JP2004131661A - ブルーイングマスターバッチの製造方法、ブルーイングマスターバッチ及びフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】面質の良いフィルムをダイリップ汚染を抑制して高温・高速で成形すること。
【解決手段】二酸化チタン30〜70重量%、群青としてウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクから選ばれる一種以上1〜5.5重量%、ステアリン酸亜鉛1〜5重量%及び熱可塑性樹脂を少なくとも配合した混合物を、−0.09MPa以下の減圧かつ180〜250℃の樹脂温度条件にて溶融混練、成形し、水分含量を900ppm以下にすることを特徴とするブルーイングマスターバッチの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】二酸化チタン30〜70重量%、群青としてウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクから選ばれる一種以上1〜5.5重量%、ステアリン酸亜鉛1〜5重量%及び熱可塑性樹脂を少なくとも配合した混合物を、−0.09MPa以下の減圧かつ180〜250℃の樹脂温度条件にて溶融混練、成形し、水分含量を900ppm以下にすることを特徴とするブルーイングマスターバッチの製造方法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブルーイングマスターバッチの製造方法及びマスターバッチ、並びにフィルム成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタンを配合したポリオレフィン樹脂組成物は耐候性、機械物性等に優れており、従来から射出成形品、フィルム、シート等の各種成形品用途として盛んに使用されている。特に、紙やポリエステルのようなシート状の基体の片面又は両面に白色フィルムを被覆した積層体は優れた耐水性を有することから、印刷紙、印画紙、包装材料等の支持体として幅広く使用されている。
【0003】
顔料を含有するポリオレフィン樹脂フィルムの製造方法としては、顔料を樹脂中に高濃度に含有させたいわゆるマスターバッチをあらかじめ作成しておき、これを希釈樹脂で所望の濃度に希釈してフィルム化する方法と、希釈を必要としない、所定濃度の顔料を含有するコンパウンドを作成し、これをそのままフィルム化する方法がある。一般には、経済的に優れたマスターバッチ法が主に用いられている。マスターバッチはバンバリーミキサー、ニーダー等のバッチ式混練機又は1軸、2軸押出機等によりペレット形状等に成形される。
【0004】
また、ポリオレフィン樹脂フィルムは溶融押出しラミネーション加工法により製造される。そして、生産性向上のために高温かつ高速で成形され、その加工温度は250℃以上である。ラミネート用途等高い密着性を要求されるものについては270〜330℃程度の高温下で加工される。
【0005】
一方、白色フィルムの白さをより強調する目的で、青色の着色剤を加える方法(ブルーイング)がある。ブルーイング顔料としては、一般に鮮明な色調を持ち、耐光性、耐熱性に優れ、比較的安価である群青が用いられている。群青はウルトラマリンとも呼ばれ、Na(6〜8)Al6Si6O24S(2〜4)の構造式を持つゼオライト様物質である。
【0006】
群青は空気中では300℃までは安定であるが、高い吸湿性と触媒活性を有する。また、群青構造中の硫黄の一部はフリーラジカルの形で存在し、酸との反応や機械的せん断力、熱により硫化水素を発生する。
【0007】
群青にはその色調によりウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクの種類がある。樹脂のブルーイング用途としては、所望の色調によってウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクを単独で使い分けたり、混合し調色したものが使用できる。ウルトラマリンバイオレットやウルトラマリンピンクは、ウルトラマリンブルーを原料として次のように調整される。
【0008】
200℃においてウルトラマリンブルーに塩化アンモニウムを作用させてウルトラマリンバイオレットが調製される。さらにウルトラマリンバイオレットに硝酸アンモニウムを作用させてウルトラマリンピンクが調製される。
これらの調製段階で、ウルトラマリンブルーの単位胞中のナトリウムイオンの一部はアンモニウムイオンと交換するものと考えられる。こうして導入されたアンモニウムイオンは加熱処理されると分解し、顔料表面に多くの酸点が形成され、高い触媒活性が発現する。この反応は300℃近傍において最も進行し、触媒活性が最も高くなる。
【0009】
群青、特にウルトラマリンバイオレットやウルトラマリンピンクをブルーイング剤として使用した場合、上記の高い吸湿性、硫黄フリーラジカルの存在、触媒活性等の群青の顔料特性に起因してダイリップ汚れが生じるという問題があった。
【0010】
