JPH0768219A - 薄膜の形成法 - Google Patents

薄膜の形成法

Info

Publication number
JPH0768219A
JPH0768219A JP21774593A JP21774593A JPH0768219A JP H0768219 A JPH0768219 A JP H0768219A JP 21774593 A JP21774593 A JP 21774593A JP 21774593 A JP21774593 A JP 21774593A JP H0768219 A JPH0768219 A JP H0768219A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
forming
thin film
solution
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21774593A
Other languages
English (en)
Inventor
Kensuke Makita
研介 牧田
Yasuo Moriguchi
泰夫 森口
Junichi Okuda
順市 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP21774593A priority Critical patent/JPH0768219A/ja
Publication of JPH0768219A publication Critical patent/JPH0768219A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Window Of Vehicle (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】リバースロールコート成膜法によって、10μm
程度以下、特に1μm程度以下の薄膜を連続的に基板上
に塗布し成膜する薄膜の形成法に関する。 【構成】基板上にリバースロールコート成膜法によって
薄膜を形成する方法において、被膜形成用溶液として、
金属アルコキシド、金属アセチルアセトネートもしくは
金属石ケンの有機金属化合物のうち少なくとも1種類
と、1種もしくは2種以上の有機溶剤とを含み、かつ有
機金属化合物の濃度が酸化物に換算して0.1wt %〜10wt
%で、しかも溶液の粘度が0.1cP 〜100cP に調製した溶
液を用い、成膜後焼成する薄膜の形成法。更に前記リバ
ースロールコート成膜が、ロールの回転速度を2〜55m
/分、基板の搬送速度を1〜30m/分とし、かつロール
の回転速度が基板の搬送速度より速くなるようにする薄
膜の形成法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコキシドゾルなど
の溶液を用いて行う湿式成膜法において、ことに大面積
等の基板における片面のみの一部もしくは全面に、10μ
m程度以下、特に1μm程度以下の膜厚を制御性よく薄
膜を連続的に形成することができ、広い面積に渡って均
一な膜厚分布を持つ酸化物薄膜を高効率で提供できる有
用な薄膜の形成法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来、溶液を用いて基板に
塗膜を形成する湿式成膜においては、例えば基板を溶液
中に浸漬した後一定速度で引き上げるディッピング法、
基板の上部から溶液を基板上に流し拡げるフローコート
法、回転するプラスチイツクロール表面を溶液で濡らし
基板を搬送しながらロールに接触させるロールコート
法、あるいは回転する基板上に溶液を落とし回転力によ
って基板上に流し拡げるスピンコート法など種々の方法
が知られている。
【0003】これらの方法のうち、前記したディッピン
グ法やスピンコート法は膜厚の制御性が非常に優れ、例
えばサブミクロンオーダーでの膜厚制御が可能な方法と
して一般によく利用されているが、前者では常に基板の
両面全面に塗膜が形成されてしまい、片面のみに塗膜を
形成する場合には非成膜面をマスキングテープなどで覆
って成膜操作を行う必要があり、また後者は基板の片面
に膜厚の制御性がよく塗膜を形成されるが、基板のサイ
ズが大きくなると該基板を高速で回転させるため大掛か
りな装置が必要となり、また基板の着脱も極めて煩雑と
なり易い。
【0004】一方前記したフローコート法やロールコー
ト法は基板の片面に極めて容易に塗膜を形成することが
てきるが、例えば1μm程度以下の極めて薄い膜を得よ
うとすると、フローコート法では幅広い溶液のカーテン
を作るため、常に多量の溶液を循環させねばならず、溶
液が溶質濃度の増加や粘度の増加などの経時変化を起こ
しやすかったり、ロールコート法ではロールと基板の接
触度合(ギャップ)の調整が非常に困難であったりする
ため、大きいサイズの基板上に薄膜を形成しようとする
