JP5248454B2 - ノズルプレートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート及びインクジェットヘッドに係り、特にノズル孔のノズル吐出面が撥水性でノズル内壁面が親水性であるノズルプレートを製造する技術に関する。
インクジェット記録装置で用いられる記録ヘッド(インクジェットヘッド)には、インクの液滴を吐出するためのインク孔を有するノズルプレート(ノズル基板)が設けられる。ノズルプレートのノズル吐出面は、液滴の吐出安定性及び吐出方向性を確保するために撥水性であることが要求される一方、吐出流路を形成するノズル内壁面は気泡の排出性を確保するために親水性であることが要求される。即ち、ノズル吐出面は充分な撥水性がないと、インク吐出時にインクダレを生じノズル吐出面にインクが付着すると、吐出安定性、方向性が悪くなり、画像品質が劣化する要因になる。一方、ノズル内壁面の撥水性が高い場合にはインクの濡れが悪くなるため、吐出流路に発生した気泡に対して排出操作を行っても排出することが困難になる。これにより、インク充填の際に吐出流路に気泡の取り残し(気泡の滞留)が起こり、ドット抜けや印字乱れ等のトラブルによって記録不能となることがある。
そこで、このような問題を防止するために、ノズルプレートのノズル吐出面に撥水膜を形成し、ノズル内壁面に親水膜を形成するノズルプレートの製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、ノズル吐出面に撥水膜を形成した後、ノズル吐出面とノズル内壁面の両方に親水膜を形成し、ノズル吐出面の親水膜を研磨により除去することでノズル吐出面に撥水膜を露出させる方法が開示されている(以下、方法Aという)。また、別の方法として、ノズル吐出面とノズル内壁面の両方に撥水膜を形成した後、この撥水膜の上に親水膜を形成し、ノズル吐出面の親水膜を研磨により除去することでノズル吐出面に撥水膜を露出させる方法が開示されている(以下、方法Bという)。
撥水膜には撥水性官能基としてフルオロアルキル基を含むシラン化合物が使用され、親水膜にはシランカップリング剤が使用されている。これにより、ノズル吐出面に撥水性を、ノズル内壁面に親水膜をそれぞれ均一且つ簡易に形成できるとされている。
特開2008−273079号公報
しかしながら、特許文献1のノズルプレートの製造方法は、以下の欠点がある。
(1)ノズル吐出面に形成された親水膜(有機膜)を研磨加工で除去しており、親水膜の下層に形成されている撥水膜(有機膜)にダメージを与えることなく露出させることは通常困難である(成膜作業の困難性)。
(2)また、上記方法Bは、ノズル内壁面まで撥水膜が形成されており、その上にシランカップリング剤による親水膜を均一に形成することは困難である。シランカップリング剤は、結合する基材表面に反応サイト(水酸基)が必要であり、フルオロアルキル基を有する撥水膜で覆われたノズル内壁面に密着性良く均一成膜することは困難である。(均一成膜の困難性)。
(3)シランカップリング剤の場合、ノズル内壁面に反応サイト(水酸基)を形成する必要があり、ノズルプレートの吐出流路が複雑構造である場合には酸素プラズマ等では均一に処理することが困難になる(複雑流路構造に対する対応性)。
(4)ノズル吐出面の撥水膜材料(シラン化合物)及びノズル内壁面の親水膜材料(シランカップリング剤)のいずれもノズルプレート(基材)とシロキサン結合(Si−O結合)する材料である。このシロキサン結合は、例えばインクジェット記録装置のインク、中でもアルカリ性、酸性、更には中性の水溶性成分を含むインクに加水分解し易い。これにより、インク例えばアルカリ性のインクに接触すると、撥水膜や親水膜が基材から消失しやすく、水溶性インクに対する耐性が乏しいという問題がある。また、インクの種類には水溶性インクのみならず、非水溶性インクもあることから、水溶性や非水溶性のいずれにも耐性が高いことが要求される(インク耐性)。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上記欠点を解消し、ノズル吐出面が撥水性でノズル内壁面が親水性になるように撥水膜と親水膜とを均一成膜することができ且つ膜同士の境界が正確に区画され、しかも水溶性や非水溶性の液(例えばインク)に対して高い耐性(例えばインク耐性)を有するノズルプレートを製造できるノズルプレートの製造方法、ノズルプレート、及びインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係るノズルプレートの製造方法は、液滴を吐出するためのノズル孔を有すると共に該ノズル吐出面が撥水性でノズル内壁面が親水性であるノズルプレートの製造方法において、前記ノズルプレートの少なくとも表面の一部がSi原子を含むシリコン系材料を用いて、前記ノズル吐出面と前記ノズル内壁面とを含むノズルプレート表面を水素終端化処理又はハロゲン終端化処理する終端化処理工程と、前記終端化処理工程後のノズルプレートの前記ノズル吐出面のみに第1のエネルギーを付与しながら、該ノズルプレートに、不飽和結合を末端に有すると共に撥水性官能基を有する撥水膜原料を接触させて前記ノズル吐出面にSi−C結合による撥水膜を選択的に形成する撥水膜形成工程と、前記撥水膜形成工程後の前記ノズルプレートに第2のエネルギーを付与しながら、該ノズルプレートに、不飽和結合を末端に有すると共に親水性官能基を有する親水膜原料を接触させて前記ノズル吐出面以外にSi−C結合による親水膜を形成する親水膜形成工程と、を含むことを特徴とする。