ダイリップ汚れとは、インフレーション成形機やTダイ成形機を使用してフィルム製造をする際、二酸化チタン含有マスターバッチを高温でスリットダイから溶融押出してフィルム状に成形する工程において、スリットダイ周辺に針状又はつらら状の付着物あるいは汚れ(以下単にダイリップ汚れと呼称する)が発生する現象である。これは触媒活性の高いウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクにおいてより顕著に生じていた。
【0011】
ダイリップ汚れは、マスターバッチ中に含まれる有機物の酸化劣化物や二酸化チタンの凝集物からなるものである。このダイリップ汚れが付着したまま製造を続けると、フィルム表面にスジ状のムラや縦方向のスジが発生したり、また、時にはダイリップ汚れそのものがフィルムに付着する。このような場合、フィルムの面質は著しく損なわれて商品価値が無くなるため、成形ラインの稼働を一時中止して手作業により除去する必要があり、生産効率の改善が求められていた。
【0012】
ダイリップ汚れの抑制方法として、ポリオレフィンと二酸化チタン顔料とを溶融混練してマスターバッチを調製する際に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の金属石鹸に代表される界面活性剤を添加することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
しかしながら、群青含有系においては、その効果はあまり得られなかった。これは、群青の含有水分が高温下で気化発泡し、ダイリップ汚染の発生のきっかけを作ること、群青の触媒活性により樹脂の劣化が進行すること、群青から発生した硫化水素と金属石鹸が比較的容易に反応してしまい金属硫化物と遊離酸を生成することが原因と考えられる。
【0014】
また、ポリオレフィン樹脂と二酸化チタン顔料と群青を溶融混練してマスターバッチを調製する際に、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸マグネシウム、酸化防止剤を添加することが開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、用いられている群青は比較的触媒活性の弱いウルトラマリンブルーであり、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクの場合においてはあまり効果がなかった。
【0015】
【特許文献1】
特開昭57−046819号公報
【特許文献2】
特開昭61−171275号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、ステアリン酸亜鉛を含有し、特定の条件で製造したマスターバッチが有効であることを見出し本発明に到達した。
【0017】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第一の発明は、二酸化チタン30〜70重量%、群青としてウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクから選ばれる一種以上1〜5.5重量%、ステアリン酸亜鉛1〜5重量%及び熱可塑性樹脂を少なくとも配合した混合物を、−0.09MPa以下の減圧かつ180〜250℃の樹脂温度条件にて溶融混練、成形し、水分含量を900ppm以下にすることを特徴とするブルーイングマスターバッチの製造方法である。
【0018】
また、この製造方法により得られるブルーイングマスターバッチ及び写真印画紙支持体被覆用ブルーイングマスターバッチであり、これらを用いて得られるフィルムや写真印画紙支持体被覆用フィルムである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でいうマスターバッチとは、顔料を高濃度に含有し、成形品製造時にポリオレフィン樹脂で希釈されるパウダー状、ビーズ状、ペレット状のものである。
【0020】
本発明で用いられる二酸化チタンの形態はアナターゼ型、ルチル型のいずれでも良い。白色度を優先する場合にはアナターゼ型が好ましく、鮮鋭度を優先する場合にはルチル型が好ましい。また、白色度及び鮮鋭度の双方を考慮して、アナターゼ型とルチル型をブレンドして用いても良い。二酸化チタンの平均粒子サイズは0.1〜0.4μmの範囲が好ましい。0.1μm未満ではフィルム中に均一に混合分散することが困難となり、逆に0.4μmを超えると十分な白色度が得られない上、フィルム表面に突起が生じて面質に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0021】
この酸化チタンの触媒活性を抑えて黄変を防止するため、一般にその表面を含水酸化アルミニウム、含水酸化珪素等の無機物質で表面処理したもの、多価アルコール、多価アミン、金属石鹸、アルキルチタネート、ポリシロキサン、シランカップリング剤等の有機物質で表面処理したもの、及び無機物質・有機物質の処理剤を併用して表面処理したもの等を使用することができる。これらの処理剤は、無機物質にあっては酸化チタンに対して0.2〜2.0重量%、有機物質にあっては0.1〜1.0重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0022】
