JP4595627B2 - タイヤ用滑り止め具 - Google Patents

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Description

本発明はタイヤ用滑り止め具に関し、さらに詳しくは、サイズの異なる複数のタイヤに対しても位置ずれを生ずることなく、容易に装着できるようにしたタイヤ用滑り止め具に関する。
ゴムや樹脂材料等の非金属製の帯状ネットからなるタイヤ用滑り止め具は、図6に示すように、タイヤトレッド幅より広幅に形成された帯状ネット1をタイヤトレッド部Tの外周に巻付けると共に、両側の側縁をそれぞれタイヤサイドウォール部に当接するように締め付けて装着される。その装着手順は、先ず車両内側(図の左側)の側縁に間欠的に設けられた複数のフック5に沿って固定された非伸張性の締結ロープ6の両端部を連結した後、車両外側(図の右側)の側縁を車両外側に(図6の左側から右側に)引っ張り出し、その側縁に沿って間欠的に設けられた複数の係止金具7に伸縮性の締付具としてリング状バンド8(図では3本)を掛け渡して締め付けるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
したがって、締結ロープ6は帯状ネット1の全長より短い寸法に形成してあることにより、締結ロープ6を連結した後の帯状ネット1は車両内側のサイド部が絞り込まれた状態になっている。そのため、特に外径の大きいタイヤに装着する場合には、車両外側への引き出し操作に大きな抵抗力が発生し、引き出し作業を容易に行なえない場合がある。その結果、車両外側の係止金具7にリング状バンド8を掛け渡すことができなくなったり、帯状ネット1がタイヤの幅方向中心位置からずれた状態で装着されることがあり、このような場合には、走行開始直後に帯状ネット1がタイヤから外れてしまうなどの問題があった。
特開2000−203226号公報
本発明の目的は、上述する従来の問題点を解消するもので、サイズの異なる複数のタイヤに対しても位置ずれを生ずることなく、容易に装着できるようにしたタイヤ用滑り止め具を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤ用滑り止め具は、タイヤトレッド部の外周に巻付ける非金属製の帯状ネットの車両内側のサイド部分の側縁に複数のフックを間欠的に設け、これらのフックに非伸張性の締結ロープを掛け渡すと共に、車両外側のサイド部分の側縁に複数の係止金具を間欠的に設け、これらの係止金具に伸縮性の締付具を掛け渡すようにしたタイヤ用滑り止め具において、前記帯状ネットの少なくとも前記車両内側のサイド部分をタイヤトレッド側の本体部分から分離し、該サイド部分と本体部分とを複数の屈曲自在な連結具で連結すると共に、前記本体部分を前記車両内側のサイド部分より耐摩耗性の高い材料で構成し、前記車両内側のサイド部分を前記本体部分より高剛性の材料で構成したことを要旨とする。
本発明によれば、帯状ネットを少なくとも車両内側のサイド部分とタイヤトレッド側の本体部分とに分離し、そのサイド部分と本体部分とを複数の屈曲自在な連結具により連結すると共に、本体部分を車両内側のサイド部分より耐摩耗性の高い材料で構成し、車両内側のサイド部分を本体部分より高剛性の材料で構成したので、車両内側の締結ロープを連結した後の帯状ネットを車両外側に引き出す際に、車両内側で絞り込まれたサイド部の抵抗を受けることなく容易に引き出すことができ、装着時の作業性を容易にすると共に、本体部分をタイヤ幅方向に位置ずれを生じることなく正確に装着することができる。
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第一実施形態によるタイヤ用滑り止め具の一部平面図、図2はタイヤ用滑り止め具をタイヤに装着した状態を示す側面図である。