ここで、「ノズルプレートの少なくとも表面の一部がSi原子を含むシリコン系材料を用いて」とは、ノズルプレート全体がシリコン系材料である場合に限らず、ノズルプレートの表面がシリコン系材料である場合も含むものとする。更には、ノズルプレート表面の全部がシリコン系材料である場合に限らず、ノズルプレート表面の一部がシリコン系材料で形成されていてもよい。また、特に断らないでノズルプレート表面と言った場合には、ノズル吐出面及びノズル内壁面を含むものとする。
請求項1のノズルプレートの製造方法によれば、終端化処理したノズルプレート表面のうち、ノズル吐出面のみに第1のエネルギーを付与しながら、該ノズルプレートに、不飽和結合を末端に有すると共に撥水性官能基を有する撥水膜原料を接触させるようにした。これにより、ノズル吐出面にのみSi−C結合による撥水膜を選択的に形成させることができる。これは、Si−C結合の撥水膜は、エネルギーを付与した部分のみに成膜されるという高い成膜選択性があるためである。
次に、撥水膜形成工程後のノズルプレートに第2のエネルギーを付与しながら、該ノズルプレートに、不飽和結合を末端に有すると共に親水性官能基を有する親水膜原料を接触させるようにした。これにより、ノズル吐出面以外(ノズル内壁面も該当する)にSi−C結合による親水膜を形成することができる。
この場合、ノズル吐出面は既に撥水膜が形成されて終端化部分が存在しないので、ノズル吐出面に親水膜原料が接触しても親水膜が形成されることはない。換言すると、ノズル吐出面とノズル内壁面との境界線を挟んで正確に区画された状態で親水膜がノズル内壁面に形成されることになる。
また、Si−C結合膜は単分子膜を形成するので、撥水膜及び親水膜の均一成膜を行うことができる。更に、撥水膜及び親水膜ともに、水溶性や非水溶性のいずれの液(例えばインク)に対しても液耐性(例えばインク耐性)の高いSi−C結合膜であるので、ノズル孔から水溶性や非水溶性の液滴(例えばインク液滴)を吐出しても撥水膜や親水膜が消失しにくい。
これにより、ノズル吐出面が撥水性でノズル内壁面が親水性になるように、撥水膜と親水膜とが均一形成され且つ膜同士の境界が正確に形成され、しかも水溶性や非水溶性の液(例えばインク)に対して高い耐性(例えばインク耐性)を有するノズルプレートを製造することができる。
請求項1の製造方法において、前記第1のエネルギーは紫外線又は可視光等の光エネルギーであると共に、前記第2のエネルギーは熱エネルギーであることが好ましい。これは、ノズル吐出面のみに選択的にエネルギーを付与するには、エネルギー付与領域の選択性に優れた光エネルギーが第1のエネルギーとして好ましいからである。この場合、光エネルギーの遮蔽領域と非遮蔽領域とを設けることで、ノズル吐出面のみに選択的にエネルギーを付与することが好ましい。例えば、半導体で使用するフォトリソグラフィー用のマスクを使用し、ノズル吐出面のみに紫外線又は可視光が照射されるようにすることができる。
また、ノズル孔が複雑構造の場合には、光エネルギーが均一に届かないことがあるので、第2のエネルギーは熱エネルギーが好ましい。ノズルプレート全体に熱さえ伝われば成膜が可能なので、ノズル孔の構造に限定されることがない。この場合、ノズルプレート全体を加熱しても、上述のように、ノズル吐出面は既に撥水膜が形成されて終端化部分が存在しないので、ノズル吐出面に親水膜原料が接触しても親水膜が形成されることはない。
前記目的を達成するために、請求項3に係るノズルプレートの製造方法は、液滴を吐出するためのノズル孔を有するノズルプレートであって、前記ノズル孔のノズル吐出面が撥水性でノズル内壁面が親水性であるノズルプレートの製造方法において、前記ノズルプレートの少なくとも表面の一部がSi原子を含むシリコン系材料を用いて、前記ノズル吐出面と前記ノズル内壁面とを含むノズルプレート表面を水素終端化処理又はハロゲン終端化処理する終端化処理工程と、前記終端化処理工程後に、前記ノズルプレート表面にエネルギーを付与しながら、該ノズルプレートに、不飽和結合を末端に有すると共に撥水性官能基を有する撥水膜原料を接触させて前記ノズルプレート表面にSi−C結合による撥水膜を形成する撥水膜形成工程と、前記ノズルプレート表面に形成された撥水膜のうち前記ノズル内壁面に形成された撥水膜を親水化処理する親水化処理工程と、を含むことを特徴とする。
請求項3のノズルプレートの製造方法によれば、終端化処理した後のノズル吐出面及びノズル内壁面を含むノズルプレート表面全体にエネルギーを付与しながら、該ノズルプレートに、不飽和結合を末端に有すると共に撥水性官能基を有する撥水膜材料を接触させて、ノズルプレート表面にSi−C結合の撥水膜を形成する。この場合、成膜選択性は必要ないので、紫外線、可視光、熱のいずれも使用できるが、熱エネルギーが特に好ましい。なお、ノズル内壁面に光エネルギーが十分に届く構造のノズル孔であれば、光エネルギーも可能である。
次に、ノズルプレート表面に形成された撥水膜のうちノズル内壁面に形成された撥水膜を親水化処理する。例えば、ノズル内壁面の撥水膜に対して紫外線照射処理、酸素を含むガスによるプラズマ処理、オゾンガス処理の何れかをすることにより、ノズル内壁面に形成されたSi−C結合の撥水膜がOH化しながら削れていき、親水化される。
