JP3139513B2 - 二軸配向積層ポリエステルフイルム - Google Patents

二軸配向積層ポリエステルフイルム

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JP3139513B2
JP3139513B2 JP04018247A JP1824792A JP3139513B2 JP 3139513 B2 JP3139513 B2 JP 3139513B2 JP 04018247 A JP04018247 A JP 04018247A JP 1824792 A JP1824792 A JP 1824792A JP 3139513 B2 JP3139513 B2 JP 3139513B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向積層ポリエス
テルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向積層ポリエステルフイルムとし
ては、積層部にモース硬度8以上の粒子を含有したフイ
ルムが知られている(たとえば特開平3−1941号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フイルムの加
工工程、特に磁気媒体用途における磁性層塗布・カレン
ダー及び巻取、カセット組み込み工程などの工程速度の
増大に伴い、接触するロールやガイドでフイルム表面、
とくに微小凹凸を有するフイルム表面が削り取られやす
いという欠点があった。また、従来のものでは、高速磁
界転写などによるダビングの増速化にともない、ダビン
グ時の画質低下のために、画質すなわちS/N(シグナ
ル/ノイズ比)も不十分という欠点があった。
【0004】本発明は、かかる問題点を解決し、特に高
速工程でフイルム表面が削り取られにくく(以下高速削
れ性に優れるという)、しかも磁気媒体用途とした時に
ダビング時等の画質低下の少ない、つまり電磁変換特性
のよい(以下電磁変換特性に優れるという)二軸配向積
層ポリエステルフイルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向積層ポリエステルフイルムは、少なくとも3層
以上の積層構造からなる二軸配向積層ポリエステルフイ
ルムにおいて、その少なくとも片面側の最外層に平均一
次粒径が1〜300nmの無機粒子を含有し、該最外層
における該粒子の表層粒子濃度比が0.01以上であ
り、前記粒子の最外層に対する含有量が0.01〜2.
0重量%、該粒子の平均一次粒径d(nm)と該最外層の厚
さt(nm)との関係が d≦t≦100d であり、さらに、前記最外層表面の表面抵抗が1×10
14Ω/□以下であることを特徴とするものから成る。
【0006】まず、本発明のポリエステルフイルムは少
なくとも3層以上の積層構造である必要がある。3層以
上であれば、4層でも5層でもかまわないが3層構造の
場合に本発明の効果がより一層良好となり好ましい。し
かし、単層や2層構造のフイルムでは高速削れ性や電磁
変換特性を満足させることはできない。
【0007】次に、本発明のポリエステルフイルムは、
これを構成する上記各層の少なくとも一層が二軸に配向
している必要がある。3層以上の積層構造の内、全部の
層が二軸に配向していると特に好ましい。全ての層が無
配向や一軸配向では本発明の特性を満足することはでき
ない。
【0008】本発明を構成するポリエステルは特に限定
されないが、エチレンテレフタレート、エチレンα,β
−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジ
カルボキシレート、エチレン2,6─ナフタレート単位
から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分
とする場合に特に好ましい。中でもエチレンテレフタレ
ートを主要構成成分とするポリエステルの場合が特に好
ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内で、2種以上
のポリエステルを混合しても良いし、共重合ポリマを用
いても良い。
【0009】本発明のポリエステルフイルムの少なくと
も片面側の最外層には、無機粒子が含有されている必要
がある。この無機粒子としては、例えば結晶形態がα、
θ、γまたはδ型であるアルミナや窒化チタン、ジルコ
ニア、シリカなどを用いることができる。
【0010】上記無機粒子の最外層に対する含有量は、
0.01〜2.0重量%である必要がある。0.01重
量%よりも少ないと、フイルム表面に傷がつきやすくな
り高速削れ性が不良となる。2.0重量%よりも多くな
ると、粒子含有量が多くなりすぎ、最外層自身が脆くな
