JP5347359B2 - o−ニトロベンジル基含有シラザン化合物及び用途 - Google Patents
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ボトムアッププロセスにおいて有用な素材の一つが自己組織化単分子膜であり、下記の先行例のように光照射により極性官能基を発生するシランカップリング剤が使用される。非特許文献1においては、式(3)で示される表面修飾剤のトリメトキシシリル基を有するo−ニトロベンジルエステル誘導体が報告されている。この化合物(3)を用いることによって、基体表面に、極性官能基であるカルボキシル基を容易に導入することができる。例えば、シリカゲルやシリコンウェハ等の基体表面に存在する水酸基と、化合物(3)のトリメトキシシリル基とを反応させることにより、まず、基体表面に化合物(3)の膜を形成することができる。次いで、これに紫外線を照射することにより、化合物(3)におけるo−ニトロベンジル基とのエステル結合が切断され、極性官能基であるカルボキシル基を基板表面に容易に導入することができる。更に特許文献1〜3では、上記カルボキシル基のほかに、水酸基、アミノ基、スルホ基、チオール基を材料表面に発現させる手法が開示されている。
(i)特許文献4では、基板上にフルオロアルキルシランを持つ自己組織化単分子膜を形
成し、プラズマまたは紫外線照射により自己組織化単分子膜を破壊して表面の極性変換を行う方法が開示されている。
(ii)特許文献5では、基板上にベンジルフェニルスルホン基を持つ自己組織化単分子膜
を形成し、紫外線照射により表面の極性変換を行う方法が開示されている。
(iii)特許文献6では、凹凸の有る下地層と撥水性単分子膜の中間に光分解活性層を入れ
、紫外線照射により撥水層を選択的に除去して表面の極性変換を行う方法が開示されている。
しかし、光分解性の保護基としてo−ニトロベンジル基を有し、カップリング基としてトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、アルコキシシラン等を有する光分解性の表面修飾剤は、これを用いた表面修飾材料の製造における生産性や経済性を更に向上させるために、基体表面への修飾速度を改善する余地が残っている。
しかし、このようなウェット処理或いはドライ処理を用いた場合において、上記カップリング剤としてクロロシランを有する光分解性の表面修飾剤では、アウトガスとして腐食性の塩酸が生じるという問題がある。また、上記カップリング剤としてアルコキシシランを有する光分解性の表面修飾剤では、修飾の際に加水分解反応が必要であり、クロロシランと比べ反応性が低いといった問題がある。更に、ウェット処理を用いてプラスチック基体に修飾する場合は、プラスチックが有機溶剤に弱いために、修飾速度が遅いと修飾する前に基板表面が溶解するという問題がある。
本発明の別の課題は、短時間に基体表面に効率良く、且つ経済的に光分解性のo−ニトロベンジル基を導入可能な表面修飾材料の製造方法、並びに特定の極性官能基を所望箇所に発現させることができる表面修飾材料の製造方法を提供することにある。
すなわち本発明によれば、式(1)で表されるo−ニトロベンジル基含有シラザン化合物(以下、化合物(1)ということがある)が提供される。
更に本発明によれば、水酸基、アミノ基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性官能基を表面に有する基体に、上記表面修飾剤をディッピング法等により反応させる工程(A)を含む表面修飾材料の製造方法が提供される。
更にまた本発明によれば、上記工程(A)と、該工程(A)で表面修飾剤を反応させた表面の少なくとも一部に光を照射し、o−ニトロベンジル基を光分解させて、該光照射面に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性官能基を形成する工程(B)とを含む表面修飾材料の製造方法が提供される。
本発明の表面修飾材料の製造方法は、上記工程(A)、若しくは工程(A)と工程(B)とを含むので、特定の極性官能基を有する基体表面に光分解性のo−ニトロベンジル基を、効率良く、経済的に導入した表面修飾材料を、又は基体表面に特定の極性官能基を所望箇所に有する表面修飾材料を効率よく得ることができる。
本発明の表面修飾材料の製造方法では、工程(B)における光照射の方法によって、極性官能基のパターニングが可能となるため、生物分野では、細胞、糖、核酸、タンパク質等の生体物質を、基体上の特定の位置に固定した表面修飾材料を容易に得ることができ、化学分野ではインクジェットプロセスに利用可能な、基体上の特定の位置に特定の極性官能基を発現させた選択的極性変換材料を容易に得ることができる。従って、本発明は、生物分野や化学分野をはじめとする様々な分野で応用が可能である。
