JPH05140345A - 機能性フイルムおよび壁紙 - Google Patents

機能性フイルムおよび壁紙

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JPH05140345A
JPH05140345A JP33267591A JP33267591A JPH05140345A JP H05140345 A JPH05140345 A JP H05140345A JP 33267591 A JP33267591 A JP 33267591A JP 33267591 A JP33267591 A JP 33267591A JP H05140345 A JPH05140345 A JP H05140345A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレン−ビニルアルコール系共重合体50
〜99重量%と無機フィラー50〜1重量%とからなる
樹脂組成物の層からなり、かつ少なくとも片面の表面光
沢度が60%以下の機能性フィルムおよび壁紙基材に上
記フィルムを、表面光沢度が60%以下の表面が外表面
になるように積層した壁紙。 【効果】 本発明の機能性フィルムは、優れた耐汚染性
と艶消し性の両性能を併せ有しており、とくに塩ビ壁紙
などのラミネート用として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐汚染性に優れ、しかも
艶消しされた機能性フィルムおよび壁紙に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−ビニルアルコール系共重合体
(以下EVOHと称す)は耐薬品性、耐汚染性、可塑剤
のブリード防止性に優れ、ポリ塩化ビニル樹脂製の壁紙
または化粧板(以下塩ビ壁紙と称す)、塩ビレザーなど
の表面にフィルム貼りされて使用されている。しかし、
EVOHフィルムの光沢度が高く、表面反射が敬遠され
艶消しの要求される壁紙や、レザーなどの用途では艶消
しロールで熱圧着し、艶消し処理がなされている。しか
し、圧力が充分かけられないケースではEVOH表面の
光沢が消されない問題があり、マット化されたEVOH
が要求されている。従来フィルムの艶を消す方法として
サンドブラスト法、化学薬品による表面処理法、ポリマ
ーブレンドによる方法、エッチング処理により方法など
が提案されているが、これらの方法では処理工程や処理
時間が長い、コスト高になる、製膜性が低下するといっ
た欠点を有している。
【0003】一方、無機フィラーをブレンドする方法も
知られた方法であるが、従来の無機フィラーブレンドし
た樹脂フィルムでは次に示すような欠点が指摘されてい
る。特開昭60−195129にはタルクをアクリル樹
脂にブレンドした耐汚染性フィルムに関する記載がある
が、以下に示すような問題点を有している。すなわち、
塩ビ壁紙はたばこの煙、手垢、落書き、各種食品の色素
などで汚染されやすく、これらの問題に対し、アクリル
樹脂製フィルムを塩ビ壁紙にラミネートした耐汚染性壁
紙が知られているが、これらの壁紙では、ラミネートし
ていない塩ビ壁紙に比べ耐汚染性に優れてはいるもの
の、完全ではなく、特にラミネート後長期間経過した場
合その傾向が増大するといった欠点を有する。更にアク
リル樹脂製フィルムは、耐薬品性に劣り、特にエステル
類、ケトン類、芳香族化合物などに侵され易いため、汚
れの拭き取りに注意を払う必要があり、満足できるもの
ではない。
【0004】また、特開昭60−135225にはタル
クをアクリル樹脂にブレンドした艶消しフィルムの提案
がなされているが、艶消し効果が不十分であり、前記し
た問題点を有している。
【0005】ところで、特開昭60−224542号、
特開昭60−239233号、特開昭62−15265
号などにはEVOHフィルムを塩ビ壁紙にラミネートし
た耐汚染性壁紙が知られており、耐薬品性および耐汚染
性にすぐれているが、無機フィラーを含有させることに
よる艶消し機能についての記述はない。また、無機フィ
ラーを含有したEVOHは特公昭51−21822号、
特開昭61−242841号や特開昭62−14398
