JP4137509B2 - ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂に不活性粒子を均一に混錬するポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂は優れた物理的および化学的性質を有することから、繊維、樹脂、フィルムなどに大量に使用されている。ところで、ポリエステル樹脂をフィルムにする場合、フィルムを得る工程や得られたフィルムを取り扱う工程における取り扱い性の向上およびしわなどの品質トラブルの発生防止を目的として、ポリエステル樹脂に不活性粒子を添加する方法が用いられている。不活性粒子が存在することによって、フィルム表面に適度な凹凸が付与される結果、フィルムの滑り性が向上し、前述の問題を解消することができるのである。このような不活性粒子としては、例えばシリカ、カオリン、二酸化チタンなどに代表される無機粒子やシリコーン、ポリスチレンなどの有機粒子が挙げられる。
【0003】
しかしながら、これらの不活性粒子には、粗大粒子が混在していたり、ポリエステル樹脂に対して分散性が不良である場合に凝集粗大粒子が発生する結果、フィルム製品のうちでも特に平坦性が求められる用途、例えば磁気記録用テープなどに用いた場合、電磁変換特性が低下したり、ドロップアウトなどの欠点が発生するなど品質を損なう場合があった。
【0004】
そこで、このような粗大粒子の混入を抑制するために、種々の方法が採用されている。例えば、分散スラリー化、分級、濾過などの操作を行い粗大粒子を予め除去した不活性粒子を、ポリエステル樹脂を製造する溶融重縮合の反応系へ添加して、粒子の分散性を向上する方法が挙げられる。
【0005】
しかしこの方法では、各工程の単位操作に多大な時間と労力が必要であること、また溶融重縮合反応系に添加された後、不活性粒子が再凝集を起こすといった問題は依然として潜在している。
【0006】
また、溶融重縮合反応系へ添加する以外の方法としては、例えば特開平1−157806号公報に、単軸や二軸の混練押出機を用いて、重縮合して得られたポリエステル樹脂に、直接不活性粒子を混練分散させる方法が提案されている。また、押出機を用いた混練分散方法で不活性粒子の分散性を向上させるために、添加する粒子を媒体に分散させたスラリー状態とし、該スラリーを添加する方法が特開平6−91635号公報に提案されている。
【0007】
しかしながら、このようなスラリーを混練押出機を用いて混練させる方法を、溶融加工温度が250℃を越える比較的高融点のポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂に採用すると、スラリー化した不活性粒子を添加する際に、ヒートショックによる粒子の再凝集が発生し、凝集粗大粒子が増加する問題が潜在していた。
【0008】
また、そのような粗大粒子はポリエステル樹脂をフィルムとした際、ポリエステル樹脂との界面にボイドと呼ばれる空隙を生じさせ、フィルムの透明性を損なわせたり、あるいは磁気記録テープとしてビデオデッキで走行させた時に、ボイドが原因となって不活性粒子の脱落が起こり、削れ性を悪化させるといった問題も潜在している。
【0009】
そのため、ポリエステル樹脂フィルム中に粗大粒子を存在させることなく不活性粒子を均一に分散させ、かつ不活性粒子とポリエステル樹脂との界面にボイドなどが生じることがないよう、不活性粒子とポリエステル樹脂とが高い親和性を有するポリエステル樹脂組成物の製造方法を確立すること、およびそれらの製造方法を用いて表面平滑性に優れたポリエステルフィルムを得ることが強く望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の問題のない、表面平滑性に優れたポリエステルフィルムが得られるポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供することにある。さらに詳しくはポリエステル樹脂組成物中に粗大粒子を存在させることなく不活性粒子を均一に分散させ、不活性粒子とポリエステル樹脂との界面にボイドなどの空隙が生じにくい製造方法を提供し、得られた樹脂組成物を用いて表面平滑性に優れたポリエステルフィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂を加熱して溶融状態にする第1の工程、溶融状態のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂に不活性粒子を添加する第2の工程および溶融状態のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂と不活性粒子とを混練する第3の工程とからなり、該第2の工程において不活性粒子を添加する際に、平均粒径が10〜1000μmのポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末を不活性粒子と同時に添加する製造方法を用いることによって、ポリエステル樹脂組成物中に粗大粒子を存在させることなく不活性粒子が均一に分散され、しかも、不活性粒子とポリエステル樹脂との界面にボイドなどの空隙が生じにくくなり、表面平滑性に優れたポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
また、本発明は不活性粒子の添加量がポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の重量を基準として0.01〜20重量%であること、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加量がポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の重量を基準として0.001〜40重量%であること、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加量が不活性粒子の重量を基準として10重量%以上であることが好ましい態様として包含される。
【0013】
さらに、不活性粒子が無機粒子であること、および/または有機粒子であること、不活性粒子の平均粒径が0.03〜10μmであることも本発明の好ましい態様として包含される。
【0014】
また、本発明において溶融状態での混練方法がベント付二軸混練押出機による方法であることも、好ましい態様として挙げられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成をさらに詳細に説明する。
[ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂]
