JP4752525B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂用樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、特定波長の遮蔽性、透明性、分散性に優れ、かつ耐候性に優れる樹脂組成物に関するものである。
金属酸化物は特定波長を遮蔽する機能を有する。また、粒径を制御することにより、透明性を必要とする用途への展開が期待されている。例えば0.1μm以下の粒径では可視光の散乱が抑えられて透明性の機能を有する。
しかしながら、金属酸化物はその凝集力が非常に強い。特に粒径0.1μm以下の粒子は表面エネルギーが大きいため容易に凝集するので、樹脂などに練り込む場合には非常に分散状態が悪く、上記機能を充分に発揮させることは不可能であった。更に、粒子の表面活性が非常に大きくなることによって、樹脂劣化を促進する大きな要因となっていた。
上記の問題を解決するために、特許文献1には、粒径0.15μm以下の微細な酸化亜鉛に酸化珪素の被覆層を施し、オルガノポリシロキサンで表面処理することにより表面活性を抑制する技術が開示されている。
また、特許文献2には、有機紫外線吸収剤、無機紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤を併用することにより耐候性を向上する技術が開示されている。
しかし、これらの公報が開示する樹脂組成物技術を用いても、高度の分散性、透明性と優れた物性を兼備する樹脂組成物又は成形品を得ることは困難であった。
従って、特定波長遮蔽と透明性を有する上記用途へは、有機系化合物の使用が主流となっていた。有機系化合物のうち、最も代表的なものとしてベンゾトリアゾール系化合物を挙げることができる。ベンゾトリアゾール系化合物は、その吸収作用により即効的な遮蔽効果は発現するが、持続性・安全性等の問題から使用が制限される場合があった。
特許第3520785号特許掲載公報 特開2003−325060号公報
本発明は上記の問題点を解決すべく、分散性、透明性に優れ且つ物性低下を抑制した、特定波長の遮蔽性に優れた樹脂組成物及び成形品を提供することを目的とする。
本発明は、熱可塑性樹脂(A)と、珪素酸化物の被覆層を有し、ヒンダードアミン系光安定剤(B)で表面処理を施した、平均粒子系が0.01〜0.1μmの酸化亜鉛(C)からなる樹脂組成物に関する。
更に本発明は、ヒンダードアミン系光安定剤(B)の分子量が400以上である上記発明樹脂組成物に関する。
更に本発明は、ヒンダードアミン系光安定剤(B)の被覆量が、酸化亜鉛に対し0.01〜100重量%である上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は、酸化亜鉛(C)が樹脂組成物に対し0.01〜30重量%含有する上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は、熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンである上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は、上記樹脂組成物を用いてなることを特徴とする樹脂成形品に関する。
本発明の樹脂組成物は熱可塑性樹脂(A)と珪素酸化物の被覆層を有しヒンダードアミン系光安定剤(B)で表面処理された酸化亜鉛(C)とを含むので、熱可塑性樹脂(A)の透明性を低下させず、安定した酸化亜鉛の分散が得られ、更に耐候性に優れ、特定波長の遮蔽性に優れる。
本発明の樹脂組成物は、ヒンダードアミン系光安定剤(B)の分子量が400以上であるので、更に酸化亜鉛の分散性、耐候性に優れる。
また、ヒンダードアミン系光安定剤(B)の被覆量が、酸化亜鉛に対し0.01〜100重量%であるので、分散性、耐候性に優れる。
また、酸化亜鉛(C)が樹脂組成物に対し0.01〜30重量%であるので更に分散性に優れる。
また、熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンなので、色収差や透明性等の質を損ねない成形品が得られる。
本発明の成形品は、上記樹脂組成物を用いて得られるので、分散性、特定波長遮蔽性、耐候性及び外観良好等の特性を有する。
<熱可塑性樹脂(A)>
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)としては、代表例として、結晶性または非晶性ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレン、EPCM樹脂、変性ポリプロピレン、変性ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレンとプロピレンのランダム、ブロックまたはグラフト共重合体、αオレフィンとエチレンあるいはプロピレンの共重合体が挙げられ、更に顔料分散助剤としてのポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスも含まれる。また、エチレンあるいはプロピレンとの共重合体に供されるαオレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等が挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)の形態は特に規定されるものではないが、酸化亜鉛(C)等の分散性を考慮するとパウダー状が好ましい。
<ヒンダードアミン系光安定剤(B)>
本発明において用いられるヒンダードアミン系光安定剤(B)としては、メチルピペリジン骨格を有する化合物で、例えばコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
