JP3322880B2 - 掻傷耐性を有する重合体組成物 - Google Patents
掻傷耐性を有する重合体組成物Info
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Description
うな組成物を使用して得られる型成形体、ことに例えば
自動車などの車輛、航空機の美観を必要する内装部分用
組成物、家庭の備品、什器用組成物等の着色重合体組成
物に関する。
されている。このような物品の商業的な成功は、その審
美的アピールに依存する。このような物品は、さらにそ
れぞれに適する機能的な特性を持っていなければならな
い。
するためには、良好な耐掻傷性を有し、引掻き応力によ
り光学的に著しく白化しないことが望ましい。着色プラ
スチック製品の光学的白化は、その美観の点から好まし
くない。引掻き応力で形成された白色条痕は、製品着色
部分と極立った視覚的コントラストを示すからである。
当然のことながら、このプラスチック製品が暗色、例え
ば車輛などの内装に一般的に使用されているように、黒
色、灰色、褐色、青色に着色されている場合に、上記の
コントラストは著しい。
5Aとして公開)は、この耐掻傷性において改善されたポ
リプロピレン共重合体組成物およびこれから製造される
成形体物品に関するものであって、ポリオルガノシロキ
サン、ことにポリジメチルシロキサンを含有する。この
従来技術は、それ以前に慣用されていたポリプロピレン
系の重合体組成物にくらべて、改善された耐掻傷性を示
すが、ポリオレフィン組成物材料を上述したような分野
で使用する場合、さらに一般の改善が望まれていた。
度ポリエチレンを含有し、主としてタルクのような板状
結晶体を含有する充填剤を添加したポリマーブレンドを
対象とする。充填剤を添加したポリマーブレンドは、一
般的に秀れた耐掻傷性を有し、衝撃強さと剛性ないし靭
性の好ましい組合わせを維持し、しかも経済的に製造さ
れ得る。
%のポリプロピレン単独重合体および5から30重量%の
低密度ポリエチレン、5から30重量%のタルクと、0.1
から2重量%のエポキシ樹脂とを含有するポリマーブレ
ンドを提供する。
正書の請求の範囲に記載された組成物、その製造法およ
び成形体である。
し、このような秀れた耐性を示す表面を有する成形体製
品を製造するために使用され得る。従って本発明は、ま
た上述した本発明による重合体組成物を、耐掻傷性材料
として使用することをその対象とする。
独重合体は、従来から慣用されている、アイソタクチッ
ク構造のポリプロピレンである。これは230℃、2.16kg
負荷下で測定して、2から50、好ましくは4から40、こ
とに5から20dg.min-1のMFI(メルトフーインデック
ス)を有する。以下に詳述するように、本発明は、種々
に相違する充填剤の相対的含有量を示す種々の組成物な
いしブレンドをその対象として有し、上述のように広い
範囲で種々相違するMFI値が、このような広い範囲で種
々に相違する充填剤含有割合に対応するものであること
が見出された。
リエチレンは、約0.890から約0.935にわたる範囲の密度
を有する。この密度範囲は一般的に低密度ポリエチレン
(LDPE)および極低密度ポリエチレン(VLDPE)と称呼
され、記載されている重合体に対応する。LDPE重合体、
すなわち低密度ポリエチレンのうちでも、いわゆる線形
低密度ポリエチレンがことに好ましい。低密度ポリエチ
レンのMFIは、典型的には2から40、通常は4から35、
ことに15から25dg.min-1(190℃、2.16kg負荷で測定)
である。
ポリエチレンとが、約70から約95重量%のポリプロピレ
ン対約30から約5重量%のポリエチレンの割合で、さら