本発明におけるポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂は、全ジカルボン酸成分の80モル%以上が2,6−ナフタレンジカルボン酸、全グリコール成分の80モル%以上が1,3−プロパンジオールであることが好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の第3成分が共重合されていても良い。
【0017】
上記の共重合成分としては、ジカルボン酸成分として例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−ナトリウムジカルボン酸、またグリコール成分として例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4ブタンジオール、ヘキサメチレングリコールなどのアルキレングリコール、1,4シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。なお、これらの共重合成分は1種のみでなく2種以上を併用してもよい。これら共重合成分は全ジカルボン酸成分の20モル%未満、および/または全ジオール成分の20モル%未満の範囲で使用される。
【0018】
本発明におけるポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂の固有粘度は、オルトクロロフェノール溶媒下、35℃で0.4dl/g〜0.8dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.5dl/g〜0.7dl/gである。固有粘度が0.4dl/g未満の場合は、フィルムに製膜後、各製品に使用する際に要求される機械強度が不足することがある。他方、固有粘度が0.8dl/gを超える場合は、溶融重合工程およびフィルム製膜工程における溶融混練時の生産性が損なわれることがある。
【0019】
[不活性粒子]
本発明におけるポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物には、製膜性やしわ等の品質トラブルの発生防止を目的に不活性粒子を含有することが好ましい。かかる不活性粒子としては、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂の溶融状態の温度に対して、十分な耐熱性を有するものであれば特に限定されず、溶融縮重合の反応系へスラリーとして添加すると凝集しやすい不活性粒子、または、溶融混練押出機にて添加・混練した際に、ヒートショックを受けて再凝集を起こしやすい不活性粒子も好適に用いることができる。本発明で用いられる不活性粒子として、耐熱性に優れる点から、無機粒子が挙げられ、シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、カオリンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。また、本発明で用いられる不活性粒子として、凝集粒子を抑制する効果が出やすい点から、有機粒子が挙げられ、シリコーンおよび/または架橋ポリスチレンであることが好ましい。なお、本発明で使用する不活性粒子は、無機粒子と有機粒子の組み合わせであってもよく、さらに溶融した時の耐熱性に問題が生じなければ、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレートとの親和性を向上させるような表面処理方法、例えばシランカップリング剤で表面処理した不活性粒子であっても良い。
【0020】
本発明で用いられる不活性粒子の平均粒径は、好ましくは0.03〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmの範囲である。不活性粒子の平均粒径が0.03μm未満の場合は、フィルムにした時の滑り性が不十分であり、不活性粒子の平均粒径が10μmを超える場合は、フィルム表面粗さが過度に粗くなる。
【0021】
本発明における不活性粒子の添加量は、フィルムに製膜後、各製品に使用する際の使用目的により適宜調整すれば良い。好ましくはフィルム製膜性を安定に維持しやすいことから、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の重量を基準として、高々20重量%である。20重量%を超えた場合、製膜性が困難になることがある。本発明における不活性粒子の添加量は、製膜時における不活性粒子の分散性を高度に維持しやすいことから、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の重量を基準として、10重量%以下、特に5重量%以下であることが好ましい。なお、不活性粒子の添加量の下限は、特に制限されないが、得られるフィルムの取扱い性を維持しやすいことから、少なくとも0.01重量%であることが好ましい。
【0022】
本発明における不活性粒子は、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルム中の凝集粒子数が1.2mm2あたり10個以下であることが、フィルムの表面平滑性の点から好ましく、更には5個以下、特に好ましくは1個以下である。ここで、「凝集粒子」とは、不活性粒子が2個以上凝集して形成される凝集粒子を指す。具体的には、フィルム表面にプラズマ処理(ヤマト科学製プラズマリアクター−PR−31型)を施して不活性粒子をフィルム表面に露出させ、走査型電子顕微鏡を用いて1000倍の倍率のもと、1.2mm2の面積に存在する凝集粒子数を測定して、その値をもって「凝集粒子数」とする。凝集粒子数が10個を超えた場合、フィルム表面粗さが過度に粗くなる。なお、凝集粒子数の下限は、特に制限されないが、通常120mm2の面積において1個以上である。
【0023】
本発明における不活性粒子は、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルム中のボイド比が下記式(I)で表されるような状態にあることが、フィルムの表面平滑性の点から好ましい。
【0024】
(不活性粒子を含むボイド面積)/(不活性粒子面積)<3・・・(I)
ここで「ボイド」とは、不活性粒子とポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂との界面に形成されるボイドと呼ばれる空隙を指す。具体的には、フィルム表面にプラズマ処理(ヤマト科学製プラズマリアクター−PR−31型)を施し、フィルム表面に不活性粒子を露出させた後、走査型電子顕微鏡を用いて、不活性粒子の粒径に応じて5000倍〜20000倍の倍率にて不活性粒子および不活性粒子の周囲のボイド(空隙)を観察する。その観察像を画像解析装置を用いて、不活性粒子面積と、不活性粒子とボイドとを合わせた面積をそれぞれ測定し、(不活性粒子を含むボイド面積)/(不活性粒子面積)の比をもって「ボイド比」とする。なお、「不活性粒子を含むボイド面積」とは、不活性粒子部分の面積とボイド部分の面積とを合わせた面積を指す。ボイド比が3を超えた場合、フィルム表面粗さが粗くなったり、フィルムの透明性が低下したり、あるいは磁気記録テープとしてビデオデッキで走行させた時にボイドが原因となって不活性粒子の脱落が生じ、削れ性が低下したりする。なお、ボイド比の下限は、特に制限されないが、通常1.001以上である。
