JP4607501B2 - 前輪二輪ステアリングを備えた三輪ローリング車 - Google Patents

Description

本発明は、前輪二輪ステアリングを備えた三輪ローリング車に関する。

自動車、特に三輪自動車の分野では、時のたつにつれて重要な実施態様の多様化が益々要求されている。
特に、小型自動車の製造を認めていないが、運転するのに安全で、足の支えがなくても操縦するのを容易にする、種々の構造の一輪ステアリングと前輪二輪ステアリングの両方を備えた三輪自動車が提案されている。
実際、上述した三輪自動車に関する一般的な問題では、オートバイの扱いやすさを備えていても、自動車の安定性に欠けるという点が明らかにされている。要するに、四輪自動車が一般的にもつ安定性のよりよい部分を保ちつつ、二輪自動車のように（運転者が傾いて）運転できる三輪自動車を達成することを目的としている。
さらに、特定のタイプの三輪自動車では、運転を最大限容易にし、都市交通を楽にすることが要求されている。このことは、一般的には、運転者が、停止の際必ずしも足を地面に置かなくてもよい、制限された幅から得るものである。
そのように要求された自動車は、悪天候でも良好な安全性と保護を絶対に与えなければならない。例えば、車両カバーは、たとえ寸法と全寸法が限られていても、ボディによって提供されるべきである。

したがって、本発明の主目的は、前輪二輪ステアリングを備えた三輪自動車において上述した問題及び欠点を解決することにある。
本発明の他の目的は、あたかもオートバイのような操縦をかばうロールの状態でさえも、地面に最大限密着可能にする三輪自動車を作ることである。
さらに、本発明の他の目的は、カバーを受ける三輪自動車を作ることである。
本発明の目的は、乗員及び荷物用の空間を備え、安全で、ある程度の快適性を備えた経済的な三輪自動車を作ることである。
さらに、本発明の他の目的は、付加的な任意の要素に利用できる空間を備えた、最小限の寸法を有する三輪自動車を作ることである。

本発明によるこれらの目的は、請求項１に記載の前輪二輪ステアリングを備えた三輪ローリング車を作ることによって成し遂げられる。
本発明のさらなる特徴及び利点は、従属の請求項によって明らかになる。本発明による前輪二輪ステアリングを備えた三輪ローリング車の特徴及び利点は、添付図面を参照して、以下に例示した限定のない説明からより明らかになる。

図面を参照すると、本発明による前輪二輪ステアリングを備えた三輪ローリング車が示され、全体が１１で指示されている。
自動車１１は、本質的には、固定軸線後輪１２、フレーム１３、及び、一組のステアリング用前輪１４，１５を有する。さらに、一般的には、ステアリング用前輪１４，１５を操作することができるハンドル１６が設けられている。この第１の一般的な配置により、モータ推進群とリアサスペンションが、フロントサスペンションのように、ここに以下に詳細に説明するいかなる種類の自動車から得られてもよいことが明らかである。すなわち、所定の種類から得られる完全な装備群を、車輪からステアリングチューブまで、本発明における新たな配置ともとの配置に使用してもよい。
ハンドル１６は、ステアリング軸線に相当する円筒ヒンジ１７によってフレーム１３に連結されている。レバー１８はハンドルに一体であり、自動車１１の内部に向かって延びている。レバー１８は、その自由端が一組の剛体ロッド１９，２０のそれぞれの端部に対して回動され、これらの剛体ロッド１９，２０は、レバー１８の謡動によって、自動車に対して横方向に移動することができる。

さらに、これらのロッド１９，２０の反対側の自由端は、ボールジョイント２７，２８によって追加レバー２９，３０に連結されていて、フロントを構成するステアリングチューブ３１，３２にステアリングの動きを伝え、独立したサスペンション３３，３４が設けられた２つの車輪１４，１５にステアリングの動きを生じさせ、各前輪１４，１５についてショックアブソーバ（図示せず）が設けられ、これらについても独立している。
上記のようにハンドル１６と一体であるレバー１８は、矢印２５で示すように、左操舵運転中、２つのロッド１９，２０がそれぞれストラット及びタイロッドとして作用するようにロッド１９，２０に作用する。右操舵運転の場合には、矢印２６によって、ロッド１９はタイロッドとして作用し、ロッド２０はストラットとして作用する。
したがって、フレームが傾いたときに、車輪１４，１５双方が、３５で指示した路面と接触しつづける運動幾何学的なロール群が結合した運動幾何学的なステアリング機構が作られる。

