JP3370195B2 - ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルムの製造方法

Info

Publication number
JP3370195B2
JP3370195B2 JP29662594A JP29662594A JP3370195B2 JP 3370195 B2 JP3370195 B2 JP 3370195B2 JP 29662594 A JP29662594 A JP 29662594A JP 29662594 A JP29662594 A JP 29662594A JP 3370195 B2 JP3370195 B2 JP 3370195B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyester
particles
intrinsic viscosity
bulk density
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29662594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08151456A (ja
Inventor
崇利 三木
Original Assignee
三菱化学ポリエステルフィルム株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三菱化学ポリエステルフィルム株式会社 filed Critical 三菱化学ポリエステルフィルム株式会社
Priority to JP29662594A priority Critical patent/JP3370195B2/ja
Publication of JPH08151456A publication Critical patent/JPH08151456A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3370195B2 publication Critical patent/JP3370195B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルフィルム
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
エステルに炭酸カルシウムや二酸化チタン等の各種無機
粒子や、有機粒子などを添加しポリエステルフィルムを
得ることは良く知られており、粒子を含有するポリエス
テルの製造法として、ポリエステルの重合時に粒子を配
管中で添加したり、重合して得られたポリエステルペレ
ットに粉体またはスラリー状の粒子含有物を混練機等を
用いて添加、練り込むなどが知られている。このように
して得られた粒子を含有するペレット状のポリエステル
組成物(マスターバッチペレットと称する)を、粒子を
含有しないポリエステルと混合し、溶融押し出してシー
ト状の成型物を得て、そのまま少なくとも一方向に延伸
する方法が行われている。
【0003】しかしながら、マスターバッチペレットを
使用する方法では、粒子種に応じたマスターバッチペレ
ット毎に貯蔵用サイロを必要とするために設備が大型化
するほか、フィルム中の粒子含有量を適当な範囲に調整
するため計量設備も必要となり、多くのスペースを必要
としたり、製造設備の建設コストがアップするなどの問
題があった。
【0004】マスターバッチペレットを使用する方法で
は、フィルムの性質が均質となるよう各種ペレットは十
分に混合され押し出しされる。しかしながら、粒子を含
有するポリエステル組成物は、含有する粒子の種類によ
ってペレットの摩擦係数や帯電列が異なることなどか
ら、計量混合されてから押し出されるまでの工程内で、
特定のペレットが管壁やサイロ内に付着したりして分離
不均質化する、いわゆる偏析と称する現象が不可避的に
生じていた。この結果、押し出されたフィルムの粒子含
有量が変動し、フィルムの品質が変動するという致命的
問題が生じていた。
【0005】一方、マスターバッチペレットの製造法に
も種々の問題があった。重合時の配管添加法では、粒子
の分散に必要な混合分散操作が難しく、このためポリマ
ー中の粒子の分散状態が悪かったり、粒子の添加濃度を
上げることができないなどといった問題があった。
【0006】また、ポリエステルペレットに混練機等を
用いて粒子を添加する方法では、一般にポリマー中の粒
子濃度が高く、また混練時にポリマーに対し熱や剪断力
を与えるため、混練後のポリマーの固有粘度は、混練前
のペレットのそれと比べて低下する。さらにこのペレッ
トはフィルム製造ラインの押出機で押し出される際、再
度、固有粘度の低下を生ずる。このため、粒子混練用の
ペレット、あるいは希釈用のペレットは、固有粘度の高
いものを用いる必要があった。通常、固有粘度をアップ
するためには重合時間を長くしなければならず、ポリエ
ステルの生産性が低下する。このため、原料のコストが
アップするという問題が不可避的に生じていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、上記課題を解決できる方法を見
いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
の要旨は、嵩密度が0.01〜0.7、固有粘度が0.
4以上のポリエステルと、平均粒径が0.01〜3μm
の粒子とを定量的に供給し、溶融押し出しして得たシー
ト状の成形物を連続的に少なくとも一方向に延伸するこ
とを特徴とするポリエステルフィルムの製造方法に存す
る。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルとは、ジカルボン酸とジオールあるい
はヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られる
エステル基を含むポリマーの総称である。ジカルボン酸
としてはテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等があり、
ジオールとしてはエチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、ポリエチレングリコール等があり、ヒ
ドロキシカルボン酸としてp−ヒドロキシ安息香酸、6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等がある。また、本発明
で用いるポリエステルは、必要に応じて安定剤、着色
剤、酸化防止剤、消泡剤、静電防止剤、蛍光増白剤など
の添加剤を含有するものであってもよい。
【0009】本発明で用いるポリエステルは、その嵩密
度が0.01〜0.7、好ましくは.0.08〜0.6
であれば、ペレット状であっても、あるいはフィルムを
粉砕処理して得られる、いわゆるフレーク状のものであ
ってもよい。嵩密度が0.01よりも小さいと、一定時
間あたりの押出量が減少するため、好ましくない。また
嵩密度が0.7より大きいと、固有粘度の低下が大きく
なり、さらに粒子の分散状態が悪化してフィルム表面
に、いわゆる粗大突起が増大し、例えばフィルム表面に
印刷などを施す際、インキが付着しなかったり、またフ
ィルムを搬送中に粗大突起が脱落して異物となって印刷
面などに付着し、印刷外観を著しく損ねるなどの問題が
生じるので、好ましくない。本発明で用いるポリエステ
ルの固有粘度は0.4以上であり、固有粘度が0.4以
下では押出時の固有粘度の低下が大きく好ましくない。
【0010】本発明で用いる粒子としては、不活性な無
機または有機の微粒子、例えば二酸化ケイ素、二酸化チ
タン、ゼオライト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、セライ
ト、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭
酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カ
ルシウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、フッ
化リチウム、カオリン、タルク、カーボンブラック、、
フッ化リチウム、テレフタル酸カルシウム、架橋高分子
微粉体などを挙げることができる。本発明で用いる粒子
の平均粒径は0.01〜3μmのものであり、平均粒径
が0.01μmより小さいと粒子の比表面積が増大する
ため、粒子間の凝集が起こりやすく、また3μmより大
きいと僅かな二次凝集でもその二次粒径が大きくなり、
いずれもフィルム表面で粗大突起を形成し好ましくな
い。
【0011】フィルムに隠蔽性を付与するために二酸化
チタンを使用する場合、その結晶型はアナターゼ型であ
ってもルチル型であってもよい。フィルムに隠蔽性を付
与するためには、一般的に平均粒径が0.1〜0.5μ
mであることが好ましく、この程度の粒径の粒子を用い
る場合、3重量%以上の粒子を添加しても粒子の分散性
が良好となり、粗大突起を形成することがない。これ
は、嵩密度が0.01〜、0.7のポリエステルを使用
することによりその比表面積が増大し、粒子の添加量を
増大しても良好な分散性が得られたものである。
【0012】上記のポリエステルと粒子とを、粒子の含
有量が一定となるよう、押出機に供給する。定量的に供
給するための装置は、重量式であっても容量式であって
もよい。固有粘度の低下を抑制するため、押し出し前に
ポリエステルおよび/または粒子に乾燥を施してもよ
い。また、ポリエステルの嵩密度が低く、押し出し量を
アップするのが難しい場合、あらかじめ嵩密度をアップ
するような処置を、例えばコンパクターなどによって施
してもよい。
【0013】押出機は、ポリエステルの固有粘度が低下
しないものが良く、好ましいものはベント付き押出機、
さらに好ましくは二軸ベント付き押出機である。二軸ベ
ント付き押出機と単軸押出機を連結した、いわゆるタン
デム型押出機でもよい。ベントを有する押出機にて、ベ
ント部を10torr以下の真空に保つことにより、固
有粘度の低下を防止し、粒子の良好な分散状態を得るこ
とができる。
【0014】かくして実質的に完全に溶融状態となり、
粒子を均一に分散させたポリエステルは、異物除去のフ
ィルター、ポリマーの流量を一定に調節するギアポンプ
などの装置を経て、口金から押し出され、回転する冷却
ドラム上で急冷固化される。上記の方法は、上記の方法
以外の方法で溶融されたポリエステルと合流させて製造
される、いわゆる共押出積層フィルムの製造方法にも適
用される。急冷固化して得られた実質的に非晶質フィル
ムは加熱され、少なくとも一方向に延伸され、フィルム
を得ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明の要旨を越えない限り、以下の実施
例によって限定されるものではない。なお、本発明にお
ける諸特性の測定および判定は、次に示す方法にて行っ
た。
【0016】(1)嵩密度 ポリエステルの嵩密度は、次のようにして求めた。すな
わち、嵩比重測定器を用い(JIS K6722)、単
位体積V当たりの重量Wより、次式にて求めた。 嵩密度=W/V (2)固有粘度 ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50
/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、3
0℃で測定した。
【0017】(3)平均粒径 d50 CS(延伸沈降法) (株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA
−CP3型を用いて、ストークスの抵抗則に基づく沈降
法によって、粒子の大きさを測定した。すなわち、試料
粉体を分散媒中に均一に分散させ、沈降最上面から一定
距離のところで光学的に懸濁液の濃度変化を検出し、沈
降開始時点からその濃度変化が生じたときまでの時間を
測定することにより、その濃度変化を起こした粒子の沈
降速度が分かる。
【0018】(4)フィルム中の凝集物 粒子の含有量が5重量%以下となるようにポリエステル
で希釈し、光学顕微鏡で長径が10μm以上の凝集塊の
単位体積中の個数を数えた。
【0019】実施例1 嵩密度0.11で固有粘度が0.65の未乾燥ポリエス
テルに、一次粒径が0.3μmである二酸化チタンを5
%添加し、二軸ベント付き押出機で溶融押し出しして急
冷固化し無定型フィルムを得、次いで長手方向に延伸お
よびフィルムの進行方向と直角方向に延伸して熱固定し
た後、厚さ188ミクロンの二軸延伸フィルムを得た。 実施例2 二酸化チタンの含有量を20重量%とする以外は、実施
例1と同一条件下でフィルムを得た。
【0020】比較例1 嵩密度が0.85の未乾燥ポリエステルペレットを用い
た以外は、実施例1と同一条件下でフィルムを得た。 比較例2 嵩密度が0.85の未乾燥ポリエステルペレットを用い
た以外は、実施例2と同一条件下でフィルムを得た。以
上、得られた結果をまとめて下記表1に示す。
【0021】比較例3 固有粘度が0.35である未乾燥ポリエステルを用いた
以外は、実施例1と同一条件でフィルム化を試みたが、
破断が多発し、フィルムは得られなかった。 比較例4 嵩密度が0.008である未乾燥ポリエステルを用いた
以外は、実施例1と同一条件でフィルムかを試みたが、
押出機に十分供給することができず、その結果、フィル
ム化に必要な押出量が得られなかった。
【0022】比較例5 平均粒径が0.008μmである無機粒子を用いた以外
は、実施例1と同一条件でフィルム化を行ったが、多数
発生した凝集塊がフィルム表面に大きな突起を形成し、
品質が非常に劣ったものであった。 比較例6 平均粒径が5μmである無機粒子を用いた以外は、実施
例1と同一条件でフィルム化を行ったが、多数発生した
凝集塊がフィルム表面に大きな突起を形成し、品質が非
常に劣ったものであった。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の方法により製造されたフィルム
は固有粘度の低下が少なく、また粒子分散性も良好であ
り、その工業的意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 7:00 B29L 7:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嵩密度が0.01〜0.7、固有粘度が
    0.4以上のポリエステルと、平均粒径が0.01〜3
    μmの粒子とを定量的に供給し、溶融押し出しして得た
    シート状の成形物を連続的に少なくとも一方向に延伸す
    ることを特徴とするポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも2層よりなる積層体フィルム
    の製造法において、少なくとも1層が請求項1に記載の
    方法にて押し出されてなるポリエステルフィルムの製造
    方法。
JP29662594A 1994-11-30 1994-11-30 ポリエステルフィルムの製造方法 Expired - Fee Related JP3370195B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29662594A JP3370195B2 (ja) 1994-11-30 1994-11-30 ポリエステルフィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29662594A JP3370195B2 (ja) 1994-11-30 1994-11-30 ポリエステルフィルムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08151456A JPH08151456A (ja) 1996-06-11
JP3370195B2 true JP3370195B2 (ja) 2003-01-27

