JP4385052B2 - 有機薄膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成方法、この形成方法に用いる有機薄膜形成用補助剤及び有機薄膜形成用溶液に関する。
本願は、2004年7月22日に出願された特願2004−214174号および2004年11月30日に出願された特願2004−347439号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来から、ガラス、金属、プラスチックス、セラミックス等からなる基板の表面を目的に応じて改質することが様々な分野で行われている。例えば、ガラスやプラスチックスの表面に撥水性・撥油性を付与するために、含フッ素シラン系カップリング剤をコーティングするものが挙げられる。
基板表面を改質するためのコーティング膜の形成方法としては、例えば、特許文献1〜3に、耐剥離性、透明性が高く基板表面の光沢や基板の透明性を損なわない化学吸着膜の製造方法が開示されている。しかしながら、これらの文献に記載された化学吸着膜の製造方法は、クロロシラン系の界面活性剤と基板表面の活性水素との脱塩酸反応で被膜を形成するため、膜製造時に有害な塩酸ガスが発生するという問題があった。
アルコキシシラン系の界面活性剤の脱アルコール反応により、化学吸着膜を形成する方法も知られている。しかしながら、この方法は、脱アルコール反応の反応速度が遅く膜形成を簡便に行えないという問題があった。
また、脱アルコール触媒を使用することにより脱アルコール反応を促進させる方法が提案されているが、単に脱アルコール触媒を添加するだけでは、空気中の水分により界面活性剤が自ら架橋してしまい、基板表面の固液界面での反応が阻害されて、単分子の化学吸着膜を効率よく形成することが困難であった。
これらの問題を解決するために、特許文献4には、少なくともアルコキシシラン系界面活性剤、活性水素を含まない非水系溶媒及びシラノール縮合触媒を含む混合溶液を前記基板表面に接触させて、シロキサン結合を介して共有結合した化学吸着膜を形成する方法が提案されている。そこでは、シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル、及びチタン酸エステルキレート類から選ばれる少なくとも一つの物質が例示されている。
また、基板の表面に結晶性を有する化学吸着膜を形成する方法として、非特許文献1には、精製水を滴下したシリコンウェハー表面にシラン系界面活性剤の有機溶媒溶液を展開して結晶性単分子膜を形成する方法が知られている。
さらに、特許文献5、6には、酸触媒のもとに加水分解させたフルオロアルキル基含有シラン化合物の加水分解物の単量体又は重合体を用いて、単分子層からなる撥水性被膜を、シラノール基を経由して基板表面に固定する方法が知られている。
しかしながら、この方法は成膜に長時間を要し、また、シラノール縮合触媒等が溶液中に残存したまま成膜を行なうと、それらの触媒が吸着を阻害し、緻密な単分子膜が生成できないという問題があった。また、これらの方法では、用いることができる基板の種類に制限があり、非結晶性の基板上に結晶性化学吸着膜を形成することができなかった。
従って、特に電気デバイス等の設計における微細なパターニング等の分野においては、不純物の少ない緻密な単分子膜を迅速に形成する技術の開発が要望されていた。
特開平4−132637号公報 特開平4−221630号公報 特開平4−367721号公報 特開平8−337654号公報 特開平11−228942号公報 特開平11−322368号公報 Bull.Chem.Soc.Jpn.,74,1397−1401(2001)
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、不純物が少ない緻密な単分子膜を迅速に形成できる有機薄膜形成方法、及びその形成方法に用いる有機薄膜形成用溶液を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の本発明は、有機溶媒中で、下記式(I)で示される化合物である金属系界面活性剤(1)、
金属酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒及び酸触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種である化合物(成分B)、
を混合して得られる有機薄膜形成用補助剤と、
下記式(III)で示される化合物である金属系界面活性剤(2)と、
から得られる有機薄膜形成用溶液を基板と接触させる工程により、前記基板表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成方法であって、水分含量が50〜1000ppmになるように調整するか又は保持した有機薄膜形成用溶液を用いることを特徴とする有機薄膜形成方法である。
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数10〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数10〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していても良いアシルオキシ基、ハロゲン原子、イソシアネート基、シアノ基、アミノ基またはアミド基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、Rは同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)
(式中、R11は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していても良いアシルオキシ基、ハロゲン原子、イソシアネート基、シアノ基、アミノ基またはアミド基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、R11は同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)
請求項2に記載の本発明は、前記有機薄膜形成用補助剤が、有機溶媒中、前記金属系界面活性剤(1)、前記化合物(成分B)及び水を混合して得られることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法である。
請求項3に記載の本発明は、前記金属アルコキシド類又は金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の金属が、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法である。
請求項4に記載の本発明は、前記有機薄膜形成用補助剤が、前記金属系界面活性剤(1)を、前記化合物(成分B)1モルに対して、0.5〜8.0モル含むことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法である。
請求項5に記載の本発明は、前記有機薄膜形成用補助剤が、前記金属系界面活性剤(1)を、前記化合物(成分B)1モルに対して、1.5〜3.0モル含むことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法である。
請求項6に記載の本発明は、前記Xおよび前記Xが、炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシルオキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法である。
請求項7に記載の本発明は、前記有機薄膜形成用補助剤を、前記金属系界面活性剤(2)1モルに対して、前記有機薄膜形成用補助剤中の固形分が、酸化物換算モル数で0.001〜1モルになる範囲で用いることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法である。
請求項8に記載の本発明は、前記有機薄膜形成用溶液を基板と接触させる工程が、前記基板を前記有機薄膜形成用溶液中に浸漬させる工程であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法である。
請求項9に記載の本発明は、前記有機溶媒が、炭化水素系溶媒又はフッ化炭素系溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法である。
請求項10に記載の本発明は、前記金属系界面活性剤(1)および(2)の加水分解性生物である下記式(VI)で表される水酸基含有化合物を20〜2000ppm含有することを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法である。
(式中、R100は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基、又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していても良いアシルオキシ基、ハロゲン原子、イソシアネート基、シアノ基、アミノ基またはアミド基を表し、nは、1から(m−1)のいずれかの整数を表し、mはMの原子価を表し、nが2以上のとき、R100は同一であっても、相異なっていてもよく、(m−n−1)が2以上のとき、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。)
請求項11に記載の本発明は、前記Xが、C1〜C6アルコキシル基又はアシルオキシ基であることを特徴とする請求項10に記載の有機薄膜形成方法である
かくして本発明の第1によれば、下記(1)〜(23)いずれかの有機薄膜形成方法が提供される。
(1)有機溶媒中で、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(1)、前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物を混合して得られる有機薄膜形成用補助剤と、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(2)とから得られる有機薄膜形成用溶液を基板と接触させる工程により、前記基板表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成方法であって、水分含量が所定量範囲内になるように調整するか又は保持した有機薄膜形成用溶液を用いることを特徴とする有機薄膜形成方法。
(2)前記有機薄膜形成用補助剤が、有機溶媒中、前記金属系界面活性剤(1)、前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物及び水を混合して得られることを特徴とする(1)の有機薄膜形成方法。
(3)前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物が、金属アルコキシド類又は金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の少なくとも1種であることを特徴とする(1)又は(2)の有機薄膜形成方法。
(4)前記金属アルコキシド類又は金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の金属が、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(3)の有機薄膜形成方法。
(5)前記有機薄膜形成用補助剤が、前記金属系界面活性剤(1)を、前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物1モルに対して、0.5〜2.0モル含むことを特徴とする(1)〜(4)いずれかの有機薄膜形成方法。
(6)前記有機薄膜形成用補助剤が、前記金属系界面活性剤(1)を、前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物1モルに対して、0.8〜1.5モル含むことを特徴とする(1)〜(4)いずれかの有機薄膜形成方法。
(7)前記金属系界面活性剤(1)が、式(I)
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数10〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数10〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、Rは同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする(1)〜(6)いずれかの有機薄膜形成方法。
(8)前記式(I)で示される化合物が、式(II)
(式中、M、X及びmは前記と同じ意味を表す。R21〜R23、R31及びR32は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Rは、アルキレン基、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基、又はケイ素原子及び/若しくは酸素原子を含む2価の連結基を表す。Yは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基を表す。pは0又は自然数を表し、qは0又は1を表す。pが2以上のとき、式:C(R31)(R32)で表される基は同一であっても異なっていてもよい。rは0又は1から(m−2)の正整数を表し、rが2以上のとき、Yは同一でも相異なっていてもよく、(m−r−1)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。但し、Y及びXのうち、少なくとも一個は水酸基又は加水分解性基である。)で示される化合物であることを特徴とする(7)の有機薄膜形成方法。
(9)前記金属系界面活性剤(2)が、式(III)
(式中、R11は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、R11は同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の有機薄膜形成方法。
(10)前記式(III)で示される化合物が、式(IV)
(式中、M、X及びmは前記と同じ意味を表す。R201〜R203、R301及びR302は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、R41は、アルキレン基、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基、又はケイ素原子及び/若しくは酸素原子を含む2価の連結基を表す。Yは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基を表す。pは0又は自然数を表し、qは0又は1を表し、pが2以上のとき、式:C(R301)(R302)で表される基は同一であっても相異なっていてもよい。rは0又は1から(m−2)の正整数を表し、rが2以上のとき、Yは同一でも相異なっていてもよく、(m−r−1)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。但し、Y及びXのうち、少なくとも一個は水酸基又は加水分解性基である。)で示される化合物であることを特徴とする(9)の有機薄膜形成方法。
(11)前記有機薄膜が、光照射前において撥水性であり、かつ撥油性であることを特徴とする(1)〜(10)いずれかの有機薄膜形成方法。
(12)前記有機薄膜が、光照射前における水の接触角が80°以上であり、かつ、トルエンの接触角が20°以上の有機薄膜であることを特徴とする(1)〜(11)いずれかの有機薄膜形成方法。
(13)前記加水分解性基が、炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシルオキシ基であることを特徴とする(1)〜(12)いずれかの有機薄膜形成方法。
(14)前記有機薄膜形成用補助剤を、前記金属系界面活性剤(2)1モルに対して、前記有機薄膜形成用補助剤中の固形分が、酸化物換算モル数で0.001〜1モルになる範囲で用いることを特徴とする(1)〜(13)いずれかの有機薄膜形成方法。
(15)前記有機薄膜形成用溶液を基板と接触させる工程が、前記基板を前記有機薄膜形成用溶液中に浸漬させる工程であることを特徴とする(1)〜(14)いずれかの有機薄膜形成方法。
(16)前記有機薄膜形成用溶液に接触して水層を設けることによるか、保水性物質に水分を含ませた状態で共存させておくことによるか、又は水分を含む気体を吹き込むことにより行うことにより、前記有機薄膜形成用溶液の水分含量が所定量範囲内になるように調整するか又は保持することを特徴とする(1)〜(15)いずれかの有機薄膜形成方法。
(17)前記有機薄膜形成用溶液の水分含量が、50〜1000ppmであることを特徴とする(1)〜(16)いずれかの有機薄膜形成方法。
(18)前記有機溶媒が、炭化水素系溶媒又はフッ化炭素系溶媒であることを特徴とする(1)〜(17)いずれかの有機薄膜形成方法。
(19)前記基板として、表面に活性水素を有する基板を用いることを特徴とする(1)〜(18)いずれかの有機薄膜形成方法。
(20)前記基板として、金属、セラミックス、ガラス及びプラスチックからなる群から選ばれる少なくとも一種から構成されたものを用いることを特徴とする(1)〜(19)いずれかの有機薄膜形成方法。
(21)化学吸着膜である有機薄膜を形成することを特徴とする(1)〜(20)いずれかの有機薄膜形成方法。
(22)自己集合膜である有機薄膜を形成することを特徴とする(1)〜(20)いずれかの有機薄膜形成方法。
(23)単分子膜である有機薄膜を形成することを特徴とする(1)〜(22)いずれかの有機薄膜形成方法。
本発明の第2によれば、以下の(24)〜(35)いずれかの有機薄膜形成用補助剤が提供される。
(24)有機溶媒中で、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(1)、前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物を混合して得られることを特徴とする有機薄膜形成用補助剤。
(25)前記金属系界面活性剤(1)を、前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物1モルに対して、0.5〜2.0モル用いることを特徴とする(24)の有機薄膜形成用補助剤。
(26)前記金属系界面活性剤(1)を、前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物1モルに対して、0.8〜1.5モル用いることを特徴とする(24)の有機薄膜形成用補助剤。
(27)前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物が、金属アルコキシド類又は金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の少なくとも1種であることを特徴とする(24)〜(26)いずれかの有機薄膜形成用補助剤。
(28)前記金属アルコキシド類又は金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の金属が、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(24)〜(27)いずれかの有機薄膜形成用補助剤。
(29)前記金属系界面活性剤(1)が、式(I)
