JP2002088255A - 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法

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JP2002088255A
JP2002088255A JP2000280767A JP2000280767A JP2002088255A JP 2002088255 A JP2002088255 A JP 2002088255A JP 2000280767 A JP2000280767 A JP 2000280767A JP 2000280767 A JP2000280767 A JP 2000280767A JP 2002088255 A JP2002088255 A JP 2002088255A
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layered silicate
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silicate composite
composite
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JP2000280767A
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Toru Nishimura
西村  透
Makiko Saito
真希子 斎藤
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂と層状珪酸塩複合体からなる強
度や剛性に優れ、かつ表面外観に優れる熱可塑性樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性樹脂と(B)層状珪酸塩
複合体を溶融混練してなる熱可塑性樹脂組成物であっ
て、層状珪酸塩複合体が膨潤性層状珪酸塩の層間に存在
する交換性金属陽イオンが有機オニウムイオンで交換さ
れ、該層状珪酸塩複合体の板状結晶層の層間距離が1.
6〜2.9nmである層状珪酸塩複合体を熱可塑性樹脂
組成物中の無機灰分量で0.1〜40重量%含有せしめ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物
およびその製造方法に関する。具体的には、熱可塑性樹
脂と層状珪酸塩からなる機械的性質の改良された熱可塑
性樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂の機械的性質を
改良するために、ガラス繊維や無機充填剤を樹脂に配合
することが実施されている。しかし、これら無機フィラ
ーを単純に溶融混練するだけでは、樹脂中の無機フィラ
ーの分散や界面接着も悪く、耐衝撃性が低い、表面外観
が悪いといった問題がある。そこで、熱可塑性樹脂と無
機フィラーとの親和性または結合力を高める為に、無機
フィラーの表面に有機シラン等のカップリング処理を施
し、樹脂中のフィラー分散を改良する方法があるが、か
かる方法では樹脂と無機フィラーとの間のなじみを良く
する程度であり、十分な改良には到っていない。また、
通常のフィラーでは、十分な強度を得るためには充填量
を上げる必要があり、得られる樹脂組成物が高比重にな
るといった問題も生じてくる。
【0003】一方、無機層状化合物の一種である粘土鉱
物は、フィラーとしての使用が古くから試みられている
が、混練を行うと二次凝集が起こってしまい、樹脂中へ
の均一な分散が困難であった。そこで、粘土鉱物である
モンモリロナイトや合成雲母の膨潤性を利用して、樹脂
中へ分散させようとする試みが提案されている。特開平
8−12881号公報には層状珪酸塩をホストとし特定
の4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物を
用いることで、均一な分散を得ようとする試みがなされ
ている。また、特開平8−151449号公報や特開平
9−48856号公報には粘土鉱物を溶媒で膨潤させた
後に樹脂と溶融混練し、押出機に設けたベント口を減圧
に保持して溶媒を除去し、均一な分散を得ようとする試
みが開示されている。しかしながら、これらの方法でも
凝集物を完全に無くすことは困難であり、特に層状珪酸
塩として、カチオン交換容量が比較的低いものを原料と
した場合にその傾向が顕著であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上述
の問題を解消すること、すなわち、熱可塑性樹脂中に層
状珪酸塩を凝集することなく均一に分散させ、高剛性で
表面外観に優れると言う極めて優れた性質を発現する熱
可塑性樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の層間
距離を有する層状珪酸塩複合体を熱可塑性樹脂と溶融混
練することにより高剛性で表面外観に優れると言う極め
て優れた性質を発現する熱可塑性樹脂組成物を得ること
ができることを見出し、本発明に至った。
【0006】すなわち本発明は、(1)(A)熱可塑性
樹脂と(B)層状珪酸塩複合体を溶融混練してなる熱可
塑性樹脂組成物であって、(B)層状珪酸塩複合体が膨
潤性層状珪酸塩の層間に存在する交換性金属陽イオンを
有機オニウムイオンで交換してなり、該層状珪酸塩複合
体の板状結晶層の層間距離が1.6〜2.9nmである
複合体であり、(B)層状珪酸塩複合体を、熱可塑性樹
脂組成物中の無機灰分量で0.1〜40重量%含有せし
めることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、(2)膨潤
性層状珪酸塩の交換性金属陽イオンを有機オニウムイオ
ンで交換し、層間距離を1.6〜2.9nmとした層状
珪酸塩複合体を熱可塑性樹脂と溶融混練することを特徴
とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法、を主たる構成と
するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で用いる(A)熱可塑性樹脂とは、加熱により溶融