と、得られる膜厚が場所によってバラツキ易く、均一な
膜、特に例えば膜厚が±10%以内に入る光学薄膜などが
得られ難く、ことにサブミクロンオーダーでの膜厚制御
が困難で例えば光学薄膜などの形成には不適である。
【0005】またロール回転方向と基板の搬送方向とが
反対の所謂リバースロールコート法においても、例えば
10μm程度以上の比較的厚い膜では膜厚の揃った均一な
膜が得られるものの、例えば1μm以下の薄膜、ことに
光学薄膜では良好な薄膜を得難く実用例はないといって
も過言ではないと言えるものであった。
【0006】また、例えば特開平5ー57225 号公報に
は、溝付きコータロールによる塗布方法及び装置が記載
されており、スクイズ式塗布方法において、コータロー
ルの溝をコータロールの軸方向に対して螺旋状に形成
し、コータロールの溝と同一形状の凸条刃を有する整形
金物をコータロールの溝に合致させて押付けるととも
に、コータロールの溝に反復追従させながら塗布を行う
というものであるものの、なお光学薄膜の塗膜を形成す
るには必ずしも好適とは言い難いものである。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る問題点に鑑みてなしたものであって、リバースロール
コート法でもって、有機金属化合物を主成分とした特定
溶液で、溶質濃度(酸化物濃度)と粘度を所定の範囲に
限定することで、さらにまた/および成膜時のロール回
転速度とガラス基板の搬送速度を最適範囲で行い、かつ
ロールの回転速度がガラス基板の搬送速度より速く設定
することによって、基板の片面のみの一部もしくは全面
あるいはほぼ全面のいずれの場合に対しても、ディッピ
ングと同レベルの膜厚制御性を保ちつつ、10μm程度以
下、特に1μm程度以下の薄膜について膜厚分布が±10
%以内に入る光学薄膜が得れる薄膜の形成法を提供する
ものである。
【0008】すなわち、本発明は、基板上にリバースロ
ールコート成膜法によって被膜を形成する薄膜の形成法
において、被膜形成用溶液として、金属アルコキシド、
金属アセチルアセトネートもしくは金属石ケンの有機金
属化合物のうち少なくとも1種類と、1種もしくは2種
以上の有機溶剤とを含み、かつ有機金属化合物の濃度が
酸化物に換算して0.1wt %〜10wt%で、しかも溶液の粘
度が0.1cP〜100cPに調製した溶液を用い、成膜後焼成す
ることを特徴とする薄膜の形成法。
【0009】ならびに、前記リバースロールコート成膜
が、ロールの回転速度を2〜55m/分、基板の搬送速度
を1〜30m/分とし、かつロール回転速度が基板搬送速
度より速くなるようにすることを特徴とする上述した薄
膜の形成法。
【0010】さらに、前記有機金属化合物として、Si、
Ti、ZrもしくはSnの金属アルコキシドのうちの1〜3種
類を選択し、あるいはInおよびSnの金属アルコキシドの
混合物、あるいはZnの金属石ケンをそれぞれ用いること
を特徴とする上述した薄膜の形成法。
【0011】また、前記した焼成を行うに当たり、成膜
後いったん400 ℃以下の温度で乾燥し、さらにこの上に
重ねて異種の膜を成膜し、再び400 ℃以下の温度で乾燥
を行うという工程を繰り返して薄膜を多層に積層した
後、400 ℃以上の温度で焼成することを特徴とする上述
した薄膜の形成法。
【0012】さらに、前記した焼成が、成膜後500 〜70
0 ℃の温度で焼成することを特徴とする上述した薄膜の
形成法。さらに、前記薄膜の形成法において、前記被膜
形成用溶液のうち、基板上に塗布されずに回収されるも
のについて、前記被膜形成用溶液と同一の原料物を含
み、かつ有機金属化合物の濃度が元の被膜形成用溶液よ
り低くなるように有機溶剤の含有量を増やして調製した
副被膜形成用溶液を一定割合で添加しながら、再度被膜
形成用溶液としてコートロール面上に供給する被膜形成
用溶液循環式のリバースロールコート成膜であることを
特徴とする上述した薄膜の形成法をそれぞれ提供するも
のである。
【0013】ここで、前記被膜形成用溶液としては、金
属アルコキシド、金属アセチルアセトネートもしくは金
属石ケンの有機金属化合物のうち少なくとも1種類と、
1種もしくは2種以上の有機溶剤とを含み、かつ有機金
属化合物の濃度が酸化物に換算して0.1wt %〜10wt%
で、しかも溶液の粘度が0.1cP〜100cPに調製した溶液を
用い、安定性があり、耐摩耗性や耐久性さらに光学特性
等にも優れたものであり、比較的安価に入手できるもの
がよい。
【0014】例えば前記金属アルコキシド化合物として
は、金属原子にすべてアルコキシ基のみが結合した場
合、すなわちメトキシド、エトキシド、イソプロポキシ
ド等のみならず、その一部がメチル基、エチル基等に置
換したもの、例えばモノメチルアルコキシド、モノエチ
ルアルコキシド等を含むものであり、あるいは一部が塩
素などのハロゲンに置換したものであってもよい。また
金属アセチルアセトネート化合物としては、金属原子に
