JP2000080293A - 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法およびその組成物よりなる二軸配向フィルム - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、その製造方法およびその組成物よりなる二軸配向フィルム

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JP2000080293A
JP2000080293A JP11181869A JP18186999A JP2000080293A JP 2000080293 A JP2000080293 A JP 2000080293A JP 11181869 A JP11181869 A JP 11181869A JP 18186999 A JP18186999 A JP 18186999A JP 2000080293 A JP2000080293 A JP 2000080293A
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particles
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Takafumi Kudo
孝文 工藤
Masahiko Kosuge
雅彦 小菅
Akira Kameoka
晃 亀岡
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機粒子を熱可塑性樹脂に容易に添加、配合
することができ、得られた熱可塑性樹脂中の粒子の分散
性が良好な熱可塑性樹脂組成物、その製造方法および無
機粒子の分散性が良好な熱可塑性樹脂組成物からなる二
軸配向フィルムを提供する 【解決手段】 無機粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物
であって、(i)該無機粒子は細孔容積が0.1〜3m
l/gであり、かつ(ii)該無機粒子は、その表面が
無機粒子に対して0.05〜10重量倍の水性ポリエス
テルで処理されているかまたはケイ素含有有機化合物で
処理されていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物お
よび、上記表面処理された無機粒子の分散液をベント式
2軸混練押出機に供給して熱可塑性樹脂と混合すること
による熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成
物、その製造方法およびそれを用いたフィルムに関し、
さらに詳しくはベント式2軸混練押出機にて熱可塑性樹
脂と特定の無機粒子を混練することにより得られた熱可
塑性樹脂組成物、その製造方法およびその組成物よりな
る二軸配向フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特に芳香族ポリエステル
は優れた物理的、化学的性質を有することから、繊維、
フィルム、樹脂等の分野で大量に利用されている。一方
で、そのような成形品を得る成形工程あるいは製品自体
を取り扱う際に滑り性不良による作業性、生産性の悪化
あるいは製品価値の低下といったトラブルが生じること
が知られている。
【0003】このような問題に対して、熱可塑性樹脂中
に微粒子を配合せしめて成形品の表面に適度の凹凸を付
与し、滑り性を向上させる方法が提案され、該微粒子と
して例えば、シリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、
タルク、カオリナイトなどの無機粒子が採用されてい
る。しかしながら、無機粒子を添加、配合する場合には
粗大粒子の混入が間題となる。このような粗大粒子が存
在すると、例えば磁気テープ用フィルムにおいては、電
磁変換特性を低下させたりドロップアウトを引起こす原
因になったりするなど、重要なフィルム品質を損なうこ
とになる。このような粗大粒子を除去する方法として、
一般に、ポリマー合成反応時に添加する場合には、粒子
をスラリー状態あるいは溶液状態とし、粉砕、分級操作
を経て添加されている。しかし、この方法ではスラリー
化、粉砕、分級操作に多大な費用、作業時間がかかり、
この操作を行ったとしても、合成反応中に添加されたの
ち再擬集を起こし、粗大粒子の混入を避けきれないなど
の問題が生じる。さらに近年、一種のマスターポリマー
から多品種の、付加価値を付与したポリマーを製造する
ときに、重合反応時に粒子を添加していたのでは、銘柄
切替の際に多大なロスを生じる。
【0004】そこで、単軸押出機や2軸混練押出機を用
いて粉体状粒子をポリエステルに混練する方法(特開平
1−157806号公報)や、粒子を媒体に分散させた
液状スラリーをポリエステル中に添加する方法(特開平
6−91635号公報)などが提案された。しかしなが
ら、これらの方法を無機粒子に適用した場合、剪断応力
が不足した場合には、凝集粒子や粗大粒子の解砕不足の
ため樹脂中の粒子の分散性が悪くなってしまい、逆に剪
断応力が高すぎた場合には、粒子が解砕されすぎてしま
い粒子サイズが低下し、本来の目的である滑り性等を損
なってしまう。
【0005】ことに無機粒子がシリカ粒子である場合、
シリカ粒子の表面にはシラノール基が多数存在するため
凝集し易く、前記方法を適用すると、剪断応力が不足し
た場合には、凝集粒子や粗大粒子の解砕不足のため樹脂
中の粒子の分散性が悪くなってしまい、逆に剪断応力が
高すぎた場合には、粒子が解砕されすぎて粒子サイズが
低下し、本来の目的である滑り性等を損なってしまうば
かりか解砕がすぎると再凝集を生じ粗大粒子を形成する
問題がある。
【0006】一般に、シリカ粒子の凝集を回避するため
に、ケイ素含有有機化合物によりシリカ粉体の処理が行
われている。ケイ素含有有機化合物により処理されたシ
リカ粉体は、既に商業ベースで生産されていてさまざま
な用途に使用されている。
【0007】しかし、前記提案の方法をケイ素含有有機
物により処理したシリカ粉体に適用した場合、その疎水
性のために、非極性媒体には容易に分散するが、極性媒
体に分散させるのは極めて困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな従来採用されている粒子の添加方法の欠点を改良
し、特に易滑性とフィルム表面の均一性に優れた熱可塑
性樹脂フィルムを得るために鋭意研究した結果、本発明
に到達したものである。
【0009】本発明の目的は、無機粒子を熱可塑性樹脂
に容易に添加、配合することができ、得られた熱可塑性
