JPH09221521A - プロピレン系共重合体フィルム - Google Patents
プロピレン系共重合体フィルムInfo
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- JPH09221521A JPH09221521A JP3038896A JP3038896A JPH09221521A JP H09221521 A JPH09221521 A JP H09221521A JP 3038896 A JP3038896 A JP 3038896A JP 3038896 A JP3038896 A JP 3038896A JP H09221521 A JPH09221521 A JP H09221521A
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Abstract
い特性を保持するとともに、極めて高い低温耐衝撃性を
有するプロピレン系共重合体フィルムを提供すること。 【解決手段】 (a)MIが2〜12g/10分、
(b)DSCで測定した融解熱量ΔHが90J/g以
下、(c)沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷
した際のパラキシレン不溶部の割合が75〜95重量%
で、その不溶部のエチレン単位含有量が0.5〜5重量
%、及び(d)沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで
放冷した際のパラキシレン可溶部の極限粘度(135℃
デカリン中)が1.2〜3.0デシリットル/gであるプロ
ピレンとエチレンとの共重合体を成形してなるフィルム
である。
Description
合体フィルムに関し、さらに詳しくは、ポリプロピレン
フィルムが本来有する好ましい特性を保持するととも
に、極めて高い低温耐衝撃性を有し、特に積層フィルム
のコア層やレトルト用フィルムなどとして好適なプロピ
レンとエチレンとの共重合体からなるフィルムに関す
る。
は、その優れた剛性,透明性及び防湿性などを生かし
て、包装用フィルムなどとして広く使用されている。し
かしながら、ポリプロピレン、特にホモポリプロピレン
からなるフィルムは、低温時の耐衝撃性が低く、冷蔵を
必要とする野菜類や果物類の包装や冬季の使用には適さ
ないという欠点があった。そこで、このような欠点を改
良する手段としては、これまで、エチレンや他のα−オ
レフィンを共重合させることが広く行われてきた。しか
しながら、充分な低温耐衝撃性を得るためには、多量の
エチレンやα−オレフィンを共重合させる必要があり、
その結果、従来技術においては、剛性や透明性が低下す
るなど、ポリプロピレンフィルムが本来有する好ましい
特性が損なわれるのを免れなかった。また、ホモポリプ
ロピレンにエチレン−プロピレン共重合ゴムを配合した
り、プロピレン系ブロック共重合体を使用することも行
われている。しかしながら、これらの方法においては、
低温耐衝撃性を改良することは可能であるものの、透明
性の低下や、ブツ,ゲルの発生などの問題が生じ、商品
として充分に満足しうるものが得られなかった。
状況下で、ポリプロピレンフィルムが本来有する良好な
剛性や透明性などの特性を保持するとともに、ブツやゲ
ルなどの発生もなく、低温耐衝撃性を著しく向上させた
プロピレン系共重合体フィルムを提供することを目的と
するものである。
ましい性質を有するプロピレン系共重合体フィルムを開
発すべく鋭意研究を重ねた結果、メルトインデックス及
び示差走査型熱量計で測定した融解熱量ΔHが特定の範
囲にあり、かつパラキシレンに対して特定の溶解挙動を
示すプロピレンとエチレンとの共重合体を成形してなる
フィルムが、その目的に適合しうることを見出した。本
発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。す
なわち、本発明は、(a)メルトインデックスが2〜1
2g/10分、(b)示差走査型熱量計で測定した融解
熱量ΔHが90J/g以下、(c)沸騰パラキシレンに
溶解後、25℃まで放冷した際のパラキシレン不溶部の
割合が75〜95重量%で、その不溶部のエチレン単位
含有量が0.5〜5重量%及び(d)沸騰パラキシレンに
溶解後、25℃まで放冷した際のパラキシレン可溶部の
135℃デカリン中における極限粘度〔η〕が1.2〜3.