本発明で用いられる群青とは、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクである。これらを単独で用いても良いし、色調を調節するためにウルトラマリンブルーも含めて二種以上をブレンドして使用しても良い。群青の粒子径は、解像力を向上させる観点から0.05〜5μmの範囲であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜3μmである。
【0023】
本発明のマスターバッチで用いられる樹脂は、ポリオレフィン樹脂が好ましい。具体例として、レジ袋やゴミ袋等に使用される高密度ポリエチレン、印画紙等のレジンコーテッドペーパー等に使用される低密度ポリエチレン等ポリエチレン全般や、食品包装に使用されるポリスチレンやポリプロピレン、理化学機械等に使用されるポリブテン−1やポリメチルペンテン等のホモポリマー及びこれらのコポリマーが使用される。
【0024】
本発明のマスターバッチは、二酸化チタン30〜70重量%、群青としてウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンマリンピンクのいずれか一種以上1〜5.5重量%、ステアリン酸亜鉛1〜5重量%及び熱可塑性樹脂を少なくとも含有する。
【0025】
二酸化チタンの含有量が30重量%未満、群青の含有量が1重量%未満では、フィルム成形する際に、マスターバッチ添加量が増加して経済的に不利である。また、二酸化チタンの含有量が70重量%を超えたり、群青の含有量が5.5重量%を超える場合は、実質的にダイリップ汚れの発生を抑えることはできないばかりか、顔料の凝集により連続生産性が悪く、フィルム成形品に欠陥が生じる。
【0026】
一方、滑剤、群青表面処理剤として用いられるステアリン酸亜鉛の含有量としては、1重量%未満ではフィルム成形時の滑性が不足してロール剥離性能が不良になるとともに、群青の触媒活性及び硫化水素発生の抑制効果が不足してダイリップ汚れの発生が顕著となる。また、ステアリン酸亜鉛の含有量が5重量%を超えると樹脂組成物が滑りやすくなり、マスターバッチ及びフィルム成形品製造時の溶融押出しが困難になるばかりか、ステアリン酸亜鉛が熱分解して発生する遊離ステアリン酸量の増加にともなって油煙の発生やフィルム表面へのブリードアウトが顕著になって品質を損なうこととなる。
【0027】
本発明のマスターバッチの製造には、真空ベント口より減圧できる装置を具備した単軸を含む複数軸押出し機、ローター型連続混練機等が使用可能である。
また、本発明のマスターバッチの製造は−0.09MPa以下の減圧下、180〜250℃の樹脂温度にて溶融混練することが必要である。減圧なし、又は−0.09MPaを超える減圧では、ステアリン酸亜鉛が熱分解して発生する遊離ステアリン酸や、群青から発生する硫化水素及び水分の除去が不十分となり、ダイリップ汚れを促進するばかりか混練装置の金属腐食をも促進する。
【0028】
さらに、マスターバッチ混練時の樹脂温度が180℃未満では、群青に含有される水分の脱離が不十分となり、また、混練時の樹脂温度が250℃を超えると、群青の分解、退色が進み、十分な色相を得られないばかりか、硫化水素の発生に伴う混練装置の金属腐食が顕著になる。さらに群青の触媒活性の増大、ステアリン酸亜鉛の分解に起因するダイリップ汚れの発生が顕著となる。
【0029】
更に、上記のように溶融混練、成形されたマスターバッチの水分含量は900ppm以下であることが必要である。900ppmを超えると、ダイリップ先端で水分が気化する衝撃で樹脂組成物がダイリップ先端に付着しやすくなり、ダイリップ汚れの発生が促進される。
【0030】
尚、本発明でいう水分含量とは、マスターバッチを温度25℃、湿度50%の雰囲気中にて4時間調湿後、脱湿空気露点−25℃、風量15m3/hrの除湿乾燥機にて90℃で4時間乾燥したものをマスターバッチ試料とし、これをカールフィッシャー水分計を用いて250℃で10分間脱気して測定された水分量(g)をマスターバッチ試料量(g)で除した値をいう。
【0031】
本発明の製造方法においては、その用途及び必要に応じて酸化防止剤・紫外線吸収剤等の安定剤、体質顔料・補色用顔料・蛍光増白剤等を添加することができる。
【0032】
本発明のマスターバッチは、フィルム成形の際に、所望する色相となるように、被着色樹脂とともに他の白色マスターバッチと混合されて使用することができる。このとき、他の白色マスターバッチの水分含量も900ppm以下が好ましい。
【0033】
本発明のマスターバッチと希釈樹脂、また必要に応じて二酸化チタン含有マスターバッチやその他の成分を配合して加熱溶融し、成形機の押出用ダイよりフィルム成形品が製造される。フィルム成形品製造の際に用いられる、本発明のマスターバッチを希釈する成形樹脂(被着色樹脂)は、マスターバッチ製造に用いられた樹脂と同じ樹脂又は相溶性のある樹脂を用いることができる。特にポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0034】