すべてアセチルアセトン基のみが結合した場合のみなら
ず、その一部がメチルアルコキシ基、エチルアルコキシ
基等に置換したものを含むものである。
【0015】さらに前記金属としては、格別特定するも
のではないが、Si、Ti、ZrもしくはSn等あるいはInを適
宜特定し選択するのが好ましく、かかる有機金属化合物
の具体的なものとしては、例えばテトラメトキシシラン
〔Si(OMe)4Me:CH3 〕、テトラエトキシシラン〔Si(OE
t)4Et:C2H5〕、メチルトリエトキシシラン〔MeSi(OEt)
3〕、メチルトリメトキシシラン〔MeSi(OMe)3〕、チタ
ンテトライソプロポキシド〔Ti(O-iso-Pr)4 Pr:C
3H7〕、チタンアセチルアセトネート〔Ti(CH2COCH2COCH
3)4〕、ジルコニウムノルマルブトキシド〔Zr(O-n-Bu)
4 Bu:C4H9〕、ジルコニウムアセチルアセトネート〔Zr
(CH2COCH2COCH3)4〕等が好適であり、他に例えばジメチ
ルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、チタ
ンテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムテトライソ
プロポキシド、ジルコニウムテトラオクチレート、スズ
テトラノルマルブトキシド、インジウムテトラノルマル
ブトキシド等がある。
【0016】さらに有機溶剤としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イ
ソブタノール、エトキシエタノール、メトキシプロパノ
ール、ノルマルアミルアルコール、イノアミルアルコー
ル、ベンジルアルコール、エチレングリコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテルなどのアルコール類もしくは多価ア
ルコールの誘導体、エチルエーテル、ジクロルエチルエ
ーテル、イソプロピルエーテル、ノルマルブチルエーテ
ルなどのエーテル類、また酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマル
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ベンジル、アセト酢酸エ
チル、フタル酸ジブチルなどのエステル類、またアセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセチルア
セトン、イソボロンなどのケトン類、またベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、またテトラク
ロロエチレン、トリクロロエチレン、トリクロロエタ
ン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハ
ロゲン系溶媒等が好適に用いられ得るが、特に上記に限
定されるものではない。
【0017】本発明は所謂リバースロールコート成膜法
と所謂ゾルゲル法を組み合わしたものであり、上記例示
した有機金属化合物以外に、金属カルボキシレートなど
も好適に用いられ得るものである。さらに広い観点から
は請求項に示した有機金属化合物以外にも、硝酸塩、オ
キシ塩化物、塩化物などの金属無機化合物あるいは単に
酸化物微粒子を分散したゾルなども本発明の薄膜の形成
法に好適に使用可能と言えるものである。
【0018】また、被膜形成用溶液の有機金属化合物す
なわち溶質の濃度を、酸化物換算で0.1 〜 10wt %とし
たのは、0.1 wt%未満では例えば前記溶液の供給量なら
びに前記ロールと基板の回転速度を変えて所期の膜厚を
得ようとした際、該速度が遅くなる等で膜厚分布が悪化
しバラツキが増すのみでなく所期の膜厚が得れないこと
となり、例えば膜厚が10nmから単分子層状膜になると実
用的な薄膜になり難くなるためであり、10wt%を超える
と焼成後薄膜にクラックが発現する傾向が高くなるとと
もに強固な薄膜を得ることが困難となること、および膜
厚分布が不均一、そのバラツキが±10%程度以下となら
ず、バラツキがかなり大きくなること等のためである。
好ましくは0.5 〜7wt %程度である。
【0019】さらにまた、成膜用の溶液の粘度を0.1 〜
100cP としたのは、これによって形成された被膜の膜厚
分布を均一化することができることとなるためであり、
100cP を超えると成膜用の溶液がロール上に均一に塗れ
広がりにくくなり、このため膜の均質性が低下してしま
うこととなる。好ましくは1 〜20cP程度である。
【0020】さらにまた、ロールの回転速度を2〜55m
/分としたのは、2m/分未満ではロール表面での溶液
の流れや乾燥などのトラブルを生じやすく、55m/分を
超えると溶液の飛散などが起こりやすく、作業上も機械
の扱いが複雑となり易いためであり、またロールの回転