【0025】
[ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末]
本発明の製造方法における最大の特徴は、不活性粒子を添加する際に、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂の微粉末を同時に添加することにあり、以下に詳述する。
【0026】
本発明におけるポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末は、その平均粒径が10〜1000μmであることが必要である。ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の平均粒径は、10〜500μmであることがより好ましく、更には10〜300μmであることが好ましい。ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の平均粒径が10μm未満であると、該微粉末が嵩高くなるため、二軸混練押出機に投入させるフィーダー内での流動性が悪くなり、溶融状態のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂に連続添加する際、均一に添加することが困難となる。一方、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の平均粒径が1000μmを超えると、不活性粒子との混合状態が不均一となり、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末を添加する効果が半減する。
【0027】
このような平均粒径を有するポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末は、例えば、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂ペレットをガラス転移点以上、融点以下の温度で加熱して結晶化させたあと、液体窒素などを加えた冷却状態で粉砕する方法で得られる。
【0028】
なお、本発明で用いられるポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末は、全ジカルボン酸成分の80モル%以上が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、全グリコール成分の80モル%以上が1,3−プロパンジオール成分からなるものである。
【0029】
また、本発明において、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末のうち70重量%以上は、該微粉末の平均粒径に対して0.2〜2倍の範囲内の粒径を有していることが好ましい。ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の70重量%以上がこの範囲を満たすことによって、不活性粒子と混合する際の均一混合性、該微粉末を二軸混練押出機に投入させるフィーダー内での流動性、ポリトチメチレン−2,6−ナフタレート樹脂中での不活性粒子の分散性等の点で、より優れた効果が得られる。
【0030】
本発明におけるポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加量は、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物全体の重量を基準として、0.001〜40重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜20重量%である。ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加量が0.001重量%より少ない場合、不活性粒子の分散性が悪くなったり、凝集粒子が発生するためボイドが発生しやすくなる。一方、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加量が40重量%を超える場合、添加時のハンドリングが難しくなる。
【0031】
また、本発明におけるポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加量は、不活性粒子の重量を基準として、10重量%以上が好ましく、より好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上である。ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加量が10重量%より少ないと、不活性粒子の分散性が低下したり、凝集粒子が発生するためボイドが発生しやすくなる。なお、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加量の上限は、不活性粒子の重量を基準として、500重量%であることがコストやハンドリング面の点から好ましい。
【0032】
[製造方法]
本発明におけるポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法は、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂を加熱して溶融状態にする第1の工程、溶融状態のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂に不活性粒子を添加する第2の工程および溶融状態のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂と不活性粒子とを混練する第3の工程とからなり、これらの工程は、通常同じ混練押出機内にて行われる。
【0033】
本発明で使用する混練押出機としては、1軸混練押出機、2軸混練押出機のいずれでも良いが、均一な混練状態を形成しやすいことから2軸混練押出機が好ましく用いられる。
【0034】
かかる2軸混練押出機としては、例えば、ニーディングディスクおよび逆ねじといった混練を高めるエレメントを配したスクリュー構成を有するベント式2軸混練押出機やロータ型2軸連続混練機(例えば「合成樹脂」Vol.41(7)P.9.7(1995)に記載)が挙げられる。
【0035】