0デシリットル/gであるプロピレンとエチレンとの共
重合体を成形してなるプロピレン系共重合体フィルムを
提供するものである。
材樹脂として、以下に示す(a)〜(d)の性状を有す
るプロピレンとエチレンとの共重合体が用いられる。ま
ず、この共重合体は(a)メルトインデックス(MI)
が2〜12g/10分の範囲にあることを要する。この
MIが上記範囲を逸脱すると成形不良が生じやすく、成
形性の面から、このMIの好ましい範囲は3〜10g/
10分である。なお、このMIは、JIS K7210
に準拠し、温度230℃,荷重2160gの条件で測定
した値である。次に、(b)示差走査型熱量計(DS
C)で測定した融解熱量ΔHが90J/g以下であるこ
とを要する。このΔHが90J/gを超えると低温耐衝
撃性が不充分となるおそれがある。低温耐衝撃性の面か
ら、好ましいΔHは85J/g以下である。なお、この
ΔHは、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DS
C7)を用い、予め試料10mgを窒素雰囲気下にて2
30℃で3分間加熱して溶融したのち、10℃/分の速
度で40℃まで降温し、この温度で3分間保持後、10
℃/分の速度で昇温させて得られた融解吸熱曲線から、
70〜170℃の融解熱量を算出した値である。
後、25℃まで放冷した際のパラキシレン不溶部の割合
が75〜95重量%の範囲にあり、かつその不溶部のエ
チレン単位含有量が0.5〜5重量%の範囲にあることを
要する。上記パラキシレン不溶部はエチレン単位含有量
の少ないプロピレン−エチレンランダム共重合体であ
り、その割合が75重量%未満では透明性が不充分とな
るおそれがあり、95重量%を超えると、低温耐衝撃性
が低下する傾向にある。透明性及び低温耐衝撃性のバラ
ンスなどの面から、この不溶部の好ましい割合は80〜
90重量%の範囲である。また、上記不溶部のエチレン
単位含有量が0.5重量%未満では、フィルムの屈曲白化
が起こりやすく、かつ透明性が低下するおそれがあり、
5重量%を超えるとフィルムの剛性が低下する傾向にあ
る。フィルムの屈曲白化防止,透明性及剛性などの面か
ら、この不溶部のエチレン単位含有量は1〜3重量%の
範囲が好ましい。なお、上記パラキシレン不溶部の割合
は、パラキシレン700ミリリットルに試料5g及び酸
化防止剤としての2,6−ジ−tert−ブチル−4−
メチルフェノール(BHT)1gを添加し、加熱しなが
ら攪拌して沸騰温度まで昇温し、完全に溶解させたの
ち、攪拌しながら25℃になるまで8時間以上放冷し、
析出した成分をろ紙によりろ取し、不溶部として求めた
値である。
単位含有量は、プレス温度220℃,加・冷圧時の圧締
圧50kg/cm2 G,余熱5分,加圧5分及び冷圧3
分の条件にて300μm厚のシートを作成し、日本分光
社製FT/IR5300を用い、積算回数20回,分解
能4cm-1の条件にて赤外吸収スペクトル(IR)を測
定し、718cm-1及び733cm-1の吸光度から、次
式により算出した値である。 X1 =0.599×〔A733 /(d×n)〕−0.161×
〔A718 /(d×n)〕 X2 =0.599×〔A718 /(d×n)〕−0.161×
〔A733 /(d×n)〕 X=0.809×(X1 +X2 ) 〔ただし、X:エチレン単位含有量(重量%),
A718 :718cm-1の吸光度,A733 :733cm-1
の吸光度,d:0.9,n:試料の厚さ(約0.003c
m)〕
25℃まで放冷した際のパラキシレン可溶部の135℃
デカリン中における極限粘度〔η〕は1.2〜3.0デシリ
ットル/gの範囲である。この可溶部はエチレン単位含
有量が多いエチレン−プロピレン共重合体であり、該
〔η〕が1.2デシリットル/g未満では低温耐衝撃性が
不充分となるおそれがあり、3.0デシリットル/gを超
えるとフィッシュアイやゲルの発生が多くなる傾向にあ
る。低温耐衝撃性及びフィッシュアイやゲルの発生防止
などの面から、この〔η〕の好ましい範囲は1.5〜2.3
デシリットル/gである。なお、上記可溶部の極限粘度
〔η〕は、以下に示す方法で測定した値である。すなわ
ち、パラキシレン700ミリリットルに試料5g及び酸
化防止剤としての2,6−ジ−tert−ブチル−4−
メチルフェノール(BHT)1gを添加し、加熱しなが
ら攪拌して沸騰温度まで昇温し、完全に溶解させたの
ち、攪拌しながら25℃になるまで8時間以上放冷し、
析出した成分をろ紙によりろ別する。得られたろ液を大
過剰のメタノールに投入して析出させ、ろ紙によりろ別
して、これをパラキシレン可溶部とする。次によく乾燥
したのち、135℃デカリン中において、極限粘度
〔η〕を測定する。
て用いられるプロピレンとエチレンとの共重合体は、上
記性状を有するものであればよくその由来や製法につい
ては特に制限はなく、一段重合で得られたものであって
も、多段重合で得られたものであってもよく、また、二
種以上の共重合体のブレンド物であってもよいが、特に
以下に示すプロピレン系共重合体組成物が好適である。
すなわち、(A)MIが2〜12g/10分で、かつエ
チレン単位含有量が0.5〜5重量%のプロピレン−エチ