成形可能な樹脂を言う。その具体例としてはポリアミド
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
アセタール樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンオキシド
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリ
ル樹脂などが挙げられる。これらは一種、または二種以
上で用いられる。なかでもポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂が好ましく用られる。
【0008】ここで、ポリアミド樹脂とは、アミノ酸、
ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料
とするポリアミドである。その原料の代表例としては、
6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、1
2−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸など
のアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム
などのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレ
ンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウン
デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
(2,2,4−または2,4,4−)トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、
メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4
−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−
3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキ
サン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス
(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、
2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、
ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペ
ラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およ
びアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−
クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メ
チルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙
げられ、本発明においては、これらの原料から誘導され
るポリアミドホモポリマーもしくはコポリマーを各々単
独または混合物の形で用いることができる。
【0009】本発明において、とくに好適に用いられる
ポリアミド樹脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性
や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例とし
てはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチ
レンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/
ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6
/66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプ
ロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘキサ
メチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリ
マー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジ
パミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマ
ー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロ
アミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘ
キサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタ
ルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリ
マー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレ
ンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルア
ミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメ
チレンテレフタルアミド/ポリ(2ーメチルペンタメチ
レン)テレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M
5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘ
キサメチレンセバカミド/ポリカプロアミドコポリマー
