JP4602994B2 - 剥離層を有する成形用金型又は電鋳用母型及びそれらの製造方法 - Google Patents

剥離層を有する成形用金型又は電鋳用母型及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金型表面又は母型表面に有機薄膜からなる離型層が形成されている成形用金型又は電鋳用母型、特に樹脂の成形用金型、及びそれらの製造方法に関する。
本願は、2004年12月28日に出願された日本国特許出願第2004−381941号及び2005年4月19日に出願された日本国特許出願第2005−121597号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、耐剥離性に優れ、かつ透明性が高く、基板表面の光沢や基板の透明性を損なわない化学吸着単分子膜の製造方法が幾つか知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、従来の化学吸着単分子膜の製造方法は、クロロシラン系の界面活性剤と基板表面の活性水素との脱塩酸反応で被膜を形成していたため、膜製造時に有害な塩酸ガスが発生するという問題があった。
また、アルコキシシラン界面活性剤を脱アルコール反応して分子膜を形成する試みもあるが、反応速度が遅く膜形成を手軽に行えないという問題があった。この問題を解決すべく、脱アルコール触媒の使用が考えられるが、単に脱アルコール触媒を添加するだけでは、空気中の水分により界面活性剤が自ら架橋してしまい失活する。すなわち、表面処理剤に水が含まれるようになると、基板表面と反応する前に界面活性剤が自ら架橋してしまい、基板表面の固液界面での反応が阻害されて化学吸着膜ができにくくなるという問題があった。
一方、活性水素を含む基板の表面に化学吸着膜を形成する方法として、少なくともアルコキシシラン系界面活性剤と、活性水素を含まない非水系溶媒と、シラノール縮合触媒を含む混合溶液を、前記基板表面に接触させて、前記基板表面にシロキサン結合を介して共有結合した化学吸着膜を形成する化学吸着膜の製造方法が開示され、シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類から選ばれる少なくとも一つの物質が例示されている(例えば、特許文献4参照)。
また、基板の表面に結晶性を有する化学吸着膜を形成する方法として、精製水を滴下したシリコンウェハー表面にシラン系界面活性剤の有機溶媒溶液を展開して結晶性単分子膜を形成する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
撥水性被膜の形成方法としては、酸触媒のもとに加水分解させたフルオロアルキル基含有シラン化合物の加水分解物の単量体または重合体を用いて、単分子層からなる撥水性被膜を、シラノール基を経由して基板表面に固定する方法が知られている(例えば、特許文献5,6参照)。
他方、型の親水性、無機表面を合成樹脂構造物の離型に適するようにするにあたり、親水性無機表面を無水条件下、シラン化合物で処理し、シラン化合物の単分子層を酸素ブリッジを介して親水性、無機表面に化学的に結合させる型に離型層を設ける方法であって、親水性、無機表面を減圧でシラン化合物の蒸気で処理する方法や、親水性、無機表面を有機溶媒に溶解したシラン化合物の溶液で処理する方法が知られている(例えば、特許文献7参照)。また、金属電解液中の電解材料である金属と母型(目的形状の製品を得るベースになるもの)に通電することで金属が電気分解し、金属イオンとして電解液に溶けだし、金属を母型に電着して、電着金属部を目的製品とする電鋳技術においては、必ず母型から電着金属を剥離する必要があり、この母型からの電着金属の剥離が電鋳の品質の決めてとなることが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
特開平4−132637号公報 特開平4−221630号公報 特開平4−367721号公報 特開平8−337654号公報 特開平11−228942号公報 特開平11−322368号公報 特開昭62−236713号公報 Bull.Chem.Soc.Jpn., 74, 1397-1401(2001) 表面技術, Vol.52, No.11, 726-729(2001)
本発明の課題は、耐摩耗性や剥離性能に優れた有機薄膜からなる離型層が成形用金型表面又は電鋳用母型表面に形成されている成形用金型又は電鋳用母型、好ましくは樹脂の成形用金型、及びそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究し、n−オクタデシルトリメトキシシランと、チタンテトライソプロポキシド及びn−オクタデシルトリメトキシシランから形成される溶液とを含むトルエン溶液に、金型表面にμmオーダー以下の微細パターンが施されているニッケル製金型を5分間浸漬し、浸漬後に超音波洗浄することによって、耐摩耗性に優れた有機薄膜からなる離型層を形成し、この離型層を有するニッケル製金型表面の微細パターンをアクリル樹脂に転写し、液晶表示パネル用アクリル導光板を作製するためにニッケル製金型から剥離したところ、極めて優れた剥離性能を見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)式[1]
−Si−X4−n …… [1]
(式[1]中、Rは置換基を有していてもよいC1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜20のハロゲン化炭化水素基、連結基を含むC1〜20の炭化水素基、又は連結基を含むC1〜20のハロゲン化炭化水素基を表し、Xは水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルコキシ基又はアシルオキシ基を表し、nは1〜3の整数を表す。)で示されるシラン系界面活性剤及び水を含む、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒から選ばれる有機溶媒溶液に、該シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒を含む触媒溶液を滴下し、攪拌して得られた離型層形成用溶液中の水分含量を50ppmから飽和水分含量の範囲にするか又は保持し、前記離型層形成用溶液に、金型又は母型を接触させることにより、金型表面又は母型表面に有機薄膜からなる離型層を形成させることを特徴とする成形用金型又は電鋳用母型の製造方法に関する。
