JPH05318584A - 二軸配向積層フイルム - Google Patents

二軸配向積層フイルム

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JPH05318584A
JPH05318584A JP15005492A JP15005492A JPH05318584A JP H05318584 A JPH05318584 A JP H05318584A JP 15005492 A JP15005492 A JP 15005492A JP 15005492 A JP15005492 A JP 15005492A JP H05318584 A JPH05318584 A JP H05318584A
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film
particles
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biaxially oriented
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JP15005492A
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Katsuya Okamoto
克哉 岡本
Shoji Nakajima
彰二 中島
Koichi Abe
晃一 阿部
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 3層以上の積層構造からなり、その少なくと
も片面側の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d
と該最外層の層厚さtとの関係が、0.2≦t≦10d
を満たし、該最外層側のフイルム表面の突起個数が3×
103 〜2×105 個/mm2 あるいは上記関係を満た
す粒径の粒子数が3×103 〜1.5×105 個/mm
2 であり、さらに、積層フイルム全体としての固有粘度
が0.62以上であり、かつ、その少なくとも片面の最
外層の固有粘度と中間層の固有粘度との差が0.02未
満である二軸配向積層フイルム。 【効果】 積層フイルムの表面に削れにくいかつ所望の
突起を効率よく形成して望ましい表面形態にすることが
でき、優れた走行性を発揮させることができるととも
に、良好な巻姿を得ることができ、かつ、磁気媒体用と
して優れた画質、スキュー特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向積層フイルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向積層フイルム、例えば二軸配向
ポリエステルフイルムとしては、ポリエステルにコロイ
ド状シリカに起因する実質的に球形のシリカ粒子を含有
せしめたフイルムが知られている(たとえば特開昭59
−171623号公報)。
【0003】しかし、フイルムの加工工程、特に磁気媒
体用途における磁性層塗布・カレンダー及び巻取、カセ
ット組み込み工程などの工程速度の増大に伴い、接触す
るロールやガイドでフイルム表面、とくに微小凹凸を有
するフイルム表面が削り取られやすいという欠点があっ
た。また、従来のものでは、高速磁界転写などによるダ
ビングの増速化にともない、ダビング時の画質低下のた
めに、画質すなわちS/N(シグナル/ノイズ比)も不
十分であるという欠点があった。
【0004】このような欠点を解消するため、積層フイ
ルムの最外層を薄層とし、該層厚さに対し比較的粒径の
大きな粒子を含有させ、該層厚さと粒子の粒径を特定の
関係にすることにより、フイルム表面に削り取られにく
い微小突起を形成するようにした二軸配向積層フイルム
が提案されている(特開平2−77431号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術における問題点を解決するとともに、特開平2−7
7431号公報提案の技術をさらに改良するもので、フ
イルム表面の微小突起をより最適化して走行性を一層向
上するとともに、フイルム製造工程におけるフイルムの
巻姿の向上をはかり、しかも、磁気媒体用途とした時に
画質低下が少なくしかもスキュー特性の良好な二軸配向
積層フイルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向積層フイルムは、少なくとも3層以上の積層構
造からなる二軸配向積層フイルムにおいて、その少なく
とも片面側の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径
d(nm)と該最外層の層厚さt(nm)との関係が、
0.2d≦t≦10dを満たし、該最外層側のフイルム
表面の突起個数が3×103 〜2×105 個/mm2
あり、さらに、積層フイルム全体としての固有粘度が
0.62以上であり、かつ、その少なくとも片面の最外
層の固有粘度と中間層の固有粘度との差が0.02未満
であるものから成る。
【0007】また、もう一つの本発明の二軸配向積層フ
イルムは、少なくとも3層以上の積層構造からなる二軸
配向積層フイルムにおいて、その少なくとも片面側の最
外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(nm)と最
外層の層厚さt(nm)との関係0.2d≦t≦10d
を満たす粒径の粒子数が3×103 〜1.5×105
/mm2 であり、さらに、積層フイルム全体としての固
有粘度が0.62以上であり、かつ、その少なくとも片
面の最外層の固有粘度と中間層の固有粘度との差が0.
