JP3293229B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
二軸配向ポリエステルフィルムInfo
- Publication number
- JP3293229B2 JP3293229B2 JP10699693A JP10699693A JP3293229B2 JP 3293229 B2 JP3293229 B2 JP 3293229B2 JP 10699693 A JP10699693 A JP 10699693A JP 10699693 A JP10699693 A JP 10699693A JP 3293229 B2 JP3293229 B2 JP 3293229B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- film
- biaxially oriented
- oriented polyester
- flat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遮光性を有する二軸配
向ポリエステルフィルムに関する。
向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】遮光性を有する二軸配向フィルム、例え
ば二軸配向ポリエステルフィルムとしては、カーボンブ
ラックを含有し、波長900nmにおける光線透過率が
70%以下であるフィルムが知られている(例えば特公
平3−58581号公報)。
ば二軸配向ポリエステルフィルムとしては、カーボンブ
ラックを含有し、波長900nmにおける光線透過率が
70%以下であるフィルムが知られている(例えば特公
平3−58581号公報)。
【0003】しかし、上記従来の二軸配向フィルムで
は、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、カレン
ダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダビング
してソフトテープ等を製造する工程等の工程速度の増大
に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面に傷が
つくという欠点があった。また、従来のものでは、上記
ダビング時の画質低下のために、ビデオテープにした時
の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイズ比)も不
十分という欠点があった。
は、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、カレン
ダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダビング
してソフトテープ等を製造する工程等の工程速度の増大
に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面に傷が
つくという欠点があった。また、従来のものでは、上記
ダビング時の画質低下のために、ビデオテープにした時
の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイズ比)も不
十分という欠点があった。
【0004】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
特に高速工程でフィルムに傷がつきにくく(以下耐スク
ラッチ性に優れるという)、しかもダビング時の画質低
下の少なく(以下耐ダビング性に優れるという)、磁気
記録媒体用等に求められる光線透過率の少ない(以下遮
光性に優れるという)二軸配向ポリエステルフィルムを
提供することを目的とする。
特に高速工程でフィルムに傷がつきにくく(以下耐スク
ラッチ性に優れるという)、しかもダビング時の画質低
下の少なく(以下耐ダビング性に優れるという)、磁気
記録媒体用等に求められる光線透過率の少ない(以下遮
光性に優れるという)二軸配向ポリエステルフィルムを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向ポリエステルフィルムは、偏平粒子を0.01
〜10重量%含有する層を少なくとも1層有する、少な
くとも2層構造からなる積層フィルムであり、該積層フ
ィルムの少なくとも1つの最外層に一次粒径5〜100
nmの少なくとも1種類の偏平でない凝集粒子を含有
し、偏平粒子の平均厚さが0.01〜1μm、かつ、波
長800〜1000nmにおける光線透過率が70%以
下であることを特徴とするものである。
二軸配向ポリエステルフィルムは、偏平粒子を0.01
〜10重量%含有する層を少なくとも1層有する、少な
くとも2層構造からなる積層フィルムであり、該積層フ
ィルムの少なくとも1つの最外層に一次粒径5〜100
nmの少なくとも1種類の偏平でない凝集粒子を含有
し、偏平粒子の平均厚さが0.01〜1μm、かつ、波
長800〜1000nmにおける光線透過率が70%以
下であることを特徴とするものである。
【0006】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを
構成するポリマとしては、ポリエステルが使用され、か
かるポリエステルとしては特に限定されないが、エチレ
ンテレフタレート、エチレンα,β−ビス(2−クロル
フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート、
エチレン2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なく