って削り取られやすくなり、やはり高速削れ性が不良と
なる。含有量のより好ましい範囲は0.02〜1.0重
量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%であ
る。
【0011】無機粒子の平均一次粒径dは、1〜300
nmである。1nmよりも小さいと、所望の表面突起が得に
くく、300nmを越えると、突起高さが高くなって、粒
子およびその近傍が削り取られやすくなるとともに、突
起高さにバラツキが生じやすくなり、高速削れ性、電磁
変換特性が悪化する。
【0012】本発明フイルムにおいては、上記範囲の平
均一次粒径の無機粒子の該平均一次粒径d(nm)と、該粒
子含有の最外層の厚さt(nm)との関係が、 d≦t≦100d である必要がある。tがdよりも小さいと、最外層の粒
子保持力が小さくなり、高速削れ性に問題を生じる。t
が100dを越えると、フイルム表面にうねりが生じ、
高速削れ性および電磁変換特性が悪化する。tとdの関
係を上記範囲とすることにより、所望の突起高さが得や
すくなるとともに、その突起高さが均一化され、高速削
れ性が向上されるとともに、磁気媒体としたときの良好
な電磁変換特性が得られるようになる。粒径dと厚さt
の、より好ましい範囲は、 2d≦t≦50d である。
【0013】本発明フイルムにおいては、上記のような
無機粒子を含有する最外層における表層粒子濃度比が
0.01以上である必要があり、好ましくは0.02以
上である。表層粒子濃度比を0.01以上とすることに
より、磁気媒体としたときの良好な電磁変換特性、出力
特性、スキュー特性が得られるようになる。
【0014】本発明の積層フイルムには、耐ダビング
性、耐スクラッチ性の点から少なくとも片面の層に一般
式Cn 2n+1−C6 4 −SO3 M(n=6〜30、M
=Na、Li)で表わされるスルホン酸金属塩が含有さ
れるのが好ましい。nは好ましくは9〜18である。M
は好ましくはNaである。「−C6 4 −」はベンゼン
環であり、オルトまたはメタ位でもよいが好ましいのは
パラ位である。含有量は耐ダビング性、耐スクラッチ性
向上の点から0.2〜5重量%とされ、好ましくは0.
5〜2重量%とされる。
【0015】さらに本発明の積層フイルムには、耐ダビ
ング性、耐スクラッチ性の点から上記と同じ層にポリア
ルキレングリコールが含有されるのが好ましい。ポリア
ルキレングリコールとしてはポリエチレングリコールが
好ましい。ポリアルキレングリコールの分子量は100
〜10000、さらに500〜5000が好ましい。含
有量は耐ダビング性、耐スクラッチ性の点から0.2〜
5重量%とされ、好ましくは0.5〜2重量%とされ
る。
【0016】また本発明フイルムにおいては、前述の無
機粒子含有の最外層の表面粗さパラメータP10が25
0nm以下であることが好ましい。この値よりも大きい
と、高速削れ性が低下するとともに、電磁変換特性が低
下するおそれがある。表面粗さパラメータP10のより
好ましい範囲は200nm以下である。
【0017】さらに本発明フイルムにおいては、中間層
は特に限定されないが、最外層において、上述の如く高
速削れ性に優れ、均一な所望突起高さの突起が形成され
電磁変換特性に優れた表面を形成できるので、中間層に
いわゆるリサイクルポリマを含有させてもよい。なおこ
こでリサイクルポリマとは、ポリエステルの末端カルボ
ン酸が55当量/106 g以上でポリマの溶液ヘイズが
18%以下のものをいう。
【0018】本発明の二軸配向積層ポリエステルフイル
ムの最外層には、前述のような無機粒子以外にも粒子が
同時に含有されていても良いが、粒度分布がシャープな
もの、具体的には粒度分布の標準偏差を平均粒径で割っ
た比が0.6以下の粒子を用い、高速削れ性、電磁変換
特性を悪化させないのが好ましい。
【0019】そして本発明フイルムでは、さらに熱可塑
性樹脂A層の表面抵抗が1×1014Ω/□以下、好まし
くは1×1013Ω/□以下、さらに好ましくは1×10
9 Ω/□以下とされる。この値は、通常の熱可塑性樹脂
に比べ低い値であり、走行時の帯電が小さく抑えられる
ことから、走行安定性が一層高められ、磁気記録媒体と
したときの再生画像の揺れが防止される。
【0020】また本発明のフイルム中には、本発明の目
的を阻害しない範囲内で、他種ポリマをブレンドしても
よいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収
剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加されてい
てもよい。
【0021】本発明の積層ポリエステルフイルムの最外
層積層部のポリマIVは、0.4〜0.9の範囲である
と高速削れ性をより一層良好とするので特に好ましい。