Family

ID=17835973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29662594A Expired - Fee Related JP3370195B2 (ja) 1994-11-30 1994-11-30 ポリエステルフィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3370195B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08151456A (ja) 1996-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100501064B1 (ko) 폴리에스테르조성물,그의제조방법및장치
JP3370195B2 (ja) ポリエステルフィルムの製造方法
KR100589890B1 (ko) 열가소성수지 조성물, 그 제조방법 및 그 조성물로이루어진 2축 배향 필름
JP3820139B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JP2000080293A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法およびその組成物よりなる二軸配向フィルム
JP3869752B2 (ja) ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法およびポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム
JP2564957B2 (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JPH07329141A (ja) 積層フィルムの製造方法
JP4137509B2 (ja) ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法
JP4141263B2 (ja) ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法
JP4121434B2 (ja) ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法
JPH08100110A (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP3942380B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JPH11216721A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP3440212B2 (ja) 無機粒子含有ポリエステル組成物の製造方法
JPH11216724A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JP3776048B2 (ja) ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂組成物の製造方法
JP4137570B2 (ja) ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法
JP3140389B2 (ja) ポリエステル組成物およびその製造方法
JP3776034B2 (ja) ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法
JPH111562A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP4141273B2 (ja) 共重合ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法
JPH11216722A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JP2519050B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造法
JPH0665478A (ja) ポリエステルフイルム

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees