JP2008068499A - ノズルプレートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板を薄膜化することなく高剛性にノズルプレートを形成し、吐出孔近傍での反りを低減し、高精度にノズルを形成する。
【解決手段】シリコン基板の間に埋め込み酸化膜を有する3層構造の基板を用い、前記3層構造を構成するシリコン基板のうち一方のシリコン基板に対して、前記埋め込み酸化膜をエッチストップ層としてエッチングによりザグリ部を形成し、前記ザグリ部を形成したシリコン基板とは前記埋め込み酸化膜を挟んで反対側のシリコン基板の前記ザグリ部に対応する位置に、エッチングによりノズルのテーパ部を形成し、前記埋め込み酸化膜に対して、前記ノズルのテーパ部の形成に用いたマスクと同一のマスクを用いてエッチングによりノズルのストレート部を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノズルプレートの製造方法に係り、特に、インクジェットヘッドにおいてテーパ部とストレート部を有するノズルの近傍にザグリ部を設けたノズルプレートの製造方法に関する。
従来より、画像形成装置として、多数のノズル(液滴吐出口)を配列させたインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)を有し、このインクジェットヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから被記録媒体に向けてインクを液滴として吐出することにより、被記録媒体上に画像を形成するインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)が知られている。
インクジェットプリンタにおいては、ノズルから吐出されたインクによって形成されるインクドットを組み合わせることによって被記録媒体上に1つの画像が形成される。近年、インクジェットプリンタにおいても写真プリント並みの高画質な画像を形成することが望まれている。これに対して、例えば、ノズル配列を高密度化して単位面積あたりの画素数を多くするとともに、高精度にノズルを形成することによって高画質を実現することが考えられている。
そこで、高精度にノズルプレートを製造するための方法が従来からいろいろ提案されている。
例えば、SOI基板の活性層に単一または複数のオリフィスが活性層を貫通するように形成され、SOI基板の支持体のオリフィスに対応する箇所に支持体を貫通するようにテーパ穴が形成され、オリフィスとテーパ穴とが連通しているインクジェットノズルプレートおよびその製造方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また、例えば、2枚の単結晶シリコンウエハの間に単結晶シリコンウエハに比べてエッチングレートの遅いバッファ層(2酸化ケイ素)を挟んで一体化し、バッファ層を挟む2枚の単結晶シリコンウエハの両面からエッチング加工を行って、底部が各々バッファ層に達する孔を形成した後、バッファ層を上記孔の底径の小さい側からエッチング加工して、ノズル孔を形成するようにしたインクジェットヘッドの製造方法が知られている(例えば、特許文献2等参照)。
また、例えば、予め熱酸化膜が形成されたシリコン基板と熱酸化膜が形成されていないシリコン基板とを前記熱酸化膜を介して接合されているシリコン基体に、双方側からシリコン基体をウエットエッチングにて開口して貫通穴を形成するシリコン基体の加工方法であって、前記シリコン基体が500〜1000℃程度の低温下での熱焼成にて接合形成されている場合のシリコン基体の加工方法において、接合前に予め熱酸化膜が形成されていた側のシリコン基体に、他のシリコン基体より先に貫通穴を形成するようにしたシリコン基体の加工方法及びこのシリコン基体を用いたインクジェットヘッドとその製造方法が知られている(例えば、特許文献3等参照)。
特開平9−216368号公報 特開平6−134994号公報 特開2001−1515号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のものでは、SOI基板を用いオリフィスを高精度に形成する事はできるが、オリフィス(ノズル)表面がむき出しのため、紙ジャム等により、オリフィス表面や吐出孔近傍に傷などが付き、吐出安定性が得られないという問題がある。
また、前記特許文献2に記載のものでは、単結晶シリコンウエハをバッファ層の両面から挟み込み一体的に密着させ積層基板を形成しているが、この積層基板を形成する場合は、高温加熱や高圧加圧することにより形成することが行われている。しかし、両面のシリコンウエハを加工し、バッファ層にノズル孔を形成した場合には、バッファ層の残留応力により、ノズル近傍で反りが発生し、高精度のノズルを形成する事ができないという問題がある。