以下、図面を用いて本発明で使用する混練押出機を説明する。図1は、本発明で使用するベント付二軸混練押出機を例示した側面図である。図1において、1は押出機本体、2は加熱シリンダー、3はスクリュー、4はポリマーの吐出口、5は定量フィーダーをそれぞれ示す。なお、該押出機には、上流側からポリマーの吐出口4に向かって、ポリマー投入口6、不活性粒子および微粉末ポリマーの投入口7、ベント口8、9が、この順で設けられている。
【0036】
以上のようなベント付二軸混練押出機1において、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂は、チップとしてポリマー投入口6から押出機のシリンダー2中へ投入され、吐出口4へ向けてスクリュー3によって移送される。投入されたチップは、その後加熱軟化される。
【0037】
この際、不活性粒子および微粉末ポリマーの投入口7は、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂の70重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、最も好ましくは全てが軟化する位置よりも下流側に設けられる。この位置よりも上流側に投入口7を設けた場合、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂が未溶融状態であるため、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂中で、不活性粒子とポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末とが分離し、不活性粒子が混練押出機内で凝集し、フィルムに延伸する際、凝集粒子によるボイドが発生したりする。ここで、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂の70重量%以上が軟化する位置とは、押出機内のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂の断面を見たときに、チップの形状を維持している樹脂の割合が重量比で30重量%未満になる位置を意味する。ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂の70重量%以上が軟化する位置よりも下流側であれば、投入口7の位置は特に制限されないが、不活性粒子および微粉末ポリマーを均一に混練しやすいことから、より上流側に設置されることが好ましく、具体的には、不活性粒子を添加した後、40秒以上、さらには60秒以上溶融混練し得る位置であることが好ましい。
【0038】
本発明における不活性粒子とポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末との添加方法は、混練押出機に供給する前に予め混合してから添加する方法が複雑な装置を要しない点から好ましい。不活性粒子とポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加速度を一定に保つことができ、同じ投入位置から添加することができる装置であれば、予め混合することなく別々に供給してもよい。
【0039】
なお、溶融混練温度は210℃〜300℃であることが好ましい。溶融混練温度が210℃より低い場合は、溶融樹脂粘度が高く、混練押出機に過度な負荷がかかり好ましくない。また溶融混練温度が300℃より高い場合は、熱劣化によって得られるフィルムの機械強度が低下しやすくなる。
本発明におけるフィルム製膜方法は、逐次二軸延伸法や同時二軸延伸法、インフレーション法などの公知の方法を用いて、二軸延伸フィルムに製膜される。延伸倍率は、使用される用途の要求特性にもよるが、通常縦方向ならびに横方向それぞれ2.0倍以上4.5倍以下の範囲で延伸処理が施され、その後必要に応じて熱固定処理が行われる。得られたフィルムの厚みは、3nm〜250μmであることが好ましい。
【0040】
このようにして本発明の方法を用いて製造されたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物は、従来のような多大な労力をかけて不活性粒子の分散性を向上させた、溶融重縮合の反応系へ添加する方法と同等、もしくはそれ以上に均一な不活性粒子の分散性を、混練押出機を用い、より簡便な工程による混錬で達成することができる。
【0041】
その結果、本発明により製造されたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物を単層または積層形態のフィルムにした場合、表面に均一な凹凸が得られ、粗大突起の少ない、耐摩耗性、すべり性に優れるポリエステルフィルムを得ることができ、磁気記録用テープなどに好適に用いることができる。
【0042】
本発明における不活性粒子の分散性向上のメカニズムについては、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末が微粉末状であることから溶融速度が早く、不活性粒子は押出機内の混練過程で、溶融する微粉末に運ばれる形で分散すること、さらに溶融した直後のベースのポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂に対する親和性が良好なポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末が介在するため混練効果を受けやすく、分散性が向上すると推定される。すなわちポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末は、不活性粒子の分散剤的役割を果たしていると推定される。
【0043】
また、本発明におけるポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂は、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート等の他のポリエステル樹脂に較べ融点が低いため、溶融温度を低く設定でき、不活性粒子を添加した際、ヒートショックによる凝集が比較的起こりにくいという利点を有する。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例における各特性値は、以下の方法にて測定または評価した。
(1)不活性粒子の平均粒子径
島津製作所製レーザー散乱式粒度分布測定装置、SALD−2000にて、エチレングリコールに不活性粒子を分散させた状態で不活性粒子の粒子径分布を測定し、得られた粒子径分布の50体積%時点の粒子径を平均粒子径とした。
【0045】
(2)ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の平均粒径および粒径分布
セイシン企業(株)製音波振動式全自動フルイ分け測定器、RPS−85Pを使用し、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の平均粒径および粒径分布を測定した。まず前記測定器を用い粒径の重量累積分布を測定し、得られた重量累積分布より50重量%時点の粒径を平均粒径とした。
