JP5345034B2 - 撥液膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、撥液膜形成方法、インクジェットヘッド、及びインクジェット記録装置に
係り、特に、液滴を吐出するノズル孔を有するノズルプレートの表面に撥液性を有する撥液膜を形成する技術に関する。
インクジェット記録装置で用いられる記録ヘッド(インクジェットヘッド)において、
そのインク吐出面を構成するノズルプレートの表面(特にノズル孔の開口周辺部)にイン
クが付着していると、ノズルから吐出されるインク液滴が影響を受けて、インク液滴の吐出方向にばらつきが生じるなど吐出不安定な状態となり、画像品質が劣化する要因となる。そこで、このような問題を防止するために、ノズルが形成されるノズルプレートの表面(吐出側面)には撥液膜が設けられている。
これまでにノズルプレートの表面に撥液膜を形成する技術が各種提案されている。
例えば、特許文献1には、ノズルプレート上に形成された撥水膜であって、両末端に少なくとも1つ以上のシロキサン結合(-Si-O-)を有し中間部にビニル基又は/及びエチニル基とベンゼン環を含む分子と、一方の末端にフッ化炭素鎖を有し他方の末端に少なくとも一つ以上のシロキサン結合(-Si-O-)を有する分子とを含み、かつ前記分子2種でポリマーを形成していることを特徴とする撥水膜及びその製造方法が記載されている。そして、これにより、耐アルカリ性の撥水膜を形成することができるとされている。
また、特許文献2には、液体を吐出するノズルと、前記ノズルの吐出口がある面に撥液膜とを備えたSiからなる液体吐出ヘッド用ノズルプレートの製造方法において、前記ノズルの吐出口がある面にSi酸化膜を備えたSi基板を準備する工程と、前記Si酸化膜に対してドライプロセスにより表面を化学反応で除去し活性化する化学的活性化処理を行う工程と、前記Si酸化膜に対してドライプロセスにより表面を物理的破壊で除去し活性化する物理的活性化処理を行う工程と、前記Si酸化膜の上に撥液膜を設ける工程とを、この順で行う液体吐出ヘッド用ノズルプレートの製造方法が記載されております。そして、これにより、液体を吐出する吐出口がある面に耐久性に優れた撥液膜を備えることができるとされている。
特許文献1は撥液膜の材質自体を改良し、アルカリ性溶液への耐久性を向上させる技術であり、特許文献2は下地のSi酸化膜にプラズマ処理を行って有機物を除去し、表面を清浄化及び活性化することで、撥液膜と下地との結合を強化する技術である。
また、特許文献3には、ノズルプレートの表面に撥液性を有する撥液膜を形成する撥液膜形成方法であって、ノズルプレートの一方の面側にプラズマ重合膜で構成される下地層を形成する第1の工程と、露点が−40〜20℃であるガス雰囲気下で、下地層の表面に酸化処理を施し、水酸基及び/又は吸着水を導入する第2の工程と、酸化処理が施された下地層に撥液膜を形成する第3の工程とを有する撥液膜形成方法が記載されている。そして、これにより下地層に対する撥液膜の密着性が高く、耐擦性に優れる撥液膜を得ることができるとされている。
特開2003−286478号公報 特開2009−029068号公報 特開2008−105231号公報
しかしながら、特許文献1のように、撥液膜の材質を改善しても、下地の処理が不完全であれば、十分な結合サイト(水酸基:OH基)が形成されず、撥液膜と下地との密着性や膜質が低下してしまう欠点がある。
また、特許文献2のように、下地をプラズマ処理のみで、清浄化・表面活性化を行っても、表面に十分な反応サイトを形成できず、十分なアルカリ耐性のある高密度な撥液膜が得られない欠点がある。
そして、上記欠点にも増して特許文献1及び2の両技術に共通する問題点は、ノズルプレートと撥液膜とはシロキサン結合により結合されており、シロキサン結合はOH基を含む液、例えば水や、アルカリ性を有する水溶性成分に加水分解し易いことである。したがって、インクジェットヘッドのように例えばアルカリ性のインク液滴をノズルプレートのノズル孔から吐出する場合には、特許文献1及び2で形成された撥液膜ではインクに接触すると消失し易く、抜本的にアルカリ耐性を向上できない。