さらに、前記特許文献3に記載のものでは、熱酸化膜をエッチングのエンドポイントとして用い、シリコン基体の両面から加工を行っているが、この熱酸化膜は最終的に除去されている。また、ノズルはテーパ部のみの構造であり、ストレート部を設けていないため、吐出安定性が悪いという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、基板を薄膜化することなく高剛性にノズルプレートを形成し、また吐出孔近傍での反りを低減し、高精度にノズルを形成することのできるノズルプレートの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シリコン基板の間に埋め込み酸化膜を有する3層構造の基板を用い、前記3層構造の基板を構成するシリコン基板のうち一方のシリコン基板に対して、前記埋め込み酸化膜をエッチストップ層としてエッチングによりザグリ部を形成する工程と、前記ザグリ部を形成したシリコン基板とは前記埋め込み酸化膜を挟んで反対側のシリコン基板の前記ザグリ部に対応する位置に、エッチングによりノズルのテーパ部を形成する工程と、前記埋め込み酸化膜に対して、前記ノズルのテーパ部の形成に用いたマスクと同一のマスクを用いてエッチングによりノズルのストレート部を形成する工程と、を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法を提供する。
これにより、基板を薄膜化することなく高剛性にノズルプレートを形成し、また吐出孔近傍での反りを低減し、高精度にノズルを形成することができる。特に、ノズルにテーパ部を設けることにより高粘度インクを吐出する際の吐出効率が良く、ストレート部を設けることで吐出方向の安定性を高めることができ、またザグリ部を有するためノズル表面を保護することができる。また、ノズルのテーパ部とストレート部を同一のマスクを用いて形成したため、テーパ部とストレート部に段差が無く気泡の発生を防ぐことができる。
また、請求項2に示すように、前記3層構造の基板を構成するシリコン基板は、一方が他方よりも膜厚が厚く、該厚い方のシリコン基板に前記ザグリ部を形成することを特徴とする。
このように、ザグリ部を含む厚い基材にノズルのテーパ部とストレート部を一体形成することにより、基板の剛性を高め、製造時の基板割れを低減し、歩留りを向上させることができる。また、基板が厚いためチップ化した時の反りを無くし、ヘッド本体への接合時の精度を向上させることができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、シリコン基板の間に埋め込み酸化膜を有する3層構造の基板を用い、前記3層構造の基板を構成するシリコン基板は一方が他方よりも膜厚が厚く、該厚い方のシリコン基板に対して、前記埋め込み酸化膜をエッチストップ層としてエッチングによりザグリ部を形成する工程と、前記ザグリ部に面した埋め込み酸化膜を剥離する工程と、前記ザグリ部が形成された側の面に対して膜を形成する工程と、前記ザグリ部が形成されたシリコン基板とは反対側のシリコン基板に対して、前記形成された膜をエッチストップ層としてエッチングによりノズルのテーパ部を形成する工程と、前記膜に対して、前記ノズルのテーパ部の形成に用いたマスクと同一のマスクを用いてエッチングによりノズルのストレート部を形成する工程と、を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法を提供する。
これにより、ノズルのストレート部の長さを任意に決めることができ、設計値に対してプロセスの自由度を広げることができる。
また、請求項4に示すように、前記ザグリ部が形成された側の面に対して形成する膜は、成膜時に応力が制御されていることを特徴とする。
これにより、ノズル孔近傍において、反りが無く、高精度のノズル孔を形成することができる。
また、請求項5に示すように、前記ザグリ部の膜は、酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、炭素含有シリコン酸化膜、炭化シリコン膜の少なくとも1つであることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、基板を薄膜化することなく高剛性にノズルプレートを形成し、また吐出孔近傍での反りを低減し、高精度にノズルを形成することができる。特に、ノズルにテーパ部を設けることにより高粘度インクを吐出する際の吐出効率が良く、ストレート部を設けることで吐出方向の安定性を高めることができ、またザグリ部を有するためノズル表面を保護することができる。また、ノズルのテーパ部とストレート部を同一のマスクを用いて形成したため、テーパ部とストレート部に段差が無く気泡の発生を防ぐことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るノズルプレートの製造方法について詳細に説明する。
図1(a)〜(j)は、本発明の第1実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す説明図である。
まず、図1(a)に示すように、SOI基板(あるいは、Si−SiO等の3層構造基板)70の全面に熱酸化膜76を形成する。SOI(Silicon on Insulator)基板70は、単結晶シリコン基板72(72a、72b)の内部にBOX(Buried Oxide)層(埋め込み酸化膜層)74が形成されたものである。BOX層74としては、ボロンドープ層だけでなく、熱酸化膜や酸化膜を積層したSOI基板を用いるようにしてもよい。
熱酸化膜76を形成する方法は特に限定はされず、CVDやスパッタ、あるいは真空蒸着などによって形成することができる。また、熱酸化膜76の膜厚は任意であり、シリコンのエッチングの際の選択比によって決めればよい。なお、図1(a)に示す例では、SOI基板70の全面に熱酸化膜76を形成しているが、表面にのみ熱酸化膜や酸化膜、あるいは窒化膜層を形成するようにしてもよい。
