JP2000017178A - 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれを用いたフィルム - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれを用いたフィルム

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JP2000017178A
JP2000017178A JP10184020A JP18402098A JP2000017178A JP 2000017178 A JP2000017178 A JP 2000017178A JP 10184020 A JP10184020 A JP 10184020A JP 18402098 A JP18402098 A JP 18402098A JP 2000017178 A JP2000017178 A JP 2000017178A
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thermoplastic resin
film
particles
particle
resin composition
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JP10184020A
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Tomokatsu Ura
僚克 浦
Masahiko Kosuge
雅彦 小菅
Hideyori Kurihara
英資 栗原
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機粒子を熱可塑性樹脂に容易に添加するこ
とができ、得られた熱可塑性樹脂の粒子の分散性が良好
な熱可塑性樹脂組成物、そのの製造方法を提供する。 【解決手段】 無機粒子の外部表面上の水酸基を1価の
アルコール性有機物により処理した粒子を含有すること
を特徴とする熱可塑性樹脂組成物及び、ベント式2軸混
練押出機にて熱可塑性樹脂と該無機粒子を混練すること
を特徴とする該熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成
物、その製造方法及びそれを用いたフィルムに関し、さ
らに詳しくは、粒子の外部表面上を1価のアルコール性
有機物により処理し、該粒子表面上の水酸基数Aを2μ
mol/m2以下とした無機粒子を含有してなる熱可塑
性樹脂組成物、該組成物をベント式2軸混練押出機にて
製造する方法及びそれを用いたフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特にポリエステルは優れ
た物理的、化学的性質を有することから、繊維、フイル
ム、樹脂等の分野で大量に利用されている。一方で、そ
のような成形品を得る成形工程あるいは製品自体を取り
扱う際に易滑性不良による作業性、生産性の悪化、製品
価値の低下といったトラブルが生じることが知られてい
る。
【0003】このような問題に対して、熱可塑性樹脂中
に微粒子を存在せしめて成形品の表面に適度の凹凸を付
与し、易滑性を向上させる方法が提案され、該微粒子と
して例えば、シリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、
タルク、カオリナイトなどの無機粒子が採用されてい
る。中でもシリカは、価格、粒度、ハンドリング等の点
で好ましい無機粒子の一つである。
【0004】シリカをはじめ無機粒子を添加する場合に
は、粗大粒子の混入が間題となる。このような粗大粒子
が存在すると、例えば磁気テープ用フイルムにおいて
は、電磁変換特性を低下させたりドロップアウトを引起
こす原因になったりするなど、重要なフィルム品質を損
なうことになる。
【0005】このような粗大粒子を除去する方法とし
て、一般に、ポリマー合成反応時に添加する場合には、
粒子をスラリー状態あるいは溶液状態とし、粉砕、分級
操作を経て添加されている。しかし、この方法ではスラ
リー化、粉砕、分級操作に多大な費用、作業時間がかか
ること、この操作を行ったとしても、合成反応中に添加
されたのち再擬集を起こし、粗大粒子の混入を避けきれ
ないことなどの問題が生じる。また、一種のマスターポ
リマーから多品種の付加価値を付与したポリマーを製造
するときに、重合反応時に添加していたのでは、その銘
柄の切替により大量のロスを生じる。
【0006】そこで、単軸押出機や2軸混練機を用いて
粉体状粒子をポリエステルに混練する方法(特開平1−
157806号公報)や、粒子をスラリー状態あるいは
溶液状態とし添加・混練する方法(特開平6−9163
5号公報)などが提案された。
【0007】しかしながら、本発明者らの検討によれ