フィルム成形品としては、フィルム単独の他、フィルムを紙や樹脂のようなシート状の支持体の片面又は両面にラミネートした印刷紙、印画紙、包装材料等の積層体が挙げられる。紙等の支持体表面にフィルムを被覆する方法としては、走行する支持体上に、溶融押し出し機のスリットダイから樹脂をフィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆するのが好ましい。被覆樹脂としてはポリエチレン樹脂が好ましい。
【0035】
フィルムの成形温度は、基材への密着性の観点から270〜330℃が好ましい。270℃未満となるとフィルムと基材との密着性が低下し、逆に330℃を超えると膜割れやダイリップ筋が発生してフィルム成形品の外観を著しく損なうおそれがある。
スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径は0.1〜2mmが望ましい。
【0036】
【実施例】
本発明を実施例及び比較例にて詳説するが、これらによって本発明が限定されるものではない。以下、%とは重量%を示す。各配合処方と評価結果は表1に示した。
[実施例1]
二酸化チタン50%、群青としてウルトラマリンバイオレット5%、ステアリン酸亜鉛1%、低密度ポリエチレン44%を、スーパーミキサーにて混合して乾式混合物を得た。
これを、真空ベント口より−0.095MPaで減圧しながら二軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM30型)を用いて200℃(滞留時間約3分)にて加熱混合押出成形後、径が約2mm、長さが約3mmのペレット化したブルーイングマスターバッチを得た。
【0037】
このマスターバッチの水分含量を以下の方法で測定した。
マスターバッチを温度25℃、湿度50%の雰囲気中にて4時間調湿後、脱湿空気露点−25℃、風量15m3/hrの除湿乾燥機にて90℃で4時間乾燥したものをマスターバッチ試料とした。これを、カールフィッシャー水分計を用いて250℃で10分間脱気して測定された水分量(g)をマスターバッチ試料量(g)で除した値を水分含量とした。
【0038】
一方、二酸化チタン50%、ステアリン酸亜鉛1%、低密度ポリエチレン49%を配合し、150℃(滞留時間約3分)にて加熱混合押出成形して白マスターバッチを得た。
【0039】
ブルーイングマスターバッチ5%、白マスターバッチ15%、マスターバッチで用いたものと同じ低密度ポリエチレン80%から成る配合物合計25kgを、Tダイ(スリット開口径0.1mm×20mm)フィルム成形機(東洋精機製)を用いて300℃で熔融押出し、冷却ローラーで引き取り、フィルムを作成した。
【0040】
〔評価方法〕
成形終了後、スリットダイ周辺に付着している針状又はつらら状の汚れの総延長(ダイリップ汚れの長さ×本数)を測定し、以下の基準で評価した。
◎:1mm未満
○:1mm〜10mm未満
△:10mm〜20mm未満
×:20mm以上
【0041】
[実施例2〜6、比較例1〜10]
表1に示す配合、製造条件でマスターバッチを製造し、表1に示す方法で希釈してフィルム製造した際のダイリップ汚れを目視評価した。これらの製造において実施例1に準じて行った場合は、特に詳細な製造条件の記載をしていない。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
本発明のブルーイングマスターバッチの製造方法は、二酸化チタン30〜70重量%、群青としてウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクのいずれか一種以上1〜5.5重量%、ステアリン酸亜鉛1〜5重量%及び熱可塑性樹脂を少なくとも配合した混合物であるので、二酸化チタンや群青の分散性が良好で、ステアリン酸亜鉛から遊離した亜鉛が群青の触媒活性や硫化水素の発生を抑制できる。
【0044】
また、−0.09MPa以下の減圧かつ180〜250℃の樹脂温度条件にて溶融混練、成形しているので、製造の際にステアリン酸亜鉛が熱分解して発生する遊離ステアリン酸、群青から発生する硫化水素及び水分の除去が十分に行える。
【0045】
更に、上記製造方法により得られたマスターバッチの水分含量が900ppm以下であるので、このマスターバッチを用いてフィルム成形を行った際、ダイリップ先端で気化する水分が少ないため、ダイリップ汚染を抑制する効果がある。
【0046】
本発明のブルーイングマスターバッチを用いてフィルム成形する際、スリットダイ周辺に発生するダイリップ汚染が抑制され、ロール剥離も良好であるため生産効率が良く、高温、高速での成形に優れ、作業性が著しく向上する。