樹脂中の粒子の分散性が良好な熱可塑性樹脂組成物およ
びその製造方法を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、上記方法で製造され
た、無機粒子の分散性が良好な熱可塑性樹脂組成物から
なる二軸配向フィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、前記本発明の目的は、無機粒子を含有する熱可塑性
樹脂組成物であって、(i)該無機粒子は細孔容積が
0.1〜3ml/gであり、かつ(ii)該無機粒子
は、その表面が無機粒子に対して0.05〜10重量倍
の水性ポリエステルで処理されているかまたはケイ素含
有有機化合物で処理されていることを特徴とする熱可塑
性樹脂組成物によって達成される。
【0012】前記本発明の熱可塑性樹脂組成物に、無機
粒子の表面を処理する化合物の種類に基いて、下記
(a)および(b)の組成物に分類される。 (a)無機粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物であっ
て、(i)該無機粒子は、細孔容積が0.1〜3ml/
gでありかつ(ii)該無機粒子はその表面が無機粒子
に対して0.05〜10重量倍の水性ポリエステルで処
理されていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 (b)シリカ粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物であっ
て、該シリカ粒子は細孔容積が0.1〜3ml/gであ
り、かつ(ii)その表面はケイ素含有有機化合物で処
理されていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【0013】さらに本発明者らの研究によれば、前記熱
可塑性樹脂組成物は、ベント式2軸混練押出機を用いて
熱可塑性樹脂と無機粒子とを混練して熱可塑性樹脂組成
物を製造する方法において、(i)該無機粒子は細孔容
積が0.1〜3ml/gであり、かつ(ii)該無機粒
子は、その表面が無機粒子に対して0.05〜10重量
倍の水性ポリエステルで処理されているかあるいはケイ
素含有有機化合物で処理されたものであり、該無機粒子
を水および/または不活性有機溶媒に分散させた分散液
としてベント式2軸混練押出機に供給することを特徴と
する方法により製造できることが見出された。
【0014】以下本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明の組成物を構成する熱可塑性樹脂としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドおよびポリ
エステルなどが挙げられる。中でも芳香族ポリエステル
が好ましい。
【0015】前記芳香族ポリエステルとしては、芳香族
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを
主たるグリコール成分とする芳香族ポリエステルが特に
好ましい。この芳香族ジカルボン酸としては、テレフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルジカルボン酸等を例示することができる。中で
もテレフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸
が好ましい。また、この脂肪族グリコールとしては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等
を例示することができる。中でもエチレングリコールが
好ましい。
【0016】前記ポリエステルは上記の芳香族ジカルボ
ン酸成分と脂肪族グリコール成分からなるホモポリマー
が好ましいが、第三成分を小割合共重合したコポリマー
であることもできる。この第三成分としては、例えば主
たる構成成分がエチレンテレフタレートである場合、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールなどのジオール;コハク
酸、アジピン酸、セパシン酸、フタル酸、イソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン
酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能多価
カルボン酸などが例示できる。また、主たる構成成分が
エチレン−2,6−ナフタレートである場合、上記と同
じ第三成分(ただし2,6−ナフタレンジカルボン酸を
テレフタル酸とする)を挙げることができる。
【0017】本発明における熱可塑性樹脂は、従来から
知られている方法または当業界に蓄積されている方法で
効率よく製造できる方法であれば、特に限定はされな
い。その際、必要に応じ金属系触媒、例えばリチウム、
ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタンなどの化合物、
安定剤としてのリン化合物などの添加剤を含有していて
もよい。
【0018】一方本発明の組成物を構成する無機粒子
は、その細孔容積が0.1〜3ml/gのものである。
好ましくは0.3〜2.5ml/gの細孔容積を有する
無機粒子である。無機粒子として細孔容積が3ml/g
を超えるものを使用すると、フィルムの易滑性が不十分
となり、フィルムのハンドリング性が低下し、一方無機
粒子として細孔容積が0.1ml/gより小さいものを
使用すると、そのための粒子の製造コストが高くなった
り、成形品のコストの上昇にもなるので望ましくない。
【0019】本発明における無機粒子は特に限定されな
いが、好ましい具体例として、シリカ、二酸化チタン、
炭酸カルシウム、タルク、カオリナイトなどを挙げるこ
とができる。中でもシリカが好適である。また、これら
の平均粒径は0.03〜5μm、好ましくは0.05〜
3μmの範囲である。平均粒径が0.03μm未満では
フィルムの走行性や耐摩耗性が不十分であり、また平均
粒径が5μmを超えるとフィルムの表面粗さが大きくな
りすぎたり、透明性を損なったりするので好ましくな
い。
【0020】本発明において使用される無機粒子はその
製造方法や形状など特に制限されないが、例えば湿式法
で製造された非晶質シリカのように、その表面に多くの
シラノール基を持つがゆえに、熱可塑性樹脂との混練中
に脱水縮合し粗大粒子を形成するような粒子には、特に
大きな効果をもたらす。
【0021】本発明において無機粒子の、熱可塑性樹脂
に対する添加、配合量は0.01〜10重量%(対熱可
塑性樹脂)が好ましく、さらに好ましくは0.01〜5