ば、これらの方法を、比表面積が大きく、粒子表面上に
水酸基が多数存在する凝集性の高い無機粒子に適用した
場合、剪断応力が不足した場合には、凝集や粗大粒子の
解砕不足のため樹脂中の粒子の分散性が悪くなってしま
い、逆に剪断応力が高すぎた場合には、粒子が解砕され
すぎて粒子サイズが低下し、本来の目的である易滑性等
を損なってしまう。
【0008】また、シリカ粒子の表面にグリコールをグ
ラフト化処理した粒子を含有するポリエステル組成物
(特公平7−64970号公報)も提案されているが、
該提案の特徴は、シリカ粒子表面上にグリコール成分を
グラフト化しポリエステルとの界面親和性を向上させる
ところに特徴がある。
【0009】しかし、この条件で処理したシリカ粒子を
用いて、粒子をスラリー状態あるいは溶液状態とし2軸
混練押出機を用いて添加・混練し熱可塑性樹脂を製造す
る場合、粒子分散性は満足のできるレベルではなかっ
た。
【0010】本発明者らはこの問題を解消すべく鋭意検
討した結果、粒子分散性の改善には、粒子間相互作用が
難しい粒子内細孔中の水酸基はあまり関与せず、粒子間
相互作用が容易な粒子の外部表面部分の水酸基処理のみ
関与すること、粒子表面上の水酸基の低減にはアルコー
ル性有機物の表面処理が有効であることを知見し、本発
明に到達した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無機
粒子を熱可塑性樹脂に容易に添加することができ、添加
した粒子の分散性が良好な熱可塑性樹脂組成物を提供す
ることにある。
【0012】本発明の他の目的は、従来採用されている
粒子の添加方法の欠点を改良し、特に透明性、易滑性及
びフイルム表面の均一性に優れた熱可塑性樹脂フイルム
を得るための熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供する
ことにある。
【0013】本発明の他の目的は、粒子の分散性、さら
には透明性、易滑性及びフイルム表面の均一性に優れた
熱可塑性樹脂フイルムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1) 粒子の外部表面を1価のアルコール性有機物で
処理し、該表面の下記式で示す水酸基数Aを2μmol
/m2以下とした無機粒子を含有してなる熱可塑性樹脂
組成物。 水酸基数A=(粒子表面上の水酸基数[μmol/g])
/(粒子の比表面積[g/m2])
【0015】(2) ベント式2軸混練押出機にて熱可
塑性樹脂と無機粒子を混練して熱可塑性樹脂組成物を製
造する方法において、該無機粒子として上記(1)記載
の水酸基数Aが2μmol/m2以下の無機粒子を用
い、これを水及び/又は沸点が該熱可塑性樹脂の融点未
満である有機化合物に分散させてベント式2軸混練押出
機に供給することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製
造方法。である。
【0016】本発明における熱可塑性樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステ
ルなどがあげられる。中でもポリエステルが好ましい。
【0017】このポリエステルには、芳香族ジカルボン
酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリ
コール成分とする芳香族ポリエステルが特に好ましい。
【0018】この芳香族ジカルボン酸としては、テレフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−
ジフェニルジカルボン酸等を例示することができ、中で
もテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ま
しい。また、この脂肪族グリコールとしては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を例示する
ことができ、中でもエチレングリコールが好ましい。
【0019】本発明におけるポリエステルは上記の芳香
族ジカルボン酸成分と脂肪族グリコール成分からなるホ
モポリマーが好ましいが、その特徴が損なわれない範囲
で少量の第三成分が共重合したコポリマーであることも
できる。この第三成分としては、例えば主たる構成成分
がエチレンテレフタレートである場合、脂肪族ジオール
成分としては、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオ
ール、またカルボン酸成分としては、コハク酸、アジピ
ン酸、セパシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸などのジカルボン酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸などの多官能多価カルボン酸など