図1及び図2において、タイヤ滑り止め用の帯状ネット1は、帯状ネット1の車両内側(図中左側)のサイド部分1bを帯状ネット1の本体部分1aから分離し、車両内側のサイド部分1bと本体部分1aとを複数の屈曲自在な連結具2により連結している。そして、本体部分1aには車両内側のサイド部分1bより耐摩耗性の高い材料を使用し、車両内側のサイド部分1bには本体部分1aより高剛性の材料を使用している。
連結具2は、リング状金具3を挟んで本体部分1aと車両内側のサイド部分1bとを屈曲自在に連結する連結金具4a、4bからなり、これら連結金具4a、4bがそれぞれ本体部分1aの側縁と車両内側のサイド部分1bの側縁とに加締められている。
そして、車両内側(図の左側)の側縁に間欠的に設けられた複数のフック5に沿って固定された非伸張性の締結ロープ6の両端部を連結した後、車両外側(図の右側)の側縁を車両外側に(図6の左側から右側に)引っ張り出し、その側縁に沿って間欠的に設けられた複数の係止金具7に伸縮性の締付具としてリング状バンド8(図では3本)を掛け渡して締め付けるようにしている。
このように帯状ネット1の車両内側のサイド部分1bを帯状ネット1の本体部分1aから分離することにより、車両内側の締結ロープ6を連結した後の帯状ネット1を車両外側に引き出す際に、車両内側で絞り込まれたサイド部の抵抗を受けることなく容易に引き出すことができ、装着時の作業性を容易にすると共に、本体部分1aをタイヤ幅方向に位置ずれを生じることなく正確に装着することができる。
すなわち、上述する帯状ネット1の車両内側のサイド部分1bは、その周長が本体部分1aの周長より短くなるように成形されているため、タイヤTへの装着に際して本体部分1aを伸長させながら車両外側に引き出すことなく装着させることができる。
なお、図1の実施形態では、本体部分1aを構成する帯状ネット1のパターン構成を、タイヤ装着状態における中央位置(図中CLで示す)を境界にして、左右非対称に形成した場合を示したが、帯状ネット1のパターン構成はこれに限られることなく、例えば、左右対称の構成に形成することができる。
本発明の第二実施形態によるタイヤ用滑り止め具は、図3に示すように、図1の帯状ネット1の本体部分1aの車両外側のサイド部分1cを本体部分1aから分離し、車両外側のサイド部分1cと本体部分1aとを複数の屈曲自在な連結具2により連結している。そして、車両外側のサイド部分1cの側縁に設けられた複数の係止金具7に伸縮性のリング状バンド8(図では3本)を掛け渡して締め付け固定するようにしている。本実施形態にあっても、第一実施形態における車両内側のサイド部分1bと同様に、車両外側のサイド部分1cは、その周長が本体部分1aの周長より短くなるように成形されているため、装着後の車両外側のサイド部分1cはタイヤサイドウォール部に密着した状態を保持し、帯状ネット1の正確な装着を可能にする。なお、連結具2の構成は、第一実施形態と同等であるため、重複する説明を省略する。
上述する第二実施形態において、本体部分1aの幅wを被装着タイヤの接地幅の50〜100%となるように調整するとよい。これにより、装着時の作業性を一層容易にすると共に、帯状ネット1をタイヤ幅方向に位置ずれを生じさせることなく正確に装着するとができる。本体部分1aの幅wが上記の範囲から逸脱すると、帯状ネット1をタイヤの中央位置に正確に装着することが難しくなると共に、装着時の作業性が低下することになる。ここで、被装着タイヤの接地幅とは、JATMA規定の空気圧、負荷荷重時における接地幅をいい、乗用車タイヤの場合には内圧を180kPa、負荷荷重を最大荷重の88%とした時の接地幅をいう。
前述するように、本発明のタイヤ用滑り止め具では、本体部分1aには車両内側のサイド部分1bより耐摩耗性の高い材料を使用し、車両内側のサイド部分1bには本体部分1aより高剛性の材料を使用するようにしている。これにより、帯状ネット1を装着するに際して、最初に車両内側のサイド部分1bをタイヤサイドウォール部に密着させた上で、帯状ネット1の車両外側への引出しを容易にすることができるので、安定した装着を可能にすると共に、帯状ネット1の耐久性を向上させることができる。本発明において、本体部分1aにはJIS−A硬さ(JISK6253の規定による)が60〜75のゴムを使用し、車両内側のサイド部分1bにはJIS−A硬さが75〜90のポリウレタン樹脂を使用するとよい。これにより、走行時のタイヤ騒音を低減させることができる。
