JP6263605B2 - 有機薄膜形成用溶液及びそれを用いた有機薄膜形成方法 - Google Patents
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Description
本願は、2014年3月26日に出願された日本国特許出願第2014−64035号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
例えば、下記式で表される金属系界面活性剤を用いて単分子膜等の有機薄膜を製造する方法が知られている。(特許文献1〜5)
RnMXm−n
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数10〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数10〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、Rは同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)
一方、非特許文献1には、(N,N−ジメチルアミノ)−オクタデシルジメチルシランのトルエン溶液にシリコンウエハーを浸すと、表面に共有結合性の単分子膜が形成できることが記載されている。
上記式中、加水分解性基として、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、イソシアネート基、シアノ基、アミノ基、又はアミド基等が例示されている。しかし実際に使用されているのはアルコキシ基のみで、アミノ基については具体的な例や使用に関する記載はない。
非特許文献1には、加水分解触媒を用いずに浸漬法で単分子膜が得られると記載されているが、成膜に3日間かかり、膜厚が薄くて疎水性度が低く、後述するように、形成された膜が緻密な膜であるとは言い難い。
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、簡便かつ速やかに、無色透明で緻密な有機薄膜を形成するための方法を提供することを目的とする。
(1)式(I)
R1 nMXm−n (I)
(式(I)中、
R1は置換基又は連結基を有していてもよい炭素数14〜30の脂肪族炭化水素基、置換基又は連結基を有していてもよい炭素数14〜30のハロゲン化脂肪族炭化水素基を表し、
Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、
Xは、水酸基又は−NR2 2基を表し、Xのうち少なくとも2つは、−NR2 2基を表し、R2は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又は、置換基を有していてもよいフェニル基を表し、R2同士は、同一でも相異なっていてもよく、mはMの原子価を表す。
nは、1から(m−2)のいずれかの正の整数を表し、nが2以上の場合、R1は、同一でも相異なっていてもよい。)
で表される有機金属化合物、
(2)式(I)で表される有機金属化合物が、トリス(N,N−ジメチルアミノ)オクタデシルシランである(1)に記載の有機金属化合物、
(3)(1)又は(2)に記載の有機金属化合物を含有する有機薄膜形成用溶液、及び
(4)有機薄膜が単分子膜である(3)に記載の有機薄膜形成用溶液に関する。
(5)式(I)
R1 nMXm−n (I)
(式(I)中、
R1は置換基又は連結基を有していてもよい炭素数14〜30の脂肪族炭化水素基、置換基又は連結基を有していてもよい炭素数14〜30のハロゲン化脂肪族炭化水素基を表し、
Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、
Xは、水酸基又は−NR2 2基を表し、Xのうち少なくとも2つは、−NR2 2基を表し、R2は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又は、置換基を有していてもよいフェニル基を表し、R2同士は、同一でも相異なっていてもよく、mはMの原子価を表す。
nは、1から(m−2)のいずれかの正の整数を表し、nが2以上の場合、R1は、同一でも相異なっていてもよい。)
で表される有機金属化合物を含有する有機薄膜形成用溶液を、基板と接触させることにより、前記基板表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成方法、及び
(6)有機薄膜が単分子膜である(5)に記載の有機薄膜形成方法に関する。
本発明の有機金属化合物は、式(I)
R1 nMXm−n(I)
で表される化合物である。
