JP2993280B2 - 磁気記録媒体用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用積層ポリエステルフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用ポリエス
テルフィルム、特に使用耐久性に優れたビデオテープに
好適なポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体用ポリエステルフィルムと
しては、フィルムの取扱い性の向上および再生時の出力
変動やドロップアウトなどを防止するために、従来
リエステルに炭酸カルシウムやコロイダルシリカなどの
不活性粒子を含有せしめることが知られている(例えば
特開昭59−171623号公報)。磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルムを用いた磁気記録媒体においては、
磁気記録媒体製造工程での磁性体塗布・カレンダー工程
などで工程速度の増大にともない、接触するロールなど
によってポリエステルフィルム表面に傷がつくという欠
点が最近問題になっている。さらに、ビデオテープにお
いては、一般家庭での利用頻度の増大に伴い、ビデオレ
コーダー(VTR)内での繰り返し再生や録画を繰返す
ことが多くなり、テープカセット内のガイドピンなどと
の接触摩擦によりフィルム表面に傷がつき、あるいは磁
性体粉末の脱落などにより映像の悪化が起こるなど、使
用耐久性に問題点が見られる。これらの問題の解決のた
めには、フィルム表面に傷がつきにくくすることととも
に、フィルム表面を粗くして摩擦係数を小さくし、走行
性を良くすることが必要である。しかし、一方で高画質
化の要求から電磁変換特性の向上が要請され、このため
にはフィルム表面を平滑にする必要がある。従来技術に
おいてはこれらの相反するフィルム表面特性を同時に満
足するものは得られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題点
を解決し、表面に傷がつきにくく(以下耐スクラッチ性
という)、繰り返し使用に耐える優れた使用耐久性と、
さらに高画質化の要求にも合致した磁気記録媒体用ポリ
エステルフィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも片
面のフィルム表面に高さが200〜400nmの突起を
1200個/0.1mm2 以上,かつ高さが400nm
〜800nmの突起を400個/0.1mm2 以下を有
し、さらに三次元平均表面粗さ(SRa)が15〜45
nm、中心線平均表面粗さ(Ra)が10〜25nmで
あることを特徴とする磁気記録媒体用積層ポリエステル
フィルムである。
【0005】本発明を構成するポリエステルは、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレ
ートなどであり、これらにカルボン酸成分あるいはグリ
コール成分などの共重合成分を含んでいてもよいし、熱
安定剤、改質剤、酸化防止剤などを含んでいても何等差
し支えない。さらに、積層フィルムを構成する各フィル
ム層部は同一種のポリエステル成分あっても異種のポリ
エステル成分であっても差し支えない。特にビデオテー
プ用の二軸配向ポリエステルフィルムにおいては基層
部、積層部ともポリエチレンテレフテレートを主成分と
するのが好適である。さらに、具体的に基層部および積
層部の構成としては次の組み合わせが望ましい。 ・B/A/B ・B/A/C ・B/A ここで、A ;基層部ポリエステル B、C;積層部ポリエステル (B/Aは基層部ポリエステルAの片面に、B/A/B
