JP2803772B2 - 二軸配向積層フイルム - Google Patents

二軸配向積層フイルム

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JP2803772B2
JP2803772B2 JP4109158A JP10915892A JP2803772B2 JP 2803772 B2 JP2803772 B2 JP 2803772B2 JP 4109158 A JP4109158 A JP 4109158A JP 10915892 A JP10915892 A JP 10915892A JP 2803772 B2 JP2803772 B2 JP 2803772B2
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秀仁 南沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向積層フイルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向積層フイルム、例えば二軸配向
ポリエステルフイルムとしては、ポリエステルにコロイ
ド状シリカに起因する実質的に球形のシリカ粒子を含有
せしめたフイルムが知られている(たとえば特開昭59
−171623号公報)。
【0003】しかし、フイルムの加工工程、特に磁気媒
体用途における磁性層塗布・カレンダー及び巻取、カセ
ット組み込み工程などの工程速度の増大に伴い、接触す
るロールやガイドでフイルム表面、とくに微小凹凸を有
するフイルム表面が削り取られやすいという欠点があっ
た。また、従来のものでは、特に磁気テープとしたとき
のテープ幅方向の強度が不十分であったため、テープエ
ッジにおけるダメージが大きいという欠点もあった。
【0004】上記走行性を改良するため、積層フイルム
の最外層を薄層とし、該層厚さに対し比較的粒径の大き
な粒子を含有させ、該層厚さと粒子の粒径を特定の関係
にすることにより、フイルム表面に削り取られにくい微
小突起を形成するようにした二軸配向積層フイルムが提
案されている(特開平2−77431号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術における問題点を解決するとともに、特開平2−7
7431号公報提案の技術をさらに改良するもので、フ
イルム表面の微小突起をより最適化して走行性を一層向
上するとともに、特に磁気テープとしたときに十分な強
度の得られる二軸配向積層フイルムを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向積層フイルムは、少なくとも3層以上の積層構
造からなる二軸配向積層フイルムにおいて、その少なく
とも片面側の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径
d(nm)と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d であり、該最外層側のフイルム表面の、20nm以上の
高さの突起個数が3×103 〜2×105 個/mm2
であり、かつ軸配向係数Δnが−10以下、フイルム幅
方向のF−5値が12kg/mm2 以上であるものから
成る。
【0007】上記二軸配向積層フイルムにおいては、
記式、 0.2d≦t≦10d 関係を満たす粒径の粒子数が3×103 〜1.5×1
5 個/mm2 であることが好ましい。
【0008】まず、本発明のフイルムは少なくとも3層
以上の積層構造である必要がある。3層以上であれば、
4層でも5層でもかまわないが3層構造の場合に本発明
の効果がより一層良好となり好ましい。しかし、単層や
2層構造のフイルムでは走行耐久性(高速削れ性)やテ
ープエッジダメージ防止特性を十分に満足させることは
できない。
【0009】次に、本発明のフイルムは、これを構成す
る上記各層の少なくとも一層が二軸に配向している必要
がある。3層以上の積層構造の内、全部の層が二軸に配
向していると特に好ましい。全ての層が無配向や一軸配
向では本発明の特性を満足することはできない。
【0010】本発明の二軸配向積層フイルムを構成する
ポリマーは特に限定されないが、磁気媒体用途としては
ポリエステルが好ましい。ポリエステルとしては特に限
定されないが、エチレンテレフタレート、エチレンα,
β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボキシレート、エチレン2,6─ナフタレート単
位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成
分とする場合に特に好ましい。中でもエチレンテレフタ
レート又はエチレン2,6─ナフタレートを主要構成成
分とするポリエステルの場合が特に好ましい。なお、本
発明を阻害しない範囲内で、2種以上のポリエステルを
混合しても良いし、共重合ポリマを用いても良い。
【0011】本発明の二軸配向積層フイルムの少なくと
も片面の最外層には、まず、粒子が、該粒子の平均粒径
d(nm)と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d になるように含有される。tが0.2dよりも小さいと
走行性が悪化し、tが10dよりも大きいと粒子が脱落
し易くなる。したがって、tが上記範囲を外れると、走
行性と粒子の脱落防止が両立できないため走行耐久性が
低下する。
【0012】上記範囲を満足する粒子により、最外層の
フイルム表面には微小突起が効率よく形成されるが、そ
の突起個数は、本発明の二軸配向積層フイルムでは3×
103 〜2×105 個/mm2 、好ましくは5×103
〜1×105 個/mm2 とされる。
【0013】最外層フイルム表面の突起個数が上記範囲
よりも少ないと、摩擦係数が高くなって、良好な走行耐
久性が得られない。逆に突起個数が上記範囲よりも多い
と、粒子が脱落し易くなり、やはり良好な走行耐久性が
得られない。
【0014】また、最外層含有粒子は、上記式の関係を