更に、従来のクロロシランを有する光分解性の表面修飾剤を用いた場合、アウトガスとして腐食性の塩酸が生じるが、本発明の化合物(1)では、シラザン基を有するので、このような問題が回避できる。また、上記クロロシラン型の表面修飾剤と比較して本発明の化合物(1)を用いた本発明の表面修飾剤は、より短時間で緻密な修飾が可能である。このため、修飾基体としてプラスチック材料を用いた場合であっても、該基体が有機溶剤に溶解する前に効率良く表面を修飾することができる。
本発明の化合物(1)は、上記式(1)で示される、o−ニトロベンジル基含有シラザン化合物である。この化合物(1)は、o−ニトロベンジル基により、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基又はチオール基を保護することができる。
R4で表されるアルキル鎖としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。また、R4で表されるフッ化アルキル鎖としては、例えば、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2−(パーフルオロブチル)プロピル基、2−(パーフルオロブチル)ヘキシル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、2−(パーフルオロヘキシル)プロピル基、2−(パーフルオロヘキシル)ヘキシル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基、2−(パーフルオロオクチル)プロピル基、2−(パーフルオロオクチル)ヘキシル基、2−(パーフルオロデシル)エチル基が挙げられる。これらの中でもメチル基、エチル基がより好ましい。
式(1)中、Xは−O−、−COO−、−NHCOO−、−SO3−、又は−SCOO−を表す。
前記溶媒を用いる場合の使用量は、化合物(4)100質量部に対して通常0.1〜1000質量部程度である。
上記反応は、反応温度0℃〜室温付近で円滑に進行する。反応温度が二級アミンの沸点以上の場合は原料が消失する恐れがある。一方、反応時間は、反応温度、溶媒の有無等の条件により異なるが、通常、30分〜1時間程度であるのが好ましい。
上記極性官能基を表面に有する基体材料としては、例えば、シリカゲル、シリコンウェハ、ガラス等の無機材料、金属材料や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等のプラスチック、これらの複合材料が挙げられ、基体としては、マイクロアレイが挙げられる。
上記基体の形態は特に制限されず、例えば、シート状、ハニカム状、ファイバー状、ビーズ状、発泡状やそれらが集積した形態であっても良い。
工程(A)を実施するにあたり、通常、基体に対して前処理工程を行うことができる。
前処理工程は、基体表面にコーティングする化学的処理、及び基体表面を酸化又はエッチングする物理的処理が挙げられる。
化学的処理の溶液としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、過酸化水素のような酸性溶液が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中では硫酸及び過酸化水素を等量混合した混合液が特に好ましい。
酸性溶液のコーティングは、基体表面をコーティングできる方法であれば特に制限はなく、例えば、塗布、スプレー、ディッピングにより行うことができる。酸性溶液による処理時間は、1〜48時間が好ましく、3〜24時間がより好ましい。処理時間が1時間より短い場合、表面改質が不十分という可能性が有る。処理時間が48時間以上の場合は材料表面にそれ以上変化がおきないため、生産性の低下となる可能性がある。この前処理工程により、例えばシリコンウェハや石英のような無機材料の基体表面に親水性基(シラノール基)を形成することができる。
物理的処理としては、オゾン、プラズマ、紫外線処理が挙げられる。物理的処理の時間は1〜30分が好ましく、5〜15分がより好ましい。処理時間が1分より短い場合、表面改質が不十分という可能性が有る。この前処理工程により、例えば、プラスチックの基体表面に親水性基(水酸基、カルボキシル基)を形成することができる。
ディッピングを行う際に用いる溶媒としては、化合物(1)に対して不活性であり、化合物(1)を溶解するものであれば特に制限されない。例えば、アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンが挙げられ、この中でもベンゼン、トルエンが好ましく、環境性の面からトルエンがより好ましい。
溶媒中の化合物(1)の濃度は、溶媒に対して、通常1.0×10-4〜10モル%、生産性の面から1.0×10-4〜1.0×10-1モル%が好ましい。
ディッピング溶液の温度は、室温〜100℃が好ましく、生産性の面から室温がより好ましい。ディッピングを行う際の基体の浸漬時間は特に制限されないが、1分〜24時間が好ましく、生産性の面から5分〜1時間がより好ましい。特に、基体がプラスチック材料の場合、溶媒による表面溶解を抑制するために、5分〜30分未満が好ましい。処理時間が1分より短い場合、表面修飾が不十分となるおそれがある。