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数10〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数10〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、Rは同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする(24)〜(28)いずれかの有機薄膜形成用補助剤。
(30)前記式(I)で示される化合物が、式(II)
(式中、M、X及びmは前記と同じ意味を表す。R21〜R23、R31及びR32は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Rは、アルキレン基、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基、又はケイ素原子及び/若しくは酸素原子を含む2価の連結基を表す。Yは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基を表す。pは0又は自然数を表し、qは0又は1を表す。pが2以上のとき、式:C(R31)(R32)で表される基は同一であっても異なっていてもよい。rは0又は1から(m−2)の正整数を表し、rが2以上のとき、Yは同一でも相異なっていてもよく、(m−r−1)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。但し、Y及びXのうち、少なくとも一個は水酸基又は加水分解性基である。)で示される化合物であることを特徴とする(29)の有機薄膜形成用補助剤。
(31)前記加水分解性基が、炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシルオキシ基であることを特徴とする(24)〜(30)いずれかの有機薄膜形成用補助剤。
(32)前記有機溶媒が、炭化水素系溶媒又はフッ化炭素系溶媒であることを特徴とする(24)〜(31)いずれかの有機薄膜形成用補助剤。
(33)有機薄膜が、化学吸着膜であることを特徴とする(24)〜(32)いずれかの有機薄膜形成用補助剤。
(34)有機薄膜が、自己集合膜であることを特徴とする(24)〜(32)いずれかの有機薄膜形成用補助剤。
(35)有機薄膜が、単分子膜であることを特徴とする(24)〜(34)いずれかの有機薄膜形成用補助剤。
本発明の第3によれば、前記(24)〜(35)いずれかに記載の有機薄膜形成用補助剤と、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(2)とを混合して得られる溶液であって、前記溶液中の水分量を所定量範囲内に調整するか又は保持することにより調製したものであることを特徴とする有機薄膜形成用溶液が提供される。
かくして本発明の第4によれば、次の(36)〜(63)の有機薄膜形成方法が提供される。
(36)少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤と前記界面活性剤と相互作用し得る触媒とを混合して得られる有機溶媒溶液を基板と接触させることにより、前記基板表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成方法であって、前記有機溶媒溶液が、水分を所定量含有するものであり、かつ、前記金属系界面活性剤の加水分解生成物である水酸基含有化合物を20〜2000ppm含有するものであることを特徴とする有機薄膜形成方法。
(37)前記少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属界面活性剤が、式(V)
(式中、R100は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基、又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは加水分解性基を表し、nは、1から(m−1)のいずれかの整数を表し、mはMの原子価を表し、nが2以上のとき、R100は同一であっても、相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。)で表される化合物であることを特徴とする(36)の有機薄膜形成方法。
(38)前記Xの加水分解性基が、C1〜C6アルコキシル基又はアシルオキシ基であることを特徴とする(37)の有機薄膜形成方法。
(39)前記水酸基含有化合物が、式(VI)
(式中、R100は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基、又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは加水分解性基を表し、nは、1から(m−1)のいずれかの整数を表し、mはMの原子価を表し、nが2以上のとき、R100は同一であっても、相異なっていてもよく、(m−n−1)が2以上のとき、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。)で表される化合物であることを特徴とする(36)〜(38)いずれかの有機薄膜形成方法。
(40)式(VI)
(式中、R100は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基、又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは加水分解性基を表し、nは、1から(m−1)のいずれかの整数を表し、mはMの原子価を表し、nが2以上のとき、R100は同一であっても、相異なっていてもよく、(m−n−1)が2以上のとき、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。)で表される水酸基含有化合物を20〜2000ppm含有する有機溶媒溶液を基板と接触させることにより、該基板表面に有機薄膜を形成することを特徴とする有機薄膜形成方法。
(41)前記Mが、ケイ素原子であること特徴とする(37)〜(40)いずれかの有機薄膜形成方法。
(42)前記有機溶媒溶液の水分含有量が50〜1000ppmの範囲であることを特徴とする(36)〜(41)いずれかの有機薄膜形成方法。
(43)前記金属系界面活性剤と相互作用し得る触媒が、金属酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒及び酸触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(36)〜(42)いずれかの有機薄膜形成方法。
(44)前記金属アルコキシド類部分加水分解生成物が、有機溶媒中、酸、塩基及び/又は分散安定化剤の非存在下、凝集せずに安定に分散している性質を有するものであることを特徴とする(43)の有機薄膜形成方法。
(45)前記金属アルコキシド類部分加水分解生成物が、有機溶媒中、金属アルコキシド類に対し0.5〜2.0倍モル未満の水を用い、−100℃から前記有機溶媒の還流温度範囲で加水分解して得られた生成物であることを特徴とする(43)又は(44)の有機薄膜形成方法。
(46)前記金属酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類部分加水分解生成物中の金属が、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする(43)〜(45)いずれかの有機薄膜形成方法。
(47)基板を前記有機溶媒溶液中に浸漬させる工程(A)を有することを特徴とする(36)〜(46)いずれかの有機薄膜形成方法。
(48)前記工程(A)の後、前記基板を洗浄する工程(B)を有することを特徴とする(47)の有機薄膜形成方法。
(49)前記工程(A)の後、前記基板を加熱する工程(C)を有することを特徴とする(47)の有機薄膜形成方法。
(50)前記工程(A)の後、前記工程(C)の前に、前記基板を洗浄する工程(B)をさらに有することを特徴とする(49)の有機薄膜形成方法。
(51)前記有機溶媒溶液に含まれる水分含有量を所定範囲内に保持しながら、同一溶液を用いて、2枚以上の基板と接触させることを繰り返すことを特徴とする(36)〜(50)いずれかの有機薄膜連形成方法。
(52)前記有機溶媒溶液中の水分量を50〜1000ppmの範囲に保持することを特徴とする(51)の有機薄膜形成方法。
(53)前記有機溶媒溶液の層と接する水層を設けることにより、前記有機溶媒溶液の水分量を所定範囲にする又は保持することを特徴とする(51)又は(52)の有機薄膜形成方法。
(54)前記有機溶媒溶液中に、保水性物質を水分を含ませた状態で共存させておくことにより、前記有機溶媒溶液の水分量を所定範囲にする、又は保持することを特徴とする(51)又は(52)の有機薄膜形成方法。
(55)前記保水性物質が、ガラス繊維フィルター又はセルロース製フィルターであることを特徴とする(54)の有機薄膜形成方法。
(56)前記有機溶媒溶液中に、水分を含む気体を吹き込むことにより、前記有機溶媒溶液中の水分量を所定範囲にする、又は保持することを特徴とする(51)又は(52)の有機薄膜形成方法。
(57)前記有機溶媒溶液が、炭化水素系溶媒溶液であることを特徴とする(36)〜(56)いずれかの有機薄膜形成方法。
(58)結晶性の有機薄膜を形成することを特徴とする(36)〜(57)いずれかの有機薄膜形成方法。
(59)単分子膜である有機薄膜を形成することを特徴とする(36)〜(58)いずれかの有機薄膜形成方法。
(60)化学吸着膜である有機薄膜を形成することを特徴とする(36)〜(59)いずれかの有機薄膜形成方法。
(61)自己集合膜である有機薄膜を形成することを特徴とする(36)〜(60)いずれかの有機薄膜形成方法。
(62)前記基板として、表面に活性水素を含む基板を用いることを特徴とする(36)〜(61)いずれかの有機薄膜形成方法。
(63)前記基板として、ガラス、シリコンウェハー、セラミックス、金属及びプラスチックから選ばれる少なくとも一つから構成されたものを用いることを特徴とする(36)〜(62)いずれかの有機薄膜形成方法。
本発明の第5によれば、下記(64)〜(69)の有機薄膜形成用溶液が提供される。
(64)少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤と該界面活性剤と相互作用し得る触媒とを混合して得られる有機溶媒溶液であって、水分を所定量含有するものであり、かつ、前記金属系界面活性剤の加水分解生成物である水酸基含有化合物を20〜2000ppm含有するものであることを特徴とする有機薄膜形成用溶液。
(65)前記少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属界面活性剤が、式(V)
(式中、R100は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基、又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは加水分解性基を表し、nは、1から(m−1)のいずれかの整数を表し、mはMの原子価を表し、nが2以上のとき、R100は同一であっても、相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。)で表される化合物であることを特徴とする(64)の有機薄膜形成用溶液。
(66)前記Xの加水分解性基が、C1〜C6アルコキシル基又はアシルオキシ基であることを特徴とする(65)の有機薄膜形成用溶液。
(67)前記水酸基含有化合物が、式(VI)
(式中、R100は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基、又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは加水分解性基を表し、nは、1から(m−1)のいずれかの整数を表し、mはMの原子価を表し、nが2以上のとき、R100は同一であっても、相異なっていてもよく、(m−n−1)が2以上のとき、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。)で表される化合物であることを特徴とする(65)又は(66)いずれかの有機薄膜形成用溶液。
(68)前記Mが、ケイ素原子であること特徴とする(65)〜(67)いずれかの有機薄膜形成方法。
(69)前記(36)〜(63)いずれかの有機薄膜形成方法に用いられるものである(64)〜(68)いずれかの有機薄膜形成用溶液。
本発明の有機薄膜形成方法によれば、種々の材質からなる基板上に、不純物が少ない緻密な単分子膜(有機薄膜)を迅速に形成することができる。
本発明の有機薄膜形成方法によれば、緻密で均質な有機薄膜を、同一溶液を用いて2回以上繰り返し形成することができる。
本発明の有機薄膜形成方法は、電化製品、自動車、産業機器、鏡、眼鏡レンズ等の耐熱性、耐候性、耐摩耗性超薄膜コーティングを必要とする機器の、電気デバイス用等の設計パターンの形成に好適に適用できる。
本発明の有機薄膜形成用補助剤を使用することにより、種々の材質からなる基板上に、不純物が少ない緻密な単分子膜(有機薄膜)を迅速に形成することができる。
本発明の有機薄膜形成用溶液は、本発明の有機薄膜形成方法に好適に用いることができる。本発明の有機薄膜形成用溶液によれば、不純物の少ない緻密な自己組織化単分子膜や、基板の材質、基板の結晶性の有無にかかわらず、密着性に優れ、単分子で均質な膜であり、非結晶性の基板上においても、高い結晶性を有する化学吸着膜を形成することができる。
標品1のHPLCによる分離曲線を示す図である。 有機薄膜形成用溶液SB−1のHPLCによる分離曲線を示す図である。 実施例26、28、29の有機薄膜の薄膜X線結晶回折図である。 有機薄膜形成用溶液SB−1、及びODSのトルエン溶液をそれぞれ密封して室温で保存した保存液中のODS残存量(縦軸)と時間経過(横軸)との関係を示す図である。 有機薄膜形成用溶液SB−1、及びODSのトルエン溶液をそれぞれ密封して室温で保存した保存液中のシラノール生成量(縦軸)と時間経過(横軸)との関係を示す図である。 有機薄膜形成用溶液SB−1、及びODSのトルエン溶液をそれぞれ密封して室温で保存した保存液を使用して有機薄膜を形成し、得られた有機薄膜の水及びTDに対する接触角(°)(縦軸)と、保存液の時間経過(横軸)との関係を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(有機薄膜形成方法)
本発明の有機薄膜形成方法は、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(1)と、前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物を混合して得られる有機薄膜形成用補助剤に、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(2)を添加して得られる有機薄膜形成用溶液を基板と接触させる工程により、前記基板表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成方法であって、水分含量が所定量範囲内になるように調整するか又は保持した有機薄膜形成用溶液を用いることを特徴とする。
(1)金属系界面活性剤(1)及び金属系界面活性剤(2)
本発明に用いる金属系界面活性剤(1)及び金属系界面活性剤(2)は、加水分解可能な官能基を1以上有し、分子内に、親水性部位と疎水性部位とを有するものであれば特に制限されない。
前記金属系界面活性剤(1)としては、前記式(I)で示される化合物の1種又は2種以上を、前記金属系界面活性剤(2)としては、前記式(III)で示される化合物の1種又は2種以上を用いるのが好ましい。
前記式(I)中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数10〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数10〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表す。また、前記式(III)中、R11は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表す。
前記R1の置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、n−デシル基、n−オクタデシル基等の炭素数10〜30のアルキル基;n−デシニル基、n−オクタデシニル基等の炭素数10〜30のアルケニル基;1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数10〜30アリール基;等が挙げられる。
11の置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−へキシル基、イソへキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基等の炭素数1〜30のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等の炭素数2〜30のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;等が挙げられる。
前記R1の置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数10〜30のハロゲン化アルキル基、炭素数10〜30のハロゲン化アルケニル基、炭素数10〜30のハロゲン化アリール基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数10〜30のアルキル基中の水素原子の2個以上がハロゲン原子に置換された基が好ましく、炭素数10〜30のアルキル基中の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたフッ素化アルキル基がより好ましい。
前記R11の置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜30のハロゲン化アルキル基、炭素数2〜30のハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。具体的には、上記例示した炭化水素基中の水素原子の1個以上がフッ素原子、塩素原子又は臭素原子等のハロゲン原子に置換された基が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜30のアルキル基中の水素原子の2個以上がハロゲン原子に置換された基が好ましく、炭素数1〜30のアルキル基中の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたフッ素化アルキル基がより好ましい。また、フッ素化アルキル基が分岐構造を有する場合には、分岐部分は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜2の短鎖であるのが好ましい。
前記R及びR11のフッ素化アルキル基としては、末端炭素原子にフッ素原子が1個以上結合した基が好ましく、末端炭素原子にフッ素原子が3個結合したCF3基部分を有する基がより好ましく、末端部分に、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子に置換されたペルフルオロアルキル部分を有し、かつ後述する金属原子Mとの間に、−(CH2h−(式中、hは1〜29の整数を表す。)で表されるアルキレン基を有する基が特に好ましい。