請求項3のノズルプレートの製造方法は、ノズル孔の吐出構造が余り複雑ではなく紫外線や上記ガスが届く構造体である場合、例えばノズル孔がノズルプレートの表裏面に貫通した貫通孔である場合に有効である。この場合には、ノズル吐出面の反対面から紫外線照射処理、酸素を含むガスによるプラズマ処理、オゾンガス処理の何れかを行えばよい。
また、請求項3の製造方法では、親水化処理されたノズル内壁面に、Si−O結合によるシロキサン結合親水膜を形成するシロキサン結合親水膜形成工程を備えることが一層好ましい。これにより、ノズル内壁面の親水化度合いが向上するので気泡除去が一層容易になると共に、シロキサン結合親水膜によりノズル内壁面を保護できる。この場合、ノズルプレートをシロキサン結合親水膜材料溶液に浸漬させるディップコートのようなウエットプロセスや、蒸着、CVDのようなドライプロセスの何れも使用することができる。
請求項1又は3の製造方法に共通して、前記終端化処理工程において、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含む溶液に、前記ノズルプレートを浸漬する水素終端化処理を行うことが好ましい。
本発明では、終端化処理工程として、水素終端化処理とハロゲン終端化処理との2通りを選択できるが、撥水膜形成の容易性及びコンタミネーション防止の観点から水素終端化処理が好ましい。また、水素終端化処理としては、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含む溶液に、ノズルプレートを浸漬するウエットプロセスと、水素ガスを含むプラズマでノズルプレートをプラズマ処理するドライプロセスとがあるが、コンタミネーション防止の観点からドライプロセスがより好ましい。
請求項1又は3の製造方法に共通して、前記終端化処理の前に、前記ノズルプレート表面の不純物を除去する洗浄工程を備えることが好ましい。ノズルプレート表面の不純物を除去することにより、終端化処理の効率が良くなるためである。
請求項1又は3の製造方法に共通して、撥水膜原料にはフッ素原子を含むと共に、親水膜原料にはアミノ基を含むことが好ましい。この場合、フッソ原子やアミノ基は不飽和結合の反対側に配置されることが好ましい。
本発明によれば、ノズル吐出面が撥水性でノズル内壁面が親水性になるように撥水膜と親水膜とを均一成膜することができ且つ膜同士の境界が正確に区画され、しかも水溶性や非水溶性の液(例えばインク)に対して高い耐性(例えばインク耐性)を有するノズルプレートを製造できる。
したがって、本発明のノズルプレートをインクジェット記録装置のインクジェットヘッドに使用すれば、画像品質を向上できる。
インクジェット記録装置の概略を示す全体構成図 図1に示すインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 吐出ヘッドの構造列を示す平面透視図 図3のIV−IV線に沿った断面図 ノズルプレートのノズル孔の構造を説明する説明図 本発明のノズルプレートの製造方法の第1の実施形態を説明する説明図 ノズルプレートにSi−C撥水膜又はSi−C親水膜を形成する反応プロセス図 本発明のノズルプレートの製造方法の第2の実施形態を説明する説明図 本発明のノズルプレートの製造方法の第3の実施形態を説明する説明図
以下、添付図面に従って本発明のノズルプレートの製造方法、ノズルプレート、及びインクジェット記録装置のインクジェットヘッドの好ましい実施の形態について詳説する。
なお、本実施の形態では、インク液滴を吐出するインクジェットヘッドのノズルプレートの例で以下に説明するが、これに限定されない。液滴を吐出するノズル孔を有し、ノズル吐出面が撥水性でノズル内壁面が親水性であることが要求されるノズルプレートを備えた部材や機器の全てに適用できる。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、インクジェット記録装置の一例を示した全体構成図である。
同図に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印字済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。印字部12を構成する各ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている(図2参照)。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色のヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントするべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソータが設けられている。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造について説明する。なお、各ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下では、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3(a)は、ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b)は、その一部拡大図である。また、図3(c)は、ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図である。
