JP5082863B2 - 複合樹脂組成物およびそれを用いてなる成形体 - Google Patents

複合樹脂組成物およびそれを用いてなる成形体 Download PDF

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Description

本発明は、無機フィラーを含有する複合樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、無機フィラーの分散性に優れる複合樹脂組成物およびそれを用いてなる成形体に関する。
近年、プラスチックの担う産業分野が自動車分野、家電・OA機器分野、情報電子通信分野、輸送分野、土木・建築分野、食品包装分野、医療・福祉分野、事務・家庭・スポーツ分野など多岐に渡るようになった。それに伴い様々な品質要求が生まれることなり、単一の樹脂系のみでは到達が困難な場合が生じてきた。ポリマーブレンドあるいは、ポリマーアロイは、少なくとも、2種以上の高分子化合物の混合物として、こうした複雑化、多様化した要求に応えた開発が進んでいる。
複合樹脂として最も有名なのがPC樹脂/ABS樹脂である。PC樹脂は耐衝撃性、耐熱性などに優れているが成形加工性が劣る。一方、ABS樹脂はPC樹脂と比べると耐衝撃性、耐熱性が劣るが成形性に優れ安価である。お互いの欠点を補うためにPC樹脂/ABS樹脂アロイが開発された。また、PC樹脂に耐薬品性を付与させたPC樹脂/PET樹脂やPC樹脂/PBT樹脂などのポリマーアロイなどが販売されている。最近ではPLA樹脂の耐衝撃性、耐熱性を向上させたPLA樹脂/PC樹脂や安価かつ耐熱性を向上させたPLA樹脂/PP樹脂などのポリマーアロイも開発されている。
ポリマーアロイを製造する際、2種以上の樹脂がお互いに非相溶であれば相溶化させる手法が必要となる。相溶化がきちんとなされていないと物性は低下し、アロイ化による物性向上の効果が薄れてしまう。相溶化をさせる方法の1つは混練時に剪断速度を上げて相溶化させる手法で、もう1つは2種以上のポリマー間の界面張力を下げるために相溶化剤を用いる手法である。特に設備の見直しも要らず容易に検討が進められることなどから、相溶化剤を用いる手法が多く取られている。
現在使われている相溶化剤は極性基を持たないものと極性基を持つものに分類される。極性基を持った相溶化剤を用いたポリマーアロイに無機フィラーを配合する際、相溶化剤の極性基と無機フィラー表面の表面処理剤が親和性を持つと、表面処理された無機フィラーが選択的に相溶化剤に取り込まれてしまう。そのため十分な無機フィラーの分散が行えず、期待される物性改良が行えない、射出成形物、フィルム、シート等に出来ない等の問題点があった。また、相溶化剤の極性基を無機フィラーがマスクしてしまうため相溶化の効果も低減する問題点もあった。
以前から表面処理技術は頻繁に行われ、特に活性の高い二酸化チタンやナノ微粒子、分散させるのが難しいナノ微粒子などでは必須の技術となっている。特に二酸化チタンは使用頻度も高く数多くの検討がなされている。一般的に二酸化チタンなどでは有機処理が施された製品があるが、使用される有機薬品はペンタエリトリット、トリメチロールプロパンなどのポリオール系と、トリエタノールアミン、トリメチロールアミンの有機酸塩等のアルカノールアミン系およびシリコーン樹脂やアルキルクロロシランなどのシリコーン系に大別される(非特許文献1)。樹脂や用途によりこれらの表面処理剤を使い分けている。具体的にはポリオール系やポリシロキサン系の表面処理剤による二酸化チタンの表面処理(特許文献1〜3)が知られている。また、用途での表面処理の変更の例として二酸化チタン顔料をアミンシラン化合物又はアミノアルコール化合物で表面処理することで写真印画紙支持体において、写真現像工程中の写真定着液に曝された場合において、黄変を起こさず高い白色性を有するフィルムを得ることができる技術などの用途によって表面処理を施す技術も知られている(特許文献4)。他に樹脂種によって表面処理を改良した技術として二酸化チタンにより生分解樹脂が分解してしまうのを防ぐために二酸化チタン顔料にエポキシシランカップリング剤を表面処理する技術(特許文献5)やステアリン酸やラウリル酸、オルガノシロキサンを表面処理する技術(特許文献6)、アルキルシラン化合物の加水分解物で表面処理を施す技術(特許文献7)などが知られている。また、二酸化チタン以外の無機フィラーの表面処理技術としては紫外線遮蔽能を有する酸化第二鉄を高分散させ透明性を挙げるために多価アルコールとオルガノポリシロキサンで被覆させる技術(特許文献8)、溶融フィルムが脈動を起こすいわゆるサージング現象を抑えるために金属酸化物をシランカップリング剤で処理する技術(特許文献9)、有機媒体への親和性と分散性および耐熱性に優れると共に撥水性を与えるためアルコキシル基またはシラノール基を有する芳香族系珪素化合物で多孔質無機酸化物を被覆する技術(特許文献10)、シリカ、ゼオライト、アルミナまたは酸化鉄から選ばれる無機粒子をオルガノポリシロキサンで処理することにより、生分解性樹脂の樹脂劣化を抑えつつ分散性や濡れ性を向上させる技術(特許文献11)、ポリエステル樹脂への用途としてグリセリンエステル化合物で無機粒子に表面処理を施すことで高透明、高分散、劣化防止をさせる技術(特許文献12)、金属酸化物に重合性炭素二重結合を有するシランカップリング剤で処理することで高濃度化に含有でき、且つ分散性に優れた高隠蔽性フィルム用途の分散体を得る技術(特許文献13)などが知られている。
「酸化チタン 物性と応用技術」、技術堂出版株式会社、1991年、p.31 特開昭52−35625号公報 特公昭58−43734号公報 特公昭61−26552号公報 特開2007−191604号公報 特開平18−028257号公報 特開2004−75727号公報 特開2007−224180号公報 特開2005−146233号公報 特開2000−169726号公報 特開2003−171577号公報 特開2002−173580号公報 特開2007−238855号公報 特開2000−178450号公報