を例示できる。また、主たる構成成分がエチレンー2,6
−ナフタレートである場合、上記と同じ第三成分(ただ
し2,6−ナフタレンジカルボン酸をテレフタル酸とす
る)を挙げることができる。
【0020】本発明における熱可塑性樹脂は、従来から
知られている方法又は当業界に蓄積されている方法で効
率よく製造できる方法であれば特に限定はされない。そ
の際、必要に応じ触媒や安定剤を用いることができ、ま
た他の添加剤を添加することができる。
【0021】さらに、本発明の熱可塑性樹脂にはその製
造時に用いられる金属系触媒、例えばリチウム、ナトリ
ウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、ア
ンチモン、ゲルマニウム、チタンなどの化合物、安定剤
としてのリン化合物などを含有していてもよい。
【0022】本発明において、1価のアルコール性有機
物で処理される無機粒子は、粒径、製造方法、形状など
特に制限はないが、その表面に多くの水酸基を持ち比表
面積の比較的大きな無機粒子を用いる場合には効果が大
きい。
【0023】本発明において使用できる無機粒子として
は、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、カオリ
ナイト、タルクなどの金属酸化物をあげることができ
る。特に、その表面に多くの水酸基を持ち比表面積の比
較的大きな湿式法で製造された非晶質シリカを用いる場
合には、大きな効果を得ることができる。
【0024】本発明において、無機粒子の外部表面上の
水酸基数は少ないほどよく、その為に該粒子の水酸基を
1価のアルコール性有機物と結合させ、粒子表面上の水
酸基数Aを2μmol/m2以下とする必要がある。特
に好ましくは、1.5μmol/m2以下である。 ただし、水酸基数A=(粒子表面上の水酸基数[μmo
l/g])/(粒子の比表面積[g/m2])である。
【0025】粒子外部表面上の水酸基数Aが2μmol
/m2を超えてしまう場合には、粒子間での水酸基の縮
合反応を起こす可能性が増大し、凝集粒子が発生しやす
くなってしまう。ここで、粒子表面上の水酸基数A[μ
mol/g]は、かさ高いアミンを用いて滴定した値で
ある。かさ高いアミンとしては、例えばトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン等があげられる。中でもトリエチ
ルアミンが好ましい。
【0026】かさ高いアミンは、そのかさ高さゆえ、粒
子内の細孔中の水酸基とは反応しにくいため、粒子間相
互作用の可能な水酸基についての評価が可能である。
【0027】本発明において、使用することのできる1
価のアルコール性有機物は、無機粒子表面の水酸基と結
合が可能な、アルコール性水酸基1つをその分子内に持
つものであれば使用できる。例えば、メタノール、エタ
ノール、ブタノール、イソプロパノール、t−ブチルア
ルコールなどが使用できる。表面処理後の無機粒子の分
散液中の分散性や、熱可塑性樹脂中の分散性及び界面の
相互作用等を考慮すると、メタノールが好ましい。
【0028】本発明において、無機粒子の分散液を調製
する際には、該無機粒子は予めその外部表面が1価のア
ルコール性有機物により処理され、該水酸基がアルコー
ル化合物と結合していることが好ましい。もっとも、水
酸基とアルコール性有機物の結合は、水の存在下におい
て加水分解を受けやすい為、熱可塑性樹脂中に該無機粒
子が添加されベント式2軸混練押出し機で混練されてい
るときに、表面上のアルコール性有機物の一部が脱離し
てくることもあるが、添加時の粒子分散が良好であれ
ば、凝集もなくポリマー中に分散が可能である。ただ
し、この離脱は粒子表面上の水酸基数Aが2μmol/
2以下、さらには1.5μmol/m2以下の範囲内に
あるようにするのが好ましい。
【0029】本発明において、無機粒子を1価のアルコ
ール性有機物で処理する方法としては、水酸基とアルコ
ール性水酸基が反応し結合ができる条件であれば特に限
定はされないが、簡便さなどを考慮した場合には、無機
粒子を1価のアルコール性有機物に分散させ、オートク
レーブ中撹拌下に、該アルコール性有機物の臨界圧及び
臨界温度で加熱処理する方法が好ましい。
【0030】本発明において無機粒子の熱可塑性樹脂に
対する添加量は0.01〜10重量%(対熱可塑性樹
脂)であり、好ましくは0.01〜5重量%である。こ
の量が10重量%を超えると、十分な分散性が得られな
い。また、この分散を促すべく剪断応力を増大させる
と、粒子が解砕されてしまい、粒子サイズが低下してし
まう。逆に0.01重量%未満であると、粒子添加の効
果が十分に発現しない。本発明に使用する分散液の媒体
としては、上記有機物で表面処理を行った無機粒子を分