図4は、インク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a)、(b)中、IV−IV線に沿う断面図)である。
記録紙面上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図3(a)、(b)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙搬送方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶ形で投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
紙搬送方向と略直交する方向に記録紙16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a)の構成に代えて、図3(c)に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドブロック(ヘッドチップ)50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。また、図示は省略するが、短尺のヘッドを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
図4に示すように、各ノズル孔51は、インクを吐出するノズル吐出面60Aを構成するノズルプレート60に形成され、ノズルプレート60はヘッド本体部50Aに接合される。ノズルプレート60は、Si、SiO、SiN、石英ガラス等のようにSi原子を含むシリコン製ノズルプレートで構成されている。なお、本実施の形態では、ノズルプレート60全体がSi原子を含むシリコン系材料であるようにしたが、ノズルプレート60表面やその一部がシリコン系材料で形成されていてもよい。
図5の拡大図に示すように、ノズルプレート60のノズル孔51は、小径な吐出口部分51Aと大径な入口部分51Bとからなる吐出流路として構成され、吐出流路がヘッド本体部50Aの圧力室52に連通される。そして、ノズルプレート60のノズル吐出面60Aは、インク液滴の吐出安定性及び吐出方向性を確保するために撥水性であることが要求される。一方、吐出口部分51Aと入口部分51Bの内壁面であるノズル内壁面60Bは、気泡の排出性を確保するために親水性であることが要求される。なお、ノズル吐出面60A及びノズル内壁面60以外のノズルプレート60表面は撥水性、親水性には拘らない。
しかし、従来のノズルプレートの製造方法では、撥水膜や親水膜を成膜する際の、成膜作業の困難性、成膜の均一性、吐出流路が複雑構造である場合の対応性、更にはインク耐性の点で十分ではなく、満足できるノズルプレートを製造できなかった。
そこで、本発明では、上記欠点を解消し、ノズル吐出面60Aが撥水性でノズル内壁面60Bが親水性になるように撥水膜と親水膜とを均一成膜することができ且つ膜同士の境界が正確に区画され、しかもインク耐性にも優れたノズルプレートを製造できるようにした。本実施の形態のノズルプレートの製造方法については、後で詳説する。
図4に示すように、各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインク供給タンク(不図示)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の天面を構成し共通電極と兼用される振動板56には個別電極57を備えた圧電素子58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
本例では、ヘッド50に設けられたノズル51から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子58を適用したが、圧力室52内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図3(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
また、本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、記録紙16の幅方向(主走査方向)の長さに満たない短尺のヘッドを記録紙16の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると記録紙16を幅方向と直交する方向(副走査方向)に所定量だけ移動させて、次の印字領域の記録紙16の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して記録紙16の印字領域の全面にわたって印字を行うシリアル方式を適用してもよい。
次に、本実施の形態のノズルプレートの製造方法について説明する。
〔ノズルプレートの製造方法〕
(第1の実施形態)