上記式(I)中、R1は置換基又は連結基を有していてもよい炭素数14〜30の脂肪族炭化水素基、置換基又は連結基を有していてもよい炭素数14〜30のハロゲン化脂肪族炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは、水酸基又は−NR2 2基を表し、Xのうち少なくとも2つは、−NR2 2基を表し、R2は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又は、置換基を有していてもよいフェニル基を表し、R2同士は、同一でも相異なっていてもよく、mはMの原子価を表す。nは、1から(m−2)のいずれかの正の整数を表し、nが2以上の場合、R1は、同一でも相異なっていてもよい。
(m−n)は2以上であって、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。以下に、各置換基について説明する。
上記のうち、モノ置換アミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、アニリノ基等が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基」及び「置換基を有していてもよいフェニル基」の置換基としては、カルボキシル基;アミド基;イミド基;エステル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;水酸基;ハロゲン原子等が挙げられる。
炭素数14〜30のアルケニル基としては、例えばテトラデセニル基、パルミトレイニル基(9−ヘキサデセニル基)、オレイニル基(cis−9−オクタデセニル基)、バクセニル基(11−オクタデセニル基)、リノリル基(cis,cis−9,12−オクタデカジエニル基)、9,12,15−リノレニル基(9,12,15−オクタデカントリエニル基)、6,9,12−リノレニル基(9,12,15−オクタデカントリエニル基)、エレオステアリニル基(9,11,13−オクタデカトリエニル基)、8,11−エイコサジエニル基、5,8,11−エイコサトリエニル基、アラキドニル基(5,8,11,13−エイコサテトラエニル基)、ネルボニル基(cis−15−テトラコサエニル基)、ドコサヘキサエニル基、ペンタエイコサエニル基等;
炭素数14〜30のアルキニル基としては、例えば8−テトラデシニル基、8−ペンタデシニル基、8−ヘキサデシニル基、8−ヘプタデシニル基、8−オクタデシニル基、8−イコシニル基、8−ドコシニル基、ヘプタデカ−8,11−ジイニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。さらに好ましくは2個以上がフッ素原子に置換されたフッ素化脂肪族炭化水素基であり、分岐構造を有する場合には、分岐部分は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜2の短鎖であるのが好ましい。
CH3(CH2)14Si[N(CH3)2]3
CH3(CH2)15Si[N(CH3)2]3
CH3(CH2)17Si[N(CH3)2]3
CH3(CH2)25Si[N(CH3)2]3
CH3(CH2)14Si[N(C2H5)2]3
CH3(CH2)15Si[N(C2H5)2]3
CH3(CH2)17Si[N(C2H5)2]3
CH3(CH2)25Si[N(C2H5)2]3
CH3(CH2)14Si[N(C6H6)2]3
CH3(CH2)15Si[N(C6H6)2]3
CH3(CH2)17Si[N(C6H6)2]3
CH3(CH2)25Si[N(C6H6)2]3
CH3(CH2)14Si[NH(CH3)]3
CH3(CH2)15Si[NH(CH3)]3
CH3(CH2)17Si[NH(CH3)]3
CH3(CH2)25Si[NH(CH3)]3
CH3(CH2)14Si[NH2]3
CH3(CH2)15Si[NH2]3
CH3(CH2)17Si[NH2]3
CH3(CH2)25Si[NH2]3
CH3(CH2)14Si[NH(C6H6)]3
CF3(CH2)14Si[N(CH3)2]3
CF3(CH2)15Si[N(CH3)2]3
CF3(CH2)17Si[N(CH3)2]3
CF3(CH2)25Si[N(CH3)2]3
CF3(CH2)14Si[N(C2H5)2]3
CF3(CH2)15Si[N(C2H5)2]3
CF3(CH2)17Si[N(C2H5)2]3
CF3(CH2)25Si[N(C2H5)2]3
CF3(CH2)14Si[N(C6H6)2]3
CF3CH2O(CH2)15Si[N(CH3)2]3
CH3COO(CH2)15Si[N(CH3)2]3
CH3CH2O(CH2)15Si[N(C2H5)2]3
CH3COO(CH2)15Si[N(C2H5)2]3
CF3COO(CH2)15Si[N(C2H5)2]3
CF3(CF2)9(CH2)2Si[N(C2H5)2)]3
CF3(CF2)5(CH2)2Si[N(C2H5)2)]3
CF3(CF2)13(CH2)2Si[N(CH3)2]3
CF3(CF2)14(CH2)2Si[N(CH3)2]3
CF3(CF2)15CH=CHSi[N(CH3)2]3
CF3(CF2)4CONH(CH2)10Si[N(CH3)2]3
CF3(CF2)3O[CF(CF3)CF(CF3)O]2CF(CF3)−
