JP5217099B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、特定波長の遮蔽性、透明性、分散性に優れ、かつ耐候性に優れるポリエステル樹脂またはポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。
金属酸化物粒子は、波長350nm以下の特定波長を遮蔽する機能を有することが知られている。また、例えば0.1μm以下に粒径を制御することにより、可視光の散乱が抑えられて透明性の機能が出現してくる。
しかしながら、金属酸化物粒子は表面エネルギーが大きいため凝集力が非常に強く、特に粒径0.1μm以下の粒子になると、容易に凝集するため、樹脂などに練り込む場合には非常に分散状態が悪く、上記機能を充分に発揮させることは不可能であった。更に、金属酸化物の粒子径が小さくなると、粒子の表面活性が非常に大きくなり、加工性の悪化やポリエステル樹脂の劣化を促進し樹脂の分子量が低下し樹脂組成物の機械物性が低下する大きな要因となっていた。
上記の問題を解決するために、特許文献1には粒径0.15μm以下の微細な酸化亜鉛に酸化珪素の被覆層を施し、オルガノポリシロキサンで表面処理することにより表面活性を抑制する技術が開示されている。また、特許文献2には、平均粒径0.1μm以下の微粒子酸化亜鉛の粒子表面に、Al、Si、Zr、Sn等の酸化物もしくは水酸化物を被覆することにより表面活性を抑制する技術も開示されている。
しかし、これらの公報が開示する樹脂組成物技術を用いても、高度の分散性、透明性と優れた物性を兼備する樹脂組成物又は成形品を得ることは困難であった。
従って、特定波長遮蔽と透明性を有する上記用途へは、有機系化合物の使用が主流となっていた。有機系化合物のうち、最も代表的なものとしてベンゾトリアゾール系化合物を挙げることができる。ベンゾトリアゾール系化合物は、その吸収作用により即効的な遮蔽効果は発現するが、持続性・安全性等の問題から使用が制限される場合があった。
特許第3520785号掲載公報 特許第2851885号掲載公報
本発明は上記の問題点を解決すべく、分散性、透明性に優れ且つポリエステル樹脂またはポリカーボーネート樹脂の分子量低下による物性低下を抑制した、特定波長の遮蔽性に優れた樹脂組成物及び成形品を提供することを目的とする。
本発明は、ポリエステル樹脂またはポリカーボネート樹脂、および表面被覆層を有する金属酸化物粒子からなる樹脂組成物であって、該表面被覆層を有する金属酸化物粒子は、セリウム、亜鉛またはチタンから選ばれる金属の酸化物からなる平均粒子径が0.001μm〜0.1μmである粒子表面に、珪素、アルミニウムまたはジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の酸化物からなる第1の被覆層と、該第1の被覆層の上に有機酸からなる第2の被覆層とを有することを特徴とする樹脂組成物に関する。
更に本発明は、有機酸が脂肪酸である上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は、 脂肪酸がモンタン酸である上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は、表面被覆層を有する金属酸化物粒子が樹脂組成物に対し0.01〜30重量%含有する上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は、上記樹脂組成物を用いてなることを特徴とする樹脂成形品に関する。
本発明の樹脂組成物は、安定した金属酸化物の分散が得られ、更に機械物性に優れ、特定波長の遮蔽性に優れる。
<ポリエステル樹脂>
本発明におけるポリエステル樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸の如きジカルボン酸化合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の如きジオール化合物とをエステル結合させて得ることのできるポリエステルである。代表的なものとしてポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
これらのポリエステル樹脂は、複数種のジカルボン酸化合物と複数種のジオール化合物とをエステル結合させたものであっても良い。すなわち、前記ポリエステル樹脂は1種のジカルボン酸化合物とジオール化合物からなるホモポリマーでもよいが、2種以上のジオール化合物とジカルボン酸とをエステル結合させたものであっても良い。第三成分を共重合したコポリマーであることもできる。この第三成分としては、例えば主たる構成成分がエチレンテレフタレートである場合、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール化合物、コハク酸、アジピン酸、セパシン酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸化合物などが例示できる。代表的なものとして上記モノマーを複数重合させて得られる共重合体であるイーストマンケミカル社製「EasterPETG6763」、「Easter GN071」、「Easter GN007」、「EasterDN004」、「Easter AN004」が挙げられる。