0号で組成物として開示され公知であるが、本発明に示
すように耐汚染性および艶消し機能を有するフィルムに
関する技術的思想については開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたとおり、従
来技術では耐汚染性に優れ、しかも艶消し効果の優れた
フィルムを得ることは困難であった。しかして本発明の
目的は、耐汚染性に優れ、しかも艶消し効果を充分有す
る機能性フィルムおよび壁紙を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、EVOHと
無機フィラーの樹脂組成物からなり、かつ表面光沢度が
一定値以下のフィルムを提供することによって達成され
る。すなわち、本発明はEVOH50〜99重量%と無
機フィラー50〜1重量%とからなる樹脂組成物の層か
らなり、かつ少なくとも片面の表面光沢度が60%以下
の機能性フィルムである。
【0008】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
のフィルムを形成する成分の1つであるEVOHはエチ
レン−ビニルエステル系共重合体けん化物であり、エチ
レン含量は20〜60モル%であることが好適であり、
好ましくは25〜60モル%である。エチレン含量が2
0モル%より小さいと、耐水性、耐湿性が低下するとと
もに、耐ストレスクラッキング性が低下し、また良好な
溶融加工特性の保持も困難になる。一方、60モル%よ
り大きいと、耐水性、耐湿性は改善されるものの、耐油
性に劣ってきて、油性の汚染物質が浸透し易く、耐汚染
性に劣り、好ましくない。ビニルエステル成分のけん化
度は90モル%以上であることが必要であり、好ましく
は95モル%以上、より好ましくは98モル%以上であ
る。けん化度が90モル%未満では熱安定性が悪くな
り、溶融加工時にゲル・ブツが発生しやすい欠点が生
じ、また、耐油性も低下し、EVOH本来の特性を保持
し得なくなり、本発明の効果を享受し難くなる。ここに
ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとし
てあげられるが、他のビニルエステル、例えば低級また
は高級脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピ
パリン酸ビニルなど)を使用することができる。また前
記ビニルエステルは1種以上用いてもよいし、2種以上
を用いることもできる。
【0009】本発明中において、EVOHとして、エチ
レン含量20〜60モル%、けん化度90モル%以上
で、かつビニルシラン含量0.0001〜0.5モル%
のケイ素含有EVOHも、本発明の目的に対して満足に
使用できる。ケイ素を含有するオレフィン性不飽和モノ
マーとしては、特開昭61−290046号等に開示さ
れているような、従来公知のモノマーが使用できる。た
とえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ
アセトキシシラン、ビニルトリプロピオニロキシシラン
等が挙げられる。該ケイ素含有量はそれぞれの目的に応
じて選定されるが、0.0001〜0.5モル%、特に
0.001〜0.1モル%の範囲が好適である。
【0010】また、EVOHのメルトインデックス(A
STM D1238 65Tに準じて、温度190℃、
荷重2160gの条件で測定した測定した値;以下MI
と記す)は、特に制限はないが、0.1〜50g/10
分である。さらに、本発明にいうEVOHは、本発明の
目的が阻害されない限り、小量の共重合モノマーで変性
されていてもよく、変性用モノマーとしては、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マ
レイン酸、フタル酸、イタコン酸、高級脂肪酸ビニルエ
ステル、アルキルビニルエーテル、N−ビニルピロリド
ン、N−ノルマルブトキシメチルアクリルアミド、N−
(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド類ある
いはその4級化物、N−ビニルイミダゾールあるいはそ
