JP7088188B2 - インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法に関する。
従来、ノズルからインクを吐出させて画像などを形成するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置のインクジェットヘッドは、複数のノズル穴があけられ、射出面側に撥液膜が形成されたノズル基板を有する。
上記ノズル基板として、ノズル穴の内壁及び複数層の耐インク保護膜を形成したノズル基板が知られている(特許文献1参照)。このノズル基板は、第1に被膜性の高いシリコン酸化膜を形成し、次いで、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相蒸着)法で内壁、射出面(表面)及び流路側の面(裏面)に耐インク性を有する金属酸化物の保護膜を形成し、その後射出面側に撥水膜(撥液膜)を形成する構造となっている。この構造は、インクがノズル基板に接液している状態に対する耐久性向上を主眼に置いたものである。
また、流路側の面にシリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を形成し、当該シリコン酸化膜を研削屑とともに除去したノズル基板が知られている(特許文献2参照)。
特開2009-184176号公報 特開2008-284825号公報
一方で、ノズル基板の射出面側に形成される撥液膜に求められる特性として、耐摩耗性が挙げられるが、特許文献1のノズル基板のように、金属酸化物又はシリコン酸化膜ではメンテナンス時の拭き取りにより摩耗して撥液性が低下しやすい。特に色材を含むインクで射出面が濡れた状態でふき取りを行うと撥液性の低下と同時に、撥液膜下地層の金属酸化物又はシリコン酸化膜が膜減りする。
また、特許文献2のノズル基板でも、射出面側に保護膜がなく、摩耗により撥液性が低下する。
本発明の課題は、ノズル基板の射出面側の撥液性の低下を防ぐことである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のインクジェットヘッドは、
インクを射出するノズルが形成された基板部と、
前記基板部の射出面側に形成され、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層と、
前記撥液膜下地層の射出面側に形成された撥液膜と、を有するノズル基板を備え
前記撥液膜下地層は、前記基板部側のシリコン窒化膜と前記射出面側のシリコン酸窒化膜とを有する
請求項2に記載の発明のインクジェットヘッドは、
インクを射出するノズルが形成された基板部と、
前記基板部の射出面側に形成され、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層と、
前記撥液膜下地層の射出面側に形成された撥液膜と、を有するノズル基板を備え、
前記撥液膜下地層は、前記基板部側のシリコン酸化膜と前記射出面側のシリコン酸窒化膜とを有する。
請求項3に記載の発明のインクジェットヘッドは、
インクを射出するノズルが形成された基板部と、
前記基板部の射出面側に形成され、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層と、
前記撥液膜下地層の射出面側に形成された撥液膜と、を有するノズル基板を備え、
前記撥液膜下地層は、前記基板部側のシリコン酸化膜と前記射出面側のシリコン酸窒化膜との間の窒素及び酸素の濃度勾配が調整されている。
請求項に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インクは、顔料分子を含む。
請求項に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インクは、アルカリ性である。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記撥液膜下地層は、前記基板部の射出面側及び前記ノズルの流路内に形成されている。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記基板部の前記ノズルの流路内に形成された流路保護膜を有する。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記基板部は、ケイ素、金属材料又は樹脂材料からなる。
請求項に記載の発明のインクジェット記録装置は、
請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドと、
前記撥液膜の射出面側のインクを拭き取るクリーニング部と、を備える。
請求項10に記載の発明のインクジェットヘッドの製造方法は、
インクを射出するノズルを有する基板部を生成する基板部生成工程と、
前記基板部の射出面側に、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層を形成する撥液膜下地層形成工程と、
前記撥液膜下地層の射出面側に、撥液膜を形成してノズル基板を生成する撥液膜形成工程と、
前記ノズル基板を備えるインクジェットヘッドを生成するインクジェットヘッド生成工程と、を含み、
前記撥液膜下地層形成工程において、前記基板部の射出面側に、シリコン窒化膜を形成し、当該シリコン窒化膜の表面に追酸化処理を行い前記撥液膜下地層を形成する
請求項11に記載の発明インクジェットヘッドの製造方法
インクを射出するノズルを有する基板部を生成する基板部生成工程と、
前記基板部の射出面側に、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層を形成する撥液膜下地層形成工程と、
前記撥液膜下地層の射出面側に、撥液膜を形成してノズル基板を生成する撥液膜形成工程と、
前記ノズル基板を備えるインクジェットヘッドを生成するインクジェットヘッド生成工程と、を含み、
前記撥液膜下地層形成工程において、前記基板部の射出面側に、シリコン酸化膜を形成し、当該シリコン酸化膜の表面に追窒化処理を行い前記撥液膜下地層を形成する。
請求項12に記載の発明インクジェットヘッドの製造方法
インクを射出するノズルを有する基板部を生成する基板部生成工程と、
前記基板部の射出面側に、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層を形成する撥液膜下地層形成工程と、
前記撥液膜下地層の射出面側に、撥液膜を形成してノズル基板を生成する撥液膜形成工程と、
前記ノズル基板を備えるインクジェットヘッドを生成するインクジェットヘッド生成工程と、を含み、
前記撥液膜下地層形成工程において、窒素及び酸素の濃度勾配を制御して前記基板部側のシリコン酸化膜から前記射出面側のシリコン酸窒化膜まで変化する前記撥液膜下地層を形成する。
請求項13に記載の発明は、請求項10から12のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記撥液膜下地層形成工程において、前記基板部の射出面側及び前記ノズルの流路内に、前記撥液膜下地層を形成する。
請求項14に記載の発明は、請求項10から13のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記ノズルの流路内に、流路保護膜を形成する流路保護膜形成工程を含む。
本発明によれば、ノズル基板の射出面側の撥液性の低下を防ぐことができる。