フッ素化アルキル基中のフッ素原子数は、[(フッ素化アルキル基中のフッ素原子数)/(フッ素化アルキル基に対応する同一炭素数のアルキル基中に存在する水素原子数)×100]%で表現したときに、60%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましい。
前記R及びR11の置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基の置換基としては、カルボキシル基;アミド基;イミド基;エステル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;又は水酸基等が挙げられる。これらの置換基の数は0〜3であるのが好ましい。
前記R及びR11の連結基を含む炭化水素基の炭化水素基としては、具体的には、前記置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
また、前記R及びR11の連結基を含むハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、具体的には、前記置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記連結基は、炭化水素基若しくはハロゲン化炭化水素基の炭素−炭素結合間、又は炭化水素基の炭素と後述する金属原子Mとの間に存在するのが好ましい。
連結基の具体例としては、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−C(=O)O−又は−C(=O)NR51−(式中、R51は、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;を表す。)等が挙げられる。
これらの中でも、R1、R11としては、撥水性、耐久性の観点から、R1は、炭素数10以上のアルキル基、炭素数10〜30のフッ素化アルキル基、又は連結基を含むフッ素化アルキル基であるのが、R11は、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフッ素化アルキル基、又は連結基を含むフッ素化アルキル基であるのがそれぞれ好ましい。
1、R11のより好ましい具体例としては、次のものが挙げられる。但し、次に掲げるもののうち、炭素数が10未満の、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基は、Rから除かれる。
すなわち、CH−、CHCH−、(CHCH−、(CHC−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH10−、CH(CH11−、CH(CH12−、CH(CH13−、CH(CH14−、CH(CH15−、CH(CH16−、CH(CH17−、CH(CH18−、CH(CH19−、CH(CH20−、CH(CH21−、CH(CH22−、CH(CH23−、CH(CH24−、CH(CH25−、
CF−、CFCF−、(CFCF−、(CFC−、CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CFO(CF(CH−、CF(CFO(CF(CH−、CF(CFO(CF(CH−、CF(CFCONH(CH−、CF(CFCONH(CH−、CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CH−、
CH(CF(CH−、CH(CF(CH−、CH(CF(CH−、CH(CF10(CH−、CH(CF11(CH−、CH(CF12(CH−、CH(CF(CH−、CH(CF(CH−、CH(CF11(CH−、CHCH(CF(CH−、CHCH(CF(CH−、CHCH(CF10(CH−、CH(CFO(CF(CH−、CH(CF(CHO(CH−、CH(CF(CHO(CH−、CH(CF(CHO(CH−、CHCH(CF(CHO(CH−、CH(CFCONH(CH−、CH(CFCONH(CH−、CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CH−、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
M及びMは、それぞれ独立して、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる1種の原子を表す。これらの中でも、原料の入手容易性、反応性等の観点から、M及びMが共にケイ素原子であるのが特に好ましい。
X及びXは、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基を表す。加水分解性基としては、水と反応して分解する基であれば特に制約されない。例えば、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基;置換基を有していてもよいアシルオキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;イソシアネート基;シアノ基;アミノ基;又はアミド基等が挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等が挙げられる。アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。これらの置換基としては、カルボキシル基、アミド基、イミド基、エステル基、水酸基等が挙げられる。これらの中でも、X及びXとしては、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、又はイソシアネート基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシルオキシ基がより好ましい。
nは、1から(m−1)いずれかの整数を表し、nは、1から(m−1)いずれかの整数を表す。高密度の有機薄膜を製造する上では、n及びnは1であるのが好ましい。
mは金属原子Mの原子価を表し、mは金属原子Mの原子価を表す。
nが2以上のとき、Rは同一であっても相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一であっても相異なっていてもよい。また、nが2以上のとき、R11は同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。
本発明において、前記式(I)で示される化合物としては前記式(II)で示される化合物がより好ましく、前記式(III)で示される化合物としては前記式(IV)で示される化合物がより好ましい。
式(II)又は式(IV)中、M、X、m、M、X及びmは前記と同じ意味を表す。
21〜R23、R201〜R203、R31、R32、R301、R302は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。
、R41は、それぞれ独立してアルキレン基、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基、又は、ケイ素原子及び/若しくは酸素原子を含む2価の連結基を表す。
、R41の具体例を下記に示す。
(式中、a及びbは任意の自然数を表す。)
前記式(II)、(IV)中、Y及びYは、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−へキシル基、イソへキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等のアルコキシ基;アルキル基の一部又はすべての水素原子がフッ素原子に置換された含フッ素アルキル基;又はアルコキシ基の一部若しくはすべての水素原子がフッ素原子に置換された含フッ素アルコキシ基;等を表す。
rは、0又は1から(m−2)いずれかの正整数を表し、rは、0又は1から(m−2)いずれかの正整数を表すが、高密度の有機薄膜を製造する上では、r及びrは0が好ましい。
rが2以上のとき、Yは同一であっても相異なっていてもよく、(m−r−1)が2以上のとき、Xは同一であっても相異なっていてもよい。また、rが2以上のとき、Yは同一でも相異なっていてもよく、(m−r−1)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。但し、Y及びXのうち、少なくとも一個は水酸基又は加水分解性基であり、Y及びXのうち、少なくとも一個は水酸基又は加水分解性基である。
p及びpは0又は自然数を表し、q及びqは0又は1を表す。pが2以上のとき、式:C(R31)(R32)で表される基は同一であっても相異なっていてもよく、pが2以上のとき、式:C(R301)(R302)で表される基は同一であっても相異なっていてもよい。
式(I)、式(III)で示される化合物の具体例としては、下記に示すものが挙げられる。但し、これらのうち、式(I)で示される化合物からは、Rに相当する部分が炭素数10未満の、炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基である化合物が除かれる。
以下においては金属原子がケイ素原子である化合物を代表例としているが、本発明はこれらに限定されるものではない。
すなわち、CH(CHSi(OCH、CH(CHSi(OCH、CH(CHSi(OCH、CH(CH11Si(OCH、CH(CH13Si(OCH、CH(CH15Si(OCH、CH(CH17Si(OCH、CH(CH19Si(OCH、CH(CH21Si(OCH、CH(CH17Si(OCHCH、CH(CH17SiCl、CH(CHSi(OCHCH、CH(CHSiCl、CH(CHSi(CH)(OCHCH、CH(CHSi(CH)(OCH、CH(CHSi(CH(OCHCH)、CH(CHSi(CH(OCH)、
CHCHO(CH15Si(OCH、CFCHO(CH15Si(OCH、CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH、CH(CHSi(CH(CHSi(OCH、CHCOO(CH15Si(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF−(CH=CH)−Si(OCH、CHCHO(CH15Si(OC、CH(CHSi(CH(CH15Si(OC、CH(CHSi(CH(CHSi(OC、CF(CHSi(CH(CHSi(OC、CHCOO(CH15Si(OC、CFCOO(CH15Si(OC、CFCOO(CH15Si(OCH、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CH=CH)Si(OC、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(CH)(OC、CF(CF(CHSi(CH)(OCH、CF(CF(CHSi(CH(OC)、CF(CF(CHSi(CH(OCH)、
CF(CHSiCl、CF(CF(CHSiCl、CF(CF(CHSiCl、CF(CF(CHSiCl、CF(CF(CHSiCl、CF(CF(CHSiCl
、CF(CF(CHSiCl、CF(CFO(CF(CHSiCl、CF(CFO(CF(CHSiCl、CF(CF(CHO(CHSiCl、CF(CFCONH(CHSiCl、CF(CFCONH(CHSiCl、CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSiCl
CF(CF(CHSi(CH)Cl、CF(CF(CHSi(CH)Cl、CF(CHSi(CH)Cl、CF(CF(CHSi(CH)Cl、CF(CF(CHSi(CH)Cl、CF(CF(CHSi(CH)Cl、CF(CF(CF(CHSi(CH)Cl、CF(CF(CF(CHSi(CH)Cl、CF(CF(CHO(CHSi(CH)Cl、CF(CFCONH(CHSi(CH)Cl、CF(CFCONH(CHSi(CH)Cl、CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(CH)Cl、CH(CHSiCl、CH(CF(CHSiCl、CH(CF(CHSi(CH)Cl、CH(CF(CHSi(OCH、CH(CF(CHSi(NCO)、CH(CF(CHSiCl、CH(CF(CHSi(OCH、CH(CF(CHSi(NCO)、CH(CF(CHSiCl、CH(CF(CHSi(OCH、CH(CF(CHSi(NCO)
CHCH(CF(CHSiCl、CHCH(CF(CHSi(OCH、CHCH(CF(CHSi(NCO)、CHCH(CF(CHSiCl、CHCH(CF(CHSi(OCH、CHCH(CF(CHSi(NCO)
CHCH(CF10(CHSiCl、CH(CF4O(CF(CHSiCl、CH(CF(CHO(CHSiCl、CH(CF(CHO(CHSiCl、CH(CF(CHO(CHSiCl、CHCH(CF(CHO(CHSiCl、CH(CFCONH(CHSiCl、CH(CFCONH(CHSiCl、CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSiCl
CHCHO(CH15Si(OCH)(OH)、CFCHO(CH15Si(OCH(OH)、CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH)(OH)、CH(CHSi(CH(CHSi(OCH)(OH)、CHCOO(CH15Si(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CF(CH=CH)Si(OCH)(OH)、CHCHO(CH15Si(OC)(OH)、CH(CHSi(CH(CH15Si(OC)(OH)、CH(CHSi(CH(CHSi(OC)(OH)、CF(CHSi(CH(CHSi(OC)(OH)、CHCOO(CH15Si(OC)(OH)、CFCOO(CH15Si(OC)(OH)、CFCOO(CH15Si(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(OC)(OH)、CF(CF(CHSi(OC)(OH)、CF(CF(CHSi(OC)(OH)、CF(CF(CH=CH)Si(OC)(OH)、CF(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CHCHO(CH15Si(OCH(OH)、CFCHO(CH15Si(OCH(OH)、CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH(OH)、CH(CHSi(CH(CHSi(OCH(OH)、CHCOO(CH15Si(OCH(OH)、CF(CF(CHSi(OCH(OH)、CHCHO(CH15Si(OC(OH)、CF(CF(CH=CH)Si(OCH(OH)、CH(CHSi(CH(CH15Si(OC(OH)、CH(CHSi(CH(CHSi(OC(OH)、CF(CHSi(CH(CHSi(OC(OH)、CHCOO(CH15Si(OC(OH)、CFCOO(CH15Si(OC(OH)、CFCOO(CH15Si(OCH(OH)、CF(CF(CHSi(OC(OH)、CF(CF(CHSi(OC(OH)、CF(CF(CHSi(OC(OH)、CF(CF(CH=CH)Si(OC(OH)、CF(CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OC)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CFO(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CFO(CF(CHSi(OCH)(OH)、CF(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)、CF(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)、CF(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)、CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH)(OH)、CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CFO(CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CFO(CF(CHSi(OCH(OH)、CF(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)、CF(CFCONH(CHSi(OCH(OH)、CF(CFCONH(CHSi(OCH(OH)、CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH(OH)、
CH(CHSi(OCH)(OH)、CH(CF(CHSi(OCH)(OH)、CH(CF(CHSi(OCH)(OH)、CH(CF(CHSi(NCO)(OH)、CH(CF(CHSi(OCH)(OH)、CH(CF(CHSi(NCO)(OH)、CH(CF(CHSi(OCH)(OH)、CH(CF(CHSi(NCO)(OH)、CHCH(CF(CHSi(OCH)(OH)、CHCH(CF(CH)2Si(OCH)(OH)、CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CHCH(CF(CHSi(OCH)(OH)、CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)、CHCH(CF10(CHSi(OCH)(OH)、CH(CFO(CF(CHSi(OCH)(OH)、CH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)、CH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)、CH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)、CHCH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)、CH(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)、CH(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)、CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CF(CHO(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CFCONH(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CFCONH(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CH(CHSi(OCH(OH)、
CH(CF(CHSi(OCH(OH)、CH(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、CH(CF(CHSi(OCH(OH)、CH(CF(CHSi(NCO)(OH)、CH(CF(CHSi(OCH(OH)、CH(CF(CHSi(NCO)(OH)、CH(CF(CHSi(OCH(OH)、CH(CF(CHSi(NCO)(OH)、