次に、図1(b)に示すように、フォトリソグラフィーによってレジスト78をパターニングする。次に図1(c)に示すように、レジスト78をマスクにしてドライエッチングまたはウエットエッチングにより酸化膜76をエッチングする。
次に、図1(d)に示すように、レジスト78をマスクにして、SOI基板70の厚い側のシリコン基板(支持基板)72aをエッチングする。エッチングの際、BOX層74がエッチストップ層となり、エッチストップを行う。エッチング方法は、ウエットエッチングやドライエッチングで行う。
このとき、ウエットエッチングの場合には、断面形状を垂直にしたい場合は、(110)基板を用いた結晶異方性エッチングを行い、断面形状をテーパ状にしたい場合には、(100)基板を用いた結晶異方性エッチングを行う。また、ドライエッチングの場合には、垂直断面やテーパ断面、それぞれ得たい形状によってエッチング条件を決めれば良い。このようにしてシリコン基板72aに形成された凹部(ザグリ部)80が、後にノズルが形成された場合にノズル近傍のザグリ部となる。
次に図1(e)に示すように、エッチングの際にマスクとして用いられたレジスト78をアッシングによって剥離する。次に図1(f)に示すように、上で形成したシリコン基板72aのザグリ部80に犠牲樹脂82を充填し、その上にダミー基板84を形成する。
次に、図1(g)に示すように、ザグリ部80が形成された側とは反対側(SOI基板70の薄い側)のシリコン基板(活性層)72bにフォトリソグラフィーによってマスクとなるレジスト86をパターニングして形成する。
次に、図1(h)に示すように、今レジスト86を形成したシリコン基板(活性層)72bの側からシリコンのテーパエッチングを行い、ノズルのテーパ部51Aを形成する。このテーパエッチングは、例えばドライエッチングを用いて行うことができる。このノズルのテーパ部51Aの具体的な形成方法については後述する。
次に、図1(i)に示すように、上と同一のレジスト86をマスクにしてBOX層(エッチストップ層)74をエッチング(ドライエッチングによる異方性エッチング)し、ノズルのストレート部(直線部)51Bを形成する。なお、テーパ部51Aの底面側の開口径Dをレジスト86の開口部の径dと等しく形成しておけば、ノズルのテーパ部51Aの底面側の開口径Dと等しい径のストレート部51Bが形成されやすくなる。また、ザグリ部80に犠牲樹脂82を入れておくことにより、BOX層74のエッチング時にストレート部51Bをきれいに開けることができると共にプラズマからステージを保護することができる。
次に、図1(j)に示すように、レジスト86や犠牲樹脂82、ダミー基板84等を剥離することによりテーパ部51Aとストレート部51Bを有するノズル51が形成される。ここで、レジスト86等を剥離する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、一般的に使用される専用の剥離液を用いればよい。また、レジスト(マスク層)86等を剥離するためのアッシング処理として、酸素プラズマを照射することによりレジスト86を剥離してもよい。これにより、レジスト86の剥離とノズルの内側のクリーニング及び親水化処理を同時に行うことができ、作業の効率化を図ることができる。
このようにして、ノズル51の近傍にザグリ部80が形成されたノズルプレートが形成される。
次に、ノズルのテーパ部51Aの具体的な形成方法について説明する。
図2(a)〜(e)に、ノズルのテーパ部51Aの第1の形成方法を示す。この第1の形成方法は、図2に示すように、ドライエッチングと保護膜形成を繰り返し行う形成方法である。
まず、シリコン基板72bを高周波電源に接続された平面電極(図示省略)の上に配置して、平面電極への高周波電力の印加を行う。そして、図2(a)に示すように、SFガス(六フッ化硫黄ガス)を導入して生成されるSFプラズマ(六フッ化硫黄プラズマ)を照射する。すると、パターニングされたレジスト(マスク層)86の間のシリコン基板72bの露出部分73において、SFプラズマ中のFラジカル(フッ素ラジカル)とシリコンが反応する。そして、SiFガス(四フッ化硅素ガス)としてシリコン基板72bから離脱し、シリコン基板72bに対して等方性エッチングが行われる。
次に、平面電極への高周波電力の印加を止め、図2(b)に示すように、Cガス(オクタフルオロシクロブタンガス)より生成されたCプラズマ(オクタフルオロシクロブタンプラズマ)を照射する。その結果、SFプラズマによりエッチングされた面の全面にCF系ポリマー層が堆積して保護膜75を形成する。
次に、再び平面電極への高周波電力の印加を行い、SFガスから生成されるSFプラズマを照射する。すると、図2(c)に示すように、SFプラズマ中のイオンの多くが底面方向に照射され、照射された底面部分のCF系ポリマー層の保護膜75が除去される。そして、図2(d)に示すように、ポリマー層が除去された底面部分において、前述の図2(a)と同様に、SFプラズマ中のFラジカルによりシリコン基板72bに対してエッチングがなされる。なお、このとき上記図2(a)においてエッチングされた側面部分には保護膜75が形成されている。そして、図2(a)におけるエッチング時に比べエッチング量を少なくして、エッチングの幅を小さくすることにより、テーパ形状のエッチングを実現することができる。