本発明の実施の形態のインクジェット記録装置の構成を正面から見た模式図である。 ヘッドユニットを画像形成ドラムの搬送面上方で記録媒体の搬送方向上流側から見た場合の概略構成図である。 ヘッドユニットを画像形成ドラムの搬送面側から見た底面図である。 画像形成ドラムを斜視した図である。 図1と同一の正面側から画像形成ドラムを透過して後ろ側を見た場合の図である。 インクジェットヘッドの断面形状を模式的に示す図である。 実施の形態の第1のノズル基板の模式的な断面図である。 第1のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。 ノズル穴加工がされた基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜下地層が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜保護層が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜除去処理が施された基板部を模式的に示す断面図である。 実施の形態の第1のノズル基板の膜深さ方向の座標に対するケイ素、酸素及び窒素の組成比を示す図である。 第2のノズル基板の模式的な断面図である。 第2のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。 ノズル穴加工がされた基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜下地層が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜保護層が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜除去処理が施された基板部を模式的に示す断面図である。 第3のノズル基板の模式的な断面図である。 第3のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。 ノズル穴加工がされた基板部を模式的に示す断面図である。 流路保護膜が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜下地層が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜保護層が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜除去処理が施された基板部を模式的に示す断面図である。 第4のノズル基板の模式的な断面図である。 第4のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。 ノズル穴加工がされた基板部を模式的に示す断面図である。 流路保護膜が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜下地層が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜保護層が形成された基板部を模式的に示す断面図である。 撥液膜除去処理が施された基板部を模式的に示す断面図である。 第5のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。 第4の変形例の第1のノズル基板の膜深さ方向の座標に対するケイ素、酸素及び窒素の組成比を示す図である。 第6のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。 第5の変形例の第1のノズル基板の膜深さ方向の座標に対するケイ素、酸素及び窒素の組成比を示す図である。 第7のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。 第6の変形例の第1のノズル基板の膜深さ方向の座標に対するケイ素、酸素及び窒素の組成比を示す図である。 第8のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。 第7の変形例の第1のノズル基板の膜深さ方向の座標に対するケイ素、酸素及び窒素の組成比を示す図である。
添付図面を参照して本発明に係る実施の形態及び第1~第7の変形例を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態)
図1~図8を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1~図3Bを参照して、本実施の形態のインクジェット記録装置1の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態のインクジェット記録装置1の構成を正面から見た模式図である。
インクジェット記録装置1は、媒体供給部10、画像形成部20、媒体排出部30、制御部(図示略)などを備えている。インクジェット記録装置1では、制御部による制御動作に基づいて、媒体供給部10に格納された記録媒体Rが画像形成部20に搬送され、画像が形成された後に媒体排出部30に排出される。
媒体供給部10は、媒体供給トレー11、搬送部12などを有する。媒体供給トレー11は、記録媒体Rを一又は複数載置可能に設けられた板状部材である。媒体供給トレー11は、載置された記録媒体Rの量に応じて上下動し、記録媒体Rのうち一番上のものが搬送部12による搬送開始位置に保持される。記録媒体Rとしては、種々の厚さの印刷用紙、セル、フィルムや布帛など、画像形成ドラム21の外周面上に湾曲して担持され得る種々のものが用いられる。
搬送部12は、複数(例えば、2本)のローラー121、122と、内側面でローラー121、122により支持された輪状のベルト123と、媒体供給トレー11上に載置された記録媒体Rのうち一番上のものをベルト123に受け渡す供給部(図示略)と、を有する。搬送部12は、ローラー121、122の回転によるベルト123の周回移動に従って供給部によりベルト123上に受け渡された記録媒体Rを搬送して画像形成部20へ送る。
画像形成部20は、画像形成ドラム21、受け渡しユニット22、温度計測部23、ヘッドユニット24、加熱部25、デリバリー部26、クリーニング部27(図3A、図3B参照)などを備える。
画像形成ドラム21は、円筒状の外周形状を有し、当該外周面(搬送面)上に記録媒体Rを担持して、その回転動作に応じた搬送経路で記録媒体Rを搬送する。この画像形成ドラム21の内面側には、ヒーターが設けられ、搬送面上に載置された記録媒体Rが所定の設定温度になるように搬送面を加熱し得る。
受け渡しユニット22は、搬送部12から受け渡された記録媒体Rを画像形成ドラム21に受け渡す。受け渡しユニット22は、媒体供給部10の搬送部12と画像形成ドラム21との間の位置に設けられている。受け渡しユニット22は、搬送部12により送られてきた記録媒体Rの一端を把持する爪部221、爪部221に把持された記録媒体Rを誘導する円筒状の受け渡しドラム222などを有する。爪部221により搬送部12から取得された記録媒体Rは、受け渡しドラム222に送られると回転する受け渡しドラム222の外周面に沿って移動し、そのまま画像形成ドラム21の外周面に誘導されて受け渡される。
温度計測部23は、記録媒体Rが画像形成ドラム21の搬送面上に載置されてから最初のヘッドユニット24のインク射出面(吐出面)と対向する位置に搬送されるまでの間の位置に設けられて、搬送される記録媒体Rの表面温度(搬送面に接する面とは反対面の温度)を計測する。この温度計測部23の温度センサーとしては、例えば、放射温度計が用いられ、赤外線の強度分布を計測することで温度計測部23(放射温度計)と接しない記録媒体Rの表面温度を計測する。温度計測部23には、画像形成部20において記録媒体Rが搬送される経路に沿った方向(搬送方向)に直交する幅方向(図1の面に垂直な方向)に沿って複数点の温度が計測可能に複数のセンサーが配列されており、計測データは、予め設定された適切なタイミングで各々制御部に出力されて制御される。
ヘッドユニット24は、記録媒体Rが担持された画像形成ドラム21の回転に応じ、記録媒体Rと対向するインク射出面に設けられた複数のノズル開口部(ノズル穴)から記録媒体Rの各所にインクの液滴を射出(吐出)していくことで画像を形成する。本実施形態のインクジェット記録装置1では、ヘッドユニット24は、画像形成ドラム21の外周面から予め設定された距離だけ離隔されて、所定の間隔で4つ配置されている。4つのヘッドユニット24は、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)4色のインクをそれぞれ出力する。ここでは、記録媒体Rの搬送方向について上流側から順番にC、M、Y、Kの各色インクがそれぞれ射出される。インクとしては、任意のものが用いられ得るが、ここでは、通常の液体インクが用いられ、加熱部25の動作により水分が蒸発、乾燥されることでインクが記録媒体Rに定着する。ヘッドユニット24の各々は、ここでは、画像形成ドラム21の回転との組み合わせにより記録媒体R上の画像形成幅に亘って画像を形成可能なラインヘッドである。
