JPH0812375A - 撥水性物品及びその製造方法 - Google Patents

撥水性物品及びその製造方法

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JPH0812375A
JPH0812375A JP14886994A JP14886994A JPH0812375A JP H0812375 A JPH0812375 A JP H0812375A JP 14886994 A JP14886994 A JP 14886994A JP 14886994 A JP14886994 A JP 14886994A JP H0812375 A JPH0812375 A JP H0812375A
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polydimethylsiloxane
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fluoroalkyl group
solvent
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JP14886994A
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Inventor
Hiroaki Tada
弘明 多田
Hiroaki Yamamoto
博章 山本
Hirotsugu Nagayama
裕嗣 永山
Kazuishi Mitani
一石 三谷
Takashi Nozu
敬 野津
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/28Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material
    • C03C17/30Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material with silicon-containing compounds

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候性、耐水性、耐湿性などの耐久性能に優
れ、かつ優れた撥水性能を有する被覆を有する撥水性物
品が得ること。 【構成】 フルオロアルキル基含有シラン化合物と、ポ
リジメチルシロキサンおよび/またはポリジメチルシロ
キサン誘導体を溶媒中で加水分解して得られた溶液と、
アルコキシシラン化合物を溶媒中で加水分解して得られ
た溶液とを混合し、この混合液を基材表面に塗布するこ
とにより形成された、フルオロアルキル基およびメチル
基が塗膜の内層よりも外側表面層において高い濃度で存
在する撥水性物品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は撥水性物品、特に建築、
自動車、車両、航空機あるいは船舶などの風防ガラス、
光学部品レンズその他の物品に撥水性被膜を施した撥水
性物品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築、自動車、車両、航空機あるいは船
舶などの風防ガラス、光学部品レンズその他のガラス製
品等に用いられるガラス物品表面に撥水性を付与する
と、1)汚染成分を含有した水滴がガラス表面に残存し
ないため、ガラスの汚染防止や焼け防止効果がある、
2)撥水性ガラスを自動車のフロントガラスやサイドガ
ラスなどに使用した場合、雨天走行時でも、ガラス表面
に付着した雨水が風圧によって吹き飛ばされ、ドライバ
ーの視野が確保され走行安全性が向上する、など種々の
効果が期待できる。また、このような撥水性ガラスの作
製方法としては、ポリジメチルシロキサン系を中心とす
る有機シリコーン化合物や含フッ素シリコーン化合物か
らなる撥水剤をガラス表面に湿式塗布、プラズマや蒸着
により乾式塗布する方法などが一般的に用いられてい
る。
【0003】また、このような撥水性能を長期間にわた
って維持するためには基材表面との結合性を高めたり、
基材中から撥水膜中に撥水膜を劣化させる成分が溶出す
るのを防ぐため、撥水剤との結合性の良い材料や、ガラ
ス中のアルカリ金属イオンなどの不純物遮蔽性の高い材
料を(1)あらかじめ基材に成膜したり、(2)撥水剤
と混合したものを基材に塗布する方法が考案された。例
えば(1)の例としては酸化珪素膜を成膜した上にシリ
コーン系撥水剤を塗布するもの(特開平5−2488
5)、(2)としてはいわゆるゾルゲル法による膜で、
例えばアルコキシシラン化合物とフルオロアルキルシラ
ン化合物を混合したものを加水分解する(特開平4−3
38137)、あるいは、アルコキシシラン化合物を加
水分解したものにフルオロアルキルシランを反応させ合