は基層部ポリエステルAの両面に、ポリエステルBが積
層されていることを示す。) ここで、基層部ポリエステルAは実質的に粒子を含まな
いポリエステルであってもよいし、粒子を含んでいても
良い。粒子種としては特に制限されるものでなく、例え
ば、無機粒子として炭酸カルシウム、シリカ、カオリ
ン、アルミナ、硫酸バリウム、酸化チタンなどポリエス
テルに不溶な微細粒子でも良いし、また、架橋ポリスチ
レンなどの有機粒子が含まれていても良い。さらに、カ
ルシウムあるいはリチウムなどを含む内部粒子を含んで
いても良い。
【0006】基層部ポリエステルAに含まれる粒子は、
積層部によってなされる表面形成を阻害しないために、
含有粒子の最大粒子径は積層部に含まれる最大粒子径の
少なくとも2.0倍以下、好ましくは1.5倍以下にす
ると基層部の粒子の影響を積層部で隠蔽でき、粗大突起
の発生がないため望ましい。また、基層部ポリエステル
Aは該積層フィルムあるいは他のポリエステルフィルム
の生産段階などで発生する非製品部などを主体とする回
収原料を含んでいても良い。
【0007】積層ポリエステルBおよびCは、表面を形
成するものであり、本発明の効果を実現するためには、
少なくとも片面の積層部についての表面形成が必要であ
る。両面に表面形成を施す場合には、反対面について
は、本発明の範囲の表面形成に限定されるものではな
く、実質的に粒子を含まないものであっても良い。さら
に、磁性剤との接着性の改良、帯電防止などのために帯
電防止剤などの塗布層を設けてもよい。
【0008】本発明を構成する少なくとも片面の積層部
のフィルム表面は、高さが200〜400nmの突起を
1200個/0.1mm2 以上有することが必要であ
り、この範囲内の突起数が1200個/0.1mm2
満たないと、特に使用耐久性が不十分である。また、長
期使用耐久性のために好ましいこの範囲内の突起数は1
350個/0.1mm2 以上、より好ましくは1500
/0.1mm2 以上である。またさらに、高さが400
〜800nmの突起を400個/0.1mm2 以下有す
ることも必要であり、この範囲内の突起数が400個/
0.1mm2 を越えると画質が不十分である。また、長
期高画質を得るために好ましいこの範囲内の突起数は3
00個/0.1mm2 以下、より好ましくは200個/
0.1mm2 以下である。
【0009】本発明を構成する少なくとも片面の積層部
のフィルム表面の特性は上記に加えて、中心線平均表面
粗さ(Ra)が10〜25nm、かつ三次元平均表面粗
さ(SRa)が15〜45nmであることが必要であ
る。Raが10nmより小さいかあるいはSRaが15
nmより小さいと摩擦係数が大きくなるため耐削れ性が
不十分となり、Raが25nmより大きいかあるいはS
Raが45nmより大きいと画質が不十分となる。ま
た、Raを12〜20nm、またはSRaを17〜40
nmとすると耐削れ性と画質が良好となるため好まし
い。ここで、RaはJIS−B−0601に従い、小坂
研究所製触針型表面粗さ計SE−3FAを用い、カット
オフ0.25mm、測定長4mで中心線平均表面粗さ
(Ra)を測定した値である。一方、SRaはフィルム
表面をアルミニウム蒸着した後、小坂研究所の表面粗さ
計(ET−30HK)を用いて三次元平均表面粗さを測
定した値である。
【0010】また、前述の積層部には、本発明のフィル
ム表面を形成させるために例えば平均粒径0.2〜1.
0μmの不活性粒子を0.01〜1.5容量%、好まし
くは、平均粒子0.3〜0.9μmの不活性粒子を0.