加熱部25は、搬送される記録媒体Rの表面を加熱する。加熱部25は、例えば、電熱線などを有して通電に応じて発熱して空気を加熱し、また赤外線を照射することで記録媒体Rを加熱する。加熱部25は、画像形成ドラム21の外周面の近傍であって、画像形成ドラム21の回転により搬送される記録媒体R上にヘッドユニット24からインクの射出がなされた後、記録媒体Rが画像形成ドラム21からデリバリー部26に渡る前で記録媒体Rを加熱可能に配置されている。加熱部25の動作により、ヘッドユニット24のノズルから射出されたインクを乾燥させてインクを記録媒体Rに定着させる。
デリバリー部26は、インクが射出、定着された記録媒体Rを画像形成ドラム21から媒体排出部30に搬送する。デリバリー部26は、複数(例えば、2本)のローラー261、262、内側面でローラー261、262に支持された輪状のベルト263、円筒状の受け渡しローラー264などを有する。デリバリー部26は、受け渡しローラー264により画像形成ドラム21上の記録媒体Rをベルト263上に誘導し、受け渡された記録媒体Rをローラー261、262の回転に伴い周回移動するベルト263と共に移動させることで搬送して媒体排出部30に送り出す。
クリーニング部27は、ヘッドユニット24のインク射出面のクリーニング動作を行う。クリーニング部27は、画像形成ドラム21に対して幅方向について隣り合って配置されている。ヘッドユニット24が幅方向に移動されることで、ヘッドユニット24のインク射出面がクリーニング部27によるクリーニング位置にセットされる。
媒体排出部30は、画像形成部20から送り出された画像形成後の記録媒体Rをユーザーにより取り出されるまで格納する。媒体排出部30は、デリバリー部26により搬送された記録媒体Rが載置される板状の媒体排出トレー31などを有する。
図2A、図2Bは、ヘッドユニット24の構成を示す図である。図2Aは、ヘッドユニット24を画像形成ドラム21の搬送面上方で記録媒体Rの搬送方向上流側から見た場合の概略構成図である。図2Bは、ヘッドユニット24を画像形成ドラム21の搬送面側から見た底面図である。
ヘッドユニット24は、複数のインクジェットヘッド241を有する。ここでは、一つのヘッドユニット24に16個のインクジェットヘッド241が設けられているが、これに限られない。16個のインクジェットヘッド241は、それぞれ2個ずつ一組で8個のインクジェットモジュール242に含まれる。インクジェットモジュール242は、固定部材245によりここでは千鳥格子状に適切な相対位置で調整、固定されている。
固定部材245は、キャリッジ246により支持されて保持されている。キャリッジ246には、第1サブタンク243及び第2サブタンク244が併せて保持されており、これらの第1サブタンク243及び第2サブタンク244から各インクジェットヘッド241に対してインクが供給される。キャリッジ246は、4つのヘッドユニット24について、各々別個に画像形成ドラム21上で幅方向に移動可能とされている。
図2Bに示すように、インクジェットヘッド241は、それぞれ複数のノズル2411を有する。インクジェットヘッド241は、各々の底面(ノズル開口面241a)に設けられた複数のノズル2411の開口部(ノズル穴)からインク(液滴)を射出し、画像形成ドラム21の搬送面上に担持された記録媒体Rに対してインク液滴を着弾させる。ここでは、インクジェットヘッド241として、それぞれ搬送方向について2列に開口部が配列された二次元配列パターンを有するものが示されているが、これに限られない。適宜な一次元又は二次元配列パターンで開口部が配列されていて良い。これら開口部の配列範囲は、16個のインクジェットヘッド241全体で、幅方向について搬送面に担持される記録媒体Rの記録可能幅をカバーし、ヘッドユニット24を固定したままワンパス方式での画像形成が可能とされる。16個のインクジェットヘッド241のノズル開口面241aは、撥液膜(撥インク膜)43(図4参照)により被覆されている。
図3A、図3Bは、クリーニング部27の構成について説明する図である。図3Aは、画像形成ドラム21を斜視した図である。図3Bは、図1と同一の正面側から画像形成ドラム21を透過して後ろ側を見た場合の図である。
クリーニング部27は、画像形成に係るインク射出後やメンテナンス後にインクジェットヘッド241のノズル開口面241aに付着しているインクやその他の夾雑物(まとめて異物)を払拭、除去する。図3Aに示すように、クリーニング部27は、画像形成ドラム21に対して幅方向に配列され、ヘッドユニット24が当該幅方向に移動した場合にインク射出面がクリーニング可能なように配置されている。
図3Bに示すように、クリーニング部27は、払拭部材271、弾性部材272、巻き出しローラー273、巻き取りローラー274などを備える。これらの構成は、複数のヘッドユニット24に対して各々別個に設けられているが、クリーニング部27を搬送方向に移動可能として複数のヘッドユニット24に対して共通に設けられていてもよい。
払拭部材271は、長尺状の布状シート部材であって、その幅方向の長さ(幅)は、インク射出面(少なくとも複数のノズル開口面241aの全体)をカバー可能とされている。払拭部材271としては、インクの水分を吸収しやすくかつ少なくともインク射出面の材質よりも硬度が低いものであり、また、撥液膜を傷つけにくいものが好ましい。このような部材としては、例えば、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリウレタンなどが挙げられる。これらの部材は、織布又は不織布を形成し得る。特に、水分の吸収性の高いものであって当接時の押圧力が低くても液体が吸収されやすいものの方がより好ましい。あるいは、払拭部材271は、ブレード状の構造を有していてもよい。
弾性部材272は、払拭部材271を挟んでインク射出面と対向し、インク射出面と対向する面(押圧面)のサイズは、当該インク射出面全体をカバー可能に形成されている。弾性部材272は、インク射出面に対して略垂直に移動可能となっている。弾性部材272の材質としては、例えばスポンジ(発泡樹脂)やゴムなど、ノズル開口面241aに押し付けられてもノズルを破損させないものが用いられる。この弾性部材272をノズル開口面241a(インク射出面)に対して近づける方向に移動させることで、払拭部材271を全体としてノズル開口面241aに対して略平行な状態で当接させる。
払拭部材271をノズル開口面241aに当接させている場合の弾性部材272とインク射出面との相対位置(距離)は、ここでは固定され、これに応じて払拭部材271のインク射出面に対する押圧力は、ノズル開口面241aの表面の撥液膜の剥離の影響の範囲内で毎回一定とされる。このときの押圧力がインク射出面におけるインクの払拭に適切な大きさとなるように相対位置が定められる。あるいは、この押圧力は、可変とされても良く、この場合には、後述するように、ノズル開口面241aの表面形状と払拭部材271との関係に応じて最大値が定められる。
払拭部材271は、巻き取りローラー274により巻き取り動作が行われることで、巻き出しローラー273から巻き出されて巻き取りローラー274により巻き取られる。この間に、弾性部材272が払拭部材271をインク射出面に略均等に押し付けることで、当該インク射出面に当接した新たな(インクが付着していない)払拭部材271がノズル開口面241a(インク射出面)に付着したインクなどを払拭する。巻き出しローラー273から全ての払拭部材271が巻き出された場合には、払拭部材271は、容易に交換可能となっている。
次に、本実施形態のヘッドユニット24のインク射出面に設けられたノズル基板40Aについて詳しく説明する。図4は、インクジェットヘッド241の断面形状を模式的に示す図である。
各インクジェットヘッド241は、特には限られないが、図4に示すように、複数のプレート(基板)が積層されて形成されているベンドモード式のインクジェットヘッドとする。具体的には、各インクジェットヘッド241は、ノズル開口面241a(インク射出面、下方)側から上方へ順に、ノズル基板40A、圧力室基板50、振動板60、スペーサー基板70、配線基板80が積層されている。