とも1種の構造単位を主要構成成分とする場合に耐スク
ラッチ性、耐ダビング性がより良好となるので好まし
い。なかでも、エチレンテレフタレートを主要構成成分
とするポリエステルの場合に耐ダビング性、耐スクラッ
チ性がより一層良好となるので特に好ましい。なお、本
発明を阻害しない範囲内で、2種以上のポリエステルを
混合してもよいし、共重合ポリマを用いてもよい。
構成するポリマとしては、ポリエステルが使用され、か
かるポリエステルとしては特に限定されないが、エチレ
ンテレフタレート、エチレンα,β−ビス(2−クロル
フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート、
エチレン2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なく
とも1種の構造単位を主要構成成分とする場合に耐スク
ラッチ性、耐ダビング性がより良好となるので好まし
い。なかでも、エチレンテレフタレートを主要構成成分
とするポリエステルの場合に耐ダビング性、耐スクラッ
チ性がより一層良好となるので特に好ましい。なお、本
発明を阻害しない範囲内で、2種以上のポリエステルを
混合してもよいし、共重合ポリマを用いてもよい。
【0007】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは
平均厚さが0.01〜1μmである偏平粒子を含有する
ことが必要である。平均厚さが0.01〜1μm、好ま
しくは0.02〜0.5μmである偏平粒子を含有する
ことにより、耐スクラッチ性、耐ダビング性、および遮
光性を満足することが可能となった。偏平粒子の粒子厚
さ方向に垂直な方向の粒子の大きさは0.1〜2.0μ
mが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.5μm、
より好ましくは0.3〜1.0μmである。粒子の大き
さが上記範囲より小さいと遮光性が劣り、上記範囲より
大きいと耐スクラッチ性、耐ダビング性が不良となる。
また、偏平粒子の含有量は0.01〜10重量%、好ま
しくは0.02〜8重量%、さらに好ましくは0.05
〜5重量%である。含有量が上記範囲より小さいと遮光
性が劣り、上記範囲より大きいと耐スクラッチ性、耐ダ
ビング性が不良となる。偏平粒子の種類としては、例え
ば、マイカ粒子、チタンで被覆されたマイカ粒子等が挙
げられるが、なかでもチタンで被覆されたマイカ粒子が
好ましい。
平均厚さが0.01〜1μmである偏平粒子を含有する
ことが必要である。平均厚さが0.01〜1μm、好ま
しくは0.02〜0.5μmである偏平粒子を含有する
ことにより、耐スクラッチ性、耐ダビング性、および遮
光性を満足することが可能となった。偏平粒子の粒子厚
さ方向に垂直な方向の粒子の大きさは0.1〜2.0μ
mが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.5μm、
より好ましくは0.3〜1.0μmである。粒子の大き
さが上記範囲より小さいと遮光性が劣り、上記範囲より
大きいと耐スクラッチ性、耐ダビング性が不良となる。
また、偏平粒子の含有量は0.01〜10重量%、好ま
しくは0.02〜8重量%、さらに好ましくは0.05
〜5重量%である。含有量が上記範囲より小さいと遮光
性が劣り、上記範囲より大きいと耐スクラッチ性、耐ダ
ビング性が不良となる。偏平粒子の種類としては、例え
ば、マイカ粒子、チタンで被覆されたマイカ粒子等が挙
げられるが、なかでもチタンで被覆されたマイカ粒子が
好ましい。
【0008】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムに
は、上記偏平粒子の他に、さらに少なくとも1種類以上
の偏平でない単分散粒子を含有するのが好ましい。単分
散粒子としては、特に限定されないが、例えば炭酸カル
シウム粒子、有機粒子、コロイダルシリカ粒子、酸化チ
タン粒子、アルミナ粒子が好ましく例示され、特に有機
粒子、炭酸カルシウム粒子、コロイダルシリカ粒子から
選ばれた少なくとも1種類の粒子が好ましい。炭酸カル
シウム粒子の結晶形態としては、特に限定されないが、
カルサイト型、バテライト型等が例示される。有機粒子
としては、特に限定されないが、ジビニルベンゼン粒
子、シリコーン粒子が好ましい。ジビニルベンゼン粒子
とは、架橋成分としてジビニルベンゼンを主体とするも
のをいう。ジビニルベンゼンが粒子成分の51%以上、
好ましくは60%以上、さらに好ましくは75%以上の
ものがよい。ここで、架橋度とは有機粒子組成中の架橋
し得る組成分の重量%である。また、シリコーン粒子と
はオルガノポリシロキサン(CH3 −SiO3/2)を主
成分とする。
は、上記偏平粒子の他に、さらに少なくとも1種類以上
の偏平でない単分散粒子を含有するのが好ましい。単分
散粒子としては、特に限定されないが、例えば炭酸カル
シウム粒子、有機粒子、コロイダルシリカ粒子、酸化チ
タン粒子、アルミナ粒子が好ましく例示され、特に有機
粒子、炭酸カルシウム粒子、コロイダルシリカ粒子から
選ばれた少なくとも1種類の粒子が好ましい。炭酸カル
シウム粒子の結晶形態としては、特に限定されないが、
カルサイト型、バテライト型等が例示される。有機粒子
としては、特に限定されないが、ジビニルベンゼン粒
子、シリコーン粒子が好ましい。ジビニルベンゼン粒子
とは、架橋成分としてジビニルベンゼンを主体とするも
のをいう。ジビニルベンゼンが粒子成分の51%以上、
好ましくは60%以上、さらに好ましくは75%以上の
ものがよい。ここで、架橋度とは有機粒子組成中の架橋