本発明の目的は無機フィラーと極性基を持つ相溶化剤を含む2種以上の樹脂からなるポリマーアロイに対して、無機フィラーの分散性が優れ、フィルム、シート等に成形した場合でも機械物性が低下せず、無機フィラー凝集物による成形品の外観不良が生ずることの無い着色樹脂組成物ならびに成形体を提供することである。
本発明は互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂と極性基を有する相溶化剤と、該相溶化剤と親和性を有さないシラン系表面処理剤で表面処理を施した無機フィラーからなることを特徴とする複合樹脂組成物に関する。
更に本発明は無機フィラーが金属酸化物であることを特徴とする上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は親和性が化学反応を伴う共有結合または化学反応を伴わない水素結合を介して生じることを特徴とする上記樹脂組成物に関する。
更に本発明はシラン系表面処理剤が式(1)で示されるシランカップリング剤またはシリコーンオイルから選ばれる少なくとも1種であり、該シリコーンオイルがジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルまたはそれらの共重合体である上記樹脂組成物に関する。
Rn−Si−(OR´)4−n ・・・(1)
〔式中、Rは炭素数1〜15個で構成される炭化水素基を表し、R´はメチル基もしくはエチル基を表す。また、nは1〜3の整数を示す。〕
更に本発明は極性基を有する相溶化剤が分子中にカルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシルシリル基、イソシアネート基、およびオキサゾリン基から選ばれる極性基を1種以上含み、且つ骨格となる樹脂が該互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂の1種以上と混和であることを特徴とする上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂の合計100重量部に対し、相溶化剤が1〜100重量部添加することを特徴とする上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂と相溶化剤の合計100重量部に対し、無機フィラー1〜400重量部含有することを特徴とする上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は上記樹脂組成物からなる成形体に関する。
本発明により無機フィラーと極性基を持つ相溶化剤を含む2種以上の樹脂からなる機械物性および成形品外観が良好な樹脂組成物およびそれを用いた成形体を得ることが出来た。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー、アイオノマー樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、エチレンアクリル酸エチル共重合体、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・塩素化ポリスチレン・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・EPDM・スチレン共重合樹脂、シリコーンゴム・アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、メタクリル樹脂、エチレン・メチルメタクリレートコポリマー樹脂、エチレン・エチルアクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ4フッ化エチレン樹脂、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂、4フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂、ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ナイロン4,6、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12、ナイロン6,T、ナイロン9,T、芳香族ナイロン樹脂、ポリアセタール樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、非晶性コポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン樹脂、ポリフロロアルコキシ樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、生分解樹脂、バイオマス樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂2種以上を共重合させたものであっても良い。
また、本発明に用いられる熱可塑性樹脂として、生分解樹脂、バイオマス樹脂も用いることができる。生分解樹脂は単にプラスチックがバラバラになることではなく、微生物の働きにより、分子レベルまで分解し、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環していく性質を持った樹脂であり、その原料は有機資源由来の物質ある必要性が無い樹脂を示す。一方、バイオマス樹脂とは有機資源由来の物質からなる樹脂で生分解性を有さなくても良い樹脂を示す。生分解樹脂、バイオマス樹脂の両方に属する樹脂も多い。具体的にはポリ乳酸、ポリカプロラクトン、または脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールとを原料として得られる脂肪族ポリエステル系樹脂の他、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂等が挙げられる。特にポリ乳酸が好ましい。