第1サブタンク243及び第2サブタンク244から供給されたインクは、配線基板80、スペーサー基板70、振動板60に連通されたインク流路を介して圧力室基板50の圧力室51に流入される。圧力室51は、振動板60を介してスペーサー基板70の圧電素子部71に当接され、またノズル2411に導通されている。インクジェット記録装置1の制御部からの制御信号が配線基板80の配線を介して圧電素子部71に入力され、圧電素子部71が物理的に振動することにより、配線基板80などのインク流路から圧力室51内へのインクの流入と、圧力室51内からノズル基板40Aのノズル2411へのインクの流出と、がなされる。そして、ノズル2411内のインクが、ノズル開口面241a(射出面)側の開口部(ノズル穴)からインクの液滴として射出され、当該インクの液滴が記録媒体R上に着弾される。
なお、ノズル基板40Aと圧力室基板50との間に、圧力室51からノズル2411へ導通する流路を有する中間基板(中間層)を設ける構成としてもよい。
次いで、図5を参照して、ノズル基板40Aの構成を説明する。図5は、ノズル基板40Aの模式的な断面図である。図5のノズル基板40Aにおいて、図の下方を(インク)射出面側(ヘッド外部側)とし、同じく上方を流路側(ヘッド内部側、圧力室側)と表現し、他のノズル基板及びその製造工程の断面図でも同様とする。
図5に示すように、ノズル基板40Aは、基板部41と、撥液膜下地層42Aと、撥液膜43と、を有する。基板部41は、ケイ素(シリコン)製の基板部である。ノズル2411は、基板部41に形成されたインクのノズルであり、インクの流路と射出面側のノズル穴とを含む。撥液膜下地層42Aは、基板部41の射出面側に設けられ、撥液膜43の流路(基板部41)側の下地層である。本実施の形態では、撥液膜下地層42Aは、窒化ケイ素(シリコン窒化膜)SiNであるものとする。撥液膜43は、撥液膜下地層42Aの射出面側に設けられ、例えば、パーフルオロポリエーテル(PFPE)の表面にフッ素鎖が形成された構成を有し、撥液性(撥インク性)を有する。
撥液膜下地層42Aが、シリコン窒化膜からなるので、クリーニング部27のふき取りによる膜減りに対する耐久性と、撥液膜43との結合性(シロキサン結合が形成可能)と、を両立できている。この膜減りは、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)によるものだと推測される。
近年、テキスタイル分野にインクジェットプリントを用いることが進んでいる。旧来の捺染法と比較して、インクジェットプリントでは版を作る必要が無く、少数ロットの対応が可能であり、インク廃液の量も少ないというメリットがある。記録媒体Rとして、ポリエステルや合成繊維を用いる場合、分散染料インクや昇華性インクなどの水系インクが用いられるが、分散剤などの添加剤がアルカリ性を示す。顔料分子を含むインクでは、インクのpHによって顔料分子の分散が制御されている。アルカリ性環境では、撥液膜の加水分解が促進されるため、従来のシランカップリングにより形成した撥液膜は信頼性が低かった。また、捺染用インクそのものが中性や弱アルカリ性であっても、発色性改善のアルカリ性前処理剤を塗布した生地を用いることがあり、捺染用インクジェットプリンタでは、起毛処理などにより布地表面のアルカリ性前処理剤が後続のインクジェットヘッド表面の撥液性の信頼性に影響を与えることがある。
これに対し、シリコン窒化膜は、化学安定性が高い。このため、インクや前処理剤がアルカリ性の領域において、窒化ケイ素の撥液膜下地層42Aでは、ふきとりに対する膜減りの耐久性が高い。特にpH=9より大きいアルカリの領域において、従来技術のシリコン酸化膜の溶解が顕著になるが、シリコン窒化膜の撥液膜下地層42Aでは、SiOよりも格段に耐久性の向上が期待できる。特に、カーボンブラックなどの顔料分子を含むインクでは、顔料分子が一種の砂粒(研磨粒子)のような役割を有するので、撥液膜下地層42Aの耐久性の効果も高い。
次いで、図6~図8を参照して、本実施の形態のノズル基板40Aの製造方法を説明する。図6は、第1のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。図7Aは、ノズル穴加工がされた基板部41を模式的に示す断面図である。図7Bは、撥液膜下地層42Aが形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図7Cは、撥液膜43aが形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図7Dは、撥液膜保護層45が形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図7Eは、撥液膜除去処理が施された基板部41を模式的に示す断面図である。図8は、本実施の形態のノズル基板40Aの膜深さ方向の座標に対するケイ素、酸素及び窒素の組成比を示す図である。
図6を参照して、ノズル基板40Aを製造する第1のノズル基板製造処理を説明する。先ず、図7Aに示すように、製造者は、ベース部材となるシリコンの基板の流路側の表面に対し、インク流路を含むノズル2411が形成される位置に応じたマスクを用いてレジストパターンを設け、エッチングによりノズル穴及びノズル流路を加工してノズル2411を形成した基板部41を形成する(ステップS11)。ステップS11のエッチングの方法としては、例えば、深掘りの容易なボッシュ法による反応性イオンエッチング(RIE)が用いられる。あるいは、インク流路やノズルの形成には、レーザー穿孔やブラスト加工などが用いられ(併用され)てもよい。
そして、図7Bに示すように、製造者は、CVD、スパッタ法などにより、基板部41の射出面側に窒化ケイ素(シリコン窒化膜)の撥液膜下地層42Aを形成する(ステップS12)。ステップS12の後に、基板部41が洗浄され異物が除去されるのが好ましい。ここでは、基板部41がシリコンベースであるので、RCA洗浄が好適に用いられるが、基板部41の材質に応じて他の洗浄方法が用いられてもよい。
そして、図7Cに示すように、製造者は、ディップ処理などにより、基板部41の射出面側及びノズル2411の流路内に撥液膜43aを形成する(ステップS13)。ステップS13では、より詳細には、まず、基板部41の表面の濡れ性を向上させる処理が行われる。例えば、酸素ガス中でプラズマ処理を行うことで、SiO膜の表面にOH基を形成させることにより濡れ性を向上させる。そして、濡れ性が向上した基材2410に撥液剤が塗布される。ここでは、基板部41を撥液剤中に浸す(ディップコーティング)ことで、全面に撥液剤が塗布される。撥液剤としては、ここでは、例えば、所定のパーフルオロポリエーテル(PFPE)をフッ素系溶媒で希釈した液を用いる。この撥液剤には、更に、溶媒として水を含み、また、界面活性剤などが含有されていてもよい。塗布の方法としては、他に、CVD、スプレーコーティング、スピンコーティング、ワイヤーバーコーティング(シロキサングラフト型ポリマーが用いられる場合など)などを用いることができる。
そして、PFPEが付着した基板部41が適宜な条件(温度湿度)で静置され撥液膜43aが形成される。PFPEと基板部41(撥液膜下地層42Aの窒化ケイ素)との間には、上述のプラズマ処理とシランカップリング剤を用いた加水分解とに基づいて化学結合(シロキサン結合)が生じて、基板部41の表面にフッ素鎖の撥液膜43aが形成される。適宜な条件は、撥液剤の種別などに応じて定められ、常温又は必要に応じて高温状態(例えば、300~400℃)とされて、熱処理が行われる。そして、基板部41の表面全体に撥液膜43aが形成された後、撥液膜43aが形成された基板部41のフッ素系溶媒(ハイドロフルオロエーテルなど)による洗浄(リンス)が行われる。このとき、超音波洗浄を行うことで、化学結合を生じていない残りのPFPEが除去される。超音波の周波数としては、MHz帯が好ましく用いられる。これにより、基板部41の表面に化学結合により形成された撥液膜43aは、基板部41の形状に沿って形成される単分子膜となる。
そして、図7Dに示すように、製造者は、基板部41の射出面側に、マスキングテープやレジストなどの撥液膜保護層45を形成する(ステップS14)。そして、図7Eに示すように、製造者は、酸素プラズマ処理などにより、撥液膜保護層45が形成されていない基板部41の流路内の撥液膜43aを除去し、撥液膜43を残す(ステップS15)。そして、製造者は、撥液膜保護層45を除去して、ノズル基板40Aを形成し(ステップS16)、第1のノズル基板製造処理を終了する。