また本発明は、(2)成形用金型が樹脂の成形用金型であることを特徴とする上記(1)記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法や、(3)式[1]で示されるシラン系界面活性剤が、n−オクタデシルトリメトキシシランであることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法や、(4)シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒が、金属酸化物;金属水酸化物;金属アルコキシド類;キレート化又は配位化された金属化合物;金属アルコキシド類部分加水分解生成物;金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量以上の水で処理して得られた加水分解生成物;有機酸;シラノール縮合触媒、及び酸触媒から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法や、(5)シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒が、(a)金属酸化物;金属水酸化物;金属アルコキシド類;キレート化又は配位化された金属化合物;金属アルコキシド類部分加水分解生成物;金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量以上の水で処理して得られた加水分解生成物;有機酸;シラノール縮合触媒、及び酸触媒から選ばれる少なくとも1種と(b)前記シラン系界面活性剤を含有する組成物であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法に関する。
さらに本発明は、(6)金属アルコキシド類が、チタンアルコキシド類であることを特徴とする上記(4)または(5)に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法や、(7)シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒が、金属アルコキシド類;金属アルコキシド類部分加水分解生成物;及び金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量以上の水で処理して得られた加水分解生成物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記4に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法や、(8)シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒が、(a)金属アルコキシド類;金属アルコキシド類部分加水分解生成物;及び金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量以上の水で処理して得られた加水分解生成物から選ばれる少なくとも1種と(b)前記シラン系界面活性剤を含有する組成物であることを特徴とする上記(5)に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法や、(9)金属アルコキシド類が、チタンアルコキシド類であることを特徴とする上記(7)または(8)に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法や、(10)金型又は母型が、ニッケル製の金型若しくは母型、ステンレス製の金型若しくは母型又はガラス製の金型若しくは母型であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法や、(11)樹脂が、アクリル樹脂であることを特徴とする上記(2)記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法や、(12)離型層形成用溶液に金型又は母型を浸漬することにより、離型層形成用溶液に金型又は母型を接触させることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法や、(13)金型表面又は母型表面にμmオーダー以下の微細パターンを施すことを特徴とする上記(1)又は(2)記載に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法に関する。
本発明はまた、上記(7)から(9)のいずれかに記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする成形用金型又は電鋳用母型に関する。
本発明によると、離型性や耐摩耗性に優れた有機薄膜からなる離型層が形成された成形用金型又は電鋳用母型、特に樹脂成形用の金型を得ることができる。また、形成された離型層は、密着性・結晶性がよいことから液晶や配向膜、EL、TFT等のデバイスの製造にも使うことができ、石英ガラスでできたナノモールドを用いたナノインプイント技術からなる微細加工技術にも使うことができ、また、基材の表面改質ができるのでパターニングにも利用できるので、金属配線、カラーフィルターや、PDP、SED等のディスプレーデバイスの製造にも使うことができる。
剥離層形成用溶液に所定時間浸漬した後の本発明の剥離層が形成されたニッケル金型表面の接触角の測定結果を示す図である。 剥離層形成用溶液に浸漬した後、所定温度で加熱した後の本発明の剥離層が形成されたニッケル金型表面、及びシリコン基板表面の接触角の測定結果を示す図である。 本発明の剥離層が形成されたニッケル金型表面の耐摩耗試験の概要と、耐摩耗試験後のニッケル金型表面、及びシリコン基板表面の接触角の測定結果を示す図である。
本発明の成形用金型又は電鋳用母型としては、前記式[1]で示されるシラン系界面活性剤、及び該シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒を含む有機溶媒溶液に、金型又は母型を接触させることにより、金型表面又は母型表面に有機薄膜からなる離型層が形成されている金型又は母型であれば特に制限されるものではなく、また、本発明の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法としては、前記式[1]で示されるシラン系界面活性剤、及び該シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒を含む有機溶媒溶液に、金型又は母型を接触させることにより、金型表面又は母型表面に有機薄膜からなる離型層を形成する方法であれば特に制限されるものではなく、上記成形用金型又は電鋳用母型としては、特に樹脂成形用の金型を好適に例示することができる。
前記式[1]中、Rは置換基を有していてもよいC1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜20のハロゲン化炭化水素基、連結基を含むC1〜20の炭化水素基、又は連結基を含むC1〜20のハロゲン化炭化水素基を表す。
