JP2911742B2 - フィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
フィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物Info
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Description
ピレン系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、成形加工
時の耐着色性、及び耐密着性並びに耐スクラッチ性に優
れたフィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物に関す
るものである。
脂と記す場合がある)フィルムはその腰の強さと透明性
の故に食品包装をはじめとする幅広い分野の包装用資材
として使用されている。このようなPP系樹脂フィルム
には、成形時の巻きじわ発生防止や内容物充填時の開口
性の改善など、取扱作業性の改善のために通常シリカ、
ゼオライト等のアンチブロッキング剤が添加されてい
る。また、一方でPP系樹脂フィルムには成形加工時の
熱酸化劣化を防止するため、フェノール系酸化防止剤が
添加されている。このようなPP系樹脂フィルムの場
合、フィルム成形後またはその保管が長期にわたる場
合、黄変が生ずる場合がある。この黄変の原因として
は、フェノール系酸化防止剤が樹脂中のラジカルを補足
する際に、二量化してキノン構造を有する黄変物質を生
成することによる、あるいは触媒残渣中のチタン化合物
とフェノール系の酸化防止剤とが反応し、黄変物質を生
成することによる等が報告されているが、実際の事例に
対する具体的原因については未だ不明確な場合が多かっ
た。上記のような、触媒残渣に起因する黄変を防止する
ため、残留塩素中和剤を添加する方法は知られている。
また、フェノール系酸化防止剤の二量化に起因する黄変
を軽減するためにリン系酸化防止剤を併用することも公
知である。更に、特開平4−220446号公報にはア
ンチブロッキング剤として、その表面のシラノール基が
特定量以下のものを使用することにより、フィルム成形
時の熱安定性、長期保管時の耐着色性を改良する方法が
開示されている。
留塩素中和剤の添加やリン系酸化防止剤の併用では黄変
防止効果は未だ不十分である。また、上記特開平4−2
20446号公報記載の方法では、開示されるアンチブ
ロッキング剤のうち、合成シリカ系以外のものは一般的
にその硬度が高く、あるいは多孔質でないものが多い。
即ち、このような硬度の高いアンチブロッキング剤を使
用した場合はPP系樹脂の重要な特性の一つである耐ス
クラッチ性が悪化し、また多孔質でないアンチブロッキ
ング剤を使用した場合は耐密着性を付与するため多量の
添加が必要となり、この結果やはりPP系樹脂の重要な
特性の一つである透明性を悪化させることとなる。ま
た、合成シリカ系のアンチブロッキング剤についても、
表面のシラノール基が少ないものは比表面積が小さいた
めに一次粒子の直径が大きく、かつ一次粒子間の結合が
弱い。このため、混練、成形中にアンチブロッキング剤
粒子が崩れ、フィルム表面に凹凸を形成しにくいため、
耐密着性が劣るという欠点を有している。本発明は、こ
のような事情のもとで、成形加工時の耐着色性、及び耐
密着性並びに耐スクラッチ性に優れたフィルム成形用ポ
リプロピレン系樹脂組成物を提供することを目的として
なされたものである。
結果、触媒残渣に起因するチタン化合物や塩素化合物を
含むPP系樹脂にアンチブロッキング剤を添加すると、
アンチブロッキング剤表面のシラノール基による触媒残
渣とフェノール系酸化防止剤の吸着、分解等がおこり、
黄変物質の生成が促進されることを見出した。更に、比
表面積が大きいアンチブロッキング剤表面のシラノール
基を表面処理により減少せしめた場合、黄変物質の生成
が促進されず、また耐密着性と耐スクラッチ性に優れた
製品が得られることを見出し、本発明を完成させたもの
である。
(a)BET法によって測定された比表面積が150〜
500m 2 /gであって、かつ表面処理が施され、表面
のシラノール基量を示すDBA値が上記処理前の70%
以下である合成シリカ系のアンチブロッキング剤を0.0
1〜1.0重量部、(b)フエノール系酸化防止剤を0.0
1〜0.5重量部、及び(c)リン系酸化防止剤を0.01
〜0.5重量部、含有することを特徴とするフィルム成形
用ポリプロピレン系樹脂組成物、 (2)表面処理が、シリコーンオイル,変性シリコーン
オイル又はシランカップリング剤を用いてシリカ表面を
被覆する方法で行われることを特徴とする上記(1)記
載のフィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物、 (3)アンチブロッキング剤のDBA値が処理前の50
%以下であることを特徴とする上記(1)記載のフィル
ム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物、 (4)アンチブロッキング剤の平均粒径が1〜6μmで
あることを特徴とする上記(1)記載のフィルム成形用
ポリプロピレン系樹脂組成物、 (5)ポリプロピレン系樹脂がプロピレンとエチレンの
