JP4586264B2 - 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面処理無機粒子、表面処理無機粒子とポリエステル樹脂を含む樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より熱可塑性樹脂、特にポリエステル樹脂は優れた機械的特性や寸法安定性、耐薬品性等の物理的、化学的性質を有することから、繊維、フィルム用途、包装用等の分野で大量に利用されている。一方で、そのような成形品を得る成形工程あるいは製品自体を取り扱う際に滑り性不良による作業性、生産性の悪化あるいは製品価値の低下といったトラブルが生じることが知られている。
【0003】
このような問題に対して、ポリエステル樹脂中に微粒子を配合せしめて成形品の表面に適度の凹凸を付与し、滑り性を向上させる方法が提案され、該微粒子として例えば、シリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、カオリナイトなどの無機粒子が採用されている。しかし、このような無機粒子は粒子表面の親水性および粒子形状や粒径が不揃いである理由から、粒子凝集しやすく樹脂への分散不良や濡れ性不良および樹脂の劣化を引き起こし、得られた成形品中に気泡のような空隙が生じたり、特に高温高速加工されたフィルムに発泡やブツ凝集、ボイド、粒子脱落等が生じるため、良好なフィルムが得られないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、無機粒子をオルガノポリシロキサンで処理することにより、無機粒子の樹脂への分散性や濡れ性が向上するため、加工成型時に気泡のような空隙、特にフィルム成型時に発泡やブツ凝集やボイド、粒子脱落等の発生が改善された樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、シリカ、ゼオライトまたはアルミナら選ばれる平均粒子径が0.03〜30μmである無機粒子の表面をオルガノポリシロキサンで被覆してなる表面処理無機粒子からなるアンチブロッキング剤およびポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物であって、
前記ポリエステル樹脂が、極限粘度が0.3〜1.1、かつ極限粘度保持率が70%以上である樹脂であり、
かつ、前記無機子のポリエステル樹脂への分散性の指標である樹脂組成物のΔPが50以下であることを特徴とする樹脂組成物である。
【0006】
更に本発明は、上記オルガノポリシロキサンの動的粘度が50〜10000cStである上記樹脂組成物である。
【0007】
更に本発明は、オルガノポリシロキサンの被覆量が無機粒子重量の0.01〜10重量%である上記樹脂組成物である。
【0008】
更に本発明は、無機粒子の形状がアスペクト比0.5〜1の球状粒子である上記樹脂組成物である。
【0014】
更に本発明は、上記樹脂組成物から得られる成型物である。
【0015】
【発明の実施の形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる無機粒子は具体例として、シリカ、ゼオライト、アルミナまたは酸化鉄が好適である。また、無機粒子の形状は特に限定されないが、球状のものが好ましい。ここで、球状とは、アスペクト比が0.5〜1の粒子形状をいう。すなわち、電子顕微鏡観察による短径と長径の比(短径/長径)が0.5〜1であるものをいう。もちろん、滑り性等が良好なフィルムを得るためには、真球状(短径/長径=1)であることが最も好ましい。
【0017】
本発明で用いる無機粒子の平均粒子径は、0.03〜30μmが適当であり、好ましくは0.5〜10μmである。平均粒子径が0.03μmより小さい場合は粒子凝集、分散不良が発生すると共にアンチブロッキング効果を出す粒径としては小さすぎるため、フィルムの走行性や耐摩耗性が不十分であり、30μmより大きい場合は、フィルムの表面粗さが大きくなりすぎ、透明性の低下、フィッシュアイの発生によるフィルムの外観不良となる。
【0018】
本発明で使用するオルガノポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサンやメチル水素ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及び各種変性ポリシロキサン等のポリジメチルシロキサンを挙げることができる。例えば、アルコール変性ポリシロキサン、エーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサンなどが用いることができる。
【0019】
また、上記例示した表面処理剤のうちメチル水素ポリシロキサンは、下記式で表されるメチル水素ポリシロキサンであることが望ましい。
【0020】
【化1】
Figure 0004586264
(式中nは正の整数を表し、12以下であることが好ましい。)
【0021】
本発明で使用するオルガノポリシロキサンは、25℃における動的粘度が50〜10000cStであることが重要であり、好ましくは80〜6000cStである。動的粘度が50cSt未満であると引火点が低下すると共に分解し易くなるので高温で加工することが難しくなる。一方、10000cStを越えると無機粒子表面を均一に処理し得ず、粗大凝集粒子が発生しやすくなる。