本発明における互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂の少なくとも1種以上は極性基をもつ相溶化剤が作用できる部位を有している極性樹脂であることが好ましく、更に好ましくは極性基をもつ相溶化剤が作用できる極性樹脂と作用できない非極性樹脂のそれぞれ1種以上からなることが好ましい。極性樹脂としては、前記熱可塑性樹脂の中で分子構造中にカルボキシル基、酸無水物基、金属塩となっているカルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、ハロゲン基、エポキシ基、オキサゾリン基、スルホン酸基、イソシアネート基、チオ−ル基、エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、尿素結合から選ばれる少なくとも1種を有する樹脂を示す。
本発明における「相溶」の規定は以下の通りである。一般に「相溶」とは相溶(miscible)と相容(compatible)の両方の意味で用いられる。相溶(miscible)とは2種以上の樹脂混合系が単一相を形成することを示し、具体的には示差走査熱量測定(DSC)を用いて混合系のガラス転移温度(Tg)を測定するとピークが1箇所になる状態を示す。この単一相は通常ある範囲の温度、圧力、組成の範囲で形成し得る。また、単一相を形成するための熱学的必要条件は混合のギブズ自由エネルギーΔG<0である。以上のような状態以外の樹脂の混合系は非相溶であるという。本発明における「非相溶」はこれに該当する。一方、相容(compatible)は混和とも表現され非相溶性ポリマーブレンドまたはコンポジットにおいて、各樹脂が界面結合する能力があることをいう。基本的に相容している混合系においては各々の物性値に体積分率をかけたものの和になるものが多い。それに対して力学的に十分な性能を発揮しないような場合を非相容または非混和という。更に、相溶性を有する2つ以上の樹脂の組み合わせは混和性を有する。
そして、本発明における相溶化剤とは、非相溶である2つ以上の熱可塑性樹脂のそれぞれに対して相容(混和)あるいは反応する部位を有し、本来非相溶である2つ以上の樹脂を相容せしめる働きをするものを示す。相溶化剤には非反応性相溶化剤と反応性相溶化剤があり、非反応性相溶化剤にはベース樹脂と同一もしくは混和性の高い樹脂のセグメントを有するグラフト、ブロックポリマーやある種のブロックコポリマーなどでベース樹脂間の界面張力を下げることで相溶化を促進させ、一方反応性相溶化剤は分子内に反応性を有する官能基を持つことでベース樹脂と反応させることで相溶化を促進させる。本発明においては極性基をもつ相溶化剤、つまり反応性相溶化剤が用いられる。
本発明における極性基をもつ相溶化剤としては、分子中にカルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシルシリル基、イソシアネート基、およびオキサゾリン基を含むポリマーを示し、市販品には、例えば、三洋化成工業社製のユーメックス(マレイン酸変性ポリプロピレン)、住友化学社製のBONDFAST(エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレート・メチルアクリレート共重合体)、日本触媒社製のエポクロス(スチレン−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン共重合体)、Chemtura社製のPOLYBOND(マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリエチレン、アクリル酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリエチレン)、JSR社製のDynaron(酸変性SEBC、アミン変性SEBCなど)、日本油脂社製のモディパー(エチレン・グリシジルメタクリレートとポリスチレンのグラフトポリマーなど)、東亜合成化学工業のレゼダ(エポキシ変性PMMA−g−PMMA、エポキシ変性PS−g−PMMA、エポキシ変性PS−g−PS)とARUFON(カルボン酸またはエポキシ変性のアクリル樹脂)、アルケマ社製のLOTADER GMA(エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレート・メチルアクリレート共重合体)とLOTADER MAH(エチレンと無水マレイン酸とメチルアクリレートまたはエチルアクリレートまたはブチルアクリレートとの共重合体)とOREVAC(無水マレイン酸グラフトポリマー)、クレイトン社製のKRATON FG(無水マレイン酸グラフトSEBS)などが挙げられる。
本発明における相溶化剤の配合量は互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂の合計100重量部に対し、相溶化剤が1〜100重量部添加であるが、コンパウンドとして用いる場合は1〜25重量部が好ましい。コンパウンドとして用いるときに25重量部以上添加すると物性に悪影響を与えてしまう恐れがある。