前記置換基を有していてもよいC1〜20の炭化水素基の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−へキシル基、イソへキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−オクタデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、n−デシニル基、n−オクタデシニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;等を挙げることができるが、C8〜C20の炭化水素基が好ましい。
前記置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数2〜20のハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。具体的には、上記例示した炭化水素基中の水素原子の1個以上がフッ素原子、塩素原子又は臭素原子等のハロゲン原子に置換された基を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基の置換基としては、カルボキシル基;アミド基;イミド基;エステル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;または水酸基等を挙げることができる。これらの置換基の数は0〜3であるのが好ましい。
連結基を含む炭化水素基の炭化水素基としては、具体的には、前記置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基として挙げたものと同様のものを挙げることができる。
また、連結基を含むハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、具体的には、前記置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基として挙げたものと同様のものを挙げることができる。
前記連結基は、炭化水素基若しくはハロゲン化炭化水素基の炭素−炭素結合間、又は炭化水素基の炭素と後述する金属原子Mとの間に存在するのが好ましい。連結基の具体例としては、−O−、−S−、−SO−、−CO−、又は−C(=O)O−等を挙げることができる。
Xは、水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルコキシ基又はアシルオキシ基を表し、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができ、C1〜C6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等を挙げることができ、アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等を挙げることができ、中でも、C1〜C6のアルコキシ基が好ましく、またnは1が好ましい。
前記式[1]で示されるシラン系界面活性剤としては、(ヘプタデカフルオリン、1,1,2,2−テトラヒドロデシル)−1−トリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオリン1,1,2,2−テトラヒドロデシル)−1−トリクロロシラン、(ヘプタデカフルオリン1,1,2,2−テトラヒドロデシル)−1−ジメチルクロロシラン又はn−オクタデシルトリメトキシシラン等を具体的に例示することができるが、中でも、n−オクタデシルトリメトキシシランを好適に例示することができる。
また、前記シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒としては、シラン系界面活性剤のシラン部分又は加水分解性基部分と配位結合や水素結合等を介して相互作用をすることにより、加水分解性基又は水酸基を活性化させ、縮合を促進させる作用を有する化合物であれば特に制限されるものでなく、(A)金属酸化物;金属水酸化物;金属アルコキシド類;キレート化又は配位化された金属化合物;金属アルコキシド類部分加水分解生成物;金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量以上の水で処理して得られた加水分解生成物;有機酸;シラノール縮合触媒、及び酸触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、「触媒A成分」ということがある)や、(B)(a)触媒A成分と(b)前記シラン系界面活性剤を含有する組成物(以下、「触媒B成分」ということがある)が好ましく、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の少なくとも1種を用いるのがより好ましい。
金属アルコキシド類としては、特に限定されないが、透明性に優れる有機薄膜を得ることができること等の理由から、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属のアルコキシド類が好ましく、中でもチタンテトライソプロポキシド等のチタンアルコキシド類が好ましい。また、金属アルコキシド類のアルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、含有酸化物濃度、有機物の脱離容易性、入手容易性等から、炭素数1〜4のものがより好ましい。
本発明に用いる金属アルコキシド類の具体例としては、Si(OCH、Si(OC、Si(OC−i)、Si(OC−t)等のケイ素アルコキシド;Ti(OCH、Ti(OC、Ti(OC−i)、Ti(OC等のチタンアルコキシド;Ti[OSi(CH、Ti[OSi(C等のテトラキストリアルキルシロキシチタン;Zr(OCH、Zr(OC、Zr(OC、Zr(OC等のジルコニウムアルコキシド;Al(OCH、Al(OC、Al(OC−i)、Al(OC等のアルミニウムアルコキシド;Ge(OC等のゲルマニウムアルコキシド;In(OCH、In(OC、In(OC−i)、In(OC等のインジウムアルコキシド;Sn(OCH、Sn(OC、Sn(OC−i)、Sn(OC等のスズアルコキシド;Ta(OCH、Ta(OC、Ta(OC−i)、Ta(OC等のタンタルアルコキシド;W(OCH、W(OC、W(OC−i)、W(OC等のタングステンアルコキシド;Zn(OC等の亜鉛アルコキシド;Pb(OC等の鉛アルコキシド;等を挙げることができる。これらの金属アルコキシド類は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また本発明においては、金属アルコキシド類として、2種以上の金属アルコキシド類の反応により得られる複合アルコキシド、1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と、1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシド、及びこれらの組み合わせを用いることもできる。