速度を基板の搬送速度より速くするようにするのは、常
に基板に接するロール面に新鮮な溶液が供給されるよう
にするためである。
【0021】さらにまた、前記被膜後の膜付き板ガラス
の膜焼成については、例えばラインでの加熱曲げ処理加
工あるいは/および風冷強化処理加工等の工程で適宜行
うことが好ましい。
【0022】さらにまた、前記基板としては、平滑であ
る無機質あるいは有機質の透明板ガラスであって、無色
または着色、ならびにその種類あるいは色調等に特に限
定されるものではなく、さらに焼成後には曲げ板ガラス
としてはもちろん、各種強化ガラスや強度アップガラ
ス、平板や単板で使用できるとともに、複層ガラスある
いは合せガラスとしても採用できるものであり、また各
種板状体にも適宜採用できることは言うまでもない。
【0023】
【作用】前述したとおり、本発明の薄膜の形成法は、光
学薄膜に採用し難いとされたリバースロールコート成膜
法において、特定の有機金属化合物で、特定の溶質濃度
および粘度、また好ましくは該ロールの回転速度と基板
の搬送速度を特定し、かつその速度の関係を特定するこ
と、さらには焼成温度を例えば曲げあるいは強化処理工
程の温度等でも行えるものとすることにより、平滑な大
面積の基板においても、片面の全面乃至は特定の一区域
面でもマスキングやエッチングなどの操作を基本的に必
要とせずに、片面の一部もしくは全面に、ディッピング
法に比して同等もしくは優れる膜厚の制御性でもって、
均一かつ均質に優れしかもバリエーシヨンに富んだ被膜
ができ、光学特性を損なうこともなく、10μm程度以
下、特に1μm程度以下であって±10%程度以下の膜厚
分布でしかも頑固な密着力で耐摩耗性あるいは耐久性等
が優れた光学薄膜となり、ことに大面積サイズのガラス
基板にも最適であって、余剰の被膜形成用溶液を回収再
利用することでその溶液が従来法より少なくて済み、そ
の被膜形成速度も従来法に比し優れて速くできるもので
あり、簡便で安定かつ確実に厄介な工程もなく、しかも
高品位でかつ非常に効率よく製造でき、紫外線遮蔽膜、
反射防止膜、熱線反射膜、ある種のパッシベーション膜
例えばネサ膜の下地膜、HUD 等の各種機能性薄膜など広
い分野の薄膜形成で適用し得る有用な薄膜の形成法を提
供することができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0025】図1は以下の各実施例で使用したリバース
ロールコーターを示し、ガラス基板2を搬送する搬送
ベルト5上に、EPDM製のコートロール3と表面がCrメッ
キ製またはSUS製メッシュ(180線/in、深さ45μm)の
ドクターロール4および掻き落し用ドクターブレード8
を適宜組み合わせ、図示していないが、前記搬送ベルト
とロールの回転速度およびロールの間隔調整、さらに塗
布溶液の送りおよび回収調節等の機構を備える装置であ
って、該リバースロールコーター1での成膜は、被膜形
成用溶液6を付着するロールが回転する方向と被膜形成
基板が移動する方向を正反対にして膜層7を形成する所
謂リバースロールコート成膜法である。
【0026】なお、前記ドクターブレード8によって常
にコートロール3表面の付着溶液を掻き落し、もとの新
鮮な表面となるようにする。
【0027】実施例1 テトラエトキシシランを加水分解して得たシリカゾル
を、エタノールとイソプロピルアルコールを体積比で
9:1に混合したアルコールで、酸化物換算濃度が約
1.8wt%かつ粘度が2〜4cPとなるように調製した。
【0028】この溶液を用い、約6m/分の速度で回転
するコートロール上に均一に供給しつつ、該ロール下に
予め洗浄しよく乾燥した約3mm厚のフロートガラス板
を、該ロールの回転方向と向きに回転する搬送ベルト
上に載せ、約3.5m/分の一定速度で静かに移動させた。
この際、該ロールと搬送ベルトとのギャップをガラス板
の板厚より約0.05mm程度少ない約2.95mm程度とした。
【0029】ロール下を通過し終えたガラス板は約1分
間静置した後、約500 ℃の電気炉で水平に静置したまま
約10分間焼成した。得られた膜付きガラス板は、エリプ
ソメーターで多点測定すると、表面に屈折率が約1.45の
SiO2薄膜が均一に形成されており、平均膜厚が約105nm
程度、標準偏差が約5nmであり、均一な膜厚分布であっ
た。
【0030】実施例2 実施例1で使用したシリカゾルをイソプロピルアルコー
ルと酢酸エステルを体積比で約10:1に混合した溶媒で
約6wt%に希釈し、粘度が3〜5cPとなるように調製し
た。
【0031】この溶液を用い、実施例1と同様な方法で
約3mm厚のフロートガラス板上にリバースロールコート
成膜を行った。この際、前記コートロールの回転速度を
約35m/分、ガラス板の搬送速度を約10m/分で行っ
た。
【0032】ロール下を通過し終えたガラス板は実施例
1と同様約1分間静置した後、約500 ℃の電気炉で水平