(ナイロン6T/610/6)、ポリヘキサメチレンテ
レフタルアミド/ポリドデカンアミド/ポリヘキサメチ
レンアジパミドコポリマー(ナイロン6T/12/6
6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデ
カンアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポ
リマー(ナイロン6T/12/6I)、ポリキシリレン
アジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合物な
いし共重合体などが挙げられる。
【0010】とりわけ好ましいものとしては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン6/66コポリマー、ナイ
ロン610およびナイロン66/6I/6コポリマー、
ならびにナイロン6T/66コポリマー、ナイロン6T
/6Iコポリマー、ナイロン6T/6コポリマー、ナイ
ロン6T/12コポリマー、ナイロン6T/12/66
コポリマー、ナイロン6T/12/6Iコポリマーなど
のヘキサメチレテレフタラミド単位を有する共重合体か
ら選ばれる少なくとも一種のポリアミドである。これら
のポリアミド樹脂は成形性、耐熱性、靱性、表面性など
の必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好
適である。
【0011】ポリアミド樹脂の重合度にはとくに制限が
ないが、ポリアミド樹脂1重量%の98%濃硫酸溶液
中、25℃で測定した相対粘度が2.0〜4.0の範囲
のものが好ましい。
【0012】本発明で用いられるポリアミド樹脂は、そ
の末端アミノ基濃度をa(mol/g)、末端カルボキ
シル基濃度をb(mol/g)としたときに、両者の比
a/bが0.9以上であることが好ましい。より好まし
くは1.0以上、更に好ましくは1.5以上、特に好ま
しくは3.0以上である。上限については特に制限はな
いが20以下程度である。かかるa/bとすることで、
層状珪酸塩複合体の分散性は更に良好なものとなり、機
械特性も一層優れた効果を発現する組成物を得ることが
できる。
【0013】なお、ポリアミド樹脂の末端アミノ基およ
びカルボキシル基濃度は次のようにして測定する。末端
アミノ基はポリアミド樹脂をフェノール/エタノール混
液(フェノール83.5%)に溶解させ、塩酸で中和滴
定あるいは電位差滴定する方法で、また、カルボキシル
基はポリアミド樹脂をベンジルアルコールに溶解させ、
水酸化カリウムで中和滴定する方法で測定される。
【0014】本発明で用いるポリアミド樹脂の末端アミ
ノ基濃度は2×10-5〜15×10 -5mol/gである
ことが好ましく、より好ましくは3×10-5〜12×0
-5、mol/g、特に好ましくは5×10-5〜10×1
-5mol/gである。末端アミノ基濃度をかかる範囲
内とすることで、層状珪酸塩複合体の分散性は良好にな
り、成形品の表面外観も一層優れたものとなる。
【0015】本発明に好ましく用いるポリエステル樹脂
とは、芳香環を重合体の連鎖単位に有する熱可塑性のポ
リエステルを言い、通常、芳香族ジカルボン酸(あるい
はそのエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそ
のエステル形成性誘導体)および/またはヒドロキシカ
ルボン酸とを主成分とする縮合反応により得られる重合
体ないしは共重合体であり、液晶性のものであっても非
液晶性のものであってもよい。
【0016】かかるポリエステルの具体例としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリへキシレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェ
ノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートのほ
か、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポ
リブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリ
エチレン−4,4’−ジカルボキシレート/テレフタレ
ート、p−オキシ安息香酸/ポリエチレンテレフタレー
ト、p−オキシ安息香酸/6−オキシ−2−ナフトエ酸
などの共重合ポリエステルが挙げられる。
【0017】中でも好ましく用いられるものは、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
から選ばれる少なくとも一種のポリエステルである。こ
れらのポリエステル樹脂を成形性、耐熱性、靱性、表面
性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実
用上好適である。
【0018】ポリエステル樹脂の重合度にはとくに制限
がなく、ポリブチレンテレフタレートの場合は0.5重
量%のo−クロロフェノール溶液中、25℃で測定した
固有粘度として0.80〜1.9の範囲であるものが好
ましい。より好ましくは特に1.0〜1.5の範囲のも
のである。また、ポリエチレンテレフタレートの場合は
上記と同条件で測定した固有粘度として0.36〜1.
60の範囲であることが好ましい。より好ましくは0.
52〜1.35の範囲のものである。
【0019】本発明で用いる(B)層状珪酸塩複合体
は、膨潤性層状珪酸塩の層間に存在する交換性金属陽イ
オンを有機オニウムイオンで交換してなり、その板状結
晶層の層間距離が1.6〜2.9nmである複合体であ
る。
【0020】本発明で言う膨潤性層状珪酸塩とは、粘土
ハンドブック41頁(日本粘土学会編、技報堂(昭和4
2年1月15日発行))に示されるがごときアルミニウ
ム、マグネシウム、リチウム等の金属を含む八面体シー
トの上下に珪酸四面体シートが重なって1枚の板状結晶
層を形成している2:1型の構造を持つものであり、そ
の板状結晶層の層間に交換性の陽イオンを有している。
【0021】その1枚の板状結晶の大きさは、通常幅
0.05〜0.5μm、厚さ6〜15オングストローム