また、特許文献3のプラズマ重合膜のように、膜厚を厚くすることで膜密度を上げ、劣化が起きても全体の膜寿命を延長する技術もあるが、原料量、コスト増大を招き、かつ、基本的にシロキサンネットワーク膜であるので、特許文献1及び2と同様に抜本的にアルカリ耐性を向上できない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ノズルプレート表面に各種の液、例えばアルカリ性、酸性、中性の水溶性成分を含む液、更には非水溶性の液に対して高い耐性を有する撥液膜を形成することができ、ノズルプレートに形成されたノズル孔から例えばアルカリ性の液滴を吐出しても撥液膜が消失してしまうことがないので、液滴の吐出安定性、ノズルプレートのメンテナンス性を顕著に向上させることができる撥液膜形成方法、インクジェットヘッド、及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る撥液膜形成方法は、液滴を吐出するためのノズル孔を有するノズルプレートの表面に撥液膜を形成する撥液膜形成方法であって、前記ノズルプレートの少なくとも表面の一部がSi原子を含むシリコン系材料を用いて、該ノズルプレート表面を水素終端化処理又はハロゲン終端化処理する終端化処理工程と、前記終端化処理後のノズルプレート表面にエネルギーを付与しながら、該ノズルプレート表面に、不飽和結合を末端に有すると共に該不飽和結合の反対側に撥液性官能基を有する撥液膜原料を接触させて前記ノズルプレート表面にSi−C結合による撥液膜を化学気相法によって形成する撥液膜形成工程と、を含むことを特徴とする。
ここで、「ノズルプレートの少なくとも表面の一部がSi原子を含むシリコン系材料を用いて」とは、ノズルプレート全体がシリコン系材料である場合に限らず、ノズルプレートの表面がシリコン系材料である場合も含むものとする。更には、ノズルプレート表面の全部がシリコン系材料である場合に限らず、ノズルプレート表面の一部がシリコン系材料で形成されていてもよい。
本発明の撥液膜形成方法によれば、液滴を吐出するためのノズル孔を有し、Si(珪素)原子を含む材料で形成されたノズルプレート表面に、各種の液、例えばアルカリ性、酸性、中性の水溶性成分を含む液、更には非水溶性の液に対して高い耐性を有するSi−C結合による撥液膜を形成するようにしたので、ノズルプレートに形成されたノズル孔から例えばアルカリ性の液滴を吐出しても撥液膜が消失してしまうことがない。また、Si−C結合の撥液膜は単分子膜状態で各種の液に対して高い耐性を有する膜を形成できるので、撥液膜の平滑性を高くでき、ノズル孔の開口周辺部に液滴が付着しづらくなるので、液滴の吐出安定性が一層向上する。これにより、ノズル孔から吐出する液滴の吐出安定性、及びノズルプレートのメンテナンス性を向上させることができる。また、撥液膜が単分子膜状態で形成されることにより、ノズル孔への寸法精度の影響を小さくできる。
したがって、本発明はインクジェットヘッドに設けられたノズルプレートのノズル孔吐出側面に形成する撥液膜の形成方法として最適である。
本発明では、終端化処理工程として、水素終端化処理とハロゲン終端化処理との2通りを選択できるが、撥液膜形成の容易性及びコンタミネーション防止の観点から水素終端化処理が好ましい。また、水素終端化処理としては、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含む溶液に、ノズルプレートを浸漬するウエットプロセスと、水素ガスを含むプラズマでノズルプレートをプラズマ処理するドライプロセスとがあるが、コンタミネーション防止の観点からドライプロセスがより好ましい。
本発明の撥液膜形成方法において、前記エネルギーは、熱、紫外線、可視光の何れかであることが好ましい。これらのエネルギーを終端化処理されたノズルプレート表面に加えることにより、ノズルプレート表面から水素原子(水素終端化の場合)又はハロゲン原子(ハロゲン終端化の場合)を引き抜かれ、有機材料からなる撥液膜のC(炭素)原子とラジカル反応を行ってSi−C結合を行うためのシリコンラジカル(ダングリングボンド)が効率的に生成される。
本発明の撥液膜形成方法において、前記終端化処理の前に、前記ノズルプレート表面の不純物を除去する洗浄工程を備えることが好ましい。ノズルプレート表面の不純物を除去することにより、終端化処理の効率が良くなるためである。
本発明によれば、ノズルプレート表面に、各種の液、例えばアルカリ性、酸性、中性の水溶性成分を含む液、更には非水溶性の液に対して高い耐性を有する撥液膜を形成することができ、ノズルプレートに形成されたノズル孔から例えばアルカリ性の液滴を吐出しても撥液膜が消失してしまうことがない。また、単分子膜状態で各種の液に対して高い耐性を有する膜を形成できるので、撥液膜の平滑性を高くでき、ノズル孔の開口周辺部に液滴が付着しづらくなるので、液滴の吐出安定性が一層向上する。これにより、液滴の吐出安定性、及びノズルプレートのメンテナンス性を向上させることができる。また、撥液膜が単分子膜状態で形成されることにより、ノズル孔への寸法精度の影響を小さくできる。
