JP5491909B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットヘッドに係り、特に、インクジェットヘッドのノズルのエッジ部を保護膜で保護するインクジェットの製造方法およびインクジェットに関する。
一般に、汎用の画像形成装置として、インクジェットヘッドから記録媒体上にインク液滴を吐出して所望の画像を形成するインクジェット記録装置が広く用いられている。インクジェットヘッドでは、長期間吐出を続けると、液(インク)の流れによりノズルの磨耗、欠けが発生する。磨耗や欠けが発生すると、吐出方向や吐出量が変化してしまい、所望の性能が出せないといった問題があった。
インクの吐出方向の曲がりを防止する方法として、下記の特許文献1には、インクなどの液体溜りの発生を防止するために、吐出口周辺に液体をはじく撥水層を付着させ、この撥水層を均一の厚みで形成することで、吐出方向の曲がりを防止することが記載されている。
特開2002−219808号公報
単結晶シリコンの結晶性を利用した異方性エッチングで形成されたノズルは、精度は良いが、脆性材料であること、鋭角となるエッジの断面形状から、磨耗や欠けが生じやすかった。また、ノズルの形状が四角形状となることから、丸ノズルに比べ、角に応力が集中する、また、逆に辺の中心部分の流速が速く、磨耗しやすいため、磨耗や欠けが生じていた。図6(a)はノズルプレート230の断面図であり、(b)は、ノズル232の吐出口側からの平面図である。R形状を有するノズルエッジ部が磨耗により劣化したものであり、直線状になっているものが欠けによる劣化である。このような磨耗、欠けが生じると、図6(b)に示すように、ノズルの吐出口形状が変化してしまい、吐出方向が曲がる、吐出体積の形状が変わるなどの問題が生じていた。
特許文献1に記載されているような、撥液膜を精度良く形成する方法については、シリコンノズルにおいて、非常に多くの吐出が行われた際の磨耗や欠けについては、考慮されていなかった。また、撥液膜の厚さも1〜5ミクロンと厚く、シリコンノズルのような精度の良いノズルでは、膜厚のばらつきが問題となっていた。
さらに、今後、業務用の分野で精度良く、非常に多くの吐出回数が必要となるインクジェットヘッド、あるいは、ラインヘッドを用いた高速、高生産性のインクジェット印刷装置では、このような問題が多く発生すると考えられる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ノズルプレートにシリコンを用いたインクジェットヘッドを長期間使用しても精度良く吐出を行うことができるインクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットヘッドを提供する。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、シリコン基板にインク吐出用ノズルを形成するノズル形成工程と、前記ノズルのインク吐出側の面に、前記インク吐出側の面から前記ノズル内部に入り込むように、金属膜を成膜する金属膜成膜工程と、前記金属膜上で、前記ノズルのインク吐出側の面に、および、前記ノズル内部に前記インク吐出側の面から0.5〜1.5μmの距離で入り込むように、保護シートを接合し、前記インク吐出側の面の反対側から余分な金属膜を除去する金属膜除去工程と、前記シリコン基板に流路構造体を接合する接合工程と、を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法を提供する。
請求項1によれば、ノズルの吐出側の面からノズル内部に入り込むように金属膜を成膜しているので、吐出によりノズルエッジ部が磨耗したり、欠けたりすることを防止することができる。したがって、長期の使用においても、吐出性能が低下することなく、安定して吐出を行うことができるインクジェットヘッドを製造することができる。
また、ノズル内部に形成された金属膜が、各ノズルで入り込み量が異なっていたり、余剰に金属膜が形成されていた場合に、金属膜を除去することで、金属膜のノズル内の入り込み量を一定にすることができる。したがって、各ノズルの吐出性能のばらつきを抑えることができる。
請求項は請求項において、前記金属膜成膜工程は、前記流路構造体を接合した後に行うことを特徴とする。
請求項によれば、流路構造体を接合した後に金属膜の成膜を行っているので、基板のハンドリングを容易に行うことができる。また、金属膜の除去をエッチングにより行う場合、流路構造体内の流路を用いてエッチング液を供給することができるので、操作性を向上させることができる。
請求項は請求項1または2において、前記ノズル形成工程は、異方性ウエットエッチングにより行うことを特徴とする。
請求項によれば、異方性ウエットエッチングによりノズルの形成を行っているので、ノズルを精度良く形成することができる。
請求項は請求項1からいずれか1項において、前記金属膜上に、撥液膜を形成する撥液膜形成工程を有することを特徴とする。
請求項によれば、金属膜上に撥液膜を形成することで、基板の吐出側の面にインク液滴が付着することを防止することができるので、ノズルの吐出性能のばらつきを抑制することができる。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットヘッドによれば、ノズルの吐出面側およびノズルの内側に金属膜を成膜することで、インクジェットヘッドのノズル端部の磨耗や欠けを防止することができるので、長期間の使用においても、吐出性能の低下を抑えることができる。