また、得られるフィルムの面質も良く、高白色薄膜フィルム化が可能である。特に高隠蔽性や微妙な色調や画像適性を必要とする写真印画紙支持体被覆用フィルムとして有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブルーイングマスターバッチの製造方法及びマスターバッチ、並びにフィルム成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタンを配合したポリオレフィン樹脂組成物は耐候性、機械物性等に優れており、従来から射出成形品、フィルム、シート等の各種成形品用途として盛んに使用されている。特に、紙やポリエステルのようなシート状の基体の片面又は両面に白色フィルムを被覆した積層体は優れた耐水性を有することから、印刷紙、印画紙、包装材料等の支持体として幅広く使用されている。
【0003】
顔料を含有するポリオレフィン樹脂フィルムの製造方法としては、顔料を樹脂中に高濃度に含有させたいわゆるマスターバッチをあらかじめ作成しておき、これを希釈樹脂で所望の濃度に希釈してフィルム化する方法と、希釈を必要としない、所定濃度の顔料を含有するコンパウンドを作成し、これをそのままフィルム化する方法がある。一般には、経済的に優れたマスターバッチ法が主に用いられている。マスターバッチはバンバリーミキサー、ニーダー等のバッチ式混練機又は1軸、2軸押出機等によりペレット形状等に成形される。
【0004】
また、ポリオレフィン樹脂フィルムは溶融押出しラミネーション加工法により製造される。そして、生産性向上のために高温かつ高速で成形され、その加工温度は250℃以上である。ラミネート用途等高い密着性を要求されるものについては270〜330℃程度の高温下で加工される。
【0005】
一方、白色フィルムの白さをより強調する目的で、青色の着色剤を加える方法(ブルーイング)がある。ブルーイング顔料としては、一般に鮮明な色調を持ち、耐光性、耐熱性に優れ、比較的安価である群青が用いられている。群青はウルトラマリンとも呼ばれ、Na(6〜8)Al6Si6O24S(2〜4)の構造式を持つゼオライト様物質である。
【0006】
群青は空気中では300℃までは安定であるが、高い吸湿性と触媒活性を有する。また、群青構造中の硫黄の一部はフリーラジカルの形で存在し、酸との反応や機械的せん断力、熱により硫化水素を発生する。
【0007】
群青にはその色調によりウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクの種類がある。樹脂のブルーイング用途としては、所望の色調によってウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクを単独で使い分けたり、混合し調色したものが使用できる。ウルトラマリンバイオレットやウルトラマリンピンクは、ウルトラマリンブルーを原料として次のように調整される。
【0008】
200℃においてウルトラマリンブルーに塩化アンモニウムを作用させてウルトラマリンバイオレットが調製される。さらにウルトラマリンバイオレットに硝酸アンモニウムを作用させてウルトラマリンピンクが調製される。
これらの調製段階で、ウルトラマリンブルーの単位胞中のナトリウムイオンの一部はアンモニウムイオンと交換するものと考えられる。こうして導入されたアンモニウムイオンは加熱処理されると分解し、顔料表面に多くの酸点が形成され、高い触媒活性が発現する。この反応は300℃近傍において最も進行し、触媒活性が最も高くなる。
【0009】
群青、特にウルトラマリンバイオレットやウルトラマリンピンクをブルーイング剤として使用した場合、上記の高い吸湿性、硫黄フリーラジカルの存在、触媒活性等の群青の顔料特性に起因してダイリップ汚れが生じるという問題があった。
【0010】
ダイリップ汚れとは、インフレーション成形機やTダイ成形機を使用してフィルム製造をする際、二酸化チタン含有マスターバッチを高温でスリットダイから溶融押出してフィルム状に成形する工程において、スリットダイ周辺に針状又はつらら状の付着物あるいは汚れ(以下単にダイリップ汚れと呼称する)が発生する現象である。これは触媒活性の高いウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクにおいてより顕著に生じていた。
【0011】
ダイリップ汚れは、マスターバッチ中に含まれる有機物の酸化劣化物や二酸化チタンの凝集物からなるものである。このダイリップ汚れが付着したまま製造を続けると、フィルム表面にスジ状のムラや縦方向のスジが発生したり、また、時にはダイリップ汚れそのものがフィルムに付着する。このような場合、フィルムの面質は著しく損なわれて商品価値が無くなるため、成形ラインの稼働を一時中止して手作業により除去する必要があり、生産効率の改善が求められていた。
【0012】
ダイリップ汚れの抑制方法として、ポリオレフィンと二酸化チタン顔料とを溶融混練してマスターバッチを調製する際に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の金属石鹸に代表される界面活性剤を添加することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