ランダム共重合体又はプロピレン−エチレン−ブテン−
1三元共重合体であることを特徴とする上記(1)記載
のフィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物、及び (6)ポリプロピレン系樹脂が5ppm以上のチタン化
合物及び/又は10ppm以上の塩素化合物を含有する
ことを特徴とする上記(1)記載のフィルム成形用ポリ
プロピレン系樹脂組成物、を提供するものである。
発明のフィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物に
は、(a)成分として、BET法によって測定された比
表面積が150m2 /g以上であって、かつ表面処理が
施され、表面のシラノール基量を示すDBA値が上記処
理前の70%以下である合成シリカ系のアンチブロッキ
ング剤が含有される。上記BET法によって測定された
比表面積は、150m2 /g以上であることが必要であ
るが、好ましくは200m2 /g以上、更に好ましくは
250m2 /g以上のものが用いられる。上記比表面積
が150m2 /gに満たない場合は耐密着性が劣ること
となり、好ましくない。
ング剤としては、表面処理が施され、表面のシラノール
基量を示すDBA値が上記処理前の70%以下、好まし
くは50%以下、更に好ましくは40%以下であるもの
が用いられる。DBA値が上記処理前の70%を越える
アンチブロッキング剤を用いる場合は、黄変防止効果が
不十分となり好ましくない。合成シリカ系アンチブロッ
キング剤の表面処理は、例えば脂肪酸金属塩やワックス
等をシリカ表面にコーティングする方法、あるいはシラ
ン系等のカップリング剤やシリコーンオイル、変性シリ
コーンオイル等を用いてシリカ表面を有機物で被覆する
方法等種々の方法により行うことができる。
イル等を用いたアンチブロッキング剤の表面処理方法と
しては、特に限定されるものではなく公知の種々の方法
が使用できるが、例えば下記の方法で実施できる。 シランカップリング剤の場合 シランカップリング剤の水、有機溶媒等の溶液を調製
し、この溶液にアンチブロッキング剤を攪拌しながら含
浸した後、ろ過、圧搾、遠心分離等により溶媒を除去
し、乾燥する。 アンチブロッキング剤をミキサーやブレンダーを用い
て攪拌しながらシランカップリング剤やその水、有機溶
媒等の溶液をスプレーし、乾燥する。 シリコーンオイル等の場合 シリコーンオイルの溶液(トルエン,キシレン,石油
エーテル,イソプロピルアルコール,揮発性シリコーン
オイル等に希釈)にアンチブロッキング剤を攪拌しなが
ら含浸した後、溶媒を除去し、加熱焼付処理する。 アンチブロッキング剤をミキサーやブレンダーを用い
て攪拌しながらシリコーンオイルやその溶液をスプレー
し、加熱焼付処理する。
プリング剤やシリコーンオイル等の使用量は、表面処理
の程度とアンチブロッキング剤の比表面積によるため一
概には決定できないが、アンチブロッキング剤100重
量部に対して0.5〜20重量部程度で実際に表面処理を
行い、最適量を決定することができる。シリコーンオイ
ル等を使用する場合の加熱焼付処理は、ジメチルシリコ
ーンオイルの場合で200〜350℃/5〜30分程
度、メチルハイドロジエンシリコーンオイルの場合で1
20〜150℃/1〜2時間程度の条件で行われる。
いることのできるシリコーンオイルや変性シリコーンオ
イルは、特に限定されないが、シリコーンオイルとして
は例えば、ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポ
リシロキサン,メチルハイドロジエンポリシロキサン,
フロロポリシロキサン等が挙げられ、変性シリコーンオ
イルとしては、ジメチルポリシロキサンの側鎖に有機官
能基を有するもの、分子鎖の末端に有するもの、また側
鎖と末端の両方に有するものがあるが、例えば、カルビ
ノール変性ポリシロキサン,ポリエーテル変性ポリシロ
キサン,アミノ変性ポリシロキサン,エポキシ変性ポリ
シロキサン,カルボキシル変性ポリシロキサン,メタク
リル変性ポリシロキサン,メルカプト変性ポリシロキサ
ン,フェノール変性ポリシロキサン,アルキル基変性ポ
リシロキサン,メチルスチリル基変性ポリシロキサン,
フッ素変性ポリシロキサン等が挙げられる。これらのう
ち、メチルハイドロジエンポリシロキサン,カルビノー
ル変性ポリシロキサン,アミノ変性ポリシロキサン,エ
ポキシ変性ポリシロキサン,カルボキシル変性ポリシロ
キサン,メタクリル変性ポリシロキサン又はメルカプト
変性ポリシロキサンが好ましく用いられる。
ことのできるシランカップリング剤は、特に限定されな
いが例えば、ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエ
トキシシラン,ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン,ビニルトリアセトキシシラン,メチルトリメト
キシシラン,メチルトリエトキシシラン,イソブチルト
リメトキシシラン,デシルトリメトキシシラン,ジメチ
ルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン等が挙
げられる。
表面のシラノール基量を示すDBA値は下記の方法によ
り測定される。アンチブロッキング剤を180℃で2時