し得る組成分の重量%である。また、シリコーン粒子と
はオルガノポリシロキサン(CH3 −SiO3/2)を主
成分とする。
【0009】該単分散粒子の粒径は特に限定されない
が、平均粒径が0.1〜2μm、好ましくは0.2〜
1.5μm、さらに好ましくは0.3〜1μmである。
また、該単分散粒子の含有量は特に限定されないが、
0.01〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは
0.05〜8重量%、より好ましくは0.1〜5重量%
の場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性が特に良好とな
る。
が、平均粒径が0.1〜2μm、好ましくは0.2〜
1.5μm、さらに好ましくは0.3〜1μmである。
また、該単分散粒子の含有量は特に限定されないが、
0.01〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは
0.05〜8重量%、より好ましくは0.1〜5重量%
の場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性が特に良好とな
る。
【0010】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムに
は、耐スクラッチ性、耐ダビング性の点から、上記の偏
平粒子、単分散粒子の他に、特に凝集粒子を含有するこ
とが重要である。かかる凝集粒子としては、特に限定さ
れないが、結晶形がδ型、θ型、η型、γ型のアルミ
ナ、ジルコニア、シリカ等が好ましく例示される。さら
に、これらの粒子を複数併用して用いてもよい。耐スク
ラッチ性、耐ダビング性の点から、凝集粒子の一次粒径
は、5〜100nm、好ましくは10〜80nmの範囲
のものを含有させることが重要である。かかる粒子の凝
集二次粒径は、特に限定されないが20〜800nm、
好ましくは25〜600nm、含有量は、特に限定され
ないが0.01〜3重量%が好ましく、さらに好ましく
は0.05〜2重量%である。
は、耐スクラッチ性、耐ダビング性の点から、上記の偏
平粒子、単分散粒子の他に、特に凝集粒子を含有するこ
とが重要である。かかる凝集粒子としては、特に限定さ
れないが、結晶形がδ型、θ型、η型、γ型のアルミ
ナ、ジルコニア、シリカ等が好ましく例示される。さら
に、これらの粒子を複数併用して用いてもよい。耐スク
ラッチ性、耐ダビング性の点から、凝集粒子の一次粒径
は、5〜100nm、好ましくは10〜80nmの範囲
のものを含有させることが重要である。かかる粒子の凝
集二次粒径は、特に限定されないが20〜800nm、
好ましくは25〜600nm、含有量は、特に限定され
ないが0.01〜3重量%が好ましく、さらに好ましく
は0.05〜2重量%である。
【0011】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、上記のポリマと偏平粒子を主要成分とするが、本発
明の目的を阻害しない範囲内で他種ポリマをブレンドし
てもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線
吸収剤などの添加剤が通常添加される程度添加されてい
てもよい。
は、上記のポリマと偏平粒子を主要成分とするが、本発
明の目的を阻害しない範囲内で他種ポリマをブレンドし
てもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線
吸収剤などの添加剤が通常添加される程度添加されてい
てもよい。
【0012】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、上記組成物を二軸配向せしめたフィルムである。一
軸あるいは無配向フィルムでは耐スクラッチ性が不良と
なるので好ましくない。この配向の程度は特に限定され
ないが、高分子の分子配向の程度の目安であるヤング率
が長手方向、幅方向ともに350kg/mm2 以上であ
る場合に、耐スクラッチ性がより一層良好となるので特
に好ましい。分子配向の程度の目安であるヤング率は通
常、1500kg/mm2 程度が製造上の限界である。
は、上記組成物を二軸配向せしめたフィルムである。一
軸あるいは無配向フィルムでは耐スクラッチ性が不良と
なるので好ましくない。この配向の程度は特に限定され
ないが、高分子の分子配向の程度の目安であるヤング率
が長手方向、幅方向ともに350kg/mm2 以上であ
る場合に、耐スクラッチ性がより一層良好となるので特
に好ましい。分子配向の程度の目安であるヤング率は通
常、1500kg/mm2 程度が製造上の限界である。
【0013】また、本発明の二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、ヤング率が上記範囲内であっても、フィルムの
厚さ方向の一部分、例えば表層付近のポリマ分子の配向
が無配向、あるいは一軸配向になっていない、すなわち
厚さ方向の全部分の分子配向が二軸配向である場合に耐
スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となる。特
にアッベ屈折率計、レーザーを用いた屈折率計、全反射
レーザーラマン法などによって測定される分子配向が、
表面、裏面ともに二軸配向である場合に耐スクラッチ
性、耐ダビング性がより一層良好となる。
ルムは、ヤング率が上記範囲内であっても、フィルムの
厚さ方向の一部分、例えば表層付近のポリマ分子の配向
が無配向、あるいは一軸配向になっていない、すなわち