2種以上の金属アルコキシド類の反応により得られる複合アルコキシドとしては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシドと、遷移金属のアルコキシドとの反応により得られる複合アルコキシドや、第3B族元素の組合せにより錯塩の形で得られる複合アルコキシド等を例示することができる。
その具体例としては、BaTi(OR)、SrTi(OR)、BaZr(OR)、SrZr(OR)、LiNb(OR)、LiTa(OR)、及び、これらの組合せ、LiVO(OR)、MgAl(OR)、(RO)SiOAl(OR’)、(RO)SiOTi(OR’)、(RO)SiOZr(OR’)、(RO)SiOB(OR’)、(RO)SiONb(OR’)、(RO)SiOTa(OR’)等のケイ素アルコキシドと、前記金属アルコキシド類との反応物及びその縮重合物等を挙げることができる。ここで、R及びR’はアルキル基等を表す。
1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシドとしては、金属塩と金属アルコキシド類との反応により得られる化合物を例示することができる。
金属塩としては、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩等を、金属アルコキシド類としては、上述した金属アルコキシド類と同様のものをそれぞれ例示することができる。
金属アルコキシド類の部分加水分解生成物は、金属アルコキシド類を完全に加水分解する前に得られるものであって、オリゴマーの状態で存在するものである。
金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の製造方法としては、有機溶媒中、上記例示した金属アルコキシド類に対し0.5〜2.0倍モル未満の水を用い、−100℃から有機溶媒還流温度範囲で加水分解する方法を好ましく例示することができる。
具体的には、
(i)有機溶媒中、金属アルコキシド類に対し0.5〜1.0倍モル未満の水を添加する方法、
(ii)有機溶媒中、加水分解が開始する温度以下、好ましくは0℃以下、より好ましくは−20〜−100℃の範囲で、金属アルコキシド類に対し1.0〜2.0倍モル未満の水を添加する方法、
(iii)有機溶媒中、水の添加速度を制御する方法や、水に水溶性溶媒を添加して水濃度を低下させた水溶液を使用する方法等により、加水分解速度を制御しながら、金属アルコキシド類に対し0.5〜2.0倍モル未満の水を室温で添加する方法、等を例示することができる。
上記(i)の方法においては、任意の温度で所定量の水を添加した後、加水分解を開始する温度以下、好ましくは−20℃以下で、水をさらに追加して反応を行うこともできる。
金属アルコキシド類と水との反応は、有機溶媒を用いずに直接金属アルコキシド類と水を混合することにより行うこともできるが、有機溶媒中で行うのが好ましい。具体的には、金属アルコキシド類の有機溶媒溶液に有機溶媒で希釈した水を添加する方法;水が懸濁又は溶解した有機溶媒中に、金属アルコキシド類、又はその有機溶媒溶液を添加する方法;のいずれの方法でも行うことができるが、前者の水を後から添加する方法が好ましい。
有機溶媒中の金属アルコキシド類の濃度は、急激な発熱を抑制し、撹拌が可能な流動性を有する範囲であれば特に限定されないが、通常、5〜30重量%の範囲である。
上記(i)の方法における金属アルコキシド類と水との反応温度は特に制限されず、通常、−100〜+100℃の範囲、好ましくは、−20℃から用いる有機溶媒又は加水分解によって脱離してくるアルコールの沸点までの温度範囲である。
上記(ii)の方法における水の添加温度は、金属アルコキシド類の安定性に依存するものであり、加水分解開始温度以下、又は0℃以下の温度であれば特に限定されないが、金属アルコキシド類の種類によっては、金属アルコキシド類への水の添加を−50℃〜−100℃の温度範囲で行うことが好ましい。また、低温で水を添加し、一定時間熟成した後、室温から用いた溶媒の還流温度で加水分解し、さらに脱水縮合反応を行うこともできる。
上記(iii)の方法における金属アルコキシド類と水との反応は、特殊な冷却装置を用いなくても冷却可能な温度範囲、例えば、0℃から室温の範囲で、水の添加速度を制御する等の温度以外の方法により加水分解速度を制御することにより行うことができる。一定時間熟成した後、室温から用いる溶媒の還流温度で加水分解し、さらに脱水縮合反応を行うこともできる。
用いる有機溶媒としては、その有機溶媒中で、金属アルコキシド類の加水分解生成物が、分散質となって分散できるものであるのが好ましく、シラン系界面活性剤を水で処理する反応を低温で行うことができることから、水の溶解度が大きく、低温で凝固しない溶媒がより好ましい。
用いる有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン(特開平9−208438号公報等)等;を挙げることができる。
これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
混合溶媒として用いる場合には、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒と、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル、t−ブタノール等の低級アルコール溶媒系の組み合わせが好ましい。この場合の低級アルコール系溶媒としては、イソプロパノ−ル、t−ブタノール等の2級以上のアルコール系溶媒がより好ましい。混合溶媒の混合比は特に制限されないが、炭化水素系溶媒と低級アルコール系溶媒を、体積比で、99/1〜50/50の範囲で用いるのが好ましい。
用いる水は、中性であれば特に制限されないが、不純物が少なく、緻密な有機薄膜を得る観点から、純水、蒸留水又はイオン交換水を用いるのが好ましい。水の使用量は、前記金属アルコキシド類1モルに対し、0.5〜2.0倍モル未満である。
また、金属アルコキシド類の水による部分加水分解反応においては、酸、塩基又は分散安定化剤を添加してもよい。酸及び塩基は、凝結してできた沈殿を再び分散させる解膠剤として、また、金属アルコキシド類を加水分解、脱水縮合させてコロイド粒子等の分散質を製造するための触媒として、及び生成した分散質の分散剤として機能するものであれば特に制限されない。