05〜1容量%含有させることができる。ここで、不活
性粒子は一種であっても、2種類以上の不活性粒子の混
合系であっても良く、粒子の総量を0.05〜1容量
%、望ましくは0.1〜0.8容量%含有させると好適
な表面形成が可能である。不活性粒子の粒径および含有
量を上記範囲とすると前述のフィルム表面での突起分布
を形成させることが可能であり、良好な画質、使用耐久
性を得ることができる。さらに含有する不活性粒子の粒
径は均一であることが好ましく、積層部中の該粒子径の
相対標準偏差は0.6以下、好ましくは0.5以下の場
合に画質、使用耐久性がより一層良好になる。不活性粒
子の種類は特に限定されるものではないが、上記の好ま
しい粒子特性を満足するには、炭酸カルシウム、コロイ
ダルシリカ、架橋有機粒子、アルミナ、酸化チタンなど
の粒子が用いられる。炭酸カルシウムは合成法によって
製造されたものが粒径分布が均一であり好ましく、コロ
イダルシリカはアルコキシド法、水ガラス法などで製造
された球形シリカ粒子が粒径分布が均一で好ましい。架
橋有機粒子としては、例えば架橋ポリスチレンなどの耐
熱性に優れた架橋高分子粒子が好ましい。しかしその他
の粒子でも平均粒径およ粒度分布を適宜調節すること
により使用することができる。また、これらの不活性粒
子は、粒子表面を界面活性剤、高分子化合物などで処理
あるいはコーテイングされたものであってもよく、かか
る不活性粒子は、特に重合過程での分散性の改良、フィ
ルム中でのポリエステルとの親和性改良のために好まし
く用いられる。また、積層部中には、本発明の効果を阻
害されない範囲で、カルシウムおよびリチウム元素など
を含む析出内部粒子を含んでいてもよい。
【0011】また、微細粒子を併用して含有することに
より、さらに削れ性改良、耐スクラッチ性改良などの相
乗効果が得られる。これらの微細粒子としては5〜50
nmの粒子径を有する多数の一次粒子からなる凝集体粒
子が好適であり、例えば酸化ジルコニウム、シリカ、ア
ルミナなどを成分とする凝集体粒子を挙げることができ
る。微細粒子の併用にあたっては本発明の効果を阻害し
ないように、凝集体二次粒子径が少なくとも0.8μm
以下、望ましくは0.4μm以下の凝集体粒子を0.3
容量%以下添加することが好ましい。
【0012】本発明を構成する磁気記録媒体用積層ポリ
エステルフィルムには、常法により二軸配向されたもの
であり、厚みは3〜30μm、好ましくは5〜20μm
の範囲のものである。基層部Aに対する本発明のフィル
ム表面を持つ積層部の厚さの比率は40%以下であるこ
とが望ましく、併用する微細粒子を除く含有不活性粒子
の体積平均径に対し0.2倍から5倍の積層厚みとする
ことが好ましい。
【0013】上記のごとくポリエステルAの少なくとも
片面にポリエステルB、Cの少なくとも一種が共押出に
より積層され、シート状に形成された後二軸に延伸さ
れ、二軸延伸積層ポリエステルフィルムとされる。本発
明における共押出による積層とは、ポリエステルA、B
およびCをそれぞれ異なる押出装置で押出し、口金から
積層シートを吐出する前にこれらを積層することをい
う。この積層は、シート状に成形、吐出するための口金
内(例えばマニホールド)で行なっても良いが、前述の
ごとく積層厚みが薄いことから口金に導入する前のポリ
マー配管内で行なうことが好ましい。特に、ポリマー配
管内の積層部を矩形に形成しておくと、幅方向に均一に
積層できるので好ましい。ポリマー管内矩形積層部で積
層された溶融ポリマーは、口金内マニホールドでシート
幅方向に所定幅まで拡幅され、口金からシート状に吐出
された後二軸に延伸される。したがって、たとえ二軸配
向後の積層フィルム極薄であっても、ポリマー管内矩
形積層部では、積層ポリマーをかなりの厚さで積層する
ことになるので、容易にかつ精度良く積層できる。2台
または3台の溶融押出機、2層または3層用の合流ブロ
ックあるいは口金を用いることより、B/A/B、B/
A/C、B/Aの積層シートを得ることができる。合流
ブロックを用いる場合は積層部分を前述のごとく矩形の
ものとしておくことが本発明の積層フィルムを安定し
て、幅方向に斑なく工業的に生産するのに有効である。
【0014】次にこの積層未延伸シートを二軸延伸し、
二軸配向せしめる。二軸延伸の方法は同時二軸延伸、逐
次二軸延伸のいずれであってもよいが、長手方向、幅方
向の順に延伸する逐次二軸延伸法の場合がフィルムを安
定して、幅方向に斑なく、工業的に製造するのに有効で
ある。逐次二軸延伸法の場合、長手方向の延伸を2段階
以上、特に3段階以上に分け、40〜150℃の温度範