本発明におけるポリエステル樹脂として微生物崩壊性樹脂を使用してもよい。微生物崩壊性樹脂とは、特定条件下において微生物等の作用によりその形状が崩壊する樹脂のことをいう。例えばポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールとを主原料として得られるポリエステル樹脂、芳香族ジカルボン酸と多価アルコールとを主原料として得られるポリエステル樹脂、または、微生物もしくは植物から合成されたポリエステル樹脂等が好ましい。更に好ましくは、ポリ乳酸、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られるポリエステル樹脂が好ましい。具体的には市販または試作されている、昭和高分子社製や日本触媒社製のポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、三井化学社製、カーギル社製や島津社製のポリ乳酸、ダイセル化学社製のポリカプロラクトン、ポリカプロラクトン・ブチレンサクシネート、三菱ガス化学社製のポリブチレンサクシネート・カーボネート、Du Pont社製のポリエチレンテレフタレート・サクシネート、BASF社のポリブチレンアジペート・テレフタレート、Eastman Chemicals社製のポリテトラメチレンアジペート・テレフタレート、Ire Chemical社製のポリブチレンアジペート・テレフタレート、モンサント社製のポリ(3-ヒドロキシ酪酸-CO-3-ヒドロキシ吉草酸) (P(3HB-3HV))や、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-CO-4-ヒドロキシ酪酸) (P(3HB-4HB))や、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-CO-3-ヒドロキシプロピオネート) (P(3HB-3HP))等、が挙げられる。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールより誘導される粘度平均分子量14,000〜100,000、好ましくは18,000〜40,000の芳香族ポリカーボネート樹脂であり、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶融法で反応させて製造される。二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAという)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロムフェニル)プロパン、2,2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン等があげられる。好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系化合物であり、なかでもビスフェノールAが特に好ましい。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、ジアリールカーボネート、ハロホルメート等があげられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメートなどがあげられる。ポリカーボネート樹脂を製造するに当り、二価フェノールを単独で、又は二種以上を使用することができる。また、適当な分子量調節剤、分岐剤、反応を促進するための触媒等も使用でき、得られたポリカーボネート樹脂の二種以上を混合しても差支えない。
本発明の樹脂組成物におけるポリカーボネートまたはポリエステル樹脂の形態は特に規定されるものではないが、金属酸化物粒子の分散性を考慮するとパウダー状が好ましい。
<金属酸化物粒子>
本発明における金属酸化物粒子は、セリウム、亜鉛、チタンの酸化物粒子である。金属酸化物の1次粒径は、0.001〜0.1μmであり、更には0.001〜0.07μmが好ましく、0.002〜0.04μmがより好ましい。
<有機酸>
本発明における有機酸は、第1の被覆層により形成された塩基性の表面を中和するために使用されるものである。有機酸としては、ベンゼン環のような芳香族化合物に1つ以上のカルボン酸あるいはスルホン酸が結合した化合物、脂肪族化合物にカルボン酸あるいはスルホン酸が結合した化合物等が特に制限なく使用することができるが、好ましくは、炭素数10〜30の脂肪族化合物にカルボン酸が結合した脂肪酸である。
