JPH04359047A - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物の製造方法

Info

Publication number
JPH04359047A
JPH04359047A JP13125191A JP13125191A JPH04359047A JP H04359047 A JPH04359047 A JP H04359047A JP 13125191 A JP13125191 A JP 13125191A JP 13125191 A JP13125191 A JP 13125191A JP H04359047 A JPH04359047 A JP H04359047A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
polyester
cerium oxide
particle size
average particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13125191A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Kimura
将弘 木村
Tomoji Saeki
佐伯 知司
Masaru Suzuki
勝 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP13125191A priority Critical patent/JPH04359047A/ja
Publication of JPH04359047A publication Critical patent/JPH04359047A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル組成物に
関するものであり、さらに詳しくはベント式押出機によ
り微小な酸化セリウム粒子及び不活性粒子からなる粒子
をコントロ―ルすることにより、滑り性、耐摩耗性、耐
スクラッチ性(傷がつきにくい性質のことをいう)、電
磁変換特性に優れたフィルムあるいは繊維を得るのに適
したポリエステル組成物の製造方法に関するものである
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレ―トは、その優れた物理的、化学的特性を有するた
め、繊維、フィルム、その他成形品として広く使用され
ている。しかしその優れた特性とは逆に、上記成形品を
得る成形工程における工程通過性、あるいは製品自体で
の取り扱いにおける滑り性不良による作業性の悪化、製
品価値の低下といった好ましくないトラブルが発生する
ことも知られている。
【0003】これらの問題に対して、ポリエステル中に
微粒子を含有せしめて成形品の表面に適度の凹凸を付与
し、成形品の表面の滑り性を向上させる方法が数多く提
案され、その一部は実用化されている。例えば酸化ケイ
素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、カオリナ
イトなどの不活性無機粒子をポリエステルに添加する方
法がある(例えば特開昭55−133431号公報)。
【0004】しかし、これらの不活性無機粒子を添加す
る方法は、往々にして粗大粒子が混入する。このような
粗大粒子が存在すると、例えば磁気テ―プ用フィルムに
おいては、電磁変換特性を低下させたり、ドロップアウ
トを引き起こす原因となったり、製版印刷用、マイクロ
フィルム用などの透明性が要求されるフィルムにおいて
は、透明性が著しく低下するなどのフィルム品質を損ね
てしまう。
【0005】このような粗大粒子を除去する方法として
、一般にポリエステル合成反応時に添加する場合は、粉
砕、分級操作などを行なってスラリ―状態あるいは溶液
状態で添加されている。又、ポリエステルに混練、配合
する場合は、粉末状粒子を単軸あるいは二軸押出機を用
いて、ポリマおよび粒子に強力な剪断応力を長時間加え
るなどの方法でポリマ中に粒子を分散させている。
【0006】しかし、前者の場合は、粉砕、分級操作に
多大な費用、作業時間がかかったり、この操作を行なっ
たとしても粗大粒子の混入は避けきれない。又、近年一
種のベ―スポリマから多品種の付加価値を有したポリマ
を作成する点において、重合反応時に添加していたので
はその銘柄の切替により大量のロスを生じる。
【0007】一方、後者は粉末状粒子をポリマに添加、
