JPH08199062A - ポリアミド成形体 - Google Patents

ポリアミド成形体

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JPH08199062A
JPH08199062A JP1088895A JP1088895A JPH08199062A JP H08199062 A JPH08199062 A JP H08199062A JP 1088895 A JP1088895 A JP 1088895A JP 1088895 A JP1088895 A JP 1088895A JP H08199062 A JPH08199062 A JP H08199062A
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JP
Japan
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polyamide
weight
layered silicate
acid
molded body
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Application number
JP1088895A
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English (en)
Inventor
Michio Kawai
道生 川井
Manabu Kawa
学 加和
Shintaro Kishimoto
伸太郎 岸本
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリアミド樹脂の持つ優れた靱性を保持し、
かつ優れたガスバリヤー性を有するポリアミド成形体を
提供する。 【構成】 ポリアミド樹脂マトリックス中に層状珪酸塩
が微分散したポリアミド成形体であり、該成形体の灰分
量をA(重量%)とし、23℃、相対湿度95%の条件
で測定した該成形体の厚さ25μm当たりの酸素透過速
度をP(cc/day/m2 /atm)とした時、下記
a式、b式及びc式を同時に満たすことを特徴とするポ
リアミド成形体。 【数1】 0.05≦A≦5 (a) 【数2】 P≦k・A+N (b) 【数3】 k=0.0017N2 −0.43N+0.14 (c) (但し、b式及びc式にて、NはA=0の場合のPの値
を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミド樹脂をマトリ
ックスとし、それに極めて微細に分散した層状珪酸塩と
からなるガスバリヤー性に優れた成形体に関する。この
ポリアミド成形体は、その優れたガスバリヤー性を利用
して、食品包装材料及び液体容器材料等に有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、フィルムとした場合
のガスバリヤー性、外観、及び靱性に優れた熱可塑性材
料として食品包装材料等として広く用いられているが、
エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等に
比べるとそのガスバリヤー性能は必ずしも満足できるも
のではない。一方、ポリアミド樹脂のガスバリヤー性を
向上させる試みとして、特開平2−105856号、同
6−80873各号公報には層状珪酸塩を均一に分散す
る技術が開示されている。これらの技術によりガスバリ
ヤー性は向上するが、依然として必ずしも満足できるレ
ベルとは言えなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうしたポ
リアミド樹脂のガスバリヤー性向上に関する技術状況に
鑑み、該樹脂の持つ優れた靱性を保持したまま、更に優
れたガスバリヤー性を有するポリアミド成形体を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決すべく鋭意検討を行った結果、ポリアミド成形体に
層状珪酸塩が均一に、かつ微分散された極めてガスバリ
ヤー性の高いポリアミド成形体が得られることを見い出
し、本発明に到達したものである。即ち、本発明はポリ
アミド樹脂マトリックス中に層状珪酸塩が分散した成形
体であり、該成形体の灰分量をA(重量%)とし、23
℃、相対湿度95%の条件で測定した該成形体の厚さ2
5μm当たりの酸素透過速度をP(cc/day/m2
/atm)とした時、下記a式、b式及びc式を同時に
満たすことを特徴とするポリアミド成形体を提供するも
のである。
【0005】
【数4】 0.05≦A≦5 (a)
【0006】
【数5】 P≦k・A+N (b)
【0007】
【数6】 k=0.0017N2 −0.43N+0.14 (c) (但し、b式、及びc式にて、NはA=0の場合のPの
値を表す。)
【0008】
【発明の具体的説明】以下、本発明を詳細に説明する。 1.構成成分 (i)ポリアミド樹脂 本発明のポリアミド樹脂は、主鎖中にアミド結合(−N
HCO−)を含み、加熱溶融できる重合体であればよ
い。このうち、ポリアミド主鎖中に芳香族炭化水素構造
を含むものを芳香族ポリアミドと称し、含まないものを
脂肪族ポリアミドと称する。
【0009】好適な脂肪族ポリアミド樹脂として、ポリ
テトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプ
ラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン612)、ポリウンデカノラクタム(ナイロ
ン11)、ポリドデカノラクタム(ナイロン12)等が
挙げられ、好適な芳香族ポリアミドとして、テレフタル
酸及び/又はイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンと
から得られるポリアミド、アジピン酸とメタキシリレン
ジアミンとから得られるポリアミド、テレフタル酸及び
/又はイソフタル酸とアジピン酸とヘキサメチレンジア
ミンとから得られるポリアミド、テレフタル酸及び/又
はイソフタル酸とアジピン酸とメタキシリレンジアミン