レンランダム共重合体75〜95重量%と、(B)13
5℃デカリン中における極限粘度〔η〕が1.2〜3.0デ
シリットル/gで、かつエチレン単位含有量が30〜5
0重量%のエチレン−プロピレン共重合体25〜5重量
%とからなる前記性状を有するプロピレン系共重合体組
成物が、本発明のフィルムの基材樹脂として好適に用い
られる。このプロピレン系共重合体組成物は、二段重合
法又は(A)成分と(B)成分を別々に製造し、ブレン
ドする方法により調製することができる。このプロピレ
ン系共重合体組成物における(A)成分のプロピレン−
エチレンランダム共重合体においては、MIは2〜12
g/10分の範囲である。このMIが上記範囲を逸脱す
ると成形不良が生じやすく、成形性の面から、このMI
の好ましい範囲は3〜10g/10分の範囲である。ま
た、エチレン単位含有量は0.5〜5重量%の範囲であ
る。このエチレン単位含有量が0.5重量%未満ではフィ
ルムの屈曲白化が起こりやすく、かつ透明性が低下する
おそれがあり、5重量%を超えるとフィルムの剛性が低
下する傾向にある。フィルムの屈曲白化防止,透明性及
び剛性などの面から、このエチレン単位含有量は1〜3
重量%の範囲が好ましい。
共重合体においては、135℃デカリン中における極限
粘度〔η〕は1.2〜3.0デシリットル/gの範囲であ
る。この〔η〕が1.2デシットル/g未満では低温耐衝
撃性が不充分となるおそれがあり、3.0デシリットル/
gを超えるとフィッシュアイやゲルの発生が多くなる傾
向にある。低温耐衝撃性及びフィッシュアイやゲルの発
生防止などの面から、この〔η〕の好ましい範囲は1.5
〜2.3デシリットル/gである。また、エチレン単位含
有量は30〜50重量%の範囲である。このエチレン単
位含有量が30重量%未満では低温耐衝撃性が不充分と
なるおそれがあり、50重量%を超えると透明性が低下
する傾向がみられる。低温耐衝撃性及び透明性のバラン
スなどの面から、このエチレン単位含有量は35〜45
重量%の範囲が好ましい。さらに、このプロピレン系共
重合体組成物においては、上記(A)成分と(B)成分
との含有割合は、(A)成分が75〜95重量%で、
(B)成分が25〜5重量%の範囲である。この(B)
成分の含有量が5重量%未満では低温耐衝撃性が不充分
となるおそれがあり、25重量%を超えると透明性が低
下する傾向にある。低温耐衝撃性及び透明性のバランス
などの面から、(A)成分と(B)成分の好ましい含有
割合は、(A)成分が80〜90重量%で、(B)成分
が20〜10重量%の範囲である。なお、上記(A)成
分のMI及び(B)成分の〔η〕は、前記と同様にして
測定した値である。また、(A)成分のエチレン単位含
有量の測定方法も前記と同じである。一方、(B)成分
のエチレン単位含有量は、プレス温度200℃、加・冷
圧時の圧締圧50kg/cm2 ・G,余熱5分,加圧5
分,冷圧3分の条件にて約300μm厚のシートを作成
し、日本分光社製FT/IR5300を用い、積算回数
20回,分解能4cm-1の条件にて赤外吸収スペクトル
(IR)を測定し、721cm-1及び736cm-1の吸
光度から、次式により算出した値である。
−0.161×〔A721 /(d×n)〕 X2 =0.599×〔A721 /(d×n)〕−0.161×
〔A736 /(d×n)〕 X=1.027×(X1 +X2 ) 〔ただし、X:エチレン単位含有量(重量%),
A721 :721cm-1の吸光度,A736 :736cm-1
の吸光度,d:0.9,nは試料の厚さ(約0.003c
m)〕 本発明のフィルムにおける基材樹脂として用いられる前
記のプロピレンとエチレンとの共重合体、又は、プロピ
レン系共重合体組成物を構成する(A)成分及び(B)
成分共重合体の製造方法は、前記性状を有するものが得
られる方法であればよく、特に制限されないが、例えば
マグネシウム,チタン及びハロゲンを必須成分とする固
体触媒成分、有機アルミニウム化合物などの有機金属化
合物触媒成分及びシラン化合物などの電子供与体化合物
触媒成分からなる触媒を用い、実質上溶媒の不在下にプ
ロピレンとエチレンと分子量調節のための水素とを供給
して重合を行うことにより、製造することができる。こ
の際の重合温度は20〜150℃の範囲が好ましく、ま
た重合圧力は大気圧ないし40kg/cm2 Gの範囲が
好ましい。本発明のフィルムは、上記基材樹脂のプロピ
レンとエチレンとの共重合体又はプロピレン系共重合体
組成物に、必要に応じ、各種添加成分、例えば酸化防止
剤,耐熱安定剤,耐候安定剤,中和剤,塩素捕捉剤,ス
リップ剤,アンチブロッキング剤,造核剤,帯電防止
剤,無機又は有機充填剤,着色剤などを配合し、成形材
料を調製したのち、公知の方法により製膜することによ
り、得ることができる。
化防止剤やリン系酸化防止剤が好ましく用いられる。フ
ェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール;トリス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌ
レート〔チバガイギー社製,イルガノックス311