混練するため粗大粒子の混入は避けきれず、さらに分散
性を向上させるために強力な剪断応力を長時間加えると
、ポリマの極限粘度が著しく低下して成形性あるいは製
品の品質が悪化する。
【0008】そこで、本発明者らは、上記従来使用され
ている粒子添加方式の欠点を改良し、特に易滑性とフィ
ルム表面の均一性、耐摩耗性などに優れたポリエステル
フィルムを得るために鋭意検討した結果、本発明に到達
したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無機
粒子をポリエステルに容易に添加することができ、得ら
れたポリマの極限粘度の低下も少なく、しかも無機粒子
の分散性が良好であるため、従来技術では達し得なかっ
た易滑性、表面均一性、耐摩耗性、耐スクラッチ性、電
磁変換特性に優れたポリエステルを得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的は
、粒子含有ポリエステルを製造するに際し、ベント式押
出機において、ポリエステルに平均粒子径0.0005
〜0.10μmの酸化セリウム粒子及び平均粒子径0.
001〜1.0μmの不活性粒子の水および/又は沸点
200℃以下の有機化合物スラリ―を添加することを特
徴とするポリエステル組成物の製造方法によって達成で
きる。
【0011】本発明において用いられるポリエステルは
芳香族ジカルボン酸あるいはそのアルキルエステル等の
二官能性成分とグリコ―ル成分を原料として重縮合反応
によって製造されるものである。特にこの中でポリエチ
レンテレフタレ―トを主体とするものが好ましい。ポリ
エチレンテレフタレ―トを主体ととするポリエステルは
、ホモポリエステルであってもコポリエステルであって
も良く、共重合成分の例としてはアジピン酸、セバシン
酸、フタル酸、ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジ
カルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジ
カルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸等の
多価カルボルン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸な
どのオキシカルボン酸成分、およびテトラメチレングリ
コ―ル、ヘキサメチレングリコ―ル、ジエチレングリコ
―ル、プロピレングリコ―ル、ネオペンチルグリコ―ル
、ポリオキシアルキレングリコ―ル、p−キシリレング
リコ―ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ―ル、5−
ナトリウムスルホレゾルシン等のジオ―ル成分が挙げら
れる。
【0012】本発明における酸化セリウム粒子は酸化セ
リウム(III) Ce2 O3 であっても、また酸
化セリウム (IV) CeO2 であっても良いが、
特にCeO2 が好ましい。本発明における酸化セリウ
ム粒子の平均粒子径は0.0005〜0.10μm、好
ましくは0.0005〜0.05μm。、さらに好まし
くは0.0008〜0.02μmである。このように微
小で、なおかつポリエステルと親和性の大きい酸化セリ
ウムを用いると、後述する不活性粒子または酸化セリウ
ムとの間で凝集を起こし、適当な大きさの二次粒子が得
られるので好ましい。平均粒子が0.0005μm未満
、または平均粒子が0.10μmを越える場合は、ポリ
エステル中での平均二次粒径のコントロ―ルが難しく、
耐スクラッチ性が悪化する。
【0013】本発明における不活性粒子は無機粒子、有
機粒子などの不活性な粒子であれば特に限定されない。 無機粒子は、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム
、酸化鉄、酸化スズなどの金属酸化物粒子、酸化アンチ
モンなどの半金属酸化物粒子、炭酸カルシウムなどの炭
酸塩粒子が二次粒子の粒径をコントロ―ルしやすいので
好ましい。中でも二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アル
ミニウム(III) が特に好ましい。有機粒子は架橋
ポリスチレン、ジビニルベンゼン系重合体、シリコーン
、ポリテトラフルオロエチレンなどが二次粒子の粒径を
コントロ―ルしやすいので好ましい。本発明における不
活性粒子の平均粒径は0.001〜1.0μm、好まし