間焼成し、デシケータ中で放冷した後に1g秤量し、0.
01Nジ−n−ブチルアミン(DBN)トルエン溶液を
100ミリリットル加える。次いで、これをスターラー
で1時間攪拌した後に一晩放置する。上澄み液5ミリリ
ットルをとり、50ミリリットルの水/メタノール=1
/1溶液を加え、pHメーターでpHを測定しながら0.
01N塩酸で滴定を行い、その滴定量を測定する。本発
明のPP系樹脂組成物における上記アンチブロッキング
剤の含有量は、PP系樹脂100重量部に対して0.01
〜1.0重量部であり、好ましくは0.03〜0.7重量部、
更に好ましくは0.05〜0.5重量部である。上記含有量
が0.01重量部未満では耐密着性が改良されず、1.0重
量部を越えると透明性が悪化する。また、耐密着性及び
透明性双方の点からアンチブロッキング剤の平均粒径は
コールカウンターによる測定で1〜6μm程度であるこ
とが好ましい。
としてフェノール系酸化防止剤を含有する。用いられる
フェノール系酸化防止剤としては特に限定されないが、
例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル,n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート,ペンタエ
リスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕,2−
t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−
5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレー
ト,2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペ
ンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチル
フェニルアクリレート,トリエチレングリコール−ビス
−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕,1,6−ヘキサンジオ
ール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕,3,9−ビス
〔1,1−ジ−メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオ
キシ〕エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ〔5,5〕ウンデカン,1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン,トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレー
ト,トリス(4−t−ブチル−2,6−ジ−メチル−3
−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等が使用でき
る。
P系樹脂組成物中、PP系樹脂100重量部に対して0.
01〜0.5重量部、好ましくは0.01〜0.3重量部、更
に好ましくは0.02〜0.2重量部含有される。上記含有
量が0.01重量部未満では成形加工時の熱安定性が不足
し、0.5重量部を越える場合は経済的に不利となるばか
りでなく、本発明に係る上記アンチブロッキング剤を使
用したとしても黄変の危険性が大きくなる。本発明にお
いては、上記フェノール系酸化防止剤は単独で用いても
よいが、上記0.5重量部を越えない範囲で二種以上組み
合わせて用いることもできる。
としてリン系酸化防止剤を含有する。用いられるリン系
酸化防止剤としては特に限定されないが、例えば、トリ
ス(ノニルフェニル)フォスファイト,トリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト,ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ール−ジ−フォスファイト,ビス(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ
−フォスファイト,ビス(2,4,6−トリ−t−ブチ
ルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイ
ト,メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
オクチルフォスファイト,テトラキス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フ
ォスフォナイト,テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル
−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ
−フォスフォナイト等が使用できる。
脂組成物中、PP系樹脂100重量部に対して0.01〜
0.5重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部、更に好ま
しくは0.05〜0.3重量部含有される。上記含有量が0.