【0046】
(3)ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂の固有粘度
O−クロロフェノール溶媒下、35℃の雰囲気下で測定した。
【0047】
(4)ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物中の不活性粒子の分散性
溶融混練後、冷却して得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の表面にプラズマ処理(ヤマト科学製プラズマリアクターPR−31型)を施し、該表面に不活性粒子を露出させ、走査型電子顕微鏡を用いて1000倍の倍率のもと、1.2mm2の面積に存在する凝集粒子数を数え、次の基準で分散性を判定した。なお、本測定における凝集粒子とは、4個以上の不活性粒子が凝集したものである。
○:凝集粒子が観察されない。
△:凝集粒子が9個以下である。
×:凝集粒子が10個以上である。
【0048】
(5)ポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルム中の不活性粒子の分散性
得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルム表面にプラズマ処理(ヤマト科学製プラズマリアクターPR−31型)を施し、フィルム表面に露出した不活性粒子を、走査型電子顕微鏡を用いて1000倍の倍率のもと、1.2mm2の面積に存在する凝集粒子数を数え、次の基準で分散性を判定した。
なお、本測定における凝集粒子とは、2個以上の不活性粒子が凝集したものである。
◎:凝集粒子が5個以下である。
○:凝集粒子が6〜10個である。
△:凝集粒子が11〜50個である。
×:凝集粒子が51個以上である。
【0049】
(6)ポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムのボイド比
得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルム表面にプラズマ処理(ヤマト科学製プラズマリアクターPR−31型)を施し、該フィルム表面に不活性粒子を露出させた後、走査型電子顕微鏡を用い、不活性粒子の粒径に応じて5000倍〜20000倍の倍率にて不活性粒子および不活性粒子の周囲のボイド(空隙)を観察する。その観察像を画像解析装置を用いて、不活性粒子面積と、不活性粒子とボイドとを合わせた面積をそれぞれ測定し、(不活性粒子を含むボイド面積)/(不活性粒子面積)の比をもってボイド比とする。この際、凝集している不活性粒子はそれを一つの粒子として見なす。この測定を無作為に不活性粒子100個について実施し、その平均値をポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムのボイド比とした。
【0050】
(7)ポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの静摩擦係数(μs)ASTM−D−1894−63に従い、スリップテスターを用いて測定した。
【0051】
[実施例1]
固有粘度0.64のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート(ただしポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末を含まない)を水分率0.4%以下になるよう乾燥した状態で、ポリマー投入口6より、振動式定量フィーダー5を用いて20Kg/hの吐出速度で、ニーディングディスクバドルをスクリュー構成要素として有する、同方向回転噛合せ型の図1に示すベント付き2軸混錬押出機に供給した。この押出機は、ポリマー投入口6とポリマーの吐出口4との距離が1200mmで、ポリマーの投入口6から下流側300mmの位置に不活性粒子とポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の投入口7を有し、ポリマーの投入口6から下流側500mmおよび900mmの位置にベント口8およびベント口9を有する。
【0052】
つぎに、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂(固有粘度0.64)を粉砕して平均粒径295μm、およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末中における該微粉末平均粒径の0.2〜2倍の粒径を有する微粉末の割合が75重量%の微粉末状にしたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末50部およびシリコーン樹脂微粒子(東芝シリコーン(株)製、商品名「トスパール120」、平均粒子径2μm)50部とを予め均一に混合させた混合物を、前述の押出機のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の投入口7から振動式定量フィーダーを用いて添加した。なお、該混合物の吐出速度は、得られるポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物を基準としてシリコーン樹脂微粒子の濃度が0.4重量%となるように調整した。この際、ベント口の真空度は100Pa、シリンダー温度は220℃、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の投入口7の位置でポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂は全て軟化(チップ形状を保持したポリマーはなし)、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂の押出機内の滞留時間は2分であった。投入口7でシリコーン樹脂微粒子およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末を添加した後、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂、シリコーン樹脂微粒子およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末は混練され、溶融状態でポリマー吐出口4から押出され、ペレット化されてポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物が得られた。
【0053】
得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
【0054】