本発明に係るインクジェットヘッドが組み込まれたインクジェット記録装置を模式的に示す構成図である。 インクジェット記録装置の印字部周辺を示す要部断面図である。 インクジェットヘッドの断面図である。 インクジェットヘッドに用いられるノズルプレートの製造方法を説明する図である。 別のノズルプレートの例を示す図である。 ノズルエッジ部の磨耗・欠けを説明する図である。
以下、添付図面に従って、本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットの好ましい実施の形態について説明する。
[インクジェット記録装置の全体構成]
図1は、本発明に係るインクジェットヘッドが組み込まれたインクジェット記録装置100を模式的に示す構成図である。
図1に示すように、この画像形成装置としてのインクジェット記録装置100は、主として、記録媒体122を給紙する給紙部110と、給紙部110から給紙された記録媒体122の記録面に所定の処理液を付与する処理液付与部112と、処理液が付与された記録媒体122の記録面にインク滴を打滴して画像を描画する印字部114と、画像が描画された記録媒体122の記録面を乾燥させる乾燥部116と、記録面に形成された画像を定着させる定着部118と、画像が記録された記録媒体122を回収する排紙部120とで構成されている。
給紙部110は、記録媒体122を格納するマガジン140を備えており、このマガジン140から記録媒体122が1枚ずつ給紙トレイ150に給紙される。給紙トレイ150に給紙された記録媒体122は、渡し胴152を介して処理液付与部112の処理液ドラム154に受け渡される。
処理液ドラム154は、渡し胴152から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、第1の中間搬送ドラム124に受け渡す。処理液付与部112では、この処理液ドラム154によって回転搬送される記録媒体122に対して所定の処理液を一定の厚みで付与する。処理液の付与は、処理液付与装置156によって行われ、処理液付与装
置156は、例えば、表面に処理液が付与された塗布ローラを記録媒体122の記録面に当接させて、処理液を付与するが、これに限定されるものではない。例えば、後述するインクヘッドと同様のヘッドによって処理液を吐出して付与するようにしても良い。処理液が付与された記録媒体122は、さらにドライヤ158とヒータ160で乾燥されたのち、第1の中間搬送ドラム124に受け渡される。
なお、この処理液付与部112で付与される処理液は、後段の印字部114で付与されるインク中の色材(顔料又は染料)を凝集又は増粘させる成分を含有する処理液である。このような処理液をインクの打滴前に付与することにより、ブリーディング等を防止でき、高品質な画像を印字することが可能になる。
第1の中間搬送ドラム124は、処理液ドラム154から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、印字部114の印字ドラム170に受け渡す。
印字ドラム170は、第1の中間搬送ドラム124から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、第2の中間搬送ドラム126に受け渡す。印字部114では、この印字ドラム170によって回転搬送される記録媒体122に対して、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクジェットヘッド(以下、単にインクヘッドと言う。)172C、172M、172Y、172Kからインク滴を打滴して、画像を印字する。
各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kは、所定の隙間をもって印字ドラム170に対向して配置されており、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順で印字ドラム170の回転方向上流側から配置されている。また、各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kは、ラインヘッドで構成されており、記録媒体122の記録幅に対応して形成されている。
図2に、インクジェット記録装置100の印字部114周辺の要部平面図を示す。
図2に示すように、印字部114は、各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kを、図に矢印Aで示す用紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置し、記録媒体122における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有する、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。
