JP3820139B2 - ポリエステル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステル樹脂組成物の製造方法に関する。さらに詳しくは、フィルムに好適なポリエステル樹脂に無機粒子を均一に分散できるポリエステル樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂は優れた物理的および化学的性質を有することから、繊維、樹脂、フィルムなどに大量に使用されている。フィルムのような成形品とする場合、取扱い性を高めるためにシリカ、アルミナ、カオリン、二酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機粒子を滑剤としてポリエステル樹脂に含有させ、加工後のフィルム表面に凹凸が付与することが望まれる。
【0003】
ところで、これらの無機粒子は、その製造過程で生じた粗大粒子や、ポリエステル樹脂への分散不良によって生じた凝集粗大粒子などを少なからず含んでいる。そして、この粗大粒子の存在は、平坦性があまり要求されない用途ではさほど問題とされないが、極めて高度の平坦性が要求される磁気用テープなどでは、電磁変換特性の低下やドロップアウトなど、得られるフィルムの商品的価値を著しく低下させる。
【0004】
このような粗大粒子の混入を抑制する手段としては、分散スラリー化、分級、濾過などによって元々含まれていた粗大粒子を取り除いた無機粒子を、溶液重縮合反応系に加えてポリエステル樹脂を製造する方法が提案されている。しかしながら、この方法は、各工程の単位操作に多大な時間と労力が必要であり、また反応系に添加された後に無機粒子が再凝集を起こすことで発生する凝集粗大粒子の問題は依然として潜在している。
【0005】
また、反応系へ添加する以外の方法としては、単軸や二軸の混錬押し出し機を用いて、重縮合反応により得られたポリエステル樹脂に、直接無機粒子を混錬分散させる方法(特開平1−157806号公報)がある。そして、この方法での無機粒子の分散性を向上させるために、添加する粒子を媒体に分散させたスラリー状態とすることが、特開平6−91635公報で提案されている。この方法によれば、反応系に添加するのに比べ、極めて簡便に無機粒子を分散させることができる。しかしながら、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂といった比較的高融点の樹脂に用いる場合、溶融混錬時の温度が250℃を超えるような高温であることから、スラリー化した粒子を添加した際にヒートショックによって無機粒子の再凝集が発生し、これらの樹脂では未だ満足できるものではなかった。
【0006】
そのため、粗大粒子を存在させることなく無機粒子を均一にかつ簡便に分散させるポリエステル樹脂組成物の製造方法は、未だ提供されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述の問題を解消し、簡便にかつ粗大粒子を存在させることなく無機粒子を均一に分散させるポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決しようとポリエステル樹脂組成物の製造方法について鋭意研究した結果、混練押出し機を用いる無機粒子の添加方法において、無機粒子のほかにポリエステル樹脂組成物の微粉末を一緒に添加することで、凝集粒子の発生を抑制しつつ、粒子の分散性を飛躍的に向上できることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
かくして本発明によれば、本発明の目的は、ポリエステル樹脂を加熱して溶融状態にする第1の工程、溶融状態のポリエステル樹脂に無機粒子を添加する第2の工程および溶融状態のポリエステル樹脂と無機粒子とを混練する第3の工程からなり、16メッシュ以上のJIS標準ふるいを通過するポリエステル樹脂粉末を無機粒子と同時に添加するポリエステル樹脂組成物の製造方法によって達成される。
【0010】
また、本発明によれば、本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法の好ましい態様として、ポリエステル樹脂粉末の添加量が、無機粒子の重量を基準として、50重量%以上であること、無機粒子が、シリカ、アルミナ、酸化チタンおよびそれらの複合酸化物粒子からなる群より選ばれた少なくとも一種であること、無機粒子の平均粒径が、0.03〜10μmの範囲にあること、無機粒子の添加量が、ポリエステル樹脂組成物の重量を基準として、0.01〜20重量%の範囲にあること、溶融状態での混錬が、ベント付二軸混錬押出し機によること、ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂でかつポリエステル樹脂粉末がポリエチレンテレフタレート樹脂粉末であることまたはポリエステル樹脂がポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂でかつポリエステル樹脂粉末がポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂粉末であることの少なくともいずれかを具備するポリエステル樹脂組成物の製造方法も提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で無機粒子を添加するポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステル樹脂で、フィルムに加工できるものであれば、特に限定されない。