満たす粒径の粒子数が3×103 〜1.5×105 個/
mm2 、好ましくは5×103 〜8×104 個/mm2
になるように含有される。上記突起個数の範囲がこの粒
子数の範囲よりも若干広いのは、他の粒径の粒子、ある
いは、中間層からの転写的影響によっても突起が形成さ
れることがあるからである。
【0015】最外層含有粒子の、前記式を満たす粒径の
粒子数が前記範囲よりも少ないと、やはり摩擦係数が高
くなって、良好な走行耐久性が得られず、前記範囲より
も多いとが得られず、前記範囲よりも多いと、粒子が脱
落し易くなってやはり良好な走行耐久性が得られない。
【0016】そして、本発明の二軸配向積層フイルムに
おいては、軸配向係数Δnが−10以下、好ましくは−
20以下、更に好ましくは−20〜−300、フイルム
幅方向のF−5値が12kg/mm2 以上、好ましくは
15kg/mm2 以上、更に好ましくは15〜30kg
/mm2 とされる。軸配向係数Δnが上記範囲にない場
合、磁気テープとしたときの、テープエッジダメージ防
止特性が低下し、F−5値が上記範囲にない場合、磁気
テープとしたときのテープ幅方向のスティフネスが不足
するため、やはりテープエッジダメージ防止特性が不良
となる。
【0017】なお、本発明のフイルム中には、本発明の
目的を阻害しない範囲内で、異種ポリマをブレンドして
もよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸
収剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加されて
いてもよい。
【0018】次に本発明フイルムの製造方法を、ポリエ
ステルフイルムの場合について説明する。まず、ポリエ
ステルに粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオ
ール成分であるエチレングリコールに粒子を所定割合に
てスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコール
を所定のジカルボン酸成分と重合せしめる方法が好まし
い。粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得
られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることな
く添加すると粒子の分散性が非常によく、走行耐久性、
磁気テープとしたときの電磁変換特性を共に良好とする
ことができる。また、粒子の水スラリーを直接所定のポ
リエステルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押
出機に供給しポリエステルに練り込む方法も、本発明の
効果をより一層良好とするのに非常に有効である。粒子
の含有量、個数を調節する方法としては、上記方法で高
濃度の粒子マスターを作っておき、それを製膜時に粒子
を実質的に含有しないポリエステルで希釈して粒子の含
有量を調節する方法が有効である。
【0019】次にこのポリエステルのペレットを用いて
3層以上の積層構造をもったポリエステルフイルムとす
る。上記の方法にて得られたポリエステルのペレットを
所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用
押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フイルムを作る。すなわち、2または3台以上の押出
機、3層以上のマニホールドまたは合流ブロック(例え
ば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて、各最外
層を構成するフイルム層、中間層を構成するフイルム層
を積層し、口金から3層以上のシートを押し出し、キャ
スティングロールで冷却して未延伸フイルムを作る。こ
の場合、ポリマ流路にスタティックミキサー、ギヤポン
プを設置する方法は有効である。また、最表層積層部側
のポリマーを押出す押出機の溶融温度を基層部側より5
〜10℃低くすることが、有効である。
【0020】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.5〜6.5倍で行なう方法は特に好まし
い。長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異
なり一概には言えないが、通常、50〜130℃とする
ことが有効である。長手方向延伸速度は5000〜50
000%/分の範囲が好適である。幅方向の延伸方法と
してはステンタを用いる方法が一般的である。延伸倍率
は、3.0〜5.0倍の範囲が適当である。幅方向の延
伸速度は、1000〜20000%/分、温度は80〜
160℃の範囲が好適である。次にこの延伸フイルムを
熱処理する。この場合の熱処理温度は170〜230
℃、特に180〜220℃、時間は0.2〜20秒の範
囲が好適である。
【0021】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。 (1)粒子の平均粒径、粒子数 フイルムからポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去
し、粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化される
が粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像
をイメージアナライザーで処理する。SEMの倍率はお
よそ2000〜10000倍、また、1回の測定での視
野は1辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観
察箇所をかえて粒子数5000個以上で、粒径とその体
積分率から、次式で体積平均径dを得る。 d=Σdi ・Nvi ここでdi は粒径、Nvi はその体積分率である。粒子
数は、積層厚みと平均粒径の関係を満たすものについ
て、体積分率から求め、mm2 あたりに換算する。粒子