とから得られるポリアミド、共重合成分として1,3−
フェニレンジオキシジ酢酸を含む共重合ポリアミドなど
が挙げられる。これらは複数種混合して用いても構わな
い。
【0010】脂肪族ポリアミドのうち、ナイロン6、ナ
イロン66はそれ自身が靱性と剛性のバランスに優れて
いるため特に好適である。芳香族ポリアミドのうち、テ
レフタル酸及び/又はイソフタル酸とヘキサメチレンジ
アミンとから得られるポリアミド、アジピン酸とメタキ
シリレンジアミンとから得られるポリアミド、テレフタ
ル酸及び/又はイソフタル酸とアジピン酸とメタキシリ
レンジアミンとから得られるポリアミドが、優れたガス
バリヤー性と原料の入手容易性の点で好適である。
【0011】これら各種のポリアミド樹脂は単独で、又
は数種組み合わせて用いても良いが、ガスバリヤー性フ
ィルムとする場合には、フィルム靱性とガスバリヤー性
能のバランスから、ポリアミド樹脂が100〜30重量
%の脂肪族ポリアミド(特にナイロン6)及び0〜70
重量%の芳香族ポリアミドを含むのが好ましい。この場
合の芳香族ポリアミドとしては上記のものがすべて使用
可能である。また芳香族ポリアミドの含量については、
靱性と柔軟性の点でより好ましくは0〜50重量%、ガ
スバリヤー性の点で更に好ましくは10〜50重量%、
最も好ましくは20〜50重量%とする。なお、これら
のポリアミド樹脂の分子量には特に制限はないが、通常
数平均重合度が70〜500の範囲で好ましく用いら
れ、靱性及び成形性の点から100〜400の範囲であ
ることがさらに好ましい。なお、数平均重合度は常法の
末端基滴定により算出できる。
【0012】(ii)層状珪酸塩 本発明に用いられる層状珪酸塩としては、Al,Mg,
Li等を含む八面体シート構造を2枚のシリケート四面
体シート構造がはさんだ形の2:1型が好適でありその
単位構造である1層の厚みは通常9.5オングストロー
ム程度である。具体的には、モンモリロナイト、ヘクト
ライト、フッ素ヘクトライト、サポナイト、バイデライ
ト、スチブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li
型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、N
a型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨
潤性合成雲母、バーミキュライト、フッ素バーミキュラ
イト、ハロイサイト等が挙げられ、天然のものでも合成
されたものでも良い。
【0013】これらの層状珪酸塩の中でも、モンモリロ
ナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物、L
i型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、
Na型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母が好適に用
いられ、特に入手容易性からはベントナイトを精製して
得られるモンモリロナイトが、純度の点ではLi型フッ
素テニオライト(下記式d)、Na型フッ素テニオライ
ト(下記式e)、Na型四珪素フッ素雲母(下記式f)
等の膨潤性フッ素雲母が本発明には最適である。なお、
式d,e,fは理想的な組成を示したものであり、厳密
に一致している必要はない。
【0014】
【化1】 LiMg2 Li(Si4 10)F2 (d)
【0015】
【化2】 NaMg2 Li(Si4 10)F2 (e)
【0016】
【化3】 NaMg2.5 (Si4 10)F2 (f)
【0017】本発明のポリアミド成形体が優れたガスバ
リヤー性を発揮するためには、層状珪酸塩が均一に微分
散している必要があり、分散性を向上させるためには、
該層状珪酸塩が層間に有機オニウムイオンを有している
ことが望ましい。有機オニウムイオンの層間への挿入に
より、負に帯電した珪酸塩層の層間に有機構造を導入す
ることができ、これにより後記するポリアミド樹脂原料
モノマーの、層状珪酸塩の層間への浸入が促進され、ポ
リアミド樹脂マトリックス中での該珪酸塩の分散性が向
上するものと考えられる。
【0018】有機オニウムイオンの層間への挿入を有効
に行うには、層状珪酸塩の陽イオン交換容量(CEC)
は、好ましくは30ミリ当量/100g以上、更に好ま
しくは50ミリ当量/100g以上、最も好ましくは7
0ミリ当量/100g以上である。陽イオン交換容量が
30ミリ当量/100g未満では、層状珪酸塩の層間へ
の有機オニウムイオンの挿入量が不十分となる場合があ
る。
【0019】本発明で用いられる有機オニウムイオンと
は、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホ
ニウムイオン、複素芳香環由来のオニウムイオン等に代
表される構造をもつものであり、入手容易性、安定性の
観点からは、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオ
ン、複素芳香環由来のオニウムイオンが好適である。上
記アンモニウムイオンとしては、ヘキシルアンモニウ
ム、オクチルアンモニウム、デシルアンモニウム、ドデ
シルアンモニウム、ヘキサデシルアンモニウム、オクタ
デシルアンモニウム等のアルキルアンモニウム、6−ア
ミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオ
クタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン
酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸等のω−アミノ脂肪族カルボン酸のアンモニウム、グ
リシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、
フェニルアラニン、チロシン、トレオニン、セリン、プ
ロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロキ
シン、メチオニン、シスチン、システイン、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジ
ン、アルギニン、ヒスチジン等のα−アミノ酸のアンモ
ニウム等の1級アンモニウム類、メチルドデシルアンモ
ニウム、ブチルドデシルアンモニウム、メチルオクタデ
シルアンモニウム等の2級アンモニウム類、ジメチルド
デシルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルアンモニウ
ム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、ジフェニルド
デシルアンモニウム、ジフェニルオクタデシルアンモニ
ウム等の3級アンモニウム類、テトラエチルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウム、テトラオクチルアンモ
ニウム等の同一のアルキル基を有する4級アンモニウ
ム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシ
ルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、ト
リメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサ
デシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニ
ウム、トリメチルエイコサニルアンモニウム、トリメチ
ルオクタデセニルアンモニウム、トリメチルオクタデカ
ジエニルアンモニウム等のトリメチルアルキルアンモニ
ウム、トリエチルドデシルアンモニウム、トリエチルテ
トラデシルアンモニウム、トリエチルヘキサデシルアン
モニウム、トリエチルオクタデシルアンモニウム等のト
リエチルアルキルアンモニウム、トリブチルドデシルア
ンモニウム、トリブチルテトラデシルアンモニウム、ト
リブチルヘキサデシルアンモニウム、トリブチルオクタ
デシルアンモニウム等のトリブチルアルキルアンモニウ
ム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシ
ルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウ
ム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジ
オクタデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデセニル
アンモニウム、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニ
ウム等のジメチルジアルキルアンモニウム、ジエチルジ
ドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモ
ニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチ
ルジオクタデシルアンモニウム等のジエチルジアルキル
アンモニウム、ジブチルジドデシルアンモニウム、ジブ
チルジテトラデシルアンモニウム、ジブチルジヘキサデ
シルアンモニウム、ジブチルジオクタデシルアンモニウ
ム等のジブチルジアルキルアンモニウム、メチルベンジ
ルジヘキサデシルアンモニウム等のメチルベンジルジア
ルキルアンモニウム、ジベンジルジヘキサデシルアンモ
ニウム等のジベンジルジアルキルアンモニウム、トリオ
クチルメチルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモ
ニウム、トリテトラデシルメチルアンモニウム等のトリ
アルキルメチルアンモニウム、トリオクチルエチルアン
モニウム、トリドデシルエチルアンモニウム等のトリア
ルキルエチルアンモニウム、トリオクチルブチルアンモ
ニウム、トリドデシルブチルアンモニウム等のトリアル
キルブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニ
ウム等の芳香環を有する4級アンモニウム、トリメチル
フェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アン
モニウム等の4級アンモニウム類が、ホスホニウムイオ
ンとしては、テトラブチルホスホニウム、テトラオクチ
ルホスホニウム、トリメチルデシルホスホニウム、トリ
メチルドデシルホスホニウム、トリメチルヘキサデシル
ホスホニウム、トリメチルオクタデシルホスホニウム、
トリブチルドデシルホスホニウム、トリブチルヘキサデ
シルホスホニウム、トリブチルオクタデシルホスホニウ
ム等のアルキル4級ホスホニウム、フェニルトリメチル
ホスホニウム、フェニルトリブチルホスホニウム、ジフ
ェニルジメチルホスホニウム、トリフェニルメチルホス
ホニウム、テトラフェニルホスホニウム等のフェニルア
ルキル4級ホスホニウム等の4級ホスホニウム類が、複
素芳香環由来のオニウムイオンとしては、ピリジニウ
ム、メチルピリジニウム、ジメチルピリジニウム、キノ
リニウム、イソキノリニウム等のイオンが挙げられる。
これらは複数種組み合わせて用いても良い。
【0020】これらの有機オニウムイオンのうち、組成
物のガスバリヤー性の点では比較的低分子量のもの、例
えばヘキシルアンモニウム、オクチルアンモニウム、デ
シルアンモニウム等のアルキルアンモニウム、6−アミ
ノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオク
タン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等
のω−アミノ脂肪族カルボン酸のアンモニウム、バリ
ン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロ
シン、トレオニン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロ
リン、トリプトファン、メチオニン、シスチン、システ
イン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、
グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン等のα−
アミノ酸のアンモニウム等の1級アンモニウム類、ピリ
ジニウム、メチルピリジニウム、ジメチルピリジニウム
等の複素芳香環由来のオニウム類が好ましく、更に好ま
しくは、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、
10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、1
2−アミノドデカン酸等のω−アミノ脂肪族カルボン酸
のアンモニウム、ピリジニウム等のイオンが、最も好ま
しくは10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸等のω−アミノ脂肪族カル
ボン酸のアンモニウムイオンが使用される。
【0021】有機オニウムイオンの層状珪酸塩の層間へ
の導入は、層状珪酸塩の水懸濁液に該イオンまたはこれ
を含む水溶液を添加して陽イオン交換を行わせて容易に
達成される。層間に含まれる有機オニウムイオンの量
は、原料の層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対し0.8
〜2.0当量の範囲であれば特に制限はないが、通常
0.9〜1.3当量程度となる。この量が0.8当量よ
りも少ないと、ポリアミド樹脂への分散性が低下し、
2.0当量より多いと該オニウムイオン由来の遊離化合
物が顕著となり、成形時の熱安定性低下、発煙、金型汚
染、臭気等の原因となる場合がある。
【0022】(iii)金属アルコキシド 本発明に用いられる金属アルコキシドとしては、アルコ
キシシラン類、アルコキシチタン類、四価スズアルコキ
シド類、アンモニウムアルコキシド類、バリウムアルコ
キシド類などが挙げられる。具体的には、アルコキシシ
ラン類として、テトラメチルオルソシリケート、テトラ
エチルオルソシリケート(以下TEOSと称す)、テト
ラ−n−プロピルオルソシリケート、テトライソプロピ
ルオルソシリケート、テトラ−n−ブチルオルソシリケ
ート等のテトラアルキルオルソシリケート、テトラメチ
ルオルソシリケートの2〜5量体等のテトラアルキルオ
ルソシリケートのオリゴマー、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ジエチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリ−n−プロピルオキシシラン等のアリ
ールアルコキシシラン、ヒドロキシトリメトキシシラ
ン、ヒドロキシトリエトキシシラン等のヒドロキシトリ
アルコキシシラン、フェノキシトリエトキシシラン、ジ
フェノキシジエトキシシラン等のアリールオキシアルコ
キシシラン等が挙げられる。
【0023】同様に、テトラ−n−ブチルオルソチタネ
ート、テトラエチルオルソチタネート、テトライソプロ
ピルオルソチタネート、オクタデシルトリメトキシチタ
ン、フェニルトリエトキシチタン、ジフェニルジエトキ
シチタン等のアルコキシチタン類、テトラ−n−ブトキ
シスズ等の4価スズアルコキシド類、トリ−t−ブトキ
シアルミニウム等のアルミニウムアルコキシド類、バリ
ウムイソプロポキシド等のバリウムアルコキシド類等も
使用可能である。これらのうち反応制御容易性、入手容
易性等の点からアルコキシシラン類が好適であり、中で
もテトラメチルオルソシリケート、TEOS、テトラ−
n−プロピルオルソシリケート、テトラ−n−ブチルオ
ルソシリケート等のテトラアルコキシシランが更に好適
であり、中でもTEOSが最も好適である。
【0024】(iv)任意成分 本発明の目的を損なわない限りにおいて、必要に応じフ
ュームドシリカ、タルク、カオリナイト、ガラスビー
ズ、ガラスフレーク、クレー、炭酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の無機充
填材、ポリエチレン又はその酸変性品、ポリプロピレン
又はその酸変性品、エチレン−α−オレフィン共重合体
又はその酸変性品、ポリアミドエラストマー、ポリエス
テルエラストマー、ポリエステルエーテルアミド、ポリ
エーテルエラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマ
ー又はその酸変性品、アクリルゴム、コアシェル型アク
リルゴム、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンエーテル
又はその酸変性品、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポ
リエステル、エポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸
亜鉛等の滑剤、その他ポリアミド樹脂に使用される熱安
定剤、紫外線吸収剤、顔料、カーボンブラック、ケッチ
ェンブラック、黒鉛、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤
等の添加剤を混合しても良い。
【0025】2.組成物の調製 本発明のポリアミド成形体に用いられるポリアミド樹脂
組成物の調製法については以下の方法が好適である。即
ち、ポリアミド樹脂原料モノマーに、有機オニウムイオ
ンを層間に有する層状珪酸塩及び金属アルコキシドを添
加し、水の存在下加熱した後、前記原料モノマーを重合
する方法である。有機オニウムイオンを層間に有する層
状珪酸塩の添加量は、ポリアミド樹脂組成物の0.05
〜5重量%、ガスバリヤー性の点から好ましくは0.1
〜5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、フィル
ムとした場合の靱性の点から更に好ましくは0.5〜4
重量%、最も好ましくは0.5〜3重量%である。
【0026】金属アルコキシドの添加量はポリアミド樹
脂組成物の0.005〜5重量%が好ましい。これは、
組成物の灰分量(乾燥した試料を650℃の電気炉内で
2時間灰化した残渣の重量分率より算出される)の0.