好ましくは芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル樹脂で、具体的な芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が、具体的な脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらの中でも、比較的融点が高く、従来ではヒートショックによる粒子の再凝集が発生しやすいとされたポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが、本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法の効果が大きく発現されることから好ましい。上述のポリエステル樹脂は、ホモポリエステルでも、コポリエステルでも良く、コポリエステルの場合の共重合成分としては、酸成分はコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムジカルボン酸などが、またグリコール成分は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのアルキレングリコール、1,4シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
【0012】
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法は、ポリエステル樹脂を加熱して溶融状態にする第1の工程、溶融状態のポリエステル樹脂に無機粒子を添加する第2の工程および溶融状態のポリエステル樹脂と無機粒子とを混練する第3の工程からなり、これらの工程は、通常同じ混錬押出し機内にて行なわれる。
【0013】
本発明で使用する混錬押出し機としては、1軸混練押出し機でも2軸混練押出し機でもよいが、均一な混錬常態を形成しやすいことから2軸混練押出し機が好ましい。
【0014】
以下、図面を用いて本発明で使用する混練押出し機を説明する。図1は、本発明で使用するベント付き二軸混練押出し機を例示した側面図である。図1において、1は押出し機本体、2は加熱シリンダー、3はスクリュー、4はポリマーの吐出口、5はスクリューの駆動モーターをそれぞれ示す。なお、該押出し機には、上流側からポリマーの吐出口4に向かって、ポリマー投入口6、粒子および微粉末状ポリマーの投入口7、ベント口9が、この順で設けられている。
【0015】
以上のようなベント付き二軸混練押出し機1において、ポリエチレンテレフタレートは、チップとしてポリマー投入口6から押出し機のシリンダー2中へ投入され、吐出口4へ向けてスクリュー3によって移送される。投入されたチップは、その後加熱軟化される。この際、粒子および微粉末状ポリマーの投入口7は、ポリエチレンテレフタレート樹脂の70重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に90重量%以上、もっとも好ましくは全てが軟化する位置よりも下流側に設けられる。この位置よりも上流側に投入口7が位置すると、ポリエチレンテレフタレート樹脂が未溶融状態であり、ポリエチレンテレフタレート樹脂中で、不活性粒子とポリエチレンテレフタレート樹脂粉末とが分離し、不活性粒子が混練押出し機内で凝集したり、フィルムに延伸しようとするとボイドが発生したりする。ここで、チップの70重量%以上が軟化する位置とは、押出し機内のポリエチレンテレフタレート樹脂の断面を見たときに、チップの形状を維持している樹脂の割合が重量比で、30重量%以下になる位置を意味する。他方、ポリエチレンテレフタレート樹脂の70重量%以上が軟化する位置よりも下流側であれば、投入口7の位置は特に制限されないが、粒子および微粉末状ポリマーを均一に混練し易いことから、上流側であることが好ましく、具体的には、無機粒子を添加後、40秒以上、特に60秒以上溶融混錬することが好ましい。
【0016】
本発明でポリエステル樹脂に添加する無機粒子は、使用するポリエステル樹脂の溶融状態の温度に対して、十分な耐熱性を有するものなら特に限定されない。特に溶融縮重合の反応系へスラリーとして添加すると凝集しやすい粒子、または、溶融混錬押出し機にて添加・混練した際に、ヒートショックを受けて再凝集を起こしやすい粒子に有効である。特に好ましい無機粒子は、従来の方法では凝集を起こしやすいシリカ、アルミナ、酸化チタンまたはそれらの成分で構成される複合酸化物などであり、他の無機粒子に比べ大きな効果が得られやすい。また、これらの無機粒子は単独で用いても良く、また複数の粒子を組み合わせて用いてもよく、他のシリコーン粒子、ポリスチレン粒子などに代表される有機粒子や無機酸化物粒子以外の無機粒子、たとえば炭酸カルシウムなどの無機粒子と合わせて用いてもよい。さらにまた、本発明で使用する無機粒子は、溶融した時の耐熱性に問題が生じなければ、表面処理を施された、例えばシランカップリング剤で処理した粒子や他の金属酸化物との複合体、たとえばジルコニアなどとのコアシェル構造体でもよく、さらに複合酸化物はムライトに代表される複合酸化物の他、たとえばアルミナ、シリカの混合物の成型体であっても構わない。
