JP3381814B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを用いたフィルム - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを用いたフィルム

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JP3381814B2 JP08000195A JP8000195A JP3381814B2 JP 3381814 B2 JP3381814 B2 JP 3381814B2 JP 08000195 A JP08000195 A JP 08000195A JP 8000195 A JP8000195 A JP 8000195A JP 3381814 B2 JP3381814 B2 JP 3381814B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン系樹脂
組成物及びそれを用いたフィルムに関する。さらに詳し
くは、生産性がよい上、焼けやフィルム厚さムラなどが
なく、かつ衝撃強度及び表面特性に優れたキャストフィ
ルムを与えるポリプロピレン系樹脂組成物、及びこの樹
脂組成物を基材とし、キャスト成形法(Tダイ法)によ
って得られた上記の優れた品質を有するフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】無延伸ポリプロピレン系フィルムは、透
明性,耐熱性,機械的特性及び光沢などが良好であるこ
とから、包装分野において広く使用されている。この無
延伸ポリプロピレン系フィルムは、通常、キヤスト成形
法(Tダイ法)で製造されるが、近年、生産性向上のた
めに、引取速度を速くする加工メーカーが増加しつつあ
る。また、フィルム成形にあたり、酸化防止剤として
は、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BH
T)が、最も一般的に添加されているが、安全衛生上や
黄変などの観点から、最近、このBHT以外の酸化防止
剤が添加されるようになってきた。上記BHTの代替と
しては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸
化防止剤とを併用する方法がよく知られており、この酸
化防止剤処方によって、成形加工時の分子量低下による
焼けや、フィルム厚さムラなどの不良現象の発生が防止
されている(例えば、特公昭56−5417号公報)。
一方、前記したように、生産性向上のために、キャスト
成形時の引取速度が、近年ますます速くなってきてお
り、その結果、配向によるフィルムの衝撃強度の低下と
いう新たな問題が生じている。この問題は、ベースポリ
マーの分子量分布が広く、かつヒンダードフェノール系
酸化防止剤とリン系酸化防止剤との併用系の配合で顕著
である。また、ベースポリマーの分子量分布を狭くし、
上記酸化防止剤の併用系を配合すれば、衝撃強度の低下
は改善されるものの、従来の滑剤及びアンチブロッキン
グ剤処方では、スリップ性及びアンチブロッキング性は
悪化し、表面特性と機械的特性の両品質を満足するフィ
ルムは得られないという問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、キャスト成形法(Tダイ法)によってフィル
ムを成形する際、引取速度が50m/分以上と速くて
も、焼けやフィルムの厚さムラなどの不良現象が防止で
き、かつ衝撃強度及び表面特性に優れるフィルムを与え
るポリプロピレン系樹脂組成物、及びこの樹脂組成物を
基材とする上記の優れた品質を有するフィルムを提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の性状を
有するポリプロピレン系樹脂に、特定の二酸化ケイ素化
合物、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤
を、それぞれ所定の割合で配合してなる樹脂組成物によ
り、その目的を達成しうることを見出した。本発明は、
かかる知見に基づいて完成したものである。
【0005】すなわち、本発明は、(A)(イ)メルト
インデックス(MI)が1〜20g/10分、(ロ)同
位体炭素による核磁気共鳴分光(13C−NMR)により
求められるペンタッド分率fmmmmが85.0〜95.0モル
%及び(ハ)溶融粘弾性測定における貯蔵弾性率(G')
が2×103 dyne/cm2 となるような角周波数を
ω1 、2×105 dyne/cm2 となるような角周波
数をω2 としたとき、ω2 /10ω1 で表される分子量
分布指数(PDI−P)が30以下であるポリプロピレ
ン系樹脂と、その100重量部に対し、(B)DBA
(ジ−n−ブチルアミン)値が400ミリ当量(me
q)/kg以下の二酸化ケイ素化合物0.05〜0.50重
量部、(C)フェノール系酸化防止剤0.05〜0.30重
量部、及び(D)リン系酸化防止剤0.03〜0.20重量
部を含有してなるポリプロピレン系樹脂組成物を提供す
るものである。また、本発明は、フィルム用としての上
記ポリプロピレン系樹脂組成物、さらには上記ポリプロ
ピレン系樹脂組成物からなるフィルムをも提供するもの
である。
【0006】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物にお
いて、(A)成分として用いられるポリプロピレン系樹
脂は、次に示す条件を満足すべきである。まず、(イ)
メルトインデックス(MI)が1〜20g/10分の範
囲にあることが必要である。このMIが上記範囲を逸脱
すると、キャストフィルム成形性が悪くなる。キャスト
フィルム成形性の面から、好ましいMIは、4.0〜15.