である。また、その交換性陽イオンの陽イオン交換容量
は20〜300meq/100gのものが挙げられ、好
ましくは陽イオン交換容量が40〜110meq/10
0g、より好ましくは60〜95meq/100gであ
る。陽イオン交換容量はメチレンブルー吸着法で測定し
た値である。
【0022】かかる膨潤性層状珪酸塩の具体例としては
モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サ
ポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタ
イト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、カ
ネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニ
ウムなどの各種粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、
Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、
Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性雲母等が挙げられ、
天然のものであっても合成されたものであっても良い。
これらのなかでもモンモリロナイト、ヘクトライトなど
のスメクタイト系粘土鉱物が好ましく用いられ、特にモ
ンモリロナイトが最も好ましく用いられる。
【0023】本発明で用いる層状珪酸塩複合体は、層間
に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換
されている。
【0024】有機オニウムイオンとしてはアンモニウム
イオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなど
が挙げられる。これらのなかではアンモニウムイオンと
ホスホニウムイオンが好ましく、特にアンモニウムイオ
ンが好ましい。アンモニウムイオンとしては、一級アン
モニウムイオン、二級アンモニウムイオン、三級アンモ
ニウムイオン、四級アンモニウムイオンのいずれであっ
ても良い。
【0025】一級アンモニウムイオンとしては、デシル
アンモニウム、ドデシルアンモニウム、オクタデシルア
ンモニウム、オレイルアンモニウム、ベンジルアンモニ
ウムなどが挙げられる。二級アンモニウムイオンとして
は、メチルドデシルアンモニウム、メチルオクタデシル
アンモニウムなどが挙げられる。三級アンモニウムイオ
ンとしては、ジメチルドデシルアンモニウム、ジメチル
オクタデシルアンモニウムなどが挙げられる。四級アン
モニウムイオンとしては、ベンジルトリメチルアンモニ
ウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリ
ブチルアンモニウム、ベンジルジメチルドデシルアンモ
ニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムな
どのベンジルトリアルキルアンモニウムイオン、トリメ
チルオクチルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモ
ニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウムなどのア
ルキルトリメチルアンモニウムイオン、ジメチルジオク
チルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、
ジメチルジオクタデシルアンモニウムなどのジメチルジ
アルキルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアン
モニウム、トリドデシルメチルアンモニウムなどのトリ
アルキルメチルアンモニウムイオンなどが挙げられる。
【0026】また、これらの他にもアニリン、p−フェ
ニレンジアミン、α−ナフチルアミン、p−アミノジメ
チルアニリン、ベンジジン、ピリジン、ピペリジン、6
−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸などから誘導されるアンモニウムイ
オンなども挙げられる。
【0027】上述のアンモニウムイオンの中でも、炭素
数が15〜30の四級アンモニウムイオンを用いること
が非常に好ましい。かかる四級アンモニウムイオンとし
ては、具体的にはトリオクチルメチルアンモニウム、ト
リメチルオクタデシルアンモニウム、ベンジルジメチル
オクタデシルアンモニウムなどが挙げられ、特にトリオ
クチルメチルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデ
シルアンモニウムを用いることが最も好ましい。
【0028】本発明において層間に存在する交換性陽イ
オンが有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩複合
体は、交換性の陽イオンを層間に有する膨潤性層状珪酸
塩と有機オニウムイオンを公知の方法で反応させること
により製造することができる。具体的には、水、メタノ
ール、エタノールなどの極性溶媒中でのイオン交換反応
による方法か、層状珪酸塩に液状あるいは溶融させたア
ンモニウム塩を直接反応させることによる方法などが挙
げられる。
【0029】本発明において、層状珪酸塩複合体中に含
有される有機オニウムイオンの量は、層状珪酸塩複合体
の分散性、溶融時の熱安定性、成形時のガス、臭気の発
生抑制などの点から、層状珪酸塩の陽イオン交換容量に
対し、0.4〜2.0当量の範囲であるものを用いるこ
とが好ましく、0.8〜1.2当量の範囲のものを用い
ることが更に好ましい。
【0030】本発明において層状珪酸塩複合体の板状結
晶層の層間距離は1.6〜2.9nmであることが必要
である。ここで層間距離とは、層状珪酸塩複合体の乾燥
粉末を広角X線回折測定して得られた面間隔を言う。層
間距離が1.6nm未満の場合または2.9nmを超え
る場合は、熱可塑性樹脂と溶融混練した場合に層状珪酸
塩が均一に分散できず、本発明の目的を達成することが