重量%である。この量が10重量%を超えると十分な分
散性が得られない。また、この分散を促すべく剪断応力
を増大させると、粒子が解砕され粒子サイズが低下して
しまうために、例えばフィルムに成形加工した場合、フ
ィルムの摩擦係数が上昇し、ハンドリング性が損なわれ
てしまう。逆に0.01重量%未満であると、粒子添加
の効果が十分に発現しない。
【0022】前述したように本発明の熱可塑性樹脂に含
有される無機粒子は、平均粒径が0.03〜5μmの範
囲のものが好ましいが、その粒度分布のピークが少なく
とも2つ存在するものがさらに好ましい。無機粒子の粒
度分布のピークが2つの場合、ピークとピークの間の粒
子径幅は好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは
0.5μm以上である。また該粒度分布中のピークが3
つ以上の場合、ピーク高さが最大のピーク(以下、最大
ピークと略す)とピーク高さが最小のピーク(以下、最
小ピークと略す)の間の粒子径幅を前述の2つのピーク
の場合と同様の関係にすることが好ましい。
【0023】本発明において無機粒子の粒度分布のピー
クは、例えば後述のレーザ回折法および/または電子顕
微鏡を用いた観察法により、該無機粒子の粒子径に対す
る粒子頻度を粒子の面積単位で表した頻度分布により求
めることができる。本発明における複数のピークとは、
頻度分布におけるピークとピークの間に最大ピークの7
0%以下の高さの谷部分を有し、かつ最大ピークの10
%以上の高さを有するものをピークとする 本発明においては、前記無機粒子は、その表面が水性ポ
リエステルまたはケイ素含有有機化合物で処理されたも
のを使用する。
【0024】まず初めに、無機粒子の水性ポリエステル
の表面処理について説明する。本発明において、無機粒
子の表面処理に使用する水性ポリエステルの量は、無機
粒子に対して、0.05〜10重量倍(5〜1,000
重量%)である必要があり、さらに0.3〜8重量倍
(30〜800重量%)で処理されていることが好まし
く、特に0.5〜6重量倍(50〜600重量%)で処
理されていることが好ましい。水性ポリエステル量が無
機粒子に対し0.05重量倍未満の場合には、無機粒子
が凝集を起こすため、例えば該無機粒子を含む熱可塑性
樹脂をフィルムに成形加工した場合に、フィルム中に粗
大粒子が発生するため好ましくない。また、10重量倍
を超えると無機粒子の分散液の粘度が大きく上昇し、ベ
ント式2軸混練押出機への定量供給が極めて困難になる
ばかりか、フィルムヘーズが上昇し、透明性を損なって
しまう。
【0025】水性ポリエステルによる無機粒子の表面処
理の操作は、無機粒子を熱可塑性樹脂と混練する前つま
り、ベント式2軸混練押出機に供給する前であれば任意
の段階で実施することが可能である。
【0026】無機粒子の表面処理に使用される水性ポリ
エステルは、水溶性または水分散性のポリエステルであ
ればよい。すなわち、水性ポリエステルは、後述する液
中で溶解およびまたは微分散化することが可能なもので
あり、該水性ポリエステルを構成する酸成分としては、
例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、コハク
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−カリウム
スルホテレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、
無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安
息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩等の多価カルボ
ン酸を例示できる。またヒドロキシ化合物成分として
は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリ
レングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加
物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテトラメチレン
オキシドグリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエチル
スルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリ
ウム等の多価ヒドロキシ化合物を例示できる。これらの
化合物からそれ自体公知の方法により水性ポリエステル
をつくることができる。すなわち、多価カルボン酸と多
価ヒドロキシ化合物をエステル化反応させた後、高温、
減圧下にて重縮合させるか、多価カルボン酸のエステル
形成性誘導体と多価ヒドロキシ化合物をエステル交換反
応後、高温、減圧下にて重縮合させることで製造するこ
とができる。好適に水性ポリエステルをつくるには、ス
ルホン酸塩基を有する化合物をポリエステル中に含有さ
せることが好ましく、スルホン酸塩基を有する化合物と
しては、例えばスルホイソフタル酸、スルホテレフタル
酸、スルホナフタレン−2,6−ジカルボン酸およびそ
のエステル形成性誘導体などの金属塩があり、金属塩の
金属としてはナトリウム、リチウム、カリウム、マグネ
シウムなどが好適に挙げられる。なかでも5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸を用いることが好ましい。スルホ
ン酸基を有する化合物の酸成分中の含有量は、好ましく
は0.1〜30モル%の範囲、さらに好ましくは0.1
〜15モル%の範囲である。この量が0.1モル%より
少ないと水溶解性または分散性が不十分となり、30モ
ル%より多いと熱可塑性樹脂を製造した際の熱安定性に
劣る。かかる水性ポリエステルは分子内に官能基を有す
る自己架橋型とすることができるし、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂のような硬化剤を用いて架橋することもでき
る。
【0027】本発明において無機粒子の水性ポリエステ
ルによる表面処理方法に特に制限はないが、例えば水性
ポリエステルを媒体に溶解および/または微分散化して
後、該無機粒子を混合しスラリー化する方法が簡易で好
ましい。
【0028】その際使用される水性ポリエステルの媒体
としては、特に制限はなく公知の媒体が使用できるが、
安全性の観点より、水および/または水と有機溶媒の混
合液体が好ましい。該混合液体での有機溶媒としては前
述の水性ポリエステルを溶解する有機溶媒が好ましく、