脂肪酸としては、具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ベヘニン酸、ベヘン酸、ミリスチン酸、モンタン酸等が挙げられる。脂肪酸は一部がカルシウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、亜鉛、ナトリウム、カリウム等の金属塩を形成していても良い。また、本発明の有機酸としては、脂肪族オキシカルボン酸であってもよい。脂肪族オキシカルボン酸としては炭素数10〜30のものが好ましく、例えばα−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシパルミチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、10−ヒドロキシデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、δ−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシドトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラトリアコンタン酸、α−ヒドロキシヘキサトリアコンタン酸、α−ヒドロキシオクタトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラコンタン酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。
本発明における脂肪酸としてはモンタン酸が好ましい。モンタン酸としては、その一部が金属塩化されたものまたはグリセリン等のようなアルコール化合物によりエステル化された化合物であっても良い。
<第1の被覆層>
本発明における第1の被覆層は、セリウム、亜鉛、チタンの酸化物粒子に対して1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲で珪素、アルミニウムまたはジルコニウムから選ばれる1種以上の酸化物からなる被覆層で被覆したものである。
本発明における第1の被覆層は、セリウム、亜鉛、チタンの酸化物粒子の水性懸濁液に、この金属酸化物に対して珪素、アルミニウムまたはジルコニウム水溶性塩を加え、温度を60℃以上、好ましくは80℃以上に保持しつつ、40分以上、好ましくは60分以上の時間をかけて酸を中和剤として加えて、pHが6.0〜8.0の範囲となるまで、懸濁液を中和することにより形成することができる。水性懸濁液におけるセリウム、亜鉛、チタンの酸化物粒子の濃度は、50〜250g/Lの範囲が好ましく、また、酸化物粒子は、サンドミル等の粉砕機によって、酸化物粒子原体を十分に粉砕しておくことが望ましい。珪素、アルミニウムまたはジルコニウムの水溶性塩としては、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。中和剤としては、硫酸等の無機酸や、酢酸、シュウ酸等の有機酸が好ましく用いられる。
別の方法として、セリウム、亜鉛、チタンの酸化物粒子の水性懸濁液に、その温度を60℃以上、好ましくは、80℃以上に保持しながら、珪素、アルミニウムまたはジルコニウムの水溶性塩と中和剤とを、40分以上、好ましくは、60分以上の時間をかけて、同時に加えた後、更に、中和剤を加えて、pHが6.0〜8.0の範囲まで、懸濁液を中和することによっても、含水金属酸化物からなる第1の被覆層をセリウム、亜鉛、チタンの酸化物粒子の表面に形成することができる。
<第2の被覆層>
本発明における第2の被覆層は、酸化物粒子表面に形成した有機酸の被覆層である。第2の被覆層は、有機酸を溶剤に溶解し、ヘンシェルミキサーなどの撹拌装置により第1の被覆層を有する金属酸化物粒子を攪拌しながら有機酸溶解液を噴霧し、溶剤を除去させることにより金属酸化物表面に有機酸層を形成することができる。
また、必要に応じて分散性を更に良くするために、第2の被覆層の形成と同時に、又は第1の被覆層と第2の被覆層を有する金属酸化物の表面にオルガノシラン化合物により処理する事ができる。オルガノシラン化合物としては特に限定するものではないが、メチルハイドロジェンポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン、メチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、フェニルトリアルコキシシシランやジフェニルジアルコキシシラン等ののフェニルアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン等が挙げられる。
本発明における樹脂組成物中の金属酸化物粒子の濃度は0.01〜30重量%であり、特に0.1〜10重量%が好ましい。濃度が0.1重量%未満では、特定波長の遮断性が十分でなく、30重量%を超えると、金属酸化物粒子の凝集が起こり製品としての価値を損なう。
<樹脂組成物>