できない。層間距離は、用いる層状珪酸塩のカチオン交
換容量、有機オニウムイオンのかさ高さ(炭素数)、有
機オニウムイオンの量によって調整することができる。
【0031】また、これら層状珪酸塩複合体は上記の有
機オニウム塩に加え、反応性官能基を有するカップリン
グ剤で予備処理して使用することは、より優れた機械的
強度を得られるために好ましく採用される。かかるカッ
プリング剤としてはイソシアネート系化合物、有機シラ
ン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化
合物、エポキシ化合物などが挙げられる。
【0032】特に好ましいのは、有機シラン系化合物
(以下シランカップリング剤と言うこともある)であ
り、その具体例としては、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有ア
ルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイ
ドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイド
エチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレ
イド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナト
プロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジ
メトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエ
トキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシ
ランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合
物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合
物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含
有アルコキシシラン化合物、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N
−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩等の炭素炭素不
飽和基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。
特に、炭素−炭素不飽和基含有アルコキシシラン化合物
が好ましく用いられる。これらシランカップリング剤で
の層状珪酸塩の処理は、水、メタノール、エタノールな
どの極性溶媒中、あるいはこれらの混合溶媒中でシラン
カップリング剤を層状珪酸塩に吸着させる方法や、ヘン
シェルミキサー等の高速攪拌混合機の中に層状珪酸塩を
添加し、攪拌しながらシランカップリング剤あるいは有
機溶媒を含む水溶液の形で滴下して吸着させる方法、あ
るいは層状珪酸塩に直接シランカップリング剤を添加し
て、乳鉢等で混合して吸着させることによる方法などを
挙げることができる。層状珪酸塩をシランカップリング
剤で処理する場合には、シランカップリング剤のアルコ
キシ基の加水分解を促進するために水、酸性水、アルカ
リ性水等を同時に混合するのが好ましい。また、シラン
カップリング剤の反応効率を高めるため、水のほかにメ
タノールやエタノール等の水、シランカップリング剤両
方を溶解する有機溶媒を混合してもかまわない。このよ
うなシランカップリング剤で処理した層状珪酸塩を熱処
理することによってさらに反応を促進させることも可能
である。なお、予め層状珪酸塩をカップリング剤で処理
する代わりに、層状珪酸塩複合体と熱可塑性ポリエステ
ルを溶融混練する際に、これらカップリング剤を添加す
るいわゆるインテグラルブレンド法を用いてもよい。
【0033】本発明において(B)層状珪酸塩複合体の
含有量は本発明の熱可塑性樹脂組成物中の無機灰分量と
して0.1〜40重量%である。好ましくは、0.5〜
20重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。灰
分量が0.1重量%未満であると物性改良効果が小さ
く、灰分量が40重量%を超えると靱性が低下し、本発
明の目的を達成することができない。無機灰分量は熱可
塑性樹脂組成物2gを500℃の電気炉中で3時間灰化
させて求めた値である。
【0034】本発明では必要に応じて、カルボン酸無水
物基を分子内に有するオレフィン化合物またはこれらオ
レフィン化合物の重合体を含有せしめることができる。
その具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニ
ット酸、またはこれら置換オレフィン化合物の重合体な
どが挙げられる。なお、オレフィン化合物の重合体には
スチレン、イソブチレン、メタクリル酸エステル、アク
リル酸エステルなど、カルボン酸無水物基を分子内に有
するオレフィン化合物以外のオレフィン化合物が本発明
の効果を損なわない範囲で共重合されていても差し支え
ないが、実質的にカルボン酸無水物基を分子内に有する
オレフィン化合物重合体であることが好ましい。オレフ
ィン化合物重合体の重合度は2〜100が好ましく、よ
り好ましくは2〜50であり、特に好ましくは2〜20
である。中でも、無水マレイン酸、ポリ無水マレイン酸
が最も好ましく用いられる。ポリ無水マレイン酸として
は、例えば、ジャーナル・オブ・マクロモレキュラー・
サイエンス・レビューズ・マクロモレキュラー・ケミス
トリー(J. Macromol. Sci.-Revs. Macromol. Chem.)
C13(2)巻,235頁(1975)等に記載のもの
を用いることができる。
【0035】これらカルボン酸無水物基を分子内に有す
るオレフィン化合物またはこれらオレフィン化合物の重
合体を添加する場合の添加量は熱可塑性樹脂組成物10
0重量部に対して0.05〜10重量部が衝撃強度の向
上効果、組成物の流動性の点から好ましく、さらに0.