CHCH(CF(CHSi(OCH(OH)、CHCH(CF(CHSi(OCH(OH)、CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)、CHCH(CF(CHSi(OCH(OH)、CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)、CHCH(CF10(CHSi(OCH(OH)、CH(CF4O(CF(CHSi(OCH(OH)、CH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)、CH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)、CH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)、CHCH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)、CH(CFCONH(CHSi(OCH(OH)、CH(CFCONH(CHSi(OCH(OH)、CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH(OH)、
CHCHO(CH15Si(OH)、CFCHO(CH15Si(OH)、CH(CHSi(CH(CH15Si(OH)、CH(CHSi(CH(CHSi(OH)、CHCOO(CH15Si(OH)、CF(CF(CHSi(OH)、CF(CF(CH=CH)Si(OH)、CHCHO(CH15Si(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OH)、CH(CHSi(CH(CHSi(OH)、CF(CHSi(CH(CHSi(OH)、CHCOO(CH15Si(OH)、CFCOO(CH15Si(OH)、CFCOO(CH15Si(OH)、CF(CF(CHSi(OH)、CF(CF(CHSi(OH)、CF(CF(CHSi(OH)、CF(CF(CH=CH)Si(OH)、CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(CH(OH)、CF(CHSi(OH)、CF(CF(CHSi(OH)、CF(CF(CHSi(OH)、CF(CF(CHSi(OH)、CF(CF(CHSi(OH)、CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)、CF(CFO(CF(CHSi(OH)、CF(CFO(CF(CHSi(OH)、CF(CF(CHO(CHSi(OH)、CF(CFCONH(CHSi(OH)、CF(CFCONH(CHSi(OH)、CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OH)
CH(CHSi(OH)、CH(CF(CHSi(OH)、CH(CF(CHSi(OH)、CH(CF(CHSi(OH)、CH(CF(CHSi(OH)、CH(CF(CHSi(OH)、CH(CF(CHSi(OH)、CH(CF(CHSi(OH)、CHCH(CF(CHSi(OH)、CHCH(CF(CHSi(OH)、CHCH(CF(CHSi(OH)、CHCH(CF(CHSi(OH)、CHCH(CF(CHSi(OH)、CHCH(CF10(CHSi(OH)、CH(CF40(CF(CHSi(OH)、CH(CF(CHO(CHSi(OH)、CH(CF(CHO(CHSi(OH)、CH(CF(CHO(CHSi(OH)、CHCH(CF(CHO(CHSi(OH)、CH(CFCONH(CHSi(OH)、CH(CFCONH(CHSi(OH)、CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OH)、CF(CHSi(CH)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OH)、CF(CF(CHSi(CH)(OH)、CF(CF(CF(CHSi(CH)(OH)、CF(CF(CF(CHSi(CH)(OH)、CF(CF(CHO(CHSi(CH)(OH)、CF(CFCONH(CHSi(CH)(OH)、CF(CFCONH(CHSi(CH)(OH)、CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(CH)(OH)、CH(CF(CHSi(CH)(OH)、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(2)少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤
本発明に用いる少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤は、式(V)で示される化合物である。

本発明に用いる少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤は、少なくとも一つの加水分解可能な官能基と疎水性基とを同一分子内に有するものであれば、特に制限されないが、基板表面上の活性水素と反応して結合を形成することができる加水分解性基を有するものが好ましい。具体的には、前記式(V)で表される化合物を好ましく例示することができる。
前記式(V)中、R100は置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表す。
前記置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、前記RまたはR11に記載の置換基が挙げられる。
前記置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜30のハロゲン化アルキル基、炭素数2〜30のハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。具体的には、上記例示した炭化水素基中の水素原子の1個以上がフッ素原子、塩素原子又は臭素原子等のハロゲン原子に置換された基が挙げられる。
これらの中でも、前記ハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜30のアルキル基中の水素原子の2個以上がハロゲン原子に置換された基が好ましく、炭素数1〜30のアルキル基中の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたフッ素化アルキル基がより好ましい。また、フッ素化アルキル基が分岐構造を有する場合には、分岐部分は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜2の短鎖であるのが好ましい。
フッ素化アルキル基、フッ素化アルキル基中のフッ素原子数、前記置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基の置換基、連結基を含む炭化水素基の炭化水素基、連結基を含むハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、前記RまたはR11に記載のものが挙げられる。
また、前記連結基としては、炭化水素基若しくはハロゲン化炭化水素基の炭素−炭素結合間、又は炭化水素基の炭素と後述する金属原子Mとの間に存在するのが好ましい。
連結基の具体例としては、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−C(=O)O−又は−C(=O)NR21−(式中、R21は、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;を表す。)等が挙げられる。
これらの中でも、R100としては、撥水性、耐久性の観点から、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフッ素化アルキル基、又は連結基を含むフッ素化アルキル基であるのが好ましい。
100のより好ましい具体例としては、前記RまたはR11として記載のものが挙げられる。
Mは、前記記載の金属原子が挙げられる。
また、Xは加水分解性基を表す。加水分解性基としては、水と反応して分解して水酸基を生成する基であれば特に制約されない。例えば、前記記載の置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシル基;置換基を有していてもよいアシルオキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;イソシアネート基;シアノ基;アミノ基;又はアミド基等が挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシル基としては、前記記載のメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等が挙げられる。アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。これらの置換基としては、カルボキシル基、アミド基、イミド基、エステル基、水酸基等が挙げられる。
これらの中でも、Xとしては、炭素数1〜6のアルコキシル基、アシルオキシ基又はイソシアネート基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシル基又はアシルオキシ基がより好ましい。
mは、金属原子Mの原子価を表す。
nは、1から(m−1)のいずれかの整数を表す。高密度の有機薄膜を形成する上では、nは1であるのが好ましい。
nが2以上のとき、R100は同一であっても、相異なっていてもよい。
また、(m−n)が2以上のとき、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。
本発明においては、前記式(V)で表される化合物の中でも、下記(i)〜(v)で表される化合物を好ましく例示することができ、(i)で表される化合物が特に好ましい。
(i)CF−(CF−R −MYm−r
(ii)CH−(CH−MYm−r−1
(iii)CH−(CH−O−(CH−MYm−r−1
(iv)CH−(CH−Si(CH−(CH−MYm−r−1
(v)CFCOO−(CH−MYm−r−1
上記式(i)〜(v)中、M、X及びmは前記と同じ意味を表す。
は、アルキレン基、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基、又はケイ素原子及び/若しくは酸素原子を含む2価の連結基を表す。
の具体例としては、前記R、R41と同じものが挙げられる。
Yは、前記記載の水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−へキシル基、イソへキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等のアルコキシル基;アルキル基の一部又はすべての水素原子がフッ素原子に置換された含フッ素アルキル基;又はアルコキシル基の一部若しくはすべての水素原子がフッ素原子に置換された含フッ素アルコキシル基;等を表す。
rは、0から(m−2)のいずれかの整数を表すが、高密度の有機薄膜を製造する上では、0が好ましい。また、rが2以上のとき、Yは同一であっても相異なっていてもよく、(m−r−1)が2以上のとき、Xは同一であっても相異なっていてもよい。
pは0又は自然数を表し、qは0又は1を表す。
g、s、t、u、v、及びwは、任意の整数を表す。特に好ましい範囲は、gは1〜25、sは0〜12、tは1〜20、uは0〜12、vは1〜20、wは1〜25である。
前記式(V)で表される化合物の具体例としては、下記に示すものが挙げられる。
以下においては、金属原子Mがケイ素原子である化合物を代表例として示しているが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、加水分解性基についても、例示した官能基に限定されず他の加水分解性基が結合したものであってもよい。
CH(CHSi(OCH
CH(CHSi(OCH
CH(CHSi(OCH
CH(CH10Si(OCH
CH(CH11Si(OCH
CH(CH12Si(OCH
CH(CH13Si(OCH
CH(CH14Si(OCH
CH(CH15Si(OCH
CH(CH16Si(OCH
CH(CH17Si(OCH
CH(CH18Si(OCH
CH(CH19Si(OCH
CH(CHSi(OC
CH(CHSi(OC
CH(CHSi(OC
CH(CH10Si(OC
CH(CH11Si(OC
CH(CH12Si(OC
CH(CH13Si(OC
CH(CH14Si(OC
CH(CH15Si(OC
CH(CH16Si(OC
CH(CH17Si(OC
CH(CH18Si(OC
CH(CH19Si(OC
CHCHO(CH15Si(OCH
CFCHO(CH15Si(OCH
CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH
CH(CHSi(CH(CHSi(OCH
CHCOO(CH15Si(OCH
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CH=CH)Si(OCH
CHCHO(CH15Si(OC
CH(CHSi(CH(CH15Si(OC
CH(CHSi(CH(CHSi(OC
CF(CHSi(CH(CHSi(OC
CHCOO(CH15Si(OC
CFCOO(CH15Si(OC
CFCOO(CH15Si(OCH
CF(CF(CHSi(OC
CF(CF(CHSi(OC
CF(CF(CHSi(OC
CF(CF(CH=CH)Si(OC
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(CH)(OC
CF(CF(CHSi(CH)(OCH
CF(CF(CHSi(CH(OC
CF(CF(CHSi(CH(OCH
CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CFO(CF(CHSi(OCH
CF(CFO(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHO(CHSi(OCH
CF(CFCONH(CHSi(OCH
CF(CFCONH(CHSi(OCH
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(CH)(OCH
CF(CF(CHSi(CH)(OCH
CF(CHSi(CH)(OCH
CF(CF(CHSi(CH)(OCH
CF(CF(CHSi(CH)(OCH
CF(CF(CHSi(CH)(OCH
CF(CF(CF(CHSi(CH)(OCH
CF(CF(CF(CHSi(CH)(OCH
CF(CF(CHO(CHSi(CH)(OCH
CF(CFCONH(CHSi(CH)(OCH
CF(CFCONH(CHSi(CH)(OCH
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(CH)(OCH
CH(CHSi(OCH
CH(CF(CHSi(OCH
CH(CF(CHSi(CH)(OCH
CH(CF(CHSi(OCH
CH(CF(CHSi(NCO)
CH(CF(CHSi(OCH
CH(CF(CHSi(NCO)
CH(CF(CHSi(OCH
CH(CF(CHSi(NCO)
CHCH(CF(CHSi(OCH
CHCH(CF(CHSi(OCH
CHCH(CF(CHSi(NCO)
CHCH(CF(CHSi(OCH
CHCH(CF(CHSi(NCO)
CHCH(CF10(CHSi(OCH
CH(CF4O(CF(CHSi(OCH
CH(CF(CHO(CHSi(OCH
CH(CF(CHO(CHSi(OCH
CH(CF(CHO(CHSi(OCH
CHCH(CF(CHO(CHSi(OCH
CH(CFCONH(CHSi(OCH
CH(CFCONH(CHSi(OCH
CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH
これらの化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記有機溶媒溶液中の金属系界面活性剤の含有量は、特に制限はないが、緻密な単分子膜を製造するためには、0.1〜30重量%の範囲が好ましい。
(3)金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物
本発明に用いる金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物としては、金属系界面活性剤(1)の金属部分又は加水分解性基部分と配位結合や水素結合等を介して相互作用をすることにより、加水分解性基又は水酸基を活性化させ、縮合を促進させる作用を有する化合物であれば、特に制限されない。
本発明においては、前記化合物として、金属酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒及び酸触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の少なくとも1種を用いるのがより好ましい。
金属アルコキシド類としては、特に限定されないが、透明性に優れる有機薄膜を得ることができること等の理由から、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属のアルコキシド類が好ましい。
金属アルコキシド類のアルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、含有酸化物濃度、有機物の脱離容易性、入手容易性等から、炭素数1〜4のものがより好ましい。
本発明に用いる金属アルコキシド類の具体例としては、Si(OCH、Si(OC、Si(OC−i)、Si(OC−t)等のケイ素アルコキシド;Ti(OCH、Ti(OC、Ti(OC−i)、Ti(OC等のチタンアルコキシド;Ti[OSi(CH、Ti[OSi(C等のテトラキストリアルキルシロキシチタン;Zr(OCH、Zr(OC、Zr(OC、Zr(OC等のジルコニウムアルコキシド;Al(OCH、Al(OC、Al(OC−i)、Al(OC等のアルミニウムアルコキシド;Ge(OC等のゲルマニウムアルコキシド;In(OCH、In(OC、In(OC−i)、In(OC等のインジウムアルコキシド;Sn(OCH、Sn(OC、Sn(OC−i)、Sn(OC等のスズアルコキシド;Ta(OCH、Ta(OC、Ta(OC−i)、Ta(OC等のタンタルアルコキシド;W(OCH、W(OC、W(OC−i)、W(OC等のタングステンアルコキシド;Zn(OC等の亜鉛アルコキシド;Pb(OC等の鉛アルコキシド;等が挙げられる。これらの金属アルコキシド類は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また本発明においては、金属アルコキシド類として、2種以上の金属アルコキシド類の反応により得られる複合アルコキシド、1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と、1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシド、及びこれらの組み合わせを用いることもできる。
2種以上の金属アルコキシド類の反応により得られる複合アルコキシドとしては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシドと、遷移金属のアルコキシドとの反応により得られる複合アルコキシドや、第3B族元素の組合せにより錯塩の形で得られる複合アルコキシド等を例示することができる。