の4級化物を例示することができる。
【0011】次に、本発明のフィルムを形成するもう一
方の成分である無機フィラーについて説明する。無機フ
ィラーとしては、Kett光電池式白度計による反射率
測定による白色度が80以上のものが望ましく、また重
量平均フレーク径が「フィルム厚さ×0.8」μ以下の
粒径であることが重要である。白色度は該樹脂組成物か
らなるフィルムフィルムの色相の点から80以上のもの
が望ましく、重量平均フレーク径については、「フィル
ム厚さ×0.8」μより大きくなるとEVOHとのブレ
ンド性およびブレンドして得られた樹脂組成物の成膜性
が悪くなる。ここで、本発明のフィルムの厚さは特に制
限はないが、8μ〜60μが好適であり、さらに好適に
は10μ〜40μである。すなわち重量平均フレーク径
は、フィルムの厚さに依存するが、好適には6μ以下、
さらに好適には4μ以下である。下限値についてはとく
に限定されない。なお、上記した無機フィラーの重量平
均フレーク径は、EVOHに混合する前の原料無機フィ
ラーの値と該樹脂組成物からなるフィルム中に存在する
無機フィラーの値とはほどんど差のないことが走査型電
子顕微鏡により確認されている。従って本発明において
無機フィラーの重量平均フレーク径とは、EVOHに混
練する前の無機フィラーの値であるか該樹脂組成物から
なるフィルム中に存在する無機フィラーの値を意味す
る。
【0012】本発明中における重量平均フレーク径とは
粉体(ここでは無機フィラーのこと)を各種の目開きの
マイクロシーブまたはフルイで分級し、その結果をRo
sin−Rammlar線図にプロットし、測定に供し
た粉体の全重量の50重量%が通過するマイクロシーブ
またはフルイの目開きL50に相当する値である。すなわ
ち粉体の重量平均フレーク径Lとは(I)または(II)
式で定義される。 L=L50(マイクロシーブの場合) (I) L=21/2・L50(フルイの場合) (II)
【0013】ここで、粉体のうち粒度の大きい部分につ
いてはフルイによって分級されるものであり、粒度の細
かい部分についてはマイクロシーブによって分級される
ものである。本発明において無機フィラーとしては、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリ
カ、タルク、クレー、カオリン、セリサイト、ガラスフ
レーク、マイカ、スメクタイトやバームキュライトなど
の粘土鉱物などがあげられるが、このうちタルク、マイ
カがEVOHとの均一混合性、樹脂組成物の製膜性の点
で好適である。これらの無機フィラーは単一で使用して
も、二種類以上混合しても構わない。またこれらの無機
フィラーはそのままの状態で使用することができるが、
必要に応じて界面活性剤、シランカップリング剤等で表
面処理したものも使用できる。
【0014】本発明中の該樹脂組成物における配合割合
としては、EVOHは50〜99重量%であり、該無機
フィラーは50〜1重量%、とくに40〜2重量%、と
りわけ30〜3重量%の範囲から選ばれる。該無機フィ
ラーの添加量が50重量%を超えると溶融時の流動性、
ブレンド物の成形性および強度が低下し、製膜性も低下
し、また1重量%未満では改質効果が充分でなくなる。
【0015】本発明の該樹脂組成物からなるフィルム
は、EVOH中に無機フィラーが凝集せず、良く分散し
た構造を有することが好ましく、この特徴は走査型電子
顕微鏡による観察から判定され得る。
【0016】次に、本発明中の該樹脂組成物を得る方法
について述べる。本発明におけるEVOHと無機フィラ
ーのブレンド方法としてはEVOHと無機フィラーをE
VOHの融点以上で溶融混練する方法(溶融混練法)が
まずあげられ、この方法としてはEVOHの粉末状物、
ペレット状物と無機フィラーを通常の混合機、たとえば
ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー中で混合する
か、またはEVOH溶融物に無機フィラーを混合してマ
スターをつくり、これをEVOHの粉末状物、ペレット
状物、溶融物に混合し、次にこの混合物を、EVOHの