に一般的には、約80から90重量%のポリプロピレン対約
20から約10重量%のポリエチレン、ことに約85重量%の
ポリプロピレン対約15重量%のポリエチレンの割合で使
用される。
さより大きい寸法の長さと幅を有することを意味する。
本発明による重合体組成物中におけるこの板状充填剤の
存在は、組成物に剛性を付与する。この板状無機充填剤
としては、粘土、雲母、ことにタルクが使用される。こ
とに好ましいタルクは、Luzenac15MOOおよび20MOOS(ル
ゼナックタルク)およびフィンミネラルス社のフィンタ
ルクMO3である。粘土は板状粉体であって、本発明にお
いて使用され得るが、その単独の使用は余り好ましくな
い。本発明の組成物は、板状充填剤と、他の非板状充填
剤、例えばECCインターナショナル社のPolycarb SB、
純粋チョーク充填剤、ヴェトロテクス社のVetrotex 13
20、純粋ガラス繊維との混合物を充填剤として含有し得
る。これらの充填剤は、1から20μmの平均粒径(均斉
直径を有する球形として測定)を有するのが好ましい。
板状充填剤のような異方性充填剤の場合、個々の充填剤
粒子の最大寸法は、一般的に平均より著しく大きい。
から約30重量%が適当である。車輛などの内装に使用さ
れる場合には、充填剤使用量は、組成物全重量に対し
て、一般的に14から30重量%、好ましくは16から25、こ
とに18から22重量%である。このような充填剤使用量レ
ベルで、使用されるポリプロピレンは、一般的に10から
50dg.min-1、好ましくは10から40、ことに10から25dg.m
in-1のMFIを示すものが好ましい。
は、一般的には5から15重量%、好ましくは7から12重
量%、ことに約10重量%程度である。このような充填剤
レベルで、使用されるポリプロピレンは、一般的には2
から15dg.min-1、好ましくは15、ことに5から15dg.min
-1のMFIを示すものが好ましい。
填剤で占められる。非板状充填剤の添加量は、組成物全
体重量に対して約5重量%までである。このような他種
充填剤を添加することにより、若干の特性に悪い影響を
及ぼすことがあるが、車輛などの内装の場合には、組成
物全体重量に対して、19から25重量%のタルクと、1か
ら3重量%のチョークの組合わせから成る充填剤が極め
て好ましいことが見出されている。
すが、さらにポリオルガノシロキサンを含有する場合、
さらに良好な結果をもたらし得ることも実証されてい
る。ポリオルガノシロキサンを使用する場合、その種類
および使用量は、前述したPCT/GB92/01400号に記載され
たところとほぼ類似する。このポリオルガノシロキサン
についての詳細は、必要であれば、このPCT出願公開公
報を参照され度い。ポリオルガノシロキサンとしては、
ポリジアルキルシロキサン、ことにポリジメチルシロキ
サンを使用するのが好ましい。重合体組成分との良好な
相容性をもたらすためには、ポリオルガノシロキサンの
粘度は、25℃において一般的に13000から50000cSt、好
ましくは25000から35000、ことに約30000cStである。ま
たこのポリオルガノシロキサンの分子量は95kDまで、一
般的には65kDから90kD、好ましくは80kDから88kDの範
囲、例えば約85Kdである。上述した意味での相容性は、
一般的に低いMFIを示す重合体に対しては、比較的粘度
の高いポリオルガノシロキサンを使用し、高いMFIを示
す重合体に対しては、比較的高流動性のポリオルガノシ
ロキサンを使用する場合が好ましい。このポリオルガノ
シロキサンはそれ自体で一般に油状液体)重合体組成物
に添加され、あるいはマスターバッチとして例えばポリ
プロピレンに添加される。適当なポリオルガノシロキサ