CONH(CH2)3Si[N(CH3)2]3
CH3(CH2)14Si[(N(CH3)2]2[N(C2H5)2]
CH3(CH2)15Si[(N(CH3)2]2[N(C2H5)2]
CH3(CH2)17Si[(N(CH3)2]2[N(C2H5)2]
CH3(CH2)25Si[(N(CH3)2]2[N(C2H5)2]
CF3(CH2)14Si[(N(CH3)2]2[N(C2H5)2]
CF3(CH2)15Si[(N(CH3)2]2[N(C2H5)2]
CF3(CH2)17Si[(N(CH3)2]2[N(C2H5)2]
CF3(CH2)25Si[(N(CH3)2]2[N(C2H5)2]
CH3(CH2)17Si[(N(CH3)2][N(C2H5)2]2
CF3(CF2)13(CH2)2Si[(N(CH3)2][(N(C2H5)2]2
CH3(CH2)14Si[(N(CH3)2]2[N(C6H6)2]
CF3CH2O(CH2)15Si[N(CH3)2]2(OH)
CH3COO(CH2)15Si[N(CH3)2]2(OH)
これらの化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
すなわち、有機溶媒中において、脱離基Yを有する有機金属化合物(1)とアミン化合物(2)とを、塩基の存在又は非存在下で0〜50℃で1〜24時間反応させることにより、有機金属アミノ誘導体(3)を合成することができる。
塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩等が挙げられる。これらの中でも、有機塩基が好ましく、塩基非存在化の場合には、アミン化合物(2)を塩基に代用して過剰に用いるのが好ましい。塩基の使用量は特に制限されないが、好ましくは、有機金属化合物(1)中のY1モルに対して、1〜2倍モルである。
本発明の有機薄膜形成用溶液は、式(I)で表される有機金属化合物を含有する溶液であれば、特に制限されない。有機薄膜形成用溶液は、例えば、有機金属化合物及び有機溶媒を含む混合物を攪拌するなどして調製することができる。
有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒、及びシリコーン系溶媒が好ましく、炭化水素系溶媒がより好ましい。なかでも、沸点が100〜250℃のものが特に好ましい。
以下に、本発明の有機薄膜形成用溶液を用いて基材上に有機薄膜を形成する方法について説明する。
有機薄膜の形成方法に用いる基材は、特に制限されない。基材としては、有機薄膜形成用溶液中の有機薄膜を形成する分子と相互作用し得る官能基を表面に有する基材でなくてもよいが、有機薄膜形成用溶液中の有機薄膜を形成する分子と相互作用し得る官能基を表面に有する基材であることが好ましく、活性水素を表面に有する基材であることが特に好ましい。活性水素を表面に有する基材を用いると、基材表面の活性水素と、有機薄膜形成用溶液中の分子とが、化学的な相互作用により基材表面に容易に化学吸着膜を形成することができる。ここで、有機薄膜形成用溶液中の有機薄膜を形成する分子と相互作用し得る官能基を表面に有する基材とは、有機薄膜形成用溶液中の有機薄膜を形成する分子と、化学結合し得る官能基を表面に有する基材を意味する。
有機薄膜を形成させる方法は、特に制限はないが、ディップ法(浸漬法)、スプレーコート、スピンコート、ローラーコート、刷毛塗り、スクリーン印刷等が挙げられる。これらの中でも、ディップ法が好ましい。
スプレーコートとは、薄膜物質を含む溶液を基材にスプレーすることにより基材表面に薄膜を形成させる方法である。
スピンコートとは、円盤上に設置した基材に薄膜物質溶液をのせ、円盤を回転させる事によりこれを均一な液膜とし、これを焼成し薄膜を形成させる方法である。
ローラーコートとは、ローラーで有機薄膜物質溶液を基材表面上に薄く塗布し薄膜を形成させる方法である。
刷毛塗りとは、刷毛で有機薄膜物質溶液を基材表面上に薄く塗布し薄膜を形成させる方法である。
スクリーン印刷とは、枠に張ったスクリーン(布)の上から、薄膜物質(ペースト)をのせ、加圧しながら摺動することにより基材上の薄膜を形成させる方法である。
また、ディップ法の場合において、基材を有機薄膜形成用溶液に浸漬する時間は基材の種類等にも左右され、一概にはいえないが、5分〜24時間とすることができ、5分〜10時間が好ましい。
有機薄膜形成用溶液に基材を接触させる工程は、一度に長い時間行ってもよいし、複数回に分けて短時間で行ってもよい。また、有機薄膜の形成を促進するために超音波を用いることもできる。
洗浄方法としては、基材表面の付着物を除去できる方法であれば特に制限されないが、例えば、上記のような有機溶媒中に基材を浸漬させる方法;真空中、又は常圧下で大気中に放置して、基材表面の付着物を蒸発させる方法;乾燥窒素ガス等の不活性ガスをブローして、基材表面の付着物を吹き飛ばす方法;等を例示することができる。また、より優れた洗浄効果が得られることから、基材を前述の有機溶媒に浸漬した状態で、超音波処理することが、より好ましい方法として挙げられる。