0g/10分の範囲であり、特に5.5〜9.0g/10分
の範囲が好適である。なお、MIは、JIS K−72
10に準拠し、温度230℃、荷重2,160gの条件で
測定した値である。
【0007】次に、(ロ)同位体炭素による核磁気共鳴
分光(13C−NMR)により求められるペンタッド分率
mmmmが85.0〜95.0モル%の範囲にあることが必要
である。このペンタッド分率が85.0モル%未満では、
フィルムの剛性及びアンチブロッキング性が著しく低下
し、また、95.0モル%を超えるとスリップ性が低下
し、かつ引取速度100m/分以上の高速成形条件で成
形した場合、耐衝撃性が著しく低下する。フィルムの剛
性,アンチブロッキング性,スリップ性及び高速成形条
件下で成形した場合の耐衝撃性などのバランスの面か
ら、好ましいペンダッド分率fmmmmは87.0〜95.0モ
ル%の範囲である。なお、このペンダッド分率f
mmmmは、「マクロモルキュルズ(Macromolec
ules)」第8巻,第687ページ(1975年)に
記載されている方法に準拠し、日本電子(株)製のJN
M−EX400型NMRを用い、試料溶媒1,2,4−
トリクロロベンゼン/ベンゼンd6 (重ベンゼン)混合
溶媒(容量比9:1),測定温度130℃,積算回数4
000回,パルス角度45°,パルス間隔4secの条
件にて、13C−NMRの測定を行い、求めた値である
(以下、面積法と称す)。なお、このペンタッド分率f
mmmmは目安として、このようにして得られた13C−NM
Rの測定チャートのピーク高さから求めることができる
(以下、ピーク法と称する)。この場合、上記面積法に
よるペンダッド分率fmmmm85.0〜95.0モル%に対応
するピーク法によるペンダッド分率fmmmmは、おおよそ
91.0〜97.5 モル%となる。
【0008】さらに、(ハ)溶融粘弾性測定における貯
蔵弾性率(G')が2×103 dyne/cm2 となるよ
うな角周波数をω1 、2×105 dyne/cm2 とな
るような角周波数をω2 としたとき、ω2 /10ω1
表される分子量分布指数(PDI−P)が30以下であ
ることが必要である。このPDI−Pが30を超える
と、分子量分布が広すぎ、フィルムの耐衝撃性が著しく
低下する。フィルムの耐衝撃性の面から、好ましいPD
I−Pは25以下であり、より好ましくは20以下であ
る。なお、該PDI−Pは、レオメトリックス社製のレ
オゴニオメーターを用い、コーンプレート(25mm
φ,コーンアングル:0.10rad)を使用し、温度1
75℃にて溶融粘弾性を測定し、求めた値である。
【0009】この(A)成分のポリプロピレン系樹脂
は、前記(イ),(ロ)及び(ハ)の条件を満たすもの
であれば、プロピレンの単独重合体であってもよく、プ
ロピレン以外の他のオレフィンとの共重合体であっても
よい。この共重合体に用いられる他のオレフィンとして
は、例えば、エチレン;ブテン−1;ペンテン−1;4
−メチル−1−ペンテン;ヘキセン−1;ヘプテン−
1;オクテン−1;ノネン−1;デセン−1などのα−
オレフィンを挙げることができる。これらの中では、エ
チレンが好適である。これらの他のオレフィンは一種用
いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】本発明の樹脂組成物においては、(B)成
分として、DBA(ジ−n−ブチルアミン)値が400
meq/kg以下の二酸化ケイ素化合物が用いられる。
この二酸化ケイ素化合物はアンチブロッキング剤として
作用するが、該DBA値は表面のシラノール基量を示す
指標であり、その値が400meq/kgを超えると滑
り性の改良効果が不充分となり、本発明の目的が達せら
れない。滑り性の改良効果をよりよく発揮させるには、
DBA値は300meq/kg以下が好ましく、特に2
50meq/kg以下が好適である。なお、DBA値
は、試料を180℃で2時間焼成し、デシケーター中で
放冷したのち、その1gに0.01規定のジ−n−ブチル
アミン(DBA)のトルエン溶液100ミリリットルを
加え、スターラーで1時間攪拌し、一晩放置後、その上
澄み液5ミリリットルを採り、水/メタノール混合液
(重量比1/1)を加え、pHメーターでpHを測定し
ながら、0.01規定(N)塩酸で滴定して求めた値であ
る。
【0011】また、この二酸化ケイ素化合物は、BET
法により測定された比表面積が150m2 /g以上であ
るものが好ましい。この比表面積が150m2 /g未満
ではアンチブロッキング性が不充分となるおそれがあ
る。アンチブロッキング性をより優れたものにするに
は、比表面積は200m2 /g以上がより好ましく、特
に200〜1000m2 /g、とりわけ250〜100
0m2 /gが好適である。なお、このBET法による測
定は、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル
・ソサエティ(J.Amer.Chem.Soc.)」