したがって、本発明をインクジェット記録装置のインクジェットヘッドに使用すれば、画像品質を向上できる。
インクジェット記録装置の概略を示す全体構成図 図1に示すインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 ヘッドの構造列を示す平面透視図 図3のIV−IV線に沿った断面図 ノズルプレートに撥液膜を形成する反応プロセス図 本発明により形成された撥液膜の表面品質を試験した実施例Bの結果を説明する説明図
以下、添付図面に従って本発明の撥液膜形成方法、インクジェットヘッド、及びインクジェット記録装置の好ましい実施の形態について詳説する。
なお、本実施の形態では、インク液滴を吐出するインクジェットヘッドのノズルプレートに撥液膜を形成した例で以下に説明するが、本発明はインクジェットヘッドに限らず、アルカリ性、酸性インク、中性インク等の水溶性成分を含む各種の液滴を吐出するノズルプレートに撥液膜を形成する全ての場合に適用できる。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、インクジェット記録装置の一例を示した全体構成図である。
同図に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印字済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。印字部12を構成する各ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている(図2参照)。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色のヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントするべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソータが設けられている。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造について説明する。なお、各ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下では、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3(a)は、ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b)は、その一部拡大図である。また、図3(c)は、ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図である。
図4は、インク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a)、(b)中、IV−IV
線に沿う断面図)である。
記録紙面上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図3(a)、(b)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル孔51と、各ノズル孔51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙搬送方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶ形で投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
紙搬送方向と略直交する方向に記録紙16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a)の構成に代えて、図3(c)に示すように、複数のノズル孔51が2次元に配列された短尺のヘッドブロック(ヘッドチップ)50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。また、図示は省略するが、短尺のヘッドを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