各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kは、本インクジェット記録装置100が対象とする最大サイズの記録媒体122の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録媒体122の搬送方向(図2に矢印Aで表示)に沿って上流側(図2の右側)からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の順に各色インクに対応したインクヘッド172C、172M、172Y、172Kが配置されている。記録媒体122を搬送しつつ各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kからそれぞれ色インクを吐出することにより記録媒体122上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部114によれば、用紙搬送方向(副走査方向)について記録媒体122と印字部114を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録媒体122の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル(シリアル)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
再び図1にもどり、各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kでインクが打滴された記録媒体122は、印字ドラム170から第2の中間搬送ドラム126に受け渡される。第2の中間搬送ドラム126は、印字ドラム170から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、乾燥部116の乾燥ドラム176に受け渡す。
乾燥ドラム176は、第2の中間搬送ドラム126から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、第3の中間搬送ドラム128に受け渡す。乾燥部116では、この乾燥ドラム176によって回転搬送される記録媒体122を第1、第2のヒータ178、182、及び、ドライヤ180によって乾燥させる。
乾燥された記録媒体122は、乾燥ドラム176から第3の中間搬送ドラム128に受け渡される。第3の中間搬送ドラム128は、乾燥ドラム176から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、定着部118の定着ドラム184に受け渡す。
定着ドラム184は、第3の中間搬送ドラム128から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、排紙部120のコンベア196に受け渡す。定着部118では、この定着ドラム184によって回転搬送される記録媒体122に対して、第1、第2の定着ローラ186、188で加熱、加圧して、印字された画像を定着させる。
また、定着部118には、印字部114による印字結果を読み取るインラインセンサ189が設けられている。インラインセンサ189は、印字部114の印字結果(各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kの打滴結果)を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、このイメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックするものである。
インラインセンサ189は、複数の検出画素(読取素子)が記録媒体122の幅方向に沿って一列に並べられたラインCCD(又は、複数の検査画素が2次元状には配置されたエリアセンサ)と、ラインCCD(又はエリアセンサ)よって記録媒体122の幅方向を一括して読取れるように配置された縮小レンズと、を含む構成であり、印字部114の各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kの記録解像度よりも低い読取解像度を有している。
画像が定着された記録媒体122は、定着ドラム184から排紙部120のコンベア196に受け渡される。コンベア196は、定着ドラム184から記録媒体122を受け取り、排紙部120に備えられた排紙トレイ192に搬送し、排紙トレイ192に回収する。
以上のように構成されたインクジェット記録装置100によれば、印字部114において、各インクジェットヘッド(インクヘッド)から安定したインクの吐出ができるので、安定した画像の形成が可能となる。
次に、印字部114に配置されるインクヘッド172C、172M、172Y、172Kの構造について説明する。図3は、本発明に用いられるインクジェットヘッドの断面図である。
図3に示すように、上部流路構造体14は、下部流路構造体20と接合されている。下部流路構造体20には、インクを吐出するための圧力を発生する圧力室22が形成されており、圧力室22の天面には振動板24が形成されている。また、振動板24の上には、接合用接着剤26を介して圧電体28が接合されている。図示を省略したが、圧電体28の上下の面にはそれぞれ上部電極及び下部電極が形成されている。
また、下部流路構造体20の下側にはノズルプレート30が接合され、ノズルプレート30にはインクを液滴として吐出するノズル32が形成されている。ノズル32は、ノズル流路34を介して圧力室22と連通している。また、下部流路構造体20には、インク供給流路36及びインク回収流路38が形成されている。