第60巻,第309ページ(1983年)に記載されて
いる方法に従って行った。本発明においては、上記二酸
化ケイ素化合物として、通常表面処理を施したものが用
いられる。この表面処理方法については特に制限はな
く、従来公知の方法、例えば脂肪酸金属塩やワックスな
どを二酸化ケイ素化合物表面にコーティングする方法、
あるいはシラン系などのカップリング剤やシリコーンオ
イル,変性シリコーンオイルなどを用いて二酸化ケイ素
化合物表面のシラノール基を有機物で置換する方法など
種々の方法により行うことができる。
【0012】上記シランカップリング剤やシリコーンオ
イルなどを用いた二酸化ケイ素化合物の表面処理方法と
しては、特に限定されるものではなく公知の種々の方法
が使用できるが、例えば下記の方法で実施できる。 シランカップリング剤の場合 シランカップリング剤の水、有機溶媒などの溶液を調
製し、この溶液に二酸化ケイ素化合物を浸漬処理した
後、ろ過、圧搾、遠心分離などにより溶媒を除去し、乾
燥する。 二酸化ケイ素化合物をミキサーやブレンダーを用いて
攪拌しながらこれにシランカップリング剤やその水、有
機溶媒などの溶液をスプレーし、乾燥する。 シリコーンオイルなどの場合 シリコーンオイルの溶液(トルエン,キシレン,石油
エーテル,イソプロピルアルコール,揮発性シリコーン
オイルなどで希釈)に二酸化ケイ素化合物を浸漬処理し
た後、溶媒を除去し、加熱焼付処理する。 二酸化ケイ素化合物をミキサーやブレンダーを用いて
攪拌しながらシリコーンオイルやその溶液をスプレー
し、加熱焼付処理する。
【0013】このような二酸化ケイ素化合物の表面処理
に用いることのできるシリコーンオイルや変性シリコー
ンオイルは、特に限定されないが、シリコーンオイルと
しては例えば、ジメチルポリシロキサン,メチルフェニ
ルポリシロキサン,メチルハイドロジエンポリシロキサ
ン,フロロポリシロキサンなどが挙げられ、変性シリコ
ーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサンの側鎖に
有機官能基を有するもの、分子鎖の末端に有機官能基を
有するもの、また側鎖と末端の両方に有機官能基を有す
るものがあるが、例えば、カルビノール変性ポリシロキ
サン,ポリエーテル変性ポリシロキサン,アミノ変性ポ
リシロキサン,エポキシ変性ポリシロキサン,カルボキ
シル変性ポリシロキサン,メタクリル変性ポリシロキサ
ン,メルカプト変性ポリシロキサン,フェノール変性ポ
リシロキサン,アルキル基変性ポリシロキサン,メチル
スチリル基変性ポリシロキサン,フッ素変性ポリシロキ
サンなどが挙げられる。
【0014】一方、二酸化ケイ素化合物の表面処理に用
いることのできるシランカップリング剤は、特に限定さ
れないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン,ビニル
トリエトキシシラン,ビニルトリス(β−メトキシエト
キシ)シラン,ビニルトリアセトキシシラン,メチルト
リメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,イソブ
チルトリメトキシシラン,デシルトリメトキシシラン,
ジメチルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン
などが挙げられる。本発明においては、この(B)成分
の二酸化ケイ素化合物は一種用いても二種以上を組み合
わせて用いてもよく、また、前記(A)成分のポリプロ
ピレン系樹脂100重量部に対し、0.05〜0.50重量
部の割合で配合する。この配合量が0.05重量部未満で
は、フィルムのスリップ性やアンチブロッキング性が不
充分であり、0.50重量部を超えると、配合量の割には
効果の向上みられず、むしろ経済的に不利となる上、フ
ィルムの透明性などが低下する。フィルムのスリップ性
や、アンチブロッキング性,透明性,経済性などの面か
ら、好ましい配合量は0.05〜0.30重量部の範囲であ
る。
【0015】本発明の樹脂組成物においては、(C)成
分として、フェノール系酸化防止剤が用いられる。この
フェノール系酸化防止剤としては、様々なものがあり、
例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル;トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート〔チバガイギー社製,イル
ガノックス3114〕;2,2’−メチレンビス(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール);n−オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〔チバガイギー社製,イルガノ
ックス1076〕;4,4’−チオビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール);テトラキス〔メチレン−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン〔チバガイギー社製,イル