ンとしては、Nourimix−SI−702(ポリプロピレン中に
マスターバッチとして30%のポリオルガノシロキサン添
加)(Akzo社)またはRhodorisil 47V/30000(Rhone−
Poulenc社)が使用される。
ガノシロキサンの量割合は、全組成物の重量に対して、
少なくとも0.5重量%であって、これより少ない場合に
は、耐掻傷性の改善が認められない。ポリオルガノシロ
キサンの添加量を、組成物全量に対して約2重量%まで
増量すると、これに対応して、組成物の耐掻傷性が改善
される。しかしながら、約2.5重量%以上の量を使用し
てもそれ以上の改善は認められず、5重量%以上を使用
することは、ポリオルガノシロキサンの一般的コストの
ために、また組成物の機械特性に好ましくない影響を与
えるためにかえって不利である。この場合、1.5から2
重量%、ことに約1.5重量%のポリオルガノシロキサン
を使用して最善の結果が得られることが実証されてい
る。車輛等の内装の場合について上述したように、比較
的高レベル量の板状充填剤を含有する組成物に対してポ
リオルガノシロキサンを添加、使用することがことに好
ましい。家庭内装用の重合体組成物の場合にもポリオル
ガノシロキサンは使用され得るが、一般的には光沢につ
いて悪い影響を及ぼし、また耐掻傷性の改善も実際的な
見地からしてほとんどないと云って良い。
リプロピレン/エチレン共重合体の添加により、本発明
組成物に有利な効果をもたらし得ることが見出されたこ
とである。この重合体は、実際上、エチレンプロピレン
ゴムとイソタクチックポリプロピレンのブレンドであ
る。このような材料を添加した目的ないし予期した結果
は、靭性の増大と共に、引掻き応力白化(掻傷を受けた
時の白色状痕)、すなわち耐掻傷性の低減であった。し
かるに靭性の増大は期待した通りに認められたが、止む
を得ずとして覚悟していた耐掻傷性の低減は予期したよ
りはるかに軽微であった。さらに充填剤添加量が比較的
少なく、プロピレンゴム/エチレン共重合体の添加量が
比較的大きい場合には、型成形製品の光沢が増大せしめ
られることを見出した。これは予想しなかったことであ
り、これは使用者、ことに家庭用什器、備品などの使用
者にとって製品をさらに魅力的ならしめるはずである。
車輛などの内装用に使用する場合のように充填剤使用量
のレベルを上げると、光沢はむしろ低減し、やがては無
光沢となる。この理由は説明し得ないが、この用途では
光沢性が低くてもそれほどの差支えはない。
として使用する場合、その使用量割合は、プロピレン単
独重合体、ポリエチレンおよび高ゴム性ポリプロピレン
/エチレン共重合体の混合物全重量に対して、一般的に
5から40重量%、好ましくは10から28、ことに11から16
重量%である。共重合体におけるゴム分は、共重合体重
量に対して一般的に12から50重量%、好ましくは20から
45、ことに約43重量%であり、このゴム分およびその添
加量は、全重合体重量に対して約2から約15重量%、こ
とに5から8重量%のエチレンプロピレンゴムをもたら
すように選択される。
するに際して、高ゴム性にプロピレン/エチレン共重合
体中のポリプロピレンがその算定に際して勘案されねば
ならない。換言すれば、合成樹脂組成に包含されるエチ
レン/プロピレン共重合体の観点から、高ゴム性ポリプ
ロピレン/エチレン共重合体の添加量が明確になされね
ばならない。
終的用途は例えば自動車内装品、家庭用什器、備品であ
り、これらはほとんど常に着色されるから、本発明によ
る重合体組成物も、通常、着色されることになる。着色
剤ないし顔料の組成物中における量割合は、使用される
顔料、要求される色彩、色調に応じて、組成物全重量に
対して、一般的には0.1から7重量%、ことに0.3から2.