1〜100重量%に相当するが、その効果と有効性の点
でより好ましくは金属アルコキシドの量は組成物の灰分
量の1〜70重量%、更に好ましくは5〜50重量%、
最も好ましくは10〜50重量%である。金属アルコキ
シドの量が、組成物の灰分量の0.1重量%に満たない
とガスバリヤー性改良の効果に乏しい。
【0027】かかる製造方法により、ポリアミド樹脂組
成物中で、有機オニウムイオンを層間に有する層状珪酸
塩のシラノール基と金属アルコキシドの加水分解によっ
て生成する水酸基が加熱縮合し、隣接する複数の層状珪
酸塩同士が金属アルコキシド成分を介して結合し、単位
層の面積の広い層状珪酸塩と同様の形態となることによ
るものと考えられる。このことが成形体が優れたガスバ
リヤー性を呈することと推測される。
【0028】水の使用量は、通常は使用する金属アルコ
キシドに対するモル比にして2〜500当量程度とす
る。この水のモル比が2より小さいと金属アルコキシド
の加水分解縮合反応は不十分となり、逆に500当量よ
りも大きいと該加水分解が速過ぎるため層どうしの結合
が不良となる場合がある。該水のモル比は、好ましくは
4〜200当量、より好ましくは4〜100当量、更に
好ましくは4〜50当量、最も好ましくは4〜30当量
とする。
【0029】水の存在下の加熱は、ポリアミド樹脂原
料、有機オニウムイオンを層間に有する層状珪酸塩、金
属アルコキシド、及び水の四者の併存状態で水の沸点未
満の温度で行われる。従って、高い反応温度を必要とす
る場合には加圧の必要がある。通常は、大気圧下20〜
100℃、好ましくは40〜100℃、更に好ましくは
50〜100℃、最も好ましくは60〜100℃の範囲
で行われる。この水の存在下の加熱時間には制限は特に
ないが、通常1〜300分、加水分解の進行度と製造速
度の点で好ましくは5〜240分、より好ましくは15
〜180分、最も好ましは30〜150分とする。該水
の存在下の加熱工程の後、更なる高温条件で通常のポリ
アミドの重合を行いポリアミド樹脂組成物を得る。
【0030】3.ポリアミド成形体 本発明のポリアミド成形体は、層状珪酸塩がポリアミド
樹脂マトリックス中に均一に微分散したものである。本
質的に気体分子を透過しない層状珪酸塩の単位層(層状
珪酸塩の単位構造である一層)が、気体分子がマトリッ
クス樹脂中を直進的に拡散するのを妨げると同時に、拡
散通路を狭くする障害物効果をあらわすことにより、成
形体が優れたガスバリヤー性を示すものと考えられるか
らである。ここで言う均一な微分散とは、上記層状珪酸
塩の単位層の層間距離が5nm以上で分散した状態を意
味する。層間距離とは、最近傍の単位層の重心間距離で
あり、平均層間距離とはその平均値である。平均層間距
離は、透過型電子顕微鏡観察による画像から求められる
量であり、より客観的に定量化するため計算機による画
像処理を行うことが好ましい。
【0031】層状珪酸塩による障害物効果は、単位層が
いかに微分散しているかに依存するので、該微分散の度
合いを表す量である該層間距離は大きい程好ましい。本
発明のポリアミド成形体に於ける平均層間距離は5nm
以上、好ましくは7nm以上、より好ましくは10nm
以上、最も好ましくは15nm以上である。この量が5
nmに満たないと、十分なガスバリヤー性が発現しな
い。本発明のポリアミド成形体に於いて、該成形体の灰
分量をA(重量%)とし、23℃、相対湿度95%の条
件で測定した該成形体の厚さ25μm当たりの酸素透過
速度をP(以下、酸素透過速度と称し、単位はcc/d
ay/m2 /atm)としたとき、下記a式、b式、及
びc式を同時に満たす。但し、b式、及びc式にてNは
A=0の場合のPの値を表す。
【0032】
【数7】 0.05≦A≦5 (a)
【0033】
【数8】 P≦k・A+N (b)
【0034】
【数9】 k=0.0017N2 −0.43N+0.14 (c)
【0035】ここで、成形体とは、熱プレス成形フィル
ムや、インフレーション製膜フィルム、Tダイ製膜フィ
ルム等を意味する。a式の灰分量Aとは、層状珪酸塩、
金属アルコキシド等に由来するポリアミド成形体中の全
灰分量を示す。該灰分量は、成形体を電気炉等を用いて
650℃で2時間灰化させた残渣の重量により算出され
る量である。該灰分量が0.05重量%に満たないとガ
スバリヤー性の改良効果に乏しく、5重量%を超えると
フィルムとした場合の表面平滑性が悪化したり、靱性に
乏しくなる場合があり、ガスバリヤー性の向上効果も頭
打ちとなる。該灰分量は、好ましくは0.05〜4重量