また、得られたシリコーン樹脂微粒子含有ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物(固有粘度0.58)と、シリコーン樹脂微粒子を含まないポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂(固有粘度0.64)とを、シリコーン樹脂微粒子の濃度が0.02重量%になるように混合し、170℃で4時間乾燥後、溶融押出機にて溶融温度260℃で溶融し、ダイから押出して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを75℃に予熱し、低速ローラーと高速ローラーの間で15mm上方より900℃の表面温度の赤外線ヒーター1本にて加熱して製膜方向に3.0倍に延伸後急冷し、続いてステンターに供給し、110℃にて横方向に3.1倍に延伸した。得られた二軸配向延伸フィルムを145℃の熱固定温度で5秒間熱固定処理し、厚み14μmの2軸配向延伸フィルムを得た。
【0055】
得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの特性を表1に示す。
【0056】
[実施例2]
ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末と混合する不活性粒子を球状シリカ粒子(日本触媒(株)製、商品名「シーホスター」、平均粒径1.5μm)とした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。
【0057】
得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの特性を表1に示す。
【0058】
[実施例3]
ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂(固有粘度0.64)を粉砕して平均粒径285μm、およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末中における該微粉末平均粒径の0.2〜2倍の粒径を有する微粉末の割合が85重量%の微粉末状とし、
不活性粒子をシリコーン樹脂微粒子(東芝シリコーン(株)製、商品名「トスパール105」:平均粒径0.5μm)とし、また、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末とシリコーン樹脂微粒子の混合比やシリコーン樹脂微粒子の濃度を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。
【0059】
得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの特性を表1に示す。
【0060】
[実施例4]
ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂(固有粘度0.64)を粉砕して平均粒径800μm、およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末中における該微粉末平均粒径の0.2〜2倍の粒径を有する微粉末の割合が80重量%の微粉末状とした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。
【0061】
得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの特性を表1に示す。
【0062】
[実施例5]
ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末とシリコーン樹脂微粒子の混合比を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。
【0063】
得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの特性を表1に示す。
【0064】
[比較例1]
ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂(固有粘度0.64)を粉砕して平均粒径1150μm、およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末中における該微粉末平均粒径の0.2〜2倍の粒径を有する微粉末の割合が60重量%の微粉末状とした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。
【0065】
得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの特性を表1に示す。
【0066】
[比較例2]
粉砕したポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末を添加しなかった以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。
【0067】
得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの特性を表1に示す。
【0068】
[比較例3]
粉砕したポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末を添加しなかった以外は、実施例2と同様な操作を繰り返した。得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの特性を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
ここで、表1に記載の「PTN」はポリトリメチレン−2,6−ナフタレートを表し、「特定粒径の微粉末割合」は、平均粒径の0.2〜2倍の粒径を有するポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の全微粉末に占める重量割合をさす。
【0071】
表1に示すように、実施例1〜5のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムはいずれも、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の平均粒径およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末中における該微粉末平均粒径の0.2〜2倍の粒径を有する微粉末の割合が適切であり、かつ不活性粒子とポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末とが同時添加された結果、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物中ならびにポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルム中の不活性粒子の凝集が抑制され、分散性が良好であった。また、適切なボイド比が得られ、ボイドが抑制された結果、表面平滑性に優れ、静摩擦係数が小さいポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムが得られた。