さらに基層部とのポリマIVの差が0.1以内であると
より一層高速削れ性が良好となるので非常に好ましい。
【0022】次に本発明フイルムの製造方法について説
明する。まず、ポリエステルに無機粒子を含有せしめる
方法としては、例えばジオール成分であるエチレングリ
コールにスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリ
コールを所定のジカルボン酸成分と重合せしめる方法が
好ましい。無機粒子を添加する際には、例えば、粒子を
合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥さ
せることなく添加すると粒子の分散性が非常によく、高
速削れ性、電磁変換特性を共に良好とすることができ
る。また無機粒子の水スラリーを直接所定のポリエステ
ルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供
給しポリエステルに練り込む方法も本発明の効果をより
一層良好とするのに非常に有効である。粒子の含有量を
調節する方法としては、上記方法で高濃度の粒子マスタ
ーを作っておき、それを製膜時に粒子を実質的に含有し
ないポリエステルで希釈して粒子の含有量を調節する方
法が有効である。
【0023】また、スルホン酸金属塩、ポリアルキレン
グリコールの含有量を調節する方法としても、高濃度チ
ップを作っておき、それを製膜時に実質的に無含有のポ
リエステルで希釈して含有量を調節する方法が有効であ
る。
【0024】次にこのポリエステルのペレットを用いて
3層以上の積層構造をもったポリエステルフイルムとす
る。上記の方法にて得られたポリエステルのペレットを
所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用
押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フイルムを作る。すなわち、2または3台以上の押出
機、3層以上のマニホールドまたは合流ブロック(例え
ば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて積層し、
口金から3層以上のシートを押し出し、キャスティング
ロールで冷却して未延伸フイルムを作る。この場合、ポ
リマ流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置す
る方法は有効である。また、最外層積層部側のポリマー
を押出す押出機の溶融温度を基層部側より5〜10℃低
くすることが、有効である。
【0025】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.5〜6.5倍で行なう方法は特に好まし
い。長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異
なり一概には言えないが、通常、その1段目を50〜1
30℃とし、2段目以降はそれより高くすることが有効
である。長手方向延伸速度は5000〜50000%/
分の範囲が好適である。幅方向の延伸方法としてはステ
ンタを用いる方法が一般的である。延伸倍率は、3.0
〜5.0倍の範囲が適当である。幅方向の延伸速度は、
1000〜20000%/分、温度は80〜160℃の
範囲が好適である。次にこの延伸フイルムを熱処理す
る。この場合の熱処理温度は170〜220℃、特に1
80〜200℃、時間は0.2〜20秒の範囲が好適で
ある。
【0026】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。 (1)無機粒子の平均一次粒径、相対標準偏差 無機粒子を含有したフイルムを厚さ方向に1000Å〜
8000Å程度の超薄切片とし、透過型電子顕微鏡(例
えば日本電子製JEM−1200EXなど)を用いて粒
子を観察する。10万倍程度の倍率で粒子を観察すると
これ以上粒子を分割できない最小の粒子径(一次粒子
径)を観察することができる。この観察を100視野に
ついて行ない、平均した値を平均一次粒径とした。
【0027】(2)粒子の含有量 ポリエステルを溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
また、必要に応じて熱分解ガスクロマトグラフィーや赤
外分光法や、蛍光X線分析法、ラマン散乱、SEM−X
MAなどを利用して定量することもできる。積層部およ
び基層部の粒子の含有は、各積層部を削りとることによ
り区別できる。また、必要に応じてTEMを用いて各断
面に観察される粒子の個数から計算することもできる。
【0028】(3)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フイ