%、より好ましくは0.1〜3.5重量%、最も好まし
くは0.5〜3重量%である。樹脂組成物を希釈用マス
ターバッチとして使用する場合には、その経済効果の点
で該灰分量は好ましくは3〜5重量%、より好ましくは
4〜5重量%、最も好ましくは4.5〜5重量%であ
る。
【0036】b式、及びc式は、従来にない本発明のポ
リアミド成形体の優れたガスバリヤー性を特徴づけるも
のである。即ち、灰分量A(重量%)を横軸、酸化透過
速度P(cc/day/m2 /atm)を縦軸とした場
合、本発明のポリアミド成形体はb式の直線上又はこれ
よりも酸素透過速度が低い、すなわちガスバリヤー性に
優れた領域にあることを意味する。
【0037】b式、及びc式におけるNの値は、層状珪
酸塩を含まない場合のポリアミド樹脂の酸素透過速度で
ある。本発明のポリアミド成形体の要件を満たす灰分量
及び層状珪酸塩の分散状態を有する任意のポリアミド樹
脂組成物が与えられた場合、該Nの値は、例えば強アル
カリ水溶液中での加水分解処理、あるいはNMR等任意
の方法によるポリアミド樹脂成分のモノマー分析で得ら
れるモノマー組成に基づいたポリアミド合成及びフィル
ム作成により得る試料の酸素透過速度を測定して決定さ
れる。
【0038】c式に示される係数kとNとの関係は、本
発明者らが種々の組成のポリアミド樹脂マトリックスに
おける検討を重ねた結果得た経験式である。即ち、ポリ
アミド樹脂マトリックス自体のガスバリヤー性が良くな
るにつれて、ポリアミド成形体における単位灰分量当た
りのガスバリヤー性の改良幅は低下することを意味す
る。
【0039】前記ポリアミド樹脂組成物は、押出成形、
射出成形、中空成形、真空成形等により、ガスバリヤー
性の優れた中空容器、函体、フィルムあるいはフィルム
状のポリアミド成形体とすることができる。更にはこれ
等から構成される袋や容器等の包装材、ボトル等の任意
の形状の成形体用途に適用できる。例えば、食品包装用
フィルム、特にレトルト処理食品包装用フィルム等に好
適である。また、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、無水
マレイン酸等による酸変性エチレン−α−オレフィン共
重合体、アイオノマー樹脂等の他の熱可塑性樹脂と積層
して使用することも可能であり、例えばガソリンや燃料
ガス等の燃料用タンクやホース等のガスバリヤー層、金
属缶の内装、医療用輸液バッグ等に用いられる。ポリア
ミド樹脂組成物より本発明のポリアミド成形体を成形す
る他の手法としては、例えば次の方法が挙げられる。
【0040】(1)押出成形機を用いて押出シートを
得、ついで該シートを縦方向及び/又は横方向に延伸し
て延伸フィルムとする方法、及び/又は深絞り成形機も
しくは圧空成形機を使用し、容器やトレイを成形する方
法、(2)射出成形機を用いて有底筒状一次成形品(パ
リソン)を成形し、ついで該パリソンを二軸延伸ブロー
成形する方法、等が挙げられる。なお、フィルムとする
場合は、その厚みを1μm以上、好ましくは8〜300
μmとする。
【0041】本発明のポリアミドフィルムを積層物の一
方の層として使用する場合には、いずれかの層又はすべ
ての層が一軸又は二軸に配向されていても良く、その配
向方向は同方向又は異方向であっても良い。積層物の成
形方法としては、複数台の押出機を用いて共押出しして
フィルムあるいはシートとする方法、更にはかようにし
て押出しされたフィルムあるいはシートを縦方向及び/
又は横方向に延伸する方法及び/又は深絞り成形機を用
いて成形する方法がある。また、フィルムあるいはシー
トを製造しておき、両者を熱圧着する方法も挙げられ
る。
【0042】更に積層容器を得るには、二台の射出成形
機を用いて二種の樹脂を別々に可塑化し金型の同一キャ
ビティ内にほぼ同時に二種の樹脂を射出し、二種二層又
は二種三層の多層構造を持つ有底円筒形状一次成形品
(パリソン)を形成し、該パリソンをブロー成形して多
層容器(積層ボトル)とする方法か、二台の押出機を用
いて二種二層又は二種三層のパイプ状一次成形品を成形
した後、一端を溶着して容器底部とし、次いで他端を押
出変形させて口部とし、次いでブロー成形して多層容器
とする方法等があるが、これらの方法に限られるもので
はない。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例
により何ら限定されるものではない。なお、以下の諸例
の評価結果は表1にまとめた。