本発明の連結具2を構成する材料は、特に限定されないが、好ましくは金属で構成し、この場合には、連結具2が路面と直接接触する部分に位置するため、路面との接触により連結具2自体が摩耗したり、路面を損傷させることを防ぐため、連結具2の表面を連結具2を構成する金属より耐摩耗性の高い材料で被覆するとよい。さらに、同様な観点から、連結具2が連結された本体部分1aの近傍を、図5に例示するように、連結具2の表面より突出させて、連結具2が直接路面と接触するのを防止するようにするとよい。
上述するように、本発明の帯状ネットは、帯状ネットの少なくとも車両内側のサイド部分を帯状ネットの本体部分から分離し、車両内側のサイド部分と本体部分とを複数の屈曲自在の連結具により連結すると共に、本体部分を車両内側のサイド部分より耐摩耗性の高い材料で構成し、車両内側のサイド部分を本体部分より高剛性の材料で構成したことにより、装着時の作業性を容易にすると共に、帯状ネットをタイヤ幅方向に位置ずれを生じることなく正確に装着させるもので、従来から懸案とされてきた帯状ネットの装着時の作業性を改善させたものとして幅広く利用することができる。
本発明の第一実施形態によるタイヤ用滑り止め具の一部平面図である。 図1のタイヤ用滑り止め具をタイヤに装着した状態を示す断面図である。 本発明の第二実施形態によるタイヤ用滑り止め具の一部平面図である。 図3のタイヤ用滑り止め具をタイヤに装着した状態を示す断面図である。 図1のX−X矢視断面図である。 従来のタイヤ用滑り止め具をタイヤに装着した状態を示す断面図である。
符号の説明
1 帯状ネット
1a 本体部分
1b 車両内側のサイド部分
1c 車両外側のサイド部分
2 連結具
3 リング状金具
4a、4b 連結金具
5 フック
6 締結ロープ
7 係止金具
8 リング状バンド

Claims (6)

  1. タイヤトレッド部の外周に巻付ける非金属製の帯状ネットの車両内側のサイド部分の側縁に複数のフックを間欠的に設け、これらのフックに非伸張性の締結ロープを掛け渡すと共に、車両外側のサイド部分の側縁に複数の係止金具を間欠的に設け、これらの係止金具に伸縮性の締付具を掛け渡すようにしたタイヤ用滑り止め具において、
    前記帯状ネットの少なくとも前記車両内側のサイド部分をタイヤトレッド側の本体部分から分離し、該サイド部分と本体部分とを複数の屈曲自在な連結具で連結すると共に、前記本体部分を前記車両内側のサイド部分より耐摩耗性の高い材料で構成し、前記車両内側のサイド部分を前記本体部分より高剛性の材料で構成したタイヤ用滑り止め具。
  2. 前記帯状ネットの前記車両外側のサイド部分を前記本体部分から分離し、該サイド部分と本体部分とを複数の屈曲自在な連結具で連結した請求項1に記載のタイヤ用滑り止め具。
  3. 前記本体部分の幅が被装着タイヤの接地幅の50〜100%である請求項2に記載のタイヤ用滑り止め具。
  4. 前記本体部分をJIS−A硬さ60〜75のゴムで構成し、前記車両内側のサイド部分をJIS−A硬さ75〜90のポリウレタン樹脂で構成した請求項1、2又は3に記載のタイヤ用滑り止め具。
  5. 前記連結具が金属からなり、その表面を前記金属より耐摩耗性の高い材料で被覆した
    請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用滑り止め具。
  6. 前記連結具が連結された前記本体部分の近傍を、前記連結具の表面より突出させた
    請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用滑り止め具。
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