散し、スラリ一化可能なものであればよく、特に限定さ
れるものではない。たとえば、水、沸点200℃以下の
液体等の公知の媒体の殆ど全てを使用することができ
る。中でも、水、メタノーノ、エタノール、エチレング
リコール等が経済面、取り扱い性の上から好ましい。特
に、水は安全性の面から最も好ましい媒体である。
【0031】この分散媒体は、必要に応じて、アルキル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、
アルキルリン酸ナトリウム、ポリカルボン酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの、一般
的に分散剤や界面活性剤で使用されているものと併用し
てもかまわない。
【0032】本発明において、ベント式2軸混練押出機
に表面処理無機粒子を含む分散液を供給する方法は、効
率よく、安全に、定量性があり、かつ分散性に影響を与
えなければ特に限定はされない。例えば、ベント式2軸
混練押出機において、熱可塑性樹脂が該押出機に供給さ
れた直後に、表面処理無機粒子を含む分散剤を、ミルト
ンポンプ等を用い、大気圧下に該押出機に供給する方法
があげられる。
【0033】本発明において、ベント式2軸混練押出機
及び混練条件については、効率よく、安全に混練押出し
を行うことができれば、特に限定されるものではない
が、水および/又は沸点が該熱可塑性樹脂の融点未満の
有機化合物を除去するため、ベント孔の少なくとも一つ
は減圧下に保持する方が望ましい。ベント孔の減圧度は
100Torr以下に保持することが好ましく、50T
orr以下がより好ましく、30Torr以下が更に好
ましい。
【0034】ベント式2軸混練押出機の混練条件につい
ては、剪断応力を一定の範囲に制御するこのが好まし
く、これは混練時の剪断速度領域において該熱可塑性樹
脂の溶融粘度により制御することで得られる。その際の
該熱可塑性樹脂の溶融粘度は100〜10000Poi
seであることが好ましく、500〜5000Pois
eであることがより好ましい。溶融粘度が100Poi
seに満たない場合、添加した無機粒子の分散性が不十
分となる。また、10000Poiseを超えた場合、
添加した無機粒子が解砕されて粒子サイズが低下してし
まう。
【0035】本発明の方法によれば、熱可塑性樹脂中に
無機粒子を均一、高濃度に含有させることができる。従
って、無機粒子を高濃度に分散含有した熱可塑性樹脂組
成物を製造し、該組成物を実質的に粒子を含まない熱可
塑性樹脂で希釈して使用することもできる。
【0036】さらに、得られた熱可塑性樹脂組成物中の
無機粒子は凝集することなく、均一に分散しており、従
って、該組成物を延伸フィルムにした場合には、粗大突
起のない均一な凹凸表面が得られ、易滑性、耐藤耗性に
優れたフィルムが得られる。
【0037】本発明により得られる熱可塑性樹脂組成物
は単層、複層いずれのフィルムの製造にも使用すること
ができ、これらのフィルムは従来公知の方法により製造
する事ができる。本発明において、前記熱可塑性樹脂、
特にポリエステル組成物からなるフィルムは、フィルム
ヘーズが2%以下であることを特徴とする。
【0038】例えば、ポリエステル単層フィルムは、ポ
リエステルをダイから溶融押出し、冷却ドラム上で急冷
して未延伸フィルムを得、ついで該未延伸フィルムを縦
方向に加熱(たとえば、Tg−10〜Tg+70℃、T
g:ポリエステルのガラス転移温度)、延伸して一軸延
伸フィルムとし、続いて横方向に加熱(たとえば、Tg
〜Tg+70℃)、延伸し、熱固定および/または熱弛
緩することにより得ることができる。この2軸延伸フィ
ルムの厚みは1〜150μm、特に2〜100μmが好ま
しい。延伸倍率は、用途により異なるが縦延伸、横延伸
倍率共に2〜6倍の範囲とすることが好ましい。また、
熱固定および/または熱弛緩はフィルムの用途に合わせ
て、公知の手段、条件を用いることができる。
【0039】また、ポリエステル複層フィルムは、2種
のポリエステルを共押出して未延伸複層フィルムを得る
以外は、前記単層フィルムの方法、条件に準じて製造す
ることが出来る。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例によって限定されるものではない。なお、実施例に
おける種々の物性および特性の測定方法、定義は以下の
通りである。
【0041】(1)粒子表面上の水酸基数 無機粒子を、120℃、6h真空乾燥した後、トルエン
溶媒中トリエチルアミンを用いて滴定を行う。
【0042】(2)粒子の比表面積 粒子を粉体の状態で、ユアサアイオニクス(株)製オー
トソーブ1型を用い窒素ガス吸着法(BET法)を用い
て測定する。
【0043】(3)粒子の平均粒径 粒子の粒径の測定は、次の手法にて行う。 1)分散液より求める場合 2)フィルム中拉子から求める場合