上記有機薄膜の製造方法を用いることにより、単分子膜、化学吸着膜、自己集合膜等の有機薄膜を得ることができる。
本発明における有機薄膜は、基材表面に分子が一層に並んでできる単分子膜であることが好ましく、化学吸着膜及び/又は自己集合膜であることがさらに好ましい。本発明において、自己集合膜とは、外部からの強制力なしに秩序だった構造を形成してなる膜を意味する。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(有機金属化合物の合成)
100mlの四つ口フラスコに温度計、コンデンサ、撹拌羽根をセットし、2M濃度のジメチルアミンTHF溶液16.2g(アルドリッチ社製)を仕込み、撹拌しながら5℃まで氷水で冷却した。
その中に、オクタデシルトリクロロシラン2.0g(ゲレスト社製)を脱水トルエン10gに溶解した溶液を1時間掛けて滴下し、反応を行った。
その後、室温で2時間反応させ、反応により析出したジメチルアミン塩酸塩を濾過、脱水トルエンで洗浄後、濾液を減圧濃縮し、油状物のトリス(N,N−ジメチルアミノ)オクタデシルシラン2.1gを得た。
1H(NMR、CDCl3、400MHz)δ 0.89(t、3H)、1.26(brs、34H)、2.48(s、18H)
得られたトリス(N,N−ジメチルアミノ)オクタデシルシラン0.5gを脱水トルエン99.5gに溶解し、有機薄膜形成溶液を調製した。
UVオゾン処理を行なったシリコンウエハーを、上記有機薄膜形成溶液に60分間浸漬し、NSクリーン100で洗浄後に60℃で乾燥させて、有機薄膜形成基板を得た。成膜面における静的接触角を測定したところ、水で110°、テトラデカンで40°を示した。
この膜のX線回折を行った結果、膜厚は2.39nmと面間隔は0.420nmであった。この結果から得られた膜は結晶性を有する自己集合単分子膜(SAM)であることが確認できた。
その結果を図1及び2に示す。
(有機金属化合物の合成)
オクタデシルトリクロロシランの代わりにオクチルトリクロロシラン(アルドリッチ社製)を用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、トリス(N,N−ジメチルアミノ)オクチルシラン2.0gを得た。
得られたトリス(N,N−ジメチルアミノ)オクチルシラン0.5gをトルエン99.5gに溶解し、有機薄膜形成溶液を調製した。
UVオゾン処理を行なったシリコンウエハーを、上記有機薄膜形成溶液に60分間浸漬し、NSクリーン100で洗浄後に60℃で乾燥させて、有機薄膜形成基板を得た。成膜面における静的接触角を測定したところ、水で94.2°、テトラデカンで7.0°を示した。X線回折を行った結果を図3に示す。
この結果から得られた膜は、撥水性が不十分で結晶性を有する膜ではなかった。
(有機金属化合物の合成)
オクタデシルトリクロロシランの代わりにオクタデシルジメチルクロロシラン(アルドリッチ社製)を用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、N,N−ジメチルアミノ−オクタデシルジメチルシラン3.1gを得た。
得られたN,N−ジメチルアミノ−オクタデシルジメチルシラン0.5gをトルエン99.5gに溶解し、有機薄膜形成溶液を調製した。
UVオゾン処理を行なったシリコンウエハーを、上記有機薄膜形成溶液に60分間浸漬し、NSクリーン100で洗浄後に60℃で乾燥させて、有機薄膜形成基板を得た。成膜面における静的接触角を測定したところ、水で94.2°、テトラデカンで7.4°を示した。X線回折を行った結果を図4に示す。
この結果から得られた膜は、撥水性が不十分で結晶性を有する膜ではなかった。
Claims (3)
- 式(I)
R1 nMXm−n (I)
(式(I)中、
R1 は炭素数14〜30のアルキル基を表し、
Mは、ケイ素原子を表し、
Xは、−NR2 2基を表し、R 2は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は、フェニル基を表し、R2同士は、同一でも相異なっていてもよく、mはMの原子価を表す。
nは、1を表す)
で表される有機金属化合物を含有する単分子膜形成用溶液。 - 式(I)で表される有機金属化合物が、トリス(N,N−ジメチルアミノ)オクタデシルシランである請求項1に記載の単分子膜形成用溶液。
- 式(I)
R1 nMXm−n (I)
(式(I)中、
R1 は炭素数14〜30のアルキル基を表し、
Mは、ケイ素原子を表し、
Xは、−NR2 2基を表し、R 2は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は、フェニル基を表し、R2同士は、同一でも相異なっていてもよく、mはMの原子価を表す。
nは、1を表す)
で表される有機金属化合物を含有する単分子膜形成用溶液を、基板と接触させることにより、前記基板表面に単分子膜を形成する単分子膜形成方法。
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