ガノックス1010〕;4,4’−ブチリデンビス(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メ
チレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル);N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)〔チバガ
イギー社製,イルガノックス1098〕;トリエチレン
グリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕;ビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホ
スホン酸エチル)カルシウムとPEワックスとの混合物
(重量比1:1);ペンタエリスリチル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕などが挙げられる。これらの中
では、特に、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕が効果の点から好適である。また、こ
れらのフェノール系酸化防止剤は、それぞれ単独で用い
てもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発
明の樹脂組成物においては、この(C)成分のフェノー
ル系酸化防止剤は、前記(A)成分のポリプロピレン系
樹脂100重量部に対し、0.05〜0.30重量部の割合
で配合することが必要である。この配合量が0.05重量
部未満では、成形加工時の焼けやフィルム厚さムラなど
の成形不良が発生するおそれがあり、また0.30重量部
を超えると、フィルムのブリード白化の原因になる。成
形加工時の焼け防止,成形不良の発生防止,フィルムの
ブリード白化防止などの面から、好ましい配合量は0.0
5〜0.20重量部の範囲である。
【0016】本発明の樹脂組成物においては、(D)成
分として、リン系酸化防止剤が用いられる。このリン系
酸化防止剤としては、様々なものがあり、例えば、トリ
メチルホスファイト;トリ−n−ブチルホスファイト;
トリデシルホスファイト;トリス(2−エチルヘキシ
ル)ホスファイト;トリノニルホスファイト;トリセチ
ルホスファイト;ジラウリル水素ホスファイト;トリシ
クロヘキシルホスファイト;トリフェニルホスファイ
ト;トリベンジルホスファイト;トリクレジルホスファ
イト;トリ−p−ノニルフェニルホスファイト;ジフェ
ニルデシルホスファイト;トリス(ジノニルフェニル)
ホスファイト;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト;トリス(4−α−メチルベンジルフ
ェニル)ホスファイト;トリス(オクチルチオエチル)
ホスファイト;トリス(オクチルチオプロピル)ホスフ
ァイト;トリス(クレジルチオプロピル)ホスファイ
ト;トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ホスファイト;テトラフェニルジプロピレン
グリコールジホスファイト;4,4’−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシ
ル)ホスファイト;1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン;ビス(2−クロロプロピル)ペンタエリス
リトールジホスファイト;ビスフェニルペンタエリスリ
トールジホスファイト;ビスステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト;トリラウリルトリチオホスファ
イト;テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
−4,4’−ビフェニレンジホスファイトなどが挙げら
れる。これらの中では、特に、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイトが、効果の点から好適
である。また、これらのリン系酸化防止剤は、それぞれ
単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0017】本発明の樹脂組成物においては、この
(D)成分のリン系酸化防止剤は,前記(A)成分のポ
リプロピレン系樹脂100重量部に対し、0.03〜0.2
0重量部の割合で配合すべきである。この配合量が0.0
3重量部未満では、成形加工時の焼けやフィルム厚さム
ラなどの成形不良が発生するおそれがあり、0.20重量
部を超えると、フィルムのブリード白化の原因となる。
成形加工時の焼け防止,成形不良の発生防止,フィルム
のブリード白化防止などの面から、好ましい配合量は0.