その具体例としては、BaTi(OR)、SrTi(OR)、BaZr(OR)、SrZr(OR)、LiNb(OR)、LiTa(OR)、及び、これらの組合せ、LiVO(OR)、MgAl(OR)、(RO)SiOAl(OR’)、(RO)SiOTi(OR’)、(RO)SiOZr(OR’)、(RO)SiOB(OR’)、(RO)SiONb(OR’)、(RO)SiOTa(OR’)等のケイ素アルコキシドと、前記金属アルコキシド類との反応物及びその縮重合物等が挙げられる。ここで、R及びR’はアルキル基等を表す。
1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシドとしては、金属塩と金属アルコキシド類との反応により得られる化合物を例示することができる。
金属塩としては、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩等を、金属アルコキシド類としては、上述した金属アルコキシド類と同様のものをそれぞれ例示することができる。
金属アルコキシド類の部分加水分解生成物は、金属アルコキシド類を完全に加水分解する前に得られるものであって、オリゴマーの状態で存在する。
金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の製造方法としては、有機溶媒中、上記例示した金属アルコキシド類に対し0.5〜2.0倍モル未満の水を用い、−100℃から有機溶媒還流温度範囲で加水分解する方法を好ましく例示することができる。
具体的には、
(i)有機溶媒中、金属アルコキシド類に対し0.5〜1.0倍モル未満の水を添加する方法、
(ii)有機溶媒中、加水分解が開始する温度以下、好ましくは0℃以下、より好ましくは−20〜−100℃の範囲で、金属アルコキシド類に対し1.0〜2.0倍モル未満の水を添加する方法、
(iii)有機溶媒中、水の添加速度を制御する方法や、水に水溶性溶媒を添加して水濃度を低下させた水溶液を使用する方法等により、加水分解速度を制御しながら、金属アルコキシド類に対し0.5〜2.0倍モル未満の水を室温で添加する方法、等を例示することができる。
上記(i)の方法においては、任意の温度で所定量の水を添加した後、加水分解を開始する温度以下、好ましくは−20℃以下で、水をさらに追加して反応を行うこともできる。
金属アルコキシド類と水との反応は、有機溶媒を用いずに直接金属アルコキシド類と水を混合することにより行うこともできるが、有機溶媒中で行うのが好ましい。具体的には、金属アルコキシド類の有機溶媒溶液に有機溶媒で希釈した水を添加する方法;水が懸濁又は溶解した有機溶媒中に、金属アルコキシド類、又はその有機溶媒溶液を添加する方法;のいずれの方法でも行うことができるが、前者の水を後から添加する方法が好ましい。
有機溶媒中の金属アルコキシド類の濃度は、急激な発熱を抑制し、撹拌が可能な流動性を有する範囲であれば特に限定されないが、通常、5〜30重量%の範囲である。
上記(i)の方法における金属アルコキシド類と水との反応温度は特に制限されず、通常、−100〜+100℃の範囲、好ましくは、−20℃から用いる有機溶媒又は加水分解によって脱離してくるアルコールの沸点までの温度範囲である。
上記(ii)の方法における水の添加温度は、金属アルコキシド類の安定性に依存するものであり、加水分解開始温度以下、又は0℃以下の温度であれば特に限定されないが、金属アルコキシド類の種類によっては、金属アルコキシド類への水の添加を−50℃〜−100℃の温度範囲で行うことが好ましい。また、低温で水を添加し、一定時間熟成した後、室温から用いた溶媒の還流温度で加水分解し、さらに脱水縮合反応を行うこともできる。
上記(iii)の方法における金属アルコキシド類と水との反応は、特殊な冷却装置を用いなくても冷却可能な温度範囲、例えば、0℃から室温の範囲で、水の添加速度を制御する等の温度以外の方法により加水分解速度を制御することにより行うことができる。一定時間熟成した後、室温から用いる溶媒の還流温度で加水分解し、さらに脱水縮合反応を行うこともできる。
用いる有機溶媒としては、その有機溶媒中で、金属アルコキシド類の加水分解生成物が、分散質となって分散できるものであるのが好ましく、金属系界面活性剤を水で処理する反応を低温で行うことができることから、水の溶解度が大きく、低温で凝固しない溶媒がより好ましい。
用いる有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン(特開平9−208438号公報等)等;が挙げられる。
これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
混合溶媒として用いる場合には、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒と、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル、t−ブタノール等の低級アルコール溶媒系の組み合わせが好ましい。この場合の低級アルコール系溶媒としては、イソプロパノ−ル、t−ブタノール等の2級以上のアルコール系溶媒がより好ましい。混合溶媒の混合比は特に制限されないが、炭化水素系溶媒と低級アルコール系溶媒を、体積比で、99/1〜50/50の範囲で用いるのが好ましい。
用いる水は、中性であれば特に制限されないが、不純物が少なく、緻密な有機薄膜を得る観点から、純水、蒸留水又はイオン交換水を用いるのが好ましい。
水の使用量は、前記金属アルコキシド類1モルに対し、0.5〜2.0倍モル未満である。
また、金属アルコキシド類の水による部分加水分解反応においては、酸、塩基又は分散安定化剤を添加してもよい。酸及び塩基は、凝結してできた沈殿を再び分散させる解膠剤として、また、金属アルコキシド類を加水分解、脱水縮合させてコロイド粒子等の分散質を製造するための触媒として、及び生成した分散質の分散剤として機能するものであれば特に制限されない。
用いる酸としては、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の鉱酸;酢酸、ギ酸、シュウ酸、炭酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等の光照射によって酸を発生する光酸発生剤;が挙げられる。
用いる塩基としては、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、アンモニア、ジメチルホルムアミド、ホスフィン等が挙げられる。
分散安定化剤は、分散質を分散媒中に安定に分散させる効力を有する剤であり、解膠剤、保護コロイド、界面活性剤等の凝結防止剤等が挙げられる。具体的には、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸等の多価カルボン酸;ヒドロキシカルボン酸;ピロ燐酸、トリポリ燐酸等の燐酸;アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサンジオン等の金属原子に対して強いキレート能力を有する多座配位子化合物;スルパース3000、9000、17000、20000、24000(以上、ゼネカ社製)、Disperbyk−161、−162、−163、−164(以上、ビックケミー社製)等の脂肪族アミン系、ハイドロステアリン酸系、ポリエステルアミン;ジメチルポリシロキサン・メチル(ポリシロキシアルキレン)シロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、カルボキシ変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーン等(特開平9−208438号公報、特開平2000−53421号公報等)のシリコーン化合物;等が例示される。
上記のようにして得られる部分加水分解生成物は、有機溶媒中、酸、塩基及び/又は分散安定化剤の非存在下、凝集せずに安定に分散している性質を有する分散質となっている。この場合、分散質とは、分散系中に分散している微細粒子のことをいい、具体的には、コロイド粒子等を例示することができる。
ここで、凝集せずに安定に分散している状態とは、有機溶媒中、酸、塩基及び/又は分散安定化剤の非存在下、加水分解生成物の分散質が、凝結して不均質に分離していない状態を表し、好ましくは透明で均質な状態を表す。
また透明とは、可視光における透過率が高い状態をいい、具体的には、分散質の濃度を酸化物換算で0.5重量%とし、石英セルの光路長を1cmとし、対照試料を有機溶媒とし、光の波長を550nmとする条件で測定した分光透過率で表して、好ましくは80〜100%の透過率を表す状態をいう。
部分加水分解生成物の分散質の粒子径は特に限定されないが、可視光における高い透過率を得るためには、通常1〜100nm、好ましくは1〜50nm、より好ましくは1〜10nmの範囲である。
(4)金属系界面活性剤と相互作用し得る触媒
前記金属系界面活性剤と相互作用し得る触媒としては、金属系界面活性剤の金属部分又は加水分解性基部分と、配位結合や水素結合等を介して相互作用をすることにより、加水分解性基又は水酸基を活性化させ、縮合を促進させる作用を有する触媒であれば、特に制限されない。なかでも、金属酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒及び酸触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類部分加水分解生成物がより好ましい。
金属酸化物としては、特に限定されないが、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン、鉛からなる群から選ばれる1種の金属からなる酸化物を好ましく例示することができる。
金属酸化物は、ゾル、ゲル、固体状等の何れの状態のものも使用することができる。ゲル、ゾルの製造方法は、特に限定されず、例えばシリカゾルを例にとると、珪酸ナトリウム溶液を陽イオン交換する方法、シリコンアルコキシドを加水分解する方法等を例示することができる。特に、有機溶媒中に安定に分散しているゾルが好ましく、さらに、ゾルの粒子径が10〜100nmの範囲、さらに好ましくは、10〜20nmの範囲であるものが好ましい。ゾルの形状は特に限定されず、球状、細長い形状等、いずれのものも用いることができる。
具体的には、メタノールシリカゾル、IPA−ST、IPA−ST−UP、IPA−ST−ZL、NPC−ST−30、DMAC−ST、MEK−ST、MIBK−ST、XBA−ST、PMA−ST(以上、いずれも日産化学工業(株)社製オルガノシリカゾルの商品名を表す。)等を例示することができる。
金属アルコキシド類としては、特に限定されないが、透明性に優れる有機薄膜を得ることができること等の理由から、前記記載の金属のアルコキシド類が好ましく、金属アルコキシド類のアルコキシル基の炭素数も特に限定されないが、含有酸化物濃度、有機物の脱離の容易さ、入手の容易さ等から、炭素数1〜4がより好ましい。
本発明に用いる金属アルコキシド類の具体例としては、前記記載の金属のアルコキシド類が挙げられ、これらの金属アルコキシド類は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また本発明においては、金属アルコキシド類として、2種以上の金属アルコキシド類の反応により得られる複合アルコキシド、1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と、1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシド、及びこれらの組み合わせを用いることもできる。
2種以上の金属アルコキシド類の反応により得られる複合アルコキシドとしては、前記例示の複合アルコキシド等を挙げることができる。
その具体例としては、前記記載のBaTi(OR)、SrTi(OR)、BaZr(OR)、SrZr(OR)、LiNb(OR)、LiTa(OR)、及び、これらの組合せ、LiVO(OR)、MgAl(OR)、(RO)SiOAl(OR’)、(RO)SiOTi(OR’)、(RO)SiOZr(OR’)、(RO)SiOB(OR’)、(RO)SiONb(OR’)、(RO)SiOTa(OR’)等のケイ素アルコキシドと、前記金属アルコキシド類との反応物及びその縮重合物等が挙げられる。ここで、R及びR’はアルキル基等を表す。
1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシドとしては、金属塩と金属アルコキシド類との反応により得られる化合物を例示することができる。
金属塩、金属アルコキシド類部分加水分解生成物としては、前記記載のものと同じものが挙げられる。
また、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の製造方法としては、前記記載の有機溶媒中、上記例示した金属アルコキシド類に対し0.5〜2.0倍モル未満の水を用い、−100℃から有機溶媒還流温度範囲で加水分解する方法を好ましく例示することができる。具体的には、前記記載の方法を例示することができる。
前記記載の金属アルコキシド類と水との反応、有機溶媒中の金属アルコキシド類の濃度が挙げられ、前記(i)、(ii)、(iii)の方法、用いる有機溶媒、用いる有機溶媒の具体例についても前記記載のものを用いることができる。
これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
混合溶媒として用いる場合には、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒と、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル、t−ブタノール等の低級アルコール溶媒系の組み合わせが好ましい。この場合の低級アルコール系溶媒としては、イソプロパノ−ル、t−ブタノール等の2級以上のアルコール系溶媒を用いるのがより好ましい。混合溶媒の混合比は特に制限されないが、炭化水素系溶媒と低級アルコール系溶媒を、体積比で、99/1〜50/50の範囲で用いるのが好ましい。
用いる水は、中性であれば特に制限されないが、不純物が少なく、緻密な有機薄膜を得る観点から、純水、蒸留水又はイオン交換水を用いるのが好ましい。
水の使用量は、前記金属アルコキシド類に対し2倍当量以上、好ましくは2.0〜8.0倍当量、より好ましくは3〜5倍当量である。
また、金属アルコキシド類の水による加水分解反応においては、酸、塩基又は分散安定化剤を添加してもよい。酸及び塩基は、凝結してできた沈殿を再び分散させる解膠剤として、また、金属アルコキシド類を加水分解、脱水縮合させてコロイド粒子等の分散質を製造するための触媒として、及び生成した分散質の分散剤として機能するものであれば特に制限されない。
用いる酸、分散安定化剤、部分加水分解生成物、凝集せずに安定に分散している状態、透明とは、前記記載に同じであって、加水分解生成物の分散質の粒子径は特に限定されないが、可視光における高い透過率を得るためには、通常1〜100nm、好ましくは1〜50nm、より好ましくは1〜10nmの範囲である。
前記金属系界面活性剤と相互作用し得る触媒として用いるシラノール縮合触媒としては、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート等を例示することができる。
具体的には、酢酸第一スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクタン酸第一スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチルスズビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸エステル塩、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレート、チタンテトラエトキサイド、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライソプロポキサイド、チタンビス(アセチルアセトニル)ジプロポキサイド等を例示することができる。
前記金属系界面活性剤と相互作用し得る触媒として用いる酸触媒としては、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の鉱酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、炭酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等を例示することができ、さらには、光照射によって酸を発生する光酸発生剤、具体的には、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等を例示することができる。
前記金属系界面活性剤と相互作用し得る触媒の使用量は、形成する単分子の有機薄膜の物性に影響を与えない量であれば特に制限されないが、金属系界面活性剤1モルに対して酸化物換算モル数で、通常0.001〜1モル、好ましくは0.001〜0.2モルである。
(5)水酸基含有化合物
前記水酸基含有化合物は、前記金属系界面活性剤が水と反応して加水分解して、前記金属系界面活性剤の加水分解性基が水酸基に変化した化合物である。水酸基含有化合物としては、少なくとも一つの水酸基と疎水性基とを同一分子内に有するものであれば、特に制限されない。具体的には、1つの水酸基を有する化合物、2つの水酸基を有する化合物、3つの水酸基を有する化合物が挙げられ、下記に示す式(VI)で表される化合物を特に好ましく例示することができる。

(式中、R100、M、X、m及びnは前記と同じ意味を表す。(m−n−1)が2以上のとき、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。)
水酸基含有化合物の具体例としては、下記に示す、A群〜C群に示すものが挙げられる。以下においては、金属原子Mとしてケイ素原子を用いた化合物を代表として例示しているが、他の金属原子Mの場合も同様の化合物を例示することができる。
(A群)1つの水酸基を有する化合物
CH(CHSi(OCH2(OH)
CH(CHSi(OCH2(OH)
CH(CHSi(OCH2(OH)
CH(CH10Si(OCH2(OH)
CH(CH11Si(OCH2(OH)
CH(CH12Si(OCH2(OH)
CH(CH13Si(OCH2(OH)
CH(CH14Si(OCH2(OH)
CH(CH15Si(OCH2(OH)
CH(CH16Si(OCH2(OH)
CH(CH17Si(OCH2(OH)
CH(CH18Si(OCH2(OH)
CH(CH19Si(OCH2(OH)
CHCHO(CH15Si(OCH(OH)
CFCHO(CH15Si(OCH(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH(OH)
CH(CHSi(CH(CHSi(OCH(OH)
CHCOO(CH15Si(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(OCH(OH)
CHCHO(CH15Si(OC(OH)
CF(CF(CH=CH)Si(OCH(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OC(OH)
CH(CHSi(CH(CHSi(OC(OH)
CF(CHSi(CH(CHSi(OC(OH)
CHCOO(CH15Si(OC(OH)
CFCOO(CH15Si(OC(OH)
CFCOO(CH15Si(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(OC(OH)
CF(CF(CHSi(OC(OH)
CF(CF(CHSi(OC(OH)