が有機粒子等で、プラズマ低温灰化処理法で大幅にダメ
ージを受ける場合には、以下の方法を用いてもよい。フ
イルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、30
00〜100000倍で観察する。TEMの切片厚さは
約1000Åとし、場所を変えて500視野以上測定
し、上記の式から体積平均径dを求める。
【0022】(2)積層ポリエステル層の厚さ(最外層
の厚さ:t) 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっと
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では表
面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかる
につれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場合は
一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2と
なる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を
求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E−GUN :0.5KV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲にもっとも多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定
が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには積層
ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求
めることもできる。
【0023】(3)フイルム表面の突起個数、突起高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリ
オニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面の高
さを0として走査したときの突起の高さ測定値を画像処
理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送
り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築す
る。次に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得
られた個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高
さとし、これを個々の突起について求める。この測定を
場所をかえて500回繰返し、20nm以上の高さのも
のを突起とし、突起個数を求め、測定された突起につい
てその高さの平均値を平均高さとした。また走査型電子
顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間を選択する。なお、
場合によっては、高精度光干渉式3次元表面解析装置
(WYKO社製TOPO−3D、対物レンズ:40〜2
00倍、高解像度カメラ使用が有効)を用いて得られる
高さ情報を上記SEMの値に読み替えて用いてもよい。
【0024】(4)軸配向係数Δn ナトリウムD線(589nm)を光源としてアッペ屈折
計を用いて25℃、65%RHにてMD(機械軸)方向
の屈折率(nMD)、およびTD(幅)方向の屈折率(n
TD)を測定し次式により求める。 Δn=(nMD−nTD)×103 用いるマウント液(ヨウ化メチレンなど)、テストピー
スは素材、配向状態に応じて適宜選択する。
【0025】(5)F−5値 ASTM−D−882にしたがって、インストロン式の
引張試験機を用いて、25℃、65%RHにて引張試験
を行い、試料の5%伸びでの応力をF−5値(kg/m
2 )とした。
【0026】(6)走行耐久性 フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダー処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テープ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 :100 重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部 ・ポリウレタンエラストマ :10重量部 ・ポリイソシアネ―ト :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5 重量部 このテープを市販のビデオデッキで早送り、巻戻しを繰
り返し50回行い、テープ走行面に付着している削れ粉
の量、およびテープ走行面の傷により判定した。次の基
準で目視(場合によっては観察倍率50倍程度で顕微鏡
により観察する)により判定し、○、△、×の3段階評
価を行い、○、△を特性良好とした。 ○: 削れ粉、傷ともにほとんど見られない △: 削れ粉、傷が僅かに見られる ×: 削れ粉、傷が多量に見られる
【0027】(7)テープエッジダメージ 走行耐久性の測定と同様にカセットに組み込んだビデオ
テープ250mを市販のビデオデッキで早送り、巻戻し
を繰り返し50回行い、テープ端面を走査型電子顕微鏡
等で観察し、測定前のテープ端面と比較を行い、次の基
準で判定し、○、△、×の3段階評価を行い、○、△を
特性良好とした。 ○: 測定前の端面とほとんど変わらない △: 若干の削れ粉の付着、磁性層のダメージが見られ
る ×: 削れ粉の付着が多く、磁性層の破壊も大きい
【0028】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。 実施例1(表1) 最外層に含有させる粒子をエチレングリコール中にて、
50μm径のガラスビーズをメディアとして分散させ、