5重量%であって、適当な原料は無機、有機の、例えば
カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、フタロシア
ニン銅などである。
剤、中性化剤、滑剤、対紫外線安定剤、離型剤などの添
加剤が添加され得る。これには、さらにIrganox1010
(チバガイギー社)のような抗酸化剤としての立体障害
フェノールも包含され、これは一般的に0.05から0.7重
量%、ことに0.1から0.2重量%添加される。また抗酸化
共力剤として、ジラウリルチオジプロピオナートおよび
ジステアリルチオジプロピオナートが0.05から1重量
%、中性化剤ないし抗酸剤として、アルミニウム、マグ
ネシウムのヒドロキシステアラートが0.05から0.8重量
%、滑剤として亜鉛、カルシウムのステアラート(これ
は抗酸剤としても作用する)、対紫外線安定剤として、
Tinuvin770DF(ヘキスト社)またはChimassorb944(チ
バガイギー社)のような立体障害アミンを約0.8重量%
添加される。
り、本発明組成物にも添加され得るが、ポリオルガノシ
ランとこの脂肪族アミドの組合わせが、耐掻傷性に対し
て良好な影響を及ぼすことが見出された。この効果は相
乗的なものと解されるが、何故このような良好な作用を
もたらすかの理由は未詳である。
に他の目的は、主成分として、70から95重量%のポリプ
ロピレン単独重合体および5から30重量%の低密度ポリ
エチレンから成るポリマーブレンド、5から30重量%の
板状無機充填剤および脂肪酸アミドとを含有する充填剤
添加重合体組成物を提供することである。
らに改善することである。適当な脂肪酸アミドは、C11
−C25、ことにC16−C22の炭素鎖を有する脂肪酸アミド
である。ことに好ましい脂肪酸アミドは、Crodamide
E(クローダ、ケミカル社)として市販されているエル
カ酸アミドである。脂肪酸アミドの使用量は、一般に組
成物に対して1重量%まで、好ましくは0.1から0.8、こ
とに約0.5重量%である。
中の特定の組成分を吸収する傾向がある。ことにタルク
は、重合体組成物から抗酸化剤を抽出する傾向があり、
従って添加されるべき抗酸化剤を増量する必要ある。こ
れに関連して、さらにポリオルガノシロキサンを添加す
る場合、板状無機充填剤を吸収することが見出された。
このような傾向に対処するため、板状充填剤は非活性処
理したものを使用するのが好ましい。この充填剤の非活
性化のためには、種々の処理を考え得るが、エポキシ樹
脂の添加がことに有効であることが見出された。このエ
ポキシ樹脂は、上述した傾向を極めて効果的に抑止し、
従ってエポキシ樹脂の添加により非活性化された板状充
填剤の使用は、本発明の特殊な実施態様を構成する。
は、主成分として、70から95重量%のポリプロピレン単
独重合体と、5から30重量%の低密度ポリエチレンから
成るポリマーブレンド、5から30重量%の板状無機充填
剤、およびエポキシ樹脂を含有する充填剤添加重合体組
成物を提供することである。
に脂肪酸アミドも含有するのが好ましく、従って本発明
のさらに他の目的は、主成分として、70から95重量%の
ポリプロピレン単独重合体と、5から30重量%の低密度
ポリエチレンから成るポリマーブレンド、5から30重量
%の板状無機充填剤、脂肪酸アミドおよびエポキシ樹脂
を含有する充填剤添加重合体組成物を提供することであ
る。
の含有量は、一般的に0.1から2重量%である。この上
限以上の量を添加しても、重合体組成物の特性をさらに
改善する効果は望めない。このエポキシ樹脂の好ましい
含有量は0.1から1.5重量%、ことに約0.4から1重量%
である。
重量に対して、ポリプロピレン単独重合体と低密度ポリ
エチレンのポリマーブレンドを70から86、ことに75から
85重量%(このポリマーブレンド中において、4から40
のMFIを有するポリプロピレン単独重合体の含有量は70
から95、ことに約85重量%、4から35のMFIを有する低
密度ポリエチレンの含有量は5から30、ことに約15重量