本発明において用いられるヒンダードアミン系光安定剤(B)の平均分子量は400以上が好ましく、更には400〜5000が好ましい。特に薄物成形品には平均分子量が2000以上の高分子量のものが好ましい。
樹脂組成物中のヒンダードアミン系光安定剤(B)の濃度は基体となる酸化亜鉛に対して0.01〜100重量%であり、特に0.01〜25重量%が好ましい。濃度が0.01重量%未満では、未添加と比較して成形品の耐候性の向上は認められず、100重量%を超えると、ヒンダードアミン系光安定剤(B)のブリードが顕著になり樹脂組成物のブロッキング等を引き起こし、ハンドリング性を損なう。また、樹脂成形物中のヒンダードアミン系光安定剤(B)の濃度は0.005〜3重量%であることが好ましく、成形物に要求される耐候性に必要な量を含有させれば良いが、特に0.005〜2重量%であることが好ましい。濃度が0.005重量%未満では、未添加と比較して成形品の耐候性の向上は認められず、3重量%を超えると、成形物からのヒンダードアミン系光安定剤(B)のブリードが顕著になり、成形物の外観を大きく損なう。
<酸化亜鉛(C)>
本発明で用いられる酸化亜鉛(C)の1次粒径は、本発明で目的とする機能を発揮させる観点から0.01〜0.1μmのものである。0.01〜0.07μmが好ましく、0.002〜0.04μmがより好ましい。
また、酸化亜鉛(C)は、酸化亜鉛粒子の表面に酸化亜鉛に対して1〜50重量%、好ましくは、5〜20重量%の範囲でケイ素酸化物からなる被覆層を有するものである。ケイ素酸化物は、限定されるものではないが、好ましくは、含水ケイ素酸化物である。酸化亜鉛粒子組成物におけるケイ素酸化物の割合が1重量%よりも少ないときは、酸化亜鉛の表面活性を抑えることができず、他方、50重量%を越えるときは、得られる酸化亜鉛粒子組成物が分散性において著しく低下する。
本発明によれば、酸化亜鉛粒子の水性懸濁液に、酸化亜鉛に対してSiO2 として1〜50重量%の水溶性ケイ酸塩を加え、温度を60℃以上に保持しつつ、40分以上の時間をかけて酸を中和剤として加えて、pHが6.0〜8.0の範囲となるまで、懸濁液を中和することによって、酸化亜鉛粒子の表面にケイ素酸化物からなる被覆層を形成して、本発明による酸化亜鉛粒子組成物を得ることができる。水性懸濁液における酸化亜鉛粒子の濃度は、50〜250g/Lの範囲が好ましく、また、酸化亜鉛粒子は、サンドミル等の粉砕機によって、酸化亜鉛原体を十分に粉砕しておくことが望ましい。上記水溶性ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムが好ましく用いられるが、しかし、これらに限定されるものではない。上記中和剤としては、限定されるものではないが、硫酸等の無機酸や、酢酸、シュウ酸等の有機酸が好ましく用いられる。
本発明によれば、酸化亜鉛粒子の水性懸濁液に水溶性ケイ酸塩を加えた後、これに中和剤として酸を加えて、水溶性ケイ酸塩を中和する際の温度条件と中和剤を加える時間条件(時間幅)が重要である。即ち、本発明によれば、酸化亜鉛粒子の水性懸濁液に水溶性ケイ酸塩を加え、この懸濁液の温度を60℃以上、好ましくは、80℃以上に保持しながら、40分以上、好ましくは、60分以上の時間をかけて、中和剤を加え、pHが6.0〜8.0の範囲まで、懸濁液を中和することによって、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を酸化亜鉛の表面に形成することができる。
別の方法として、酸化亜鉛粒子の水性懸濁液に、その温度を60℃以上、好ましくは、80℃以上に保持しながら、水溶性ケイ酸塩と中和剤とを、40分以上、好ましくは、60分以上の時間をかけて、同時に加えた後、更に、中和剤を加えて、pHが6.0〜8.0の範囲まで、懸濁液を中和することによっても、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を酸化亜鉛の表面に形成することができる。
本発明にあける酸化亜鉛表面にヒンダードアミン系光安定剤を処理する方法としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤を溶剤に溶解し、撹拌装置(例えばヘンシェルミキサー)にて酸化亜鉛を攪拌しながらヒンダードアミン系光安定剤溶解液を噴霧し乾燥させることによって、酸化亜鉛表面にヒンダードアミン系光安定剤の層を形成することができる。
また、必要に応じて分散性を更に良くするために酸化亜鉛の表面を有機処理する事ができる。有機処理剤としては特に限定するものではないが、オルガノポリシロキサンとして、具体例としてメチルハイドロジェンポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサンが挙げられる。また、シランカップリング剤として、メチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリアルコキシシシランやジフェニルジアルコキシシランなどのフェニルアルコキシシラン、およびジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのジアルキルジアルコキシシラン等が挙げられる。
樹脂組成物中の酸化亜鉛(C)の濃度は0.01〜30重量%であることが好ましく、特に0.1〜10重量%であることが好ましい。濃度が0.1重量%未満では、特定波長の遮断性が十分でなく、30重量%を超えると、酸化亜鉛の凝集が起こり製品としての価値を損なう。
<樹脂組成物>