有機溶媒の含有量は水性ポリエステル液全体に対して3
重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下が好まし
い。水性ポリエステルを主成分とした水性液を調製する
方法に、特に制限はなく一般的に公知の方法を用いるこ
とができる。例えば水性ポリエステルを加温された水に
添加し、撹拌しながら溶解させる方法、あるいは水性ポ
リエステルを20℃で1リットルの水に対する溶解度が
20g以上でかつ沸点が100℃以下、または100℃
以下で水と共沸する親水性の有機溶媒に溶解する。この
有機溶媒としてはジオキサン、アセトン、テトラヒドロ
フラン、メチルエチルケトン等を例示することができ
る。かかる溶液には水性ポリエステルの可溶化および/
または微分散化を促進するため、さらに少量の界面活性
剤を添加することができる。該溶液に撹拌下好ましくは
加温高速撹拌下で水を添加し水性体とする。また撹拌下
の水に前述の溶液を添加する方法においても水性体とす
ることができる。得られた水性体から有機溶媒を分離、
除去する。例えば常圧または減圧下で親水性の有機溶媒
を除去すると目的の水性ポリエステル液が得られる。
【0029】上記の界面活性剤としては公知のものを使
用することができる。例えばポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスル
ホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アンモニ
ウムクロリド、アルキルアミン塩酸塩、ドデシルゲンゼ
ンスルホン酸ソーダ塩等を挙げることができる。
【0030】該無機粒子をスラリー化する手法について
は特に制限はないが、粉砕または解砕、さらに分級処理
を加えてもよいし、分級処理後に粉砕、解砕してもよ
い。あるいは該無機粒子を乾式にて粉砕または解砕およ
び/または分級処理した後、前述の水性ポリエステル液
でスラリー化してもよい。あるいは乾式と湿式の方法を
適時組み合わせてもよい。例えば乾式で粉砕した後にス
ラリー化して、湿式で分級処理してもよいし、乾式で解
砕および/または分級処理した後に湿式で粉砕処理して
もよい。
【0031】また均一なスラリーを得るために、本発明
の効果を損なわない範囲で、分散剤、消泡剤などを添加
してもよい。具体的にはポリスチレンスルホン酸ナトリ
ウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ビニル化合物とカル
ボン酸系単量体との共重合の塩、ポリアクリル酸部分ア
ルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、アンモニ
ア、各種のアンモニア塩、カセイソーダ、ヘキサメタリ
ン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなどの各種のナ
トリウム塩、テトラエチルアンモニウムクロライド、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチル
ホスホニウムブロマイドなどのオニウム化合物、消泡性
シリコーンなどを例示することができる。
【0032】水性ポリエステル液によるスラリー濃度
(液中の水性ポリエステルと無機粒子のトータル量)は
5〜50重量%の範囲が好ましく、10〜40重量%の
範囲がさらに好ましい。この量が5重量%以下では、熱
可塑性樹脂製造時に添加する液体量が多くなり好ましく
ない。また50重量%以上ではスラリー化に際し粘度が
高くなり作業性が低下する。
【0033】前述した水性ポリエステルで表面処理され
た無機粒子の分散液を調製するために使用する媒体とし
ては、水および/または沸点が該熱可塑性樹脂の融点未
満の不活性有機溶媒を使用する必要がある。中でも、
水、メタノール、エタノール、エチレングリコール等が
経済面、取り扱い性の上から好ましく、これらの混合媒
体でも良い。特に、水は安全性の面から最も好ましい媒
体である。
【0034】次に本発明において、無機粒子をケイ素含
有有機化合物により表面処理する方法について説明す
る。このケイ素含有有機化合物により表面処理する粒子
は、前述した無機粒子であることができるが、とりわけ
シリカ粒子であることが好適である。従ってこのケイ素
含有有機化合物の表面処理においては、シリカ粒子を表
面処理する場合について説明する。
【0035】シリカ粒子をケイ素含有有機化合物で表面
処理する場合、処理後のシリカ粉体表面のシラノール基
数は少ない程よく、シラノール基数Aが2μmol/m
2以下であることが好ましく、特に好ましくは1.5μ
mol/m2以下である。シラノール基数Aが2μmo
l/m2を超えるとシリカ表面の処理不足のために、シ
リカ粒子が凝集を起こし、フィルム中での分散性が悪化
する。
【0036】ここで、シラノール基数A=(シリカ粒子
表面のシラノール基数μmol/g)/(粒子の比表面
積g/m2)である。
【0037】シリカ粒子表面のシラノール基数はトリメ
チルアミンを用いて滴定を行うことにより求める。トリ
メチルアミンのような、かさ高い3級アミンは、そのか
さ高さゆえにシリカ粒子の細孔中のシラノール基とは反
応しにくく、シリカ粒子間の相互作用に関与し、粒子表
面のシラノール基のみについての評価が可能である。
【0038】シリカ粒子の処理に使用できるケイ素含有
有機化合物は、シリカ表面のシラノール基と結合できる
官能基をケイ素含有有機化合物の末端に持ち、かつ疎水
性基を有する物であればよい。このような化合物として
は、アルキルシラン化合物が好ましい。シリカ表面の処
理に好ましく用いられるアルキルシラン化合物として
は、ハロゲノシラン類、アルキルジシラザン類、アルコ
キシシラン類、などが例示できる。さらに具体的な例を
挙げると、ハロゲノシラン類としては、モノメチルクロ
ロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロ
シラン等が例示できる。アルキルジシラザン類として
は、ヘキサメチルジシラザンが例示できる。また、アル
コキシシラン類としては、トリメチルメトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン等が例示できる。しかし、取
り扱い上の簡便さから、トリメチルメトキシシランが特
に好ましい。
【0039】表面処理したシリカ粒子に対して分散剤を
使用することができる。かかる分散剤としては、極性部
分と非極性部分を同一分子内に持ち、その後の加工工
程、加工製品に悪影響を与えるものでなければ、特に限
定されることなく使用することができる。極性部分と非