融点以上で混練する方法があげられる。EVOHと無機
フィラーを前記のように予め混合することなく、EVO
Hと無機フィラーを直接混練機に導入して混練すること
もできる。無機フィラーの凝集体のない、高度な分散を
有する組成物を得るための混練機としては、連続式イン
テンシブミキサー、ニーデイングタイプ二軸押出機(同
方向、あるいは異方向)などの連続型混練機が最適であ
るが、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加
圧ニーダーなどのバッチ型混練機を用いることもでき
る。
【0017】この中で、本発明の目的に最も好ましいも
のとしては連続式インテンシブミキサーをあげることが
できる。市販されている機種としてはFarrel社製
FCM、(株)日本製鋼所製CIMあるいは(株)神戸
製鋼所製KCM、NCM、LCMあるいはACM等があ
る。実際にはこれらの混練機の下に一軸押出機を有し、
押出ペレット化を同時に実施する装置が望ましい。ま
た、ニーディングディスクあるいは混練用ロータを有す
る二軸混練押出機、例えば(株)日本製鋼所のTEX、
Werner & Pfleiderer社のZSK、
東芝機械(株)のTEM、池貝鉄鋼(株)のPCMも本
発明の混練の目的に用いられる。
【0018】このような溶融混練法においては、混練ペ
レット化操作時にゲル、ブツの発生があると、フィルム
成形時好ましくないため、ホッパー口を窒素シールした
り、出来るだけ低温で押出しをすることが好ましい。
【0019】該樹脂組成物を得るもう一つの方法は、E
VOHと無機フィラーをメチルアルコール/水、n−プ
ロピルアルコール/水系などのEVOHの溶剤を使用し
て配合する方法(溶剤法)である。配合の順番としては
EVOHが溶解した溶液に無機フィラーを添加する方
法、あるいはその逆に無機フィラーが分散した溶剤にE
VOHを添加・溶解する方法、または同時に添加する方
法いずれの方法でも構わない。配合後は日本特許72
5,520号に開示されたストランド状に析出させ、無
機フィラーが配合されたEVOHを分離する方法が好適
に用いられる。析出単離後は、必要に応じ公知の方法で
水洗、酸処理等の処理を行い、次いで乾燥を行う。また
溶剤法に準じるが、EVOHを得る前のけん化の工程段
階で無機フィラーを添加しても構わない。
【0020】本発明中の樹脂組成物は、樹脂組成物ペレ
ットをスクリューまたはプランジャーを使用した押出成
形機よりTダイまたはリングダイにより溶融押出して成
形しうる。このさい、該樹脂組成物は吸湿性が高く、水
分率が0.5%以上の場合はそのまま押出成形を実施す
ると発泡し良好なフィルムを得られない。発泡しない良
好なフィルムを得るには、好ましくは水分率が0.25
以下に乾燥することが望ましく、このためには樹脂組成
物ペレットを90〜120℃で乾燥し、続いて乾燥ペレ
ットを窒素置換したホッパーから押出機に供給する。押
出成形温度としては、該樹脂組成物のEVOHの融点に
合わせて決める必要がある。EVOHの融点は、そのエ
チレン含量とけん化度に大きく依存し、エチレン含量が
小さいほどおよびけん化度が高いほどEVOHの融点は
高くなるが、成形温度としては融点より20〜120℃
高温の温度設定、好ましくは30〜70℃である。成形
温度が低すぎると、該樹脂組成物の溶融が不均一になり
ブツ状物が生成し、また溶融粘度が上昇しスクリューに
かかる負荷が増大し好ましくない。一方成形温度が高す
ぎると、該樹脂組成物のEVOHの熱安定性が低下し、
熱劣化によるゲル化、スクリュー部分のコゲの発生によ
る押出運転時間の低下を引き起こし好ましくない。該樹
脂組成物の溶融物は前記したTダイまたはリングダイに
より溶融押出し、続いて冷却用ロールまたは冷却リング
などにより冷却して、本発明の表面光沢度が60%以下
のフィルムが得られる。冷却の際の温度としては40〜
100℃、好ましくは50〜95℃である。冷却後のフ
ィルムは熱処理を施しても構わない。
【0021】本発明中の樹脂組成物には、本発明の目的
が阻害されない範囲において他の熱可塑性樹脂、充填
剤、可塑剤、滑剤、乾燥剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫
外線吸収材、着色剤などを配合することは自由である。
特に、ゲル化発生防止対策として、ハイドロタルサイト
系化合物、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸の
金属塩、酢酸マグネシウム、ヒンダーフェノール系、ヒ
ンダーアミン系熱安定剤の一種または二種を添加するこ
とは好適である。
【0022】次に本発明において重要なことは、上記組
成物より得られるフィルムの少なくとも片面の表面光沢
度が60%以下であることである。。好適には50%以
下であり、さらに好適には40%以下である。60%以
上では艶消しフィルムとして不十分である。ここで光沢
度とは村上式光沢度計で、角度70度で測定した任意の
5箇所で測定した値の平均値である。このような光沢度
を有するフィルムは、上記組成物を用いて、たとえば上
記したとおりの方法を採用することによって得られる。
【0023】本発明のフィルムは壁紙基材、とくにポリ
塩化ビニル樹脂層を含む壁紙基材と積層して使用されて
その効果をより発揮しうる。とくにポリ塩化ビニル基材
として可塑剤を含むポリ塩化ビニル基材を使用する場合
は、本発明のフィルムにより可塑剤の表面へのブリーデ
ィングを防止することもできる。壁紙基材に積層する場
合、本発明のフィルムは最外層にあり、かつ光沢度が6
0%以下の表面が外表面にあることが最良である。積層
化の方法については特に限定はないが、例えばドライラ
ミネート法が挙げられ、ドライラミネート用接着剤とし
ては層間接着力が充分であれば特に限定されるものでは
ない。
【0024】この様に本発明の機能性フィルムは、長期
間の使用においても耐汚染性機能と艶消し効果を充分に
有し、機能性フィルム特に機能性壁紙として非常に有用
である。以下実施例により本発明を更に具体的に説明す
るが、本発明はこれによって何ら限定を受けるものでは
ない。なお、部は重量部を意味している。
【0025】
【実施例】
実施例1 エチレン含量31モル%、酢酸ビニル成分のけん化度が
99.5モル%、MIが1.6g/10分のEVOHの
90部と、重量平均フレーク径が1.5μ、白色度95
のタルク粉体10部をヘンシエルミキサー内で予備混合
後、高速混合を実施して混合体を得た。引続き内径30
mmのミキシングチャンバで、ミキシングロータを二段
有し、二個のロータ間に脱気機構を有する二段二軸異方
向連続押出機とこれに連結された一軸押出機を使用して
混練押出ペレット化を実施してEVOH樹脂組成物のペ
レットを得た。このペレットについて、実質的に無水の
状態とし、メトラー社DSC30を使用して融点Tmの
測定(昇温速度10℃/分)を行った。結果を表1に示
す。
【0026】ついで該ペレットを105℃で乾燥した後
(水分率は0.2%であった)、径40mmのフルフラ
イト型スクリューと500mm幅のコートハンガーダイ
(温度230℃)を有する押出機および表面温度90℃
のキャスティングロール(冷却ロール)を用いて製膜を
実施し、厚さ15μの組成物の無延伸フィルムを得た。
このフィルムの光沢度は22%であり、優れた艶消し性
を有するフィルムであった。また、このフィルムの断面
を走査型電子顕微鏡で観察したところ、タルクは凝集し
ておらずタルクの分散性は良好であった。
【0027】このフィルムにグラビヤコーターを用い、
固形分濃度20重量%のウレタン系接着剤アドコートA
D−335Aと硬化剤Cat−10(東洋モートン
(株)。混合比17:1)を塗布量2g/m2(固形分
基準)となる様にコートし、70℃で4分乾燥した。こ
のようにして得られた、接着剤を塗布したフィルムの塗
布面と難燃紙を積層したポリ塩化ビニル樹脂製壁紙(塩
ビ壁紙、ポリ塩化ビニル樹脂は可塑剤(フタール酸ジ−
2−エチルヘキシル)をポリ塩化ビニル樹脂100重量
部に対し、55重量部含む)のポリ塩化ビニル樹脂を合
わせ、熱エンボスロール(130℃)で圧着し、耐汚染
性機能などを合わせもつ壁紙を得た。室温で1ケ月放置
したが上記壁紙は該ポリ塩化ビニル樹脂層が破壊し、接
着力は十分であった。