01重量部未満では成形加工時の熱安定性が不足すると
ともに黄変の危険性が大きくなり、0.5重量部を越える
場合は経済的に不利となるばかりでなく、スクリューや
ダイスを腐食させる恐れがある。本発明においては、上
記リン系酸化防止剤は単独で用いてもよいが、上記0.5
重量部を越えない範囲で二種以上組み合わせて用いるこ
ともできる。本発明のPP系樹脂組成物には、本発明の
目的を損なわない範囲で通常使用される残留塩素中和
剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、ヒンダ
ードアミン型安定剤(HALS)等を配合することがで
きる。
系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレンと
エチレンのランダム共重合体、プロピレン−エチレン−
ブテン−1三元共重合体等が例示されるが、中でもプロ
ピレンとエチレンのランダム共重合体とプロピレン−エ
チレン−ブテン−1三元共重合体は多量のアンチブロッ
キング剤が必要であることから顕著な効果が認められ好
ましく用いられる。特に前者の中でもエチレンを2〜1
0%含有するもの、後者の中でもエチレンを1〜5%、
ブテン−1を1〜20%含有するものが好ましく用いら
れる。本発明においては、これらにEPR等の改質剤を
含むものも使用できる。本発明においては、特に触媒残
渣に起因するチタン化合物を5ppm以上、塩素化合物
を10ppm以上含有するPP系樹脂を用いる場合に耐
着色性の改良効果が著しく好ましい。
樹脂とアンチブロッキング剤、フェノール系酸化防止
剤、リン系酸化防止剤とを公知の種々の方法で混合する
か、あるいは押出機内で溶融混練、造粒して製造するこ
とができる。また、本発明のPP系樹脂組成物はT−ダ
イフィルム成形、水冷インフレーション成形により、あ
るいはT−ダイにてシートを成形したものを一軸、また
は二軸延伸することによってフィルムを成形することが
できる。
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1 MI:9g/10分、エチレン含有量2.5重量%、ブテ
ン−1含有量2.2重量%、チタン24ppm、塩素54
ppmのプロピレン−エチレン−ブテン−1三元共重合
体100重量部につき、アンチブロッキング剤として下
記の表面処理した合成シリカ:サイロフォービック50
5(富士シリシア(株)製)(処理前のDBA値:82
2meq/kg,処理後のDBA値:74meq/k
g、比表面積:500m2 /g)を0.25重量部、フェ
ノール系酸化防止剤としてイルガノックス1010を0.
10重量部、及びリン系酸化防止剤としてイルガフォス
168を0.25重量部、を二軸押出機で混練、ペレタイ
ズした後、スクリュー直径40mm、スクリューL/
D:25の単軸押出機で加工温度280℃にて3回パス
して、熱履歴、機械的剪断を与えた後のペレットYIを
JIS−K−7150に準拠して測定した。また、スク
リュー直径40mm、スクリューL/D:25の単軸押
出機にダイ巾500mm、ダイリップ0.6mmのコート
ハンガー型T−ダイを取付け、混練、ペレタイズした原
料を加工温度220℃、冷却ロール温度30℃にて成形
し、厚さ30μmのキャストフィルムを得た。このフィ
ルムの体密着性、耐スクラッチ性を下記の方法で評価し
た。
間、荷重36g/cm 2 にて保管し、引張試験器で20
mm/分にて引っ張った時の最大荷重をブロッキング強
度とした。 (2)耐スクラッチ性 フィルム同士を重ね合わせ、15g/cm2 の荷重にて
30回フィルム同士をこすりあわせ、フィルムについた
傷の程度を下記のように目視評価した。 ○:フィルムにはほとんど、あるいは全く傷が認められ
ない。 △;フィルムには傷が認められるが、透明性を阻害する
程ではない。 ×:フィルムには無数の傷がついており、スリガラス状
に白濁している。
DBA値、処理率、比表面積を第1表に示すように代え
た以外は実施例1と同様にしてPP樹脂系組成物を調製
し、フィルムを作成した。得られた組成物及びフィルム
を実施例1と同様に評価した。結果を実施例1の結果と
合わせて第1表に示す。
(富士シリシア(株)製):一次粒子直径2.7μm (B)未処理合成シリカ:サイリシア550(富士シリ
シア(株)製):一次粒子直径2.7μm (C)未処理合成シリカ:ミズカシルP−527(水澤
化学工業(株)製):一次粒子直径1.6μm (D)未処理合成シリカ:ミズカシルP−526(水澤
化学工業(株)製):一次粒子直径3.0μm (E)アルミノシリケート:シルトンAMT−25(水
澤化学工業(株)製) (F)ハイドロタルサイト:ミクロトップ−4(協和化
学工業(株)製) (G)硼酸アルミニウム:アルボライトFA−03(四