極性部分を同一分子内に持つ化合物としては、いわゆる
界面活性剤などが例示できる。例えば、アルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、アルキ
ルリン酸ナトリウム、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルなどの、一般的に分散
剤や界面活性剤で使用されているものであれば使用する
ことができるが、特に、アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、コハク酸ナトリウム等の、スルホン酸塩化合
物および/またはカルボン酸塩化合物が好ましい。
【0040】前記分散剤の量は、好ましくは0.01〜
100重量%(対シリカ粒子)であり、特に好ましくは
0.1〜50重量%である。分散剤の使用量が0.01
重量%未満の場合には、シリカ粒子を十分に極性媒体に
分散させることができなくなってしまう。一方、分散剤
を100重量%を超える量用いるのは過剰使用であり、
経済的に好ましくない。
【0041】表面処理したシリカ粒子の分散液を調製す
るために使用する媒体は、水および/または沸点が該熱
可塑性樹脂の融点未満の不活性有機媒体である。中で
も、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール
等が経済面、取り扱い性の上から好ましく、これらの混
合媒体でも良い。特に、水は安全性の面から最も好まし
い媒体である。
【0042】次に本発明における熱可塑性樹脂組成物の
製造方法について説明する。前述した水性ポリエステル
で表面処理された無機粒子あるいはケイ素含有有機化合
物で表面処理されたシリカ粒子は、熱可塑性樹脂に対し
て分散性が極めて優れている。従ってこれら粒子は、水
および/または不活性有機媒体に分散させた分散液とし
てベント式2軸混練押出機を用いて組成物を得ることが
できる。
【0043】本発明において、ベント式2軸混練押出機
に無機粒子を含む分散液を供給する方法は、効率よく、
安全で、定量性があり、かつ分散性に影響を与えなけれ
ば特に限定はされないが、水および/または沸点が該熱
可塑性樹脂の融点未満の有機化合物を除去するため、ベ
ント孔の少なくとも一つは減圧下に保持する必要があ
る。その際のベント孔の減圧度は13,300Pa以下
に保持することが好ましく、6,700Pa以下がより
好ましく、4,000Pa以下がさらに好ましい。
【0044】本発明において、ベント式2軸混練押出機
および混練条件については、剪断応力を一定の範囲に制
御することが好ましく、これは混練時の剪断速度領域に
おいて該熱可塑性樹脂の溶融粘度により制御することが
できる。その際の該熱可塑性樹脂の溶融粘度は10〜
1,000Pa・Sであることが好ましく、50〜50
0Pa・Sであることがより好ましい。溶融粘度が10
Pa・Sに満たない場合、添加した無機粒子の分散性が
不十分となる。一方、1,000Pa・Sを超えた場
合、添加した無機粒子が解砕され、粒子サイズが低下し
てしまう。
【0045】本発明の方法によれば、熱可塑性樹脂中に
無機粒子を均一、高濃度に含有させることができる。従
って、無機粒子を高濃度に分散含有した熱可塑性樹脂組
成物を製造し、該組成物を実質的に粒子を含まない熱可
塑性樹脂で希釈して使用することもできる。さらに、得
られた熱可塑性樹脂組成物中の無機粒子は凝集すること
なく、均一に分散しており、従って、該組成物を延伸フ
ィルムにした場合には、粗大突起のない均一な凹凸表面
が得られ、易滑性、耐摩耗性に優れたフィルムが得られ
る。さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物は2種以上の
無機粒子を含んでいてもよい。本発明により得られる熱
可塑性樹脂組成物はそれ自体公知の方法により単層、複
層いずれのフィルムの製造にも使用することができる。
【0046】本発明において、無機粒子を含有する熱可
塑性組成物により製造されるフィルムは摩擦係数が1.
0以下である必要がある。摩擦係数が1.0を超える
と、フィルムを製造しロール状に巻き取りを行う際、滑
り性不足のためにロールにしわが入り巻き取り困難とな
り、生産性が著しく低下するばかりか極端な場合にはそ
の商品価値を失ってしまう。さらに前記熱可塑性組成物
により製造されるフィルムはフィルムヘーズが下記関係
式を満たしている必要がある。フィルムヘーズが下記関
係式を満たさぬ場合には透明性に劣り、包装用途等に用
いる場合には不適切な物となってしまう。
【0047】
【数2】H<0.2T+1.5 (ここで、Hはフィルムヘーズ(%)、Tはフィルム厚
み(μ)である。)
【0048】このフィルムは従来公知の方法により製造
することができる。例えば、ポリエステル単層フィルム
は、ポリエステルをダイから溶融押出し、冷却ドラム上
で急冷して未延伸フィルムを得、ついで該未延伸フィル
ムを縦方向に加熱(例えば、Tg−10〜Tg+70
℃、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)、延伸して
一軸延伸フィルムとし、続いて横方向に加熱(例えば、
Tg〜Tg+70℃)、延伸し、熱固定および/または
熱弛緩することにより得ることができる。この二軸配向
フィルムの厚みは0.5〜150μm、特に1〜100
μmが好ましい。延伸倍率は、用途により異なるが縦延
伸、横延伸倍率共に2〜6倍の範囲とすることが好まし
い。また、熱固定および/または熱弛緩はフィルムの用
途に合わせて、公知の手段、条件を用いることができ
る。
【0049】また、ポリエステル複層フィルムは、2種
のポリエステルを共押出して未延伸複層フィルムを得る
以外は、前記単層フィルムの方法、条件に準じて製造す
ることができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例によって限定されるものではない。なお、実施例
における種々の物性および特性の測定方法、定義は以下
の通りである。 1. 粒子の細孔容積 JIS規格1150−5.2記載の方法により測定す
る。 2.粒子の平均粒径 粒子の粒径の測定は、次の手法にて行う。
【0051】(1)分散液よりの場合 粒子を媒体に分散させた分散液に、エチレングリコール
もしくは水を加えて低濃度の溶液とした後、島津製作所
製レーザー解析装置SALD−2000を用いて、平均
粒子径を測定する。
【0052】(2)フィルム中粒子からの場合 試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定