くは0.002〜0.8μm、さらに好ましくは0.0
05〜0.5μmである。
【0014】なお、本発明における酸化セリウム粒子お
よび不活性粒子のそれぞれの平均粒径は、ポリエステル
に添加する前のそれぞれの原料粉末、または原料スラリ
―を適当な溶媒を用いて分散させ測定する。一次粒子の
平均粒径が0.1μm未満であると考えられるものはハ
イアックロイコ社製のNICOMP粒度分布分析システ
ムで一次粒子の平均粒径を求め、平均粒径とした。一次
粒子の平均粒径が0.1μm以上と考えられる場合は、
分散液を乾燥後、透過型電子顕微鏡で観察、撮影し粒子
の粒径をカウントし平均値を求め、平均粒径とした。こ
こで一次粒子とは粒子本来の粒径のことをいい、一次粒
子が凝集してできる粒子と区別している。
【0015】本発明では酸化セリウム粒子および不活性
粒子からなり、それらが化学的にまたは物理的に凝集し
たものを二次粒子という。その二次粒子を構成する粒子
数、両粒子の比は特に限定されないが、本発明における
平均二次粒子径Dは(a)式を満足することが成型品に
粗大な突起の発生が著しく少なくなるため好ましい。さ
らに好ましくは平均二次粒子径の上限が2.0μm以下
特に好ましくは1.0μm以下であることが望ましい。
【0016】
【数1】
【0017】(ここで D1:酸化セリウム粒子の平均粒径[μm]D2:不活
性粒子の平均粒径[μm] D:後に記載する方法で測定した平均二次粒子径[μm
]である)。
【0018】本発明ではベント式押出機のスクリュ―回
転数、構造などを変えたり、押出温度、スラリ―の種類
、温度、添加方法などを変えることにより二次粒子径を
コントロ―ルすることが可能である。
【0019】なお、平均二次粒子径(D)とは得られた
ポリエステル組成物を超薄膜作成装置によって0.3μ
m前後の超薄切片にしたのち、透過型電子顕微鏡写真を
撮り、イメ―ジアナライザ―を用いて酸化セリウム粒子
と不活性粒子とが凝集した粒子をカウントし50体積%
の点にあたる粒子等価球直径より求めた粒径である。こ
こで等価球直径とは粒子と同じ体積を有する球の直径で
ある。
【0020】本発明における二次粒子は、下式で定義さ
れる凝集率rが(b)式を満たしているものが耐摩耗性
、耐スクラッチ性が著しく良好となるので望ましい。 さらに好ましくは凝集率の下限が0.2、より好ましく
は0.5、特に好ましくは0.8が望ましい。ここでポ
リエステル単位あたりに含まれる二次粒子の体積(V)
は平均二次粒子径を求める際に二次粒子の体積を等価球
直径より求めたものである。この場合観察視野は広い程
よいが、ポリエステル単位あたりに含まれる二次粒子の
体積が変わらない程度の視野で測定するのがよい。 0.05≦r≦1.5               
         (b)(ここで r=V/(V1 +V2 ) r:凝集率 V1 :酸化セリウム粒子の添加重量を密度で割って求
めた酸化セリウムの体積をポリエステル単位体積あたり
に含まれる体積として換算した値 V2 :不活性粒子の添加重量を密度で割って求めた不
活性粒子の体積をポリエステル単位体積あたり含まれる
体積として換算した値 V  :前記した方法で測定した二次粒子の体積である
)。
【0021】また微小な酸化セリウム粒子および不活性
粒子からなる二次粒子のポリエステルに対する総含有量
が0.001〜20重量%の場合、滑り性、表面平坦性
および磁気変換特性が良好であるため好ましい。より好
ましくは0.005〜20重量%、さらに好ましくは0
.01〜20重量%、特に好ましくは0.1〜20重量
%である。特に得られたポリエステル組成物を積層型フ
ィルムの粒子含有層用のマスタ―原料として用いる場合
、酸化セリウム粒子の不活性粒子のポリエステルに対す
る含有量は0.05〜20重量%であることが好ましく
、また得られるポリエステル組成物を他のポリエステル
組成物と混ぜ合わせて使用する場合には0.1〜20重
量%が好ましい。
【0022】本発明において使用される酸化セリウム粒
子との不活性粒子は、これら粒子に対する酸化セリウム
粒子の体積%が0.1〜99.0体積%であるものが耐
摩耗性、耐スクラッチ性が良好であるため好ましい。さ
らに好ましくは、1.0〜95.0体積%、特に好まし
くは10.0〜90.0体積%が望ましい。さらにこれ
らの粒子の凝集状態をコントロ―ルするためにシリカ成
分等が含有されていてもよい。両者の混合物あるいは混
成物をスラリーにして作るときにシリカ成分を添加する