囲で、かつ、1,000〜5,000%/分の延伸速度
で3〜6倍行う方法が有効である。幅方向の延伸温度、
延伸速度は80〜170℃、1,000〜2,000%
/分の範囲が好適である。また延伸倍率は3〜10倍が
好適である。さらに必要に応じて長手方向、幅方向の少
なくとも1方向に再延伸することもできる。次にこのフ
ィルムを熱処理する。この場合の熱処理条件は、幅方向
に弛緩、微延伸、定長下のいずれかの状態で、140〜
250℃の温度範囲において0.5〜60秒間とするの
が好適である。
【0015】本発明においては、含有不活性粒子による
表面形成を発現させるための二軸配向条件としては、横
方向および縦方向の延伸倍率の積を14〜23、好まし
くは17〜21とすると十分な表面突起が形成されるた
め、使用耐久性が良好となる。
【0016】本発明の積層フィルムを製造する際の積層
部の原料として不活性粒子を含むチップが用いられる
が、その代表的な方法としては、実質的に不活性粒子を
含まないポリエステルチップに、不活性粒子を含んだマ
スターチップを任意の比率でブレンドして原料とする方
法が好ましく利用できる。例えば、炭酸カルシウム、コ
ロイダルシリカ、架橋有機粒子などの不活性粒子をエチ
レングリコールのスラリーとした後、必要に応じてサン
ドグラインダーなどで粉砕処理を行い、さらにスパーデ
カンターなどを用いた分級処理を併用することにより、
本発明に好適な粒子径、粒子径分布の粒子スラリーを準
備できる。特に、コロイダルシリカ、架橋有機粒子など
粒子の製造段階で実質的な球形均一粒径に製造可能なも
のについては、粉砕処理、分級処理などを省略し、直接
粒子スラリーを準備できる。
【0017】このスラリーを通常のポリエステル重合工
程で添加し、重合反応を完結することによりマスターチ
ップが準備できる。粒子マスターチップの粒子濃度は特
に制限されるものではないが1〜5%であると好都合で
ある。もちろん粒子マスターチップの調製は前述の重合
時添加法以外にも、例えば実質的に粒子を含まないポリ
エステルチップと粒子径、粒子径分布を調整した粒子を
直接溶融混練する方法によっても達成できる。
【0018】本発明の特性値は、次の測定法、評価基準
による。 (1)フィルム表面の突起数および三次元平均表面粗さ
(SRa) フィルムの測定面をアルミニウムで厚み0.10±0.
05μに蒸着したうえで小坂研究所の非接触表面粗さ計
ET−30HKおよび三次元粗さ解析装置(型式SPA
−11)を用いて三次元粗さを測定した。条件は下記の
通りであり、回の測定の平均値をもって値とした。 ・検出器 :光触針ハイポス ・縦倍率 :2万倍 ・横倍率 :500倍 ・カットオフ :0.08mm ・送りピッチ :0.5μm ・測定長 :500μm ・測定面積 :0.020mm2 ・測定速度 :100μm/秒 ・HYST :±6.25nm ・COUNT MODE:SIMPLE ・Z基準 :UPPER 突起高さは、切断面による切り口の面積率が70%にな
る切断面を基準とし高さを算出した。上記条件で測定し
た高さ200〜400nmおよび400〜800mの
突起の数を、それぞれの個/0.1mm2 に換算し突起
数とした。ここでSRaは三次元平均表面粗(中心面
平均表面粗さ)である。
【0019】(2)中心線平均表面粗さ(Ra) JIS−B−0601に従い小坂研究所製触針表面粗さ
計SE−3FAを用いて、中心線平均表面粗さ(Ra)
を測定した。条件は下記の通りであり、20回の測定の
平均値をもって値とした。 ・検出器 :PUDA5 ・縦倍率 :50,000倍 ・カットオフ :0.25mm ・測定長 :4mm ・測定速度 :500μm/秒
【0020】 (3)粒子の平均粒径、粒径の相対標準偏差 フィルムの表面からポリエステルをプラズマ低温灰化処
理法(例えばヤマト科学製PR−503型)で除去し、
粒子を露出させる。処理条件はポリエステルは灰化され
るが、粒子はダメージを受けない条件を選択する。これ
を走査形電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子の画像を
イメージアラナイザー(例えばケンブリッジインスツル
メント製QTM900型)で処理し、平均粒子径を求め
る。観察箇所を変えて粒子1,000個以上で次の数値
処理を行い算出する。 ・粒子径 :D=ΣDi/N ・粒径の相対標準偏差:((Σ(Di−D)2 /N)1/2 )/D (Di,は個々の粒子径,Nは測定粒子数)
【0021】(4)粒子の含有量 ポリエステルを溶解し、粒子は溶解しない溶媒を選択
し、粒子を溶媒から延伸分離し、粒子の量を全体に対す