しかしながら、群青含有系においては、その効果はあまり得られなかった。これは、群青の含有水分が高温下で気化発泡し、ダイリップ汚染の発生のきっかけを作ること、群青の触媒活性により樹脂の劣化が進行すること、群青から発生した硫化水素と金属石鹸が比較的容易に反応してしまい金属硫化物と遊離酸を生成することが原因と考えられる。
【0014】
また、ポリオレフィン樹脂と二酸化チタン顔料と群青を溶融混練してマスターバッチを調製する際に、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸マグネシウム、酸化防止剤を添加することが開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、用いられている群青は比較的触媒活性の弱いウルトラマリンブルーであり、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクの場合においてはあまり効果がなかった。
【0015】
【特許文献1】
特開昭57−046819号公報
【特許文献2】
特開昭61−171275号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、ステアリン酸亜鉛を含有し、特定の条件で製造したマスターバッチが有効であることを見出し本発明に到達した。
【0017】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第一の発明は、二酸化チタン30〜70重量%、群青としてウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクから選ばれる一種以上1〜5.5重量%、ステアリン酸亜鉛1〜5重量%及び熱可塑性樹脂を少なくとも配合した混合物を、−0.09MPa以下の減圧かつ180〜250℃の樹脂温度条件にて溶融混練、成形し、水分含量を900ppm以下にすることを特徴とするブルーイングマスターバッチの製造方法である。
【0018】
また、この製造方法により得られるブルーイングマスターバッチ及び写真印画紙支持体被覆用ブルーイングマスターバッチであり、これらを用いて得られるフィルムや写真印画紙支持体被覆用フィルムである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でいうマスターバッチとは、顔料を高濃度に含有し、成形品製造時にポリオレフィン樹脂で希釈されるパウダー状、ビーズ状、ペレット状のものである。
【0020】
本発明で用いられる二酸化チタンの形態はアナターゼ型、ルチル型のいずれでも良い。白色度を優先する場合にはアナターゼ型が好ましく、鮮鋭度を優先する場合にはルチル型が好ましい。また、白色度及び鮮鋭度の双方を考慮して、アナターゼ型とルチル型をブレンドして用いても良い。二酸化チタンの平均粒子サイズは0.1〜0.4μmの範囲が好ましい。0.1μm未満ではフィルム中に均一に混合分散することが困難となり、逆に0.4μmを超えると十分な白色度が得られない上、フィルム表面に突起が生じて面質に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0021】
この酸化チタンの触媒活性を抑えて黄変を防止するため、一般にその表面を含水酸化アルミニウム、含水酸化珪素等の無機物質で表面処理したもの、多価アルコール、多価アミン、金属石鹸、アルキルチタネート、ポリシロキサン、シランカップリング剤等の有機物質で表面処理したもの、及び無機物質・有機物質の処理剤を併用して表面処理したもの等を使用することができる。これらの処理剤は、無機物質にあっては酸化チタンに対して0.2〜2.0重量%、有機物質にあっては0.1〜1.0重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0022】
本発明で用いられる群青とは、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクである。これらを単独で用いても良いし、色調を調節するためにウルトラマリンブルーも含めて二種以上をブレンドして使用しても良い。群青の粒子径は、解像力を向上させる観点から0.05〜5μmの範囲であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜3μmである。
【0023】
本発明のマスターバッチで用いられる樹脂は、ポリオレフィン樹脂が好ましい。具体例として、レジ袋やゴミ袋等に使用される高密度ポリエチレン、印画紙等のレジンコーテッドペーパー等に使用される低密度ポリエチレン等ポリエチレン全般や、食品包装に使用されるポリスチレンやポリプロピレン、理化学機械等に使用されるポリブテン−1やポリメチルペンテン等のホモポリマー及びこれらのコポリマーが使用される。
【0024】
本発明のマスターバッチは、二酸化チタン30〜70重量%、群青としてウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンマリンピンクのいずれか一種以上1〜5.5重量%、ステアリン酸亜鉛1〜5重量%及び熱可塑性樹脂を少なくとも含有する。