本発明における無機フィラーとしては、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、窒化物、炭素類、金属粉などが挙げられる。これらの無機フィラーの中で金属酸化物を用いることが好ましく具体的には二酸化チタン、過酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化銀、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一コバルト、四三酸化コバルト、酸化第二コバルト、酸化第一ニッケル、酸化第二ニッケル、酸化トリウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、二酸化マンガン、三酸化マンガン、酸化ウラン、酸化トリウム、酸化ゲルマニウム、酸化第一錫、酸化第二錫、一酸化鉛、四三酸化鉛、二酸化鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、三酸化ビスマス等が挙げられる。また、複合金属酸化物や天然鉱物などの金属酸化物を含む化合物も挙げられる。なお、これらの無機フィラーの製法や結晶構造および粒径は特に限定されず、例えば二酸化チタン顔料としては、硫酸法、塩素法によるものや、ルチル型、アナターゼ型などの二酸化チタン顔料を用いることができる。顔料として二酸化チタンを使用する場合は平均粒子径は0.1〜0.3μmの範囲のものを用いることが好ましい。
本発明の無機フィラーは高速気流中で衝突させ方法、熱分解法、アトマイズ法、スプレー法、コロイド法、均一沈殿法、アルコキシド法、水熱合成法、マイクロエマルション法、溶媒蒸発法、ゾルゲル法、レーザーアブレーション法、CVD法、PVD法などがあるがどの方法で作成された微粒子化した無機フィラーを使用しても構わない。また表面に無機表面処理が施された金属酸化物を用いても構わない。無機表面処理としては公知のアルミニウム、ケイ素、スズ、ジルコニウム等の酸化物、あるいはリン酸アルミニウム等それらのリン酸塩等が挙げられ、それらを混合物として被覆もしくは積層する等して2種以上組合せて被覆してもよい。また、Al、Mn、Cu、Zn、Zr、Ag、Cl、Ce、Eu、Tb、Er等の金属をドープさせる方法などが挙げられる。これらの表面処理は数種類のもので1層または何層か被覆しても構わないが、一般的には酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどで1または2層被覆される。特に樹脂での使用を考えると、酸化ケイ素または酸化アルミニウムによる表面処理が好ましい。また、金属をドープさせる方法はナノ粒子表面の活性を落とすのにも優れているが、新たな特性を付与する目的でも用いられる。例えば酸化亜鉛にアルミニウムをドープさせることで導電性を付与することが出来る。
二酸化チタンや微粒子化した金属酸化物などの高い活性を有する無機フィラーは、一般的に耐光性が低いため、これを配合したプラスチック樹脂が紫外線下で変色、褪色するか、または分解が促進され易くなる。このため、本発明においてはアルミニウムまたはケイ素の水和酸化物を、特に前記シラン系表面処理剤の被覆層の下層に被覆するのが望ましい。アルミニウムまたはケイ素の水和酸化物を被覆すると、無機フィラー顔料の製造工程において、脱水、乾燥、粉砕などの操作が容易となるので、この被覆は工業的にも望ましいものである。水和酸化物の被覆量は特に限定されないが、例えば二酸化チタンに対してはAl23換算で0.01〜1.0重量%の範囲であることが好ましく、0.05〜0.5重量%の範囲であれば更に好ましい。0.01重量%より少ないと、所望の耐光性が得られ難く、1.0重量%より多いと、水和酸化物中に含まれる結合水のために、ポリエステル樹脂などをフィルムに加工すると、レーシング(発泡)、ピンホール等の表面欠陥が生じ易くなる。また、微粒子化した金属酸化物などを被覆する場合は二酸化チタンより比表面積が大きいため被覆量は多くなる。それに伴い水和酸化物中に含まれる結合水が多くなってしまうためアルミニウムより結合水の少ないケイ素の水和酸化物を用いることが好ましい。
本発明で用いられる親和性を有さないシラン系表面処理剤は極性基を有する相溶化剤と親和性を有さないものを用いる。親和性とは化学的相互作用のことを示し、化学反応を伴う共有結合や化学反応を伴わない水素結合、ファンデルワールス結合などを示す。一般的にフィラーがポリマーに分散する際、ポリマーが複数ある場合は溶融粘度の大小や化学的相互作用の程度によって決まるとされている。特に化学的相互作用の影響は大きく、酸変性樹脂などの極性樹脂をフィラー分散剤として良く用いられる。極性樹脂の極性基がフィラーと親和性を示し、樹脂部分がベース樹脂への相溶性を示すことで分散が向上するとされている。つまり、フィラーとベースポリマーの相溶性を上げるために酸変性樹脂などの極性樹脂を相溶化剤として用いるのである。
しかし、2種以上の樹脂と相溶化剤からなるポリマーアロイの系において、フィラーは極性の高い相溶化剤へとフィラーが分散してしまう。そのことによってフィラーが相溶化剤へ偏在してしまったり、フィラーと作用することにより相溶化剤が2種以上の樹脂の相溶化効果を示さなくなってフィラーの分散をより悪化させたりと問題がある。このことを避けるためにフィラーとポリマーへ対する化学的相互作用を減少させる必要がある。
そのために、無機フィラーの場合では極性基をもつ相溶化剤と親和性を有さないシラン系表面処理剤を用いるのが好ましい。親和性を有さないシラン系表面処理剤としては下式(1)で示されるシランカップリング剤またはシリコーンオイルから選ばれる少なくとも1種であり、該シリコーンオイルがジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルまたはそれらの共重合体である
Rn −Si−(OR' )4-n ・・・・・(1)
〔式中、Rは炭素数1〜15個で構成される炭化水素基を表し、R´はメチル基もしくはエチル基を表す。また、nは1〜3の整数を示す。〕