し、エイコーエンジニアリング(株)製スパッタリング
装置(1B−2型イオンコーター装置)を用いてフィル
ム表面に下記条件にてイオンエッチング処理を施す。条
件は、シリンダージャー内に試料を設置し、7Paの真
空状態まで真空度を上げ、電圧0.90kV、電流5m
Aにて約5分間イオンエッチングを実施する。さらに同
装置にてフィルム表面に金スパッタを施し、走査型電子
顕微鏡にて500〜30,000倍で観察し、面積円相
当の平均粒径を求める。
【0053】3.スラリー性状 水性ポリエステルまたはケイ素含有有機化合物で処理さ
れた無機粉体に、水を添加した際の目視による性状、お
よび二軸混練押出機への定量供給の難易度により判断す
る。 ○:粉体と水が均一になったスラリー性状で二軸混練押
出機への定量供給が容易である。 ×:スラリーの粘度が高く二軸混練押出機の定量供給が
困難である。
【0054】4.分散性 二軸配向フィルムを用い、光学顕微鏡下で、100cm
2当りの、径が10μm以上の粗大粒子(凝集粒子を含
む)を測定し、下記の判定基準による評価を行う。ただ
し、フィルム中の無機粒子の濃度は、ポリエステルに対
して0.06重量%となるように設定する。 判断基準 ○:100個未満 △:100〜1,000(未満)個 ×:1,000個以上
【0055】5.フィルムヘーズ Nihonn精密工業社製POICヘーズメーターSE
T−HS−D1型を用いて測定する。
【0056】6.静摩擦係数 ASTM−D−1894−63に従い、スリップテスタ
ーを用いて静摩擦係数を測定する。
【0057】[実施例1]平均粒径1.7μmの湿式合
成非晶質シリカ粒子に互応化学社製ポリエステルZ−4
65(15重量%水性ポリエステル)を撹拌下に、粒子
重量に対して300%に相当する量を滴下した。ついで
水を添加し5%のシリカ粒子含有水分散液を調整した。
得られた水分散液は均一で良好なスラリー性状のもので
あった。次いで、水分0.4重量%を含有する未乾燥ポ
リエチレンテレフタレートチップを振動式定量フィーダ
より20kg/hrの割合で、ニーディングディスクパ
ドルをスクリュー構成要素として有するベント式同方向
回転噛合型2軸混練押出機に供給し、同時にミルトン式
定量ポンプを用い組成物中の粒子濃度が0.4重量%と
なるように前述の水分散液を添加した。この際、ベント
口の真空度を133Paに設定し、シリンダ温度285
℃にて溶融混練し、押出した。得られたシリカ粒子含有
ポリエステル組成物と粒子を含有しないポリエステルと
を混合し、ポリエステル中の粒子濃度が0.06重量%
となるようにした。混合後のポリエステルを290℃で
溶融押出しし、静電印加キャスト法を用いて表面温度3
5℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し、
厚さ約240μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸
フィルムを95℃で、縦方向に3.1倍、100℃で横
方向に3.1倍に延伸した。その後205℃で熱固定
し、厚さ25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを作
製した。この結果を表1に示す。得られたポリエステル
フィルム中のシリカ粒子の分散性は良好で、透明性が高
く、摩擦係数が低いハンドリング性良好なフィルムを得
ることができた。
【0058】[実施例2〜3および比較例1〜3]シリ
カ粒子の処理に使用するポリエステルの量を表1に示す
ように変更する以外は実施例1と同様に行った。この結
果を併せて表1に示す。
【0059】[比較例4]湿式合成非晶質シリカ粒子の
細孔容積を表1に示すように変更する以外は実施例1と
同様に行った。この結果を併せて表1に示す。
【0060】[実施例4]湿式合成非晶質シリカ粒子の
平均粒子径と細孔容積を表1に示すように変更する以外
は実施例1と同様に行った。この結果を表1に示す。
【0061】[実施例5]使用する無機粒子をカオリン
とする以外は実施例1と同様に行った。この結果を表1
に示す。
【0062】[実施例6]製膜時の未延伸フィルムの厚
みを約21μmに変更し、延伸後の二軸配向ポリエステ
ルフィルムの厚みを2μmとする以外は実施例1と同様
に行った。この結果を表1に示す。
【0063】[実施例7]ベント式同方向回転噛合型2
軸混練押出機に供給するポリエチレンテレフタレートチ
ップをポリエチレン−2,6−ナフタレートチップに変
更し、同押出機のシリンダ温度および製膜時の溶融押出
し温度を305℃、製膜時の未延伸フィルムの厚みを約
21μmに変更し、未延伸フィルムの延伸時の温度を1
30℃、熱固定温度を225℃、延伸後の二軸配向ポリ
エステルフィルムの厚みを2μmへ変更する以外は実施
例1と同様に行った。この結果を表1に示す。
【0064】[実施例8]平均粒径0.12μmの球状
コロイダルシリカ粒子に互応化学社製ポリエステルZ−
465(15重量%水性ポリエステル)を撹拌下に、粒
子重量に対して100%に相当する量を滴下した。つい
で水を添加し10%のシリカ粒子含有水分散液を調製し
た。得られた水分散液は均一で良好なスラリー性状のも
のであった。次いで水分0.4重量%を含有する未乾燥
ポリエチレンテレフタレートチップを振動式定量フィー
ダより20kg/hrの割合で、ニーディングディスク
パドルをスクリュー構成要素として有する、ベント式同
方向回転噛合型2軸混練押出機に供給し、同時にミルト
ン式定量ポンプを用いて、組成物中の粒子濃度が1.0
重量%となるように前述の水分散体を添加した。その後
は実施例1で得た湿式合成非晶質シリカ含有マスターポ
リマーと球状コロイダルシリカ含有マスターポリマーと
粒子を含有しないポリエステルとを混合し、ポリエステ
ル中の粒子濃度が湿式合成非晶質シリカが0.03重量
%、球状コロイダルシリカが0.03重量%となるよう
にした。その後は実施例1と同様に行った。この結果を
表1に示す。
【0065】[実施例9]平均粒径0.21μmのアル
ミナ(結晶形態はθ型)に互応化学社製ポリエステルZ
−465(15重量%水性ポリエステル)を撹拌下に、
粒子重量に対して100%に相当する量を滴下した。つ
いで水を添加し10%のシリカ粒子含有水分散液を調製
した。得られた水分散液は均一で良好なスラリー性状の
ものであった。次いで水分0.4重量%を含有する未乾
燥ポリエチレンテレフタレートチップを振動式定量フィ
ーダより20kg/hrの割合で、ニーディングディス
クパドルをスクリュー構成要素として有する、ベント式
同方向回転噛合型2軸混練押出機に供給し、同時にミル
トン式定量ポンプを用いて、組成物中の粒子濃度が0.