工程(B)において、基体表面の表面修飾材料の全部又は一部に光を照射することにより、光照射部分の光分解性保護基を脱保護して極性官能基の露出した表面修飾材料を調製することができる。この際、特定の箇所のみに光照射することにより、その部分にのみ極性官能基を形成することができる。
光源としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマレーザー、電子線が挙げられる。照射光のエネルギーについては、照射箇所の保護基が脱保護されるエネルギーであれば問題なく、光源にもよるが、一般的には0.01〜5000J/cm2が好ましく、0.01〜1000J/cm2がより好ましい。
洗浄方法としては、浸漬−振動、スプレー、超音波が好ましく、スプレー、超音波がより好ましい。
図1は、基体として、シリカゲル、シリコンウェハ、ガラス等の無機材料を用い、表面修飾剤の有効成分である化合物(1)として、5−((N,N−ジエチルアミノ)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルを用いた表面修飾材料の製造方法における例である。尚、図1中のMeはメチル基を示す。
実施例1−1
5−((N,N−ジエチルアミノ)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルの合成
アルゴン置換した二口フラスコ内に5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステル775mgに、脱水テトラヒドロフラン2.25mlを加え、ジエチルアミン1.17ml(5等量)を氷冷下、撹拌しながら滴下した。その後室温に戻し30分間撹拌した。アルゴン雰囲気下のグローブバッグ内で、反応によって析出したジエチルアミン塩酸塩をガラスフィルターでろ別し、反応容器と塩酸塩を脱水テトラヒドロフラン(THF)2mlを用いて2回洗浄した。溶液を減圧乾燥し、THF及びジエチルアミンを除去した後、クーゲルロール蒸留によって5−((N,N−ジエチルアミノ)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルを収率41%で得た。得られた化合物の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(CDCl3) −0.01ppm,s,Si−CH 3(6H) 0.46−0.52ppm,m,Si−CH 2 (2H) 0.92−0.96ppm,t,N−CH2−CH 3(6H) 1.24−1.32ppm,m,Si−CH2−CH 2(2H) 1.57−1.65ppm,OC−CH2−CH 2,CH−CH 3(5H) 2.29−2.34ppm,m,OC−CH 2(2H) 2.73−2.78ppm,q,N−CH 2−CH3(4H) 6.30−6.35ppm,q,Ar−CH(1H) 7.39−7.44ppm,m,Ar−H(1H) 7.59−7.64ppm,m,Ar−H(2H) 7.91−7.93ppm,d,Ar−H(1H)
5−((N,N−ジメチルアミノ)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルの合成
実施例1−1のジエチルアミンの代わりに2.0MジメチルアミンTHF溶液を用いて同様の操作を行い、5−((N,N−ジメチルアミノ)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルを収率20%で得た。得られた化合物の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(CDCl3) −0.01ppm,s,Si−CH 3(6H) 0.47−0.51ppm,m,Si−CH 2 (2H) 1.27−1.34ppm,m,Si−CH2−CH 2,CH−CH 3(2H) 1.58−1.65ppm,OC−CH2−CH 2,CH−CH 3(5H) 2.27−2.34ppm,m,OC−CH 2(2H) 2.41ppm,s,N−CH 3(6H) 6.28−6.33ppm,q,Ar−CH(1H) 7.38−7.44ppm,m,Ar−H(1H) 7.59−7.65ppm,m,Ar−H(2H) 7.89−7.91ppm,d,Ar−H(1H)
5−((1−ピロリジニル)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルの合成