第1の実施の形態におけるノズルプレートの製造方法は、Si原子を含むシリコン系材料のノズルプレート60表面を洗浄する洗浄工程と、ノズルプレート60のノズル吐出面60Aとノズル内壁面60Bとを含むノズルプレート60表面を水素終端化処理する終端化処理工程と、終端化処理工程後のノズルプレート60のノズル吐出面のみにSi−C結合の撥水膜Yを形成する撥水膜形成工程と、撥水膜形成工程後のノズルプレート60のノズル吐出面60A以外にSi−C結合の親水膜Zを形成する親水膜形成工程と、で構成される。
各工程の詳細は以下の通りである。
<洗浄工程>
先ず、ノズルプレート60表面からノズルプレート60を構成する素材以外の不純物(例えば、有機性の付着物、ゴミ、汚れ等)を除去する。ノズルプレート60表面の洗浄工程としては、次の3通りを好適に採用することができる。
(1)エタノール液中に浸漬させたノズルプレート60に超音波を照射するエタノール・超音波洗浄→超純水中に浸漬させたノズルプレート60に超音波を照射する超純水・超音波洗浄→ノズルプレート60に対してUV(紫外線)照射とオゾン接触とを組み合わせたUV・オゾン洗浄を順番に行う洗浄工程。
(2)無水トルエン液中に浸漬させたノズルプレート60に超音波を照射する無水トルエン・超音波洗浄→上記エタノール・超音波洗浄→超純水にノズルプレート60を浸漬又は超純水をジェット噴射して洗浄する超純水洗浄→上記UV・オゾン洗浄を順番に行う洗浄工程。
(3)上記エタノール・超音波洗浄→硫酸系溶液(例えば関東化学製のSH−303)にノズルプレート60を浸漬する硫酸洗浄→フロンティアクリーナーA02(関東化学製)による洗浄を順番に行う洗浄工程。
しかし、上記洗浄工程に限らず、ノズルプレート60表面の汚染度によって適宜変更することができる。
<水素終端化工程>
次に、図6(A)に示すように、不純物が除去された清浄なノズルプレート60表面を水素終端化する。図6(A)には、終端化部分を符号Xで示す。
水素終端化工程としては、ウエットプロセスとドライプロセスの2通りを採用できる。
(1)ウエットプロセスは、Si原子を含む材料で形成されたノズルプレート60を窒素雰囲気中でHF水溶液(フッ酸溶液)に浸漬させることにより行う。これにより、図7(A)の左側に示す水素終端化シリコンのように、Si原子に水素原子が結合される。
このとき、ノズルプレート60表面に酸化膜(図示せず)が存在する場合には、酸化膜の厚さによってHF水溶液の濃度を適宜調整することが好ましい。例えば、自然酸化膜の程度ならば、質量比率において200(水):1(HF)に希釈されたHF水溶液に10分程度浸漬させることで水素終端化が可能である。また、HF水溶液に限らず、フッ化アンモニウム溶液でも水素終端化は可能である。
ウエットプロセスは、比較的低温処理が可能で且つ処理操作も容易であり、処理コストも安い特徴がある。しかし、コンタミネーションの影響が存在することを考慮する必要がある。
(2)ドライプロセスは、ノズルプレート60表面に対して水素プラズマ処理を付与することにより行う。例えば、自然酸化膜の付いたノズルプレート60にドライプロセスを行う場合、ガス圧力10mTorr、及びマイクロ波入力パワー200Wで生成した水素プラズマを10分間照射する。これにより、図7(A)の左側に示す水素終端化シリコンのように、Si原子に水素が結合される。
この場合、XPS測定(X線光電子分光測定)により酸素や炭素のピークがまったく検出されず、このことからノズルプレート表面の自然酸化膜、炭素汚染層も終端化工程を行うことにより除去できていることが分かる。そしてドライプロセスで水素終端化した試料と、HF水溶液を用いてウエットプロセスで水素終端化した試料とを大気環境中に放置した場合に、自然酸化、炭素汚染の進行はほぼ同等であり、水素プラズマ処理で、HF水溶液と同様に水素終端化が可能であることを示している。なお、水素プラズマ処理については、大阪府立大学博士論文(『プラズマプロセスを利用したシリコン結晶中欠陥検出技術及びシリコン表面清浄化の研究』;中嶋健次)を参照されたい。
ドライプロセスは、コンタミネーションの影響が少なく、ノズルプレート60の温度を制御することで、原子レベルで平坦な面を得ることができる特徴がある。
<撥水膜形成工程>
撥水膜形成工程では、終端化工程後のノズルプレート60表面のうちのノズル吐出面60Aのみに第1のエネルギーを付与しながら、該ノズルプレート60に、不飽和結合を末端に有すると共に撥水性官能基を有する撥水膜原料を接触させてノズル吐出面60AにSi−C結合による撥水膜を選択的に形成する。即ち、図7(A)に示すように、水素終端化工程により形成された水素終端化シリコンのノズルプレート60表面のうちノズル吐出面60Aにのみ第1のエネルギー61を与えて、Si原子に結合されている水素原子を引き抜くことでノズル吐出面60Aにシリコンラジカル(ダングリングボンド)を生成する。この場合、第1のエネルギー61は、エネルギー照射領域の選択性に優れた紫外線又は可視光の光エネルギーが好ましい。紫外線照射の場合、例えば超高圧水銀ランプを使用して、出力70mW・cm−2で、1〜20時間の照射を行うとよい。ただし、ノズルプレート60の厚みによって照射時間を変更することが好ましい。
次に、図7(B)に示すように、シリコンラジカルが生じたノズル吐出面60Aに、不飽和結合を末端に有すると共に撥水性官能基を有する撥水膜原料(図7には1−alkeneで示しR部分に撥水性官能基が存在する)を接触させてラジカル反応を行う。これにより、図6(B)に示すように、ノズル吐出面60AにのみSi−C結合による撥水膜Yを選択的に形成することができる。これは、Si−C結合の撥水膜Yは、エネルギーを付与した部分のみに成膜されるという高い成膜選択性があるためである。