そして、製造者により第1のノズル基板製造処理により形成されたノズル基板40Aが、圧力室基板50(又は中間基板)に接着されて、ノズル基板40A、圧力室基板50、振動板60、スペーサー基板70、配線基板80が積層された基板が生成され、また、当該基板に駆動回路及びインクの供給路などが接続されて、インクジェットヘッド241が生成され、インクジェット記録装置1の一部として利用される。
図8に、形成されたノズル基板40Aの膜深さ方向(射出面側→流路側)の座標に応じたケイ素Si、酸素O、窒素Nの組成比[%]を示す。なお、撥液膜43については省略されている。撥液膜下地層42Aは、窒化ケイ素SiNで構成されている。基板部41は、ケイ素Siで構成されている。
以上、本実施の形態によれば、インクジェットヘッド241は、インクを射出するノズル2411が形成された基板部41と、基板部41の射出面側に形成され、少なくとも表面にシリコン窒化膜を有する撥液膜下地層42Aと、撥液膜下地層42Aの射出面側に形成された撥液膜43と、を有するノズル基板40Aを備える。撥液膜下地層42Aは、シリコン窒化膜からなる。また、基板部41は、ケイ素からなる。このため、撥液膜下地層42Aにより、インク拭き取り時の撥液膜43の膜減りを防ぐので、ノズル基板40Aの射出面側の撥液性の低下を防ぐことができる。
また、インクは、カーボンブラックなどの顔料分子を含む。このため、顔料分子が研磨粒子のように振る舞うインク拭き取り時の大きな化学機械研磨の効果を抑制でき、ノズル基板40Aの射出面側の撥液性の低下をより防ぐことができる。
また、インクは、アルカリ性である。特に、インクのpH>9の場合の領域では、シリコン酸化膜SiOが溶解する。このため、従来のシリコン酸化膜SiOを撥液膜下地層に用いる構成に比べて、撥液膜下地層42Aの表面のシリコン窒化膜が溶解することなく、ノズル基板40Aの射出面側の撥液性の低下をより防ぐことができる。
また、撥液膜43は、シロキサン結合により撥液膜下地層42Aに担持されている。このため、撥液膜43と撥液膜下地層42Aの結合を強くし、ノズル基板40Aの射出面側の撥液性の低下をより防ぐことができる。
また、インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド241と、撥液膜43の射出面側のインクを拭き取るクリーニング部27と、を備える。このため、クリーニング部27のインク拭き取りによる化学機械研磨の効果を抑制でき、ノズル基板40Aの射出面側の撥液性の低下を防ぐインクジェット記録装置1を実現できる。
また、インクジェットヘッド241の製造において、インクを射出するノズル2411を有する基板部41を生成し、基板部41の射出面側に、少なくとも表面にシリコン窒化膜を有する撥液膜下地層42Aを形成し、撥液膜下地層42Aの射出面側に、撥液膜43を形成してノズル基板40Aを生成し、ノズル基板40Aを備えるインクジェットヘッド241を生成する。このため、撥液膜下地層42Aにより、インク拭き取り時の撥液膜43の膜減りを防ぐので、ノズル基板40Aの射出面側の撥液性の低下を防ぐことができる。
また、基板部41の射出面側に、シリコン窒化膜の撥液膜下地層42Aを形成する。このため、追加処理などを行うことなく、容易に撥液膜下地層を形成できる。
また、基板部41は、シリコン(ケイ素)からなる。このため、ノズル2411の加工に半導体プロセスを用いることができる。この半導体プロセスを用いることで、高精度なノズル2411の加工が可能となり、射出角バラツキが非常に少なく、良好な描画品質を有するインクジェットヘッド241を作製することができる。
(第1の変形例)
図9~図11Eを参照して、上記実施の形態の第1の変形例を説明する。本変形例の装置構成は、上記実施の形態のインクジェット記録装置1と同様であるが、ノズル基板40Aをノズル基板40Bに代えた構成とする。このため、上記実施の形態と同様の部分については説明を省略し、主として異なる部分を説明する。
図9を参照して、ノズル基板40Bの構成を説明する。図9は、ノズル基板40Bの模式的な断面図である。図9に示すように、ノズル基板40Bは、基板部41と、撥液膜下地層42Bと、撥液膜43と、を有する。撥液膜下地層42Bは、基板部41の射出面側及びノズル2411の流路内に設けられ、一部が撥液膜43の基板部41側の下地層となる層である。本変形例では、撥液膜下地層42Bは、窒化ケイ素SiNからなるシリコン窒化膜であるものとする。
次いで、図10~図11Eを参照して、ノズル基板40Bの製造方法を説明する。図10は、第2のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。図11Aは、ノズル穴加工がされた基板部41を模式的に示す断面図である。図11Bは、撥液膜下地層42Bが形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図11Cは、撥液膜43aが形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図11Dは、撥液膜保護層45が形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図11Eは、撥液膜除去処理が施された基板部41を模式的に示す断面図である。
図10を参照して、ノズル基板40Bを製造する第2のノズル基板製造処理を説明する。先ず、図11Aに対応するステップS21は、図6の第1のノズル基板製造処理のステップS11と同様である。そして、図11Bに示すように、図6のステップS12と同様に、製造者は、CVD、スパッタ法などにより、基板部41の射出面側及びノズル2411の流路内に窒化ケイ素(シリコン窒化膜)の撥液膜下地層42Bを形成する(ステップS22)。そして、図11C、図11D、図11Eにそれぞれ対応するステップS23~S25とステップS26とは、図6のステップS13~S16と同様である。
以上、本変形例によれば、撥液膜下地層42Bは、基板部41の射出面側及びノズル2411の流路内に形成されている。また、インクジェットヘッド241の製造において、基板部41の射出面側及びノズル2411の流路内に、撥液膜下地層42Bを形成する。このため、基板部41の射出面側のみに撥液膜下地層42Aを形成する構成に比べて、撥液膜下地層42Bを容易に形成できる。また、撥液膜下地層42Bによりノズル2411の流路内のインクによる基板部41の劣化を防ぐことができる。
(第2の変形例)
図12~図14Fを参照して、上記実施の形態の第2の変形例を説明する。本変形例の装置構成は、上記実施の形態のインクジェット記録装置1と同様であるが、ノズル基板40Aをノズル基板40Cに代えた構成とする。このため、上記実施の形態と同様の部分については説明を省略し、主として異なる部分を説明する。
図12を参照して、ノズル基板40Cの構成を説明する。図12は、ノズル基板40Cの模式的な断面図である。図12に示すように、ノズル基板40Cは、基板部41と、流路保護膜44と、撥液膜下地層42Aと、撥液膜43と、を有する。流路保護膜44は、基板部41の射出面側及びノズル2411の流路内に設けられ、一部が撥液膜下地層42Aの基板部41側の下地層となる膜である。流路保護膜44は、耐インク性を有する保護膜である。流路保護膜44の材料は、チタン、ジルコニウム、クロム、ハフニウム、ニッケル、タンタル、シリコンなどの酸化物などとする。当該酸化物の構成としては、これらのうち1つの元素のみを含む場合と、耐久性および流路内濡れ性改善を目的として2つ以上の材料を含んでもよい。一例としては、ハフニア及びシリコンを含んだハフニウムシリケートや、タンタル及びシリコンを含んだタンタルシリケートがある。
次いで、図13~図14Fを参照して、ノズル基板40Cの製造方法を説明する。図13は、第3のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。図14Aは、ノズル穴加工がされた基板部41を模式的に示す断面図である。図14Bは、流路保護膜44が形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図14Cは、撥液膜下地層42Aが形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図14Dは、撥液膜43aが形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図14Eは、撥液膜保護層45が形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図14Fは、撥液膜除去処理が施された基板部41を模式的に示す断面図である。