と、ポリエステル中での二次粒子径をコントロ―ルしや
すくなるので好ましい。
【0023】本発明では上記の粒子をポリマ−中に分散
させたポリエステル組成物を得るに際し、ベント式押出
機においてポリエステルに上記の粒子の水および/又は
沸点200℃以下の有機化合物スラリ―を添加し、加熱
減圧下で水および/又は沸点200℃以下の有機化合物
を除去し、溶融混練することを実施する。ベント式押出
機は少なくとも1つのベント孔を設けた溶融押出機で、
例えば押出成形機であっても射出成形機であってもよい
。水および/又は沸点200℃以下の有機化合物を除去
するためのベント孔の少なくとも1つは減圧下に保持す
る必要がある。また、ベント孔の減圧度は100Tor
r以下に保持することが好ましく、50Torr以下が
より好ましく、30Torr以下がさらに好ましい。
【0024】一方、酸化セリウム粒子及び不活性粒子は
水および/又は沸点200℃以下の有機化合物スラリ―
としてポリエステルに添加することが必要である。沸点
200℃以下の有機化合物の例としてはメタノ―ル、エ
タノ―ル、エチレングリコ―ルなどのアルコ―ル類、ベ
ンゼン、トルエンなどの炭化水素化合物、その他として
エステル類、ケトン類、アミン類などが挙げられるが、
特に制限されない。なかでもハンドリング性、除去性な
どの点から水が好ましい。もちろん水および/又は有機
化合物は二種以上の混合溶媒でもよく、その場合、水リ
ッチ系混合溶媒が好ましい。酸化セリウム粒子と不活性
粒子はそれぞれ単一に、または混合して添加してもよく
単一にそれぞれ添加する際には、同一溶媒、異なる溶媒
でそれぞれをスラリー化してもよい。
【0025】さらに、酸化セリウム粒子及び不活性粒子
の水および/又は沸点200℃以下の有機化合物スラリ
―濃度は特に制限されないが、ポリマに対する水および
/又は沸点200℃以下の有機化合物の添加量は2重量
%以上30重量%以下がポリマ中の分散性およびポリマ
の極限粘度が良好であるため好ましい。より好ましくは
2重量%以上20重量%以下である。
【0026】本発明の方法を用いればポリエステルに酸
化セリウム粒子及び不活性粒子を高濃度に含有させるこ
とができる。従って酸化セリウム粒子及び不活性粒子を
高濃度に含有したポリエステルを製造し、実質的に粒子
を含まないポリエステルで希釈して使用することもでき
る。
【0027】本発明では、酸化セリウム粒子及び不活性
粒子を水および/又は沸点200℃以下の有機化合物ス
ラリ―の状態でポリエステルに添加、混合することが可
能で、得られたポリマの極限粘度低下は少ない。
【0028】本発明ではベント式押出機により、微小な
酸化セリウム粒子と不活性粒子を分散させるために、二
次粒子径の微妙なコントロ―ルが可能となり、粗大粒子
が大幅に減少する。したがって延伸フィルムにした場合
には均一な凹凸表面が得られ、易滑性及び耐摩耗性を兼
備したフィルムが得られる。
【0029】本発明のポリエステル中の微小な酸化セリ
ウムと不活性粒子は適当な大きさの二次粒子径をもち、
単分散する粒子に比べてポリエステルからの脱落しにく
いだけでなく、ポリエステルの表面を均一に補強する効
果を有し、ポリエステルの表面の削れ性を低減する役割
を有するものと考えられる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、得られたポリエステル組成物の各特性値測定
は次の方法に従って行った。
【0031】(A)粒子特性 (1)添加前の酸化セリウム粒子の平均粒径 (D1 
)及び不活性粒子の平均粒径(D2 ) 添加前の酸化セリウム粒子の平均粒径 (D1 ) お
よび不活性粒子の平均粒径(D2 ) は、ポリエスル
に添加する前のそれぞれの原料粉末、または原料スラリ
―を水を用いて分散させ測定した。一次粒子の平均粒径
が0.1μm未満であると考えられるものはハイアック
ロイコ社製のNICOMP粒度分布分析システムで一次
粒子の平均粒径を求め、平均粒径とした。一次粒子の平
均粒径が0.1μm以上と考えられる場合は、分散液を
乾燥後、透過型電子顕微鏡で観察、撮影し一次粒子の粒
径をカウントし、平均値を求め、平均粒径とした。ただ
し、添加前の酸化セリウム粒子と不活性粒子が混合スラ
リ―、混合粉体、混合凝集体、混成物などの状態にある
場合には、その状態を作る以前の酸化セリウム粒子の平
均粒径(D1)および不活性粒子の平均粒径(D2)を
同様な方法で求めた。
【0032】(2)ポリマ中での酸化セリウム粒子及び