図4に示すように、各ノズル孔51は、ヘッド50のインク吐出面50aを構成するノズルプレート60に形成され、ノズルプレート60はヘッド本体部50Aに接合される。また、ノズルプレート60は、Si、SiO、SiN、石英ガラス等のようにSi原子を含むシリコン製ノズルプレートで構成されている。そして、ノズルプレート60のインク吐出側面には、インクに対して撥液性を有する撥液膜62が形成されている。この撥液膜62によって、ノズルプレート60の表面、特にノズル孔51の開口周辺部へのインク付着を防止し、これによりノズル孔51から吐出されるインク液滴の吐出安定性を確保している。
しかし、従来の撥液膜62は、従来技術で述べたように、OH基を含む液、例えば水や、アルカリ性を有する水溶性成分に加水分解し易く、ノズル孔51から例えばアルカリ性のインクを長期間吐出していると、撥液膜62が消失してしまい、吐出安定性が次第に損なわれるという問題がある。
そこで、本発明では、Si原子を含む材料でノズルプレート60を形成すると共に、該ノズルプレート60におけるノズル孔51吐出側面に、Si原子との間でSi−C結合を形成する撥液膜62が被覆されるように構成した。なお、かかる撥液膜62を形成する本実施の形態の撥液膜形成方法については、後で詳説する。
図4に戻って、各ノズル孔51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル孔51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインク供給タンク(不図示)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の天面を構成し共通電極と兼用される振動板56には個別電極57を備えた圧電素子58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形してノズル孔51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
本例では、ヘッド50に設けられたノズル孔51から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子58を適用したが、圧力室52内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図3(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル孔51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
また、本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、記録紙16の幅方向(主走査方向)の長さに満たない短尺のヘッドを記録紙16の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると記録紙16を幅方向と直交する方向(副走査方向)に所定量だけ移動させて、次の印字領域の記録紙16の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して記録紙16の印字領域の全面にわたって印字を行うシリアル方式を適用してもよい。
〔撥液膜形成方法〕
次に、本実施の形態の撥液膜形成方法について説明する。
図5は、撥液膜形成方法の反応プロセスを説明する説明図である。
図5に示した撥液膜形成方法は、ノズルプレート60のノズル孔51吐出側面(以後、ノズルプレート表面という)からノズルプレート60を構成する素材以外の不純物(例えば、有機性の付着物、ゴミ、汚れ等)を除去する洗浄工程と、ノズルプレート60としてSi原子を含むシリコン系材料を用いて、該ノズルプレート60表面を水素終端化処理又はハロゲン終端化処理する終端化処理工程と、終端化処理後のノズルプレート60表面にエネルギーを付与しながら、該ノズルプレート60表面に、不飽和結合を末端に有すると共に撥液性官能基を有する撥液膜原料を接触させてノズルプレート60表面にSi−C結合による撥液膜62を形成する撥液膜形成工程と、から構成される。各工程の詳細については以下のとおりである。なお、本実施の形態では、ノズルプレート全体がSi原子を含むシリコン系材料であるようにしたが、ノズルプレート60表面やその一部がシリコン系材料で形成されていてもよい。
<洗浄工程>
ノズルプレート60表面の洗浄工程としては、次の3通りを好適に採用することができる。