1〜5重量部の範囲であることが好ましく、さらに好ま
しくは0.1〜3重量部である。
【0036】なお、ここで用いるカルボン酸無水物基を
分子内に有するオレフィン化合物またはこれらオレフィ
ン化合物の重合体は実質的に熱可塑性樹脂と溶融混練す
る際に無水物の構造を取ればよく、これらオレフィン化
合物またはオレフィン化合物の重合体を加水分解してカ
ルボン酸あるいはその水溶液の様な形態で溶融混練に供
し、溶融混練の際の加熱により脱水反応させ、酸無水物
を形成させつつ熱可塑性樹脂と溶融混練してもかまわな
い。
【0037】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)熱
可塑性樹脂と(B)層状珪酸塩複合体を溶融混練する方
法で製造される。溶融混練の方法には特に制限はなく、
熱可塑性樹脂の溶融状態下で機械的剪断を行うことがで
きればよい。その処理方法もバッチ式または連続式のい
ずれでも良いが、連続的に製造できる連続式の方が生産
性の面から好ましい。具体的な混練装置にも制限はない
が、押出機、特に二軸押出機が生産性の面で好ましい。
スクリューアレンジにも特に制限は無いが、層状珪酸塩
をより均一に分散させるためにニーディングゾーンを設
けることが好ましい。また、溶融混練時に発生する水分
や、低分子量の揮発成分を除去する目的で、溶融混練装
置にベント口を設けることも好ましく用いられる。
【0038】さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で公知の各種添加成
分、例えばガラス繊維、炭素繊維、針状ワラステナイト
などの針状無機充填材、ガラスフレーク、タルク、カオ
リン、マイカなどの板状無機充填材、各種エラストマー
類などの衝撃性改良材、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダ
ードフェノール、ヒンダードアミンなどの酸化防止剤、
エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルな
どの離型剤、エポキシ化合物、可塑剤、熱安定剤、滑
剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を含有
することができる。
【0039】本発明の熱可塑性樹脂組成物は押出成形、
射出成形など通常の加工方法で容易に成形品とすること
ができる。得られた成形品は少ないフィラー量で、高い
曲げ弾性率を示し、表面外観に優れるため、種々のエン
ジニアリング部品、構造材料に適している。
【0040】本発明が好ましく用いられる具体的用途の
例としては各種ギア、各種ケース、センサー、コネクタ
ー、ソケット、抵抗器、リレーケーススイッチコイルボ
ビン、ハウジング、コンピューター関連部品などに代表
される電気・電子部品、VTR、テレビ、アイロン、ヘ
アードライヤー、炊飯器、電子レンジ、音響機器、照明
器具、冷蔵庫、エアコン、タイプライター、ワードプロ
セッサーなどに代表される家庭、事務電気製品部品、オ
イルレス軸受、船尾軸受、水中軸受などの各種軸受、モ
ーター部品、ライター、タイプライター、各種ボルト・
ナット、電動工具ハウジング、自転車・三輪車・雪上車
などのホイールなどの機械関連部品、オルタネータータ
ーミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレー
ター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排
気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸
気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、
インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水
ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタ
ースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油
温センサー、スロットルポジションセンサー、クランク
シャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、
ブレーキバット摩耗センサー、エアコン用サーモスタッ
トベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエ
ーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポン
プインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係
部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スタ
ーターリレー、ワイヤーハーネスコネクター、ウィンド
ウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃
料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホー
ンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターロー
ター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハ
ウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エン
ジンオイルフィルター、点火装置ケース、リレーボック
ス、ジャンクションボックス、ホイールキャップ、クリ
ップ、ファスナー、エンジンカバー、シリンダヘッドカ
バー、タイミングベルトカバー、ラジエタータンクなど
の自動車・車両関連部品、住宅の内装・外装部品、構造
材料、サッシ部品などの建築資材、椅子脚などの家具関
連部品などが挙げられる。
【0041】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳述する。 評価項目と測定方法 ポリアミド樹脂の重合度:98%濃硫酸中、25℃、濃
度1重量%で測定した相対粘度として求めた。
【0042】ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度:フェ
ノール/エタノール溶液(フェノール83.5%)をチ
モールブルーを指示薬として用い、塩酸で中和滴定し
た。
【0043】ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基濃
度:ベンジルアルコール溶液をフェノールフタレインを
指示薬として用い、水酸化カリウムで中和滴定した。
【0044】層状珪酸塩の層間距離:広角X線回折装置
(理学電気製RINT1100)を用い、層状珪酸塩複
合体の粉末試料を2θ=2〜20度の範囲で測定し、d
(001)ピークをもって層間距離を求めた。
【0045】曲げ試験:ASTM D790に準じて測
定を行った。用いた試験片は1/2インチ×5インチ×
1/4インチの棒状試験片である。
【0046】表面異物数:80mm×80mm×3mm
の角板を成形し、その成形品表面を走査型電子顕微鏡
(SEM)で観察し、一辺2mm×2mmの視野内に存
在する直径0.1mm以上の異物数をカウントした。こ
の測定を任意の3点について行い、その平均値として求
めた。
【0047】実施例1 Na型モンモリロナイト(陽イオン交換容量85meq
/100g)100gを温水10リットルに攪拌分散
し、ここにベンジルジメチルステアリルアンモニウムク
ロライド(BDMS:炭素数27)36g(陽イオン交
換容量(CEC)に対して1.0倍)を溶解させた温水
2リットルを添加して1時間攪拌した。生じた沈殿を濾
別した後、温水で洗浄した。この洗浄と濾別の操作を3
回行い、得られた固体を80℃で真空乾燥し、層状珪酸
塩複合体を得た。広角X線回折で求めた層間距離は1.