用いる酸としては、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の鉱酸;酢酸、ギ酸、シュウ酸、炭酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等の光照射によって酸を発生する光酸発生剤;を挙げることができる。
用いる塩基としては、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、アンモニア、ジメチルホルムアミド、ホスフィン等を挙げることができる。
分散安定化剤は、分散質を分散媒中に安定に分散させる効力を有する剤であり、解膠剤、保護コロイド、界面活性剤等の凝結防止剤等を挙げることができる。具体的には、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸等の多価カルボン酸;ヒドロキシカルボン酸;ピロ燐酸、トリポリ燐酸等の燐酸;アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサンジオン等の金属原子に対して強いキレート能力を有する多座配位子化合物;スルパース3000、9000、17000、20000、24000(以上、ゼネカ社製)、Disperbyk−161、−162、−163、−164(以上、ビックケミー社製)等の脂肪族アミン系、ハイドロステアリン酸系、ポリエステルアミン;ジメチルポリシロキサン・メチル(ポリシロキシアルキレン)シロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、カルボキシ変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーン等(特開平9−208438号公報、特開平2000−53421号公報等)のシリコーン化合物;等が例示される。
上記のようにして得られる部分加水分解生成物は、有機溶媒中、酸、塩基及び/又は分散安定化剤の非存在下、凝集せずに安定に分散している性質を有する分散質となっている。この場合、分散質とは、分散系中に分散している微細粒子のことをいい、具体的には、コロイド粒子等を例示することができる。
ここで、凝集せずに安定に分散している状態とは、有機溶媒中、酸、塩基及び/又は分散安定化剤の非存在下、加水分解生成物の分散質が、凝結して不均質に分離していない状態を表し、好ましくは透明で均質な状態を表す。
また透明とは、可視光における透過率が高い状態をいい、具体的には、分散質の濃度を酸化物換算で0.5重量%とし、石英セルの光路長を1cmとし、対照試料を有機溶媒とし、光の波長を550nmとする条件で測定した分光透過率で表して、好ましくは80〜100%の透過率を表す状態をいう。
部分加水分解生成物の分散質の粒子径は特に限定されないが、可視光における高い透過率を得るためには、通常1〜100nm、好ましくは1〜50nm、より好ましくは1〜10nmの範囲である。
前記シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒としての触媒B成分は、触媒A成分と前記シラン系界面活性剤とを混合することにより得ることができ、より具体的には、シラン系界面活性剤を、触媒A成分の存在下、有機溶媒中、水で処理することによって調製することができる。触媒B成分中、シラン系界面活性剤を触媒A成分1モルに対して、0.5〜2.0モル含むのが好ましく、0.8〜1.5モル含むのがより好ましい。
前記シラン系界面活性剤を、有機溶媒中、触媒A成分の存在下、水で処理する方法としては、具体的には、(ア)シラン系界面活性剤及び触媒A成分の有機溶媒溶液に水を添加する方法、(イ)シラン系界面活性剤と水の有機溶媒溶液に、触媒A成分を添加する方法等を挙げることができる。なお、触媒A成分は、水を含む有機溶媒の状態で使用されるのが一般的である。
触媒B成分の調製に用いる有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒が好ましく、なかでも、沸点が100〜250℃のものがより好ましい。具体的には、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、リグロイン等の炭化水素系溶媒;CBr2ClCF3、CClF2CF2CCl3、CClF2CF2CHFCl、CF3CF2CHCl2、CF3CBrFCBrF2、CClF2CClFCF2CCl3、Cl(CF2CFCl)2Cl、Cl(CF2CFCl)2CF2CCl3、Cl(CF2CFCl)3Cl等フロン系溶媒、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等のフッ化炭素系溶媒;ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン等のシリコーン系溶媒;を挙げることができる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、急激な反応を抑えるためには、(ア)の方法において添加する水、(イ)の方法において添加する触媒A成分は、有機溶媒等で希釈したものであるのが好ましい。
次に、離型層形成用溶液は、前記シラン系界面活性剤と触媒A成分、あるいは前記シラン系界面活性剤と触媒B成分とから得ることができる。より具体的には、前記シラン系界面活性剤、有機溶媒、触媒A成分、及び所望により水の混合物を撹拌することで、あるいは前記シラン系界面活性剤、有機溶媒、触媒B成分、及び所望により水の混合物を撹拌することで、本発明の離型層形成用溶液を得ることができる。
本発明の離型層形成用溶液の調製に用いる触媒A成分や触媒B成分の使用量は、形成する単分子の有機薄膜の物性に影響を与えない量であれば特に制限されないが、シラン系界面活性剤1モルに対して酸化物換算モル数で、それぞれ通常0.001〜1モル、好ましくは0.001〜0.2モルである。本発明の離型層形成用溶液は、より具体的には、(a)前記触媒B成分及びシラン系界面活性剤の有機溶媒溶液に水を添加する方法、(b)シラン系界面活性剤と水の混合溶液に、前記触媒B成分を添加する方法等を挙げることができる。また、急激な反応を抑えるためには、(a)の方法において添加する水、(b)の方法において添加する触媒B成分は、有機溶媒等で希釈したものであるのが好ましい。
本発明の離型層形成用溶液の調製に用いる有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒が好ましく、なかでも、沸点が100〜250℃のものがより好ましい。具体的には、前記触媒A成分や触媒B成分の調製に用いることができるものとして列記した、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒と同様のものを使用することができる。