実施例1−1のジエチルアミンの代わりに、ピロリジンを用いて同様の操作を行い、5−((1−ピロリジニル)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルを収率38%で得た。得られた化合物の1H NMRを以下に示す。得られた化合物の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(CDCl3) 0.01ppm,s,Si−CH 3(6H) 0.46−0.51ppm,m,Si−CH 2 (2H) 1.28−1.34ppm,m,Si−CH2−CH 2(2H) 1.58−1.70ppm,OC−CH2−CH 2,CH−CH 3,N−CH2−CH 2(9H) 2.28−2.34ppm,m,OC−CH 2(2H) 2.86−2.89ppm,t,N−CH 2−CH3(4H) 6.30−6.35ppm,q,Ar−CH(1H) 7.39−7.44ppm,m,Ar−H(1H) 7.61−7.64ppm,m,Ar−H(2H) 7.92−7.94ppm,d,Ar−H(1H)
5−((4−モルホリニル)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルの合成
実施例1−1のジエチルアミンの代わりに、モルホリンを用いて同様の操作を行い、5−((4−モルホリニル)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルを収率45%で得た。得られた化合物の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(CDCl3) 0.00ppm,s,Si−CH 3(6H) 0.50−0.54ppm,m,Si−CH 2 (2H) 1.26−1.34ppm,m,Si−CH2−CH 2(2H) 1.58−1.66ppm,OC−CH2−CH 2,CH−CH 3(5H) 2.28−2.38ppm,m,OC−CH 2(2H) 2.80−2.82ppm,t,N−CH 2(4H) 3.51−3.53ppm,t,N−CH2−CH 2(4H) 6.30−6.35ppm,q,Ar−CH(1H) 7.39−7.45ppm,m,Ar−H(1H) 7.59−7.64ppm,m,Ar−H(2H) 7.91−7.94ppm,d,Ar−H(1H)
5−((N,N−ジエチルアミノ)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチルエステルの合成
実施例1−1の5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルの代わりに、5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチルエステルを用いて同様の操作を行い、5−((N,N−ジエチルアミノ)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチルエステルを収率43%で得た。得られた化合物の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(CDCl3) −0.01ppm,s,Si−CH 3(6H) 0.46−0.52ppm,m,Si−CH 2 (2H) 0.92−0.96ppm,t,N−CH2−CH 3(6H) 1.24−1.32ppm,m,Si−CH2−CH 2(2H) 1.57−1.58ppm,d,CH−CH 3(3H) 1.64−1.68ppm,m,Si−CH2−CH2−CH 2(2H) 2.30−2.33ppm,m,OC−CH 2(2H) 2.73−2.78ppm,q,N−CH 2−CH3(4H) 3.96ppm,s×2,Ar−O−CH 3(4H) 6.46−6.48ppm,q,Ar−CH(1H) 7.00ppm,s,Ar−H(1H) 7.56ppm,t,Ar−H(1H)
4−((N,N−ジエチルアミノ)ジメチルシリル)ブタン−スルホン酸1−(2−ニトロベンジル)エステルの合成
実施例1−1の5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルの代わりに、4−(クロロジメチルシリル)ブタン−スルホン酸1−(2−ニトロベンジル)エステルを用いて同様の操作を行い、4−((N,N−ジエチルアミノ)ジメチルシリル)ブタン−スルホン酸1−(2−ニトロベンジル)エステルを収率30%で得た。得られた化合物の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(CDCl3) 0.02ppm,s,Si−CH 3(6H) 0.51−0.55ppm,m,Si−CH 2 (2H) 0.93−1.00ppm,t,N−CH2−CH 3(6H) 1.45−1.51ppm,m,Si−CH2−CH 2(2H) 1.89−1.94ppm,m,Si−CH2−CH2−CH 2 (2H) 2.74−2.80ppm,q,N−CH 2−CH3(4H) 3.19−3.24ppm,m,SO2−CH 2 (2H) 5.65ppm,s,Ar−CH 2 (2H) 7.53−7.55ppm,m,Ar−H(1H) 7.72−7.79ppm,m,Ar−H(2H) 8.16−8.18ppm,d,Ar−H(1H)
シリコンウェハ及びPET基板の前処理工程