インク供給流路36の上部には開口(インク供給口)36aが設けられ、上部流路構造体14に形成されたインク供給口16と連通している。また、インク供給流路36にはもう一つの開口(インク供給口)36bが設けられ、圧力室22と連通している。インク回収流路38の上部には開口(インク回収口)38aが設けられ、上部流路構造体14に形成されたインク回収口18と連通している。また、インク回収流路38にはもう一つの開口(インク回収口)38bが設けられ、ノズル流路34と連通している。
[ノズルプレートの製造方法]
次に本発明のインクジェットヘッドに用いられるノズルプレート30の製造方法について図4を用いて説明する。
(1)ノズル形成工程
図4(a)に示すように、ノズルプレート30にシリコン基板を用いてノズル32を形成する。ノズルの形状は、ノズル流路34側からノズルプレートの吐出面側に向って先細りとなっているテーパーノズルであることが好ましい。また、ノズル出口の形状は、特に限定されないが、丸形状とすることで、角に応力が集中することを防止することができるので、磨耗や欠けを防止することができる。
ノズルプレート30の材料としてシリコンを用いることで、微細な構造を形成することができるとともに、加工を容易に行うことができる。ノズル32の形成は、特に限定されず、異方性ウエットエッチング、ドライエッチングにより形成することができるが、精度良く形成するため、異方性ウエットエッチングで行うことが好ましい。ノズルプレートの材料がシリコンである場合、長期の使用により、磨耗や欠けなどの問題が生じることがある。
なお、図示しないが、ノズルプレート30は、その後の工程のハンドリングを考慮して、別途形成された下部流路構造体20を接合することが好ましい。また、下部流路構造体を接合しない場合は、他のハンドリング用の基板(シリコンなど)を接合することが好ましい。ハンドリング用の基板にノズルプレート30を接合する場合は、エッチング用に、ノズル位置に対応した位置に穴を有することが好ましい。
(2)金属膜成膜工程
図4(b)に示すように、ノズルプレート30の吐出面側に、金属膜42を成膜する。金属膜42は、ノズルプレート30の吐出面側からノズル32の内部に入り込み、ノズル32の端部を覆うように形成される。
成膜は、CVD法、スパッタ法などの気相蒸着法により行われる。成膜条件は、ノズル内部に金属膜42が入り込むように、成膜条件(圧力、時間、パワーなど)を制御する。成膜条件は、金属膜42の材料、ノズル32の形状、必要な金属膜の厚さ、金属膜の入り込み量から条件を決定する。
金属膜42の形成に用いられる金属材料としては、シリコン以外の金属であり、タンタル(Ta)、金(Au)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、DLC、または、それらの合金などを用いることができる。また、CVD法、スパッタ法などで成膜できる材料から、耐インク性を考慮して選択することが好ましい。例えば、Ta酸化物(Ta)なら耐インク性に優れ、Auは耐インク性に優れ、撥液性を有する特徴を有する。さらに、金属膜42上に撥液膜(図4(f)に記号46で記載)を形成する場合は、撥液膜との密着性も考慮して金属材料を選択することが好ましい。
ノズル32内部に入り込む量(ノズルプレート30の吐出面側からの距離)は、0.1〜5μm、好ましくは、0.5〜1.5μmである。ノズルエッジ部の磨耗・欠けは、吐出面側から1μm付近の領域で生じやすいので、上記範囲内の金属膜を成膜することで、ノズルエッジ部の磨耗や欠けを防止することができる。また、金属膜42の厚みは、0.5μm以下とすることが好ましい。0.5μmを越えると、ノズル精度、吐出性能に影響が出るので、好ましくない。また、ノズル内部を完全に金属膜で覆うことは難しく、仮に内部まで入り込ませたとしても、ノズルの吐出面側とノズルの奥(ノズル流路34側)とで、膜厚が異なったり、ノズルの奥では金属膜がない、また、金属膜のない場所もノズル毎に異なるなど、ノズルを精度良く形成しても、金属膜のばらつきにより吐出性能が悪くなることになる。さらに、金属膜のある部分とない部分ではインクへの濡れ性が異なるので、ノズル毎に内部の濡れ方がばらつき、吐出性能に悪影響を与える。したがって、ノズルエッジの磨耗や欠けを防止することができる範囲で、金属膜42を成膜することが好ましい。
また、CVD法、スパッタ法により成膜した金属膜の厚さが充分でなく、保護膜として弱く、厚くすることが困難な場合は、めっき法により金属膜を厚くすることもできる。例えば、Auの金属膜をめっきする場合は、電気めっき、無電界めっきにより膜厚を厚くすることができる。ただし、吐出性能に影響が出ない程度の厚みにすることが好ましい。
(3)保護シート接合工程
次に、図4(c)に示すように、金属膜42の上から保護シートを貼り付ける。なお、(3)保護シート接合工程、(4)エッチング工程、(5)保護シート除去工程は、(2)金属膜成膜工程で成膜した金属膜42のノズル32内への入り込み量が異なる場合に行えばよいので、省略することも可能である。金属膜42の入り込み量が異なると、ノズル32毎に吐出量が異なってしまう場合があり、吐出性能に悪影響を与える。