(1)エタノール液中に浸漬させたノズルプレート60に超音波を照射するエタノール・超音波洗浄→超純水中に浸漬させたノズルプレート60に超音波を照射する超純水・超音波洗浄→ノズルプレート60に対してUV(紫外線)照射とオゾン接触とを組み合わせたUV・オゾン洗浄を順番に行う洗浄工程。
(2)無水トルエン液中に浸漬させたノズルプレート60に超音波を照射する無水トルエン・超音波洗浄→上記エタノール・超音波洗浄→超純水にノズルプレート60を浸漬又は超純水をジェット噴射して洗浄する超純水洗浄→上記UV・オゾン洗浄を順番に行う洗浄工程。
(3)上記エタノール・超音波洗浄→硫酸系溶液(例えば関東化学製のSH−303)にノズルプレート60を浸漬する硫酸洗浄→フロンティアクリーナーA02(関東化学製)による洗浄を順番に行う洗浄工程。
しかし、上記洗浄工程に限らず、ノズルプレート表面の汚染度によって適宜変更することができる。
<水素終端化工程>
次に、不純物が除去された清浄なノズルプレート60表面を水素終端化する。水素終端化工程としては、ウエットプロセスとドライプロセスの2通りを採用できる。
(1)ウエットプロセスは、Si原子を含む材料で形成されたノズルプレート60を窒素雰囲気中でHF水溶液(フッ酸溶液)に浸漬させることにより行う。これにより、図5(A)の左側に示す水素終端化シリコンのように、Si原子に水素原子が結合される。
このとき、ノズルプレート60表面に酸化膜(図示せず)が存在する場合には、酸化膜の厚さによってHF水溶液の濃度を適宜調整することが好ましい。例えば、自然酸化膜の程度ならば、質量比率において200(水):1(HF)に希釈されたHF水溶液に10分程度浸漬させることで水素終端化が可能である。また、HF水溶液に限らず、フッ化アンモニウム溶液でも水素終端化は可能である。
ウエットプロセスは、比較的低温処理が可能で且つ処理操作も容易であり、処理コストも安い特徴がある。しかし、コンタミネーションの影響が存在することを考慮する必要がある。
(2)ドライプロセスは、ノズルプレート60表面に対して水素プラズマ処理を付与することにより行う。例えば、自然酸化膜の付いたノズルプレート60にドライプロセスを行う場合、ガス圧力10mTorr、及びマイクロ波入力パワー200Wで生成した水素プラズマを10分間照射する。これにより、図5(A)の左側に示す水素終端化シリコンのように、Si原子に水素が結合される。
この場合、XPS測定(X線光電子分光測定)により酸素や炭素のピークがまったく検出されず、このことからノズルプレート表面の自然酸化膜、炭素汚染層も終端化工程を行うことにより除去できていることが分かる。そしてドライプロセスで水素終端化した試料と、HF水溶液を用いてウエットプロセスで水素終端化した試料とを大気環境中に放置した場合に、自然酸化、炭素汚染の進行はほぼ同等であり、水素プラズマ処理で、HF水溶液と同様に水素終端化が可能であることを示している。なお、水素プラズマ処理については、大阪府立大学博士論文(『プラズマプロセスを利用したシリコン結晶中欠陥検出技術及びシリコン表面清浄化の研究』;中嶋健次)を参照されたい。
ドライプロセスは、コンタミネーションの影響が少なく、ノズルプレート60の温度を制御することで、原子レベルで平坦な面を得ることができる特徴がある。
<撥液膜形成工程>
本発明における撥液膜形成工程は、ノズルプレート60表面の酸化膜(水酸基)に対してシロキサン結合するシランカップリング剤により撥液膜を形成する方法とは異なり、酸化膜を介せずにノズルプレート60表面に撥液膜をSi−C結合により直接形成する方法である。
図5(A)に示すように、水素終端化工程により形成された水素終端化シリコン(又はハロゲン終端化シリコン)の表面にエネルギーを与えて、Si原子に結合されている水素原子(又はハロゲン原子)を引き抜くことでシリコンラジカル(ダングリングボンド)を生成する。水素終端化されたノズルプレート60表面へのエネルギー付与は、加熱、紫外線照射、可視光照射、あるいは反応開始剤の導入等の手法が用いられる。反応開始剤としては例えばジアシル過酸化物を使用することができる。
次に、図5(B)に示すように、シリコンラジカルが生じたノズルプレート60表面に、不飽和結合を末端に有すると共に撥液性官能基を有する撥液膜原料(図5には1−alkeneで示しR部分に撥液性官能基が存在する)を接触させてラジカル反応を行う。