【0025】
二酸化チタンの含有量が30重量%未満、群青の含有量が1重量%未満では、フィルム成形する際に、マスターバッチ添加量が増加して経済的に不利である。また、二酸化チタンの含有量が70重量%を超えたり、群青の含有量が5.5重量%を超える場合は、実質的にダイリップ汚れの発生を抑えることはできないばかりか、顔料の凝集により連続生産性が悪く、フィルム成形品に欠陥が生じる。
【0026】
一方、滑剤、群青表面処理剤として用いられるステアリン酸亜鉛の含有量としては、1重量%未満ではフィルム成形時の滑性が不足してロール剥離性能が不良になるとともに、群青の触媒活性及び硫化水素発生の抑制効果が不足してダイリップ汚れの発生が顕著となる。また、ステアリン酸亜鉛の含有量が5重量%を超えると樹脂組成物が滑りやすくなり、マスターバッチ及びフィルム成形品製造時の溶融押出しが困難になるばかりか、ステアリン酸亜鉛が熱分解して発生する遊離ステアリン酸量の増加にともなって油煙の発生やフィルム表面へのブリードアウトが顕著になって品質を損なうこととなる。
【0027】
本発明のマスターバッチの製造には、真空ベント口より減圧できる装置を具備した単軸を含む複数軸押出し機、ローター型連続混練機等が使用可能である。
また、本発明のマスターバッチの製造は−0.09MPa以下の減圧下、180〜250℃の樹脂温度にて溶融混練することが必要である。減圧なし、又は−0.09MPaを超える減圧では、ステアリン酸亜鉛が熱分解して発生する遊離ステアリン酸や、群青から発生する硫化水素及び水分の除去が不十分となり、ダイリップ汚れを促進するばかりか混練装置の金属腐食をも促進する。
【0028】
さらに、マスターバッチ混練時の樹脂温度が180℃未満では、群青に含有される水分の脱離が不十分となり、また、混練時の樹脂温度が250℃を超えると、群青の分解、退色が進み、十分な色相を得られないばかりか、硫化水素の発生に伴う混練装置の金属腐食が顕著になる。さらに群青の触媒活性の増大、ステアリン酸亜鉛の分解に起因するダイリップ汚れの発生が顕著となる。
【0029】
更に、上記のように溶融混練、成形されたマスターバッチの水分含量は900ppm以下であることが必要である。900ppmを超えると、ダイリップ先端で水分が気化する衝撃で樹脂組成物がダイリップ先端に付着しやすくなり、ダイリップ汚れの発生が促進される。
【0030】
尚、本発明でいう水分含量とは、マスターバッチを温度25℃、湿度50%の雰囲気中にて4時間調湿後、脱湿空気露点−25℃、風量15m3/hrの除湿乾燥機にて90℃で4時間乾燥したものをマスターバッチ試料とし、これをカールフィッシャー水分計を用いて250℃で10分間脱気して測定された水分量(g)をマスターバッチ試料量(g)で除した値をいう。
【0031】
本発明の製造方法においては、その用途及び必要に応じて酸化防止剤・紫外線吸収剤等の安定剤、体質顔料・補色用顔料・蛍光増白剤等を添加することができる。
【0032】
本発明のマスターバッチは、フィルム成形の際に、所望する色相となるように、被着色樹脂とともに他の白色マスターバッチと混合されて使用することができる。このとき、他の白色マスターバッチの水分含量も900ppm以下が好ましい。
【0033】
本発明のマスターバッチと希釈樹脂、また必要に応じて二酸化チタン含有マスターバッチやその他の成分を配合して加熱溶融し、成形機の押出用ダイよりフィルム成形品が製造される。フィルム成形品製造の際に用いられる、本発明のマスターバッチを希釈する成形樹脂(被着色樹脂)は、マスターバッチ製造に用いられた樹脂と同じ樹脂又は相溶性のある樹脂を用いることができる。特にポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0034】
フィルム成形品としては、フィルム単独の他、フィルムを紙や樹脂のようなシート状の支持体の片面又は両面にラミネートした印刷紙、印画紙、包装材料等の積層体が挙げられる。紙等の支持体表面にフィルムを被覆する方法としては、走行する支持体上に、溶融押し出し機のスリットダイから樹脂をフィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆するのが好ましい。被覆樹脂としてはポリエチレン樹脂が好ましい。
【0035】
フィルムの成形温度は、基材への密着性の観点から270〜330℃が好ましい。270℃未満となるとフィルムと基材との密着性が低下し、逆に330℃を超えると膜割れやダイリップ筋が発生してフィルム成形品の外観を著しく損なうおそれがある。
スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径は0.1〜2mmが望ましい。
【0036】
【実施例】
本発明を実施例及び比較例にて詳説するが、これらによって本発明が限定されるものではない。以下、%とは重量%を示す。各配合処方と評価結果は表1に示した。
[実施例1]
二酸化チタン50%、群青としてウルトラマリンバイオレット5%、ステアリン酸亜鉛1%、低密度ポリエチレン44%を、スーパーミキサーにて混合して乾式混合物を得た。