【0017】
本発明で使用する無機粒子の平均粒径は、好ましくは0.03〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmの範囲である。平均粒径が小さすぎるとフィルムにしたときのすべり性が不十分で、逆に大きすぎるとフィルム表面粗さが過度に粗くなる。また、無機粒子のポリエステル樹脂に対する添加量は、成形品の使用目的により適宜調整すればよく、特に限定はされないが、成形が困難になり易いことから添加量の上限は高々20重量%であることが好ましく、フィルム用に使用する場合は分散性を考慮して添加量の上限は10重量%以下、特に5重量%以下であることが好ましい。なお、無機粒子のポリエステル樹脂に対する添加量の下限は、少なくとも0.01重量%以上であることが好ましい。
【0018】
本発明で使用する無機粒子の形状は特に限定されるものではないが、不定形の凝集粒子に較べ、分散性に優れることから球状粒子が好ましい。
【0019】
ところで、本発明の製造方法の最大の特徴は、無機粒子を添加する際に、ポリエステル樹脂粉末を一緒に添加することにあり、以下に詳述する。
【0020】
本発明において、添加するポリエステル樹脂粉末は、添加される溶融状態のポリエステル樹脂と同一のものでも異なるものでもよい。ポリエステル樹脂粉末の粒度はJIS規格のふるい目開きで16メッシュ(1.00mm)のふるいを通過することが必要である。ポリエステル樹脂粉末の粒度が16メッシュを通過しない大きなものだと、得られるポリエステル樹脂組成物中の無機粒子の分散性が悪く、また、再凝集が発生する。一方、ポリエステル樹脂粉末の粒度は400メッシュ(32μm)のふるいを通過するものが高々10重量%以下であることが好ましい。400メッシュ(32μm)のふるいを通過するようなポリエステル粉末の存在量が増加すると、該粉末の流動性が悪化し取り扱い性が困難になりやすい。このような粒度の微粉末は、例えば、溶融状態のポリエステル樹脂と同一または異種のポリエステル樹脂を加熱して結晶化させたあと、液体窒素などを加えた冷却状態で粉砕することで得られる。好ましいポリエステル樹脂粉末の粒度は、無機粒子の分散性を向上しやすいことから、JIS規格でふるい目開き32メッシュ(0.50mm)を通過するもので、400メッシュを通過するものは存在しない粒度の揃ったものである。
【0021】
本発明におけるポリエステル樹脂粉末の添加量は、無機粒子の重量を基準として、50重量%以上が好ましく、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは100重量%以上である。ポリエステル樹脂粉末の添加量が50重量%未満だと、無機粒子の分散性が悪くなる。なお、ポリエステル樹脂粉末の添加量の上限は特に制限されないが、無機粒子の重量を基準として、コストやハンドリング面から500重量%であることが好ましい。
【0022】
本発明におけるポリエステル樹脂粉末の添加方法は、添加の前に無機粒子と予め混合してから添加するのが複雑な装置を要しないので好ましい。もちろん、無機粒子とポリエステル樹脂粉末の添加速度を一定に保つことができ、同じ位置に添加することが出来る装置であれば、予備的に混合することなく別々に供給してもよい。
【0023】
このようにして本発明の製造方法で得られたポリエステル樹脂組成物は、従来の多大な労力を掛けて分散性を向上させた溶融重縮合の反応系へ添加する方法と同等もしくはそれ以上に均一な無機粒子の分散状態を、工程が簡単な混練押出し機による混錬で達成することができる。その結果、本発明により製造されたポリエステル樹脂組成物を単層または積層形態のフィルムにした場合、表面に均一な凹凸が得られ、粗大突起の少ない、耐摩耗性、すべり性に優れるフィルムを得ることができる。
【0024】
本発明における無機粒子の分散性向上のメカニズムについては定かではないが、ポリエステル樹脂が微粉末であることから微粉末の溶融速度が早く、無機粒子は溶融する微粉末に運ばれる形で分散し、さらに溶融した直後のベースのポリエステル樹脂に対し、親和性が良好な微粉末が介在するため混錬効果を受けやすく、分散性が向上するのではないかと推定される。すなわちポリエステル樹脂粉末は、無機粒子の分散剤的役割を果たしているのではないかと推定される。これに対し、例えばペレット状のポリエステル樹脂と無機粒子とを予め均一にブレンドして供給しても、ペレットが溶融状態に移行するまでにペレット同士の摩擦で無機粒子が凝集してしまい、本発明のような均一な無機微粒子の分散状態は得難い。また、前述のペレット状のポリエステル樹脂と無機粒子とを予め均一にブレンドにする際に、本発明で使用するポリエステル樹脂粉末をさらに加えた場合、多少無機粒子の凝集は緩和されるが、ペレット状のポリエステル樹脂が溶融するまでにほとんどのポリエステル樹脂粉末が溶融されてしまうため、大量のポリエステル樹脂粉末が必要であり、非効率な製造方法となる。これに対し、本発明では、ポリエステル樹脂が溶融直後のゾーンにポリエステル樹脂粉末と無機粒子とを添加するので、少ない添加量のポリエステル樹脂粉末の添加でも、良好な分散性を持つ無機粒子含有ポリエステル樹脂組成物を効率的に得ることが可能となる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例における各特性値は、以下の方法にて測定または評価した。
(1)無機粒子の平均粒子径