【0022】
本発明で用いられるオルガノポリシロキサンは、無機粒子重量の0.01〜10重量%添加するのが好ましい。10重量%を越えると、オルガノポリシロキサンそのものの分解等によって、製造された成形品に発泡やブツ等が生じて好ましくない。0.01重量%未満では、無機粒子表面へのオルガノポリシロキサンの量が充分でなく、無機粒子の樹脂への分散が不良となり、上記フィルム等の成形品として不良な物性を引き起こして好ましくない。
【0023】
これらのオルガノポリシロキサンで無機粒子を処理する方法としては一般的に湿式処理法または乾式処理法を利用することができる。湿式処理としては、溶媒中に無機粒子とオルガノポリシロキサンを加え、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの高剪断力混合機を用いて均一に混合した後、溶媒を除去することによって表面処理を行う。また乾式処理としては無機粒子をマイクロナイザー、ジェットミルなどの流体エネルギー粉砕機で粉砕する際にオルガノポリシロキサンを添加することによって行うことができ、流体としては、通常は圧縮空気、加熱圧縮空気、スチーム等が用いられる。
【0024】
特に、表面処理後または処理中に、表面処理無機粒子を加熱乾燥させることにより疎水性表面がより強固なものとなるため、水分吸着等による含水量が大きく低減する。このようにして得られた低含水量の表面処理無機粒子は樹脂へ混練分散の際、樹脂劣化が抑えられるため、分散力や分散時間を上げられる等様々な利点がある。
【0025】
本発明の表面処理無機粒子は、樹脂への添加剤として用いることができるが、好ましくはフィルム用、なかでも延伸ポリエステルフィルム用アンチブロッキング剤として用いるのが好適である。
【0026】
本発明で使用するポリエステル樹脂は、それぞれ従来公知の樹脂である。テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸、又はそのエステルと、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の如き脂肪族グリコールとを縮重合させて得ることのできるポリエステルである。代表的なものとしてポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
【0027】
これらのポリエステル樹脂は、複数種のカルボン酸成分と複数種のジオール成分とを組み合わせたものであっても良い。すなわち、前記ポリエステル樹脂は上記の芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族グリコール成分からなるホモポリマーが好ましいが、第三成分を小割合共重合したコポリマーであることもできる。この第三成分としては、例えば主たる構成成分がエチレンテレフタレートである場合、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール;コハク酸、アジピン酸、セパシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能多価カルボン酸などが例示できる。また、主たる構成成分がエチレン−2,6−ナフタレートである場合、上記と同じ第三成分(ただし2,6−ナフタレンジカルボン酸をテレフタル酸とする)を挙げることができる。
【0028】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、表面処理無機粒子を高濃度に含有し、成形時に希釈樹脂(熱可塑性樹脂)で希釈して成形に供されるペレット状のポリエステル樹脂組成物(以下マスターバッチという)であっても良いし、あるいはまた、表面処理無機粒子の濃度が比較的小さく、希釈樹脂で希釈せずにそのまま成形に供されるペレット状のポリエステル樹脂組成物(以下コンパウンドという)であっても良い。マスターバッチとコンパウンドとを比較すると、これらを得る加工工程に大差はない。しかし、マスターバッチの方が表面処理無機粒子を高濃度に含有する分、コンパウンドよりややコスト高である。しかしながらマスターバッチの場合は、マスターバッチを安価な希釈樹脂で希釈して成形品を得ることができるため、コンパウンドから製造した成形品よりもマスターバッチから製造した成形品の方が安価であり、好ましい。
【0029】
表面処理無機粒子とポリエステル樹脂の配合比についてより具体的には、本発明のポリエステル樹脂組成物は、表面処理無機粒子とポリエステル樹脂とを0.01/99.99〜80/20の割合で配合すれば良く、種々の混合機や分散機や混練機を用いて表面処理無機粒子とポリエステル樹脂とを加熱混練すれば良い。また、本発明の樹脂組成物は、ペレット状やフレーク状のマスターバッチであることが好ましい。
【0030】