%である)、 同じく重合体組成物全重量に対して、充填剤、ことに
タルクを14から30重合体、好ましくは16から25、ことに
18から22重量%、 ポリオルガノシロキサン、ことに約30000cStの粘度を
有するポリオルガノシロキサンを0.5から2.5重量%、好
ましくは2重量%を上回らず、ことに約1.5重量%、 脂肪酸アミドを0.1から0.8重量%、ことに約0.5重量
%、 エポキシ樹脂を0.1から0.8重量%、ことに約0.5重量
%、 さらに、上述したような量の他の追加的組成分を含有
するのが適当である。
による重合体組成物は、さらに全重量に対して、 ポリプロピレン単独重合体と低密度ポリエチレンのポ
リマーブレンドを85から95重量%、好ましくは88から9
3、ことに約90重量%(このポリマーブレンド中におい
て、4から15のMFIを有するポリプロピレン単独重合体
の含有量は70から95、ことに約85重量%、4から35のMF
Iを有する低密度ポリエチレンの含有量は5から30、こ
とに約15重量%である)、 選択的ではあるが添加されるのが好ましい、 高ゴム性ポリプロピレン/エチレン共重合体を、こと
にこの共重合体に対して12から50重量%、好ましくは20
から45、ことに約43重量%のエチレンプロピレンゴムを
含有する高ゴム性ポリプロピレン/エチレン共重合体
を、全重合体に対して約2から約1.5、ことに5から8
重量%のエチレンプロピレンゴムをもたらす量で、 充填剤、ことにタルクを5から15重量%、好ましくは
7から12、ことに約10重量%、 脂肪酸アミドを0.1から0.8、ことに約0.5重量%、 エポキシ樹脂を0.1から1.5、ことに0.4から1重量
%、 さらに上述したような量の他の追加的組成分を含有す
るのが好ましい。
合することにより、調製され得る。各組成分は、最後の
組成分としてのポリオルガノシロキサンを添加しつつ、
乾式混合装置で混合され得るが、最終混合は一般的に2
軸押出機により、高剪断力下に溶融相処理される。本発
明は、上述した合成樹脂組成物の各組成分を、溶融相
で、ことに2軸押出機により混合し、組成物を押出すこ
とによる組成物製造方法をもその対象とする。
成物に添加する場合、これは抗酸化剤のような添加剤、
場合により使用されるポリオルガノシロキサンと接触す
る。しかしながら、板状充填剤を非活性化するエポキシ
樹脂の作用は、ポリオルガノシロキサンとの接触前に板
状充填剤を非活性化処理してしまわないと、著しく低下
する。これはポリオルガノシロキサンが液体であるため
に、添加後直ちに充填剤と接触するからであると考えら
れ、非活性化はこのような接触が行われる前に完了して
いなければならない。抗酸化剤ないしこれに類する化合
物に対してはこのような配慮は不必要である。エポキシ
樹脂は液状かあるいは溶融処理により溶融する比較的低
融点の固体であるので、抗酸化剤が溶融する前に、液状
で直ちに充填剤と接触し、これを非活性化(吸収性を)
するからである。
リプロピレン単独重合体と、5から30重量%の低密度ポ
リエチレンから成るポリマーブレンド、15から30重量%
の板状無機充填剤、ポリマーブレンドに対して少なくと
も0.5重量%のポリオルガノシロキサン、およびエポキ
シ樹脂を含有する重合体組成物の製造方法であって、 板状充填剤とエポキシ樹脂とを、板状充填剤により著
しく吸収されるべき他の組成分、ことにポリオルガノシ
ロキサンおよび/または抗酸化剤との混合前に、まず混
合し、次いで他の組成分を溶融相で、ことに2軸押出機
により混合し、次いで形成された組成物を押出すことを
特徴とする製造方法を提供する。
造するための有利な方法において、まずポリオルガノシ
ロキサンを含まない他の組成分を、ことに2軸押出機ま
たは同様の高剪断力溶融相処理装置による溶融相処理の
一部を含めて混合処理し、この溶融処理の間にポリオル
ガノシロキサンを、例えば押出機シリンダーに穿設され
た装填孔から組成物に添加し、次いで溶融相処理を継続
し、ポリオルガノシロキサンを組成物中に完全に混入さ
せる。
たは家庭用什器、備品等などを射出成形するのに適す
る。その他の成形技術も適宜使用され得る。本発明は、