なお、未処理や無機処理のみでは無機フィラー表面に水酸基などの官能基が存在してしまい好ましくない。また、ポリオールや極性基を有するシランカップリング剤およびシリコーンオイルも極性基を有する相溶化剤と化学的相互作用をしてしまうので好ましくない。
該シランカップリング剤の式(1)中のRで示される炭化水素基としては、直鎖脂肪族基、分岐脂肪族基もしくは脂環式脂肪族基のいずれであっても良く、芳香環、不飽和構造を含んでいても良い。脂肪族基の例として、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルケニル基、シクロアルキル基等がある。
脂肪族基の炭素数が15より大きくなると加水分解させることが困難になるだけでなく、シラン化合物の加水分解物で被覆された無機フィラーの耐熱性が悪くなる結果、被覆後の乾燥や粉砕工程での加熱で無機フィラーが黄色味を帯びることによって、着色樹脂組成物や成形品の外観が不良となる。
本発明におけるシランカップリング剤の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデシルトリエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、n−ペンチル・メチルジメトキシシラン、n−ペンチル・メチルジエトキシシラン、シクロヘキシル・メチルジメトキシシラン、シクロヘキシル・メチルジエトキシシラン、フェニル・メチルジメトキシシラン、フェニル・メチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、トリ−n−プロピルメトキシシラン、トリ−n−プロピルエトキシシラン、トリ−i−プロピルメトキシシラン、トリ−i−プロピルエトキシシラン、トリ−n−ブチルメトキシシラン、トリ−n−ブチルエトキシシラン、トリ−n−ペンチルメトキシシラン、トリ−n−ペンチルエトキシシラン、トリ−シクロヘキシルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリ−n−ヘキシルメトキシシラン、トリ−n−ヘキシルエトキシシラン、トリ−n−ヘプチルメトキシシラン、トリ−n−ヘプチルエトキシシラン、トリ−n−オクチルメトキシシラン、トリ−n−オクチルエトキシシラン、トリシクロヘキシルメトキシシラン、トリシクロヘキシルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリデシルメトキシシラン、トリデシルエトキシシラン、
等が挙げられる。本発明において好ましく使用されるシランカップリング剤は、式(1)のRが炭素数8〜15個のアルキル基であって、Rがエチル基そしてnが1〜3の化合物である。
本発明においてシランカップリング剤の加水分解物の被覆量は、基体となる無機フィラーに対して0.01〜15重量%であり、好ましくは0.02〜5重量%である。ここでいう被覆量とは、添加量ではなく無機フィラー表面に実際に被覆された量のことをいう。表面処理を施す無機フィラーの比表面積などにより最適な被覆量が異なり、比表面積が大きいほど被服量は多くする傾向にある。一般的に比表面積は無機フィラーの粒径が小さくなると、上昇するためナノフィラーなどでは一般のタルクなどの充填剤より表面処理量を多くする必要がある。被服量の具体的な例としては一般的な二酸化チタン顔料に対して0.01〜5重量%であり、好ましくは0.02〜1.5重量%である。5重量%より多いと被覆量に見合った効果が得られない上、過剰なシランカップリング剤の加水分解物同士の自己縮合物に起因するブツが発生するおそれがある。前記範囲より少ないと、二酸化チタン粒子表面上の水酸基の封鎖効果が減少し、相溶化剤の反応性を有する官能基と反応性を示し、二酸化チタン顔料が分散不良となる。
本発明においては、シランカップリング剤をあらかじめ水と混合、撹拌して加水分解を行い、その加水分解物を無機フィラー表面に被覆させる。加水分解は、シランカップリング剤が5〜95重量%、好ましくは30〜70重量%になるように水と混合して行われる。あらかじめ加水分解をしていないシランカップリング剤であっても、スチームミル等の水蒸気に曝しながら無機フィラーと混合すれば加水分解は起こるが、その加水分解生成物量は限られ、シランカップリング剤の加水分解物の無機フィラー表面への定着率が低くなる結果、着色樹脂組成物や成形品に十分な隠蔽性を与えることが出来なくなる上、無機フィラーに固着されなかったシランカップリング剤の加水分解物が自己縮合してブツが発生し成型品の品質を著しく低下する。
シランカップリング剤の加水分解生成物のシラノール基が無機フィラー表面の水酸基と化学的に反応して水酸基を封鎖することにより、無機フィラーの疎水化が向上される。その結果、樹脂組成物における無機フィラーの分散性が高まると共に、高温加工時の揮発水分量が減少するため、加工安定性に優れた効果を与える。また、シランカップリング剤の加水分解生成物は、無機フィラー表面と化学的に結合しているため、高温加工時のシランカップリング剤の加水分解物の脱落が少なく加工安定性に優れている。更に、炭化水素基で無機フィラー表面を被覆するため、相溶化剤との反応性が低下し分散性が良好になる。
本発明における、シランカップリング剤の無機フィラーへの被覆処理は、水性スラリー状態のような湿式下または、流体エネルギー粉砕機を使用するような乾式下で行われる。湿式の場合、水性スラリー状態の無機フィラーに、シランカップリング剤を添加し撹拌してもよい。湿式処理は、シランカップリング剤と無機フィラーとの反応が安定に行える利点がある。
乾式の場合は、(1)無機フィラーを流体エネルギー粉砕機で乾式粉砕する際に、シランカップリング剤を添加、または(2)無機フィラーとシランカップリング剤とを同時に流体エネルギー粉砕機で乾式粉砕、または(3)無機フィラーを流体エネルギー粉砕機で粉砕後、シランカップリング剤を添加しても良い。乾式処理は、シランカップリング剤と無機フィラーとの反応が容易に行える利点がある。