成したフルオロアルキルシラン変性シラノールオリゴマ
ー(特公昭63−24554)を塗布することにより成
膜されたフルオロアルキル基含有酸化珪素膜を挙げるこ
とができる。(3)としてはゾルゲル膜の改良法が挙げ
られる。これは、フルオロアルキルシラン化合物の加水
分解液とアルコキシシラン化合物の加水分解液を別々に
調製し、コーティング直前に両者を混合、希釈し、塗布
液とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)
の方法では、撥水剤を一度だけ基材に塗布する方法にく
らべて耐久性が高くなるものの、2度の処理を必要とす
るため実用的なコストを達成することは難しい。また、
(2)の方法では単層膜であるため製造コストは実用的
であるが、充分な耐久性向上効果は得られない。また
(2)の方法で製造した撥水膜は(1)の方法で製造し
た撥水膜にくらべて耐久性は若干改良されるものの、初
期の撥水性能が低いという問題があった。さらに、
(3)の方法で作製した撥水膜は(2)の方法による膜
に比べて、水に対する接触角が増加し、耐水性が向上す
る。しかしながら、水滴の滑り落ち易さを示す転落角も
増加する傾向が認められた。一般的な用途についてもそ
うであるが、特に自動車用の撥水性ガラスでは、安全性
確保のために低い転落角が必要になる。
【0005】本発明はこのような欠点を除去し、優れた
撥水性能(即ち、高い接触角と低い転落角)と高耐久性
能を合わせ持つ実用的なコストのガラス等の透明物品ま
たは不透明物品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはゾルゲル法
で撥水膜を成膜するのに用いる塗布液を調合する際、フ
ルオロアルキル基含有シラン化合物を溶媒中で加水分解
して得られた溶液と、アルコキシシラン化合物を溶媒中
で加水分解して得られた溶液とを混合し、この混合液を
基材表面に塗布することにより、水に対する接触角を増
加させ、かつ耐久性能を改善し得ることを見いだした。
この方法による撥水膜は、最表面でのフルオロアルキル
基密度が従来法より高く、水に対する接触角は増加す
る。しかしながら、転落角はかなり大きい。この原因
は、剛直で嵩高いフルオロアルキル基がたとえ基板表面
に最密充填されたとしても、その大きな隙間を通して水
と基板表面が相互作用し得るためと考えられる。水と基
板表面との相互作用が大きくなると、転落角が増加する
ことが既に報告されている(多田,永山,J.Electroche
m.Soc., 140巻, L140頁,1993年)。
【0007】本発明は、フルオロアルキル基同志の比較
的大きな間隙を小さなメチル基で埋めることにより、水
と基板表面との直接的な相互作用を減少させることを意
図したものである。
【0008】すなわち、本発明は(a1)フルオロアル
キル基含有シラン化合物と、(a2)ポリジメチルシロ
キサンおよび/またはその誘導体の混合物を溶媒中で加
水分解して得られた溶液(A)と、アルコキシシラン化
合物を溶媒中で加水分解して得られた溶液(B)とを混
合し、この混合液を基材表面に塗布することにより形成
された、フルオロアルキル基およびメチル基が塗膜の内
層よりも外側表面層において高い濃度で存在する撥水性
物品である。
【0009】また、本発明の方法はいわば2層膜を1回
の塗布工程で成膜できる方法でありコスト面からも上記
の従来法のような2回の塗布で2層膜を成膜する方法よ
り有利である。
【0010】本発明におけるフルオロアルキル基含有シ
ラン化合物とはアルキル基を有するシラン化合物であっ
てそのアルキル基の水素の一部または全部をフッ素で置
換したものであり、例えば3−ヘプタデカフルオロデシ
ルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロ
ピルトリメトキシシラン、ビス−パートリフルオロプロ
ピルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリ
クロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルモノメチルジ
クロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルジメチルモノ
クロロシラン等を挙げることができる。
【0011】本発明におけるポリジメチルシロキサンお
よびポリジメチルシロキサン誘導体は、前述の様にフル
アロアルキル基間の隙間を埋める役割をするメチル基の
供給源になるものである。この場合に、分子鎖中にメチ
ル基を有するポリマーであれば、いかなるものでも使え
るわけではない。即ち、剛直なフルアロアルキル基の間
隙に十分入れるようにポリマー鎖が柔軟であることが重
要である。本発明者らは、鋭意研究の結果、ポリジメチ
ルシロキサンおよびその誘導体がこの様な要求を満足し