【0044】[評価方法] (1)酸素透過速度 ASTMD3985−81に基づき、モダンコントロー
ル(株)製OX−TRAN10/50Hにより、23
℃、相対湿度95%の条件で測定した。結果は、25μ
m厚み当たりに換算して整理した。
【0045】(2)灰分量 乾燥した試料約1.5gを精秤し、650℃の電気炉内
で灰化した残渣の重量分率より算出した。 (3)層間距離 以下の諸例のフィルムから、フィルム面に垂直な断面で
ダイヤモンドナイフにより切り出した約0.1μm厚の
超薄切片を、日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡H−
7000により加速電圧75kVの条件で観察した。得
た画像をイメージスキャナによりマッキントッシュ
(株)製パーソナルコンピュータに取り込み、パブリッ
クドメインソフトのNIH Image(by Way
ne Rasband, U.S.National
Institute of Health.)により解
析し、最近傍層との重心間距離の平均を求めた。 (4)フィルム外観 目視によりフィルム中の固体粒子の有無を見た。
【0046】実施例1:クニミネ工業(株)製高純度N
aモンモリロナイトであるクニピアF(登録商標、陽イ
オン交換容量は120ミリ当量/100g、層間距離は
XRDスペクトルより12.4オングストローム)20
0gを脱塩水20リットルに攪拌分散しながら、12−
アミノドデカン酸62gと同当量の塩酸を加えた。30
℃で10時間攪拌後室温で静置し、デカンテーション法
と水洗を繰り返して硝酸銀試験で塩化物イオンが検出さ
れなくなるまで洗浄した。
【0047】こうして得た12−アミノドデカン酸変性
モンモリロナイトの乾燥品(以下12−Mtと称す、層
間距離はXRDスペクトルより18.1オングストロー
ム、水分は約5重量%)を0.3g(1.6重量%)、
ε−カプロラクタム18gをガラス重合管に入れ内部を
窒素置換後100℃で約3時間攪拌して分散させた。更
に、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)0.1
1ml(0.55重量%)と水0.1gを加え大気圧下
100℃で1時間攪拌を継続後、150℃に昇温した。
150℃に達した後、6−アミノヘキサン酸1.5gを
加え100分かけて250℃まで昇温した。次いでこの
温度のまま減圧を開始し、約4時間かけて100Tor
rとしこのまま更に1時間重合を継続した後、窒素で大
気圧に戻した。得られた組成物は溶融状態では透明であ
った。得られた組成物はペレット大に切断して沸騰水で
水溶性低分子量物を抽出除去し、120℃で真空乾燥後
280℃で熱プレス成形して約50μm厚のフィルムと
した。
【0048】実施例2:実施例1において、12−Mt
を142g、ε−カプロラクタムを2507g、TEO
Sを54ml、水を47g、及び6─アミノヘキサン酸
を279g使用して、攪拌機のついたオートクレーブで
同様の反応、抽出、及び熱プレスによるフィルム化操作
を行った。なお、実施例1及び2のマトリックスはナイ
ロン6であるので、b式及びc式中のNは118cc/
day/m2 /atmであり、比較例1の酸素透過速度
と同じである。
【0049】比較例1:実施例1において、12−Mt
とTEOSを加えない他は同じ操作を行った。
【0050】比較例2:実施例2において、TEOSを
加えない他は同じ操作を行った。
【0051】比較例3:実施例1において、12−Mt
のかわりにクニピアF0.21gを使用して、同様の操
作を行った。
【0052】比較例4:実施例1において、12−Mt
のかわりにクニピアF0.21gを使用し、更にTEO
Sを加えずに同様の操作を行った。
【0053】実施例3:「実施例2で得たナイロン6樹
脂組成物」70重量%、及び三菱化成(株)製芳香族ポ
リアミドであるノバミッドX21(酸成分:テレフタル
酸/イソフタル酸、アミン成分:ヘキサメチレンジアミ
ン;ノバミッドは登録商標)30重量%を乾燥ペレット
のままドライブレンドし、Tダイを取りつけた単軸押出
機(スクリュ直径40mm、スクリュ回転30rpm、
ダイス及びバレル温度設定250℃、樹脂温度約240
℃)を使用し、巻き取りロール温度100℃、目標膜厚
25μmの条件で未延伸フィルムを得た。なお、この組
成物のb式及びc式中のNは51cc/day/m2
atmであり、下記比較例7のPの値と同じである。
【0054】実施例4:攪拌機のついたオートクレーブ
内に、イソフタル酸710.4g、アジピン酸624.