流体エネルギー粉砕機としては、旋回式のものが粉砕効率や混合能力の点で優れており、例えばジェットミルが挙げられ、なかでも蒸気に曝しながら粉砕するスチームミルが特に望ましい。また、粉砕機内部の温度を120〜300℃に設定、あるいは粉砕媒となる空気や水蒸気を加熱して同様の温度範囲にすると、シランカップリング剤の加水分解生成物と無機フィラー表面の水酸基との反応が進行しやすく、また、シランカップリング剤と未反応の水を除去したり、無機フィラー表面により均一に被覆できたりするので望ましい。
流体エネルギー粉砕機以外の機械、例えば高速回転機や遠心ローラー粉砕機等の衝撃式粉砕機では均一な被覆が行なえず、好ましくない。
本発明におけるシリコーンオイルとはケイ素原子に結合した有機基の種類がメチル基、フェニル基、水素原子を置換基として結合したものであり、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルまたはそれらの共重合体から選ばれる。これらは単独で用いても混合して用いても構わない。プラスチックに配合する際には無機フィラー表面の水酸基と反応をするメチルハイドロジェンシリコーンオイルが好ましい。被覆量は、基体となる無機フィラーに対して0.01〜15重量%であり、好ましくは0.02〜5重量%である。
シリコーンオイルを無機フィラー粒子に被覆する方法には、特に制限は無く、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機を用いて、前記シリコーンオイルと無機フィラーとを混合して被覆したり、ジェットミル等の気流粉砕機、ハンマーミル等の衝撃粉砕機等の乾式粉砕機中に前記シリコーンオイルを添加し、無機フィラーを粉砕しながら被覆したりする等の所謂乾式処理を用いることができる。乾式処理を適用する場合、例えば、高速攪拌機や粉砕機を加熱したり、あるいは気流粉砕機に用いる空気等の粉砕媒体を加熱したりする等して、100〜300℃の範囲の温度で処理すると、均一に被覆されるので好ましい。処理温度が前記範囲より低いと前記シリコーンオイルが揮発し難く、無機フィラー中に偏在して処理され、高くなると前記シリコーンオイルが揮散して歩留まりが低下したり、熱変色したりする等の問題が生じる。より好ましい処理温度の範囲は、120〜200℃である。
本発明の着色樹脂組成物がマスターバッチの場合、互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂と相溶化剤の合計100重量部に対し無機フィラー含有量は43〜400重量部が好ましい。400重量部を超えると、溶融混練時の無機フィラーの分散性が悪く、マスターバッチ製造時及びフィルム成形時に押出し機先端に装着した金網の目詰まりに伴い、押出し機内での樹脂圧上昇を引き起こし、生産性が著しく低下する場合がある。また、43重量部未満ではマスターバッチにするメリットが失われる。
本発明の着色樹脂組成物がコンパウンドまたは成形物の場合、互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂と相溶化剤の合計100重量部に対し無機フィラー含有量は1〜43重量部であることが好ましい。43重量部を超えると無機フィラーの分散性が悪く、フィルム成形時に押出し機先端に装着した金網の目詰まりに伴い、押出し機内での樹脂圧上昇を引き起こし、生産性が著しく低下するばかりでなく、成型品中で無機フィラーの凝集物がブツとして発生し、品質が著しく損なわれる。
本発明における樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではない。例えば、互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂、相溶化剤、シラン系表面処理剤、無機フィラーと、更に必要に応じて各種添加剤や着色剤等を加え、ヘンシェルミキサーやタンブラー、ディスパー等で混合しニーダー,ロールミル,スーパーミキサー,ヘンシェルミキサー,シュギミキサー,バーティカルグラニュレーター,ハイスピードミキサー,ファーマトリックス,ボールミル,スチールミル,サンドミル,振動ミル,アトライター,バンバリーミキサーのような回分式混練機、二軸押出機、単軸押出機、ローター型二軸混練機等で混合や溶融混練分散し、ペレット状、粉体状、顆粒状あるいはビーズ状等の形状の樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、無機フィラーと相溶化剤のどちらか1種以上を比較的高濃度に含有し、成形時に被成形樹脂(ベース樹脂)で希釈されるマスターバッチであっても良いし、無機フィラーと相溶化剤のどちらか1種以上の濃度が比較的低く、被成形樹脂で希釈せずにそのままの組成で成形に供されるコンパウンドであっても良い。
本発明の成形品は、押出成形、射出成形、ブロー成形のいずれかの成形方法で得られるものでもよいし、樹脂組成物を粉砕して得られる粉体塗料でもよい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じて適当な添加剤、例えば、耐酸化安定剤、難燃剤、耐候安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、分散剤、等を配合してもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳しく説明する。
[実施例1]
<二酸化チタン顔料の製造>