図13を参照して、ノズル基板40Cを製造する第3のノズル基板製造処理を説明する。先ず、図14Aに対応するステップS31は、図6の第1のノズル基板製造処理のステップS11と同様である。そして、図14Bに示すように、製造者は、CVD、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)などにより、基板部41の射出面側及びノズル2411の流路内に流路保護膜44を形成する(ステップS32)。そして、図14C、図14D、図14E、図14Fにそれぞれ対応するステップS33~S36とステップS37とは、図6のステップS12~S16と同様である。
以上、本変形例によれば、インクジェットヘッド241は、基板部41の射出面側及び基板部41のノズル2411の流路内に形成された流路保護膜44を有する。また、インクジェットヘッド241の製造において、基板部41の射出面側及びノズル2411の流路内に、流路保護膜44を形成する。このため、流路保護膜44によりノズル2411の流路内のインクによる基板部41の劣化を防ぐことができる。
(第3の変形例)
図15~図17Fを参照して、上記実施の形態の第3の変形例を説明する。本変形例の装置構成は、上記実施の形態のインクジェット記録装置1と同様であるが、ノズル基板40Aをノズル基板40Dに代えた構成とする。このため、上記実施の形態と同様の部分については説明を省略し、主として異なる部分を説明する。
図15を参照して、ノズル基板40Dの構成を説明する。図15は、ノズル基板40Dの模式的な断面図である。図15に示すように、ノズル基板40Dは、基板部41と、流路保護膜44と、撥液膜下地層42Bと、撥液膜43と、を有する。
次いで、図16~図17Fを参照して、ノズル基板40Dの製造方法を説明する。図16は、第4のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。図17Aは、ノズル穴加工がされた基板部41を模式的に示す断面図である。図17Bは、流路保護膜44が形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図17Cは、撥液膜下地層42Bが形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図17Dは、撥液膜43aが形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図17Eは、撥液膜保護層45が形成された基板部41を模式的に示す断面図である。図17Fは、撥液膜除去処理が施された基板部41を模式的に示す断面図である。
図16を参照して、ノズル基板40Dを製造する第4のノズル基板製造処理を説明する。先ず、図17Aに対応するステップS41は、図6の第1のノズル基板製造処理のステップS11と同様である。そして、図17Bに対応するステップS42は、図13の第3のノズル基板製造処理のステップS32と同様である。そして、図17C、図17D、図17E、図17Fにそれぞれ対応するステップS43~S46とステップS47とは、図10のステップS22~S26と同様である。
以上、本変形例によれば、ノズル基板40Dにより、第1の変形例及び第2の変形例と同様の効果が得られる。
(第4の変形例)
図18及び図19を参照して、上記実施の形態の第4の変形例を説明する。本変形例の装置構成は、上記実施の形態のインクジェット記録装置1と同様であるが、ノズル基板40Aの窒化ケイ素(シリコン窒化膜)SiNの撥液膜下地層42Aを、窒化酸シリコン(シリコン酸窒化膜)SiONの撥液膜下地層42Aに代えた構成とする。このため、上記実施の形態と同様の部分については説明を省略し、主として異なる部分を説明する。
図18及び図19を参照して、本変形例のノズル基板40Aの製造方法を説明する。図18は、第5のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。図19は、本変形例のノズル基板40Aの膜深さ方向の座標に対するケイ素、酸素及び窒素の組成比を示す図である。
図18を参照して、本変形例のノズル基板40Aを製造する第5のノズル基板製造処理を説明する。先ず、ステップS51は、図6の第1のノズル基板製造処理のステップS11と同様である。そして、図7Bに示すように、製造者は、CVD、スパッタ法などにより、基板部41の射出面側に窒化酸シリコン(シリコン酸窒化膜)SiONの撥液膜下地層42Aを形成する(ステップS52)。ステップS52では、例えば、CVDにおいて、窒化ケイ素の材料となるガスに酸素Oが添加され、撥液膜下地層42Aが製膜される。ステップS53~S56は、図6のステップS13~S16と同様である。
撥液膜下地層42Aをシリコン酸窒化膜にすることで化学機械研磨耐久性に対する耐久性を維持しつつ、かつシリコン窒化膜よりも表面のシロキサン結合サイトを増加させることで、表面の撥液膜43をより高密度に形成できる効果がある。さらに、シリコン窒化膜は膜応力が大きいためシリコンチップとしての基板部41(ノズル基板40A)の反りが大きくなるが、撥液膜下地層42Aをシリコン酸窒化膜とすることで応力が緩和されて反りも抑制される。
図19に、形成されたノズル基板40Aの膜深さ方向(射出面側→流路側)の座標に応じたケイ素Si、酸素O、窒素Nの組成比[%]を示す。なお、撥液膜43については省略されている。撥液膜下地層42Aは、シリコン酸窒化膜SiONで構成されている。基板部41は、シリコンSiで構成されている。
以上、本変形例によれば、撥液膜下地層42Aは、シリコン酸窒化膜からなる。また、インクジェットヘッド241の製造において、基板部41の射出面側に、シリコン酸窒化膜の撥液膜下地層42Aを形成する。このため、撥液膜下地層42Aにより、インク拭き取り時の撥液膜43の膜減りを防ぐので、ノズル基板40Aの射出面側の撥液性の低下を防ぐことができ、また表面の撥液膜43の密着性向上及び高密度形成を実現できるとともに、窒化酸シリコン(シリコン酸窒化膜)SiONとすることで応力が緩和されてノズル基板40Aの反りも抑制できる。さらに、追加処理を行うことなく、撥液膜下地層42Aを容易に形成できる。
(第5の変形例)
図20及び図21を参照して、上記実施の形態の第5の変形例を説明する。本変形例の装置構成は、上記実施の形態のインクジェット記録装置1と同様であるが、ノズル基板40Aの窒化ケイ素(シリコン窒化膜)SiNの撥液膜下地層42Aを、表面が窒化酸シリコン(シリコン酸窒化膜)SiONであるシリコン窒化膜の撥液膜下地層42Aに代えた構成とする。このため、上記実施の形態と同様の部分については説明を省略し、主として異なる部分を説明する。
図20及び図21を参照して、本変形例のノズル基板40Aの製造方法を説明する。図20は、第6のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。図21は、本変形例のノズル基板40Aの膜深さ方向の座標に対するケイ素、酸素及び窒素の組成比を示す図である。
図20を参照して、本変形例のノズル基板40Aを製造する第6のノズル基板製造処理を説明する。先ず、ステップS61は、図6の第1のノズル基板製造処理のステップS11と同様である。そして、製造者は、CVD、スパッタ法などにより、基板部41の射出面側に窒化ケイ素(シリコン窒化膜)SiNの撥液膜下地層42Aを形成する(ステップS62)。
そして、製造者は、酸素プラズマ処理などにより、ステップS62で形成されたシリコン窒化膜の撥液膜下地層42Aに追酸化処理を行い、表面を窒化酸シリコン(シリコン酸窒化膜)SiONとしたシリコン窒化膜の撥液膜下地層42Aを形成する(ステップS63)。ステップS64~S67は、図6のステップS13~S16と同様である。