4〕;2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−
ブチルフェノール);n−オクタデシル−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〔チバガイギー社製,イルガノックス107
6〕;4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール);テトラキス〔メチレン−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン〔チバガイギー社製,イルガノックス1
010〕;4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);N,N’
−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナミド)〔チバガイギー社製,イ
ルガノックス1098〕;トリエチレングリコール−ビ
ス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕;ビス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)
カルシウムとPEワックスとの混合物(重量比1:
1);ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕などが挙げられる。
ば、トリメチルホスファイト;トリ−n−ブチルホスフ
ァイト;トリデシルホスファイト;トリス(2−エチル
ヘキシル)ホスファイト;トリノニルホスファイト;ト
リセチルホスファイト;ジラウリル水素ホスファイト;
トリシクロヘキシルホスファイト;トリフェニルホスフ
ァイト;トリベンジルホスファイト;トリクレジルホス
ファイト;トリ−p−ノニルフェニルホスファイト;ジ
フェニルデシルホスファイト;トリス(ジノニルフェニ
ル)ホスファイト;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト;トリス(4−α−メチルベンジ
ルフェニル)ホスファイト;トリス(オクチルチオエチ
ル)ホスファイト;トリス(オクチルチオプロピル)ホ
スファイト;トリス(クレジルチオプロピル)ホスファ
イト;トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)ホスファイト;テトラフェニルジプロピレ
ングリコールジホスファイト;4,4’−ブチリデンビ
ス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシ
ル)ホスファイト;1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン;ビス(2−クロロプロピル)ペンタエリス
リトールジホスファイト;ビスフェニルペンタエリスリ
トールジホスファイト;ビスステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト;トリラウリルトリチオホスファ
イト;テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
−4,4’−ビフェニレンジホスファイトなどが挙げら
れる。
は特に制限はなく、従来公知の方法、例えばプロピレン
とエチレンとの共重合体又はプロピレン系共重合体組成
物に、必要に応じて用いられる各種添加成分を、タンブ
ラーブレンダー,ヘンシェルミキサーなどで混合する方
法、混合後さらに単軸押出機や多軸押出機を用いて溶融
混練、造粒する方法、あるいはニーダー,バンバリーミ
キサーなどで溶融混練、造粒する方法などを採用するこ
とができる。製膜法としては、溶融押出成形法によりフ
ィルムを製造する方法であればよく、特に制限されず、
Tダイキャスト製膜法やインフレーション製膜法など、
任意の方法を用いることができるが、大型製膜機により
高速製膜が可能なTダイキャスト製膜法が好適である。
このようにして得られた本発明のフィルムの厚さは、特
に制限はなく、用途に応じて適宜選ばれるが、通常は1
0〜500μmの範囲である。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、フィルムの品質は、耐衝撃性
を除き、試料を温度23±2℃、湿度50±10%にて
16時間以上状態調節したのち、同じ温度,湿度条件下
にて測定を行った。 〈フィルムの品質〉 (1)耐衝撃性(フィルムインパクト) 試料を所定の温度±2℃、湿度50±10%にて16時
間以上状態調節したのち、同じ温度,湿度条件下にて、
東洋精機製作所製フィルムインパクトテスターにおい
て、1/2インチ衝撃ヘッドを用いた衝撃破壊強度によ
り評価した。 (2)透明性(内部ヘイズ値) JIS K7105に準拠し、ガラス板の片面にシリコ
ーンオイルを塗布し、塗布面で試料を挟み測定した。測
定値は試料を挟まないブランクの値で補正をしてある。
2秒,シール圧力:5.3kg/cm2 (abs.),シー
ル面積:15×10mm,シール温度:ヒートシール温