本発明の樹脂組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度は、該ポリエステル樹脂の劣化(加水分解)の状態を示すものである。無機粒子とポリエステル樹脂とを含有し、加熱混練して成る樹脂組成物を適当な溶媒を用いて、樹脂組成物中のポリエステル樹脂を溶解せしめ、無機粒子を分離してなる、濃度の異なるポリエステル樹脂溶液を複数用いて、各樹脂溶液の粘度を求め、定法に従い、粘度/濃度の値を濃度に対してプロットし、濃度0に補外して求めた値である。極限粘度保持率とは、該樹脂組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度の、該樹脂組成物に用いられるポリエステル樹脂(ブランク)の極限粘度に対する比であって、係る値が大きいほど、つまり該樹脂組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度がブランクの極限粘度に近いほど、該樹脂組成物中のポリエステル樹脂は劣化していない。
【0031】
本発明の樹脂組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度は、0.3〜1.1であることが重要である。樹脂組成物の製造に供されるポリエステル樹脂自体の極限粘度は大きくても1.3程度であるが、マスターバッチを製造する際の加熱混練によって程度の差こそあれ劣化(加水分解)し、極限粘度が低下する傾向にある。ポリエステル樹脂自体の極限粘度はかなり大きくても、適度に劣化(加水分解)したり、あるいはポリエステル樹脂自体の極限粘度は比較的小さくても、極限粘度が低下し難く、樹脂組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度が上記範囲にあれば良い。即ち、樹脂組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度が0.3未満であるような樹脂組成物をフィルム等の成型品に用いるとフィルム等の成型品の強度低下を引き起こす原因となる。一方、樹脂組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度が1.1を越えるような樹脂組成物をフィルム等の成型品に用いると樹脂組成物が、希釈用ポリエステル樹脂中に簡単には分散・分配し難くなり、その結果、表面処理無機粒子をポリエステル樹脂中に均一かつ速やかに分散することが困難となり、フィルム等成型品の高温加工性を損なう。従って、樹脂組成物中のポリエステル樹脂は上記範囲にあることが重要である。
【0032】
本発明の樹脂組成物のΔPは、該樹脂組成物中のポリエステル樹脂への無機粒子の分散性の度合いを示すものである。具体的には、ラボプラストミル単軸押出機20mm(東洋精機社製)の出口の40/80/120/500と順次メッシュの細かくなるスクリーンを装着し、50rpm、押出温度300 ℃にて、マスターバッチを通過させ、通し始めた時の初期圧力(P1)を求め、前記マスターバッチを所定量( 該マスターバッチ中に無機粒子を100g含有する量) を通過させた時の終了圧力(P2)を求める。分散性が不良な無機粒子は凝集状態としてポリエステル樹脂中に存在し、その凝集度によってはメッシュを通過することなく、メッシュに目詰まりを起こさせるため、圧力増加を招く。従って、この圧力差ΔP=P2−P1が小さい程無機粒子の分散性が良好であることを示す。
【0033】
本発明の樹脂組成物のΔPは50以下であることが好ましい。分散性の指標であるΔPが50以下であれば、フィルム等成型時の樹脂圧上昇が低いため、生産作業上のロングラン性がよく、またフィルム等成型品のブツ、透明性などの諸物性が良好となるが、ΔPが50以上では生産作業性への悪影響、成型品に外観不良等の物性不良が起こる。
【0034】
本発明の樹脂組成物はどのような成型品としても使用できるが、好ましくはフィルムとして使用され、中でも延伸ポリエステルフィルムとして好適である。延伸ポリエステルフィルムは、一軸延伸されたものでも二軸延伸されたものであっても良いが、アンチブロッキング剤の脱落等の問題がより顕著に生じることから、二軸延伸フィルムにおいて特に効果的である。
【0035】
このような延伸ポリエステルフィルムは、上記方法で得られるポリエステル系樹脂組成物(コンパウンド)、あるいはポリエステル系樹脂組成物(マスターバッチ)をさらにポリエステル系樹脂で希釈して得られる樹脂組成物をシート状に成形し一軸または二軸に延伸する方法により製造される。
【0036】
ポリエステルフィルム中のアンチブロッキング剤(表面処理された無機粒子)の含有量は、0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%が好適である。アンチブロッキング剤の含有量が0.01重量%より少ない場合は、アンチブロッキング効果が得られず、また、3重量%より多い場合はフィルムにフィッシュアイ等が多発し、外観が不良となる。
【0037】
フィルムの厚みは、一般的に10〜100μmである。また、フィルムには、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤等、界面活性剤からなる帯電防止剤や防曇剤を配合しても良い。さらに、フィルムにはコロナ処理等を施しても良い。
【0038】
【実施例】
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。以下、実施例及び比較例について説明する。
【0039】
[無機粒子の表面処理法]
実施例1〜9、比較例1〜9
無機粒子をジェットミルにより粉砕(使用流体:圧縮空気、0.3MPa)しながらジメチルポリシロキサンまたはメチル水素ポリシロキサンのアルコール溶液を添加し表面処理無機粒子を得た。ポリシロキサンの無機粒子への被覆量は表1に基づき、所定の被覆量となるように、無機粒子の処理重量と処理剤の供給濃度または供給流量を変化させることにより被覆量を調整した。