02未満であるものから成る。
【0008】まず、本発明のフイルムは少なくとも3層
以上の積層構造である必要がある。3層以上であれば、
4層でも5層でもかまわないが3層構造の場合に本発明
の効果がより一層良好となり好ましい。しかし、単層や
2層構造のフイルムでは走行性、スリット時等のフイル
ムの良好な巻姿、磁気媒体用途における良好な画質やス
キュー特性を満足させることができない。
【0009】次に、本発明のフイルムは、これを構成す
る上記各層の少なくとも一層が二軸に配向している必要
がある。3層以上の積層構造の内、全部の層が二軸に配
向していると特に好ましい。全ての層が無配向や一軸配
向では本発明の特性を満足することはできない。
【0010】本発明の二軸配向積層フイルムを構成する
ポリマーは特に限定されないが、磁気媒体用途としては
ポリエステルが好ましい。ポリエステルとしては特に限
定されないが、エチレンテレフタレート、エチレンα,
β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボキシレート、エチレン2,6─ナフタレート単
位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成
分とする場合に特に好ましい。中でもエチレンテレフタ
レートを主要構成成分とするポリエステルの場合が特に
好ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内で、2種以
上のポリエステルを混合しても良いし、共重合ポリマを
用いても良い。
【0011】本発明の二軸配向積層フイルムの少なくと
も片面の最外層には、まず、粒子が、該粒子の平均粒径
d(nm)と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d になるように含有される。tが0.2dよりも小さいと
走行性が悪化し、tが10dよりも大きいと磁気テープ
としたときの画質が低下する。
【0012】そして、主としてこの最外層含有粒子によ
り、最外層側のフイルム表面には、個数3×103 〜2
×105 個/mm2 の突起が形成される。
【0013】最外層側フイルム表面の突起個数が上記範
囲よりも少ないと、摩擦係数が高くなって、良好な走行
性が得られない。逆に突起個数が上記範囲よりも多い
と、磁気テープとしたときの画質が低下し、耐削れ性が
低下する。
【0014】このような突起を形成するために、上記式
の関係を満たす粒径の粒子数が3×103 〜1.5×1
5 個/mm2 になるように含有される。このように、
粒子の粒径と最外層の層厚さとが特定の関係を満たす粒
径の粒子数を特定の範囲とすることにより、まず、該含
有粒子自身により、フイルム表面に所望の微小突起が効
率よく形成される。この粒子数の範囲が前記突起個数の
範囲よりも小さいのは、突起が中間層等からの転写的効
果によっても形成されることがあるからである。
【0015】そして、本発明の二軸配向積層フイルムに
おいては、積層フイルム全体としての固有粘度が0.6
2以上、好ましくは0.65以上に設定される。このよ
うに積層フイルム全体としての固有粘度高くすることに
より、磁気テープ全体としての熱寸法安定性が増す。つ
まり、温度、湿度による膨張が低く抑えられ、熱収縮率
も低く抑えられて、低スキュー特性が得られ、トラッキ
ングミスも低減される。このスキュー特性に関して、ヘ
リカルスキャン方式のVTRにおいて、映像信号は斜め
のトラックとしてテープ上に記録されるが、なんらかの
原因でテープが走行方向に伸縮する(寸法変化)ことに
より、テープ上に記録されたトラックの長さが変化す
る。そのため、信号の周波数が変化したり、再生時のト
ラッキングミスが発生し、画面に歪みが発生する。この
現象が一般にスキューと言われている。
【0016】さらに本発明の二軸配向積層フイルムにお
いては、その少なくとも片面の最外層の固有粘度と中間
層の固有粘度との差が0.02未満とされる。このよう
に、最外層の固有粘度と中間層の固有粘度との差を小さ
くすることにより、たとえ薄層の表層であっても、表層
部分の厚みむらが向上し、該積層フイルムを巻く場合の
巻姿が著しく向上される。したがって、積層フイルム自
身の製造工程および磁気テープ製造工程において、生産
性が向上される。
【0017】なお、本発明のフイルム中には、本発明の
目的を阻害しない範囲内で、異種ポリマをブレンドして
もよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸
収剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加されて
いてもよい。
【0018】次に本発明フイルムの製造方法を、ポリエ
ステルフイルムの場合について説明する。まず、ポリエ
ステルに粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオ
ール成分であるエチレングリコールに粒子を所定割合に
てスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコール
を所定のジカルボン酸成分と重合せしめる方法が好まし
い。粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得
られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることな
く添加すると粒子の分散性が非常によく、高速削れ性、