本発明重合体組成物から型成形され、製造された各種製
品、物品をもその対象とすることは云うまでもない。
る。ここで使用されるパーセントないし部は、明示しな
い限り、組成物全重量に対する重量%ないし重量部であ
る。
チックポリプロピレン重合体の市販製品(ICIケミカル
ス、アンド、ポリマース社)であって、異なるMFI値(2
30℃、2.16kg負荷下で測定)を示す、以下の4種類を使
用した。
定)を示す、以下のポリエチレンを使用した。
ン (ii) PE−B:密度0.895、MFI4.6の極低密度ポリエチ
レン (iii) PE−C:密度0.900、MFI1.1の極低密度ポリエチ
レン (iv) PE−D:密度0.920、MFI4.6の線形低密度ポリエ
チレン エチレンプロピレンゴム(EPR) Novolen 2900 NCX(BASF社)、43重量%のゴムを重
合含有するMFI10(230℃、2.16kg負荷下で測定)の高ゴ
ム性エチレン/プロピレン共重合体(EPR含有混合物な
いし組成物中のポリプロピレン総量を算定する際には、
EPR中のPPも含まれる)を使用した。
ン共重合体(約12%がゴム相、約6%がエチレン分)
で、MFI13(230℃、2.16kg負荷下で測定)を示す共重合
体を使用した。
高品質タルクである(Luzenac社製)。
ls社製)。
チルシロキサンPDMSとして、Rhodorsil 47V/30000(Rh
one Poulenc社製)を油状体として使用した。
ル、抗酸化剤) Tinuvin 770(ヘキスト社の立体障害アミン、安定
剤) Chimassorb 944(チバガイギー社の立体障害アミ
ン、安定剤) DSTDP(ジステアリルチオジプロピオナート、チオエ
ステル抗酸化助剤) Hostanox 03(ヘキスト社の立体障害フェノール、抗
酸化剤) Hostanox SE 10(ヘキスト社の非チオエステル抗酸
化助剤) Crodamide E(クローダ、ケミカルス社のエルカ脂
肪酸アミド) Araldite(チバガイギー社の液体、固体エポキシ樹
脂) 顔料 灰色を呈する、カーボンブラックと二酸化チタンの混
合物を使用した。異なる陰影をミーディアムグレイとダ
ークグレイにより付与した。着色顔料を含有する準黒色
顔料で製品に中性色調を付与した。
ts Ltd.のNo.706)を使用して、重合体組成物を型成形
して得られたテスト用板体上に複数の掻傷を付した。こ
れは1mmの半球状尖端を有する針を使用して、0.5Nから1
5Nの力で行われた。これらの掻傷(ないし条痕)は、1
群のそれぞれ別個の観察者により視覚的に観察され、掻
傷の可視性に応じて被験板体を分別した(1は最少限の
可視性掻傷を示す)。実施例1および4においては4人
の、実施例3においては5人の観察者がパネルとして参
加した。観察者によるランク付けは平均されて平均ラン
キング点とし(平均ランク−TR)、各試料についての最
大ランクと最小ランクの差も、観察者とランキング点の
差違との間の齟齬を表示する範囲(Rg)として示した
(このテストはBS3900−E2法に基ずく)。
5、7、10、12および15Nの力で10本の掻傷(条痕)を
形成し、これらの掻傷も、引掻き応力による白化線とし
て可視的であった線の本数を観察テストした。結果は線
の本数(Lin)で示す。
度で、ASTM D523−585により測定した。
の場合には190℃で、充填物不添加ポリプロピレン重合
体および組成物の場合には230℃で測定した。
温度において、ISO 180により測定した。
75により測定し、2回の読み取り値を平均した。
た。製造された成形用材料は、車輛内装用材料と同様の
組成とした。使用された原材料の組成は、下表1に示さ
れている。使用量は重量部(pbw)である。組成物はま
ず各組成分の乾燥ブレンドで、次いで2軸押出機中によ
る溶融処理で混合、調製され、押出され、冷却され、次
いで切断、顆粒化された。
BとPP−Cであって、それぞれのMFIが示されている。
また使用されたポリエチレンは上述したPE−A、充填剤
はタルク20MOOSであり、また以下の添加剤混合物(Ad