保護シート44としては、ドライフィルムレジストなどを用いることができる。図4(c)に示すように、ノズル32内部の金属膜42を残したい箇所を覆うように保護シート44を貼り付ける。保護シート44が、ノズル32内部に入る量は、保護シート44を貼るときの熱と圧力により制御することができる。圧力が高い場合は、ノズルが破損する場合があるので、温度を上げることで、制御を行う。
(4)エッチング工程
次に図4(d)に示すように、エッチングにより余分な金属膜の除去を行う。エッチングは余分な金属膜にエッチング液を付与することで行う。すでに、ノズルプレート30に下部流路構造体20が貼り付けてある場合は、流路にエッチング液を流すことで、エッチングを行う。また、エッチング液を流した後は洗浄を行う。
(5)保護シート剥離工程
次に、図4(e)に示すように、保護シート44の除去を行う。保護シート44の除去は、各材料に応じた溶剤やアルカリなどの剥離液を用いて行うことができるが、ノズルプレート30、金属膜42に影響を与えない剥離液を用いることが好ましい。また、気相中で行われるプラズマアッシングにより行うこともできる。
(6)撥液膜形成工程
必要に応じて図4(f)に示すように、金属膜42の表面に撥液膜44の形成を行う。撥液膜44は、フッ素系の樹脂、または撥液めっきなどで成膜することができる。
撥液膜44を構成する材料としては、例えば、金属アルコキシド系撥液膜、フッ素含有プラズマ重合膜、シリコーン系プラズマ重合撥液膜などを適用することができ、これらの中でもフッ素含有プラズマ重合膜、シリコーン系プラズマ重合撥液膜などのプラズマ重合膜が好ましい。プラズマ重合膜で構成される撥液膜の形成方法としては、従来公知のプラズマ処理装置を用いて行うことができる。撥液膜46の材料として、具体的には、SiOを下地としたFDTS(CF(CF(CHSiCl)を用いることができる。撥液膜46の厚みは、ノズルの精度に影響が出ないように薄い膜であることが好ましい。
ノズル形成工程で下部流路構造体20を接合していない場合は、撥液膜46成膜後に下部流路構造体20の接合を行う。
また、図5に示すように、金属膜42は、ノズル32、流路内壁にSiOなどの耐インク性保護膜48が形成されている場合においても、成膜することができる。耐インク性保護膜48のみでは、磨耗、欠けが防止できない場合に、金属膜42を形成して、磨耗、欠けの防止を行う。例えば、SiOのような耐インク性保護膜では、成膜方法によっては熱酸化SiOに比べ、膜質が悪くもろい場合がある。耐インク性の保護膜として機能しても、SiO自身が磨耗し、いずれシリコン部分が磨耗、欠ける場合があるので、本発明のように、金属膜42でノズルのエッジ部を保護することが好ましい。
上述したように、シリコンを用いたノズルプレート30に形成したノズル32のエッジ部を金属膜42で保護することにより、流体(インク)により磨耗や欠けの発生を抑えることができ、長期の使用においても吐出性能の低下を抑えることができる。
以上、本発明のインクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットについて説明したが、本発明は以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
14…上部流路構造体、16…、インク供給口、18…インク回収口、20…下部流路構造体、22…圧力室、24…振動板、28…圧電体(圧電体基板)、30…ノズルプレート、42…金属膜、44…保護シート、46…撥液膜、48…耐インク性保護膜、100…インクジェット記録装置、110…給紙部、112…処理液付与部、114…描画部、116…乾燥部、118…定着部、120…排出部、122…記録媒体、124…第1の中間搬送部、126…第2の中間搬送部、128…第3の中間搬送部、154…処理液ドラム、170…描画ドラム、172M,172C,172Y,172K…インクジェットヘッド、176…乾燥ドラム、178…第1のヒータ、80…ドライヤ、182…第2のヒータ、184…定着ドラム、186、188…定着ローラ、189…インラインセンサ、192…排紙トレイ

Claims (4)

  1. シリコン基板にインク吐出用ノズルを形成するノズル形成工程と、
    前記ノズルのインク吐出側の面に、前記インク吐出側の面から前記ノズル内部に入り込むように、金属膜を成膜する金属膜成膜工程と、
    前記金属膜上で、前記ノズルのインク吐出側の面、および、前記ノズル内部に前記インク吐出側の面から0.5〜1.5μmの距離で入り込むように、保護シートを接合し、前記インク吐出側の面の反対側から余分な金属膜を除去する金属膜除去工程と、
    前記シリコン基板に流路構造体を接合する接合工程と、を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記金属膜成膜工程は、前記流路構造体を接合した後に行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記ノズル形成工程は、異方性ウエットエッチングにより行うことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記金属膜上に、撥液膜を形成する撥液膜形成工程を有することを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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