03〜0.15重量部の範囲である。本発明のポリプロピ
レン系樹脂組成物には、前記成分以外に、本発明の目的
が損なわれない範囲で、必要に応じ、種々の添加成分、
例えば、耐候剤,着色剤,充填剤,他のアンチブロッキ
ング剤,滑剤,塩素捕捉剤,造核剤,帯電防止剤,防曇
剤などを配合することができる。
【0018】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の調
製方法については、特に制限はなく、従来公知の方法を
用いることができる。例えば、前記(A)成分,(B)
成分,(C)成分,(D)成分及び必要に応じて用いら
れる各種添加成分を、タンブラーブレンダー,ヘンシェ
ルミキサーなどで混合する方法、混合後さらに単軸押出
機や多軸押出機を用いて溶融混練、造粒する方法、ある
いはニーダー,バンバリーミキサーなどで溶融混練、造
粒する方法などを採用することができる。このようにし
て得られた本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、特
にフィルム用として好適に用いられる。本発明のフィル
ムは、上記ポリプロピレン系樹脂組成物を、キャスト成
形法(Tダイ法)により、成形加工することにより得ら
れる。このキャスト成形法については、特に制限はな
く、従来公知の方法を採用することができる。本発明に
おいては、前記ポリプロピレン系樹脂組成物を用いるこ
とにより、このキャスト成形を50m/分以上という速
い引取速度で行っても、焼けやフィルム厚さムラなどの
不良現象の発生を防止することができ、かつ衝撃強度及
び表面特性に優れたフィルムを得ることができる。
【0019】
【実施例】更に、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明は、これらの例によって何ら制限されるもの
ではない。なお、フィルムの品質は、次に示す方法に従
って評価した。 (1)フィルムインパクト 東洋精機製作所製フィルムインパクトテスターを用い
て、容量15kgf・cm,衝撃頭1/2インチの条件
で、フィルムインパクトを測定した。フィルムインパク
トが良好である目安は1,000kgf・cm/cm以上
である。 (2)静摩擦係数 ASTM D−1894に準拠し東洋精機製作所製静摩
擦角測定器を用いて、傾斜板を傾けた際、フィルムが滑
り始める角度θを測定し、tanθの値を静摩擦係数と
した。良好である目安は0.2以下である。 (3)剛性(引張弾性率) JIS K−7127に準拠して引張試験機により測定
した。測定条件はクロスヘッド速度:500mm/分,
測定方向:マシン方向(MD方向),ロードセル:10
kgである。 (4)アンチブロッキング性(ブロッキング強度) 重ね合わせた2枚のフィルムについて、60℃で3時
間、36g/cm2 の荷重をかけて密着させた試料を、
剪断剥離する際の最大荷重により評価した。試験条件は
テストスピード:20mm/分,ロードセル:2kgで
ある。 (5)Δ〔η〕 ペレットとフィルムの極限粘度〔η〕を、135℃のテ
トラリンを溶媒にして測定し、ペレットの〔η〕からフ
ィルムの〔η〕を差引いてΔ〔η〕を求めた。Δ〔η〕
が小さいほど、キャスト成形加工時の分子量低下が小さ
く、焼けやフィルム厚さムラなどの不良現象が発生しに
くいことを意味する。Δ〔η〕の目安は0.30デシリッ
トル/g以下である。 (6)ブリード白化 フィルムを40℃雰囲気のオーブン中に30日間保存
後、フィルム外観を目視にて、次の基準に従って評価し
た。 ○:ブリード白化なし ×:ブリード白化あり また、ポリプロピレン系樹脂の物性〔MI,ペンダッド
分率fmmmm(面積法,ピーク法),PDI−P〕及び二
酸化ケイ素化合物の物性(DBA値,比表面積)は明細
書本文に記載している方法に従って測定した。
【0020】実施例1〜4及び比較例1〜8 ポリプロピレンとして、第1表に示す物性を有するA1
〜A4 を用いた。また、ブロッキング防止剤の二酸化ケ
イ素化合物として、 B1 :多孔質合成シリカの疎水化品(DBA値 105
meq/kg,比表面積500m2 /g) B2 :多孔質合成シリカ(DBA値 800meq/k
g,比表面積500m2 /g) を用いた。そして、フェノール系酸化防止剤として、 C1 :ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕 C2 :2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール を用いた。