国化成工業(株)製)
1含有量3.9重量部、チタン70ppm、塩素70pp
mのプロピレン−エチレン−ブテン−1三元共重合体1
00重量部につき、アンチブロッキング剤として実施例
1と同様に表面処理した合成シリカ:サイロフォービッ
ク505(富士シリシア(株)製)(処理前のDBA
値:804eq/kg,処理後のDBA値:193me
q/kg、比表面積:500m2 /g)を0.50重量
部、フェノール系酸化防止剤としてイルガノックス10
10を0.03重量部、及びリン系酸化防止剤としてイル
ガフォス168を0.12重量部、を二軸押出機で混練、
ペレタイズした後、スクリュー直径40mm、スクリュ
ーL/D:25の単軸押出機で加工温度280℃にて3
回パスして、熱履歴、機械的剪断を与えた後のペレット
YIをJIS−K−7105に準拠して測定した。結果
を第2表に示す。
成シリカ:サイリシア550(富士シリシア(株)製)
(DBA値:800meq/kg、比表面積:500m
2 /g、一次粒子径2.7μm)に代えた以外は実施例7
と同様にしてPP系樹脂組成物を調製し、同様にして評
価した。結果を第2表に示す。 実施例8 実施例7において、エチレン含有量を3.5重量部とし、
チタン3ppm、塩素5ppmとした以外は実施例7と
同様にしてPP系樹脂組成物を調製し、同様にして評価
した。結果を第2表に示す。
成シリカ:サイリシア550(富士シリシア(株)製)
(DBA値:800meq/kg、比表面積:500m
2 /g、一次粒子径2.7μm)に代えた以外は実施例8
と同様にしてPP系樹脂組成物を調製し、同様にして評
価した。結果を第2表に示す。
く、比表面積が一定値以上であり、かつ表面処理により
シラノール基を減少せしめた合成シリカをアンチブロッ
キング剤として使用するポリプロピレン系樹脂組成物に
より、触媒残渣やフェノール系酸化防止剤とアンチブロ
ッキング剤との相互作用を抑えることができ、触媒残渣
の比較的多いPP系樹脂を原料として用いても成形加工
時の耐着色性に優れたフィルムが得られる。また、本発
明のポリプロピレン系樹脂組成物により、PP系樹脂フ
ィルムに求められる重要な特性である耐スクラッチ性や
耐密着性に優れたフィルムが得られる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂100重量部に対
して、(a)BET法によって測定された比表面積が1
50〜500m 2 /gであって、かつ表面処理が施さ
れ、表面のシラノール基量を示すDBA値が上記処理前
の70%以下である合成シリカ系のアンチブロッキング
剤を0.01〜1.0重量部、(b)フエノール系酸化防止
剤を0.01〜0.5重量部、及び(c)リン系酸化防止剤
を0.01〜0.5重量部、含有することを特徴とするフィ
ルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】 表面処理が、シリコーンオイル,変性シ
リコーンオイル又はシランカップリング剤を用いてシリ
カ表面を被覆する方法で行われることを特徴とする請求
項1記載のフィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成
物。 - 【請求項3】 アンチブロッキング剤のDBA値が処理
前の50%以下であることを特徴とする請求項1記載の
フィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項4】 アンチブロッキング剤の平均粒径が1〜
6μmであることを特徴とする請求項1記載のフィルム
成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリプロピレン系樹脂がプロピレンとエ
チレンのランダム共重合体又はプロピレン−エチレン−
ブテン−1三元共重合体であることを特徴とする請求項
1記載のフィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項6】 ポリプロピレン系樹脂が5ppm以上の
チタン化合物及び/又は10ppm以上の塩素化合物を
含有することを特徴とする請求項1記載のフィルム成形
用ポリプロピレン系樹脂組成物。
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JP2786094A JP2911742B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | フィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物 |
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