本発明の着色用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、酸化亜鉛(C)を、一般的な高速せん断型混合機であるヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を用いて混合した後、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練押し出し機、二軸混練押し出し機、ローター型二軸混練押し出し機等を用いて熔融混練後、ペレット状に押し出し成形されることによって製造される。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、酸化亜鉛(C)を含有しそのまま希釈せず成形に供されるペレット状のコンパウンド、または熱可塑性樹脂(A)と、酸化亜鉛(C)を高濃度に含有し、成形時に被着色樹脂(未着色の熱可塑性樹脂)で顔料含有率を所定の濃度に希釈して成形に供されるペレット状のマスターバッチをいう。
被着色樹脂としては、マスターバッチ製造に用いられた熱可塑性樹脂と同じ樹脂または相溶性のある樹脂を用いることができる。
本発明の樹脂組成物がマスターバッチの場合、酸化亜鉛(C)含有量は3〜30重量%が好ましい。30重量%を超えると、溶融混練時の酸化亜鉛(C)の分散性が悪く、マスターバッチ製造時及びフィルム成形時に押出し機先端に装着した金網の目詰まりに伴い、押出し機内での樹脂圧上昇を引き起こし、生産性が著しく低下する場合がある。また、3重量%未満では経済的に不利な傾向がある。
本発明の樹脂組成物がコンパウンドまたは成形物の場合、酸化亜鉛(C)の含有量は0.01〜30重量%であることが好ましい。30重量%を超えると酸化亜鉛(C)の分散性が悪く、フィルム成形時に押出し機先端に装着した金網の目詰まりに伴い、押出し機内での樹脂圧上昇を引き起こし、生産性が著しく低下するばかりでなく、成形品が商品価値の無いものになる。
<成形品>
本発明の成形品は、酸化亜鉛濃度が比較的高い樹脂分散体を溶融押出して得られるマスターバッチペレットと、成形樹脂とを混合して成形したものであっても良いし、酸化亜鉛濃度が比較的低いコンパウンドをそのまま成形したものであっても良い。
成形方法としては押出成形、射出成形、ブロー成形等の何れの方法で得られるものであってもよい。
<その他の成分>
また、本発明の無機化合物樹脂分散体、樹脂組成物及び成形品には、本発明の効果を阻害しない範囲で、各目的に応じて各種添加剤を使用することができる。
一般的な分散剤としては、熱可塑性樹脂(A)との相溶性が良好であり、熱可塑性樹脂(A)に影響を及ぼさないものであれば特に制限されない。
例えばステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、エチレンビスアマイド、低分子量ポリエステル、低分子量ポリアミド、低分子量ポリカーボネート、モンタン酸エステル、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂、αオレフィン/無水マレイン酸共重合体樹脂、酸化ワックス、グリセリンワックス、ポリスチレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス及びこれらの誘導体、酸変性体や水酸基変性体からなるワックス等が挙げられる。これら任意のものを1種で、または併用ができる。ここで、低分子量とはJIS K 7199で規定されているキャピラリー型粘度計にて、220℃条件下、10kg加重にて、1000Pa・s以下のものを示す。
また、補強剤(タルク、マイカ、クレー、ワラストナイト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレーク、炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボンミルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コートガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラスフレーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊維、アラミド粒子、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、グラファイト、導電性カーボンブラック、各種ウイスカーなど)有機アルカリ金属塩及び有機アルカリ土類金属塩以外の難燃剤(ハロゲン系、リン酸エステル系、金属塩系、赤リン、金属水和物系など)、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、摺動剤(PTFE粒子など)、光拡散剤(アクリル架橋粒子、シリコーン架橋粒子、極薄ガラスフレーク、炭酸カルシウム粒子など)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機及び有機の抗菌剤、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤が挙げられる。
以下に、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、「重量部」は単に「部」、「重量%」は単に「%」と記載する。
1.酸化亜鉛(C)の製造
酸化亜鉛の水性懸濁液(ZnO濃度50g/L)を80℃に昇温し、攪拌下、酸化亜鉛に対して、SiO2 として10重量%のケイ酸ナトリウムの水溶液を加えた。10分間、熟成した後、60分かけて撹拌下に硫酸を加え、pH6.5に中和した。30分間、熟成した後、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、130℃で5時間、加熱乾燥した。このようにして得られた乾燥品をジェットミル粉砕して、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化亜鉛粒子(ア)を得た。