ルム中の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素
の濃度比を粒子濃度とし、厚さ方向の分析を行なう。S
IMSによって測定される最表層粒子濃度(深さ3nm
の点)における粒子濃度Aとさらに深さ方向の分析を続
けて得られる濃度B(深さ30nmの点)の比、A/B
を表層濃度比と定義した。測定装置、条件は下記の通り
である。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:75nA ラスター領域 :800μm□ 分析領域 :ゲート100% 測定真空度 :1×10-8Torr E−GUN :0.5KV−3.0A
【0029】(4)スルホン酸金属塩の同定、含有量 灰化処理またはIRにより、積層部に含有するスルホン
酸金属塩の組成、含有量を求めた。
【0030】(5)ポリアルキレングリコールの同定、
含有量 熱分解処理してマススペクトル、またはIRにより、積
層部に含有するポリアルキレングリコールの組成、含有
量を求めた。
【0031】(6)最外層の厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フイル
ム中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素とポリ
エステルの炭素元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度
とし、ポリエステルA層の表面から深さ(厚さ)方向の
分析を行なう。表層では表面という界面のために粒子濃
度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くな
る。本発明フイルムの場合は深さ[I]で一旦極大値と
なった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線
をもとに極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[II]
(ここでII>I)を積層厚さとした。なお、フイルム中
にもっとも多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合は
SIMSでは測定が難しいので、表面からエッチングし
ながらXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光
法)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、その粒子濃
度のデプスプロファイルを測定し、上記同様の手法から
積層厚さを求めても良い。さらに上述のデプスプロファ
イルからではなく、フイルムの断面観察あるいは薄膜段
差測定機等によって求めることができる。
【0032】(7)表面粗さパラメータP10 光干渉式3次元表面解析装置(WYKO社製TOPO−
3D、対物レンズ:40〜200倍、高解像度カメラ使
用が有効)を用いて、画像処理装置上にフイルム表面突
起画像を構築する。この表面突起画像で突起部分の最も
高い値から10点について平均をP10と定義した。2
0回の測定の平均値をもって値とした(単位nm)。
【0033】(8)ポリマIV o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて測定し
た。
【0034】(9)フイルムの表面抵抗 厚手のゴムシートの上に、測定されるフイルムを測定面
を上にして置き、この上に、正方形の対向する2辺をな
すように該正方形の1辺の長さを持ち、長さの1/10
の幅を持つ、底面が平滑に研磨された2つの長方形のし
んちゅう製の電極を置き、電極の上から0.2kg/c
2 の圧力を加えつつ両電極間の電気抵抗を測定する。
この時、電極の大きさは測定されるフイルムの大きさに
よって適宜選ばれる。このときの単位は、Ω/□で表わ
す。
【0035】(10)磁気記録媒体としたときの画像の
揺れ フイルムに磁性塗料をグラビヤロールを用いて乾燥厚さ
が3μmとなるよう塗布した。磁性塗料は次のようにし
て調整した。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 :100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体: 10重量部 ・ポリウレタンエラストマ : 10重量部 ・ポリイソシアネート : 5重量部 ・レシチン : 1重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・メチルイソプチルケトン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 ・カーボンブラック : 2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 上記組成物をボールミルで48時間混合分散した後、硬