る比率(容積%)で算出する。場合によっては赤外分光
法、螢光X線分析法などの併用も有効である。
【0022】 (5)画質、耐スクラッチ性、使用耐久性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型カレ
ンダー装置(スチロール・ナイロンロール、5段)で温
度70℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理後、
キュアリングする。この原反を1/2インチにスリット
し、パンケーキを作成した。このパンケーキをVTRカ
セットに組み込み、VTRカセットテープとした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g) :100重量部 ・エスレックA(積水科学性塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体) :10重量部 ・ノッポラン2304(日本ウレタン性ポリウレタンエラストマ) :10重量部 ・コトネートL(日本ウレタン性ポリイソシアネート):5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 このテープを家庭用VTRを用いてシバソク製のテレビ
試験波形発生器(TG7/U706)により100%ク
マ信号を記録し、その再生信号からシバソク製カラー
ノイズ測定機(925D/1)でクロマS/Nを測定し
画質を判定した。さらに、このテープを家庭用VTRを
用いてシバソク製のテレビ試験波形発生器(TG7/U
703)によりカラーバー信号を記録し、その再生信号
からシバソク製ドロップ・アウト・カウンター(VH0
1CZ)で5μsec、−16dBより大きなドロップ
・アウト数を測定した。次に、このテープを家庭用VT
Rで繰り返し走行(早送り、巻き戻し)を100回行っ
た。その後、テープを再生し、その信号からドロップ・
アウト・カウンター(VH01CZ)で5μsec、−
16dBより大きなドロップ・アウト数を測定した。さ
らに、繰り返し走行を実施後のVTRカセットガイドピ
ンへの白粉削れ、フィルム削れ量により耐スクラッチ性
を判定した。これらの判定基準は表1の通りであり、画
質、耐スクラッチ性、ドロップ・アウト増加率のいずれ
もランク4以上であれば、実用上問題のないレベルであ
る。ここで、ドロップアウト増加率は下記式で定義され
る値である。 ドロップアウト増加率=(繰り返し走行後のドロップア
ウト−繰り返し走行前のドロップアウト数)/(繰り返
し走行前のドロップアウト数)×100(%)
【表1】 (6)積層部および基層部の厚み A.積層部の厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、積層部
中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素とポリエ
ステルの炭素元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度と
し、積層ポリエステルの表面から深さ(厚さ)方向の分
析を行なう。表層では表面という界面のために粒子濃度
は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。
本発明フィルムの場合は深さIでいったん極大値〔M
A〕となった粒子濃度がまた減少し、濃度が一定値〔M
I〕になる。ここで粒子濃度が(〔MA〕+〔MI〕)
/2になる深さII(ここでII>I)を積層厚さとした。
測定装置、条件は下記の通りである。 (イ)測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA社製 A−DIDA3000 (ロ)測定条件 1次イオン種:O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:120nA テスター領域:400μm×400μm 分析領域:120μm×120μm 測定真空度:1.0×10-8 E−GUN:0.4KV−3.0A なお、積層部中にもっとも多く含有する粒子が有機高分
子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面か
らエッチングしながらXPS(X線光電子分光法)、I
R(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕微鏡など
で、その粒子濃度のデプスプロファイルを測定し、上記