4重量%となるように前述の水分散体を添加した。その
後は実施例1で得た湿式合成非晶質シリカ含有マスター
ポリマーとアルミナ含有マスターポリマーと粒子を含有
しないポリエステルとを混合し、ポリエステル中の粒子
濃度が湿式合成非晶質シリカが0.03重量%、アルミ
ナが0.03重量%となるようにした。その後は実施例
1と同様に行った。この結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】[実施例10]平均粒径1.5μm、細孔
容積1.5ml/g、比表面積300m2/gの湿式合
成非晶質シリカ粒子を水に分散させ、撹拌下に、粒子重
量に対して4%に相当するトリメチルメトキシシランを
滴下した。その後、65℃まで加温し、その温度にて1
時間保持しながら撹拌を行った後放冷した。該反応液
を、減圧蒸留し、続いて2時間真空乾燥を行い、処理シ
リカ粉体を得た。この粉体のシラノール基数を測定した
所、110μmol/gであり、粉体表面上のシラノー
ル基数Aは0.36μmol/m2であった。得られた
粉体にコハク酸ナトリウムを1重量%(対シリカ粒子重
量)、メタノールを100重量%(対シリカ粒子重量)
添加し、撹拌を行いながら水を添加し、10重量%のシ
リカ粒子を含む水−メタノール混合分散液を調製した。
得られた分散液は均一で良好なスラリー性状のものであ
った。次いで、水分0.4重量%を含有する未乾燥ポリ
エチレンテレフタレートチップを振動式定量フィーダよ
り20kg/hrの割合で、ニーディングディスクパド
ルをスクリュー構成要素として有するベント式同方向回
転噛合型2軸混練押出機に供給し、同時にミルトン式定
量ポンプを用い組成物中の粒子濃度が0.4重量%とな
るように前述の水分散液を添加した。この際、ベント口
の真空度を133Paに設定し、シリンダ温度285℃
にて溶融混練し、押出した。得られたシリカ粒子含有ポ
リエステル組成物と粒子を含有しないポリエステルとを
混合し、ポリエステル中の粒子濃度が0.06重量%と
なるようにした。混合後のポリエステルを290℃で溶
融押出しし、静電印加キャスト法を用いて表面温度35
℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し、厚
さ約130μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フ
ィルムを95℃で、縦方向に3.1倍、100℃で横方
向に3.1倍に延伸した。その後200℃で熱固定し、
厚さ14μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを作製し
た。この結果を表2に示す。得られたポリエステルフィ
ルム中のシリカ粉体の分散性は良好で、透明性が高い
が、摩擦係数が高くハンドリング性の良好なフィルムを
得ることができた。
【0068】[実施例11および12]シリカ粒子の細
孔容積を表2に示すように変更する以外は、実施例10
と同様に行った。得られたポリエステルフィルム中のシ
リカ粉体の分散性は良好で、摩擦係数が低くハンドリン
グ性の良好なフィルムを得ることができた。
【0069】[比較例5]ケイ素含有有機化合物による
処理を行わない点以外は、実施例10と同様に行った。
この結果を表2に示す。スラリー性状は良好なるも、フ
ィルム中のシリカ粉体の分散性に劣る結果となった。
【0070】[比較例6]シリカ粉体の細孔容積を表2
に示すように変更する以外は、実施例10と同様に行っ
た。得られたフィルムは実施例10〜12と同様にポリ
エステルフィルム中のシリカ粉体の分散性は良好で、摩
擦係数が低くハンドリング性の良好な物であったが、シ
リカ粉体の製造コストが高く、生産した成型品のコスト
アップにつながってしまうため、工業生産上、特にコス
ト面で好ましくない物であった。
【0071】[比較例7]シリカ粉体の細孔容積を表2
に示すように変更する以外は、実施例10と同様に行っ
た。この結果を併せて表2に示す。得られたポリエステ
ルフィルム中のシリカ粉体の分散性は良好なるも、摩擦
係数が高くハンドリング性に劣る物であった。
【0072】[実施例13]シリカ粉体を疎水化処理す
るケイ素含有有機化合物をn−デシルメトキシシランと
する以外は実施例10と同様に行った。この結果を併せ
て表2に示す。得られたポリエステルフィルム中のシリ
カ粉体の分散性は良好で、摩擦係数が低くハンドリング
性の良好なフィルムを得ることができた。
【0073】[比較例8]シリカ粉体の平均粒径と細孔
容積を表2に示すように変更する以外は、実施例10と
同様に行った。この結果を併せて表2に示す。得られた
ポリエステルフィルム中のシリカ粉体の分散性は良好で
あったが、摩擦係数が極めて高く、測定不可であった。
【0074】[比較例9]シリカ粉体の平均粒径と細孔
容積を表2に示すように変更する以外は、実施例10と
同様に行った。この結果を併せて表2に示す。得られた
ポリエステルフィルム中のシリカ粉体の分散性は良好で
あったが、透明性に劣るフィルムとなった。
【0075】[実施例14]粒径の異なる2種のシリカ
粉体を用い、それぞれの粒径、添加量を表2に示すよう
に変更する以外は実施例10と同様に行った。この結果
を表2に示す。得られたポリエステルフィルム中のシリ
カ粉体の分散性は良好で、透明性が高く、静摩擦係数が
低くハンドリング性に優れたフィルムとなった。
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、無機粒子を熱可塑性樹
脂に容易に添加することができ、得られた熱可塑性樹脂
の粒子の分散性が良好な熱可塑性樹脂組成物、その製造
法およびそれを用いた二軸配向フィルムを提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物
    であって、(i)該無機粒子は細孔容積が0.1〜3m
    l/gであり、かつ(ii)該無機粒子は、その表面が
    無機粒子に対して0.05〜10重量倍の水性ポリエス
    テルで処理されているかまたはケイ素含有有機化合物で
    処理されていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 無機粒子の平均粒径が0.03〜5μm