得るものであることを見いだし、本発明をなすに至っ
た。具体的に、ポリジメチルシロキサンおよびポリジメ
チルシロキサン誘導体としては、単位構造としてジメチ
ルシロキサンを含むものであれば、いかなる種類のもの
でも使用することができる。例えば、ポリジメチルシロ
キサン以外にも、両末端のそれぞれまたは片末端に1〜
3個のヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基を有す
るポリジメチルシロキサン誘導体、さらには1部の側鎖
にこれらの官能基を有するポリジメチルシロキサン誘導
体等を使用することができる。ポリジメチルシロキサン
およびポリジメチルシロキサン誘導体の分子量は特に制
限されるものではなく、ポリマーよりもむしろオリゴマ
ーに分類されるような低分子量体であってもかまわな
い。中でも、分子量が500から10000程度のもの
を好適に用いることができる。あまり分子量が大きすぎ
ると粘度が高すぎて扱い難く、また、製膜後表面にポリ
ジメチルシロキサンが遍在し易くなる。逆に分子量が小
さすぎると、揮発し易くなり、不都合である。
【0012】ポリジメチルシロキサン(および/または
ポリジメチルシロキサン誘導体)のフルオロアルキル基
含有シラン化合物に対する重量比はフルオロアルキル基
含有シラン化合物の添加量によっても異なるが、通常は
0.2〜2の範囲に入る。特に0.26〜0.69の範
囲にあることが望ましい。この比率が小さ過ぎると、前
述の様に初期の水滴の滑り落ち易さが小さく(転落角の
初期値が大に)なる。また、大き過ぎると、初期の撥水
性が悪く(接触角の初期値が減少)なると共にその耐水
性が減少する。
【0013】本発明において、フルオロアルキル基含有
シラン化合物およびポリジメチルシロキサン(および/
またはその誘導体)はエチルアルコール、イソプロピル
アルコール、酢酸エチル、アセトン、などの有機溶媒ま
たは水溶媒によって所定濃度の溶液にする。この濃度は
通常2〜80重量%である。濃度があまり低すぎると撥
水性が小さくなり、あまり高すぎるとヘイズが発生し易
くなり好ましくない。そしてこの溶液に酸触媒例えば塩
酸を加えて、そのまま所定時間静置してフルオロアルキ
ル基含有シラン化合物の加水分解および重縮合を起こさ
せる。加水分解および重縮合があまり進みすぎると、そ
の後のアルコキシシラン化合物の加水分解、重縮合物と
の反応が生じなくなって不都合になる。前記所定静置時
間は、全Si原子の内、0または1個のシロキサン結合
を形成しているもの(E)の割合が0で、2個のシロキ
サン結合を形成しているもの(M)の割合が0.3〜
0.6の範囲にあり、かつ3個のシロキサン結合を形成
しているもの(T)の割合が0.5〜0.7に入るまで
の時間が好適である。その時点で次の操作に移す。
【0014】また、本発明で用いるアルコキシシラン化
合物とはSin2n+2で表される水素化珪素の一つまたは
2以上の水素をアルコキシル基例えばメトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基等で置換したものであり、例えば
テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランなどを挙
げることができる。
【0015】本発明において、アルコキシシラン化合物
はメチルアルコール、エチルアルコール、酢酸エチル、
アセトン、などの有機溶媒または水溶媒によって所定濃
度の溶液にする。この濃度は通常2〜80重量%であ
る。濃度があまり低すぎるとシリカゾルの生成に長時間
を要することになり、あまり高すぎると溶液粘度が大き
くなりコーティングが困難となって好ましくない。そし
てこの溶液に酸触媒例えば塩酸を加えて、そのまま所定
時間静置してアルコキシシラン化合物の加水分解および
重縮合を起こさせる。加水分解および重縮合があまり進
みすぎると、その後のフルオロアルキル基含有シラン化
合物とポリジメチルシロキサン(および/またはポリジ
メチルシロキサン誘導体)の混合物の加水分解、重縮合
物との反応が生じなくなって不都合になるので、上記所
定時間はフルオロアルキル基含有シラン化合物/ポリジ
メチルシロキサン誘導体混合物の加水分解液と同様に2
〜10日静置した後に、次の操作に移す。
【0016】本発明において、フルオロアルキル基含有
シラン化合物とポリジメチルシロキサン(および/また
はポリジメチルシロキサン誘導体)の混合物を溶媒中で
加水分解した溶液と、アルコキシシラン化合物を溶媒中
で加水分解した溶液とを混合するが、この混合比率は、
混合溶液中でフルオロアルキル基含有シラン化合物から
由来する成分とアルコキシシラン化合物から由来する成
分との重量比で0.1:99.9〜10:90であり、
より好ましくは0.5:95.5〜5:95である。フ
ルオロアルキル基含有シラン化合物とポリジメチルシロ
キサンおよび/またはポリジメチルシロキサン誘導体に
由来する成分が少なすぎると撥水性能がそれほど向上せ
ず、逆に多すぎると過剰分が表面に付着しヘイズ欠点に
なるために好ましくない。また混合溶液の固形分濃度
は、塗布厚みによって異なるが、通常は0.5〜1重量
%である。
【0017】次に、この混合液を基材表面に、フローコ
ート法、はけ塗り、ロールコート法、スピンコート法等
公知の方法により塗布する。両加水分解液を混合してか
ら塗布するまでの時間があまり長すぎるとフルオロアル
キル基含有シラン化合物とアルコキシシラン化合物との
反応が進みすぎてしまって、混合の前に予め加水分解し
た効果が失われるので、混合後10時間以内、好ましく
は5時間以内に塗布することが好ましい。 これによっ
て基材表面のOH−基 とフルオロアルキル基含有シラ
ン化合物とポリジメチルシロキサンおよび/またはポリ
ジメチルシロキサン誘導体とアルコキシシラン化合物の
三者の加水分解−縮合物が同時に反応する。
【0018】この際、上述のようにフルオロアルキル基
の表面エネルギーが低いために、塗布液を塗布すると、
自然にフルオロアルキルシラン成分が塗布膜の外側表面
に移動し、または/およびフルオロアルキル基が外側表
面に向かって規則的に配向し、外側表面層では塗布膜の
内層に比してフルオロアルキル基が高い濃度で存在する
ことになり、そのままの状態で上記反応が進んでフルオ
ロアルキルシラン変性シラノールポリマーのーゲル層を
形成する。この場合に、フルオロアルキル基含有シラン
化合物とポリジメチルシロキサンおよび/またはポリジ
メチルシロキサン誘導体とは共加水分解状態にあること
からお互いにある程度結合していると考えられる。ま
た、ポリジメチルシロキサンおよび/またはポリジメチ
ルシロキサン誘導体は、その表面自由エネルギーも低い
ことから、コーティング直後にフルオロアルキルシラン
成分と共に最表面に移動すると考えられる。
【0019】その後、この膜を100〜300℃で10
分〜3時間加熱させることにより、溶媒を蒸発させ、生
じた膜内の空孔を埋めて酸化珪素を主成分とする緻密な
撥水膜であって、フルオロアルキル基およびメチル基が
膜の内層よりも外側表面層において高い濃度で存在する
撥水性物品が得られる。
【0020】本発明で用いられる基材は、透明または不
透明な無機ガラス、有機ガラス、金属、プラスチックス
などの、板状、棒状、その他の形状の物品であり、好ま
しくは建築、自動車、車両、航空機あるいは船舶などの
風防ガラス、光学部品レンズのような透視性が必要とさ
れるガラス製品等の透明物品または不透明物品である。
【0021】本発明において、得られる撥水性物品表面
の塗膜(硬化後)の厚みは、あまり小さすぎると下地の
アルカリバリヤー効果が小さくなり、また逆に大きすぎ
ると反射率が高くなり好ましくない。好ましい塗膜の厚
みの範囲は、20〜200nmであり、より好ましくは
50〜80nmである。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、耐候性、耐水性、耐湿
性などの耐久性能に優れ、かつ良好な撥水性能を有する
被覆を有する撥水性物品が得られる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。 <評価および試験方法> 1)接触角 :接触角計(協和界面科学(株)製CA−
D)を用い、静滴法により水の接触角を測定した。1サ
ンプルにつき5箇所測定し、平均値を接触角の値とし
た。 2)転落角 :水平に保ったガラス基板上に50mgの
水を滴下した後に、徐々に基板を傾けて水滴が滑り始め
る時のガラスの傾斜角度を転落角とした。1サンプルに
つき3ケ所測定し平均値を採用した。この角度は小さい
ほど良い。 3)耐煮沸性:沸騰水中にサンプルを2時間および4時
間浸漬した後、接触角を測定した。これにより耐候性、
耐水性、耐湿性などの耐久性能の良否を判定する。
【0024】実施例 以下に、実施例に基づいて本発明を説明する。テトラエ
トキシシラン[Si(OC254]66.7g、 エチ
ルアルコール568.8g、水28.3gを混合した。
この混合液を攪拌しながら0.1N塩酸水溶液35.1
gを一滴づつ約30分間かけて添加した。この液を25
℃で4日間密閉静置して、テトラエトキシシランを加水
分解させた。その後、この液を40ml分取しエチルア
ルコールで200mlになるよう希釈した。同じ操作を
繰り返し、希釈液を5つ調製した。
【0025】これとは別に、フルオロアルキルシランの
一種である3−ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシ
シラン [CF3(CF27CH2CH2Si(OC
33,FAS]と両末端にヒドロキシル基を有するポ
リジメチルシロキサン(PDMS)(分子量 378
0)との混合物16.37gとエチルアルコール27.