微粒子粉体については、島津製作所製レーザー散乱式粒度分布測定装置、SALD−2000にて、エチレングリコールに無機粒子を分散させた状態で測定した。
【0026】
(2)ポリエステル樹脂組成物の固有粘度
ポリエチレンテレフタレートはO−クロロフェノール溶媒下、ポリエチレンナフタレートはフェノール/テトラクロロエタン(重量比で50/50)溶媒下で、それぞれ共に35℃の雰囲気下で測定した。
【0027】
(3)ポリエステル樹脂組成物中の無機粒子の分散性
ポリエステル樹脂組成物の表面にプラズマ処理(ヤマト科学製プラズマリアクターPR−31型)を施し、該表面に粒子を露出させ、電子顕微鏡を用いて1000倍の倍率のもと、1.2mm2の面積に存在する凝集粒子数を数え、次の基準で分散性を判定した。なお、本測定における凝集粒子とは、4個以上の無機粒子が凝集したものである。
○:凝集粒子が観察されない。
△:凝集粒子が9個以下である。
×:凝集粒子が10個以上である。
【0028】
(4)ポリエステルフィルム中の無機粒子の分散性
フィルム表面にプラズマ処理(ヤマト科学製プラズマリアクターPR−31型)を施し、フィルム表面に露出した粒子を、電子顕微鏡を用いて1000倍の倍率のもと、1.2mm2の面積に存在する凝集粒子数を数え、次の基準で分散性を判定した。
なお、本測定における凝集粒子とは、2個以上の粒子が凝集したものである。
◎:凝集粒子が5個以下である。
○:凝集粒子が6〜10個である。
△:凝集粒子が11〜50個である。
×:凝集粒子が51個以上である。
【0029】
(5)フィルムの静摩擦係数(μs)
ASTM−D−1894−63に従い、スリップテスターを用いて測定した。
【0030】
[実施例1]
固有粘度0.64、ペレットサイズの平均が2×2×4mmの無機粒子を含まないポリエチレンテレフタレート(PET)を水分率0.4%以下の未乾燥樹脂の状態で、振動式定量フィーダーより20kg/hの割合で、ニーディングディスクバドルをスクリュー構成要素として有する同方向回転噛合せ型の図1に示すベント付き2軸混錬押出し機に供給した。
【0031】
つぎに、上述のポリエチレンテレフタレート樹脂を粉砕して得られたJIS標準ふるい32メッシュを通過するが400メッシュを通過しない粉末75部と、アルミナシリカ複合粒子((株)アドマテックス社製、商品名アドマファイン(アルミナ・シリカ複合酸化物)平均粒径0.6μm)25部を混ぜ合わせ、均一混合物を用意した。そして、前述の押出し機のポリエチレンテレフタレート樹脂微粉末の投入口7から、該混合物を得られる樹脂組成物中のシリコーン樹脂微粒子の濃度が0.4重量%となるように振動式定量フィーダーを用いて添加した。この際、ベント口の真空度は100Pa、シリンダー温度は290℃、添加時のポリエチレンテレフタレートは全て軟化(チップ形状を保持したポリマーはなし)、ポリエチレンテレフタレート樹脂の押出し機内の滞留時間は90秒(無機粒子添加後の混練時間は70秒間混練)であった。粒子を添加後、ポリエチレンテレフタレート樹脂、シリコーン樹脂粒子およびポリエチレンテレフタレート樹脂微粉末は混練され、溶融状態でポリマー吐出口4から押し出しペレット化され、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を製造した。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
【0032】
また、得られた無機粒子含有ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(固有粘度0.59)と固有粘度0.64の微粒子を含まないポリエチレンテレフタレート樹脂とを、アルミナシリカ複合粒子の濃度が0.12%になるように混合し、170℃で3時間乾燥後、溶融押出し機から押出して未延伸フィルムを得、これを製膜方向に3.1倍および製膜方向に直交する方向に3.1倍の延伸倍率で延伸し、厚み14μmの2軸配向フィルムを得た。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0033】
[比較例1]
粉砕したポリエステル樹脂粉末の粒度を8メッシュのJIS標準ふるいを通過するが16メッシュのJIS標準ふるいは通過しない粗いものとした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル樹脂組成物およびフィルムの特性を表1に示す。
【0034】
[比較例2]
粉砕したポリエステル樹脂微粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル樹脂組成物およびフィルムの特性を表1に示す。
【0035】
[比較例3]
粉砕したポリエステル樹脂粉末と無機微粒子との均一混合物を、混錬押出し機の投入口7から添加せずに、予めペレット上の無機粒子を含有しないポリエステル樹脂と均一に混ぜ合せてから混練押出し機に供給した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル樹脂組成物およびフィルムの特性を表1に示す。
【0036】
[実施例2]
固有粘度0.62、チップサイズの平均が2×2×4mmの無機粒子を含まないポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボシキレート(PEN)樹脂を水分率0.4%以下の未乾燥樹脂の状態で、振動式定量フィーダーより20kg/hの割合で、実施例1と同様に二軸混練押出し機に供給した。