度を内挿するように数点、の条件にてシールしたのち、
室温で一昼夜放置し、その後室温にて、剥離速度200
mm/分にてT型剥離法で剥離強度を測定した。ヒート
シール温度は剥離強度が300g/15mmになる温度
を、シール強度−剥離強度曲線から計算して求めた。な
お、ヒートシールバーの温度は表面温度により較正され
ている。 (4)引張弾性率 JIS K7127に準拠し、引張試験機により、クロ
スヘッド速度:500mm/分,測定方向:マシン方向
(MD方向),ロードセル:10kgの条件にて測定し
た。 (5)アンチブロッキング性 重ね合わせた2枚のフィルムについて、60℃で3時
間,36g/cm2 の荷重をかけて密着させたのち、テ
ストスピード:20mm/分,ロードセル:2kgの条
件にて引剥試験を行い、引剥強度を評価した。 (6)外観 目視で観察し、直径0.2mm以上のブツ,ゲルが100
0cm2 に2個以下の場合を良好とし、2個より多い場
合を不良とした。 (7)屈曲白化 フィルムを折り曲げ、目視により確認した。また、ポリ
マーの特性は、明細書本文に記載した方法に従って求め
た。
充分に置換し、エタノール97.2kg,ヨウ素640g
及び金属マグネシウム6.4kgを投入したのち、攪拌し
ながら、還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくな
るまで反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状
反応生成物を含む反応液を減圧乾燥させることにより目
的のマグネシウム化合物(固体生成物)を得た。 (2)固体触媒成分の調製 窒素ガスで充分に置換した内容積500リットルの攪拌
機付き反応槽に、上記(1)で得られたマグネシウム化
合物(粉砕していないもの)30kg,精製ヘプタン1
50リットル,四塩化ケイ素4.5リットル及びフタル酸
ジエチル4.3リットルを仕込んだ。系内を90℃に保
ち、攪拌しながら四塩化チタン144リットルを加えて
110℃で2時間反応させたのち、固体成分を分離して
80℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チタ
ン228リットルを加え、110℃で2時間反応させた
のち、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分を得
た。 (3)重合前処理 内容積500リットルの攪拌機付き反応槽に精製ヘプタ
ン230リットルを投入し、さらに、前記(2)で得ら
れた固体触媒成分25kgを加え、次いで、この固体触
媒成分中のTi原子1モルに対し、トリエチルアルミニ
ウムを0.6モル及びシクロヘキシルメチルジメトキシシ
ランを0.4モルの割合で加えたのち、プロピレンをプロ
ピレン分圧で0.3kg/cm2 Gになるまで導入し、2
5℃で4時間反応させた。反応終了後、固体触媒成分を
精製ヘプタンで数回洗浄し、二酸化炭素を供給し24時
間攪拌した。
置(R−1)に、上記(3)の処理済の固体触媒成分を
Ti原子換算で3ミリモル/hrで、トリエチルアルミ
ニウムを413ミリモル/hr(7.5ミリモル/kg−
PP)で、シクロヘキシルメチルジメトキシシランを1
05ミリモル/hr(1.9ミリモル/kg−PP)でそ
れぞれ供給し、重合温度80℃、全圧28kg/cm2
Gでプロピレンとエチレンを共重合させた。この際、プ
ロピレン,エチレン及び水素の供給量を、第1表に示す
ガス組成になるように調整した。次いで、R−1から連
続的にパウダーを抜き出し、内容積200リットルの攪
拌機付き重合装置(R−2)へ移送した。R−2では重
合温度55℃、全圧11kg/cm2 Gでプロピレンと
エチレンを共重合させた。この際、プロピレン,エチレ
ン及び水素の供給量を、第1表に示すガス組成になるよ
うに調整した。このようにして得られたポリマーの特性
を第2表に示す。 (5)フィルムの作成 上記(4)で得られたポリマーパウダーに、酸化防止剤
としてのイルガノックス1010(チバガイギー社製,
商品名)1000重量ppmとイルガフォス168(チ
バガイギー社製,商品名)1000重量ppm、及び中
和剤としてのステアリン酸カルシウム1000重量pp
mを配合し、混練機にて押出造粒してペレットを得た。
次いで、40mmφTダイキャスト成形機を用い、加工
温度:230℃,チルロール温度:23℃,引取速度:
15m/分,スクリュー回転数:80rpmの条件に
て、上記で得られたペレットを厚さ30μmのフィルム
に成形した。なお、フィルムにはコロナ処理を施さなか
った。このようにして得られたフィルムの品質を第2表
に示す。
ン,エチレン及び水素の供給量を、それぞれ第1表に示
すガス組成になるように調整した以外は、実施例1と同
様にして実施した。ポリマーの特性及びフィルムの品質
を第2表に示す。 比較例2 実施例1において、R−1にエチレンを供給せず、かつ
R−1におけるプロピレンと水素の供給量及びR−2に
おけるプロピレン,エチレン及び水素の供給量を、それ
ぞれ第1表に示すガス組成になるように調整した以外
は、実施例1と同様にして実施した。ポリマーの特性及