9nmであった。次に別途合成した相対粘度が2.7
4、末端アミノ基濃度6.0×10-5mol/g、末端
カルボキシル基濃度6.0×10-5mol/gのナイロ
ン6樹脂に、この層状珪酸塩複合体を無機灰分量で3重
量%となるように配合し、タンブラーミキサーでプレブ
レンドした後、シリンダ温度を250℃に設定したTE
X30型二軸押出機(日本製鋼所社製)を用いて溶融混
練し、熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物
はペレタイズした後、80℃で10時間真空乾燥し、シ
リンダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形を行
い、試験片を得た。機械物性および表面外観の評価結果
を表1に示した。
【0048】実施例2 実施例1においてBDMSの添加量をモンモリロナイト
の陽イオン交換容量の1.2倍とする以外は同様にして
層状珪酸塩複合体を製造し、ナイロン6と溶融混練し、
樹脂組成物を得た後、成形・評価を行った。結果を表1
に示した。 比較例1 BDMSの添加量をモンモリロナイトの陽イオン交換容
量の0.8倍とする以外は実施例1と同様にして層状珪
酸塩複合体を製造し、ナイロン6と溶融混練し、樹脂組
成物を得た後、成形・評価を行った。結果を表2に示し
た。
【0049】実施例3〜5 アンモニウム塩としてトリオクチルメチルアンモニウム
クロライド(TOM:炭素数25、実施例3,4)ある
いはジメチルジオクタデシルアンモニウムクロライド
(DMDS:炭素数38、実施例5)を用い、モンモリ
ロナイトの陽イオン交換容量に対して表1に示した割合
で反応させる以外は実施例1と同様にして層状珪酸塩複
合体を製造し、ナイロン6と溶融混練し、樹脂組成物を
得た後、成形・評価を行った。結果を表1に示した。
【0050】比較例2〜5 アンモニウム塩としてトリオクチルメチルアンモニウム
クロライド(TOM:炭素数25、比較例2)またはジ
メチルジオクタデシルアンモニウムクロライド(DMD
S:炭素数38、比較例3)またはベンジルトリメチル
アンモニウムクロライド(BTM:炭素数10、比較例
4,5)を用い、モンモリロナイトの陽イオン交換容量
に対して表2に示した割合で反応させる以外は実施例1
と同様にして層状珪酸塩複合体を製造し、ナイロン6と
溶融混練し、樹脂組成物を得た後、成形・評価を行っ
た。結果を表2に示した。
【0051】比較例6 Na型モンモリロナイトとして陽イオン交換容量120
meq/100gのものを用い、トリオクチルメチルア
ンモニウムクロリドをCECの1.2倍量加えた他は実
施例1と同様にして層状珪酸塩複合体を製造し、ナイロ
ン6と溶融混練し、樹脂組成物を得た後、成形・評価を
行った。結果を表2に示した。
【0052】実施例6、7 熱可塑性樹脂としてo−クロロフェノール溶液中、濃度
0.5%、25℃で測定した固有粘度が1.2のポリブ
チレンテレフタレート樹脂を合成し、実施例1で用いた
層状珪酸塩複合体(実施例6)、実施例2で用いた層状
珪酸塩複合体(実施例7)をそれぞれ無機灰分量で2重
量%となるように配合し、タンブラーミキサーでプレブ
レンドした後、シリンダ温度を250℃に設定したTE
X30型二軸押出機(日本製鋼所社製)で溶融混練し、
熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はペレ
タイズした後、110℃で10時間熱風乾燥し、シリン
ダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形を行い、試
験片を得た。機械物性および表面外観の評価結果を表3
に示した。
【0053】比較例7、8 層状珪酸塩複合体として比較例1(比較例7)、比較例
2(比較例8)で用いたものを用いる以外はそれぞれ実
施例6と同様にして樹脂組成物を得た後、成形・評価を
行った。結果を表4に示した。
【0054】実施例8 熱可塑性樹脂として東レ社製ABS樹脂「トヨラック1
00」を用い、実施例1で用いた層状珪酸塩複合体を無
機灰分量で2重量%となるように配合し、タンブラーミ
キサーでプレブレンドした後、シリンダ温度を220℃
に設定したTEX30型二軸押出機(日本製鋼所社製)
で溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた樹
脂組成物はペレタイズした後、70℃で4時間熱風乾燥
し、シリンダ温度230℃、金型温度60℃で射出成形
を行い、試験片を得た。機械物性および表面外観の評価
結果を表3に示した。
【0055】比較例9、10 層状珪酸塩複合体として、比較例3(比較例9)、比較