次に、再び平面電極への高周波電力の印加を止め、図2(e)に示すように、Cプラズマを導入し、図2(b)と同様に、SFプラズマによりエッチングされた面の全面にCF系ポリマー層が堆積して保護膜75が形成される。
その後、以上のようなエッチングと保護膜形成を繰り返すことにより、シリコン基板72bにノズルのテーパ部51Aを形成することができる。
なお、保護膜75の形成については、エッチングされた面の全面にポリマー層が蓄積される条件を満たす限り、平面電極への高周波電力の印加を行った状況下で行ってもよい。また、エッチングと保護膜75の形成の時間の調整を図ることにより、テーパ角を制御することができる。
ここで示した例では、エッチングの際にSFガスを使用したが、その他、SFと酸素Oの混合ガスや、フッ素ガスを使用してもよく、例えばCFガス(四フッ化炭素ガス)やNFガス(三フッ化窒素ガス)などのフッ素ガスを使用してもよい。
また、ポリマー層形成の際にCガスを使用したが、その他CHFガス(三フッ化メタンガス)やCガス(ヘキサフルオロエタン(フロン116)ガス)などを使用してもよい。以上が、ノズルのテーパ部51Aについての第1の形成方法である。
次に、ノズルのテーパ部51Aの第2の形成方法として、六フッ化硫黄SFとオクタフルオロシクロブタンC、または酸素O、または三フッ化メタンCHFなどの混合ガスを用いて側面に保護膜75を形成しながらドライエッチングを行う方法が考えられる。
図3(a)、(b)に、第2の形成方法の一例として、SFガスとOガスの混合ガスを使用した場合の概要を示す。
図3に示すように、Oガスから生成されたOプラズマにより保護膜としてのSiOxFyが形成される。その一方で、SFガスから生成されたSFプラズマのイオンが底面方向に照射されるので底面部分のSiOxFyが除去され、SiOxFyは側面のみに形成されていく。そして、SFプラズマ中のFラジカルによりシリコン基板72bがエッチングされる。このような方法により、SFガスとOガスの混合ガス量、混合比、プラズマ生成用RF出力、RFバイアス出力、圧力、基板温度などを調整してSiOxFyを形成しつつシリコン基板72bをエッチングすることにより、ノズルのテーパ部51Aを形成することができる。なお、混合ガスとしては、SF/O/C、SF/O/CHFなどを用いてもよい。
また、前述したように、SFガスとOガスの混合ガス(あるいはSFガス単体でもよい)によりエッチングを行うにあたって、シリコン基板72bを低温状態にすること(クライオプロセス)によってノズルのテーパ部51Aを形成してもよい。シリコン基板72bを低温状態にすることによって、Fラジカルによる側面方向へのエッチングが抑制される一方で、底面方向にはイオンアシスト反応によりエッチングを進行させることができるからである。なお、低温状態の温度によってFラジカルによる側面方向へのエッチング量を調整することができる。以上が、ノズルのテーパ部51Aを形成する第2の方法である。
また、BOX層74をドライエッチングしてノズルのストレート部51Bを形成する際、BOX層74を形成する材質によってドライエッチングに使用するガスを選択するようにする。
例えば、BOX層74を形成する材質がシリコン酸化物SiOなどの酸化物系の場合には、エッチングガスにフルオロカーボン系ガスやフッ素系ガスを1種類または複数種混合した混合ガスや、これらのガスに酸素や水素などを添加したガスを使用する。または、アルゴン(Ar)やヘリウム(He)などの不活性ガスにフルオロカーボン系ガスやフッ素系ガスを1種類または複数種混合した混合ガスや、これらのガスに酸素や水素などを添加したガスを使用してもよい。具体例としては、CF/H、CHF、CHF/SF/He、C/Ar/O、CF/CHF/Ar、C、C、C/CO、Cなどがある。
また、BOX層74を形成する材質がシリコン窒化物SiNなどの窒化物系の場合には、エッチングガスにフルオロカーボン系ガスやフッ素系ガスを1種類または複数種混合した混合ガスや、これらのガスに酸素、水素や塩素などを添加したガスを使用してもよい。具体例としては、CHF/O、CH、NF/Clなどがある。
また、BOX層74を形成する材質が炭化シリコンSiCなどの炭化物系の場合には、酸素や酸素ガスにフッ素系ガスを添付したものを使用する。または、アンモニア(NH)、水素(H)、窒素(N)などを使用してもよい。具体例としては、O、O/SF、O/CFなどがある。
次に、本発明に係るノズルプレートの製造方法の第2実施形態について説明する。
図4(a)〜(j)は、本発明の第2実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す説明図である。
まず、図4(a)に示すように、前述した第1実施形態と同様に、SOI基板(あるいは3層構造基板)70を用意する。SOI基板70は、基板表面側の厚いシリコン基板(支持基板)72aと、基板裏面側の薄いシリコン基板(活性層)72bの2枚のシリコン基板72(72a、72b)の間にBOX層74を形成した3層構造となっている。BOX層74は、ボロンドープ層だけでなく、熱酸化膜や酸化膜を積層したSOI基板を用いてもよい。