50mlナスフラスコにおいて、濃硫酸14ml及び過酸化水素6mlを混合し、前処理溶液を調製した。この溶液にシリコンウェハ(有限会社エス・エヌ・ケー社製、φ4インチ、厚さ0.4mm)を入れて、1時間静置した。1時間後前処理溶液よりシリコンウェハを取り出して蒸留水で表面を洗い流し、蒸留水中で超音波を10分間当て、メタノールで洗浄した後窒素ガスにより風乾させ、シリコンウェハの前処理基板を得た。この基板の接触角を以下の方法により測定したところ15°であった。
一方、PET基板(有限会社サンプラテック社製、厚さ1mm)を蒸留水中で超音波を10分間当て、イソプロパノールで洗浄した後にUVオゾン処理(セン特殊光源株式会社製、光表面処理装置、PL16−110D)を10分間行い、PET基板の前処理基板を得た。この基板の接触角を以下の方法により測定したところ38°であった。
シリコンウェハ及びPET基板表面の接触角測定法
接触角の測定は、接触角測定装置、協和界面科学株式会社CA−DT・A型を用い、液適法(静的接触角)により測定した。即ち、接触角測定装置により、1μLの液滴を滴下し、10秒後の接触角をθ/2法により解析した。
ディッピング法によるシリコンウェハのシラザン型表面修飾剤表面修飾工程(サンプル1、サンプル2、及びサンプル3の製造)
50mlナスフラスコに実施例1−1で合成した5−((N,N−ジエチルアミノ)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステル25mg、実施例1−3で合成した5−((1−ピロリジニル)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステル25mg、又は実施例1−4で合成した5−((4−モルホリニル)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステル25mgと、ドライトルエン(活性化したモレキュラーシーブス3Aで脱水操作したもの)20mlを入れて、溶液を調整した。これに製造例1で製造した前処理を行ったシリコンウェハを入れ、室温で表1に記載の一定時間(分)静置した。一定時間経過後、シリコンウェハを取り出し、メタノール、クロロホルムで表面を洗い流し、クロロホルム中で超音波を10分間当てた。その後、表面をクロロホルムで洗い流し、窒素ガスで風乾させて、ディッピング時間の異なる各表面修飾シリコンウェハを得た。(実施例1−1で合成した化合物を用いたものをサンプル1、実施例1−3で合成した化合物を用いたものをサンプル2、実施例1−4で合成した化合物を用いたものをサンプル3とする)。
得られた各シリコンウェハについて上記と同様に接触角を測定した。結果を表1及び図2に示す。
ディッピング法によるシリコンウェハのクロロシラン型及びトリメトキシシラン型表面修飾剤表面修飾工程(比較サンプル1及び2の製造)
50mlナスフラスコに5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステル25mg、又は5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステル25mgと、ドライトルエン(活性化したモレキュラーシーブス3Aで脱水操作したもの)20mlを入れて、溶液を調整した。これに製造例1で製造した前処理を行ったシリコンウェハを入れ、室温で表1に記載の一定時間(分)静置した。一定時間経過後、シリコンウェハを取り出し、メタノール、クロロホルムで表面を洗い流し、クロロホルム中で超音波を10分間当てた。その後、表面をクロロホルムで洗い流し、窒素ガスで風乾させて、ディッピング時間の異なる表面修飾シリコンウェハを得た。ここで、5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルを用いたものを比較サンプル1、5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステルを用いたものを比較サンプル2とする。
得られたシリコンウェハについて実施例2−1と同様に接触角を測定した。結果を表1及び図2に示す。
サンプル1〜3では接触角の上昇が飽和するのに10分間程度であった。即ち、反応開始後10分の時点で、反応前の接触角が15度であったものを、サンプル1〜3による修飾では65〜75度にすることができ、急速に表面疎水化を進行させることができることがわかった。
一方、比較サンプル1では、接触角の上昇が飽和せず、3時間後も上昇を続けたことから、表面修飾速度が遅いことが明らかとなった。反応前の接触角が15度であった基材について、反応開始後10分の時点では、52度までしか表面疎水化が進行しなかった。また、比較サンプル2では、接触角の上昇が非常に遅く、反応前の接触角が15度であった基材について、180分後も44度までにしか表面疎水化が進行しなかった。
光照射による表面極性官能基を変換した表面修飾材料の製造