不活性粒子の平均二次粒径(D) ポリエステル組成物を超薄膜作成装置によって0.3μ
m前後の超薄切片にしたのち、透過型電子顕微鏡写真を
撮り、イメ―ジアナライザ―を用いて粒子をカウントし
50体積%の点にあたる粒子等価球直径により求めた粒
径である。ここで等価球直径とは粒子と同じ体積を有す
る球の直径である。
【0033】(3)凝集率(r) 凝集率は下式で求めた。二次粒子の体積は、平均二次粒
子径を求める際に二次粒子の体積を等価球直径より求め
たものである。なお酸化セリウム粒子、不活性粒子の密
度は、文献値を採用した。 r=V/(V1 +V2 ) r  :凝集率 V1 :酸化セリウム粒子の添加重量を密度で割って求
めた酸化セリウムの体積をポリエステル単位体積あたり
に含まれる体積として換算した値 V2 :不活性粒子の添加重量を密度で割って求めた不
活性粒子の体積をポリエステル単位体積あたりに含まれ
る体積として換算した値 V  :前記の方法で測定した二次粒子の体積。
【0034】(4)酸化セリウム粒子の添加量(体積%
) 酸化セリウム粒子の添加量(体積%)は、酸化セリウム
粒子及び不活性粒子の添加重量をそれぞれの密度で割り
、それらの体積に対する酸化セリウムの体積の割合から
求めた。
【0035】(5)全添加量(重量%)全添加量は、微
小な酸化セリウム粒子及び不活性粒子の添加重量をポリ
エステルの重量で割ることにより得た。
【0036】(B)ポリマ特性 (1)極限粘度 25℃でオルトクロロフェノ―ル中で測定した値である
【0037】(C)フィルム特性 (1)表面粗さRa(μm) JIS−B−0601に準じサ―フコム表面粗さ計を用
い、針径2μm、荷重70mg、測定基準長0.25m
m、カットオフ0.08mm条件下で測定した中心線平
均粗さを採用した。
【0038】(2)滑り性(μk) フイルムを1/2インチにスリットし、テ―プ走行性試
験機TBT−300型((株)横浜システム研究所製)
を使用し、30℃、60%RH雰囲気で走行させ、初期
のμkを下記の式により求めた。なお、ガイド径は8m
mφであり、ガイド材質はSUS27(表面粗度0.2
S)、巻き付け角は180°、走行速度は5.0cm/
秒である。μk<0.8を合格とし、0.5以下を特に
良好とした。 μk=0.733log(T1/T2)T1:出側張力 T2:入側張力 (3)耐摩耗性 フィルムを細幅にスリットしたテ―プ状ロ―ルをステン
レス鋼SUS−304製ガイドロ―ルに一定張力で高速
、長時間擦りつけガイドロ―ル表面に発生する白粉量に
よって次のようにランク付けした。本発明ではA級を合
格とした。 A級……………白粉発生まったくなし B級……………白粉発生少量あり C級……………白粉発生多量あり。
【0039】(4)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2インチのテ―プ状にスリットしたも
のをテ―プ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面
粗さ:Raで0.1μm)上を走行させる(走行速度8
00m/分、走行回数20パス、巻き付け角60°、走
行張力65g)。この時、フィルムに入った傷を顕微鏡
で観察し、幅2.0μm以上の傷がテ―プ幅あたり2本
未満はA級、2本以上5本未満はB級、5本以上はC級
とし、A級及びB級を合格とした。
【0040】(5)電磁変換特性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロ―ルより塗
布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テスト
カレンダ―装置(スチ―ルロ―ル/ナイロンロ―ル、5
段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレ
ンダ―処置した後、70℃、48時間キュアリングする
。上記テ―プ原反を1/2インチにスリットし、長さ2
50mの長さをVTRカセットに組み込みVTRカセッ
トテ―プとした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g)    
          :100重量部・エスレックA(
積水科学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体)    
                         