本発明で使用する撥水膜原料は、末端に不飽和結合を有するもので、二重結合、三重結合を有し、好ましくは二重結合を持つものが良い。例えば、R-CH=CH2の化学構造を有するものを好適に使用することができる。ここで、Rは、炭化水素基であり、撥水性官能基を有することができる。この場合、撥水性官能基を末端の不飽和結合とは反対側にもつものが好ましく。最も好ましいのは、フルオロカーボンの直鎖や分岐鎖をもつものが良い。フルオロカーボン系原料としては、ペルフルオロヘキシルエチレン:CF3(CF2)5CH=CH2、1H,1H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デセン:F3C(CF2)7CH=CH2、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキセン:CF3(CF2)3CH=CH2などの不飽和結合を有し、反対側に高い撥液性を示すフッ素系官能基を有するものである。
例えば、図7(B)のように、ノズル吐出面60Aのシリコンラジカルと、ビニル基含有の1−alkeneが反応する場合は、先ず、シリコンラジカルとアルケンが反応し、Si−C結合の共役結合が形成される。同時にできる炭素ラジカルが近隣のSi−H基から水素原子を引き抜くことにより、再びシリコンラジカルが生成し、連鎖反応が進む。これにより、ノズル吐出面60Aに撥水膜Yが被覆される。水素終端化されたノズル吐出面60Aへの撥水膜Yの形成が終了すると連鎖反応は自動的に停止するので、ノズル吐出面60Aには極めて薄層な単分子膜を形成することができる。
ノズル吐出面60Aと撥水膜原料とを接触させる方法としては、ノズルプレート60を撥水膜原料溶液(無水有機溶媒に撥液膜原料溶液を溶解させても良い)に浸漬させるウエットプロセスか、蒸着法や化学気相法(CVD)等のドライプロセスを採用することができる。
<親水膜形成工程>
親水膜形成工程では、撥水膜形成工程後のノズルプレート60に第2のエネルギーを付与しながら、該ノズルプレート60に、不飽和結合を末端に有すると共に親水性官能基を有する親水膜原料を接触させて、図6(C)に示すように、ノズル吐出面60A以外にSi−C結合による親水膜Zを形成する。ここでノズル吐出面60A以外にはノズル内壁面60Bも含むことは勿論である。
Si−C結合による親水膜Zを形成する反応プロセスは、図7で説明したと同様である。但し、第2のエネルギーは、ノズル孔51が複雑構造の場合には、光エネルギーが均一に届かないことがあるので、熱エネルギー62が好ましい。
ノズルプレート60全体に熱さえ伝われば成膜が可能なので、ノズル孔51の構造に限定されることがない。この場合、ノズルプレート60全体を加熱しても、ノズル吐出面60Aは既に撥水膜Yが形成されて終端化部分が存在しないので、ノズル吐出面60Aに親水膜原料が接触しても親水膜Zが形成されることはない。
親水膜原料は、末端に不飽和結合を有する例えば、R-CH=CH2の化学構造を有し、Rで示される炭化水素基に親水性官能基であるアミノ基をもったアリルアミン(CH2=CHCH2NH2)を好適に使用することができる。但し、アリルアミンは、シリコン系材料のノズルプレート60表面で反応させようとすると二重結合側だけでなくアミノ基側が反応する可能性がある。これを防ぐために、保護基によりアミノ基を保護する方法がある。保護基としては、例えば、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンがある。保護基のついたアリルアミンをノズルプレート60表面のノズル吐出面以外にSi−C結合した後、ノズルプレート60をジクロロメタンと酢酸の混合溶液に浸漬することにより保護基を除去することができる。これにより、親水性に優れたアミノ基をもったSi−C結合の親水膜Zを形成できる。アミノ基は不飽和結合の反対側に形成されることが好ましい。
これにより、インク液滴を吐出するためのノズル孔51を有すると共に該ノズル吐出面60Aが撥水性でノズル内壁面60Bが親水性であるノズルプレート60を製造することができる。撥水膜材料及び親水膜材料の不飽和結合は二重結合、三重結合でもよいが、二重結合であることがより好ましい。
なお、図6では分かり易いように撥水膜Y及び親水膜Zの膜厚を顕著に厚く記載しているが、実際にはナノメータ(nm)のオーダーである。したがって、図6(C)では、撥水膜Yと親水膜Zとの境界線に隙間が形成されているように見えるが、実際には連続した膜として形成される。
<後洗浄工程>
最後に、Si−C結合による撥水膜Yと親水膜Zが形成されたノズルプレート60を、純水やエタノール等により後洗浄して、ノズルプレートの製造工程を終了する。
なお、上述したノズルプレートの製造方法では、水素終端化する例で説明したが、水素終端化シリコンだけでなく、ハロゲン終端化シリコンを使用可能である。しかし、膜形成の容易性とコンタミネーション防止等を考慮すると、水素終端化シリコンが好ましい。
(第2の実施形態)