    である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 無機粒子が熱可塑性樹脂に対して0.0
    1〜10重量%含有されている請求項1記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機粒子の粒度分布のピークが少なくと
    も2つ以上存在する請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 無機粒子がシリカ粒子である請求項1記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂が芳香族ポリエステルであ
    る請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 無機粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物
    であって、(i)該無機粒子は、細孔容積が0.1〜3
    ml/gでありかつ(ii)該無機粒子はその表面が無
    機粒子に対して0.05〜10重量倍の水性ポリエステ
    ルで処理されていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 無機粒子の平均粒径が0.03〜5μm
    である請求項7記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 無機粒子が熱可塑性樹脂に対して0.0
    1〜10重量%含有されている請求項7記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 無機粒子の粒度分布のピークが少なく
    とも2つ以上存在する請求項7記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  11. 【請求項11】 無機粒子がシリカ粒子またはカオリン
    粒子である請求項7記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 熱可塑性樹脂が芳香族ポリエステルで
    ある請求項7記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 水性ポリエステルが水溶性または水分
    散性ポリエステルである請求項7記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  14. 【請求項14】 シリカ粒子を含有する熱可塑性樹脂組
    成物であって、該シリカ粒子は細孔容積が0.1〜3m
    l/gであり、かつ(ii)その表面はケイ素含有有機
    化合物で処理されていることを特徴とする熱可塑性樹脂
    組成物。
  15. 【請求項15】 シリカ粒子の平均粒子が0.03〜5
    μmである請求項14記載の熱可塑性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 シリカ粒子が熱可塑性樹脂に対して
    0.01〜10重量%含有されている請求項14記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 シリカ粒子の粒度分布のピークが少な
    くとも2つ以上存在する請求項14記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  18. 【請求項18】 ケイ素含有有機化合物がアルキルシラ
    ン化合物である請求項14記載の熱可塑性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 熱可塑性樹脂が芳香族ポリエステルで
    ある請求項14記載の熱可塑性樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 ベント式2軸混練押出機を用いて熱可
    塑性樹脂と無機粒子とを混練して熱可塑性樹脂組成物を
    製造する方法において、(i)該無機粒子は細孔容積が
    0.1〜3ml/gであり、かつ(ii)該無機粒子
    は、その表面が無機粒子に対して0.05〜10重量倍
    の水性ポリエステルで処理されているかあるいはケイ素
    含有有機化合物で処理されたものであり、該無機粒子を
    水および/または不活性有機溶媒に分散させた分散液と
    してベント式2軸混練押出機に供給することを特徴とす
    る熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  21. 【請求項21】 無機粒子の平均粒径が0.03〜5μ
    mである請求項20記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 無機粒子を熱可塑性樹脂に対して0.
    01〜10重量%含有させる請求項20記載の熱可塑性
    樹脂組成物の製造方法。
  23. 【請求項23】 無機粒子の粒度分布のピークが少なく
    とも2つ以上存在する請求項20記載の熱可塑性樹脂組
    成物の製造方法。
  24. 【請求項24】 無機粒子がシリカ粒子またはカオリン
    粒子である請求項20記載の熱可塑性樹脂組成物の製造
    方法。
  25. 【請求項25】 熱可塑性樹脂が芳香族ポリエステルで
    ある請求項20記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項1、7または14記載の熱可塑
    性樹脂組成物を使用して得られた、静摩擦係数が1.0
    以下でかつヘーズが下記式を満足する二軸配向フィル
    ム。 【数1】H<0.2T+1.5 (ここでHはフィルムのヘーズ(%)、Tはフィルム厚
    み(μm)を示す)
  27. 【請求項27】 フィルムの厚みが0.5〜150μm
    である請求項26記載の二軸配向フィルム。
  28. 【請求項28】 熱可塑性樹脂が芳香族ポリエステルで
    ある請求項26記載の二軸配向フィルム。
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