本発明の着色用樹脂組成物は、ポリエステル樹脂もしくはポリカーボネート樹脂と、第1と第2の被覆層を有する金属酸化物粒子を、一般的な高速せん断型混合機であるヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を用いて混合した後、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練押し出し機、二軸混練押し出し機、ローター型二軸混練押し出し機等を用いて熔融混練後、ペレット状に押し出し成形されることによって製造される。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂もしくはポリカーボネート樹脂と、被覆層を有する金属酸化物粒子を含有し、そのまま希釈せず成形に供されるペレット状のコンパウンド、またはポリエステル樹脂もしくはポリカーボネート樹脂と、被覆層を有する金属酸化物粒子を高濃度に含有し、成形時に被着色樹脂(未着色の熱可塑性樹脂)で顔料含有率を所定の濃度に希釈して成形に供されるペレット状のマスターバッチをいう。
被着色樹脂としては、マスターバッチ製造に用いられた熱可塑性樹脂と同じ樹脂または相溶性のある樹脂を用いることができる。
本発明の樹脂組成物がマスターバッチの場合、被覆層を有する金属酸化物粒子の含有量は1〜30重量%が好ましい。30重量%を超えると、溶融混練時の被覆層を有する金属酸化物粒子の分散性が悪く、押出し機内での樹脂圧上昇を引き起こし、生産性が著しく低下する場合がある。また、1重量%未満では経済的に不利な傾向がある。
本発明の樹脂組成物がコンパウンドまたは成形物の場合、被覆層を有する金属酸化物粒子の含有量は0.01〜30重量%であることが好ましい。30重量%を超えると被覆層を有する金属酸化物粒子の分散性が悪く、フィルム成形時に押出し機先端に装着した金網の目詰まりに伴い、押出し機内での樹脂圧上昇を引き起こし、生産性が著しく低下するばかりでなく、成形品が商品価値の無いものになる。
本発明の成形品は、金属酸化物濃度が比較的高い樹脂分散体を溶融押出して得られるマスターバッチペレットと、成形樹脂とを混合して成形したものであっても良いし、金属酸化物粒子が比較的低いコンパウンドをそのまま成形したものであっても良い。成形方法としては押出成形、射出成形、ブロー成形等の何れの方法で得られるものであってもよい。
また、本発明における樹脂組成物及び成形品には、本発明の効果を阻害しない範囲で、各目的に応じて各種添加剤を使用することができる。
一般的な分散剤としては、ポリエステル樹脂もしくはポリカーボネート樹脂との相溶性が良好であり、ポリエステル樹脂もしくはポリカーボネート樹脂に影響を及ぼさないものであれば特に制限されない。
例えばエチレンビスアマイド、低分子量ポリエステル、低分子量ポリアミド、低分子量ポリカーボネート、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂、αオレフィン/無水マレイン酸共重合体樹脂、酸化ワックス、グリセリンワックス、ポリスチレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス及びこれらの誘導体、酸変性体や水酸基変性体からなるワックス等が挙げられる。これら任意のものを1種で、または併用ができる。ここで、低分子量とはJIS K 7199で規定されているキャピラリー型粘度計にて、220℃条件下、10kg加重にて、1000Pa・s以下のものを示す。
また、補強剤(タルク、マイカ、クレー、ワラストナイト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレーク、炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボンミルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コートガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラスフレーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊維、アラミド粒子、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、グラファイト、導電性カーボンブラック、各種ウイスカーなど)有機アルカリ金属塩及び有機アルカリ土類金属塩以外の難燃剤(ハロゲン系、リン酸エステル系、金属塩系、赤リン、金属水和物系など)、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、摺動剤(PTFE粒子など)、光拡散剤(アクリル架橋粒子、シリコーン架橋粒子、極薄ガラスフレーク、炭酸カルシウム粒子など)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機及び有機の抗菌剤、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤が挙げられる。
以下に、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、「重量部」は単に「部」、「重量%」は単に「%」と記載する。