5g、メタキシリレンジアミン1164.4g、及び脱
塩水2483gを封入し80℃で1時間攪拌して均一な
塩水を得た。その後、内圧を2.5kg/cm2 としこ
れを保ちながら150℃に昇温して水を留去して約90
重量%まで濃縮した。次いで内圧を13kg/cm2
保持しながら250℃に昇温し、この状態で30分反応
させた後30分かけて大気圧に戻した。約90分後、抜
き出しを行い、透明なストランドを得たので、水冷して
ペレット化した。こうして得た芳香族ポリアミドのペレ
ットの100℃真空乾燥品65重量%、及び実施例2で
得たナイロン6樹脂組成物の乾燥ペレット35重量%を
ドライブレンドし、実施例3同様にTダイ押出製膜して
未延伸フィルムを得た。なお、この組成物のb式及びc
式中のNは34cc/day/m2 /atmであり、下
記比較例8の値と同じである。
【0055】比較例5:実施例3において、「実施例2
で得たナイロン6樹脂組成物」のかわりに比較例2で得
たナイロン6樹脂組成物ペレットを使用して同様の実験
を行った。
【0056】比較例6:実施例4において、「実施例2
で得たナイロン6樹脂組成物」のかわりに比較例2で得
たナイロン6樹脂組成物ペレットを使用して同様の実験
を行った。
【0057】比較例7:実施例3において、「実施例2
で得たナイロン6樹脂組成物」のかわりにナイロン6
(三菱化成(株)製ノバミッド1020J)ペレットを
使用して同様の実験を行った。
【0058】比較例8:実施例4において、「実施例2
で得たナイロン6樹脂組成物」のかわりにナイロン6
(三菱化成(株)製ノバミッド1020J)ペレットを
使用して同様の実験を行った。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】上記各実施例及び各比較例から明らかな
様に、本発明のポリアミド樹脂組成物は、均一に微分散
した層状珪酸塩を含み従来にない優れたガスバリヤー性
を有する成形体を提供し得るものである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂マトリックス中に層状珪
    酸塩が微分散したポリアミド成形体であり、該成形体の
    灰分量をA(重量%)とし、23℃、相対湿度95%の
    条件で測定した該成形体の厚さ25μm当たりの酸素透
    過速度をP(cc/day/m2 /atm)とした時、
    下記a式、b式及びc式を同時に満たすことを特徴とす
    るポリアミド成形体。 【数1】 0.05≦A≦5 (a) 【数2】 P≦k・A+N (b) 【数3】 k=0.0017N2 −0.43N+0.14 (c) (但し、b式及びc式にて、NはA=0の場合のPの値
    を表す。)
  2. 【請求項2】 層状珪酸塩が5nm以上の平均層間距離
    で微分散していることを特徴とする、請求項1記載のポ
    リアミド成形体。
  3. 【請求項3】 層状珪酸塩が、層間にオニウムイオンを
    有することを特徴とする、請求項1または2記載のポリ
    アミド成形体。
  4. 【請求項4】 層状珪酸塩が、ポリアミド成形体中0.
    05〜5重量%の割合で含有されることを特徴とする、
    請求項1ないし3記載のポリアミド成形体。
  5. 【請求項5】 ポリアミド樹脂が、脂肪族ポリアミド1
    00〜70重量%及び芳香族ポリアミド0〜30重量%
    から成ることを特徴とする、請求項1ないし4記載のポ
    リアミド成形体。
  6. 【請求項6】 金属アルコキシドを含有することを特徴
    とする、請求項1ないし5記載のポリアミド成形体。
  7. 【請求項7】 金属アルコキシドが、アルコキシシラン
    類であることを特徴とする、請求項6記載のポリアミド
    成形体。
  8. 【請求項8】 金属アルコキシドが、ポリアミド成形体
    中0.005〜5重量%含有されることを特徴とする、
    請求項6または7記載のポリアミド成形体。
  9. 【請求項9】 成形体がフィルムである請求項1ないし
    8記載のポリアミド成形体。
  10. 【請求項10】 成形体が包装材料である請求項1ない
    し8記載のポリアミド成形体。
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