CF(CF(CH=CH)Si(OC(OH)
CF(CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OC)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CFO(CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CFO(CF(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)
CF(CFCONH(CHSi(OCH(OH)
CF(CFCONH(CHSi(OCH(OH)
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CF(CHO(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CFCONH(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CFCONH(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CH(CHSi(OCH(OH)
CH(CF(CHSi(OCH(OH)
CH(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)
CH(CF(CHSi(OCH(OH)
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CH(CF(CHSi(OCH(OH)
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CH(CF(CHSi(OCH(OH)
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CHCH(CF(CHSi(OCH(OH)
CHCH(CF(CH)2Si(OCH(OH)
CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CHCH(CF(CHSi(OCH(OH)
CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CHCH(CF10(CHSi(OCH(OH)
CH(CF4O(CF(CHSi(OCH(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)
CHCH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)
CH(CFCONH(CHSi(OCH(OH)
CH(CFCONH(CHSi(OCH(OH)
CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH(OH)
CF(CF(CHSi(CH(OH)
(B群)2つの水酸基を有する化合物
CH(CHSi(OCH)(OH)
CH(CHSi(OCH)(OH)
CH(CHSi(OCH)(OH)
CH(CH10Si(OCH)(OH)
CH(CH11Si(OCH)(OH)
CH(CH12Si(OCH)(OH)
CH(CH13Si(OCH)(OH)
CH(CH14Si(OCH)(OH)
CH(CH15Si(OCH)(OH)
CH(CH16Si(OCH)(OH)
CH(CH17Si(OCH)(OH)
CH(CH18Si(OCH)(OH)
CH(CH19Si(OCH)(OH)
CHCHO(CH15Si(OCH)(OH)
CFCHO(CH15Si(OCH(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH)(OH)
CH(CHSi(CH(CHSi(OCH)(OH)
CHCOO(CH15Si(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CH=CH)Si(OCH)(OH)
CHCHO(CH15Si(OC)(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OC)(OH)
CH(CHSi(CH(CHSi(OC)(OH)
CF(CHSi(CH(CHSi(OC)(OH)
CHCOO(CH15Si(OC)(OH)
CFCOO(CH15Si(OC)(OH)
CFCOO(CH15Si(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OC)(OH)
CF(CF(CHSi(OC)(OH)
CF(CF(CHSi(OC)(OH)
CF(CF(CH=CH)Si(OC)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CFO(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CFO(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)
CF(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)
CF(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH)(OH)
CH(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CHCH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CHCH(CF(CH)2Si(OCH)(OH)
CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CHCH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CHCH(CF10(CHSi(OCH)(OH)
CH(CFO(CF(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)
CHCH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)
CH(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)
CH(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)
CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH)(OH)
(C群)3つの水酸基を有する化合物
CH(CHSi(OH)
CH(CHSi(OH)
CH(CHSi(OH)
CH(CH10Si(OH)
CH(CH11Si(OH)
CH(CH12Si(OH)
CH(CH13Si(OH)
CH(CH14Si(OH)
CH(CH15Si(OH)
CH(CH16Si(OH)
CH(CH17Si(OH)
CH(CH18Si(OH)
CH(CH19Si(OH)
CHCHO(CH15Si(OH)
CFCHO(CH15Si(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OH)
CH(CHSi(CH(CHSi(OH)
CHCOO(CH15Si(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CH=CH)Si(OH)
CHCHO(CH15Si(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OH)
CH(CHSi(CH(CHSi(OH)
CF(CHSi(CH(CHSi(OH)
CHCOO(CH15Si(OH)
CFCOO(CH15Si(OH)
CFCOO(CH15Si(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CH=CH)Si(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CFO(CF(CHSi(OH)
CF(CFO(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHO(CHSi(OH)
CF(CFCONH(CHSi(OH)
CF(CFCONH(CHSi(OH)
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OH)
CH(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CHCH(CF(CHSi(OH)
CHCH(CF(CHSi(OH)
CHCH(CF(CHSi(OH)
CHCH(CF(CHSi(OH)
CHCH(CF(CHSi(OH)
CHCH(CF10(CHSi(OH)
CH(CF40(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OH)
CHCH(CF(CHO(CHSi(OH)
CH(CFCONH(CHSi(OH)
CH(CFCONH(CHSi(OH)
CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OH)
これらの化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(6)有機溶媒
前記有機溶媒溶液に用いる有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒、及びシリコーン系溶媒が挙げられ、炭化水素系溶媒が好ましく、沸点が100〜250℃の炭化水素系溶媒が特に好ましい。
具体的には、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、リグロイン等の炭化水素系溶媒;CBrClCF、CClFCFCCl、CClFCFCHFCl、CFCFCHCl、CFCBrFCBrF、CClFCClFCFCCl、Cl(CFCFCl)Cl、Cl(CFCFCl)CFCCl、Cl(CFCFCl)Cl等フロン系溶媒、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等のフッ化炭素系溶媒;ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン等のシリコーン系溶媒;が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(7)有機薄膜形成用補助剤の調製
本発明の有機薄膜形成用補助剤は、前記金属系界面活性剤(1)と、前記金属系界面活性剤(1)と相互作用し得る化合物(以下、「B成分」ということがある。)を混合して得ることができる。
有機薄膜形成用補助剤は、より具体的には、金属系界面活性剤(1)を、B成分の存在下、有機溶媒中、水で処理することによって調製することができる。
本発明においては、前記有機薄膜形成用補助剤中、前記金属系界面活性剤(1)を、B成分1モルに対して、0.5〜8.0モル含むのが好ましく、1.5〜3.0モル含むのがより好ましい。
前記金属系界面活性剤(1)を、有機溶媒中、B成分の存在下、水で処理する方法としては、具体的には、(ア)金属系界面活性剤(1)及びB成分の有機溶媒溶液に水を添加する方法、(イ)金属系界面活性剤(1)と水の有機溶媒溶液に、B成分を添加する方法等が挙げられる。B成分は、水を含む有機溶媒の状態で使用されるのが一般的である。
前記有機薄膜形成用補助剤の調製に用いる有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒が好ましく、なかでも、沸点が100〜250℃のものがより好ましい。
具体的には、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、リグロイン等の炭化水素系溶媒;CBr2ClCF3、CClF2CF2CCl3、CClF2CF2CHFCl、CF3CF2CHCl2、CF3CBrFCBrF2、CClF2CClFCF2CCl3、Cl(CF2CFCl)2Cl、Cl(CF2CFCl)2CF2CCl3、Cl(CF2CFCl)3Cl等フロン系溶媒、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等のフッ化炭素系溶媒;ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン等のシリコーン系溶媒;が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、急激な反応を抑えるためには、(ア)の方法において添加する水、(イ)の方法において添加するB成分は、有機溶媒等で希釈したものであるのが好ましい。
以上のようにして得られる有機薄膜形成用補助剤は、前記金属系界面活性剤(2)と相互作用し得ることが好ましい。
(8)有機薄膜形成用溶液の調製
本発明の有機薄膜形成用溶液は、前記有機薄膜形成用補助剤と前記金属系界面活性剤(2)とから得ることができる。より具体的には、前記金属系界面活性剤(2)、有機溶媒、有機薄膜形成用補助剤、及び所望により水の混合物を撹拌することで、本発明の有機薄膜形成用溶液を得ることができる。
本発明の有機薄膜形成用溶液の調製に用いる有機薄膜形成用補助剤の使用量は、形成する単分子の有機薄膜の物性に影響を与えない量であれば特に制限されないが、金属系界面活性剤(2)1モルに対して酸化物換算モル数で、通常0.001〜1モル、好ましくは0.001〜0.2モルである。
本発明の有機薄膜形成用溶液は、より具体的には、(a)前記有機薄膜形成用補助剤及び金属系界面活性剤(2)の有機溶媒溶液に水を添加する方法、(b)金属系界面活性剤(2)と水の混合溶液に、前記有機薄膜形成用補助剤を添加する方法等が挙げられる。また、急激な反応を抑えるためには、(a)の方法において添加する水、(b)の方法において添加する有機薄膜形成用補助剤は、有機溶媒等で希釈したものであるのが好ましい。
本発明の有機薄膜形成用溶液の調製に用いる有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒が好ましく、なかでも、沸点が100〜250℃のものがより好ましい。具体的には、前記有機薄膜形成用補助剤の調製に用いることができるものとして列記した、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒と同様のものを使用することができる。
本発明の有機薄膜形成用溶液の調製に用いる水の量は、用いる金属系界面活性剤(2)、有機薄膜形成用補助剤、塗布する基板等の種類に応じて適宜決定することができる。水の使用量があまり多いと、金属系界面活性剤(2)が互いに縮合し、基体表面への化学吸着が阻害され、単分子膜とならないおそれがある。
前記金属系界面活性剤(2)、有機溶媒、有機薄膜形成用補助剤及び水の混合物の撹拌温度は、通常−100℃〜+100℃、好ましくは−20℃〜+50℃である。撹拌時間は、通常、数分から数時間である。
また、この場合においては、均一な有機薄膜形成用溶液を得るために、超音波処理を施すことも好ましい。
調製した有機薄膜形成用溶液中に、金属酸化物等を含む析出物が生じる場合があるが、これらの析出物等の不純物は、不純物のない緻密な単分子の有機薄膜を得るためには、ここで除去しておくのが好ましい。析出物は、濾過、デカント等の操作で簡便に除去することができる。
本発明においては、有機薄膜形成用溶液として、その水分含量が所定量範囲内になるように調整するか又は保持したものを用いる。有機溶媒溶液中における水分含量は、基体表面への化学吸着が阻害される、緻密な単分子膜が製造できない、有効に用いることのできる金属系界面活性剤の量を損失する、又は触媒が失活する等の問題がおきない範囲の量が好ましい。また、ディップ法により前記溶液を基板に接触させる場合に、接触時間を10分間以内、好ましくは5分間以内に、緻密で均質な有機薄膜を1度にしかも前記溶液が接触した基板前面に形成させるために、基板表面又は膜の形成を促進活性化させるのに十分な水分含量以上が好ましい。
有機薄膜形成用溶液の水分含量は、具体的には50ppm以上が好ましく、より好ましくは50ppmから有機溶媒への飽和水分含量の範囲(より具体的には、50〜1000ppmの範囲)である。
尚、ここで示す水分含量は、前記有機溶媒溶液の一部を採取してカールフィッシャー法で測定した値を示し、その方法原理を用いた装置で測定した値であれば、測定装置については特に限定されない。尚、有機溶媒溶液として均一である場合には、均一な溶液を一部採取して測定し、有機溶媒と水分層が2層となっている場合には、有機溶媒層より一部採取して測定し、有機溶媒中に水分層が分散し分離不可能な状態である場合には、その分散液をそのまま採取して測定した値を示す。
前記有機薄膜形成用溶液の水分含量を所定量範囲内になるように調整するか又は保持する方法としては、(i)前記有機薄膜形成用溶液に接触して水層を設ける方法、(ii)水分を含ませた保水性物質を共存させておく方法、(iii)水分を含む気体を吹き込む方法、等が挙げられる。
本発明の有機薄膜形成用溶液は保存安定性に優れるものであり、40〜60日間、室温(20〜30℃)で密封保存した後においても、良好な有機薄膜を形成することができる。すなわち、本発明の有機薄膜形成用溶液は、調製後、時間の経過とともに含まれる金属系界面活性剤の残存量が徐々に減少するが、水酸基含有化合物生成量はほぼ一定である。
このことは、金属系界面活性剤が加水分解して水酸基含有化合物を生成する反応は平衡反応であり、時間の経過とともにいくつかの水酸基含有化合物が脱水縮合して高分子化するが、水酸基含有化合物が消費された分だけ、金属系界面活性剤が加水分解して水酸基含有化合物が生成すると考えられる。また、有機薄膜形成用溶液の保存液を使用する場合も、良好な有機薄膜を形成することができることから、水酸基含有化合物が脱水縮合した高分子(又はオリゴマー)は、有機薄膜の形成に悪影響を与えないと考えられる。
(9)有機薄膜の形成方法
本発明の有機薄膜形成方法は、上記のようにして得られた有機薄膜形成用溶液を基板と接触させることにより、前記基板表面に有機薄膜を形成する。
用いる基板としては、表面に活性水素を有する基板が好ましい。具体的にはアルミニウム、銅、ステンレス等の金属;セラミックス;ガラス;プラスチック;紙;天然繊維又は合成繊維;皮革;その他親水性の物質等からなる基板が挙げられる。
表面に水酸基等をもたない材質からなる基板の場合には、予め基板の表面を、酸素を含むプラズマ雰囲気中で処理したり、コロナ処理して親水性基を導入したりすることができる。親水性基としては、水酸基(−OH)が好ましいが、活性水素を有する−COOH、−CHO、=NH、−NH2等の官能基等でも良い。
また、表面に活性水素をもたない基板の場合、この基板の表面に、予めSiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、Cl−(SiCl2O)c−SiCl3(式中、cは0又は自然数を表す。)から選ばれる少なくとも一つの化合物を接触させた後、脱塩化水素反応させることにより、表面に活性水素を有するシリカ下地層を形成しておくこともできる。
本発明の有機薄膜形成用溶液(以下、「本発明溶液」と略記する。)を基板表面に接触する方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、ディップ法、スピンコート法、スプレー法、ローラコート法、メイヤバー法、スクリーン印刷法、刷毛塗り法等が挙げられ、これらの中でも、ディップ法が好ましい。