電磁変換特性を共に良好とすることができる。また粒子
の水スラリーを直接所定のポリエステルペレットと混合
し、ベント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステル
に練り込む方法も本発明の効果をより一層良好とするの
に非常に有効である。粒子の含有量、個数を調節する方
法としては、上記方法で高濃度の粒子マスターを作って
おき、それを製膜時に粒子を実質的に含有しないポリエ
ステルで希釈して粒子の含有量を調節する方法が有効で
ある。
【0019】次にこのポリエステルのペレットを用いて
3層以上の積層構造をもったポリエステルフイルムとす
る。上記の方法にて得られたポリエステルのペレットを
所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用
押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フイルムを作る。すなわち、2または3台以上の押出
機、3層以上のマニホールドまたは合流ブロック(例え
ば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて、各最外
層を構成するフイルム層、中間層を構成するフイルム層
を積層し、口金から3層以上のシートを押し出し、キャ
スティングロールで冷却して未延伸フイルムを作る。こ
の場合、ポリマ流路にスタティックミキサー、ギヤポン
プを設置する方法は有効である。また、最表層積層部側
のポリマーを押出す押出機の溶融温度を基層部側より5
〜10℃低くすることが、有効である。
【0020】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.5〜6.5倍で行なう方法は特に好まし
い。長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異
なり一概には言えないが、通常、その1段目を50〜1
30℃とし、2段目以降はそれより高くすることが有効
である。長手方向延伸速度は5000〜50000%/
分の範囲が好適である。幅方向の延伸方法としてはステ
ンタを用いる方法が一般的である。延伸倍率は、3.0
〜5.0倍の範囲が適当である。幅方向の延伸速度は、
1000〜20000%/分、温度は80〜160℃の
範囲が好適である。次にこの延伸フイルムを熱処理す
る。この場合の熱処理温度は170〜220℃、特に1
80〜200℃、時間は0.2〜20秒の範囲が好適で
ある。
【0021】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。 (1)粒子の平均粒径、粒子数 フイルムからポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去
し、粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化される
が粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像
をイメージアナライザーで処理する。SEMの倍率はお
よそ2000〜10000倍、また、1回の測定での視
野は1辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観
察箇所をかえて粒子数5000個以上で、粒径とその体
積分率から、次式で体積平均径dを得る。 d=Σdi ・Nvi ここでdi は粒径、Nvi はその体積分率である。粒子
数は、積層厚みと平均粒径の関係を満たすものについ
て、体積分率から求め、mm2 あたりに換算する。粒子
が有機粒子等で、プラズマ低温灰化処理法で大幅にダメ
ージを受ける場合には、以下の方法を用いてもよい。フ
イルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、30
00〜100000倍で観察する。TEMの切片厚さは
約1000Åとし、場所を変えて500視野以上測定
し、上記の式から体積平均径dを求める。
【0022】(2)積層ポリエステル層の厚さ(最外層
の厚さ:t) 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっと
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では表
面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかる
につれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場合は
一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2と
なる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を
求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E−GUN :0.5KV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲にもっとも多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定
が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには積層
ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求