【0028】ポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤の遮断性を
調べるために、該壁紙のEVOH樹脂組成物フィルム面
に6cm×6cmの厚さ70μの無可塑ポリ塩化ビニル
フィルムを密着させ、該無可塑ポリ塩化ビニルフィルム
に3kgの荷重を加え、70℃の条件下に7日間(この
条件下での試験は日常生活で経験しがたい温度であり、
この条件で効力が維持されれば、室温では長期間にわた
って効力が維持されるといえる条件である)放置し、該
無可塑ポリ塩化ビニルフィルムの重量変化を調べたが、
重量増加は認められず、またEVOH樹脂組成物フィル
ム面のベタツキもみとめられず、可塑剤の遮断性能は完
全であった。
【0029】汚れ防止機能(耐汚染性)を調べるため
に、この該壁紙のEVOH樹脂組成物フィルムの表面に
2cm×2cmの大きさに油性の赤色インキ(三菱鉛筆
(株)製三菱マーカー)、口紅((株)資生堂製リップ
スティック)、醤油(キッコーマン(株)製濃口醤油)
を塗布し、24時間後にベンジンを付けたガーゼで拭き
取ったが、跡は全く残らなかった。また中性洗剤で湿ら
せたガーゼで拭き取っても口紅と醤油の場合には跡は全
く残らず、また水により表面が損なわれることもなく充
分な耐水性が認められた。以上の結果を表1に示す。
【0030】実施例2 EVOHとタルクのブレンド割合を表1に示す割合で変
えた以外は実施例1と同様にしてテストを実施した。結
果を表1に示す。
【0031】実施例3 使用したEVOHを表1に示すように変えた以外は実施
例1と同様にしてテストを実施した。結果を表1に示
す。
【0032】実施例4 使用したタルクを表1に示すように変えた以外は実施例
1と同様にしてテストを実施した。結果を表1に示す。
【0033】比較例1 実施例1において、タルクをブレンドせず、エチレン含
量31モル%、酢酸ビニル成分のけん化度が99.5モ
ル%、MIが1.6g/10分のEVOH単独を使用し
た以外は実施例1と同様にしてテストを実施した。光沢
度が高く、艶消し性が全く発現しなかった。結果を表1
に示す。
【0034】比較例2〜3 使用したEVOHを表1に示すように変えた以外は実施
例1と同様にしてテストを実施した。フィルム外観およ
び耐汚染性に不十分であった。結果を表1に示す。
【0035】比較例4 EVOHとタルクのブレンド割合を表1に示す割合で変
えた以外は実施例1と同様の測定を実施しようとした
が、組成物のペレット化が困難で各種評価ができなかっ
た。結果を表1に示す。結果を表1に示す。
【0036】比較例5 EVOHのタルクのブレンド割合を表1に示す割合で変
えた以外は実施例1と同様にしてテストを実施した。タ
ルクの少量のブレンドでは、光沢度が高く、艶消し性が
発現しなかった。結果を表1に示す。
【0037】比較例6 使用したタルクを表1に示すように変えた以外は実施例
1と同様にしてテストを実施した。フィルムに貫通穴が
発生し使用に耐えるフィルムが得られなかった。結果を
表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の機能性フィルムは、優れた耐汚
染性と艶消し性の両性能を併せ有しており、とくに塩ビ
壁紙などのラミネート用として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29:04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−ビニルアルコール系共重合体
    50〜99重量%と無機フィラー50〜1重量%とから
    なる樹脂組成物の層からなり、かつ少なくとも片面の表
    面光沢度が60%以下の機能性フィルム。
  2. 【請求項2】 壁紙基材に請求項1記載の機能性フィル
    ムを、表面光沢度が60%以下の表面が外表面になるよ
    うに積層した壁紙。
JP33267591A 1991-11-20 1991-11-20 艶消しフィルム Expired - Lifetime JP3172559B2 (ja)

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