本発明で使用する撥液膜原料は、末端に不飽和結合を有するもので、二重結合、三重結合を有し、好ましくは二重結合を持つものが良い。例えば、R-CH=CH2の化学構造を有するものを好適に使用することができる。ここで、Rは、炭化水素基であり、撥液性官能基を有することができる。この場合、撥液性官能基を末端の不飽和結合とは反対側にもつものが好ましく、最も好ましいのはフルオロカーボンの直鎖や分岐鎖をもつものが良い。フルオロカーボン系原料としては、ペルフルオロヘキシルエチレン:CF3(CF2)5CH=CH2、1H,1H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デセン:F3C(CF2)7CH=CH2、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキセン:CF3(CF2)3CH=CH2などの不飽和結合を有し、反対側に高い撥液性を示すフッ素系官能基を有するものである。
例えば、図5(B)のように、ノズルプレート60のシリコンラジカルと、ビニル基含有の1−alkeneが反応する場合は、先ず、シリコンラジカルとアルケンが反応し、Si−C結合の共役結合が形成される。同時にできる炭素ラジカルが近隣のSi−H基から水素原子を引き抜くことにより、再びシリコンラジカルが生成し、連鎖反応が進む。これにより、ノズルプレート60表面に撥液膜62が被覆される。水素終端化されたノズルプレート60表面への撥液膜62の形成が終了すると連鎖反応は自動的に停止するので、ノズルプレート60表面には極めて薄層な単分子膜を形成することができる。
また、ノズルプレート60表面に下地膜としてSi−C結合膜を形成し、この膜に紫外線照射やオゾン暴露を行えば、膜の最表面が親水化されるので、Si−C結合膜の上に撥液膜62を形成することも可能である。更には、ノズルプレート60表面に先ずプラズマ重合膜(図示せず)を形成し、このプラズマ重合膜の上に撥液膜62を形成することも可能である。
ノズルプレート60と撥液膜原料とを接触させる方法としては、ノズルプレート60を撥液膜原料溶液(無水有機溶媒に撥液膜原料溶液を溶解させても良い)に浸漬させるウエットプロセスか、蒸着法や化学気相法(CVD)等のドライプロセスを採用することができる。
<後洗浄工程>
最後に、Si−C結合による撥液膜62が形成されたノズルプレート60を、純水やエタノール等により後洗浄して、撥液膜形成工程を終了する。
なお、上述した撥液膜形成方法では、水素終端化する例で説明したが、水素終端化シリコンだけでなく、ハロゲン終端化シリコンを使用可能である。しかし、膜形成の容易性とコンタミネーション防止等を考慮すると、水素終端化シリコンが好ましい。
そして、本発明の撥液膜形成方法によって形成された撥液膜62は、以下の効果を奏する。
(1)Si−C結合でノズルプレート60表面に直接結合した撥液膜62は、従来のように、OH基を含む液、例えば水や、アルカリ性を有する水溶性成分に加水分解し易いSi−O結合の撥液膜に比べて各種の液、例えばアルカリ性、酸性、中性の水溶性成分を含む液、更には非水溶性の液に対する液耐性を顕著に向上することができる。これにより、インクジェットヘッド用の撥液膜62として、吐出安定性、メンテナンス性を改善できる。
(2)また、本発明の撥液膜形成方法によって形成された撥液膜62は、単分子膜状態で各種の液に対する耐久性の高い膜を形成できるので、撥液膜62の平滑性を高くできる。平滑性が高くなることで、ノズル孔51の開口周辺部にインクが付着しづらくなり、インク液滴の吐出安定性が一層向上する。かつ、撥液膜62が単分子膜の薄膜になることで、撥液膜原料の使用量も低減でき、コスト削減につながる。撥液膜62の厚みは撥液膜原料によって異なるが、例えば、撥液膜原料が1−ヘキサデセンである場合の単分子膜状態の撥液膜62の厚みは、分光エリプソメトリー測定で約3nm以下になる。
これに対して、従来技術で紹介した特許文献3の撥液膜は、撥液膜を厚膜にすることで液耐性を向上していたが、厚くなるほど、表面粗さは増大するので、インクの吐出安定性が悪くなる。
[実施例A]
実施例Aでは、本発明の撥液膜形成方法により、ノズルプレート面に撥液膜を具体的に形成した実験例を説明するが、本発明はこの実験例に限定されるものではない。
密閉性のある耐圧グローブボックスを準備し、その中に必要な実験器具を入れた後、グローブボックス内に窒素を充填した。そして、実験者は、グローブボックスのゴム手袋を介して以下の実験を全てグローブボックス内で行った。
先ず、撥液膜原料(1−ヘキサデセン)溶液を調製した後、溶液を不純物のない窒素ガスでバブリングし、溶液中の溶存酸素を除去した。