                         
:10重量部・ニッポラン2304(日本ポリウレタン
製ポリウレタンエラストマ)            
                         
                 :10重量部・コ
ロネ―トL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネ―ト)
:5重量部・レシチン               
                         
    :1重量部・メチルエチルケトン      
                         
   :75重量部・メチルイソブチルケトン    
                         
 :75重量部・トルエン             
                         
      :75重量部・カ―ボンブラック    
                         
       :2重量部・ラウリン酸       
                         
          :1.5重量部このテ―プに家庭
用VTRを用いてシバソク製のテレビ試験波形発生器(
TG7/U706)により100%クロマ信号を記録し
、その再生信号からシバソク製カラ―ビデオノイズ測定
機(925D/1)でクロマS/Nを測定した。本発明
では基準に対して+3dB以上を合格とし、+4dB以
上を特に良好とした。
【0041】実施例1 まず、平均粒子径0.002μmの酸化セリウム(IV
)粒子と平均径0.010μmの酸化チタン(アナタ―
ゼ型)粒子を高速撹拌機を用いて水中に微分散させた。 この時の酸化セリウム粒子の全粒子に対する割合は34
.8体積%であった。
【0042】次に水分0.4重量%を含有する極限粘度
0.615の未乾燥ポリエチレンテレフタレ―トチップ
をベントタイプ二軸押出機を使用して該ポリマチップを
溶融状態とし、最終的なポリマ中の含有量を5重量%と
なるように上記スラリ―(対ポリマ分率8.0重量%)
を添加した。ベント口を10Torrの真空度に保持し
、樹脂温度280℃で溶融押出して酸化セリウム粒子及
び酸化チタン粒子含有ポリエチレンテレフタレ―トを得
た。得られたポリマの極限粘度は0.603で極限粘度
の低下が著しく少なく、二次粒子は平均粒径0.08μ
m、凝集率0.76を示す微分散をしていた。得られた
ポリマを酸化セリウム粒子と酸化チタン粒子の総添加量
が0.5重量%含有するように、粒子を含有していない
ポリマを用いて調製し、該ポリマを290℃で溶融押し
出しし、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃の
キャステイングドラムに巻き付けて冷却固化し厚さ約1
50μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルム
を90℃縦方向に3.4倍、100℃で横方向に3.6
倍延伸した。その後、210℃で熱固定し、厚さ15μ
mの二軸延伸フィルムを得た。該フィルム特性を評価し
た結果、易滑性、耐摩耗性、耐スクラッチ性、電磁変換
特性ともに良好であった(表1)。
【0043】実施例2〜13 酸化セリウム粒子の平均粒径及び不活性粒子の種類、平
均粒径、さらにポリエステルに対するそれぞれの添加量
、ポリエステルに対する全添加量を表1および2のよう
に変更して、実施例1と同様な方法でポリエステル組成
物、ならびに二軸延伸フィルムを得た。
【0044】表1および2に示したように、実施例2お
よび3は、それぞれ酸化セリウム粒子、酸化チタン粒子
の粒子径を変更したもので、いずれもフィルム特性は良
好であったが、酸化チタン粒子の粒子径が大きいものは
、二次粒子径が大きく、耐スクラッチ性がやや低下した
。実施例4は、粒子の添加量を少なくしたものであるが
、フィルム特性は良好であった。
【0045】実施例5は実施例1のスラリ―中に7.5
体積%のシリカ成分含有させ酸化セリウムの体積%を2
7.3体積%に変更したスラリ―を使用したもので、得
られたポリマ中の二次粒子が微分散しており、特に電磁
変換特性が良好であった。
【0046】実施例6および7は、酸化セリウム粒子の
添加量を変更し凝集率を変えたものであるが、いずれも
耐スクラッチ性がやや低下した。実施例8〜10は、不
活性粒子の種類を変更したものであるが、いずれもフィ
ルム特性は良好であった。
【0047】実施例11は、水/メタノ―ルをそれぞれ
重量比で9/1にして実施例1と同様にしてポリエステ
ル組成物、二軸延伸フィルムを得たところフィルム特性
はいずれも良好であった。
【0048】実施例12および13は、それぞれ酸化セ
リウム粒子、酸化チタン粒子の粒子径を変更したもので
あるが、いずれもフィルム特性は良好であった比較例1
〜7 比較例1〜3は粒子の種類を表3および4のように変更
して、実施例1と同様な方法でポリエステル組成物、な
らびに二軸延伸フィルムを得た。比較例1〜3のように
酸化セリウム粒子単独または不活性粒子単独の添加でフ
ィルムを作成した場合、得られたフィルムの耐摩耗性、
耐スクラッチ性、電磁変換特性はいずれも不充分なもの
であった。比較例4は酸化セリウム粒子と酸化チタン粒
子を粉体としてベント式押出機に添加したものであるが
、二次粒子径が大きくなるとともに、粗大粒子が多発し
、フィルム特性が悪化した。比較例5はポリエステル製
造の際、エステル化反応終了後、リン化合物を添加した
のち、スラリ―を添加したものであるが粗大粒子が一部
発生し、耐スクラッチ性、電磁変換特性が悪化した。 比較例6〜7はCeO2、TiO2の粒径を本発明の範
囲外にした場合であるが、いずれもフィルム特性が悪化
した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】表2中の共重合体粒子はジビニルベンゼン
―エチルビニルベンゼン共重合体粒子のことである
【0
054】
【発明の効果】本発明のポリエステル製造方法を用いる
と、次のような優れた効果が発揮される。
【0055】(1)微小な酸化セリウム粒子及び不活性
粒子を水および/又は沸点200℃以下の有機化合物ス
ラリ―の状態でポリエステルに添加混合することが可能
で、二次粒子が均一に分散したポリエステルが容易に得
られる。従ってフィルムとする場合、溶融成形過程でフ
ィルタ―の目詰りがなく、かつ粗大粒子によるフィルタ
―の膜破れがない。
【0056】(2)本発明の熱可塑性ポリエステルは、
微小な酸化セリウム粒子及び不活性粒子からなり適当な
粒径をもった二次粒子を含有しているので、繊維、フィ
ルム、あるいはその他の成形品にした場合、滑り性、耐
摩耗性、耐スクラッチ性、電磁変換特性に効果を発揮す
るが、特に繰り返し摩擦使用される磁気テ―プに好適で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子含有ポリエステルを製造するに際し、
    ベント式押出機において、ポリエステルに平均粒子径0
    .0005〜0.10μmの酸化セリウム粒子及び平均
    粒子径0.001〜1.0μmの不活性粒子の水および
    /又は沸点200℃以下の有機化合物スラリ―を添加す
    ることを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
JP13125191A 1991-06-03 1991-06-03 ポリエステル組成物の製造方法 Pending JPH04359047A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13125191A JPH04359047A (ja) 1991-06-03 1991-06-03 ポリエステル組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13125191A JPH04359047A (ja) 1991-06-03 1991-06-03 ポリエステル組成物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04359047A true JPH04359047A (ja) 1992-12-11