化学機械研磨耐性を上げるためのシリコン酸窒化膜は少なくとも表層付近に形成されていればよい。このため、本変形例では、シリコン酸窒化膜形成後に、酸素プラズマなどで追加酸化することによって撥液膜下地層42Aを形成している。
図21に、形成されたノズル基板40Aの膜深さ方向(射出面側→流路側)の座標に応じたケイ素Si、酸素O、窒素Nの組成比[%]を示す。なお、撥液膜43については省略されている。撥液膜下地層42Aは、表面がシリコン酸窒化膜SiONで構成され、表面以外がシリコン窒化膜SiNで構成されている。基板部41は、シリコンSiで構成されている。
以上、本変形例によれば、撥液膜下地層42Aは、基板部41側のシリコン窒化膜と射出面側のシリコン酸窒化膜とを有する。また、インクジェットヘッド241の製造において、基板部41の射出面側に、シリコン窒化膜を形成し、当該シリコン窒化膜の表面に追酸化処理を行い撥液膜下地層42Aを形成する。このため、撥液膜下地層42Aにより、インク拭き取り時の撥液膜43の膜減りを防ぐので、ノズル基板40Aの射出面側の撥液性の低下を防ぐことができ、撥液膜下地層42Aのシリコン酸窒化膜により、表面の撥液膜43の密着性向上及び高密度形成をできるとともに、応力が緩和されてノズル基板40Aの反りも抑制できる。
(第6の変形例)
図22及び図23を参照して、上記実施の形態の第6の変形例を説明する。本変形例の装置構成は、上記実施の形態のインクジェット記録装置1と同様であるが、ノズル基板40Aの窒化ケイ素SiNの撥液膜下地層42Aを、表面が窒化酸シリコン(シリコン酸窒化膜)SiONである二酸化ケイ素(シリコン酸化膜)SiOの撥液膜下地層42Aに代えた構成とする。このため、上記実施の形態と同様の部分については説明を省略し、主として異なる部分を説明する。
図22及び図23を参照して、本変形例のノズル基板40Aの製造方法を説明する。図22は、第7のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。図23は、本変形例のノズル基板40Aの膜深さ方向の座標に対するケイ素、酸素及び窒素の組成比を示す図である。
図22を参照して、本変形例のノズル基板40Aを製造する第7のノズル基板製造処理を説明する。先ず、ステップS71は、図6の第1のノズル基板製造処理のステップS11と同様である。そして、製造者は、CVD、スパッタ法、熱酸化処理などにより、基板部41の射出面側に二酸化ケイ素(シリコン酸化膜)SiOの撥液膜下地層42Aを形成する(ステップS73)。
そして、製造者は、プラズマ窒化、ガス窒化などにより、ステップS62で形成されたシリコン酸化膜の撥液膜下地層42Aに追窒化処理を行い、表面が窒化酸シリコン(シリコン酸窒化膜)となったシリコン酸化膜の撥液膜下地層42Aを形成する(ステップS73)。プラズマ窒化は、窒素N+酸素O又はアンモニアNHを真空中でプラズマ状態として対象物の表面を窒化する方法である。ガス窒化は、アンモニアNHをチャンバー中に投入して加熱処理することで対象物の表面を窒化する方法である。ステップS74~S77は、図6のステップS13~S16と同様である。
化学機械研磨耐性を上げるためのシリコン酸窒化膜は少なくとも表層付近に形成されていればよい。このため、本変形例では、シリコン酸化膜形成後に追加で窒化処理を行って表面をSiON化している。撥液膜下地層42Aをシリコン酸化膜ベースとすることで、膜応力の緩和によるシリコンの基板部41の反り抑制と、シリコン窒化膜の撥液膜下地層42Aよりも基板部41との密着性向上と、の効果が得られる。
図23に、形成されたノズル基板40Aの膜深さ方向(射出面側→流路側)の座標に応じたケイ素Si、酸素O、窒素Nの組成比[%]を示す。なお、撥液膜43については省略されている。撥液膜下地層42Aは、表面がシリコン酸窒化膜SiONで構成され、表面以外がシリコン酸化膜SiOで構成されている。基板部41は、シリコンSiで構成されている。
以上、本変形例によれば、撥液膜下地層42Aは、基板部41側のシリコン酸化膜と射出面側のシリコン酸窒化膜とを有する。また、インクジェットヘッド241の製造において、基板部41の射出面側に、シリコン酸化膜を形成し、当該シリコン酸化膜の表面に追窒化処理を行い撥液膜下地層42Aを形成する。このため、撥液膜下地層42Aのシリコン酸窒化膜により、インク拭き取り時の撥液膜43の膜減りを防ぐので、ノズル基板40Aの射出面側の撥液性の低下を防ぐことができ、また表面の撥液膜43の密着性向上及び高密度形成を実現できるとともに、応力が緩和されてノズル基板40Aの反りも抑制でき、撥液膜下地層42Aのシリコン酸化膜により、基板部41との密着性を向上できる。
(第7の変形例)
図24及び図25を参照して、上記実施の形態の第7の変形例を説明する。本変形例の装置構成は、上記実施の形態のインクジェット記録装置1と同様であるが、ノズル基板40Aの窒化ケイ素(シリコン窒化膜)SiNの撥液膜下地層42Aを、表面が窒化酸シリコン(シリコン酸窒化膜)SiONであり基板部41側に徐々に二酸化ケイ素(シリコン酸化膜)SiOとなる撥液膜下地層42Aに代えた構成とする。このため、上記実施の形態と同様の部分については説明を省略し、主として異なる部分を説明する。
図24及び図25を参照して、本変形例のノズル基板40Aの製造方法を説明する。図24は、第8のノズル基板製造処理を示すフローチャートである。図25は、本変形例のノズル基板40Aの膜深さ方向の座標に対するケイ素、酸素及び窒素の組成比を示す図である。
図24を参照して、本変形例のノズル基板40Aを製造する第8のノズル基板製造処理を説明する。先ず、ステップS81は、図6の第1のノズル基板製造処理のステップS11と同様である。そして、製造者は、CVD、スパッタ法、熱酸化処理などにより、基板部41の射出面側にシリコン酸化膜中の窒素及び酸素の濃度勾配を調整した撥液膜下地層42Aを形成する(ステップS83)。ステップS83では、例えば、シリコン酸化膜生成用のガスを用いて、CVDによりシリコン酸化膜の撥液膜下地層が形成開始され、当該シリコン酸化膜生成用のガス中の、窒素ソースガス(窒素又はアンモニア)及び酸素ソースガスの濃度を制御し、時間経過とともに窒素濃度を高め、酸素濃度を低くして撥液膜下地層42Aを成膜していく。すると、ステップS83で形成された撥液膜下地層42Aは、表面がシリコン酸窒化膜として機能し、基板部41側がシリコン酸化膜として機能する。ステップS83~S86は、図6のステップS13~S16と同様である。
図25に、形成されたノズル基板40Aの膜深さ方向(射出面側→流路側)の座標に応じたケイ素Si、酸素O、窒素Nの組成比[%]を示す。なお、撥液膜43については省略されている。撥液膜下地層42Aは、膜深さ方向に沿って、表面がシリコン酸窒化膜SiONで構成され、表面以外が基板部41側にシリコン酸化膜に変化するように構成されている。基板部41は、シリコンSiで構成されている。
このように、成膜プロセスにおいて窒素ソースガス及び酸素ソースガスの添加量(比率)を制御して、表面(撥液膜43形成表面)の窒素濃度を高く、膜中に行くにつれて低い組成とすることで、追加処理すること無く応力の低いシリコン酸窒化膜を形成することが可能となる。
以上、本変形例によれば、撥液膜下地層42Aは、基板部41側のシリコン酸化膜と射出面側のシリコン酸窒化膜との間の窒素及び酸素の濃度勾配が調整されている。インクジェットヘッドの製造において、窒素及び酸素の濃度勾配を制御して基板部41側のシリコン酸化膜から射出面側のシリコン酸窒化膜まで変化する撥液膜下地層42Aを形成する。このため、撥液膜下地層42Aのシリコン酸窒化膜により、インク拭き取り時の撥液膜43の膜減りを防ぐので、ノズル基板40Aの射出面側の撥液性の低下を防ぐことができ、また表面の撥液膜43の密着性向上及び高密度形成を実現できるとともに、応力が緩和されてノズル基板40Aの反りも抑制でき、基板部41側のシリコン酸化膜により、基板部41との密着性を向上できる。さらに、追加処理を行うことなく、撥液膜下地層42Aを容易に形成できる。