ガラスビーズを除去したのちテレフタル酸と重合し、ポ
リエチレンテレフタレートのマスターペレットとした。
【0029】上記のマスターペレットを、粒子を含有し
ないポリエチレンテレフタレートのペレットで所定割合
にて希釈し、該希釈した粒子含有ペレットと、粒子を含
有しないポリエチレンテレフタレートのペレットを、そ
れぞれ180℃で8時間減圧乾燥(3Torr)した
後、押出機1、押出機2(たとえばベント式二軸混練押
出機)にそれぞれ供給し、280℃、290℃で溶解し
た。この2つのポリマを、それぞれ高精度濾過した後、
矩形積層部を備えた3層合流ブロックにて、中間層部に
粒子を含有しないポリマが、両面表層積層部に前記粒子
含有ポリマがくるように積層し、フィッシュテール型の
口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャス
ト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに
巻きつけて冷却固化し、厚さ約230μmの未延伸フイ
ルムを作った。この時のドラフト比は6.5であった。
【0030】この未延伸フイルムを長手方向に3段階に
分け、123℃で1.2倍、126℃で1.45倍、1
14℃で2.3倍それぞれ延伸した。この一軸フイルム
をステンタを用いて幅方向に2段階に分け、111℃で
3.7倍、113℃で1.2倍延伸し、定長下で200
℃にて5秒間熱処理し、厚さ13μmのフイルムを得
た。得られたフイルムの最外層部積層厚さtは、100
0nmで、最外層含有粒子の平均粒径dは、600nm
で、最外層の積層厚さtと含有粒子の平均粒径dとの関
係t/dは1.67であった。また、両表面の突起数は
同じであり、該表面突起数は20000個/mm2 であ
った。さらに、t/dが0.2〜10の粒子数は180
00個/mm2 であった。
【0031】このフイルムの軸配向係数Δnは−35、
F−5値は14.5kg/mm2 であった。また、フイ
ルムの走行耐久性も良好であった。さらに、このフイル
を用い前述の磁性塗料を塗布して作成したVTRテー
プのテープエッジダメージ防止特性を評価したところ、
良好であった。このように、最外層積層部に含有される
粒子と積層厚さとの関係、該関係を満たす粒子数、表面
突起数が本発明の範囲内であり、かつ、Δn、F−5値
が本発明の範囲内である場合には、良好な走行耐久性、
テープエッジダメージ防止特性が得られる。
【0032】実施例2〜5、比較例1〜6(表1) 実施例1と同様にして、最外層の積層厚さ、該最外層含
有粒子の平均粒径d、該最外層の積層厚さtと含有粒子
の平均粒径dとの関係t/d、表面突起数、t/dが
0.2〜10の粒子数、およびΔn、F−5値を種々変
更した場合について、各種二軸配向積層ポリエステルフ
イルムを作成した(なお、実施例5においては、最外層
および基層部のポリマ種をポリエチレンナフタレートと
した)。最外層の積層厚さ、該最外層含有粒子の平均粒
径d、該最外層の該積層厚さtと含有粒子の平均粒径d
との関係t/d、表面突起数、t/dが0.2〜10の
粒子数が本発明の範囲内であり、かつ、Δn、幅方向の
F−5値が本発明の範囲内である場合には、いずれも良
好な走行耐久性、テープエッジダメージ防止特性が得ら
れたが(実施例2〜5)、いずれかの特性が本発明の範
囲外である場合には、走行耐久性、テープエッジダメー
ジ防止特性の両方を共に満足させることはできなかった
(比較例1〜6)。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の二軸配向積層フイルムによれ
ば、少なくとも3層以上の積層構造の少なくとも片面側
の最外層に、特定の粒子平均粒径と最外層の層厚さとの
関係を満たすように粒子を含有させ、表面突起数あるい
は該関係を満たす粒径の粒子数を特定の範囲とするとと
もに、軸配向係数Δn、F−5値を特定の範囲としたの
で、積層フイルムの表面に削れにくいかつ所望の突起を
効率よく形成して望ましい表面形態にすることができ、
良好な走行耐久性を得ることができるとともに、磁気磁
気テープとしたときにも良好なテープエッジダメージ防
止特性を得ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−208641(JP,A) 特開 昭62−290535(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 55/00 - 55/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層以上の積層構造からなる
    二軸配向積層フイルムにおいて、その少なくとも片面側
    の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(nm)
    と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d であり、該最外層側のフイルム表面の、20nm以上の
    高さの突起個数が3×103 〜2×105 個/mm2
    であり、かつ軸配向係数Δnが−10以下、フイルム幅
    方向のF−5値が12kg/mm2 以上であることを特
    徴とする二軸配向積層フイルム。
  2. 【請求項2】 前記式の関係を満たす粒径の粒子数が3
    ×103 〜1.5×105 個/mm2 である、請求項1
    二軸配向積層フイルム。
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JPH0679844B2 (ja) * 1986-06-11 1994-10-12 東レ株式会社 磁気記録媒体用ポリエステルフイルムならびにその製造方法
JP2853878B2 (ja) * 1990-01-11 1999-02-03 東レ株式会社 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム

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