次に、図4(b)に示すように、SOI基板70の裏面側のシリコン基板(活性層)72b上に、フォトリソグラフィーを用いてマスク(レジスト)90をパターニングする。すなわち、マスク90をシリコン基板72b上に塗布した後、プリベーク、露光、現像、ポストベークを行う。使用するレジストは、酸化膜のエッチング方法や膜厚により決めれば良い。レジスト膜厚は、酸化膜との選択比から決めれば良い。また、フォトリソグラフィーの各条件は任意である。
なお、シリコン基板72bにノズルのテーパ部を形成するためのエッチングに用いるマスク材としては、このようなレジストの代わりに酸化膜や窒化膜を用いるようにしても良い。
次に、図4(c)に示すように、SOI基板70の表面側からシリコン基板(活性層)72bに対して、マスク90によりノズルのテーパ部51Aを形成するためのテーパエッチングを行う。これは、前述した第1実施形態と同様に、ドライエッチングを用いて行えば良い。
次に、図4(d)に示すように、上と同様に、マスク90を用いてBOX層74をエッチングしてノズルのストレート部51Bを形成する。これも前述した第1実施形態と同様にして、ドライエッチングにより異方性エッチングを行うようにすればよい。
次に、図4(e)に示すように、上で形成したマスク90を剥離する。このとき、マスク90がレジストの場合には、アッシング処理を行ったり、剥離液を用いてマスク90を剥離する。
次に、図4(f)に示すように、SOI基板70全面を熱酸化し、表面全体に熱酸化膜92を形成する。酸化膜形成方法は、CVD、スパッタ、真空蒸着などでも良い。
次に、図4(g)に示すように、SOI基板70の表面側の厚いシリコン基板(支持基板)72aにレジスト94をパターニングする。すなわち、レジスト94を塗布後、プリベーク、露光、現像及びポストベークを行う。使用するレジストは、酸化膜のエッチング方法や膜厚により決めれば良く、レジスト膜厚は酸化膜との選択比から決めれば良い。また、フォトリソグラフィーの各条件は任意である。
次に、図4(h)に示すように、レジスト94をマスクとして熱酸化膜92をエッチングする。ドライエッチングやウエットエッチングによりシリコン基板72a表面のレジスト94のマスク開口部の酸化膜92をエッチングする。
次に、図4(i)に示すように、レジスト94をマスクとしてSOI基板70の表面側のシリコン基板(支持基板)72aのエッチングを行い、ザグリ部80を形成する。このエッチングにおいて、エッチストップ層であるBOX層74でエッチストップを行う。エッチング方法としては、ウエットエッチングやドライエッチングで行う。
ウエットエッチングの場合、断面形状を垂直にしたい場合には、(110)基板を用いた結晶異方性エッチングを行い、断面形状をテーパ状にしたい場合には、(100)基板を用いた結晶異方性エッチングを行う。また、ドライエッチングの場合には、垂直断面やテーパ状断面、それぞれ得たい形状によりエッチング条件を決めれば良い。
次に、図4(j)に示すように、レジスト94のマスク及びSOI基板70全面の酸化膜を剥離する。これにより、テーパ部51Aとストレート部51Bを有するノズル51と、その近傍にザグリ部80が形成されたノズルプレートが得られる。
次に、本発明に係るノズルプレートの製造方法の第3実施形態について説明する。
図5(a)〜(l)は、本発明の第3実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す説明図である。
まず、図5(a)に示すように、SOI基板70の全面に酸化膜100を形成する。このとき、SOI基板70の上面(表面)にのみ酸化膜を形成するようにしてもよい。酸化膜100は、CVDやスパッタ、蒸着で成膜すればよい。酸化膜100としては、特に、ウエットエッチングのマスクに使用する場合には熱酸化膜が良い。
次に、図5(b)に示すように、SOI基板70の上面(表面)側のシリコン基板(支持基板)72aにフォトリソグラフィーを用いてレジスト102をパターニングする。レジスト102を塗布後、プリベーク、露光、現像、ポストベークを行う。また、前述した各実施形態と同様、使用するレジストは、酸化膜のエッチング方法や膜厚によって決めれば良く、レジスト膜厚は酸化膜との選択比から決めれば良い。なお、フォトリソグラフィーの各条件は任意である。
次に、図5(c)に示すように、SOI基板70の上面(表面)の酸化膜100をドライエッチングによりエッチングしパターニングする。または、ドライエッチングの代わりにウエットエッチングによりエッチングしてもよい。なお、SOI基板70の全面を熱酸化した場合には、SOI基板70の裏面の酸化膜を剥がすようにする。
次に、図5(d)または図5(e)に示すように、レジスト102をマスクとしてSOI基板70の上面(表面)よりシリコン基板72aのエッチングを行い、ザグリ部80を形成する。また、このエッチングの際、エッチストップ層であるBOX層74によりエッチストップを行う。エッチングは、ウエットエッチングまたはドライエッチングで行う。
例えば、ウエットエッチングの場合、断面形状を図5(d)に示すように、垂直にしたい場合には、(110)基板を用いた結晶異方性エッチングを行い、断面形状を図5(e)に示すようにテーパ状にしたい場合には、(100)基板を用いた結晶異方性エッチングを行う。また、ドライエッチングの場合、垂直断面やテーパ状断面、それぞれ得たい形状によりエッチング条件を決めれば良い。