96gを混合した溶液を調合した。両末端に各1ケの水
酸基を有するPDMS誘導体(以下単にPDMSとい
う)とFASの混合割合を変えたサンプルを次の5種類
(サンプルA〜E)作製した。
【0026】 サンプルA;FAS 16.37g + PDMS 0g サンプルB;FAS 13.09g + PDMS 3.28g サンプルC;FAS 10.91g + PDMS 5.46g サンプルD;FAS 9.63g + PDMS 6.74g サンプルE;FAS 8.18g + PDMA 8.19g
【0027】得られた混合液中に0.1N塩酸水溶液
4.08gを一滴づつ約5分間かけて添加した。この液
を攪拌しながら25℃で4日間放置して、FASおよび
PDMSを共加水分解させた。これらの液をサンプル
A,B,C,Dについては0.45gまたサンプルEで
は0.26gを分取し上記テトラエトキシシラン加水分
解液200mlと約5分間混合して塗布液とした。これ
を、直ちに10cmX1cmのソーダライム珪酸塩ガラ
ス基板にフローコーティング(流し塗り)により塗布
し、250℃で1時間加熱して、膜厚みが約75nmの
5種類の撥水膜を形成した。
【0028】以上の様にして作製した撥水性ガラスの耐
久性(耐煮沸性)を評価し、表1に示した。PDMS/
FAS比(以下この比の値をXで表す)が0.25以下
の場合には、煮沸時間と共に転落角は減少するものもあ
るが、初期の水滴の滑り落ち易さが良くない(初期の転
落角値が大き過ぎる)。一方、Xが0.7以上の場合に
は煮沸時間に伴い接触角が急激に減少するとともに転落
角も増加することがわかる。X=0.5のサンプルで
は、転落角および接触角共に良好な撥水性能を示してい
る。また、煮沸に伴う両者の時間変化も殆ど無い。この
結果から、PDMSの添加により接触角の初期値および
耐水性能を維持しつつ、初期の転落角を著しく低下させ
ることができることが明らかである。
【0029】
【表1】 ================================== サンプル A B C D E 比較例 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 PDMS/FAS比 0 0.25 0.5 0.7 1.0 煮沸時間 (時間) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 0時間(煮沸せず) 接触角 107.5 104.4 104.4 103.9 103.0 転落角 25.5 24.5 18.5 19.4 15.7 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2時間 接触角 106.5 103.0 102.7 101.4 103.1 転落角 26.1 16.0 16.0 17.7 16.0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4時間 接触角 105.5 104.8 103.4 97.0 100.0 転落角 26.7 17.4 16.3 25.2 21.9 ==================================
【0030】また、図1は、上記サンプルA〜Dについ
て、赤外反射スペクトルを解析することにより得られた
膜表面におけるFAS分子の占有面積分率を示してい
る。原料溶液中のFAS濃度(ただし原料溶液は溶媒量
は除外)の増加にともなって膜表面のFAS占有面積分
率が増加していることがわかる。FASとPDMSはコ
ーティング前に共加水分解しているのでFAS以外の膜
表面領域の大部分はPDMSによって被覆されていると
推定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撥水膜の最表面におけるFAS分子占
有面積分率を赤外反射スペクトルの解析から求めた結果
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三谷 一石 大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本 板硝子株式会社内 (72)発明者 野津 敬 大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本 板硝子株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオロアルキル基含有シラン化合物
    と、ポリジメチルシロキサンおよび/またはその誘導体
    の混合物を溶媒中で加水分解して得られた溶液と、アル
    コキシシラン化合物を溶媒中で加水分解して得られた溶
    液とを混合し、この混合液を基材表面に塗布することに
    より形成された、フルオロアルキル基およびメチル基が
    塗膜の内層よりも外側表面層において高い濃度で存在す
    る撥水性物品。
  2. 【請求項2】 フルオロアルキル基含有シラン化合物と
    ポリジメチルシロキサンおよび/またはその誘導体を溶
    媒中で酸触媒下で所定時間保持して加水分解した溶液
    と、アルコキシシラン化合物を溶媒中で酸触媒下で所定
    時間保持して加水分解した溶液を所定の割合で混合し、
    この混合液を基材表面に塗布し、その後加熱することを
    特徴とする撥水性物品の製造方法。
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