めることもできる。
【0023】(3)フイルム表面の突起個数 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリ
オニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面の高
さを0として走査したときの突起の高さ測定値を画像処
理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送
り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築す
る。次に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得
られた個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高
さとし、これを個々の突起について求める。この測定を
場所をかえて500回繰返し、20nm以上の高さのも
のを突起とし、突起個数を求めた。また走査型電子顕微
鏡の倍率は、1000〜8000倍の間を選択する。なお、場合
によっては、高精度光干渉式3次元表面解析装置(WY
KO社製TOPO−3D、対物レンズ:40〜200
倍、高解像度カメラ使用が有効)を用いて得られる高さ
情報を上記SEMの値に読み替えて用いてもよい。
【0024】(4)固有粘度[η](単位はdl/g) オルソクロルフェノ―ル中、25℃で測定した溶液粘度か
ら下記式から計算される値を用いる。すなわち、 ηsp/C=[η]+K[η]2 ・C ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒
100 mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100 ml、通常
1.2)、Kはハギンス定数(0.343 とする)。また、
溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定
した。
【0025】(5)画質(クロマS/N) フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cm でカレン
ダー処理した後、70℃、48時間キュアリングする。
上記テープ原反を1/2インチにスリットし、長さ25
0mの長さをVTRカセットに組み込みVTRカセット
テープとした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g) :100 重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体) :10重量部 ・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部 ・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネ―ト) :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5 重量部 このテ―プに家庭用VTRを用いてシバソク製のテレビ
試験波形発生器(TG7/U706 )により100 %クロマ
信号を記録し、その再生信号からシバソク製カラービデ
オノイズ測定器(925 D/1)でクロマS/Nを測定し
た。
【0026】(6)走行性(摩擦係数μk) フイルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機SFT−700型((株)横浜
システム研究所製)を使用し、20℃、60%RH雰囲
気で走行させ、初期の摩擦係数を下記の式より求めた
(フイルム幅は1/2インチとした)。 μk=2/πln(T2 /T1 ) ここで、T1 は入側張力、T2 は出側張力である。ガイ
ド径は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面
粗度0.2S)、巻き付け角は90°、走行速度は3.
3cm/秒である。この測定によって得られたμkが
0.3以下の場合は摩擦係数:良好、0.3を越える場
合は摩擦係数:不良と判定した。このμkはフイルムを
磁気記録媒体、コンデンサ、包装用などの加工をする時
のハンドリング性を左右する臨界点である。
【0027】(7)スキュー特性 スキュー(テープ歪)の評価は、白黒IQ信号を記録後
45℃、80%RH下で100時間繰り返し再生を行
い、100時間経過後のモニター上でのずれ量を測定
し、優、良、不良の3段階評価とした。
【0028】(8)スリット巻姿 二軸配向積層フイルムの製造工程において、フイルムを
幅700mm、長さ6500mのロールに、速度300
m/分で巻取り、巻上がったロールの外観を詳細に検査
し、次の基準により、ツブしわ、端面ずれなどの巻欠点
の評価を行った。 優 : 巻欠点が全くない 良 : 欠点がごくわずかに認められる 不良: 巻欠点が目立つ
【0029】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。 実施例1(表1) 最外層に含有させる粒子をエチレングリコール中にて、
50μm径のガラスビーズをメディアとして分散させ、
ガラスビーズを除去したのちテレフタル酸と重合し、ポ
リエチレンテレフタレートのマスターペレットとした。
【0030】上記のマスターペレットを、粒子を含有し
ないポリエチレンテレフタレートのペレットで所定割合