次に、図5(f)に示すように、SOI基板70の表面のザグリ部80が形成された側から、エッチングによりBOX層74を除去する。エッチストップ層であるBOX層74が酸化膜の場合には、ドライエッチングによりエッチングを行う。
次に、図5(g)に示すように、上で形成したレジスト102及びエッチングに用いた酸化膜100を剥離する。
次に、図5(h)に示すように、SOI基板70の表面側に酸化膜層104を形成する。この酸化膜層104には、後にザグリ部80の中央部にノズルのストレート部が形成される。このノズルのストレート部が形成される酸化膜104は、酸化膜や窒化膜、酸窒化膜、炭素含有シリコン酸化膜、炭化シリコン膜などを、CVDやスパッタを用いて形成する。膜厚はノズルのストレート部の設計値となるように決めれば良い。また、材料(酸化膜や窒化膜)の組成や組成比を調整する事や、成膜時には、印加する高周波電力を調整して応力(圧縮、引っ張り応力)を制御して成膜を行う。
なお、酸化膜層は、単層に限らず、複数層でも良く、酸化膜層形成後に撥液層を形成しても良い。また、撥液層をノズルのストレート部としてもよい。
次に、図5(i)に示すように、SOI基板70の裏面側のシリコン基板(活性層)72bにレジスト106をパターニングしてマスクを形成する。
次に、図5(j)に示すように、SOI基板70の裏面側より、レジスト106をマスクとしてシリコン基板72bのテーパエッチングを行い、ノズルのテーパ部51Aを形成する。これには、前述した各実施形態と同様にして、ドライエッチングを用いてテーパエッチングを行えば良い。
次に、図5(k)に示すように、上と同様にレジスト106をマスクとして酸化膜層104をエッチングして、酸化膜層104にノズルのストレート部51Bを形成する。これには、ドライエッチングを用いて異方性エッチングを行えば良い。なお、このとき、第1実施形態等と同様にザグリ部80に犠牲樹脂を入れ、その下にダミー基板を付けておいても良い。
最後に図5(l)に示すように、レジスト106を剥離する。これにより、テーパ部51Aとストレート部51Bを有するノズル51と、ノズル51の近傍に形成されたザグリ部80を有するノズルプレートが得られる。
以上説明したように、本発明における各実施形態におけるノズルプレートは、ザグリ部80を含む厚い基材(SOI基板70)にノズル51のテーパ部51Aとストレート部51Bが一体形成されている。このとき、ストレート部51Bに接続するテーパ部51Aの底面における径がストレート部51Bの径と等しくなるように形成されており、テーパ部51Aの底面における径とストレート部51Bの径とが寸法が異なることによる段差が存在しないため、気泡が発生することがない。
また、ノズル51にテーパ部51Aを形成したことにより、高粘度インクを吐出する際の抵抗を下げることができ、吐出効率が良い。また、ストレート部51Bを設けることで、吐出方向の安定性を高めることが可能となる。
さらに、基板が厚いため剛性が高く、製造時における基板割れを低減することができ、歩留りの向上を図ることができる。また、基板が厚いため、チップ化した時の反りが無く、本発明によるノズルプレートを以下説明するように組み込んでインクジェットヘッドを形成した時、ヘッド本体への接合時の精度を向上させることができる。
また、ノズル近傍にザグリ部を形成したため、紙ジャムなどからノズル表面を保護することができる。
また、上記第3実施形態のように、ザグリ部に酸化膜を形成し、この酸化膜にノズルのストレート部を形成するようにした場合には、ノズルストレート部の長さ(厚さ)を任意に決めることができ、設計値に対してプロセスの自由度を広げることができる。また、応力を制御して酸化膜を形成するようにしたため、ノズル近傍において、反りが無く、高精度のノズル孔を形成することができる。
次に、上で説明した各実施形態によって製造されたノズルプレートを組み込んだインクジェットヘッド(印字ヘッド)について説明する。
図6は、本発明のノズルプレートを組み込んだ印字ヘッド50の平面透視図である。また図7は、図6中の7−7線に沿った断面図であり一つのノズルに対応したインク室ユニットの立体的構成を示すものである。
記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。図6に示すように、本例の印字ヘッド50は、インク滴の吐出口であるノズル51と連通するインク室(圧力室)52及びインク室52にインクを供給するインク供給口53等から成る複数のインク室ユニット54を、千鳥で2次元マトリクス状に配置した構造を有している。これにより、図に示す横方向である印字ヘッド50の長手方向(記録紙搬送方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)を高密度化することができる。
また、図6に示すように、各ノズル51に対応して設けられているインク室52は、その平面形状が概略正方形となっており、その対角線上の両隅部にノズル51とインク供給口53が設けられている。
また、図7に示すように、印字ヘッド50は、主にノズルプレート61、流路基板63、インク室基板64、振動板56、圧電素子58、(ピエゾ)カバー65を備えている。
印字ヘッド50のノズル面(インク吐出面)50A(60A)には、本発明に係るノズルプレート61が設けられている。ノズルプレート61は、撥液膜62とシリコン基板60を有している。