びフィルムの品質を第2表に示す。
は、ポリプロピレンフィルムが本来有する良好な剛性や
透明性などの特性を保持するとともに、ブツやゲルなど
の発生もなく、低温耐衝撃性を著しく向上させたもので
ある。したがって、例えば積層フィルム、特に低温用途
に用いられる積層フィルムのコア層として、あるいはレ
トルト用フィルムなどとして好適に用いられる。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)メルトインデックスが2〜12g
/10分、(b)示差走査型熱量計で測定した融解熱量
ΔHが90J/g以下、(c)沸騰パラキシレンに溶解
後、25℃まで放冷した際のパラキシレン不溶部の割合
が75〜95重量%で、その不溶部のエチレン単位含有
量が0.5〜5重量%、及び(d)沸騰パラキシレンに溶
解後、25℃まで冷却した際のパラキシレン可溶部の1
35℃デカリン中における極限粘度〔η〕が1.2〜3.0
デシリットル/gであるプロピレンとエチレンとの共重
合体を成形してなるプロピレン系共重合体フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3038896A JPH09221521A (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | プロピレン系共重合体フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3038896A JPH09221521A (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | プロピレン系共重合体フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09221521A true JPH09221521A (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=12302535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3038896A Pending JPH09221521A (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | プロピレン系共重合体フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09221521A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11255980A (ja) * | 1998-03-09 | 1999-09-21 | Sumitomo Chem Co Ltd | 包装用フィルム |
JP2002069211A (ja) * | 2000-08-28 | 2002-03-08 | Grand Polymer Co Ltd | ポリプロピレンフイルム |
JP2006152068A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-06-15 | Mitsui Chemicals Inc | ポリプロピレンシートおよびフィルム |
WO2023233685A1 (ja) * | 2022-05-31 | 2023-12-07 | 東レフィルム加工株式会社 | レトルト包装用ポリプロピレン系フィルム、および、積層体 |
WO2024009724A1 (ja) * | 2022-07-08 | 2024-01-11 | 東レフィルム加工株式会社 | レトルト包装用ポリプロピレン系フィルム、および、積層体 |
-
1996
- 1996-02-19 JP JP3038896A patent/JPH09221521A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11255980A (ja) * | 1998-03-09 | 1999-09-21 | Sumitomo Chem Co Ltd | 包装用フィルム |
JP2002069211A (ja) * | 2000-08-28 | 2002-03-08 | Grand Polymer Co Ltd | ポリプロピレンフイルム |
JP2006152068A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-06-15 | Mitsui Chemicals Inc | ポリプロピレンシートおよびフィルム |
WO2023233685A1 (ja) * | 2022-05-31 | 2023-12-07 | 東レフィルム加工株式会社 | レトルト包装用ポリプロピレン系フィルム、および、積層体 |
WO2024009724A1 (ja) * | 2022-07-08 | 2024-01-11 | 東レフィルム加工株式会社 | レトルト包装用ポリプロピレン系フィルム、および、積層体 |
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