にて希釈し、それぞれ所定の粘度となるように調製して
180℃で8時間減圧乾燥(3Torr)した後、押出
機1、押出機2(たとえばベント式二軸混練押出機)に
それぞれ供給し、280℃、290℃で溶解した。この
2つのポリマを、それぞれ高精度濾過した後、矩形積層
部を備えた3層合流ブロックにて積層し、フィッシュテ
ール型の口金よりシート状にして押し出した後、静電印
加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティング
ドラムに巻きつけて冷却固化し、厚さ約160μmの未
延伸フイルムを作った。この時のドラフト比は6.5で
あった。
【0031】この未延伸フイルムを長手方向に3段階に
分け、123℃で1.2倍、126℃で1.45倍、1
14℃で2.3倍それぞれ延伸した。この一軸フイルム
をステンタを用いて幅方向に2段階に分け、111℃で
3.7倍、113℃で1.2倍延伸し、定長下で200
℃にて5秒間熱処理し、厚さ13μmのフイルムを得
た。得られたフイルムの最外層部積層厚さtは、100
0nmで、最外層の積層厚さtと含有粒子の平均粒径d
との関係t/dは1.5であった。また、両表面の突起
数は同じであり、該表面突起数は18000個/mm2
であった。さらに、t/dが0.2〜10の粒子数は1
4000個/mm2 であった。最外層部分の固有粘度は
0.63dl/g、中間層部分の固有粘度は0.64d
l/gであった。全体としての固有粘度は0.64dl
/gであった。
【0032】このフイルムで作成したVTRテープの画
質を測定すると、クロマS/Nで+2.5dBであっ
た。また、フイルムの走行性(摩擦係数)も0.24と
良好であった。さらに、スリット巻姿、スキュー特性も
優であった。このように、最外層積層部に含有される粒
子と積層厚さとの関係、該関係を満たす粒子数、表面突
起数が本発明の範囲内であり、かつ、積層フイルム全体
としての固有粘度および各層の固有粘度が本発明の関係
を満たす場合には、優れた画質、走行性、スキュー特
性、スリット巻姿が得られる。
【0033】実施例2〜5、比較例1〜4(表1) 実施例1と同様にして、最外層の積層厚さ、該積層厚さ
tと含有粒子の平均粒径dとの関係t/d、表面突起
数、t/dが0.2〜10の粒子数、および各層の固有
粘度を変更した場合について、各種二軸配向積層ポリエ
ステルフイルムを作成した。最外層の積層厚さ、該積層
厚さtと含有粒子の平均粒径dとの関係t/d、表面突
起数、t/dが0.2〜10の粒子数が本発明の範囲内
であり、かつ、積層フイルム全体としての固有粘度およ
び各層の固有粘度が本発明の関係を満たす場合には、い
ずれも優れた画質、走行性、スキュー特性、スリット巻
姿が得られたが(実施例2〜5)、いずれかの要件、と
くに固有粘度が本発明の範囲、関係を満たさない場合に
は、たとえ一部他の条件が本発明の範囲内であっても、
画質、走行性、スキュー特性、スリット巻姿の全てを満
足させることはできなかった(比較例1〜4)。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の二軸配向積層フイルムによれ
ば、少なくとも3層以上の積層構造の少なくとも片面側
の最外層に、特定の粒子平均粒径と最外層の層厚さとの
関係を満たすように粒子を含有させ、表面突起数あるい
は該関係を満たす粒径の粒子数を特定の範囲とするとと
もに、積層フイルム全体としての固有粘度の範囲および
各層の固有粘度の関係を特定したので、積層フイルムの
表面に削れにくいかつ所望の突起を効率よく形成して望
ましい表面形態にすることができ、優れた走行性を発揮
させることができるとともに、良好な巻姿を得ることが
でき、かつ、磁気媒体用として優れた画質、スキュー特
性を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F 9:00 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層以上の積層構造からなる
    二軸配向積層フイルムにおいて、その少なくとも片面側
    の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(nm)
    と該最外層の層厚さt(nm)との関係が、0.2d≦
    t≦10dを満たし、該最外層側のフイルム表面の突起
    個数が3×103 〜2×105 個/mm2 であり、さら
    に、積層フイルム全体としての固有粘度が0.62以上
    であり、かつ、その少なくとも片面の最外層の固有粘度
    と中間層の固有粘度との差が0.02未満であることを
    特徴とする二軸配向積層フイルム。
  2. 【請求項2】 少なくとも3層以上の積層構造からなる
    二軸配向積層フイルムにおいて、その少なくとも片面側
    の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(nm)
    と最外層の層厚さt(nm)との関係0.2d≦t≦1
    0dを満たす粒径の粒子数が3×103 〜1.5×10
    5 個/mm2 であり、さらに、積層フイルム全体として
    の固有粘度が0.62以上であり、かつ、その少なくと
    も片面の最外層の固有粘度と中間層の固有粘度との差が
    0.02未満であることを特徴とする二軸配向積層フイ
    ルム。
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