例4(比較例10)で用いたものを用いる以外は実施例
8と同様にして樹脂組成物を得た後、成形・評価を行っ
た。結果を表4に示した。
【0056】実施例9 熱可塑性樹脂として東レ社製ポリパラフェニレンスルフ
ィド樹脂L2120を用い、実施例1で用いたものと同
じ層状珪酸塩複合体を無機灰分量で2重量%となるよう
に配合し、タンブラーミキサーでプレブレンドした後、
シリンダ温度を330℃に設定したTEX30型二軸押
出機(日本製鋼所社製)で溶融混練し、樹脂組成物を得
た。得られた組成物はペレタイズした後、120℃で1
0時間熱風乾燥し、シリンダ温度320℃、金型温度1
35℃で射出成形を行い、試験片を得た。機械物性およ
び表面外観の評価結果を表3に示した。
【0057】比較例11、12 層状珪酸塩複合体として比較例3(比較例11)、比較
例4(比較例12)で用いたものを用いる以外はそれぞ
れ実施例9と同様にして樹脂組成物を得た後、成形・評
価を行った。結果を表4に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、機械的性質に優れた樹
脂組成物が容易に得られ、特に無機灰分量が少なくても
曲げ弾性率など剛性に優れ、成形品表面外観の良好な樹
脂組成物が得られるので、自動車部品、電機・電子部
品、建材、家具、日用雑貨品などの成形品用に適してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA54 AA71 AB09 AC27 AD01 AE01 FA04 FA13 4J002 BB011 BC021 BG001 BN151 CB001 CF041 CF051 CF061 CF071 CF081 CF161 CF181 CG001 CH071 CL011 CL031 CL051 CN011 DH046 DJ006 DJ056 FA016 FB086 FB096 FB106 FB136 FB146 FB156 FD010 FD016 FD160 GL00 GM00 GM05 GN00 GQ00 GQ01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂と(B)層状珪酸塩複
    合体を溶融混練してなる熱可塑性樹脂組成物であって、
    (B)層状珪酸塩複合体が膨潤性層状珪酸塩の層間に存
    在する交換性金属陽イオンを有機オニウムイオンで交換
    してなり、該層状珪酸塩複合体の板状結晶層の層間距離
    が1.6〜2.9nmである複合体であり、(B)層状
    珪酸塩複合体を、熱可塑性樹脂組成物中の無機灰分量で
    0.1〜40重量%含有せしめることを特徴とする熱可
    塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】膨潤性層状珪酸塩がスメクタイト系粘土鉱
    物であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】膨潤性層状珪酸塩のカチオン交換容量が4
    0〜110meq/100gであることを特徴とする請
    求項1〜2いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(B)膨潤性層状珪酸塩複合体の層間に存
    在する有機オニウムイオンが炭素数15〜30の四級ア
    ンモニウムイオンであることを特徴とする請求項1〜3
    いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(A)熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の熱可塑
    性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度をa
    (mol/g)、末端カルボキシル基濃度をb(mol
    /g)としたとき、その比a/bの値が0.9以上であ
    ることを特徴とする請求項5記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】膨潤性層状珪酸塩の交換性金属陽イオンを
    有機オニウムイオンで交換し、層間距離を1.6〜2.
    9nmとした層状珪酸塩複合体を熱可塑性樹脂と溶融混
    練することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方
    法。
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