これを、真空ベント口より−0.095MPaで減圧しながら二軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM30型)を用いて200℃(滞留時間約3分)にて加熱混合押出成形後、径が約2mm、長さが約3mmのペレット化したブルーイングマスターバッチを得た。
【0037】
このマスターバッチの水分含量を以下の方法で測定した。
マスターバッチを温度25℃、湿度50%の雰囲気中にて4時間調湿後、脱湿空気露点−25℃、風量15m3/hrの除湿乾燥機にて90℃で4時間乾燥したものをマスターバッチ試料とした。これを、カールフィッシャー水分計を用いて250℃で10分間脱気して測定された水分量(g)をマスターバッチ試料量(g)で除した値を水分含量とした。
【0038】
一方、二酸化チタン50%、ステアリン酸亜鉛1%、低密度ポリエチレン49%を配合し、150℃(滞留時間約3分)にて加熱混合押出成形して白マスターバッチを得た。
【0039】
ブルーイングマスターバッチ5%、白マスターバッチ15%、マスターバッチで用いたものと同じ低密度ポリエチレン80%から成る配合物合計25kgを、Tダイ(スリット開口径0.1mm×20mm)フィルム成形機(東洋精機製)を用いて300℃で熔融押出し、冷却ローラーで引き取り、フィルムを作成した。
【0040】
〔評価方法〕
成形終了後、スリットダイ周辺に付着している針状又はつらら状の汚れの総延長(ダイリップ汚れの長さ×本数)を測定し、以下の基準で評価した。
◎:1mm未満
○:1mm〜10mm未満
△:10mm〜20mm未満
×:20mm以上
【0041】
[実施例2〜6、比較例1〜10]
表1に示す配合、製造条件でマスターバッチを製造し、表1に示す方法で希釈してフィルム製造した際のダイリップ汚れを目視評価した。これらの製造において実施例1に準じて行った場合は、特に詳細な製造条件の記載をしていない。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
本発明のブルーイングマスターバッチの製造方法は、二酸化チタン30〜70重量%、群青としてウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクのいずれか一種以上1〜5.5重量%、ステアリン酸亜鉛1〜5重量%及び熱可塑性樹脂を少なくとも配合した混合物であるので、二酸化チタンや群青の分散性が良好で、ステアリン酸亜鉛から遊離した亜鉛が群青の触媒活性や硫化水素の発生を抑制できる。
【0044】
また、−0.09MPa以下の減圧かつ180〜250℃の樹脂温度条件にて溶融混練、成形しているので、製造の際にステアリン酸亜鉛が熱分解して発生する遊離ステアリン酸、群青から発生する硫化水素及び水分の除去が十分に行える。
【0045】
更に、上記製造方法により得られたマスターバッチの水分含量が900ppm以下であるので、このマスターバッチを用いてフィルム成形を行った際、ダイリップ先端で気化する水分が少ないため、ダイリップ汚染を抑制する効果がある。
【0046】
本発明のブルーイングマスターバッチを用いてフィルム成形する際、スリットダイ周辺に発生するダイリップ汚染が抑制され、ロール剥離も良好であるため生産効率が良く、高温、高速での成形に優れ、作業性が著しく向上する。
また、得られるフィルムの面質も良く、高白色薄膜フィルム化が可能である。特に高隠蔽性や微妙な色調や画像適性を必要とする写真印画紙支持体被覆用フィルムとして有用である。
Claims (6)
- 二酸化チタン30〜70重量%、群青としてウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクから選ばれる一種以上1〜5.5重量%、ステアリン酸亜鉛1〜5重量%及び熱可塑性樹脂を少なくとも配合した混合物を、−0.09MPa以下の減圧かつ180〜250℃の樹脂温度条件にて溶融混練、成形し、水分含量を900ppm以下にすることを特徴とするブルーイングマスターバッチの製造方法。
- 請求項1記載のブルーイングマスターバッチの製造方法により得られるブルーイングマスターバッチ。
- 請求項2記載のブルーイングマスターバッチがフィルム用であるフィルム用ブルーイングマスターバッチ。
- 請求項3記載のフィルム用ブルーイングマスターバッチが写真印画紙支持体被覆用である写真印画紙支持体被覆用ブルーイングマスターバッチ。
- 請求項3記載のフィルム用ブルーイングマスターバッチを用いて得られるフィルム。
- 請求項4記載の写真印画紙支持体被覆用ブルーイングマスターバッチを用いて得られる写真印画紙支持体被覆用フィルム。
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2002
- 2002-10-15 JP JP2002299744A patent/JP2004131661A/ja active Pending
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