本発明の離型層形成用溶液の調製に用いる水の量は、用いるシラン系界面活性剤、触媒A成分や触媒B成分、塗布する基板等の種類に応じて適宜決定することができる。水の使用量があまり多いと、シラン系界面活性剤が互いに縮合し、基体表面への化学吸着が阻害され、単分子膜とならないおそれがある。
前記シラン系界面活性剤、有機溶媒、触媒A成分や触媒B成分及び水の混合物の撹拌温度は、通常−100℃〜+100℃、好ましくは−20℃〜+50℃である。撹拌時間は、通常、数分から数時間である。また、この場合においては、均一な離型層形成用溶液を得るために、超音波処理を施すことも好ましい。
本発明においては、離型層形成用溶液として、その水分含量が所定量範囲内になるように調整するか又は保持したものを用いることが好ましい。有機溶媒溶液中における水分含量は、基体表面への化学吸着が阻害される、緻密な単分子膜が製造できない、有効に用いることのできるシラン系界面活性剤の量を損失する、又は触媒が失活する等の問題がおきない範囲の量が好ましい。また、ディップ法により該溶液を基板に接触させる場合に、10分間以内、好ましくは5分間程度の接触時間で、緻密で均質な有機薄膜を1度にしかも該溶液が接触した基板全面に形成させるために、基板表面又は膜の形成を促進活性化させるのに十分な水分含量以上が好ましい。
離型層形成用溶液の水分含量は、具体的には50ppm以上が好ましく、より好ましくは50ppmから有機溶媒への飽和水分含量の範囲(より具体的には、50〜1000ppmの範囲)である。
前記離型層形成用溶液の水分含量を所定量範囲内になるように調整するか又は保持する方法としては、(i)前記離型層形成用溶液に接触して水層を設ける方法、(ii)水分を含ませた保水性物質を共存させておく方法、(iii)水分を含む気体を吹き込む方法、等を挙げることができる。
次いで、金型表面又は母型表面に離型層を形成する方法としては、上記のようにして得られた離型層形成用溶液に金型又は母型を接触させる方法を挙げることができる。金型又は母型を接触させる方法としては、浸漬、塗布、スプレー等を挙げることができるが、浸漬が好ましく、浸漬時間としては、基板の種類にもよるが、5分間〜24時間が好ましく、5分間〜10時間がより好ましい。そして、炭化水素系溶媒溶液等を用いて、浸漬等の接触後に超音波洗浄することがより好ましい。
金型又は母型としては、その表面にμmオーダー以下の微細パターンが施されている金型又は母型を好適に例示することができる。また、金型や母型の材質としては特に制限されないが、ニッケル、ステンレス、アルミニウム、銅等の金属、ガラス、セラミックスなどを挙げることができるが、ニッケル、ステンレス、ガラスが好ましい。
金型表面又は母型表面は、表面に付着したゴミ、埃や有機物等の不純物を取り除き、剥離層をより緻密かつ強固に形成するため、剥離剤形成溶液に浸漬する前に予め洗浄しておくことが望ましい。洗浄方法としては、金型表面又は母型表面に付着したゴミ、埃や有機物等を取り除くことができる方法であれば特に制限されないが、具体的には、酸やアルカリの溶液やオゾン水に浸漬させる化学的な方法が挙げられる。この方法では、浸漬の間に超音波をかけることでより洗浄効率が向上する。また、紫外線やオゾン、プラズマに暴露する物理的な方法が挙げられる。これらの方法は単独で用いることもできるが、併用することでより効果が向上する。
剥離層を形成又は剥離層形成後洗浄した後は、金型表面又は母型表面上に形成された剥離層を安定化させるために、金型又は母型を加熱するのが好ましい。加熱する温度は、金型又は母型、形成された有機薄膜の安定性等によって適宜選択することができる。
剥離層形成用溶液に金型又は母型を接触させると、該溶液中のシラン系界面活性剤が金型表面又は母型表面に吸着され、薄膜からなる剥離層が形成される。シラン系界面活性剤が金型表面又は母型表面に吸着される機構の詳細は明らかではないが、表面に活性水素を有する金型又は母型の場合には次のように考えることができる。すなわち、離型層形成用溶液中においては、シラン系界面活性剤の加水分解性基が水により加水分解された状態となっている。そして、この状態のシラン系界面活性剤が金型表面又は母型表面の活性水素と反応して、金型又は母型と強固な化学結合を形成してなる薄膜が形成される。この薄膜は、金型又は母型の活性水素と反応して形成されるものであって、単分子膜となる。離型層形成用溶液を使用することにより、金型又は母型表面に、光照射又は電着前において、撥油性であり、かつ撥水性である有機薄膜からなる離型層を形成することができる。より具体的には、光照射前における水の接触角が好ましくは80°以上、より好ましくは85°以上、さらに好ましくは90°以上、特に好ましくは100°以上であり、かつ、トルエンの接触角が20°以上である耐摩耗性に優れた離型層有機薄膜を形成することができる。
その他、樹脂成形用の金型の場合における基板としては、樹脂としてアクリル樹脂を用いたアクリル樹脂基板が樹脂基板として好ましい。また、電鋳における電解材料の金属の種類は特に制限されず、電着展延性が有利なニッケルは光ディスクの原盤に、導電性から銅は配線に、硬さや耐熱性から鉄はプレス型に、耐食性や貴金属性から金は配線や装飾品に、殺菌性から銀はDNAの増幅器に、それぞれ有利に用いられる。さらに、電鋳において用いられる電鋳液は特に制限されないが、電解材料の金属の種類に応じた電鋳液を用いることが好ましく、例えば、ニッケル電鋳においてはスルファミン酸ニッケル浴、硫酸ニッケル浴を、銅電鋳においてはシアン化銅浴、硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴を、鉄電鋳においてはスルファミン酸鉄浴を、コバルト電鋳においてはスルファミン酸コバルト浴、硫酸コバルト浴を、金電鋳においてはシアン化金浴を、銀電鋳においてはピロリン酸銀浴、シアン化銀浴を、それぞれ好適に例示することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(1)シラン系界面活性剤
有機薄膜製造用溶液の調製用のシラン系界面活性剤として、M−1:n−オクタデシルトリメトキシシラン(ODS)(Gelest社製)を用いた。
(2)触媒の調製−1
4つ口フラスコに、チタンテトライソプロポキシド(商品名:A−1、日本曹達社製:純度99%、酸化チタン換算濃度28.2重量%)12.4gをトルエン45.0gに溶解し、窒素ガス置換した後に、変性アルコール/ドライアイスバス中で−40℃に冷却した。別に、イオン交換水1.26g(H2O/Ti=1.6モル比)をイソプロパノール11.3gに混合後、−40℃に冷却した状態で、上記4つ口フラスコ中へ攪拌しながら滴下した。滴下中は、フラスコ内の液温を−40℃に維持した。滴下終了後、冷却しながら30分間攪拌後、その後室温に昇温して、無色透明な部分加水分解溶液(T−1)を得た。溶液の固形分濃度は、酸化チタン換算で5重量%であった。