d)が本例の全実験例で使用された。
ンとポリエチレンのブレンドの代りに中度衝撃ポリプロ
ピレン共重合体(co−PP)を使用した対比実験例であ
る。この対比実験例は、車輛内装その他これに類する用
途に使用するための、現に市販されているポリプロピレ
ン共重合体組成物と同様の組成物である。実剣例2、
3、4、5および9においては、使用前にポリプロピレ
ンとポリエチレンを押出機でブレンドし、顆粒化された
(すなわち重合体はすべて2回溶融処理されたことにな
る)。実験例5においては、液状エポキシ樹脂が使用さ
れ、添加剤混合物は重合体に添加され、終始乾燥状態で
混合されたが、充填剤はPDMSの前に添加された。実験例
20では、靭性を高めるために、高ゴム性EPR共重合体が
混合された。
の結果は後掲の表5に示される。実験例2から4は、充
填剤量を増量した場合の効果を示す。比較的少量の充填
剤量の場合、本発明実験例は明らかに対比実験例に対し
て秀れた結果を示している。しかしながら30%の充填剤
を使用した実験例4は、充填剤量20%の対比実験例より
も耐掻傷性において劣る。実験例5はPDMSを含有してお
り、耐掻傷性においてさらに秀れている。実験例2から
6はMFI6の、実験例7から10はMFI13のポリプロピレン
を使用している。2回の溶融処理を経た場合と、1回の
みの溶融処理した場合との間には有意の差違は認められ
ない。実験例10は靭性は改善されたが、これにより耐掻
傷性は若干低下したことを示す。
0号(公開番号WO 93/03095A号)に開示されているPDMS
含有合成樹脂組成物(実験例11、対比例)と、PDMSを含
有せずPP−BちPE−Aを使用した本発明による組成物
(実験例12)とを対比する実験を行った。それぞれの組
成分が下表2に示されている。組成物製造は実施例1と
同様にして行われた(対比実験例11では、エポキシ樹脂
はPDMSの添加前に組成分に添加され、乾燥状態で混合さ
れた)。
され、射出成形に付された。耐掻傷性試験の結果は、実
験例2が実験例1(対比例)よりはるかに秀れているこ
とを示した。これら両組成物の物理的試験結果は、後掲
の表5に示される。これから、本発明による合成樹脂性
物が、引掻き応力白化に対する耐性において秀れている
ことが認められる。
する、ことに高度の光沢性を示す成形材料としてのさら
に他の合成樹脂組成物を製造した。そのための組成を下
表3に示す。実験例14から17においては、PP−CとPE−
A、タルクFinntalc MO3、中間灰色顔料混合物(組成
物全体100重量部に対して1重量部)および以下の添加
剤混合物を使用した。
軸押出機で溶融混合して組成物を製造し、これを冷却、
切断して顆粒化した。重合体組成物は7から9のMFIを
示した。
は後掲載の表6に示される。
較的多量の充填剤を使用した、さらに他の重合体組成物
を製造した。その原材料としての組成分を下表4に示
す。充填剤としてタルク20 MOOSと、下記の添加剤混合
物(Add)とを使用した。
押出機により溶融混合して組成物を製造した(使用され
た顔料量はその他の組成分合計量100部に対し0.67
部)。実験例18および24においては、PDMSが2.0%が添
加され、また使用されたエポキシ樹脂は液状であって、
PDMSの添加前に他の組成分と混合された。実験例25の組
成物は、実験例23と7の押出形成ペレットの等量部のブ
レンドであって、高ゴム性プロピレン/エチレン共重合
体含有分は中程度(約6重量%)である。実験例26の組
成物は、市販されている、中度衝撃共重合体であって、
20%のタルクと、本発明による実験例と同じ添加剤およ
び顔料混合物を有する対比実験例である。
は後掲の表6に示される。
Claims (16)
- 【請求項1】主組成分として、70から95重量%のポリプ
ロピレン単独重合体および5から30重量%の、0.89から
0.935の範囲の密度を有する低密度ポリエチレンからな
るポリマーブレンドと、5から30重量%のタルクとを含
有し、かつ追加的に組成物全体当たり0.1から2重量%