【0044】1)分散液よりの場合 無機粒子を媒体に分散させた分散液に、エチレングリコ
ールもしくは水を加えて低濃度の溶液とした後、島津製
作所製レーザー解析装置SALD−2000を用いて、
平均粒子径を測定する。
【0045】2)フィルム中粒子からの場合 試料フィルム小片を走査型電子務徴鏡用試料台に固定
し、エイコーエンジニアリング(株)製スバッターリン
グ装置(1B−2型イオンコーター装置)を用いてフイ
ルム表面に下記条件にてイオンエッチング処理を施す。
【0046】条件は、シリンダージャー内に試料を設置
し、約5×10-2To r rの真空状態まで其空度を上げ、
電圧0.90kV、電流5mAにて約5分間イオンエッチン
グを実施する。更に同装置にてフイルム表面に金スパッ
ターを施し、走査型電子縮微鏡にて20000〜300
00倍で観察し、1)と同様に面積円相当の平均粒径を
求める。
【0047】(4)分散性 二軸配向フィルムを用い、光学顕微鏡下で、100cm
2当りの、径が10μm以上の粗大粒子(凝集粒子)を
測定し、下記の判定基準による評価を行う。ただし、フ
イルム中の無機粒子の濃度は、ポリエステルに対して
0.06重量%となるように設定する。 [判断基準] ○:100個未満 △:100〜1000(未満)個 ×:1000個以上
【0048】(5)フィルムの摩擦係数各実施例で得ら
れたフィルムを、東洋テスター工業製摩擦係数測定器を
用いて て静摩擦係数、動摩擦係数を測定する。
【0049】(6)フィルムヘーズ 各実施例で得られたフィルムを、日本精密工業株式会社
製POICヘーズメーター SET−HS−D1型を用
いてて表面ヘーズを測定する。
【0050】[実施例1]比表面積300m2/gの湿
式合成非晶質シリカ粒子100gをメタノール1000
gを3Lの撹拌機付きオートクレーブに入れ、反応温度
を240℃、反応圧力を8MPaに保ちながら、8時間
撹拌を行った後放冷した。
【0051】該反応液を、減圧蒸留し、続いて2時間真
空乾燥を行い、処理シリカ粉体を得た。
【0052】この粉体の水酸基数を測定した所、400
μmol/gであり、粉体表面上の水酸基数Aは1.3
μmol/m2であった。
【0053】得られた粉体に水を添加し、10%のシリ
カ粒子含有水分散液を調整した。
【0054】水分0.4重量%を含有する未乾燥ポリエ
チレンテレフタレートチップを振動式定量フイーダより
12kg/hの割合で、ニーディングディスクパドルを
スクリュー構成要素として有するペントタイプ同方向回
転噛合型2軸混練押出機に供給し、同時にミルトン式定
量ポンプを用い組成物中の粒子濃度が0.4重量%とな
るように前述の水分散液を添加した。さらに、分散液添
加の後振動式定量フイーダより8kg/hの割合で水分
0.4重量%を含有する未乾燥ポリエチレンテレフタレ
ートチップを供給した。この際、ベント口の真空度を1
Torrに設定し、シリンダ温度285℃にて溶融混練
し、押出しペレット化した。
【0055】得られたシリカ粒子含有ポリエステル組成
物と粒子を含有しないポリエステルとを用いて、フイル
ム中の粒子濃度が0.06重量%、厚さ約240μmの
未延伸フイルムを常法により製造したのち、通常の逐次
二軸延伸法により3.1×3.1倍に延伸して、二軸配
向ポリエステルフイルムを作製した。この結果は表1に
示した。得られたポリエステルフイルム中のシリカ粒子
の分散性は良好で、透明性の高いフィルムを得ることが
できた。
【0056】[実施例2〜4]表面処理剤とその濃度、
を表1に示すように変える以外は、実施例1と同様に行
った。結果をあわせて表1にまとめた。
【0057】[比較例1]表面処理を行わない比表面積
300m2の湿式合成非晶質シリカ粒子を用いて、実施
例1と同様に行った。得られたフィルムは目標の品質を
満足するものではなかった。
【0058】[比較例2]表面処理後の水酸基数を、表
1に示すように変える以外は、実施例1と同様に行っ
た。
【0059】かくして得られたポリエステルフィルムに
つき、粒子の分散性、フィルムの摩擦係数、フィルムの
表面ヘーズの特性を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1の結果から明らかなように、本発明の
効果は優れたものであった。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、無機粒子を熱可塑性樹
脂に容易に添加することができ、得られた熱可塑性樹脂
の粒子の分散性が良好な熱可塑性樹脂組成物を製造する
ことができる。
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月23日(1999.2.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本発明におけるポリエステルは上記の芳香
