の引張伸度に劣るものであっ
た。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、高伸度でかつ透明性に
優れ、フィルム、繊維等に好適に利用できるポリアミド
樹脂組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 昌毅 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 國領 佐知子 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4J002 CL011 CL051 DJ006 FA006 FA016 GG02 GK01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナイロン6/12コポリマー中にモンモリロ
    ナイトの珪酸塩層が分子レベルで分散されたポリアミド
    樹脂組成物であって、該珪酸塩層の平均の厚みが30Å以
    下で、かつ平均アスペクト比(長さ/厚み)が30以上で
    あることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ナイロン6/66コポリマー中にモンモリロ
    ナイトの珪酸塩層が分子レベルで分散されたポリアミド
    樹脂組成物であって、該珪酸塩層の平均厚みが60Å以下
    で、かつ平均アスペクト比(長さ/厚み)が20以上であ
    ることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 コポリ(カプロアミド/m−キシリレン
    ジアミンテレフタルアミド)又はコポリ(カプロアミド
    /m−キシリレンジアミンイソフタルアミド)中に、モ
    ンモリロナイトの珪酸塩層が分子レベルで分散されたポ
    リアミド樹脂組成物であって、該珪酸塩層の平均厚みが
    30Å以下で、かつ平均アスペクト比(長さ/厚み)が30
    以上であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 コポリ〔カプロアミド/ビス(4−アミ
    ノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミド〕又はコポ
    リ〔カプロアミド/ビス(4−アミノシクロヘキシル)
    メタンイソフタルアミド〕中に、モンモリロナイトの珪
    酸塩層が分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物
    であって、該珪酸塩層の平均厚みが40Å以下で、かつ平
    均アスペクト比(長さ/厚み)が25以上であることを特
    徴とするポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 コポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチ
    ル−4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミ
    ド〕又はコポリ〔カプロアミド/ビス(3−メチル−4
    −アミノシクロヘキシル)メタンイソフタルアミド〕中
    に、モンモリロナイトの珪酸塩層が分子レベルで分散さ
    れたポリアミド樹脂組成物であって、該珪酸塩層の平均
    厚みが40Å以下で、かつ平均アスペクト比(長さ/厚
    み)が25以上であることを特徴とするポリアミド樹脂組
    成物。
JP11170936A 1999-06-17 1999-06-17 ポリアミド樹脂組成物 Pending JP2001002913A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11170936A JP2001002913A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 ポリアミド樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11170936A JP2001002913A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 ポリアミド樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001002913A true JP2001002913A (ja) 2001-01-09

Family

ID=15914126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11170936A Pending JP2001002913A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 ポリアミド樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001002913A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005187552A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアミド66樹脂ペレットの製造方法
US7259196B2 (en) 2002-07-23 2007-08-21 Kaneka Corporation Polyamide resin composition and process for producing the same
KR100839115B1 (ko) * 2002-01-15 2008-06-19 주식회사 코오롱 슬립성이 우수한 폴리아미드 이축 연신 필름

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100839115B1 (ko) * 2002-01-15 2008-06-19 주식회사 코오롱 슬립성이 우수한 폴리아미드 이축 연신 필름
US7259196B2 (en) 2002-07-23 2007-08-21 Kaneka Corporation Polyamide resin composition and process for producing the same
JP2005187552A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアミド66樹脂ペレットの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0605005B1 (en) Reinforced polyamide resin composition and process for producing the same
EP0885920B1 (en) Polyamide resin composition and molded articles
US6156838A (en) Polyamide resin composition and process for producing the same
US6255378B1 (en) Polyamide resin composition and process for producing the same
JPH11315204A (ja) ポリアミド複合材料
JP5059750B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP2941159B2 (ja) 強化ポリアミド樹脂組成物およびその製造法
JP5191154B2 (ja) ポリアミド成形品の製造方法およびエンジンカバー
JP2001002913A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JPH09241505A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP2001098147A (ja) ガスバリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム及び容器
JP3452469B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP3385096B2 (ja) 強化ポリアミド樹脂製コネクター
JP4063927B2 (ja) 高純度の膨潤性フッ素雲母系鉱物及びその製造方法、並びにこれを用いてなるポリアミド複合材料
JPH09235463A (ja) 強化ポリアミド樹脂組成物の製造法
JPH11228817A (ja) ガスバリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物及びその製造法、並びにこれを用いたフィルム及び容器
JP2006131832A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP4726474B2 (ja) ポリアミド複合材料射出成形品の製造方法
JPH11172100A (ja) 強化ポリアミド樹脂
JP2007217714A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP2002309079A (ja) ポリアミド複合材料およびその製造方法
JP4030169B2 (ja) ポリアミド複合材料及びその製造方法
JPH10265668A (ja) 強化ポリアミド樹脂組成物の製造法
JP5319884B2 (ja) ポリアミド/ポリオレフィン系樹脂組成物
KR100419544B1 (ko) 강화된폴리아미드수지조성물및이의제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090324

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091020