1.酸化物粒子(酸化亜鉛)の製造
酸化亜鉛の水性懸濁液(ZnO濃度50g/L)を80℃に昇温し、攪拌下、酸化亜鉛に対して、SiO2 として10重量%のケイ酸ナトリウムの水溶液を加えた。10分間、熟成した後、60分かけて撹拌下に硫酸を加え、pH6.5に中和した。30分間、熟成した後、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、130℃で5時間、加熱乾燥した。このようにして得られた乾燥品をジェットミル粉砕して、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化亜鉛粒子(ア)を得た。
上記ベース酸化亜鉛粒子(ア)重量の50%のモンタン酸(Licowax OP クラリアント社製)をアセトンに溶解し(50重量%)、ヘンシェルミキサーにて酸化亜鉛粒子(ア)を攪拌しながらアセトン溶解液を噴霧し、乾燥させ処理酸化亜鉛粒子(イ)を得た。処理酸化亜鉛粒子(イ)をスチームミル粉砕し酸化亜鉛粒子(ウ)を製造した。
2.樹脂組成物の製造
被覆処理酸化亜鉛(ウ)5%、ポリエチレンテレフタレート((株)三井ペット社製ミツイペットSA135)94.9%、フェノール系酸化防止剤0.1%を配合し、スーパーミキサーにて混合して得られた乾式混合物を、二軸混練押出機にて温度280℃で溶融混練押し出し成形を行い、ペレット状の樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
3.成形品の作製
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物と、各々の樹脂組成物作製の際に使用した熱可塑性樹脂を使用して、被覆処理酸化亜鉛(ウ)の最終濃度が1%となるように配合し、射出成形機により1mm厚のインジェクションプレート及びアイゾット試験片を得た。
4.評価方法
(酸化亜鉛物の分散性の評価)
透過型電子顕微鏡(TEM):日立製作所社製H−9000UHR型透過型電子顕微鏡(加速電圧300kV)にて、1mm厚のインジェクションプレートの観察を行った。結果を表2に示した。
○:最大粒子塊が0.06μm未満。
△:最大粒子塊が0.06μm以上0.1μm未満。
×:0.1μm以上の凝集体があり。
(特定波長遮蔽性の評価)
島津製作所社製UV−265FWにて、1mm厚のインジェクションプレートにおける波長350nmの光線透過率の平均を求めた。平均とは成形品の任意の10箇所における透過率の算術平均値をいう。ここで350nmという特定波長を測定する理由として、酸化亜鉛の基礎吸収により樹脂の光分解が顕著となる波長を有効に遮蔽することが可能だからである。結果を表2に示した。
○:350nmの透過率が10%未満
△:350nmの透過率が10%以上20%未満
×:350nmの透過率が20%以上
(機械物性の評価)
実施例及び比較例のアイゾット試験片のアイゾット衝撃強度(JIS K7110)の物性保持率を求めた。保持率とは、耐候性試験前の熱可塑性樹脂単独のアイゾット衝撃強度値を100%としたときの各衝撃強度値の保持率である。結果を表2に示した。
〈アイゾット衝撃値の評価〉
○:90%以上の保持率
△:80〜90%未満の保持率
×:80%未満の保持率
(成形品外観の評価)
1mm厚インジェクションプレート各10枚の表面を目視にて観察し、揮発成分による成形品表面のブリードについて以下のように評価した。結果を表2に示した。
○:全くブリード物が観察されなかった。
△:1枚以上にブリード物が観察された。
×:全てにブリード物が観察された。
[実施例1〜24]
表1の処方に従って酸化物粒子、有機酸を用い、実施例1と同様にしてマスターバッチを得、成型品の作成及び評価を行った。なお、本願発明において実施例1〜4、8〜12、16〜24は、参考例である。

[比較例1〜9]
表1の処方に従い実施例1と同様にしてマスターバッチを得、成型品の作成及び評価を行った。
Figure 0005217099
Figure 0005217099

Claims (2)

  1. ポリエステル樹脂またはポリカーボネート樹脂、および表面被覆層を有する金属酸化物粒子からなる樹脂組成物であって、該表面被覆層を有する金属酸化物粒子は、鉛またはチタンから選ばれる金属の酸化物からなる平均粒子径が0.001μm〜0.1μmである粒子表面に、アルミニウム酸化物からなる第1の被覆層と、該第1の被覆層の上にモンタン酸からなる第2の被覆層とを有し、
    前記表面被覆層を有する金属酸化物粒子を0.01〜30重量%含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 請求項記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする樹脂成形品

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