上記ベース酸化亜鉛(ア)重量の50%の分子量2000〜3100のヒンダードアミン系光安定剤(CHIMASSORB 944FDL)をアセトンに溶解し(50重量%)、ヘンシェルミキサーにて酸化亜鉛(ア)を攪拌しながらアセトン溶解液を噴霧し、乾燥させ処理酸化亜鉛(イ)を得た。処理酸化亜鉛(イ)をスチームミル粉砕し酸化亜鉛(C)を製造した。
2.樹脂組成物の製造
被覆処理酸化亜鉛(C)10%、ブロック−ポリプロピレン((株)プライムポリマー製 プライムポリプロJ707)94.9%、フェノール系酸化防止剤0.1%を配合し、スーパーミキサーにて混合して得られた乾式混合物を、二軸混練押出機にて温度230℃で溶融混練押し出し成形を行い、ペレット状の樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
3.成形品の作製
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物と、各々の樹脂組成物作製の際に使用した熱可塑性樹脂を使用して、酸化亜鉛(C)の最終濃度が1%となるように配合し、射出成形機により1mm厚のインジェクションプレート及びアイゾット試験片を得た。
4.評価方法
(酸化亜鉛物の分散性の評価)
透過型電子顕微鏡(TEM):日立製作所社製H−9000UHR型透過型電子顕微鏡(加速電圧300kV)にて、1mm厚のインジェクションプレートの観察を行った。結果を表2に示した。
○:最大粒子塊が0.06μm未満
△:最大粒子塊が0.06μm以上0.1μm未満
×:0.1μm以上の凝集体があり
(特定波長遮蔽性の評価)
島津製作所社製UV−265FWにて、1mm厚のインジェクションプレートにおける波長350nmの光線透過率の平均を求めた。平均とは成形品の任意の10箇所における透過率の算術平均値をいう。ここで350nmという特定波長を測定する理由として、酸化亜鉛(A)の基礎吸収により樹脂の光分解が顕著となる波長を有効に遮蔽することが可能だからである。結果を表2に示した。
○:350nmの透過率が10%未満
△:350nmの透過率が10%以上20%未満
×:350nmの透過率が20%以上
(耐候性の評価)
サンシャインウェザーメーター2000時間後における実施例及び比較例のアイゾット試験片のアイゾット衝撃強度(ASTM C256)の物性保持率を求めた。保持率とは、耐候性試験前の熱可塑性樹脂単独のアイゾット衝撃強度値を100%としたときの各衝撃強度値の保持率である。また、2000時間後のアイゾット試験片の外観の評価についても行った。結果を表2に示した。
〈アイゾット衝撃値の評価〉
○:90%以上の保持率
△:80〜90%未満の保持率
×:80%未満の保持率
〈外観評価〉
○:チョーキング無し
△:表面のみチョーキング
×:成型品内部に劣化が認められる
(成形品外観の評価)
1mm厚インジェクションプレート各10枚の表面を目視にて観察し、揮発成分による成形品表面のブリードについて以下のように評価した。結果を表2に示した。
○:全くブリード物が観察されなかった
△:1枚以上にブリード物が観察された
×:全てにブリード物が観察された
表1の処方に従って酸化亜鉛、ヒンダーアンドアミン系光安定剤を用い、実施例1と同様にしてマスターバッチを得、成型品の作成及び評価を行った。
尚、本発明の実施例における樹脂組成物の樹脂圧を特公平1−38293号公報に記載の方法で測定したところ、いずれも10kg/cm2未満であった。
[比較例1〜6]
表1の処方に従い実施例1と同様にしてマスターバッチを得、成型品の作成及び評価を行った。比較例6は珪素酸化物で処理した酸化亜鉛にキマソーブ944FDLを添加した以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチを得、成型品の作成及び評価を行った。
Figure 0004752525
※キマソーブ944FDL:分子量2000〜3100
※キマソーブ119FL :分子量2286
※チヌビン770DF :分子量481
※チヌビン234:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
Figure 0004752525

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂(A)と、珪素酸化物の被覆層を有し、ヒンダードアミン系光安定剤(B)で表面処理を施した、平均粒子系が0.01〜0.1μmの酸化亜鉛(C)からなる樹脂組成物。
  2. ヒンダードアミン系光安定剤(B)の分子量が400以上である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. ヒンダードアミン系光安定剤(B)の被覆量が、酸化亜鉛に対し0.01〜100重量%である請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 酸化亜鉛(C)が樹脂組成物に対し0.01〜30重量%含有する請求項1ないし3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. 熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンである請求項1ないし4いずれか記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする樹脂成形品。
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