【0040】
[マスターバッチの作成法]
ホモポリエチレンテレフタレート((η)=0.630)50重量%、表面処理無機粒子50重量%を溶融混練機にて、溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
【0041】
得られたマスターバッチ中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率を下記の方法に従って求めた。また、得られたマスターバッチの分散性を評価すると共に、得られたマスターバッチを用いて下記の方法に従いフィルムを作成し、その物性等を評価した。結果を表1に示す。なお、実施例において、比較例4〜9は参考例である。
【0042】
[極限粘度(η)]および[極限粘度(η)保持率]
極限粘度(η)は、ポリエステル樹脂をそれぞれ0.1g、0.3g、0.5gを含有するマスターバッチを、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを用いて、マスターバッチ中のポリエステル樹脂を溶解し、表面処理無機粒子を遠心分離によって除去した後の各ポリエステル樹脂溶液の30℃における粘度を測定し、定法に従い、求めた。なお、ブランクの場合は、マスターバッチの代わりに、ポリエステル樹脂そのものを用い、遠心分離による表面処理無機粒子の除去を経ない以外は、上記と同様にして極限粘度を求めた。極限粘度保持率は、マスターバッチ中のポリエステル樹脂の極限粘度/ブランクの極限粘度である。
【0043】
[分散性評価方法]ラボプラストミル単軸押出機20mm(東洋精機社製)の出口の40/80/120/500と順次メッシュの細かくなるスクリーンを装着し、50rpm、押出温度300 ℃にて、マスターバッチを通過させ、通し始めた時の初期圧力(P1)を求め、前記マスターバッチを所定量( 該マスターバッチ中に無機粒子を100g含有する量) を通過させた時の終了圧力(P2)を求める。分散性が不良な無機粒子は凝集状態としてポリエステル樹脂中に存在し、その凝集度によってはメッシュを通過することなく、メッシュに目詰まりを起こさせるため、圧力増加を招く。従って、この圧力差ΔP=P2−P1が小さい程、表面処理無機粒子の分散性が良好であることを示す。
【0044】
[フィルム製膜方法]得られたマスターバッチ40重量部、ホモポリエチレンテレフタレート((η)=0.630)60重量を混合し、270〜300℃で溶融押出し、200μmのシートを得た。該シートを90℃で同時二軸延伸し、20μmのフィルムを作成した。フィルムの製膜状態と、得られたフィルムの平滑性を評価した。
【0045】
[フィルムの製膜状態]
◎:全く破断なし。
○:ほとんど破断なし。
△:ときどき破断する。
×:頻繁に破断する。
【0046】
[フィルムのブツ発生]:目視評価。
◎:全くブツが無い。
○:ほとんどブツが無い。
△:若干ブツが生じる。
×:著しくブツが生じる。
【0047】
【表1】
Figure 0004586264
【0048】
シリカ1:球状(アスペクト比0.80)、平均粒径1.6μm、沈降法合成シリカ
DMPS:ジメチルポリシロキサン
シリカ2:平均粒径2.7μm、ゲル法合成シリカ
MHPS:メチル水素ポリシロキサン
ゼオライト1:球状(アスペクト比0.94)、平均粒径5μm
ゼオライト2:平均粒径4.2μm
【0049】
【発明の効果】
本発明により、無機粒子をオルガノポリシロキサンで処理することで無機粒子の樹脂への分散性や濡れ性が向上するため、加工成型時に気泡のような空隙、特にフィルム成型時に発泡やブツ凝集やボイド、粒子脱落等の発生が改善された樹脂組成物を提供することが可能となった。

Claims (5)

  1. シリカ、ゼオライトまたはアルミナら選ばれる平均粒子径が0.03〜30μmである無機粒子の表面をオルガノポリシロキサンで被覆してなる表面処理無機粒子からなるアンチブロッキング剤およびポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物であって、
    前記ポリエステル樹脂が、極限粘度が0.3〜1.1、かつ極限粘度保持率が70%以上である樹脂であり、
    かつ、前記無機子のポリエステル樹脂への分散性の指標である樹脂組成物のΔPが50以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. オルガノポリシロキサンの動的粘度が50〜10000cStである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. オルガノポリシロキサンの被覆量が無機粒子重量の0.01〜10重量%である請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 無機粒子の形状がアスペクト比0.5〜1の球状粒子であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の樹脂組成物から得られる成型物。
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