同様の手法から積層厚さを求めても良い。 B.基層部の厚み フィルムの全厚を公知の方法、例えばダイヤルゲージ
法、光干渉法、重量法によって求める。このフィルム全
厚から、積層部厚みを引けば、基層部厚みを求めること
ができる
【0023】
【実施例】本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。 実施例1〜8、比較例1〜6 炭酸カルシウム、実質的な球形コロイダルシリカ、架橋
ポリスチレン粒子をそれぞれエチレングリコールの5容
量%スラリーとし、必要に応じ、サンドグラインダーで
分散処理、さらにスパーデカンターで遠心分級分離し、
分散時間、遠心分離条件を変えて平均粒子径、粒径の相
対標準偏差の異なる調整粒子スラリーを得た。このスラ
リーを2μmのフィルターで濾過後、常法によって準備
したポリエチレンテレフタレートオリゴマー反応系に添
加し、引続き重合反応を完結し、固有粘度0.63、粒
子濃度2容量%のマスターチップを得た。これとは別
に、粒子を添加することなく、重合反応を完結した実質
的に粒子を含まない固有粘度0.63のポリエチレンテ
レフタレートチップを準備した。これらのマスターチッ
プおよび実質的に粒子を含まないポリエチレンテレフタ
レートチップを種類、混合量を変えて混合し、180℃
で3時間減圧(3Torr)乾燥し、この原料を積層部とし
た。
【0024】さらに、別に基層部原料として固有粘度
0.63のポリエチレンテレフタレート原料を準備し、
積層部原料と同様に180℃で3時間減圧(3Torr)乾
燥した、基層部原料を押出機に供給し310℃で溶融
し、さらに積層部原料を押出機に供給し280℃で溶融
した。これらのポリマーを矩形積層部を備えた合流ブロ
ックで口金に入る前に合流積層し、静電印加キャスト法
を用いて表面温度45℃のキャスティング・ドラムに巻
き付けて冷却固化し、基層部ポリエステルAの両面にポ
リエステルBを積層した3層構造の未延伸フィルムを作
った。この時、それぞれの押出機の吐出量を調節し、総
厚さ、積層厚さを調節した。この未延伸フィルムを80
℃で長手方向に4.5倍延伸した。この延伸は2本づつ
のロールで構成されたロール群間のロールの周速差で、
2段階で行った。この一軸延伸フィルムをステンタを用
いて延伸速度2,000%/分で100℃の温度下、幅
方向に4.0倍延伸し、定長下200℃の温度下、5秒
間熱処理し積層二軸配向ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを得た。このフィルムの諸物性を評価するととも
に、磁性体を塗布し、画質、耐スクラッチ性、耐久性を
評価した。得られたフィルムの各パラメーターおよびフ
ィルム品質は表2、表3に示した通りであり、これら本
発明のフィルムを用いた場合には、良好な画質、耐スク
ラッチ性、耐久性品質が得られたが、発明外のフィルム
は満足しうる品質が得られなかった。
【0025】
【表2】
【表3】
【0026】
【発明の効果】本発明の磁気媒体用積層ポリエステルフ
ィルムは、磁気記録媒体として用いた場合、画質、耐ス
クラッチ性が良好であるため、特に家庭用VTR用ビデ
オテープなど繰り返し使用される用途で極めて有効であ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−8319(JP,A) 特開 平1−204934(JP,A) 特開 昭63−81022(JP,A) 特開 平2−307788(JP,A) 特開 平2−49033(JP,A) 特開 平6−32915(JP,A) 特開 昭54−73877(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 5/00 - 5/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面のフィルム表面に高さが2
    00〜400nmの突起を1200個/0.1mm2
    上、かつ高さが400nm〜800nmの突起を400
    個/0.1mm2 以下有し、さらに三次元平均表面粗さ
    (SRa)が15〜45nm、中心線平均表面粗さ(R
    a)が10〜25nmであることを特徴とする磁気記録
    媒体用積層ポリエステルフィルム。
JP19219392A 1992-07-20 1992-07-20 磁気記録媒体用積層ポリエステルフィルム Expired - Lifetime JP2993280B2 (ja)

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