また、インク室基板64により形成されるインク室(圧力室)52は、インク供給口53を介して共通流路55と連通されている。共通流路55は、図示を省略したインク供給源たるインクタンクと連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路55を介して各インク室52に分配供給される。
シリコン基板60の撥液膜62が形成される面と反対側の面には、インク室52とノズル51とをつなげる連通孔を有する流路基板63が接合されている。インク室52の天面を構成している振動板56は共通電極を兼ね、個別電極57を備えた圧電素子58が接合されており、個別電極57と共通電極(振動板56)とに駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形してインク室52の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル51からインクが吐出される。インク吐出後、共通流路55からインク供給口53を介して新しいインクがインク室52に供給される。また、圧電素子58は、振動板56に接合する(ピエゾ)カバー65によつて覆われて保護されている。
次に、今説明した印字ヘッド50を利用した画像形成装置として、インクジェット記録装置の全体構成について説明する。
図8は、インクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。
図8に示すように、インクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12を備えている。この各色毎の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、それぞれが、上で説明した本発明の印字ヘッド50の構造を有している。
また、インクジェット記録装置10は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14、記録紙16を供給する給紙部18、記録紙16としてロール紙を用いる場合にロール紙のカールを除去するデカール処理部20、印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24及び印画済みの記録紙16(プリント物)を外部に排紙する排紙部26を有している。
図8では、給紙部18の一例として、ロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、またはこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって記録紙16を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図8に示すように、裁断用のカッター28が設けられており、このカッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を用いる場合にはカッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16は、マガジンに装填されていたことによる巻き癖が残りカールする。この巻き癖を除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には図示を省略した多数の吸引孔が形成されている。図8に示したように、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図8において時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図8の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ローラ等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾きやすくなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを記録紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図6参照)。
印字部12を構成する各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってノズル(インク吐出口)51が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(記録紙搬送方向)に沿って上流側(図8の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドが色毎に設けられてなる印字部12によれば、記録紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが記録紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル(シリアル)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては、本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図8に