【0072】
一方、比較例1はポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の平均粒径およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末中における該微粉末平均粒径の0.2〜2倍の粒径を有する微粉末の割合が不適切であった結果、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物中ならびにポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルム中、不活性粒子の凝集が生じ、十分な分散性が得られず、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの静摩擦係数は、磁気記録テープなどとして使用するのに十分とはいえないレベルであった。
【0073】
また、比較例2および比較例3は、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末を添加しなかった結果、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物中ならびにポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルム中、不活性粒子の凝集が大量に生じ、十分な分散性が得られなかった。また、ボイドの抑制も十分ではなく、得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムの静摩擦係数は、磁気記録テープなどとして使用するのに十分とはいえないレベルであった。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、溶融混練工程において不活性粒子を添加する際に、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末を同時に添加することによって、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物中に不活性粒子が凝集して形成される粗大粒子を存在させることなく、極めて均一に分散させることができ、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂と不活性粒子との界面に、凝集粒子による粗大なボイドの発生が少ないポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物を極めて簡便に製造することができる。そして、本発明の製造方法によって得られたポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物をフィルムにした場合、不活性粒子が均一にかつボイドの少ない状態で分散していることから、表面が平滑でありながらすべり性に優れ、しかも透明性や耐削れ性にも優れるポリトリメチレン−2,6−ナフタレートフィルムとして好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するベント付二軸混錬押出機を例示した側断面図である。
【符号の説明】
1 押出機本体
2 加熱シリンダー
3 スクリュー
4 ポリマーの吐出口
5 定量フィーダー
6 ポリマー投入口
7 不活性粒子およびポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の投入口
8、9 ベント口
Claims (8)
- ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂を加熱して溶融状態にする第1の工程、溶融状態のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂に不活性粒子を添加する第2の工程および溶融状態のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂と不活性粒子とを混練する第3の工程とからなり、該第2の工程において不活性粒子を添加する際に、平均粒径が10〜1000μmのポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末を不活性粒子と同時に添加することを特徴とするポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
- 不活性粒子の添加量が、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の重量を基準として、0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
- ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加量が、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の重量を基準として、0.001〜40重量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
- ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂微粉末の添加量が、不活性粒子の重量を基準として、10重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
- 不活性粒子が無機粒子であることを特徴とする請求項1に記載のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
- 不活性粒子が有機粒子であることを特徴とする請求項1に記載のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
- 不活性粒子の平均粒径が、0.03〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
- 溶融状態における混練方法が、ベント付二軸混練押出機による方法であることを特徴とする請求項1に記載のポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
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