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る好適なインクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態及び変形例の少なくとも2つを適宜組み合わせる構成としてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例においては、基板部41の材料が、ケイ素であるとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、基板部41の材料を、SUS(Steel Use Stainless)、ニッケルなどの金属材料や、ポリイミドなどの樹脂材料としてもよい。基板部41を樹脂材料としてのポリイミドにすることにより、耐熱性を高めることができ、撥液膜下地層形成後又は撥液膜形成後にアニール処理を高温で行うことができる。あるいは、基板部41を樹脂材料としてのPPS(Poly Phenylene Sulfide:ポリフェニレンサルファイド)にすることにより、寸法安定性を高めることができ、ノズル長バラツキを低減できる。また、基板部41を金属材料としてのSUSにすることにより、SUSフィルムへのポンチ加工、レーザー加工、あるいは電鋳により、ノズル2411を容易に形成できる。
また、上記実施の形態及び変形例においては、複数の基板を積層したベンドモードのインクジェットヘッドのノズル基板を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態及び変形例のノズル基板を、圧電素子の分極方向に直交する方向に電界を加えることにより屈曲変形を与え、チャネル内インクを加圧するシェアモードのインクジェットヘッドのノズル基板に適用する構成としてもよい。
また、以上の実施の形態及び変形例におけるインクジェット記録装置1を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
以上のように、本発明のインクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法は、インクを用いた記録に適用できる。
1 インクジェット記録装置
10 媒体供給部
11 媒体供給トレー
12 搬送部
121,122 ローラー
123 ベルト
20 画像形成部
21 画像形成ドラム
221 爪部
222 ドラム
22 受け渡しユニット
23 温度計測部
24 ヘッドユニット
241 インクジェットヘッド
241a ノズル開口面
2411 ノズル
242 インクジェットモジュール
243 第1サブタンク
244 第2サブタンク
245 固定部材
246 キャリッジ
25 加熱部
26 デリバリー部
261,262,264 ローラー
263 ベルト
27 クリーニング部
271 払拭部材
272 弾性部材
273 巻き出しローラー
274 巻き取りローラー
30 媒体排出部
31 媒体排出トレー
40A,40B,40C,40D ノズル基板
41 基板部
42A,42B 撥液膜下地層
43,43a 撥液膜
44 流路保護膜
45 撥液膜保護層
50 圧力室基板
51 圧力室
60 振動板
70 スペーサー基板
71 圧電素子部
80 配線基板
R 記録媒体

Claims (14)

  1. インクを射出するノズルが形成された基板部と、
    前記基板部の射出面側に形成され、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層と、
    前記撥液膜下地層の射出面側に形成された撥液膜と、を有するノズル基板を備え
    前記撥液膜下地層は、前記基板部側のシリコン窒化膜と前記射出面側のシリコン酸窒化膜とを有するインクジェットヘッド。
  2. インクを射出するノズルが形成された基板部と、
    前記基板部の射出面側に形成され、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層と、
    前記撥液膜下地層の射出面側に形成された撥液膜と、を有するノズル基板を備え、
    前記撥液膜下地層は、前記基板部側のシリコン酸化膜と前記射出面側のシリコン酸窒化膜とを有するインクジェットヘッド。
  3. インクを射出するノズルが形成された基板部と、
    前記基板部の射出面側に形成され、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層と、
    前記撥液膜下地層の射出面側に形成された撥液膜と、を有するノズル基板を備え、
    前記撥液膜下地層は、前記基板部側のシリコン酸化膜と前記射出面側のシリコン酸窒化膜との間の窒素及び酸素の濃度勾配が調整されているインクジェットヘッド。
  4. 前記インクは、顔料分子を含む請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記インクは、アルカリ性である請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記撥液膜下地層は、前記基板部の射出面側及び前記ノズルの流路内に形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記基板部の前記ノズルの流路内に形成された流路保護膜を有する請求項1から6のい
    ずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記基板部は、ケイ素、金属材料又は樹脂材料からなる請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドと、
    前記撥液膜の射出面側のインクを拭き取るクリーニング部と、を備えるインクジェット記録装置
  10. インクを射出するノズルを有する基板部を生成する基板部生成工程と、
    前記基板部の射出面側に、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層を形成する撥液膜下地層形成工程と、
    前記撥液膜下地層の射出面側に、撥液膜を形成してノズル基板を生成する撥液膜形成工程と、
    前記ノズル基板を備えるインクジェットヘッドを生成するインクジェットヘッド生成工程と、を含み、
    前記撥液膜下地層形成工程において、前記基板部の射出面側に、シリコン窒化膜を形成し、当該シリコン窒化膜の表面に追酸化処理を行い前記撥液膜下地層を形成するインクジェットヘッドの製造方法
  11. インクを射出するノズルを有する基板部を生成する基板部生成工程と、
    前記基板部の射出面側に、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層を形成する撥液膜下地層形成工程と、
    前記撥液膜下地層の射出面側に、撥液膜を形成してノズル基板を生成する撥液膜形成工程と、
    前記ノズル基板を備えるインクジェットヘッドを生成するインクジェットヘッド生成工程と、を含み、
    前記撥液膜下地層形成工程において、前記基板部の射出面側に、シリコン酸化膜を形成し、当該シリコン酸化膜の表面に追窒化処理を行い前記撥液膜下地層を形成するインクジェットヘッドの製造方法
  12. インクを射出するノズルを有する基板部を生成する基板部生成工程と、
    前記基板部の射出面側に、少なくとも表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有する撥液膜下地層を形成する撥液膜下地層形成工程と、
    前記撥液膜下地層の射出面側に、撥液膜を形成してノズル基板を生成する撥液膜形成工程と、
    前記ノズル基板を備えるインクジェットヘッドを生成するインクジェットヘッド生成工程と、を含み、
    前記撥液膜下地層形成工程において、窒素及び酸素の濃度勾配を制御して前記基板部側のシリコン酸化膜から前記射出面側のシリコン酸窒化膜まで変化する前記撥液膜下地層を形成するインクジェットヘッドの製造方法
  13. 前記撥液膜下地層形成工程において、前記基板部の射出面側及び前記ノズルの流路内に、前記撥液膜下地層を形成する請求項10から12のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  14. 前記ノズルの流路内に、流路保護膜を形成する流路保護膜形成工程を含む請求項10から13のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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