化剤6部を添加して得られた混練物をフィルターで濾過
して磁性塗布液を準備し、上記フイルム上に塗布、磁場
配向させ、110℃で乾燥し、さらに小型テストカレン
ダー装置(スチールロール/ナイロンロール、5段)
で、70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー処理
した後ロール状に巻き取り、50℃で48時間キュアリ
ングした後幅8mmにスリットして磁気記録テープを得
た。この磁気記録テープをVTRカセットに組み込み、
家庭用VTRを用いて40℃、80%RHの雰囲気で垂
直線画像を録画した。このテープを同雰囲気でVTRを
用いて再生させる。再生開始後60分時点での垂直線画
像の揺れを目視判定し、揺れが全くない場合は画像揺
れ:良好、揺れがわかるものは不良と判定した。
【0036】(11)高速削れ性 フイルムを1/2インチ幅のテープ状にスリットしたも
のに角度90°で片刃を押しあて、0.5mm押し込んで
200m走行させる(速度:200m/min 、張力:10
0g)。片刃に削りとられた粉の付着高さを顕微鏡で読
み取り、削れ量(μm)とした。この削れ量が180μ
m以下の場合耐削れ性が良好、それを越える場合耐削れ
性が不良である。
【0037】(12)電磁変換特性 フイルムに上記(10)と同組成の磁性塗料をグラビヤ
ロールにより塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さら
に、小型テストカレンダー装置(スチールロール/ナイ
ロンロール、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg
/cm でカレンダー処理した後、70℃、48時間キュア
リングする。上記テープ原反を1/2インチにスリット
し、パンケーキを作成した。このパンケーキから長さ2
50mの長さをVTRカセットに組み込みVTRカセッ
トテープとした。このテープに家庭用VTRを用いてテ
レビ試験波形発生器により100%クロマ信号を記録
し、その再生信号からカラービデオノイズ測定器でクロ
マS/Nを測定した。
【0038】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。 実施例1(表1) 平均粒径dA が0.78μmの合成炭酸カルシウム粒子
A(表面をポリアクリル酸で表面処理)をエチレングリ
コール中にて、50μm径のガラスビーズをメディアと
して分散させ、ガラスビーズを除去したのちテレフタル
酸と重合し、ポリエチレンテレフタレートのペレットと
した。ポリエステルに対する粒子Aの含有量は、1.0
重量%であった。
【0039】次に、結晶形態がδ型であるアルミナを上
記メディア分散法を用いてエチレングリコール中に均一
に分散させ、上記と同様にして粒子Bのマスターペレッ
トを得た。
【0040】ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ10
%、ポリエチレングリコール10%含有チップを10重
量部、上記粒子Aのマスターペレットを20重量部、粒
子Bのマスターペレットを30重量部、さらに粒子を含
有しないポリエチレンテレフタレートのペレットを40
重量部混ぜ合わせ、ベント式二軸混練押出機1に供給
し、280℃で溶解した(ポリマI)。更に、もう一台
の押出機2を用意し、粒子Aのマスターペレット2重量
部とリサイクルポリマ30重量部と粒子を含有しないペ
レット68重量部を混ぜ合わせた後、180℃で3時間
減圧乾燥(3Torr)し、押出機に供給して290℃
で溶解した(ポリマII)。この2つのポリマを、それぞ
れ高精度濾過した後、矩形積層部を備えた3層合流ブロ
ックにて、基層部にポリマIIを、両面表層積層部にポリ
マIがくるように積層し、フィッシュテール型の口金よ
りシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を
用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつ
けて冷却固化し、厚さ約160μmの未延伸フイルムを
作った。この時のドラフト比は6.5であった。
【0041】この未延伸フイルムを長手方向に3段階に
分け、123℃で1.2倍、126℃で1.45倍、1
14℃で2.3倍それぞれ延伸した。この一軸フイルム
をステンタを用いて幅方向に2段階に分け、111℃で
3.7倍、113℃で1.2倍延伸し、定長下で200