市販のルチル型二酸化チタン顔料を水と混合し、サンドミルを用いて二酸化チタン顔料の重量として300g/リットルの水性スラリーに調整した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl2 3 換算で二酸化チタン顔料の重量に対して0.3%添加し、ついで硫酸にてpH5.0に中和して、アルミニウムの水和酸化物を二酸化チタン顔料表面に被覆後、フィルタープレスで濾過、洗浄し、得られたケーキを120℃で10時間乾燥してベース二酸化チタン顔料(a)を得た。
<二酸化チタンの有機表面処理法>
次にオクチルトリエトキシシランを純水で2倍希釈し10分間攪拌して加水分解させた加水分解生成物溶液を作成した。上記ベース二酸化チタン顔料(a)をスチームミルで粉砕する際に、オクチルトリエトキシシラン加水分解生成物溶液を添加し、該二酸化チタン顔料(a)表面上に、二酸化チタン顔料(a)重量に対し0.3%の被覆量になるように被覆処理をして二酸化チタン顔料を得た。
[実施例2]
実施例1と同様に二酸化チタン顔料(a)を製造し、実施例1と同様に0.3%の被覆量になるようにオクチルトリエトキシシランに換えオクチルトリメトキシシランで被覆処理をして二酸化チタン顔料を得た。
[実施例3]
実施例1と同様に二酸化チタン顔料(a)を製造し、実施例1と同様に0.3%の被覆量になるようにオクチルトリエトキシシランに換えn−デシルトリメトキシシランで被覆処理をして二酸化チタン顔料を得た。
[実施例4]
実施例1と同様にベース二酸化チタン顔料(a)を作成後、この二酸化チタン(a)の重量に対し0.5重量%のメチルハイドロジェンシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、シリコーン処理二酸化チタンを得た。
[比較例1]
実施例1と同様にベース二酸化チタン顔料(a)を作成後、この二酸化チタン(a)の重量に対し0.3重量%のトリメチロールエタンとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、多価アルコール処理二酸化チタンを得た。
[比較例2]
実施例1と同様に二酸化チタン顔料(a)を製造し、実施例1と同様に0.3%の被覆量になるように3−アミノプロピルトリエトキシシランで被覆処理をして二酸化チタン顔料を得た。
[比較例3]
実施例1と同様に二酸化チタン顔料(a)を製造し、実施例1と同様に0.3%の被覆量になるように3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで被覆処理をして二酸化チタン顔料を得た。
[実施例5〜8、比較例4〜6]
<着色樹脂組成物の製造>
粉末ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製 プライムポリプロJ105P)20%、粉末状にしたメタクリル酸メチル樹脂(三菱レイヨン社製 アクリペットMF)60%、相溶化剤としてアミン変性SEBC(JSR社製 DYNARON8630P)10%および実施例1〜4および比較例1〜3にて製造された二酸化チタン顔料10%を配合し、スーパーミキサーにて混合して得られた乾式混合物を、二軸混練押出機にて温度220℃で溶融混練押し出し成形を行い、ペレット状の着色樹脂組成物(着色ペレット)を得た。また、上記ポリプロピレン樹脂20重量部、上記メタクリル酸メチル樹脂60重量部、上記相溶化剤10重量部を同様の方法で作成した二酸化チタンを配合しない非着色樹脂組成物(c)も作成した。
<フィルム成形物の製造>
市販の樹脂押し出し試験器(東洋精機(株)製ラボプラストミル)に20mmの単軸押し出し機を装着し、さらにその先端にスリット開口径0.3mm×150mmのTダイを装着した。単軸押し出し機及びTダイの温度を、上流側から150℃、220℃、220℃、220℃、220℃、220℃にセットした。温度が定常状態になった後、上記着色樹脂組成物をフィードホッパーに投入し、スクリュー回転数50rpmで熔融押出しし、冷却ロールにて40m/minで引き取り延伸して厚さ30μmのフィルムを作成した。T−ダイ溶融吐出物の温度をセンサーで測定したところ300℃であった。このフィルムを用いて、フィルムのブツ個数によるフィルム品質を評価した。
<フィルム品質の評価>
作成したフィルム0.5m中のブツ個数を目視で数えた。また、非着色樹脂組成物(c)のフィルムを作成し同様にブツ個数を数え次の式により、フィルムのブツ個数とした。また、ブツ個数により、フィルムの品質の評価を行った。結果を表1に示した。
フィルムブツ個数=(上記作成フィルムブツ個数)−{非着色樹脂組成物(c)のフィルム}
○:ブツ100個以内 品質良好
×:ブツ101個以上 品質悪い
<押し出し機の先端部の圧力上昇値>
先端に1450メッシュの金網を装着したスクリュー径が20mmの単軸押出機を用い、実施例5〜8、比較例4〜6で得られた着色樹脂組成物をそれぞれ3.5kg押し出した。
着色樹脂組成物中に未分散の顔料が多く存在すると押出に伴って、上記メッシュが目詰まりをきたす。そこで、押出初期における上記メッシュにかかる圧力と、3.5kg分押し出した時の上記メッシュにかかる圧力との差(押出機先端部の圧力上昇値)を求め、着色樹脂組成物中の顔料の分散状態を評価した。結果を表1に示した。
○:ΔP=7.0MPa以内 分散良好
×:ΔP=7.1MPa以上 分散悪い
Figure 0005082863


[実施例9〜12、比較例7〜9]
実施例5〜8、比較例4〜6の相溶化剤を住友化学社製のエチレン・グリシジルメタクリレート・メチルアクリレート共重合体(BONDFAST 7M)に変えて同様に着色樹脂組成物を作成し、フィルム作成およびフィルム評価、押し出し機の先端部の圧力上昇値の測定を行った。結果を表2に示した。
Figure 0005082863
[実施例13〜16、比較例10〜12]