【0021】さらに、リン系酸化防止剤として、D1
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
トを用いた。第2表に示す種類のポリプロピレン100
重量部に対し、塩素捕捉剤として、ステアリン酸カルシ
ウム0.05重量部、滑剤として、エルカ酸アミド0.10
重量部を添加するとともに、第2表に示す種類と量の酸
化防止剤及びブロッキング防止剤として合成シリカを添
加し、溶融混練してペレット化した。次に得られたペレ
ットを三菱重工業(株)製75mmφキャスト成形機を
用いて、加工温度250℃,引取速度150m/分,フ
ィルム厚み25μmの条件で製膜した。得られたフィル
ムを40℃の条件下で1日間エージングしたのち、その
品質を評価した。結果を第3表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物
は、キャスト成形法(Tダイ法)によってフィルムを成
形する際、引取速度が50m/分以上と速くても、焼け
やフィルム厚さムラなどの不良現象が防止でき、かつ衝
撃強度及び表面特性に優れるフィルムを与えることがで
きる。また、本発明のフィルムは、上記したように生産
性がよく、かつ優れた品質を有しており、例えば、食品
や衣料などの包装分野において好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−32723(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/10 - 23/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(イ)メルトインデックス(M
    I)が1〜20g/10分、(ロ)同位体炭素による核
    磁気共鳴分光(13C−NMR)により求められるペンタ
    ッド分率fmmmmが85.0〜95.0モル%及び(ハ)溶融
    粘弾性測定における貯蔵弾性率(G')が2×103 dy
    ne/cm2 となるような角周波数をω 1 、2×105
    dyne/cm2 となるような角周波数をω2 としたと
    き、ω2/10ω1 で表される分子量分布指数(PDI
    −P)が30以下であるポリプロピレン系樹脂と、その
    100重量部に対し、(B)DBA(ジ−n−ブチルア
    ミン)値が400ミリ当量(meq)/kg以下の二酸
    化ケイ素化合物0.05〜0.50重量部、(C)フェノー
    ル系酸化防止剤0.05〜0.30重量部、及び(D)リン
    系酸化防止剤0.03〜0.20重量部を含有してなるポリ
    プロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分の二酸化ケイ素化合物が、B
    ET法により測定された比表面積が150m2 /g以上
    のものである請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (C)成分のフェノール系酸化防止剤
    が、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
    ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
    ート〕である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 (D)成分のリン系酸化防止剤が、トリ
    ス(2,4−ジ−tブチルフェニル)ホスファイトであ
    る請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 フィルム用として用いられる請求項1〜
    4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のポリプロピレン系樹脂組
    成物からなるフィルム。
  7. 【請求項7】 キャスト成形法(Tダイ法)により、引
    取速度が50m/分以上で成形された請求項6記載のフ
    ィルム。
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