族ジカルボン酸成分と脂肪族グリコール成分からなるホ
モポリマーが好ましいが、その特徴が損なわれない範囲
で少量の第三成分が共重合したコポリマーであることも
できる。この第三成分としては、例えば主たる構成成分
がエチレンテレフタレートである場合、脂肪族ジオール
成分としては、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオ
ール、またカルボン酸成分としては、コハク酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸などのジカルボン酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸などの多官能多価カルボン酸など
を例示できる。また、主たる構成成分がエチレンー2,6
−ナフタレートである場合、上記と同じ第三成分(ただ
し2,6−ナフタレンジカルボン酸をテレフタル酸とす
る)を挙げることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】(6)フィルムヘーズ 各実施例で得られたフィルムを、日本精密工業株式会社
製POICヘーズメーター SET−HS−D1型を用
てヘーズを測定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】かくして得られたポリエステルフィルムに
つき、粒子の分散性、フィルムの摩擦係数、フィルム
ーズの特性を表1に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 B29L 7:00 (72)発明者 栗原 英資 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA43 AA46 AB01 AB26 AC05A AD02 AE19A AF28 AF30Y AH14 BA01 BB06 BB08 BC01 4F207 AA24 AB08 AB16 AB17 AC01 AD24 AD33 AG01 AH38 KA01 KE30 KF02 4J002 BB031 BB121 CF051 CF061 CF091 CL001 DJ016 EC037 FB086

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子の外部表面を1価のアルコール性有
    機物で処理し、該表面の下記式で示す水酸基数Aを2μ
    mol/m2以下とした無機粒子を含有してなる熱可塑
    性樹脂組成物。 水酸基数A=(粒子表面上の水酸基数[μmol/g])
    /(粒子の比表面積[g/m2]) である。
  2. 【請求項2】 無機粒子がシリカである請求項1に記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 1価のアルコール性有機物がメタノール
    である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂がポリエステルである請求
    項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ベント式2軸混練押出機にて熱可塑性樹
    脂と無機粒子を混練して熱可塑性樹脂組成物を製造する
    方法において、該無機粒子として請求項1記載の水酸基
    数Aが2μmol/m2以下の無機粒子を用い、これを
    水及び/又は沸点が該熱可塑性樹脂の融点未満である有
    機化合物に分散させてベント式2軸混練押出機に供給す
    ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂がポリエステルである請求
    項5に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載のポリエステル組成物か
    らなり、フィルムヘーズが2%以下であることを特徴と
    するフィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002173579A (ja) * 2000-12-04 2002-06-21 Toyo Ink Mfg Co Ltd 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物
JP2011179963A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Nec Corp 半導体検査用プローブカードおよびその製造方法

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