図8に示す、第2の実施形態におけるノズルプレートの製造方法は、Si原子を含むシリコン系材料のノズルプレート60表面を洗浄する洗浄工程と、ノズル吐出面60Aとノズル内壁面60Bとを含むノズルプレート60表面を水素終端化処理する終端化処理工程と、終端化処理工程後に、ノズルプレート60表面にSi−C結合による撥水膜Yを形成する撥水膜形成工程と、ノズルプレート60表面に形成された撥水膜Yのうちノズル内壁面60Bの撥水膜Yを親水化処理する親水化処理工程と、で構成される。
各工程の詳細は以下の通りであるが、洗浄工程と終端化工程は上述した第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
〈撥水膜形成工程〉
撥水膜形成工程では、図8(A)のように終端化されたノズルプレート60表面にエネルギーを付与しながら、該ノズルプレート60に、不飽和結合を末端に有すると共に撥水性官能基を有する撥水膜原料を接触させて、図8(B)に示すようにノズルプレート60表面全体にSi−C結合による撥水膜Yを形成する。
この場合、成膜選択性は必要ないので、紫外線、可視光、熱のいずれも使用できるが、熱エネルギーが特に好ましい。なお、ノズル内壁面60Bに光エネルギーが十分に届く吐出流路構造のノズル孔51であれば、光エネルギーの使用も可能である。
ノズルプレート60表面にSi−C結合による撥水膜Yを形成する反応プロセスは、第1の実施形態で図7により説明したと同様であるので、ここでの説明は省略する。
〈親水化処理工程〉
親水化処理工程では、ノズルプレート60表面に形成された撥水膜Yのうちノズル内壁面60Bの撥水膜Yに紫外線照射処理、少なくとも酸素を含むガスによるプラズマ処理、オゾンガス処理の何れかを行う。図8では、これらの処理を符号64で示す。これにより、ノズル内壁面60Bに形成されたSi−C結合の撥水膜YがOH化しながら削れていき、親水化される。図8では、親水化された親水化部分を符号Wで示した。
第2の実施形態でのノズルプレートの製造方法は、ノズル孔51の吐出流路構造が複雑ではなく紫外線や上記ガスが届く構造体である場合、例えばノズル孔51がノズルプレート60の表裏面に貫通した貫通孔である場合に有効である。この場合には、ノズル吐出面60Bの反対面の大径な入口部分51B(図5参照)からノズル孔51内に紫外線照射処理、少なくとも酸素を含むガスによるプラズマ処理、オゾンガス処理の何れかを行えばよい。
また、第2の実施の形態では、図9に示すように、親水化処理されたノズル内壁面60Bに、シロキサン結合親水膜Sを形成するシロキサン結合親水膜形成工程を備えことが一層好ましい。
シロキサン結合親水膜材料としては、化学式XSi(OR) で示されるシランカップリング剤で、Xにアミノ基が存在するものを好適に使用できる。また、ORはエトキシ基、メトキシ基などの加水分解可能な官能基を好適に使用できる。具体的には、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを用いることができる。なお、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシランのようなシロキサン結合親水膜材料も使用できる。この場合、ノズルプレート60をシロキサン結合親水膜材料溶液に浸漬させるディップコートのようなウエットプロセスや、蒸着、化学気相法(CVD)等のようなドライプロセスの何れも使用することができる。
なお、シロキサン結合親水膜材料がノズル吐出面60Aに接触したとしても、ノズル吐出面60Aにはシランカップリング剤の反応サイトである親水基(OH基)が存在しない。したがって、ノズル吐出面60Aにシロキサン結合親水膜Sが形成されることはないので、後洗浄工程でノズル吐出面60Aに付着したシロキサン結合親水膜材料を洗い流せばよい。
これにより、ノズル内壁面60Bの親水化度合いが向上するので気泡除去が容易になると共に、膜によりノズル内壁面60Bを保護できる。
上記第2の実施の形態では、ノズルプレート60表面全体にSi−C結合による撥水膜Yを形成してから、ノズル内壁面60Bのみ親水化処理したが、ノズルプレート60表面全体にSi−C結合による親水膜Zを形成してから、ノズル吐出面60Aのみにシランカップリング撥水膜を形成することも可能である。
そして、上記説明した実施の形態のノズルプレートの製造方法は以下の効果を奏することができる。特に第1の実施形態のノズルプレートは従来にない各種の効果を奏する。
(1)エネルギーが付与された部分のみにSi−C結合膜が成膜される特性を巧みに利用し、光エネルギーと熱エネルギーとを使い分けることで、複雑な吐出流路構造のノズル孔51を有するノズルプレート60であっても、ノズル吐出面60Aに撥水膜Yを、そしてノズル内壁面60Bに親水膜Zを均一に成膜することができる。
(2)また、ノズル吐出面60Aとノズル内壁面60Bとの境界線で撥水膜Yと親水膜Zとが正確に区画される成膜が可能となる。
(3)更には、撥水膜Yも親水膜Zも水溶性や非水溶性のインクに対して高いインク耐性のSi−C結合膜でノズルプレート60に直接結合されているので、従来のインク耐性の低いSi−O結合膜に比べてインクに対する耐久性を顕著に向上することができる。これにより、インクジェットヘッド50のノズルプレート60として、吐出安定性、メンテナンス性を改善できる。