【0037】
また、これとは別に、固有粘度0.62の無機粒子を含まないポリエチレン2、6−ナフタレンジカルボシキレート樹脂を粉砕して得られた32メッシュのふるいを通過するが、400メッシュふるいは通過しない粉末50部とアルミナ粒子((株)アドマテックス社製、商品名アドマファイン(AO−802超高純度球状アルミナ、平均粒径0.7μm))50部との均一混合物を用意した。そして、前述の押出し機のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)樹脂微粉末の投入口7から、該混合物を得られる樹脂組成物中のアルミナ粒子の濃度が0.3重量%となるように振動式定量フィーダーを用いて添加した。この際、ベント口の真空度は100Pa、シリンダー温度は290℃、添加時のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂は全て軟化(チップ形状を保持したポリマーはなし)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂の押出し機内の滞留時間は90秒(無機粒子添加後の混練時間は70秒)であった。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表1に示す。
【0038】
得られた無機粒子含有PEN樹脂組成物(固有粘度0.58)と固有粘度0.62の粒子を含まないPEN樹脂とを無機粒子の濃度が0.10%のになるように混合し、170℃で3時間乾燥後、溶融押出し機から押出して未延伸フィルムを得、これを製膜方向に3.1倍および製膜方向に直交する方向に3.1倍の延伸倍率で延伸し、厚み14μmの2軸配向フィルムを得た。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0039】
[実施例3]
無機粒子をチタニア含有粒子((株)アドマテックス社製、商品名アドマファイン(チタニア含有合成球状シリカ)平均粒径3.0μm)とし、また、ポリエステル樹脂粉末と無機粒子の混合比や得られる樹脂組成物中の無機粒子の濃度を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル樹脂組成物およびフィルムの特性を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、無機粒子を添加する際に、ポリエステル樹脂粉末を添加するため、ポリエステル樹脂中に無機粒子を凝集させることなく飛躍的に分散させることが出来、結果として分散性が良好ですべり性に優れるフィルムを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するベント付二軸混錬押出し機を例示した側断面図である。
【符号の説明】
1 押出し機本体
2 加熱シリンダー
3 スクリュー
4 ポリマーの吐出口
5 スクリューの駆動モーター
6 ポリマー投入口
7 無機粒子およびポリエステル樹脂粉末の投入口
9 ベント口
Claims (8)
- ポリエステル樹脂を加熱して溶融状態にする第1の工程、溶融状態のポリエステル樹脂に無機粒子を添加する第2の工程および溶融状態のポリエステル樹脂と無機粒子とを混錬する第3の工程からなり、16メッシュ以上のJIS標準ふるいを通過するポリエステル樹脂粉末を無機粒子と同時に添加することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- ポリエステル樹脂粉末の添加量が、無機粒子の重量を基準として、50重量%以上である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 無機粒子がシリカ、アルミナ、酸化チタンおよびそれらの複合酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 無機粒子の平均粒径が、0.03〜10μmの範囲にある請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 無機粒子の添加量が、ポリエステル樹脂組成物の重量を基準として0.01〜20重量%の範囲にある請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 溶融状態での混錬が、ベント付二軸混錬押出し機による請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂でかつポリエステル樹脂粉末がポリエチレンテレフタレート樹脂粉末である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- ポリエステル樹脂がポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂でかつポリエステル樹脂粉末がポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂粉末である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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