に静置したまま約10分間の焼成をした。得られた膜付き
ガラス板は、実施例1と同様、エリプソメーターで多点
測定すると、表面に屈折率が約1.45程度のSiO2薄膜が均
一に形成されており、平均膜厚が約200nm 程度、標準偏
差が約9nmであり、均一な膜厚分布であった。
【0033】実施例3 チタンのアルコキシドを加水分解して得たゾルを、イソ
プロピルアルコールとエチルセロソルブを1:1に混合
した溶媒で約 5.5wt%に希釈し、粘度が2〜6cPとなる
ように調製した。
【0034】このゾルを約18m/分の速度で回転するコ
ートロール上に均一に供給し、この下を2mm厚のフロー
トガラス板を搬送ベルト上に載せ、約10m/分の速度で
該ロールの回転と逆向きに移動させた。この際、該ロー
ル下端と搬送ベルトとのギャップを約1.95mm に調整し
て行った。
【0035】ロール下を通過し終えたガラス板はSiC 板
の上に載せ、雰囲気温度が約650 ℃の電気炉中で約5分
間焼成した。得られた膜付きガラス板は、実施例1と同
様、エリプソメーターで多点測定すると、表面に屈折率
が約2.20程度のTiO2薄膜が均一に形成されており、平均
膜厚が約150nm 程度、標準偏差が約9nmであり、均一な
膜厚分布であった。
【0036】実施例4 2エチルヘキサン酸亜鉛とリノール酸およびキシレンを
混合して溶質濃度がZnO 酸化物換算で約 4.5wt%、粘度
が5〜10cPになるように調製した。
【0037】この溶液を用い、実施例2と同一の条件で
約3mm厚のフロートガラス板上に成膜した。コートロー
ル下を通過し終えたガラス板は直ちに約550 ℃の電気炉
に入れ、燃焼ガスを絶えず炉外に排出しながら約30分間
焼成した。
【0038】得られた膜付きガラス板を強塩酸で部分エ
ッチングした後、触針式膜厚計で膜厚を測定したとこ
ろ、約700nm であった。この薄膜はZnO 薄膜であって、
分光透過率を調べると約370nm 以下の紫外線を全く透過
しない紫外線遮蔽効果を示した。
【0039】実施例5 テトラエトキシシランを加水分解して得たゾルとチタン
テトライソプロポキシドを加水分解して得たゾルとを、
それぞれ酸化物換算のモル比が60:40 となるように混合
攪拌し、さらにこのゾルをイソプロピルアルコールで、
トータルの酸化物換算の濃度が3.0wt %となるように希
釈した。粘度は2〜6cPである。
【0040】この溶液を用い実施例2と同一条件で充分
に洗浄乾燥した2mm厚の約1,600mmx900mm のフロート
ガラス板上にリバースロールコート成膜を行った。コー
トロール下を通過し終えたガラス板は約250 ℃で約30分
間乾燥させた。
【0041】次にこの膜付きガラス板を再度水洗し水切
り乾燥をした後、テトラエトキシシランを加水分解した
ゾルをエタノールで酸化物換算した濃度が2.5wt %にな
るように希釈し、粘度が2〜6cPである溶液で、先に成
膜したと同一面上にリバースロールコート成膜を行っ
た。この際、ロールの回転速度は約30m/分、ガラス板
の搬送速度は約10m/分で行った。コートロール下を通
過し終えたガラス板は第1層目と同様に、約250 ℃で約
30分間乾燥させた。
【0042】さらに、この2層積層膜付きガラス板を自
動車用フロントガラスとしての形状に切断加工し、これ
と同一形状で成膜をしていない2mm厚のフロートガラス
板と膜面が外側となるように重ね合せた後、約650 ℃の
炉に入れ約15分間焼成して曲げ処理加工を行った。この
際、膜面が凹面となるようにした。
【0043】次いで該ガラス板を再度1枚ずつ分離した
後、よく洗浄乾燥し、2枚のガラス間に約0.8mm 厚のポ
リビニルブチラール膜を挟持させた、約130 ℃で約10気
圧のオートクレーブに入れ合せガラスとした。
【0044】同一の工程を経て得られたこれらの数枚の
膜付き合せガラスのうち1枚を切断しエリプソメーター
で光学測定をしたところ、ガラス板の片面にガラス面か
ら第1層目に屈折率が約1.75、膜厚が約100nm のTiO2
SiO2膜、第2層目に屈折率が約1.45、膜厚が約120nm の
SiO2膜がそれぞれ形成されており、約65°の入射光に対
し可視光反射率を約5%低減させる効果を持つ低反射ガ
ラスとなった。
【0045】
【発明の効果】以上前述したように、本発明によれば、
平滑な基板の片面のみに、大面積に渡っても均一な膜厚
分布の薄膜、特にバラツキが±10%程度以下で10μm程
度以下、ことに1μm程度以下の薄膜を、安価にかつ格
段に効率よく得られ、その光学特性を損なうことなく、
密着性、耐候性等に優れるものとなる等、紫外線遮蔽
膜、反射防止膜、下地層等のある種の保護膜、熱線反射
膜、HUD 膜などに広く採用できる利用価値の高い、有用
なゾルゲル膜等である酸化物薄膜の形成法を提供するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜の形成法を作用説明する図であ