Family

ID=15053542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13125191A Pending JPH04359047A (ja) 1991-06-03 1991-06-03 ポリエステル組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04359047A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020077747A (ko) * 2001-04-02 2002-10-14 인성파우더 테크(주) 자성체를 함유한 합성섬유
EP1832624A1 (de) 2006-03-09 2007-09-12 Byk-Chemie GmbH Stabilisierung von organischen Polymeren gegenüber freien Radikalen

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020077747A (ko) * 2001-04-02 2002-10-14 인성파우더 테크(주) 자성체를 함유한 합성섬유
EP1832624A1 (de) 2006-03-09 2007-09-12 Byk-Chemie GmbH Stabilisierung von organischen Polymeren gegenüber freien Radikalen
US8410206B2 (en) 2006-03-09 2013-04-02 Byk-Chemie Gmbh Stabilization of organic polymers against free radicals

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100218698B1 (ko) 열가소성폴리에스테르조성물 및 그것으로 구성하는 필름
JPH04359047A (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JP2564957B2 (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JPH07323511A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP3158489B2 (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JPH01292059A (ja) ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム
JP2705398B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JPH05124100A (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JPH03115352A (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JPH0751637B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2897554B2 (ja) 二軸配向フィルム
JP3041053B2 (ja) 配向ポリエステルフィルム
JPH07114722A (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム
JP2527265B2 (ja) ポリエステルフイルム
JPH0584818A (ja) 二軸配向積層フイルム
JP2576321B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JP3097160B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフイルム
JPH06228418A (ja) 熱可塑性ポリエステル組成物およびそれからなるポリエステルフィルム
JP3077245B2 (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JPH07113014A (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム
JPH0465239A (ja) 二軸配向積層ポリエステルフイルム
JP2993280B2 (ja) 磁気記録媒体用積層ポリエステルフィルム
JP3123665B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JPH0441547A (ja) 熱可塑性ポリエステル組成物
JPH0324150A (ja) ポリエステル組成物,その製造方法およびそれからなるフィルム