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されているるまた、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されれたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐光性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凸凹形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排出部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分印字を行った場合に、切り離す。
カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッタ28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソータが設けられている。
以上、本発明のノズルプレートの製造方法等について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
(a)〜(j)は、本発明の第1の実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す説明図である。 (a)〜(e)は、ノズルのテーパ部の第1の形成方法を示す説明図である。 (a)、(b)は、ノズルのテーパ部の第2の形成方法を示す説明図である。 (a)〜(j)は、本発明の第2の実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す説明図である。 (a)〜(l)は、本発明の第3の実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す説明図である。 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図である。 図6中の7−7線に沿った断面図である。 本発明のノズルプレートを組み込んだ印字ヘッドを用いた画像形成装置としてのインクジェット記録装置を示す概略構成図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51…ノズル、51A…ノズルのテーパ部、51B…ノズルのストレート部、70…SOI基板、72…シリコン基板、72a…支持基板としてのシリコン基板、72b…活性層としてのシリコン基板、74…BOX層、76…酸化膜、78…レジスト、80…ザグリ部、82…犠牲樹脂、84…ダミー基板、86…レジスト、90…レジスト、92…酸化膜、94…レジスト

Claims (5)

  1. シリコン基板の間に埋め込み酸化膜を有する3層構造の基板を用い、
    前記3層構造の基板を構成するシリコン基板のうち一方のシリコン基板に対して、前記埋め込み酸化膜をエッチストップ層としてエッチングによりザグリ部を形成する工程と、
    前記ザグリ部を形成したシリコン基板とは前記埋め込み酸化膜を挟んで反対側のシリコン基板の前記ザグリ部に対応する位置に、エッチングによりノズルのテーパ部を形成する工程と、
    前記埋め込み酸化膜に対して、前記ノズルのテーパ部の形成に用いたマスクと同一のマスクを用いてエッチングによりノズルのストレート部を形成する工程と、
    を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  2. 前記3層構造の基板を構成するシリコン基板は、一方が他方よりも膜厚が厚く、該厚い方のシリコン基板に前記ザグリ部を形成することを特徴とする請求項1に記載のノズルプレートの製造方法。
  3. シリコン基板の間に埋め込み酸化膜を有する3層構造の基板を用い、
    前記3層構造の基板を構成するシリコン基板は一方が他方よりも膜厚が厚く、該厚い方のシリコン基板に対して、前記埋め込み酸化膜をエッチストップ層としてエッチングによりザグリ部を形成する工程と、
    前記ザグリ部に面した埋め込み酸化膜を剥離する工程と、
    前記ザグリ部が形成された側の面に対して膜を形成する工程と、
    前記ザグリ部が形成されたシリコン基板とは反対側のシリコン基板に対して、前記形成された膜をエッチストップ層としてエッチングによりノズルのテーパ部を形成する工程と、
    前記膜に対して、前記ノズルのテーパ部の形成に用いたマスクと同一のマスクを用いてエッチングによりノズルのストレート部を形成する工程と、
    を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  4. 前記ザグリ部が形成された側の面に対して形成する膜は、成膜時に応力が制御されていることを特徴とする請求項3に記載のノズルプレートの製造方法。
  5. 前記ザグリ部の膜は、酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、炭素含有シリコン酸化膜、炭化シリコン膜の少なくとも1つであることを特徴とする請求項4に記載のノズルプレートの製造方法。
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