る。
【符号の説明】 リバースロールコーター 2 ガラス基板 3 コートロール 4 ドクターロール 5 搬送ベルト 6 溶液 7 膜層 8 ドクターブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 18/12 18/31 E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にリバースロールコート成膜法に
    よって被膜を形成する薄膜の形成法において、被膜形成
    用溶液として、金属アルコキシド、金属アセチルアセト
    ネートもしくは金属石ケンの有機金属化合物のうち少な
    くとも1種類と、1種もしくは2種以上の有機溶剤とを
    含み、かつ有機金属化合物の濃度が酸化物に換算して0.
    1wt %〜10wt%で、しかも溶液の粘度が0.1cP〜100cPに
    調製した溶液を用い、成膜後焼成することを特徴とする
    薄膜の形成法。
  2. 【請求項2】 前記リバースロールコート成膜が、ロー
    ルの回転速度を2〜55m/分、基板の搬送速度を1〜30
    m/分とし、かつロール回転速度が基板搬送速度より速
    くなるようにすることを特徴とする請求項1記載の薄膜
    の形成法。
  3. 【請求項3】 前記有機金属化合物として、Si、Ti、Zr
    もしくはSnの金属アルコキシドのうちの1〜3種類を選
    択し、あるいはInおよびSnの金属アルコキシドの混合
    物、あるいはZnの金属石ケンをそれぞれ用いることを特
    徴とする請求項1ならびに2記載の薄膜の形成法。
  4. 【請求項4】 前記した焼成を行うに当たり、成膜後い
    ったん400 ℃以下の温度で乾燥し、さらにこの上に重ね
    て異種の膜を成膜し、再び400 ℃以下の温度で乾燥を行
    うという工程を繰り返して薄膜を多層に積層した後、40
    0 ℃以上の温度で焼成することを特徴とする請求項1乃
    至3記載の薄膜の形成法。
  5. 【請求項5】 前記した焼成が、成膜後500 〜700 ℃の
    温度で焼成することを特徴とする請求項1乃至3記載の
    薄膜の形成法。
  6. 【請求項6】 前記薄膜の形成法において、前記被膜形
    成用溶液のうち、基板上に塗布されずに回収されるもの
    について、前記被膜形成用溶液と同一の原料物を含み、
    かつ有機金属化合物の濃度が元の被膜形成用溶液より低
    くなるように有機溶剤の含有量を増やして調製した副被
    膜形成用溶液を一定割合で添加しながら、再度被膜形成
    用溶液としてコートロール面上に供給する被膜形成用溶
    液循環式のリバースロールコート成膜であることを特徴
    とする請求項1乃至5記載の薄膜の形成法。
JP21774593A 1993-09-01 1993-09-01 薄膜の形成法 Pending JPH0768219A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21774593A JPH0768219A (ja) 1993-09-01 1993-09-01 薄膜の形成法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21774593A JPH0768219A (ja) 1993-09-01 1993-09-01 薄膜の形成法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0768219A true JPH0768219A (ja) 1995-03-14

Family

ID=16709092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21774593A Pending JPH0768219A (ja) 1993-09-01 1993-09-01 薄膜の形成法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0768219A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6593252B1 (en) 1998-10-29 2003-07-15 Applied Materials, Inc. Film deposition method and apparatus
WO2006009202A1 (ja) * 2004-07-22 2006-01-26 Nippon Soda Co., Ltd. 有機薄膜形成方法、有機薄膜形成用補助剤及び有機薄膜形成用溶液
CN103842098A (zh) * 2011-10-03 2014-06-04 旭硝子株式会社 带低反射膜的物品的制造方法