この溶液(T−1)20gにシラン系界面活性剤M−1を、TiO:ODS=1:1(モル比)に相当する量を加え、さらにTiO換算で1wt%に相当するトルエンで希釈した。次に、蒸留水5gを加えて、40℃、3日間攪拌した後、室温に冷却した。2層分離している過剰の水を取り除き、透明な離型層形成用の触媒溶液(C−1)を得た。また、分離した水層からはTiもODSを検出されなかった。
(3)剥離層形成用溶液の調製
水分含量450ppmのトルエンに、最終濃度0.5重量%に相当するシラン系界面活性剤M−1を加え室温で30分間攪拌した。次に、シラン系界面活性剤M−1の1/10倍モル(TiO換算)相当の離型層形成用の触媒溶液(C−1)を滴下し、滴下終了後、室温で3時間攪拌した。この溶液中の水分含量を500ppmになるように水を加え離型層形成用溶液(SA−1)を得た。
(4)剥離層の形成
超音波洗浄及びオゾン洗浄したニッケル金型を、上記の溶液(SA−1)中に、所定時間浸漬後引き上げ、トルエンで10秒間超音波洗浄した後に、60℃で10分間乾燥し、M−1の有機薄膜(SAM−1)の有機薄膜の形成を行った。
実施例1で形成されたニッケル金型上の表面観察及び薄膜物性評価を行った。なお、接触角は、Drop Master 700(協和界面科学社製)を用い、イオン交換水を滴下して測定(n=5)した。
(1)表面観察
溶液(SA−1)中にニッケル金型を5分間浸漬して成膜したサンプル、及び未成膜サンプルを、SPA400(Seiko Instruments社製)を用いて、AFM手法により観察したところ、一層の単分子膜になっていることが確かめられた。
(2)成膜の確認
溶液(SA−1)中にニッケル基板を、それぞれ5分間、3時間、6時間、16時間浸漬して成膜した場合の接触角を測定した。結果を図1に示す。その結果、成膜時間5分〜16時間で撥水性は殆ど同じであることが確かめられた。
(3)耐熱性
溶液(SA−4)中にニッケル金型を、それぞれ5分間、6時間浸漬して成膜したサンプル、及びポジティブコントロールとして同様に溶液(SA−1)中に5分間浸漬して成膜したシリコン基板を用い、100〜400℃で10分間加熱し、放冷後に接触角を測定した。結果を図2に示す。その結果、200℃までの加熱では水の接触角は100度以上であり、200℃まで加熱可能であることが確かめられた。
(4)耐摩耗性
溶液(SA−4)中にニッケル金型を5分間浸漬して成膜したサンプル、及びポジティブコントロールとして同様に溶液(SA−1)中に5分間浸漬して成膜したシリコン基板、並びに比較例として、n−オクタデシルトリメトキシシラン(ODS)(Gelest社製)雰囲気中で150℃で12時間暴露した気相蒸着シリコン基板を供試した。耐摩耗性の測定は、Rubbing Tester(太平理化工業社製)を用い、荷重1.5kg、走査範囲5cm、コットン接地面2cm×1cmの条件下で、それぞれラビング100回往復,500回往復、1000回往復を行った後、トルエンで20秒間超音波洗浄をした後に接触角を測定した。なお、ニッケル基板サンプルについては超音波洗浄を実施していないものもサンプルとした。結果を図3に示す。その結果、超音波洗浄サンプルは、ラビング500回往復後も接触角100度以上を維持しうることがわかった。
(5)剥離性能
ニッケル基板として、その表面にμmオーダー以下の微細パターンが施されている金型を用い、この金型を溶液(SA−1)中に5分間浸漬して有機薄膜からなる離型層を形成した。この離型層を有するニッケル製金型表面の微細パターンをアクリル樹脂に転写し、UV照射により樹脂を硬化させた後、ニッケル製金型から剥離して、液晶表示パネル用アクリル導光板を作製した。その結果、ニッケル製金型からアクリル導光板の剥離が既存の剥離剤を使用した場合に比べて、極めて優れていることがわかった。
(1)触媒の調製−1
チタンテトライソプロポキシド(A−1:純度99%、酸化チタン換算濃度28.2重量%、日本曹達(株)製)12.4gを4つ口フラスコ中で、トルエン45.0gに溶解し、窒素ガス置換した後に、エタノール/液体窒素バス中で−80℃に冷却した。別に、イオン交換水1.26g(HO/Ti=1.6(モル比))をイソプロパノール11.3gに混合後、−80〜−70℃に冷却した状態で、上記4つ口フラスコ中へ攪拌しながら滴下した。滴下中は、フラスコ内の液温を−80〜−70℃に維持した。滴下終了後、30分間冷却しながら攪拌後、室温まで攪拌しながら昇温して、無色透明な酸化チタン換算濃度5重量%の部分加水分解溶液(C−2)を得た。
(2)触媒の調製−2
窒素ガス置換した4つ口フラスコ中で、チタンテトライソプロポキシド(A−1:純度99%、酸化チタン換算濃度28.2重量%、日本曹達(株)製)530gをトルエン1960gに溶解し、エタノール/ドライアイスバスで−15℃に冷却した。別に、イオン交換水30.4g(HO/Ti=0.9(モル比))をイソプロパノール274gに混合し、上記4つ口フラスコ中へ攪拌しながら90分間で滴下した。滴下中は、フラスコ内の液温を−15〜−10℃に維持した。滴下終了後、−10℃で30分間、室温まで昇温後1時間攪拌を続け、無色透明の液体を得た。この溶液をエタノール/ドライアイスバスで−80℃に冷却し、イオン交換水20.3g(H2O/Ti=0.6(モル比))とイソプロパノール183gの混合溶液を90分間で滴下しながら攪拌した。滴下終了後、3時間かけて室温に戻し、この溶液を90〜100℃で2時間還流し、酸化チタン換算濃度で5重量%の無色透明な部分加水分解溶液(C−3)を得た。この溶液は、平均粒径が5.6nmでシャープな単分散性のゾルであった。
(3)触媒の調製−3
チタンテトライソプロポキシド(A−1:純度99%、酸化チタン換算濃度28.2重量%、日本曹達(株)製)17.79g(62.6mmol)と脱水トルエン65.31gを液温18℃、窒素ガス雰囲気下に、フラスコ中で混合攪拌し溶解した。そこへ水1.69g(93.9mmol、H2O/Ti=1.5(モル比))、脱水イソプロパノール30.42g、脱水トルエン30.42gの混合物(水の濃度は、イソプロパノールとトルエンの混合溶媒に対する水の飽和溶解度の22%に相当する)を液温18〜20℃で撹拌しながら2時間で滴下したところ、淡い黄色透明の溶液が得られた。さらに液温18℃で1.5時間攪拌すると少し黄色が強くなり、その後、2.5時間還流すると無色の透明液となった。溶液の酸化物濃度は3.4重量%であった。この溶液にトルエンを加え、酸化物濃度1.0重量%になるように希釈し、触媒(C−4)を得た。
(4)シラン系界面活性剤
有機薄膜製造用溶液の調製用のシラン系界面活性剤として、M−1:n−オクタデシルトリメトキシシラン(ODS)(Gelest社製)を用いた。
(5)有機薄膜製造用溶液の調製