一方、洗浄処理工程で洗浄処理したノズルプレート(自然酸化膜付き)を、200(水):1(HF)の比率で希釈したHF水溶液に浸漬して水素終端化処理した。この場合、グローブボックスに入れる前に水素終端化処理しても良いが、炭素汚染等を考慮すると、グローブボックス内で行うのが好ましい。ノズルプレートの洗浄処理は、上述した洗浄工程の(1)に記載した処理を行ったが、(2)又は(3)の洗浄処理でもよい。
次に、加熱法と紫外線照射法との2通りの方法で撥液膜形成工程を行った。
(加熱法による撥液膜形成工程)
ガラス製のシャーレ内に、水素終端化後のノズルプレートを配置し、上記の通り準備した撥液膜原料溶液をシャーレ内に入れてノズルプレートを浸漬させた後、シャーレをヒータ上に設置して100〜200℃に加熱した。これにより、ノズルプレート面にSi−C結合による撥液膜を形成することができた。この場合、ノズルプレートの加熱温度は、撥液膜原料溶液の種類によって適宜変更することが好ましい。例えば、撥液膜原料溶液が1−ヘキサデセンの場合には、150〜180℃程度で約3〜5時間程度加熱することが好ましい。
(紫外線照射法による撥液膜形成工程)
石英セルにノズルプレートを入れ、セル内を撥液膜原料溶液で満たした。そして、セルをゴム栓等で密閉した後、セルを介してノズルプレートに紫外線を照射した。紫外線照射条件としては、例えば超高圧水銀ランプを使用して、出力70mW・cm−2で、1〜20時間の照射を行うとよい。ただし、ノズルプレートの厚みによって照射時間を変更することが好ましい。これにより、ノズルプレート面にSi−C結合による撥液膜を形成することができた。
[実施例B]
実施例Bでは、実施例Aにより撥液膜を形成したノズルプレートの表面安定性(酸化度・炭素汚染等)を試験した。なお、撥液膜は加熱法で形成したものを使用した。
試験は、実施例Aによって撥液膜が形成されたノズルプレート(実施例)を室温大気環境中に350時間放置した。合わせて、フッ酸(HF水溶液)によって水素終端化のみを行ったノズルプレート(比較例1)を室温大気環境中に350時間放置した。そして、実施例のノズルプレートにおける撥液膜を形成した面、及び比較例のノズルプレートにおける水素終端化した面について、純水での静的接触角を経時的に測定した。
その結果を図6に示した。図6から分かるように、比較例のノズルプレートは酸化が進み、静的接触角が経時的に低下していくのに対して、実施例のノズルプレートは静的接触角がほとんど変化せず、安定な表面を形成していた。
[実施例C]
実施例Cでは、実施例Aにより形成したSi−C結合の撥液膜を有するノズルプレート(実施例)と、シロキサン結合(Si−O)の撥液膜を有する従来のノズルプレート(比較例2)とを用いて、液耐性の一例としてアルカリ耐性を比較した。
比較例2の撥液膜の形成は、シロキサン結合をより強固にするため、従来技術で紹介した特許文献2のように先ずノズルプレート面にCVD法によりSiO膜を下地膜として形成した。そして、下地膜の上に、同じくCVD法で、反応基としてクロロシランを有するフルオロカーボン系撥系膜を反応させ、ノズルプレートとシロキサン結合した撥液膜を形成した。
(インク浸漬試験)
上記の如く形成した実施例のノズルプレートと、比較例2のノズルプレートの2つの試料を、下記組成のインク1〜3の3種類の水溶性インクに常温で100時間それぞれ浸漬させた。水溶性インクのpHはいずれも約9.0でありアルカリ性である。
〈インク1の組成〉
・シアン分散液1(顔料濃度で) :3質量%
・樹脂粒子分散物P−2 :7質量%
・サンニックスGP−250(三洋化成工業(株)製) :10質量%
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル :10質量%
・オルフィンE1010(日信化学製、界面活性剤) :1質量%
・イオン交換水 :残部

〈インク2の組成〉
・シアン分散液1(顔料濃度で) :2%
・樹脂粒子分散物P−2 :8%
・サンニックスGP−250(三洋化成工業(株)製) :8%
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル :8%
・オルフィンE1010(日信化学製、界面活性剤) :1%
・イオン交換水 :残部

〈インク3の組成〉
・シアン分散液1(顔料濃度で) :4%
・樹脂粒子分散物P−2 :7%
・サンニックスGP−250(三洋化成工業(株)製) :9%