CN103966577A (zh) * 2014-04-29 2014-08-06 中国航空工业集团公司北京航空材料研究院 一种应用于溶胶镀膜技术的薄膜干燥方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6593252B1 (en) 1998-10-29 2003-07-15 Applied Materials, Inc. Film deposition method and apparatus
WO2006009202A1 (ja) * 2004-07-22 2006-01-26 Nippon Soda Co., Ltd. 有機薄膜形成方法、有機薄膜形成用補助剤及び有機薄膜形成用溶液
US8568836B2 (en) 2004-07-22 2013-10-29 Nippon Soda Co., Ltd. Organic thin film forming method, auxiliary agent for forming an organic thin film, and solution for forming an organic thin film
CN103842098A (zh) * 2011-10-03 2014-06-04 旭硝子株式会社 带低反射膜的物品的制造方法
CN103966577A (zh) * 2014-04-29 2014-08-06 中国航空工业集团公司北京航空材料研究院 一种应用于溶胶镀膜技术的薄膜干燥方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6620454B2 (en) Processes for forming a faceplate having a transparent substrate with diffuser surface
Chen Anti-reflection (AR) coatings made by sol–gel processes: a review
KR960002743B1 (ko) 투명한 도전성 피막형성용 도포액, 그의 제조방법, 도전성 기판, 그의 제조방법 및 투명한 도전성 기판재를 구비한 표시장치
KR101657731B1 (ko) 슬롯 다이 코팅 방법
EP0166363B1 (en) Low reflectance transparent material having antisoiling properties
US5413865A (en) Water-repellent metal oxide film and method of forming same on glass substrate
AU725068B2 (en) Plastic articles having multi-layer antireflection coatings, and sol-gel process for depositing such coatings
EP0597490B1 (en) Reflectance reducing film and method of forming same on glass substrate
US5725957A (en) Transparent substrate with diffuser surface
US5510141A (en) Coating composition and method for forming thin film on substrate using same
KR20050016035A (ko) 무반사성을 갖는 광학 층 시스템
JP3387204B2 (ja) 偏光板、偏光板の製造方法および液晶表示装置
WO2002064524A1 (fr) Film irregulier et son procede de fabrication
AU1982692A (en) Window coating with low haze
US5552178A (en) Method for preparing anti-reflective coating for display devices
JP2007121786A (ja) コーティング液の製造方法、およびそのコーティング液を用いた反射防止膜の製造方法
JPH0768219A (ja) 薄膜の形成法
BE1005318A3 (fr) Verre portant un revetement et son procede de fabrication.
JP2004352524A (ja) 低反射物品及びその製法
JPH0781977A (ja) 反射防止膜およびその製造方法
JPH09225382A (ja) 成膜法
CN100392435C (zh) 形成突起膜的方法
JP3186437B2 (ja) 反射防止膜形成用塗布液および反射防止膜付基材
JP4023142B2 (ja) 反射防止材料およびその製造方法
JP3280225B2 (ja) ゾルゲル薄膜の成膜法