実施例5〜8、比較例4〜6の粉末ポリプロピレン樹脂を粉末状にしたポリスチレン樹脂(PSジャパン社製 PSJ−ポリスチレン679)に、粉末状にしたメタクリル酸メチル樹脂を粉末状にしたポリエステル樹脂(イーストマンケミカル社製 PETG6763)に変えて同様に着色樹脂組成物を作成し、フィルム作成およびフィルム評価、押し出し機の先端部の圧力上昇値の測定を行った。結果を表3に示した。
Figure 0005082863
[実施例17]
タルク(日本タルク社製のミクロエースP−3)とタルクの重量に対し0.3重量%のオクチルトリエトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合した後に120℃で、90分乾燥させて被覆処理タルクを得た。
[実施例18]
実施例17と同様に0.3%の被覆量になるようにオクチルトリエトキシシランに換えオクチルトリメトキシシランで被覆処理をして被覆処理タルクを得た。
[実施例19]
実施例17と同様に0.3%の被覆量になるようにオクチルトリエトキシシランに換えn−デシルトリメトキシシランで被覆処理をして被覆処理タルクを得た。
[実施例20]
実施例17と同様に0.3%の被覆量になるようにオクチルトリエトキシシランに換えメチルハイドロジェンシリコーンオイルで被覆処理をして被覆処理タルクを得た。
[比較例13]
実施例17と同様に0.3%の被覆量になるようにオクチルトリエトキシシランに換えトリメチロールエタンで被覆処理をして被覆処理タルクを得た。
[比較例14]
実施例17と同様に0.3%の被覆量になるようにオクチルトリエトキシシランに換え3−アミノプロピルトリエトキシシランで被覆処理をして被覆処理タルクを得た。
[比較例15]
実施例17と同様に0.3%の被覆量になるようにオクチルトリエトキシシランに換え3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで被覆処理をして被覆処理タルクを得た。
[実施例21〜24、比較例16〜18]
<樹脂組成物の製造>
実施例5〜8、比較例4〜6の着色樹脂組成物の製造法の二酸化チタン顔料を実施例17〜20および比較例13〜15にて製造された被覆処理タルクに変えて同様に樹脂組成物を作成した。
<フィルム品質の評価>
作成したフィルム0.5m中のブツ個数を目視で数えた。また、フィラーを配合していない樹脂組成物のフィルムを作成し同様にブツ個数を数え次の式により、フィルムのブツ個数とした。また、ブツ個数により、フィルムの品質の評価を行った。結果を表4に示した。
フィルムブツ個数=(上記作成フィルムブツ個数)−{フィラーを配合していない樹脂組成物のフィルム}
○:ブツ300個以内 品質良好
×:ブツ301個以上 品質悪い
<押し出し機の先端部の圧力上昇値>
先端に1000メッシュの金網を装着したスクリュー径が20mmの単軸押出機を用い、実施例21〜24、比較例16〜18で得られた樹脂組成物をそれぞれ3.5kg押し出した。
樹脂組成物中に未分散の顔料が多く存在すると押出に伴って、上記メッシュが目詰まりをきたす。そこで、押出初期における上記メッシュにかかる圧力と、3.5kg分押し出した時の上記メッシュにかかる圧力との差(押出機先端部の圧力上昇値)を求め、樹脂組成物中の顔料の分散状態を評価した。結果を表4に示した。
○:ΔP=7.0MPa以内 分散良好
×:ΔP=7.1MPa以上 分散悪い
Figure 0005082863

Claims (7)

  1. 互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂と極性基を有する相溶化剤と、該相溶化剤と親和性を有さないシラン系表面処理剤で表面処理を施した無機フィラーからなり、
    前記シラン系表面処理剤が、式(1)で示されるシランカップリング剤またはシリコーンオイルから選ばれる少なくとも1種であり、該シリコーンオイルがジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルまたはそれらの共重合体であることを特徴とする複合樹脂組成物。
    Rn−Si−(OR´)4−n ・・・・・(1)
    〔式中、Rは炭素数1〜15個で構成される炭化水素基を表し、R´はメチル基もしくはエチル基を表す。また、nは1〜3の整数を示す。〕
  2. 無機フィラーが金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載の複合樹脂組成物。
  3. 親和性が化学反応を伴う共有結合または化学反応を伴わない水素結合を介して生じることを特徴とする請求項1又は2記載の複合樹脂組成物。
  4. 極性基を有する相溶化剤が分子中にカルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシルシリル基、イソシアネート基、およびオキサゾリン基から選ばれる極性基を1種以上含み、且つ骨格となる樹脂が該互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂の1種以上と混和であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の複合樹脂組成物。
  5. 互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂の合計100重量部に対し、相溶化剤が1〜100重量部添加することを特徴とする請求項1〜いずれか記載の複合樹脂組成物。
  6. 互いに非相溶である2種以上の熱可塑性樹脂と相溶化剤の合計100重量部に対し、無機フィラー1〜400重量部含有することを特徴とする請求項1〜いずれか記載の複合樹脂組成物。
  7. 請求項1〜いずれか記載の複合樹脂組成物からなる成形体。
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