運動幾何学的なロール群が２つの水平方向剛体クロスバー２１，２２を有し、このクロスバー２１，２２は、その中心に取り付けられたピボット２３，２４によってフレーム１３に連結されていることに気付く。
この運動幾何学的なロール群は、全体が関節四角形を呈しているが、２つのサイドチューブ３６，３７と２本の「ダブル」水平クロスバー、すなわち上クロスバー２１と下クロスバー２２によって構成されている。２つのクロスバー２１，２２は、各端部でサイドチューブ３６，３７に円筒ヒンジ４０，４１，４２，４３を介して枢着され、これらのクロスバー２１，２２の中心点では、クロスバー２１，２２が円筒ヒンジ２３，２４によってフレーム１３に枢着されている。
後輪１２、及びフレーム／リアアクスル（ショックアブソーバ等）、並びに前輪１４，１５に関するホイールハブ／ショックアブソーバは、それらが二輪自動車についての周知の説明と同一であるかもしれないので詳細に説明していない。

さらに、いかに２本の水平クロスバー２１，２２が、これらの中心点で通常設けられている中央管なしにフレームに取り付けられているかに気付くべきである。２本の水平クロスバー２１，２２の各要素は、単一の部品で作られている（例えば、図で明らかなように、クロスバー２１、クロスバー２２を構成する２つの要素は、双方とも単一のロッドから作られている）。
特に、上部水平クロスバー２１は、フレーム１３に連結される単一の部品または２つの部品が円筒ヒンジ２３を中心に回転するように作られる。下部水平クロスバー２２は、フレーム１３に連結される単一の部品または２つの部品が、円筒ヒンジ２４を中心に回転するように作られる。
２つの独立したサスペンション３３，３４をホイール１４，１５のハブに２つの車輪に対して内部の位置と外部の位置の双方に結合するのがよい。

この自動車の動作については、理解しやすくするために特定の自動車の詳細部を省略し、種々の姿勢について概説している記述及び図示している図面にから、すぐにより明らかになる。
本発明による前輪二輪ステアリングを備えた自動車は、自動車の安定性とオートバイの操縦性を兼ね備えることができる。
実際に、一般には、（衝撃吸収装置を備えたリア部に連結されている）自動車のフロント部は、リア部に対するローリング機構を有することができ、自動車は、四輪自動車本来の安定性のよりよい部分を維持しながらまさに二輪自動車のように（運転者が傾いて）操縦される。

このような自動車により、運転が最大限楽になり、幅が限られているために都市交通を楽にし、停止したときに運転者が足を地面に着くのを回避することができる。この特徴において、改善された安定性のおかげて、天候に対して起こり得る問題をある程度防ぐことが証明された。
上述したような構造によって、この自動車を容易に覆うことができ、自動車をボディ付きの車に変えることができる。
さらに、前輪一輪ステアリングを備えた自動車のいくつかの欠点、要するに、一輪ステアリングによる不正確な操縦性と軌道設定によって生ずる横すべり等のようなものや、乗員及び又は荷物用の別の小さな空間の必要性は排除される。

これまで説明したことに基づいて、本発明の自動車によって予想される利点と新たな解決手段を要約する。
本発明の自動車は、スクーターと自動車の中間体として定められており、以下にまとめた基本的な特徴によって、両形態の利点を再現している。
・都市及び都市郊外用の小型三輪自動車
・良好な視野を保証するために、自動車の運転位置よりも高く、スクーターのような運転位置
・運転者及び乗員にとって良好な快適性
・運転時のより安全な感覚
・二輪スクーターの操縦性に似た操縦性
・停止時の操縦のしやすさ
・ローリングブロックの挿入時のキックスタンドの排除
・デファレンシャルの排除
・スクーターと同様な最大加速度及び速度
全体的には、自動車は、都市内の動きやすさの要求とほぼ二輪自動車のような駐車のしやすさの要求を満たすことができるように作られており、小型乗用車に関する快適性と安全性には悪影響を与えていない。