本発明溶液を基板表面に接触する温度は、本発明溶液が安定性を保てる温度範囲であれば、特に制限されない。通常、室温から溶液の調製に用いた溶媒の還流温度までの範囲で行うことができる。接触に好適な温度とするには、本発明溶液を加熱するか、基板そのものを加熱すればよい。
また、膜形成を促進するために超音波を用いることもできる。基板表面に接触する工程は、1度に長い時間行っても、短時間の塗布を数回に分けて行ってもよい。
本発明溶液を基板表面に接触した後、膜表面に付着した余分な試剤、不純物等を除去するために、洗浄工程を設けることもできる。洗浄工程を設けることにより、より膜厚を制御することができる。洗浄方法は、表面の付着物を除去できる方法であれば、特に制限されない。具体的には、用いた金属系界面活性剤を溶解し得る溶媒中に基板を浸漬させる方法;真空中又は常圧下で大気中に放置して蒸発させる方法;乾燥窒素ガス等の不活性ガスを吹き付けて吹き飛ばす方法;等が挙げられる。
本発明溶液を基板上に接触又は洗浄した後は、基板表面上に形成された膜を安定化させるために、基板を加熱するのが好ましい。加熱する温度は、基板、形成された有機薄膜の安定性等によって適宜選択することができる。
本発明溶液を基板上に塗布すると、前記溶液中の金属系界面活性剤が基板表面に吸着され、薄膜が形成される。金属系界面活性剤が基板表面に吸着される機構の詳細は明らかではないが、表面に活性水素を有する基板の場合には次のように考えることができる。すなわち、有機薄膜形成用溶液中においては、金属系界面活性剤の加水分解性基が水により加水分解された状態となっている。この状態の金属系界面活性剤が基板表面の活性水素と反応して、基板と強固な化学結合を形成してなる薄膜が形成される。この薄膜は、基板の活性水素と反応して形成されるものであって、単分子膜となる。
前記式(IV)で示される金属系界面活性剤(2)を用いて得られる有機薄膜形成用溶液を使用することにより、基板表面に、光照射前において、撥油性であり、かつ撥水性である有機薄膜を形成することができる。より具体的には、光照射前における水の接触角が好ましくは80°以上、より好ましくは85°以上、さらに好ましくは90°以上、特に好ましくは100°以上であり、かつ、トルエンの接触角が20°以上である有機薄膜を形成することができる。この有機薄膜は、光照射により、水の接触角が80°未満の親水性の薄膜に変化する。
また、本発明の有機薄膜形成方法は、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤と前記界面活性剤と相互作用し得る触媒とを混合して得られる有機溶媒溶液を基板と接触させることにより、前記基板表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成方法である。前記有機溶媒溶液が、水分を所定量含有するものであり、かつ、前記金属系界面活性剤の加水分解生成物である水酸基含有化合物を20〜2000ppm、好ましくは50〜500ppm、特に好ましくは200〜400ppm含有することを特徴とする。
本発明に用いる有機溶媒溶液中における水分量は、用いる基板、金属系界面活性剤、触媒、有機溶媒等の種類により決定される。具体的には、基板表面への化学吸着が阻害される、緻密な単分子膜が製造できない、用いる金属系界面活性剤の損失量が大きい、触媒が失活する、等の問題が起きない量以下で、かつ、膜の形成を促進活性化させるのに十分な量以上である。
有機薄膜の形成を促進活性化させるのに十分な量とは、例えば、ディップ法により前記溶液を基板に接触させる場合、接触時間10分以内、好ましくは5分以内で、緻密で均質な有機薄膜を1度にしかも基板全面に形成させることができる程度をいう。
水分含有量としては、具体的には、50ppm以上が好ましく、50ppmから有機溶媒への飽和水分量の範囲、より具体的には、50〜1000ppmの範囲がより好ましく、200〜800ppmの範囲が特に好ましい。水分量が50ppm以上であると、迅速に有機薄膜の形成を行うことができ、また、水分量が1000ppm以下であれば、金属系界面活性剤等が失活するという問題がない。
ここで示す水分量は、有機溶媒溶液の一部を採取してカールフィッシャー法で測定した値を示し、その方法原理を用いた装置で測定した値であれば、測定装置については特に限定されない。有機溶媒溶液が均一である場合には、均一な溶液を一部採取して測定し、有機溶媒層と水分層が2層となっている場合には、有機溶媒層より一部採取して測定し、有機溶媒中に水分層が分散し分離不可能な状態な場合には、その分散液をそのまま採取して測定した値を示す。
本発明においては、前記有機溶媒溶液を基板と接触させる工程を、前記有機溶媒溶液中の水分量を、上記した所定範囲内として行う。
有機溶媒溶液中の水分含有量を所定範囲内にする方法として、具体的には、
(a)有機溶媒溶液に接触して水層を設ける方法、
(b)有機溶媒溶液中に、保水性物質に水を含ませた状態で共存させる方法、
(c)有機溶媒溶液を、水分を含む気体に接触させる方法、
(d)適宜水を添加する方法、等を例示することができる。
これらの方法は単独で用いても、2以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(a)〜(d)の方法において、用いる水は中性であれば特に制限されないが、純水又は蒸留水を用いるのが好ましい。また、用いる有機溶媒は、無水のものでも、あらかじめ一定量の水分含むものでも構わない。
上記(a)の方法においては、炭化水素系溶媒等の、水層と分離する有機溶媒を用いた場合には、有機溶媒層と分離した形で水層を共存させてもよいし、有機溶媒溶液を水層中に循環又は通過させ分離した有機溶媒層を用いてもよい。
低級アルコール等の、水層と分離しない水の溶解度の大きい有機溶媒を用いた場合には、有機溶媒は浸透しないが水は浸透する膜等を介在させて有機溶媒溶液と水層を接触させる方法等を例示することができる。
上記(b)の方法において、保水性物質としては、有機溶媒溶液中において水を分離せずに有機溶媒溶液中に浮遊しない物質が好ましい。
具体的には、吸水性高分子、セルロース等の有機系保水材;ゼオライト、珪酸白土、バーミキュライト、多孔質セラミック等の無機系保水材;界面活性剤等の、溶液中に水を核とするミセル分子を形成することのできる化合物;等が挙げられ、なかでも、ゴミ等の混入が避けられる等の理由から、ガラス繊維フィルター又はセルロース製フィルターが特に好ましい。また、有機溶媒への水の溶解度をあげるために親水性の溶媒を用いる方法も考えられる。この場合の親水性溶媒も便宜上保水することのできる物質として含むこととする。
保水性物質に含ませる水分量は特に制限されないが、有機溶媒溶液中で水が保水性物質と分離して遊離していない状態になるまでの水分量が好ましい。また、水分を適時添加して保水できる物質に含ませることもできる。また、保水性物質を、溶液と外気の界面又は、外気から連続して溶液内に設けることにより、外気の湿気等を吸湿することにより、水分を溶液に補給することもできる。
上記(c)の方法において、用いる気体は、溶液中の各成分に影響を及ぼさないものであれば特に制限されず、具体的には、空気、窒素ガス、アルゴンガス等を例示することができる。
水分を含む気体を得る方法としては、気体に水分を含ませる方法;気体を加湿する方法;等が挙げられる。
気体に水分を含ませる方法として、ガスを水中に潜らせる、ガスを水又は温水表面に接触させる等の水とガスを接触させる方法;水蒸気を含むガスをそのまま用いる方法;等を例示することができる。
気体を加湿する方法として、蒸気加湿法、水噴霧加湿法、又は気化加熱法等を例示することができる。
水分を含む気体と有機溶媒溶液とを接触させる方法としては、水分を含む気体を有機溶媒溶液中に吹き込む、又は有機溶媒溶液表面に吹き付ける方法;有機溶媒溶液を、水分を含む気体雰囲気下に、必要に応じて撹拌しながら放置する方法;有機溶媒溶液を、加湿された雰囲気下に、必要に応じて撹拌しながら放置する方法;等を例示することができる。また、水分を含む気体を吹き込む方法においては、必要に応じて吹き込み装置、清浄装置、ろ過装置等を付設するのが好ましい。
上記(d)の方法において、具体的には、有機溶媒溶液中の水分量の減少を観測し、減少量に応じて水、又は相溶性を有する有機溶媒もしくは同一の有機溶媒で希釈した水を適宜追加する方法;一定量の水を含有する同一組成の有機溶媒溶液を供給する方法;等を例示することができる。
本発明の有機薄膜形成方法においては、前記有機溶媒溶液に含まれる水分含有量を所定範囲内に保持しながら、同一溶液を用いて、2枚以上の基板と接触させることを繰り返すことが好ましく、前記有機溶媒溶液中の水分量を50〜1000ppmの範囲に保持することがより好ましい。
ここで所定範囲とは、上記した水分量の所定範囲と同じ意味を表し、水分量をそのような範囲に保持することにより、液を交換することなく接触させる工程を複数回繰り返し行なっても、緻密で均質な有機薄膜を形成することができる。この方法によれば、同一溶液を用いて、2以上の基板に対して1回の接触工程操作で、接触した全面に緻密で均質な有機薄膜を、短時間の接触時間で形成することができる。
この場合、同一溶液とは、1回の接触工程操作を行った後その溶液の全部又は一部を廃棄して新たな溶液に交換する場合を除く意味であり、後述するように、何らかの方法で水分量を所定範囲内に保持した溶液は、同一溶液として含むものとする。
前記有機溶媒溶液中の水分量を、上記した所定範囲内に保持する方法としては、特に制限されないが、前記(a)〜(d)に示した方法と同様の方法が好ましく例示される。
本発明の有機薄膜形成方法に用いる基板としては、特に制約はないが、有機溶媒溶液中の有機薄膜を形成する分子と相互作用し得る官能基を表面に有する基板が好ましく、特に活性水素を表面に有する基板が好ましい。活性水素を表面に有する基板を用いると、基板表面の活性水素と、有機溶媒溶液中の分子が、化学的な相互作用により基板表面に容易に化学吸着膜を形成することができる。
活性水素とは、プロトンとして解離しやすいものをいい、活性水素を含む官能基としては、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基、イミノ基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられ、水酸基が好ましい。
基板表面に水酸基を有する基板の具体例としては、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属;ガラス;シリコンウェハー;セラミックス;プラスチック;紙;天然繊維又は合成繊維;皮革;その他親水性の物質;等からなる基板が挙げられる。なかでも、金属、ガラス、シリコンウェハー、セラミックス、及びプラスチックからなる基板が好ましい。
プラスチックや合成繊維のように表面に水酸基を持たない材質からなる基板には、予め基板表面を、酸素を含むプラズマ雰囲気中で(例えば100Wで20分)処理したり、コロナ処理したりすることで親水性基を導入することができる。ポリアミド樹脂又はポリウレタン樹脂等からなる基板は、表面にイミノ基が存在しており、このイミノ基の活性水素と金属系界面活性剤のアルコキシシリル基等とが脱アルコール反応し、シロキサン結合(−SiO−)を形成するのでとくに表面処理を必要としない。
また、表面に活性水素を持たない基板を用いる場合、この基板の表面に、予めSiCl、SiHCl、SiHCl、Cl−(SiClO)−SiCl(式中、bは自然数)から選ばれる少なくとも一つの化合物を接触させた後、脱塩化水素反応させることにより、表面に活性水素を有するシリカ下地層を形成しておくこともできる。
有機溶媒溶液を基板に接触させる工程は、1度に長い時間行っても、短時間の塗布を数回に分けて行ってもよい。膜形成を促進するために超音波を用いることもできる。
有機溶媒溶液に基板を接触させる工程は、有機溶媒溶液中に基板を浸漬させる工程であるのが好ましい。有機溶媒溶液中の水分量を保持しながら、基板を浸漬させる方法としては、具体的には、
(イ)水分調整槽と基板浸漬槽を設け、水分調整槽で水分調整した液を基板浸漬槽に循環させる方法、
(ロ)基板浸漬槽を複数設け、一つの基板浸漬槽で基板を浸漬している間に他の浸漬槽において水分調整を行う方法、
(ハ)上述した水分量を所定範囲内に保持する手段を基板浸漬槽に直接設け、適宜、水分を補給する方法、等が挙げられる。
洗浄方法としては、表面の付着物を除去できる方法であれば特に制限されず、具体的には、金属系界面活性剤を溶解し得る溶媒中に基体を浸漬させる方法;真空中、又は常圧下で大気中に放置して蒸発させる方法;乾燥窒素ガス等の不活性ガスをブローして吹き飛ばす方法;等を例示することができる。
本発明においては、有機溶媒溶液に基板を接触させる工程を、湿度を40%RH以上に保持した空間内において実施するのが好ましく、湿度を60%RH以上に保持した空間内において実施するのがより好ましい。このような空間内においては、有機溶媒溶液中の水分量がより好ましく保持され、連続的に基板を接触させても再現性良く緻密な単分子膜を形成することができる。
本発明の有機薄膜形成方法は、単分子膜の製造にも2層以上の多層膜の製造にも用いることができ、特に単分子膜の製造に好適に用いることができる。また、物理的な吸着により表面に膜を形成させる方法としても用いることができる。
本発明の有機薄膜形成方法により形成される有機薄膜としては、特に制約されないが、結晶性の有機薄膜であるのが好ましい。本発明の有機薄膜形成方法により形成される有機薄膜が結晶性であることは、このものを、薄膜X線回折装置を使用して測定することにより確認することができる。
本発明の有機薄膜形成方法により形成される有機薄膜の膜厚は、特に制限されないが、1〜5nm、好ましくは1.5〜2.5nmの単分子膜であるのが好ましい。
本発明の有機薄膜形成方法により形成される有機薄膜は、化学吸着膜であるのが好ましく、前記基板が結晶性を有さず、かつ、化学吸着膜が結晶性を有することがより好ましい。この場合、結晶性とは、多結晶であっても単結晶であっても構わない。化学吸着膜としては、金属−酸素結合を介して共有結合した有機薄膜を例示することができる。
本発明の有機薄膜形成方法により形成される有機薄膜は、自己集合膜であるのが好ましい。ここで自己集合膜とは、外部からの強制力なしに秩序だった構造を形成してなる膜を意味する。自己集合膜を形成する分子は、自己集合膜形成用溶液の調製に用いた金属系界面活性剤から得られたものである。金属系界面活性剤の分子は、自己集合膜形成用溶液中で、溶媒により溶媒和されて単独に存在するのではなく、幾つかが集まって集合体を形成している。
金属系界面活性剤として、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤を用いた場合には、集合体は、前記金属系界面活性剤を前記金属系界面活性剤と相互作用し得る触媒及び水により処理して得られたものであり、金属系界面活性剤として、少なくとも1以上の水酸基を有する金属系界面活性剤を用いた場合には、集合体は、前記金属系界面活性剤を水により処理して得られたものである。
集合体の形態は、分子が、疎水性部分同士、又は親水性部分同士で分子間力、配位結合、又は水素結合等により集合した形態;膜を形成する分子が、共有結合により結合して集合した形態;水等の他の媒体が、核もしくは仲介としてミセル等を形成した形態;又はこれらが組み合わさった形態;等である。
集合体の形状は特に限定されず、球状、鎖状、帯状等いずれの形状であってもよい。集合体の平均粒径は、特に限定されないが、10〜1000nmの範囲が好ましい。
また、集合体のゼーター電位(界面動電電位)の値は、同一溶媒中における基板のゼーター電位の値よりも大きいことが好ましい。集合体のゼーター電位がプラスで、基板のゼーター電位がマイナスであるのが特に好ましい。このようなゼーター電位値を有する集合体を形成する自己集合膜形成用溶液を用いると、結晶性を有した緻密な単分子膜を製造することができる。
以上述べたように、本発明の方法を用いることで、基板の種類に係わらず、従来の金属系界面活性剤より高速で、かつ、不純物の少ない緻密な有機薄膜を形成することができる。このような有機薄膜は、電気デバイス用等の設計パターンの形成用に用いられ、また、エレクトロニクス製品、特に電化製品、自動車、産業機器、鏡、眼鏡レンズ等の耐熱性、耐候性、耐摩耗性超薄膜コーティングを必要とする機器に極めて容易に適用できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
実施例1 有機薄膜形成用補助剤の調製(1)
4つ口フラスコに、チタンテトライソプロポキシド(商品名:A−1、日本曹達社製:純度99%、酸化チタン換算濃度28.2重量%)12.4gをトルエン45.0gに溶解し、窒素ガス置換した後に、変性アルコール/ドライアイスバス中で−40℃に冷却した。別に、イオン交換水1.26g(H2O/Ti=1.6モル比)をイソプロパノール11.3gに混合後、−40℃に冷却した状態で、上記4つ口フラスコ中へ攪拌しながら滴下した。滴下中は、フラスコ内の液温を−40℃に維持した。滴下終了後、冷却しながら30分間攪拌後、その後室温に昇温して、無色透明な部分加水分解溶液(T−1)を得た。溶液の固形分濃度は、酸化チタン換算で5重量%であった。
この溶液(T−1)20gにn−オクタデシルトリメトキシシラン(ODS:Gelest社製)を、TiO:ODS=1:1(モル比)に相当する量を加え、さらにTiO換算で1wt%に相当するトルエンで希釈した。次に、蒸留水5gを加えて、40℃、3日間攪拌した後、室温に冷却した。2層分離している過剰の水を取り除き、透明な有機薄膜形成用補助剤の溶液(C−1)を得た。また、分離した水層からはTiもODSを検出されなかった。
実施例2 有機薄膜形成用補助剤の調製(2)
実施例1において、n−オクタデシルトリメトキシシランの代わりにデシルトリメトキシシラン(DES:アヅマックス社製)を用いる以外は同様にして、透明な有機薄膜形成用補助剤の溶液(C−2)を得た。
実施例3〜5 有機薄膜形成用溶液の調製
金属系界面活性剤(2)として、下記のM−1〜M−4を用いた。
M−1:n−オクタデシルトリメトキシシラン(ODS:Gelest社製)
M−2:デシルトリメトキシシラン(DES:アヅマックス社製)
M−3:ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン(FAS−17:信越化学工業社製)
M−4:トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(FAS−3:信越化学工業社製)
水分含量450ppmのトルエンに、最終濃度0.5重量%に相当する前記有機薄膜形成用溶液の原料M−1を加え室温で30分間攪拌した。次に、有機薄膜形成用溶液の原料M−1の1/10倍モル(TiO換算)相当の有機薄膜形成用補助剤の溶液(C−1)を滴下し、滴下終了後、室温で3時間攪拌した。この溶液中の水分含量を500ppmになるように水を加え有機薄膜形成用溶液(SA−1)を得た(実施例3)。
また、有機薄膜形成用補助剤の溶液(C−1)に代えて(C−2)を用いる以外は同様にして、有機薄膜形成用溶液(SA−2)を得た(実施例4)。
さらに有機薄膜形成用溶液の原料M−1に代えてM−2を用いる以外は同様にして、有機薄膜形成用溶液(SA−3)を得た(実施例5)。
実施例6 有機薄膜形成用溶液の調製
水分含量500ppmのトルエンに、同重量のフッ素系溶剤ノベックHFE−7200(住友スリーエム社製)を加え、混合溶媒を調製した。次に、この溶液に、最終濃度0.5重量%に相当する前記有機薄膜形成用溶液の原料M−3を加え室温で30分間攪拌した。さらに有機薄膜形成用溶液の原料M−3の1/10倍モル(TiO換算)相当する有機薄膜形成用補助剤の溶液(C−1)を滴下し、滴下終了後、室温で3時間攪拌した。この溶液中の水分含量を300ppmになるように水を加え有機薄膜形成用溶液(SA−4)を得た(実施例6)。