脱水トルエンにイオン交換水を加え、強く攪拌して、第1表に示す含水トルエンを調製した。この含水トルエンにシラン系界面活性剤M−1を最終濃度が0.5重量%になるように加え、室温で30分間攪拌した。次に、この溶液に触媒C−1〜C−3を、第1表に示す所定量滴下し、滴下終了後、室温で3時間攪拌して、溶液(SA−2〜SA−4)を得た。
(6)有機薄膜の形成
超音波洗浄およびオゾン洗浄したニッケル基板を、上記の溶液(SA−2〜SA−4)中に、5分間浸漬後引き上げ、トルエンで10秒間超音波洗浄した後に、60℃で10分間乾燥し、M−1の有機薄膜(SAM−2〜SAM−4)の形成を行った。
また、ニッケル基板を石英ガラス基板に代えて、同様に溶液(SA−2)を用いてM−1の有機薄膜(SAM−5)の形成を行った。
この有機薄膜(SAM−5)の接触角を測定した結果、水の接触角は108.1度、テトラデカンの接触角は37.2度であった。
(7)剥離性能・耐摩耗性
M−1の有機薄膜(SAM−2〜SAM−4、SAM−5)は、いずれも実施例1で形成された剥離膜同様に、優れた剥離性能・耐摩耗性を有していた。

Claims (14)

  1. 式[1]
    −Si−X4−n …… [1]
    (式[1]中、Rは置換基を有していてもよいC1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜20のハロゲン化炭化水素基、連結基を含むC1〜20の炭化水素基、又は連結基を含むC1〜20のハロゲン化炭化水素基を表し、Xは水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルコキシ基又はアシルオキシ基を表し、nは1〜3の整数を表す。)で示されるシラン系界面活性剤及び水を含む、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒から選ばれる有機溶媒溶液に、該シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒を含む触媒溶液を滴下し、攪拌して得られた離型層形成用溶液中の水分含量を50ppmから飽和水分含量の範囲にするか又は保持し、前記離型層形成用溶液に、金型又は母型を接触させることにより、金型表面又は母型表面に有機薄膜からなる離型層を形成させることを特徴とする成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  2. 成形用金型が樹脂の成形用金型であることを特徴とする請求項1に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  3. 式[1]で示されるシラン系界面活性剤が、n−オクタデシルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  4. シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒が、金属酸化物;金属水酸化物;金属アルコキシド類;キレート化又は配位化された金属化合物;金属アルコキシド類部分加水分解生成物;金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量以上の水で処理して得られた加水分解生成物;有機酸;シラノール縮合触媒、及び酸触媒から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  5. シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒が、(a)金属酸化物;金属水酸化物;金属アルコキシド類;キレート化又は配位化された金属化合物;金属アルコキシド類部分加水分解生成物;金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量以上の水で処理して得られた加水分解生成物;有機酸;シラノール縮合触媒、及び酸触媒から選ばれる少なくとも1種と(b)前記シラン系界面活性剤を含有する組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  6. 金属アルコキシド類が、チタンアルコキシド類であることを特徴とする請求項4または5に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  7. シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒が、金属アルコキシド類;金属アルコキシド類部分加水分解生成物;及び金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量以上の水で処理して得られた加水分解生成物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  8. シラン系界面活性剤と相互作用し得る触媒が、(a)金属アルコキシド類;金属アルコキシド類部分加水分解生成物;及び金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量以上の水で処理して得られた加水分解生成物から選ばれる少なくとも1種と(b)前記シラン系界面活性剤を含有する組成物であることを特徴とする請求項5に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  9. 金属アルコキシド類が、チタンアルコキシド類であることを特徴とする請求項7または8に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  10. 金型又は母型が、ニッケル製の金型若しくは母型、ステンレス製の金型若しくは母型又はガラス製の金型若しくは母型であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  11. 樹脂が、アクリル樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  12. 離型層形成用溶液に金型又は母型を浸漬することにより、離型層形成用溶液に金型又は母型を接触させることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  13. 金型表面又は母型表面にμmオーダー以下の微細パターンを施すことを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法。
  14. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の成形用金型又は電鋳用母型の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする成形用金型又は電鋳用母型。
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