℃にて5秒間熱処理し、厚さ13μmのフイルムを得
た。得られたフイルムの最外層積層厚さtは、t=50
dであった。また表層部両面の粒子Aの濃度と積層厚さ
は同じであった。粒子Bの平均一次粒径は10nmであっ
た。またこのフイルムの表面粗さパラメータP10は、
85nmであった。
【0042】このフイルムの電磁変換特性を測定する
と、+3.2であった。また、高速削れ性も50と良好
であった。このように、最外層積層部に含有される粒子
の種類、粒子径、含有量、及び積層厚さが本発明の範囲
内である場合には、電磁変換特性、高速削れ性ともに良
好なフイルムとすることができる。
【0043】比較例1〜4(表2) 実施例1と同様にして、最外層に含有される粒子の種
類、粒子径、含有量及び積層厚さを種々変えて二軸配向
積層ポリエステルフイルムとした。最外層積層部に含有
される粒子の種類、粒子径、含有量及び積層厚さの関係
が本発明の範囲内でない場合には、電磁変換特性、高速
削れ性ともに良好なフイルムとすることができなかっ
た。
【0044】実施例2〜3、比較例5〜6(表1) 実施例1と同様にして、最外層に所定の種類、粒子径、
含有量の粒子を含有させるとともに、スルホン酸金属塩
としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダまたはドデシ
ルベンゼンスルホン酸リチウム、およびポリアルキレン
グリコールとしてポリエチレングリコールを所定量含有
させた(実施例2〜3)。また、粒子を含有させずに、
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダのみを含有させた場
合(比較例5)、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダに
加えポリエチレングリコールも含有させるが含有量が本
発明の範囲を外れている場合(比較例6)についてそれ
ぞれ比較した。スルホン酸金属塩とポリエチレングリコ
ールを所定量含有させることにより、表面抵抗が下が
り、画像の揺れが良くなることが判る。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明の二軸配向積層ポリエステルフイ
ルムによれば、少なくとも片面側の最外層に所定含有
量、所定粒径の無機粒子を所定表層粒子濃度比以上とな
るように含有させ、さらに表面抵抗を特定値以下にし、
最外層に、特定のスルホン酸金属塩、ポリアルキレング
リコールを特定量含有させ、該最外層表面に均一かつ削
れにくい突起を形成して、所望の表面粗さ形態とすると
ともに、該最外層を組成的にも帯電しにくいものとでき
るので、高速での優れた耐削れ性を発揮させつつ、磁気
媒体用としての優れた電磁変換特性を発揮することがで
きる。
【0048】また、最外層に上記のような優れた特性を
もたせることができるので、中間層に、問題を生じるこ
となくリサイクルポリマを含有させることができ、生産
性の向上を図ることもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 7:00 9:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層以上の積層構造からなる
    二軸配向積層ポリエステルフイルムにおいて、その少な
    くとも片面側の最外層に平均一次粒径が1〜300nm
    無機粒子を含有し、該最外層における該粒子の表層粒
    子濃度比が0.01以上であり、前記粒子の最外層に対
    する含有量が0.01〜2.0重量%、該粒子の平均一
    次粒径d(nm)と該最外層の厚さt(nm)との関係が d≦t≦100d であり、さらに、前記最外層表面の表面抵抗が1×10
    14Ω/□以下であることを特徴とする二軸配向積層ポリ
    エステルフイルム。
  2. 【請求項2】 前記無機粒子の含有量が、中間層より少
    なくとも片面側の最外層で高い請求項1の二軸配向積層
    ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 前記最外層の表面粗さパラメータP10
    が250nm以下である請求項1又は2の二軸配向積層ポ
    リエステルフイルム。
  4. 【請求項4】 前記最外層に、一般式Cn 2n+1−C6
    4 −SO3 M(n=6〜30、M=Na、Li)で表
    されるスルホン酸金属塩を0.2〜5重量%、ポリアル
    キレングリコールを0.2〜5重量%含有する請求項1
    ないし3のいずれかに記載の二軸配向積層ポリエステル
    フイルム。
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