実施例7 有機薄膜形成用溶液の調製
水分含量500ppmのトルエンに、重量比で1/3のフッ素系溶剤ノベックHFE−7200(住友スリーエム社製)を加え、混合溶媒を調製した。次に、この溶液に、最終濃度0.5重量%に相当する前記有機薄膜形成用溶液の原料M−4を加え室温で30分間攪拌した。さらに有機薄膜形成用溶液の原料M−3の1/10倍モル(TiO換算)相当する有機薄膜形成用補助剤の溶液(C−1)を滴下し、滴下終了後、室温で3時間攪拌した。この溶液中の水分含量を350ppmになるように水を加え有機薄膜形成用溶液(SA−5)を得た(実施例7)。
実施例8〜22
超音波洗浄及びオゾン洗浄したソーダライムガラス基板(SLG)、無アルカリガラス基板(旭硝子製AN100)及びシリコンウェーハー(Si)を、有機薄膜形成用溶液(SA−1〜SA−5)中に所定時間浸漬した後、引上げ、トルエンで10秒間超音波洗浄後、60℃で10分間乾燥し、有機薄膜を得た(実施例8〜22)。
比較例1〜6
有機薄膜形成用補助剤を添加しないこと以外は、前記有機薄膜形成用溶液(SA−2〜SA−5)の調製と同様にして、溶液(H−1〜H−4)を別途調製した。得られた溶液(H−1〜H−4)を用い、SLG基板を使用して実施例と同条件で有機薄膜を得た(比較例1〜4)。
また、有機薄膜形成用補助剤の溶液(C−1)及び(C−2)を用い、SLG基板を使用して実施例と同条件で有機薄膜を得た(比較例5、6)。
比較例7、8
水含有量450ppmのトルエンに、有機薄膜原料M−2を最終濃度が0.5重量%になるように加え、室温で30分間攪拌した。次に、この溶液に触媒(T−1:チタンテトライソプロポキシドの部分加水分解溶液)を、有機薄膜原料の1/10倍モル(TiO換算)滴下し、滴下終了後、室温で3時間攪拌した。これらの溶液中の水分含量を500ppmになるように水を加え、有機薄膜形成用溶液(H−5)を得た。この溶液を用いて実施例と同条件で膜形成を行った(比較例7、8)。
<薄膜物性評価試験>
以下に示す方法にて有機薄膜を評価した。
(1)接触角測定
各試料の表面にマイクロシリンジから水、トルエンを5μl滴下した後、60秒後に、接触角測定器(360S型:エルマ社製)を用いて接触角を測定した。
(2)膜の密着性評価
得られた膜を水中で超音波洗浄を1時間行った後再度接触角を測定し、超音波洗浄前の値と比較し、同様の値を示し変化なかったものを○、接触角の低下が見られたものは×として評価した。
(3)膜の外観評価
目視観察により、浸漬前後で膜の概観に何ら変化が見られないものを○とした。汚れや光学的な異常が見られたものは×とした。
(4)XPS分析
膜中の元素の分析は、XPS装置(QUNTUM20000、アルバックファイ社製)を用いた。
基板しか存在しない元素情報が得られた場合、装置の測定原理から膜厚は10nm以下と判断し、○とした。SLG基板の場合、ナトリウム及びカルシウム元素情報、AN100の場合、バリウム元素情報、Siウェーハーの場合、SiO酸化被膜情報が強く得られた場合を○とした。
それ以外の場合は、膜厚が10nm以上と厚いので×とした。
実施例8〜22、比較例1〜8の有機薄膜形成用溶液、基板の種類及び薄膜物性評価試験の結果を第1表にまとめて示す。
第1表より、本発明の有機薄膜形成用溶液は、浸漬時間10分以内に外観、密着性、撥水性及び撥油性の良好な自己組織化単分子膜が得られた。この有機薄膜形成用溶液は、種々な基板に有機薄膜を形成することができた(実施例8〜22)。
しかしながら、有機薄膜形成用補助剤を添加しなかった溶液又は有機薄膜形成用補助剤だけの溶液中では、基板上に膜は形成されなかった(比較例1〜6)。
また、有機薄膜形成用補助剤としてチタンテトライソプロポキシドの部分加水分解物(T−1)をそのまま用いた場合(比較例7、8)では、十分な接触角が得られなかった。
シラノール標品合成
n−オクタデシルトリメトキシシラン(以下、「ODS」と略す。)(Gelest社製)10g(26.7mmol)をTHF100gに希釈し、−10℃で0.05N塩酸水溶液を0.5g(2.67mmol)加えて3時間撹拌して室温まで自然昇温した。得られた溶液を標品(1)とする。
化合物の同定
モノシラノールは、HPLCにより分離精製し、H−NMR(ECP500;JEOL社製)及びMass(サーモエレクトロン(株);Navigator)により同定した。各スペクトルデータを第2表に示す。
また、このときのHPLCチャートを図1に示す。図1中、横軸は保持時間(分)、縦軸はピーク強度(Intensity)を示す。図1から、塩酸を使用してODSの加水分解を行った場合には、ODSの加水分解生成物である、n−オクタデシルジメトキシシラノール(n−C1837Si(OCH(OH)、n−オクタデシルメトキシジシラノール(n−C1837Si(OCH)(OH)、n−オクタデシルトリシラノール(n−C1837Si(OH)の全てが検出された。
触媒の調製−1
チタンテトライソプロポキシド(日本曹達(株)製A−1:純度99.9%、酸化チタン換算濃度28重量%)1.0g(3.54mmmol)を脱水トルエン27.0gに溶解し、触媒N−1を調製した。
触媒の調製−2
ODS(Gelest社製:純度95%)24.2g(61.4mmol)を脱水トルエン84.6gに希釈し、チタンテトライソプロポキシド(日本曹達(株)製A−1:純度99.9%、酸化チタン換算濃度28重量%)6.9g(24.3mmmol)を加えて溶解し、更にイオン交換水1.7gを加えて10時間撹拌し、触媒N−2を調製した。
触媒の調製−3
ODS(Gelest社製)24.2g(61.4mmol)を脱水トルエン84.6gに希釈し、ジルコニウムテトラブトキシド(日本曹達(株)製TBZR:純度99.9%、酸化ジルコニウム換算濃度31重量%)10g(24.3mmol)を加えて溶解し、更にイオン交換水1.7gを加えて10時間撹拌し、触媒N−3を調製した。
実施例23 有機薄膜形成用溶液(SB−1)の製造
脱水トルエンにイオン交換水を加え、強く撹拌して含水トルエン(水分含有量=550ppm、以下にて同じ。)を調製した。この含水トルエン392gに、ODS(Gelest社製:純度95%)2.6g(6.6mmol)を加えて室温で30分撹拌した。次に、この溶液に触媒N−1を5.5g滴下し、滴下終了後、室温で3時間撹拌して、有機薄膜形成用溶液SB−1を得た。
有機薄膜形成用溶液SB−1をHPLCにより分析した。このときのHPLCチャートを図2に示す。
図2中、横軸は保持時間(分)、縦軸はピーク強度(Intensity)を示す。図2からわかるように、触媒N−1を使用してODSの加水分解を行った場合には、ODSの加水分解生成物としては、n−オクタデシルジメトキシシラノール(n−C1837Si(OCH(OH)しか検出されなかった。
実施例24 有機薄膜形成用溶液(SB―2)の製造
脱水トルエンにイオン交換水を加え、強く撹拌して含水トルエンを調製した。この含水トルエン393gに、ODS(Gelest社製:純度95%)2.6g(6.6mmol)を加えて室温で30分撹拌した。次に、この溶液に触媒N−2を4.1g滴下し、滴下終了後、室温で3時間撹拌して溶液SB−2を得た。
実施例25 有機薄膜形成用溶液(SB−3)の製造
脱水トルエンにイオン交換水を加え、強く撹拌して含水トルエンを調製した。この含水トルエン393gにn−オクタデシルトリメトキシシラン(ODS)(Gelest社製:純度95%)2.6g(6.6mmol)を加えて室温で30分撹拌した。次に、この溶液に触媒M−3を4.1g滴下し、滴下終了後、室温で3時間撹拌して溶液SB−3を得た。
比較例9 有機薄膜形成用溶液(SB−4)の製造
触媒を加えない以外は、有機薄膜形成用溶液SA―1と同様にして、比較例9の溶液(SB−4)を得た。
比較例10 有機薄膜形成用溶液(SB−5)の製造
有機薄膜形成用溶液(SB−2)を2ヶ月保管し、シラノール量が検出限界未満(20ppm未満)になったものを、比較例10の有機薄膜形成用溶液(SB−5)とした。
有機薄膜形成用溶液の物性測定
上記で得た有機薄膜形成用溶液(SB−1〜SB−5)の、水分量、ODS量及びモノシラノール量を下記に示す方法により測定した。モノシラノール量の測定結果を第3表にまとめて示す。
(1)水分量の測定
電量滴定法カールフィッシャー水分計(CA−07、(株)ダイアインスツルメンツ製)により測定した。実施例23〜25、比較例9,10の有機薄膜形成用溶液中の水分含有量は全て400〜500ppmの範囲内となるように調整した。
(2)ODS量、モノシラノール量の測定
高速液体クロマトグラム法(HPLC;東ソー(株)、LC8020)により測定した。
カラム: Mightysil RP−18(C18修飾)
移動相: アセトニトリル/THF=85:15 flow:1mL/min 恒温槽:35℃
モノシラノール量(%)は、式:モノシラノール量(面積比)/仕込みODS量(面積比)×100で求めた。
実施例26〜31、比較例11、12 有機薄膜の形成
超音波洗浄及びオゾン洗浄したソーダライムガラス基板(SLG)、無アルカリガラス基板(旭硝子(株);AN100、実施例)、シリコンウェハー(Si)、及びステンレス基板(SUS316、SUS304)を、上記で得た有機薄膜形成用溶液(SB−1〜SB−5)中に、第3表に示す所定時間浸漬後引き上げ、トルエンで超音波洗浄した後に、60℃で10分間乾燥し、有機薄膜の形成を行った。
有機薄膜の評価
実施例26〜31、比較例11、12で得られた各有機薄膜の接触角測定、膜厚測定、結晶性の測定を下記の方法で行った。
(1)接触角の測定
前記と同様にして、各試料の表面にマイクロシリンジから水、トルエン又はテトラデカン(以下、「TD」と略す。)を5μl滴下した後、60秒後に、接触角測定器(エルマ(株)製;360S型)を用いて測定した。
(2)膜厚の測定
得られた有機薄膜の膜厚を多入射角分光エリプソメーター(ウーラム社製)で測定した。膜厚は、実施例26〜31の有機薄膜のいずれの場合も約2〜2.5nmであり、単分子膜であることが示唆された。一方、比較例11、12では、形成された有機薄膜の膜厚にバラツキが大きく、均一な膜厚の単分子膜が形成されていなかった。
(3)有機薄膜の結晶性の評価
実施例26、実施例28及び実施例29で得られた有機薄膜の結晶性を薄膜X線回折装置(ATX−G、RIGAKU社製)で測定した。測定結果を図3に示す。図3中、横軸は2θ/ω(°)を、縦軸はピーク強度(Intensity(CPS))をそれぞれ示す。Aは実施例26のものを、Bは実施例28のものを、Cは実施例29のものをそれぞれ示す。図3より、実施例26、28、29のいずれの有機薄膜も、格子面間隔0.42±0.02nmの結晶性を有していることがわかる。
保存安定性試験
実施例23で得た有機薄膜形成用溶液を密封し、室温で30日間放置した。このときのODS残存量とモノシラノール生成量を5日経過毎に測定した。測定結果を図4、図5に示す(図4、5中、黒丸印(●))。図4がODS残存量の測定結果であり、図5がモノシラノール生成量の測定結果である。
また、比較用として、ODSをトルエンに溶解した溶液を30日間密封保存し、同様にODS残存量及びモノシラノール生成量を5日経過毎に測定した。測定結果を図4、図5に示す(図4、5中、黒三角印)。
図4、図5より、有機薄膜形成用溶液中の水分含有量を400〜500ppmに保持すると、ODSの残存量は時間の経過とともに減少するが、モノシラノール生成量はほぼ一定であることが分かる。また、ODS残存量が20%以下になると、モノシラノール生成量は減少する傾向にあることもわかった。
上記保存安定性試験に用いた実施例23の有機薄膜形成用溶液の保存液の10日経過後のもの、20日経過後のもの、30日経過後のもののそれぞれを用いて、実施例4と同様にしてSLG基板上に有機薄膜を形成した。得られた有機薄膜の水及びTDに対する接触角(°)をそれぞれ測定した。測定結果を図6に示す。また、比較用として、ODSをトルエンに溶解した溶液の保存液についても同様に測定した。
図6中、黒丸印(●)は実施例23の有機薄膜形成用溶液の保存液から形成した有機薄膜の水に対する接触角(°)、白丸印(○)は実施例23の有機薄膜形成用溶液の保存液から形成した有機薄膜のTDに対する接触角(°)、黒三角印は比較例のODSのトルエン溶液の保存液から形成した有機薄膜の水に対する接触角(°)、白三角印(△)は比較例のODSのトルエン溶液の保存液から形成した有機薄膜のTDに対する接触角(°)をそれぞれ表す。
図6から、実施例23の有機薄膜形成用溶液の保存液から形成した有機薄膜の水及びTDに対する接触角は、実施例26で形成した有機薄膜の水及びTDに対する接触角はほとんど変化がなかった。
以上の結果から、次のことがわかる。
(1)実施例23の有機薄膜形成用溶液は、時間の経過とともにODS残存量が減少するが、モノシラノール生成量はほぼ一定である。
(2)このことから、ODSが加水分解してモノシラノールが生成する反応は平衡反応であり、時間の経過とともにいくつかのモノシラノール分子が脱水縮合して高分子化するが、モノシラノールが消費された分だけ、ODSが加水分解してモノシラノールが生成すると考えられる。
(3)実施例23の有機薄膜形成用溶液の保存液を使用する場合も、実施例26の場合と同様に良好な有機薄膜が形成されることから、モノシラノール分子が脱水縮合した高分子(又はオリゴマー)は、有機薄膜の形成に悪影響を与えないと考えられる。
本発明の有機薄膜形成方法を用いると、不純物の少ない緻密な単分子膜を迅速に形成することができる。また、活性水素を含む基板を用いると、非結晶性の基板上においても、結晶性が高く、単分子で均質な化学吸着膜を成膜することができる。
本発明の有機薄膜形成方法により得られる有機薄膜は、化学吸着膜であって電気デバイス用等の設計パターンの形成に用いられ、電化製品、自動車、産業機器、鏡、眼鏡レンズ等の耐熱性、耐候性、耐摩耗性超薄膜コーティングを必要とする機器に好適に適用できる。
本発明の有機薄膜形成方法で化学吸着膜を形成する場合、電気デバイス用等の設計パターンの形成用に好適である。また、エレクトロニクス製品、特に電化製品、自動車、産業機器、鏡、眼鏡レンズ等の耐熱性、耐候性、耐摩耗性超薄膜コーティングを必要とする場合にも極めて容易に適用でき、産業上の利用価値は高いといえる。

Claims (11)

  1. 有機溶媒中で、下記式(I)で示される化合物である金属系界面活性剤(1)、
    金属酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒及び酸触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種である化合物(成分B)、
    を混合して得られる有機薄膜形成用補助剤と、
    下記式(III)で示される化合物である金属系界面活性剤(2)と、
    から得られる有機薄膜形成用溶液を基板と接触させる工程により、前記基板表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成方法であって、水分含量が50〜1000ppmになるように調整するか又は保持した有機薄膜形成用溶液を用いることを特徴とする有機薄膜形成方法。
    (式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数10〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数10〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していても良いアシルオキシ基、ハロゲン原子、イソシアネート基、シアノ基、アミノ基またはアミド基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、Rは同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)
    (式中、R11は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していても良いアシルオキシ基、ハロゲン原子、イソシアネート基、シアノ基、アミノ基またはアミド基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、R11は同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)
  2. 前記有機薄膜形成用補助剤が、有機溶媒中、前記金属系界面活性剤(1)、前記化合物(成分B)及び水を混合して得られることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
  3. 前記金属アルコキシド類又は金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の金属が、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
  4. 前記有機薄膜形成用補助剤が、前記金属系界面活性剤(1)を、前記化合物(成分B)1モルに対して、0.5〜8.0モル含むことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
  5. 前記有機薄膜形成用補助剤が、前記金属系界面活性剤(1)を、前記化合物(成分B)1モルに対して、1.5〜3.0モル含むことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
  6. 前記Xおよび前記Xが、炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシルオキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
  7. 前記有機薄膜形成用補助剤を、前記金属系界面活性剤(2)1モルに対して、前記有機薄膜形成用補助剤中の固形分が、酸化物換算モル数で0.001〜1モルになる範囲で用いることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
  8. 前記有機薄膜形成用溶液を基板と接触させる工程が、前記基板を前記有機薄膜形成用溶液中に浸漬させる工程であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
  9. 前記有機溶媒が、炭化水素系溶媒又はフッ化炭素系溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
  10. 前記金属系界面活性剤(1)および(2)の加水分解性生物である下記式(VI)で表される水酸基含有化合物を20〜2000ppm含有することを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
    (式中、R100は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基、又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していても良いアシルオキシ基、ハロゲン原子、イソシアネート基、シアノ基、アミノ基またはアミド基を表し、nは、1から(m−1)のいずれかの整数を表し、mはMの原子価を表し、nが2以上のとき、R100は同一であっても、相異なっていてもよく、(m−n−1)が2以上のとき、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。)
  11. 前記Xが、C1〜C6アルコキシル基又はアシルオキシ基であることを特徴とする請求項10に記載の有機薄膜形成方法。
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