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル :9%
・オルフィンE1010(日信化学製、界面活性剤) :1%
・イオン交換水 :残部

そして、浸漬で使用した各水溶性インクの未使用品を用いて、実施例と比較例2の各撥液膜の初期(浸漬前)と100時間浸漬後の未使用インクに対する静的接触角を測定した。その結果を、下記に示す接触角変化量として表すことにより、実施例と比較例とのアルカリ耐性を対比した。
接触角変化量(%)=[(初期接触角−浸漬後接触角)/(初期接触角)]×100
(試験結果)
その結果、比較例2のノズルプレートに被覆された撥液膜の接触角変化量が22.6%であったのに対して、実施例のノズルプレートに被覆された撥液膜の接触角変化量が1.4%であった。この結果から、ノズルプレートにSi−C結合で結合された撥液膜は、Si−O結合で結合された撥液膜に比べて顕著にアルカリ耐性が向上していることが分かる。特に、Si−C結合で結合された撥液膜は、自己組織化による膜で単分子膜であり、極めて薄い膜によって高いアルカリ耐性を発揮することができるので、ノズルプレート表面に撥液膜を形成してもノズル孔への寸法精度の影響を小さくできる。
なお、本発明は、顔料や染料インク、又はインクに限らず、各種の溶液全般に対して、アルカリ性溶液に対する耐久性を向上できる。
10…インクジェット記録装置、12K,12C,12M,12Y…ヘッド、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、18…給紙部、20…デカール処理部、22…吸着ベルト搬送部、24…印字検出部、26…排紙部、28…カッター、30…加熱ドラム、31、32…ローラー、33…ベルト、34…吸着チャンバ、36…ベルト清掃部、40…加熱ファン、42…後乾燥部、44…加熱・加圧部、45…加圧ローラー、48…カッター、50…ヘッド、51…ノズル孔、52…圧力室、53…インク室ユニット、54…インク供給口、55…共通流路、56…振動板、57…個別電極、58…圧電素子、60…ノズルプレート、62…撥液膜

Claims (7)

  1. 液滴を吐出するためのノズル孔を有するノズルプレートの表面に撥液膜を形成する撥液膜形成方法であって、
    前記ノズルプレートの少なくとも表面の一部がSi原子を含むシリコン系材料を用いて、該ノズルプレート表面を水素終端化処理又はハロゲン終端化処理する終端化処理工程と、
    前記終端化処理後のノズルプレート表面にエネルギーを付与しながら、該ノズルプレート表面に、不飽和結合を末端に有すると共に該不飽和結合の反対側に撥液性官能基を有する撥液膜原料を接触させて前記ノズルプレート表面にSi−C結合による撥液膜を化学気相法によって形成する撥液膜形成工程と、を含むことを特徴とする撥液膜形成方法。
  2. 前記終端化処理工程において、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含む溶液に、前記ノズルプレートを浸漬する水素終端化処理を行うことを特徴とする請求項1の撥液膜形成方法。
  3. 前記終端化処理工程において、水素ガスを含むプラズマで前記ノズルプレートをプラズマ処理する水素終端化処理を行うことを特徴とする請求項1の撥液膜形成方法。
  4. 前記エネルギーは、熱、紫外線、可視光の何れかであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の撥液膜形成方法。
  5. 前記終端化処理の前に、前記ノズルプレート表面の不純物を除去する洗浄工程を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1に記載の撥液膜形成方法。
  6. 前記撥液膜原料はペルフルオロヘキシルエチレン、1H,1H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デセン、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキセンの何れか1であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1に記載の撥液膜形成方法。
  7. 前記ノズルプレートはインク液滴を吐出するインクジェットヘッドに設けられることを特徴とする請求項1〜6の何れか1に記載の撥液膜形成方法。
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