のエポキシ樹脂を含む、充填重合体組成物。 - 【請求項2】ポリプロピレン単独重合体が2から50dg・
min-1(230℃、2.16kg負荷下で測定)のメルトフローイ
ンデックスを有する、請求項1による組成物。 - 【請求項3】低密度ポリエチレンが、線形低密度ポリエ
チレンまたは極低密度ポリエチレンである、請求項1ま
たは2による組成物。 - 【請求項4】低密度ポリエチレンが、2から40dg・min
-1(190℃、2.16kg負荷下で測定)のメルトフローイン
デックスを有する、請求項1から3のいずれかによる組
成物。 - 【請求項5】ポリプロピレン単独重合体と低密度ポリエ
チレンとの相対的量割合が、ポリプロピレンの80から90
%に対してポリエチレンが20から10%である、請求項1
から4のいずれかによる組成物。 - 【請求項6】組成物に対してタルクの量が14から30重量
%であり、ポリプロピレンが10から50dg・min-1(230
℃、2.16kg負荷下で測定)のメルトフローインデックス
を有する、請求項1から5のいずれかによる組成物。 - 【請求項7】25℃において13000から50000cStの粘度を
有するポリオルガノシロキサンを、組成物に対して0.5
から2.5重量%追加的に含有する、請求項6による組成
物。 - 【請求項8】組成物に対して、タルクの量が5から15重
量%であり、ポリプロピレンが2から15dg・min-1(230
℃、2.16kg負荷下で測定)のメルトフローインデックス
を有する、請求項1から5のいずれかによる組成物。 - 【請求項9】組成物全体に対して、0.1から0.8重量%の
脂肪酸アミドを追加的に含有する、請求項1から8のい
ずれかによる組成物。 - 【請求項10】0.1から7%の1種類または複数種類の
顔料、 0.05から0.7%の1種類または複数種類の立体障害フェ
ノール抗酸化剤、 0.05から1%の1種類または複数種類のチオエステル抗
酸化共力剤、 0.05から0.8%の1種類または複数種類の中性化剤ない
し抗酸剤、および/または 0.8%の1種類または複数種類の対紫外線安定剤(すべ
てのパーセントは組成物全体に対する重量%である)の
いずれか1種類または複数種類を追加的に含有する、請
求項1から9のいずれかによる組成物。 - 【請求項11】主組成分として、70から95重量%のポリ
プロピレン単独重合体および5から30重量%の0.89から
0.935の範囲の密度を有する低密度ポリエチレンからな
るポリマーブレンドと、5から30重量%のタルクとを含
有し、かつ追加的に組成物全体当たり0.1から2重量%
のエポキシ樹脂を含む混合物を形成し、この混合物を高
剪断力溶融体処理に付し、得られた組成物を押し出すこ
とを特徴とする充填重合体組成物の製造方法。 - 【請求項12】0.1から0.8重量%の脂肪酸アミドを追加
的に含有する組成物を製造する、請求項11による方法。 - 【請求項13】0.4から1重量%のエポキシ樹脂を追加
的に含有する組成物を製造する、請求項11または12によ
る方法。 - 【請求項14】主組成分として、70から95重量%のポリ
プロピレン単独重合体および5から30重量%の0.89から
0.935の範囲の密度を有する低密度ポリエチレンからな
るポリマーブレンドと、15から30重量%のタルク、少な
くとも0.5重量%のポリオルガノシロキサンポリマーブ
レンドおよび組成物全体当たり0.1から2重量%のエポ
キシ樹脂とを含有する充填重合体組成物の製造方法であ
って、タルクとエポキシ樹脂とを、タルクにより著しく
吸収される他の組成成分と混合する前に、まず混合し、
次いで組成物を構成する各組成分とを溶融相処理で混合
し、得られた組成物を押し出すことを特徴とする方法。 - 【請求項15】ポリオルガノシロキサンの添加前に、エ
ポキシ樹脂とタルクを混合することを特徴とする、請求
項14による方法。 - 【請求項16】請求項1から10のいずれかによる重合体
性組成物から形成された表面を有する、耐掻傷性成形
体。
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