有利にも、二輪ステアリングとローリング機能を有するフロントグループに関して、ステアリングが自動車のロールによって生ずるのを回避するために、完全に２つの自由度を与える解決手段を開発したことに気付く。２つの車輪間の連結は、運動学的に正しいステアリングを保証するようなやり方でなされている。このようにして、三輪自動車は、傾斜可能な２つの平行な前輪ステアリングと、フレームと一体となる中央の後輪とを備えており、自動車をオートバイのように（フロント部分が傾斜可能で、リアと一緒にローリング運動で）運転することができる。
フロントステアリンググループ（関節式の四辺形）は、リア部分に対してロールすることができ、前輪は、後輪のように傾斜するが、常に地面と接触したままとなり、路面によく密着していることを保証する。

このように、本発明による前輪二輪ステアリングを備えた三輪ローリング車は、先に述べた目的を達成する。
考案された前輪二輪ステアリングを備えた三輪自動車は、同じ発明の概念で生ずる多くの修正及び変更を可能にする。
さらに、使用される材料は、寸法や構成部品を含め、技術的な要求にしたがっている。

本発明による前輪二輪ステアリングを備えた三輪ローリング車の前部の斜視図であり、前輪の連結のみを部分的に示す。 図１に示す自動車の側部における斜視図である。 図１に示す自動車の側部における片側の前輪のない斜視図である。 図１に示す自動車を上から見た部分拡大図である。

符号の説明

１１ 三輪ローリング車
１２ 後輪
１３ フレーム
１４，１５ 前輪
１６ ハンドル
１７ ヒンジ
１８ レバー
１９，２０ 剛体ロッド
２１，２２ クロスバー
２３，２４ ピボット
２７，２８ ボールジョイント
２９，３０ 追加レバー
３１，３２ ステアリングチューブ
３３，３４ サスペンション
３５ 路面
３６，３７ サイドチューブ
４０，４１，４２，４３ ヒンジ

Claims (7)

1. ２つのステアリング前輪（１４，１５）を備えた三輪ローリング車であって、
   フレーム（１３）と、
   ハンドル（１６）と、
   フレーム（１３）に対して回転する後輪と、
   ２つの前輪（１４，１５）で作動するステアリンググループと、を有し、
   ２つの水平クロスバー（２１，２２）が設けられ、これら水平クロスバー（２１，２２）は、ヒンジ（４０，４１，４２，４３）によってサイドチューブ（３６，３７）に枢動可能に連結され、付加的なヒンジ（２３，２４）を介して上記フレーム（１３）に連結され、上記サイドチューブ（３６，３７）は、ステアリングチューブ（３１，３２）を回転可能に支持し、上記ステアリングチューブ（３１，３２）の下端は、上記前輪（１４，１５）のハブに連結された独立したサスペンション（３３，３４）を保持し、上記独立したサスペンション（３３，３４）は、各々、ショックアブソーバを備え、上記２つの水平クロスバー（２１，２２）は、上部ダブル水平クロスバー（２１）と下部ダブル水平クロスバー（２２）とで構成され、これらの水平クロスバーは、中央において上記フレームに取り付けられ、上記上部ダブル水平クロスバー（２１）の一方及び上記下部ダブル水平クロスバー（２２）の一方は、湾曲していることを特徴とする三輪ローリング車。
2. 上記水平クロスバー（２１，２２）のそれぞれは、単一部品で作られている請求項１記載の三輪ローリング車。
3. 上記水平クロスバー（２１，２２）のそれぞれは、上記フレーム（１３）に連結された２つの要素で作られている請求項１記載の三輪ローリング車。
4. 上記独立のサスペンション（３３，３４）は、上記２つの前輪（１４，１５）に対して内側の位置にある、上記２つの前輪（１４，１５）のハブに連結される請求項１記載の三輪ローリング車。
5. 上記独立のサスペンション（３３，３４）は、上記２つの前輪（１４，１５）に対して外側の位置にある、上記２つの前輪（１４，１５）のハブに連結される請求項１記載の三輪ローリング車。
6. 上記ハンドル（１６）は、上記フレーム（１３）に回転可能に連結されている請求項１記載の三輪ローリング車。
7. 上記フレーム（１３）に回転可能に連結されたハンドル（１６）から、上記ハンドル（１６）と一体のレバー（１８）が自動車（１１）の内部に向かって延び、上記レバー（１８）は、その自由端が一組の剛体ロッド（１９，２０）のそれぞれ端部に対して回動し、上記剛体ロッド（１９，２０）の反対側の自由端は、ボールジョイント（２７，２８）によって追加レバー（２９，３０）に連結され、これら追加レバー（２９，３０）は、２つのステアリングチューブ（３１，３２）にステアリングの動きを伝える請求項１又は６に記載の三輪ローリング車。

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