(4)また、Si−C結合膜は単分子膜状態でインク耐性の高い膜を形成できるので、均一成膜化を促進できると共に、膜の平滑性を高くできる。平滑性が高くなることで、ノズル吐出面60Aにインクが付着しづらくなり、インク液滴の吐出安定性が一層向上する。かつ、単分子膜の薄膜になることで、撥水膜原料や親水膜原料の使用量も低減でき、コスト削減につながる。Si−C結合による撥水膜や親水膜の厚みは、使用する原料によって異なるが、例えば原料が1−ヘキサデセンである場合の単分子膜状態の膜の厚みは、分光エリプソメトリー測定で約3nm以下になる。
10…インクジェット記録装置、12K,12C,12M,12Y…ヘッド、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、18…給紙部、20…デカール処理部、22…吸着ベルト搬送部、24…印字検出部、26…排紙部、28…カッター、30…加熱ドラム、31、32…ローラ、33…ベルト、34…吸着チャンバ、36…ベルト清掃部、40…加熱ファン、42…後乾燥部、44…加熱・加圧部、45…加圧ローラー、48…カッター、50…ヘッド、51…ノズル孔、52…圧力室、53…インク室ユニット、54…インク供給口、55…共通流路、56…振動板、57…個別電極、58…圧電素子、60…ノズルプレート、X…終端化部分、Y…Si−C撥水膜、Z…Si−C親水膜、W…親水化部分、S…Si−O結合親水膜

Claims (10)

  1. 液滴を吐出するためのノズル孔を有すると共にノズル吐出面が撥水性でノズル内壁面が親水性であるノズルプレートの製造方法において、
    前記ノズルプレートの少なくとも表面の一部がSi原子を含むシリコン系材料を用いて、前記ノズル吐出面と前記ノズル内壁面とを含むノズルプレート表面を水素終端化処理又はハロゲン終端化処理する終端化処理工程と、
    前記終端化処理工程後のノズルプレートの前記ノズル吐出面のみに第1のエネルギーを付与しながら、該ノズルプレートに、不飽和結合を末端に有すると共に撥水性官能基を有する撥水膜原料を接触させて前記ノズル吐出面にSi−C結合による撥水膜を選択的に形成する撥水膜形成工程と、
    前記撥水膜形成工程後の前記ノズルプレートに第2のエネルギーを付与しながら、該ノズルプレートに、不飽和結合を末端に有すると共に親水性官能基を有する親水膜原料を接触させて前記ノズル吐出面以外にSi−C結合による親水膜を形成する親水膜形成工程と、を含むことを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  2. 前記第1のエネルギーは紫外線又は可視光等の光エネルギーであると共に、前記第2のエネルギーは熱エネルギーであることを特徴とする請求項1のノズルプレートの製造方法。
  3. 液滴を吐出するためのノズル孔を有するノズルプレートであって、前記ノズル孔のノズル吐出面が撥水性でノズル内壁面が親水性であるノズルプレートの製造方法において、
    前記ノズルプレートの少なくとも表面の一部がSi原子を含むシリコン系材料を用いて、前記ノズル吐出面と前記ノズル内壁面とを含むノズルプレート表面を水素終端化処理又はハロゲン終端化処理する終端化処理工程と、
    前記終端化処理工程後に、前記ノズルプレート表面にエネルギーを付与しながら、該ノズルプレートに、不飽和結合を末端に有すると共に撥水性官能基を有する撥水膜原料を接触させて前記ノズルプレート表面にSi−C結合による撥水膜を形成する撥水膜形成工程と、
    前記ノズルプレート表面に形成された撥水膜のうち前記ノズル内壁面に形成された撥水膜を親水化処理する親水化処理工程と、を含むことを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  4. 前記エネルギーは紫外線、可視光、熱の何れかであることを特徴とする請求項3のノズルプレートの製造方法。
  5. 前記親水化処理工程は、紫外線照射処理、少なくとも酸素を含むガスによるプラズマ処理、オゾンガス処理の何れかであることを特徴とする請求項3又は4に記載のノズルプレートの製造方法。
  6. 前記親水化処理されたノズル内壁面に、シロキサン結合の親水膜を形成するシロキサン結合親水膜形成工程を備えたことを特徴とする請求項3〜5の何れか1に記載のノズルプレートの製造方法。
  7. 前記終端化処理工程において、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含む溶液に、前記ノズルプレートを浸漬する水素終端化処理を行うことを特徴とする請求項1〜6の何れか1に記載のノズルプレートの製造方法。
  8. 前記終端化処理工程において、水素ガスを含むプラズマで前記ノズルプレートをプラズマ処理する水素終端化処理を行うことを特徴とする請求項1〜6の何れか1に記載のノズルプレートの製造方法。
  9. 前記水素終端化処理の前に、前記ノズルプレート表面の不純物を除去する洗浄工程を備えたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1に記載のノズルプレートの製造方法。
  10. 前記撥水膜原料には少なくともフッ素原子を含むと共に、親水膜原料には少なくともアミノ基を含むことを特徴とする請求項1〜9の何れか1に記載のノズルプレートの製造方法。
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