実施例2−1〜2−3、及び比較例1で製造したサンプル1〜3及び比較サンプル1の表面修飾シリコンウェハに、紫外線(100mW/cm2、Xe−Hgランプ、λ=300〜400nm)を90J/cm2照射した。紫外線照射後に各シリコンウェハをメタノール及びクロロホルムで表面を洗い流し、クロロホルム中で超音波を10分間当てた。その後、表面をメタノールで洗い流し、窒素ガスで風乾させて、極性変換を行った各シリコンウェハを得た。
得られた極性変換を行ったシリコンウェハであるサンプル1〜3及び比較サンプル1について上記と同様に接触角を測定した。その結果、実施例3−1としてのサンプル1の接触角は63°、実施例3−2としてのサンプル2の接触角は59°実施例3−3としてのサンプル3の接触角は62°、比較例3としての比較サンプル1の接触角は58°であり、実施例2−1〜2−3、及び比較例1で実施した前処理後のシリコンウェハより接触角が低下した。これらの結果より、サンプル1〜3及び比較サンプル1は紫外線照射により光分解性保護基が脱保護し、極性基であるカルボン酸が露出して親水性が上昇したことがわかった。
ディッピング法によるPET基板のシラザン型表面修飾剤表面修飾工程(サンプル4の製造)
50mlナスフラスコに実施例1−1で合成した5−((N,N−ジエチルアミノ)ジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステル25mgとアセトン及びシクロヘキサン(活性化したモレキュラーシーブス3Aで脱水操作したもの)を1:5(体積比)の割合で混合した溶液20mlを入れて、溶液を調整した。これに製造例1で製造した前処理を行ったPET基板を入れ、室温で表2に記載の一定時間(分)静置した。一定時間経過後PET基板を取り出し、イソプロパノールで表面を洗い流し、蒸留水中で超音波を10分間当てた。その後、表面をイソプロパノールで洗い流し、窒素ガスで風乾させて、ディッピング時間の異なる各表面修飾PET基板を得た。
得られた各PET基板について上記と同様に接触角及びヘイズ(日本電色工業株式会社、濁度、曇り度計、NDH2000)を測定した。結果を表2に示す。
ディッピング法によるPET基板のクロロシラン型表面修飾剤表面修飾工程(比較サンプル3の製造)
50mlナスフラスコに5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルエステル25mgとアセトン及びシクロヘキサン(活性化したモレキュラーシーブス3Aで脱水操作したもの)を1:5(体積比)の割合で混合した溶液20mlを入れて、溶液を調整した。これに製造例1で製造した前処理を行ったPET基板を入れ、室温で表2に記載の一定時間(分)静置した。一定時間経過後PET基板を取り出し、イソプロパノールで表面を洗い流し、蒸留水中で超音波を10分間当てた。その後、表面をイソプロパノールで洗い流し、窒素ガスで風乾させて、ディッピング時間の異なる各表面修飾PET基板を得た。
得られた各シリコンウェハについて上記と同様に接触角及びヘイズを測定した。結果を表2に示す。
一方、比較サンプル3では、接触角が5分後においてサンプル4より12°程度低い値を示していた。そこで、30分後まで測定を継続したが、サンプル4程度の接触角になる前に基板表面がアセトンによって溶解し、白濁したためヘイズが上昇した。
Claims (4)
- 式(1)で表される、極性官能基にo―ニトロベンジル基が結合している、o−ニトロベンジル基含有シラザン化合物。
(式(1)中、R1とR2は水素原子又はOR4(R4は炭素数1〜10のアルキル鎖又はフッ化アルキル鎖を表す)を表す。R3は水素原子又はメチル基を表す。Xは−O−、−COO−、−NHCOO−、−SO3−、又は−SCOO−のいずれかを表す。mは3〜20の整数を表す。Yは式(2)で表されるシラザン基を表す。)
(式(2)中、R 5 とR 6 は同一であっても異なっていてもよい直鎖状または分岐状の炭素数1〜6のアルキル基を表す。Zは二級アミノ基であって、直鎖状または分岐状の炭素数1〜4のアルキル基を持つ二級アミノ基、もしくは5〜6員環の含窒素複素環を表す。) - 請求項1記載のo−ニトロベンジル基含有シラザン化合物を含む、水酸基、アミノ基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性官能基を表面に有する基体用の表面修飾剤。
- 水酸基、アミノ基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性官能基を表面に有する基体に、請求項2記載の表面修飾剤を反応させる工程(A)を含む表面修飾材料の製造方法。
- 工程(A)で表面修飾剤を反応させた表面の少なくとも一部に光を照射し、o−ニトロベンジル基を光分解させて、該光照射面に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性官能基を形成する工程(B)を更に含む請求項3記載の表面修飾材料の製造方法。
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