厚さ方向の全部分の分子配向が二軸配向である場合に耐
スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となる。特
にアッベ屈折率計、レーザーを用いた屈折率計、全反射
レーザーラマン法などによって測定される分子配向が、
表面、裏面ともに二軸配向である場合に耐スクラッチ
性、耐ダビング性がより一層良好となる。
【0014】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、耐スクラッチ性、耐ダビング性、遮光性の点から、
前記偏平粒子を含有するフィルムが、少なくとも2層構
造からなる積層フィルムの1つの層であることが重要で
ある。
は、耐スクラッチ性、耐ダビング性、遮光性の点から、
前記偏平粒子を含有するフィルムが、少なくとも2層構
造からなる積層フィルムの1つの層であることが重要で
ある。
【0015】また、本発明の二軸配向ポリエステルフィ
ルムが3層以上の構造である場合は、耐スクラッチ性、
耐ダビング性、遮光性の点から、前記偏平粒子を含有す
るフィルムが、3層構造からなる積層フィルムの1つの
最外層、または、1つの芯層であることが好ましい。
ルムが3層以上の構造である場合は、耐スクラッチ性、
耐ダビング性、遮光性の点から、前記偏平粒子を含有す
るフィルムが、3層構造からなる積層フィルムの1つの
最外層、または、1つの芯層であることが好ましい。
【0016】単分散粒子と凝集粒子は同じ層に含有され
ていてもよいし、また、異なる層に含有されていてもよ
いが、耐スクラッチ性、耐ダビング性の点から特に好ま
しいのは、単分散粒子と凝集粒子が少なくとも片面側の
同じ最外層に含有され、そのフィルム層厚さtと、単分
散粒子の粒径dの関係が、0.2d≦t≦10d、好ま
しくは0.5d≦t≦5d、さらに好ましくは0.5d
≦t≦3dの場合、または、単分散粒子を含有するフィ
ルム層の厚さtと、該単分散粒子の粒径dの関係が、
0.2d≦t≦10d、好ましくは0.5d≦t≦5
d、さらに好ましくは0.5d≦t≦3dであって、そ
の外側に凝集粒子を含有する層が最外層として存在し、
その最外層の厚さが0.005〜1μm、好ましくは
0.01〜0.5μm、さらに好ましくは0.02〜
0.3μmの場合である。
ていてもよいし、また、異なる層に含有されていてもよ
いが、耐スクラッチ性、耐ダビング性の点から特に好ま
しいのは、単分散粒子と凝集粒子が少なくとも片面側の
同じ最外層に含有され、そのフィルム層厚さtと、単分
散粒子の粒径dの関係が、0.2d≦t≦10d、好ま
しくは0.5d≦t≦5d、さらに好ましくは0.5d
≦t≦3dの場合、または、単分散粒子を含有するフィ
ルム層の厚さtと、該単分散粒子の粒径dの関係が、
0.2d≦t≦10d、好ましくは0.5d≦t≦5
d、さらに好ましくは0.5d≦t≦3dであって、そ
の外側に凝集粒子を含有する層が最外層として存在し、
その最外層の厚さが0.005〜1μm、好ましくは
0.01〜0.5μm、さらに好ましくは0.02〜
0.3μmの場合である。
【0017】積層構成の、前記偏平粒子を含有するフィ
ルム層以外の層を構成するポリマは、特に限定されない
がポリエステルが好ましい。ポリエステルとしては特に
限定されないが、エチレンテレフタレート、エチレン
α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレ
ート単位から選ばれた少なくとも1種の構造単位を主要
構成成分とする場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性が
より良好となるので好ましい。なかでも、エチレンテレ
フタレートを主要構成成分とするポリエステルの場合に
耐ダビング性、耐スクラッチ性がより一層良好となるの
で特に好ましい。
ルム層以外の層を構成するポリマは、特に限定されない
がポリエステルが好ましい。ポリエステルとしては特に
限定されないが、エチレンテレフタレート、エチレン
α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレ
ート単位から選ばれた少なくとも1種の構造単位を主要
構成成分とする場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性が
より良好となるので好ましい。なかでも、エチレンテレ
フタレートを主要構成成分とするポリエステルの場合に
耐ダビング性、耐スクラッチ性がより一層良好となるの
で特に好ましい。
【0018】さらに、本発明の二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、耐ダビング性、耐スクラッチ性、遮光性の点
から、少なくとも片面の突起個数が2×103 〜5×1
05個/mm2 であることが好ましい。少なくとも片面
の突起個数は、好ましくは3×103 〜4×105 個/
mm2 、さらに好ましくは5×103 〜3×105 個/
mm2 である。
ィルムは、耐ダビング性、耐スクラッチ性、遮光性の点
から、少なくとも片面の突起個数が2×103 〜5×1
05個/mm2 であることが好ましい。少なくとも片面
の突起個数は、好ましくは3×103 〜4×105 個/
mm2 、さらに好ましくは5×103 〜3×105 個/
mm2 である。
【0019】さらに、本発明の二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、波長800〜1000nmにおける光線透過
率が70%以下、好ましくは50%以下、さらに好まし
くは30%以下である特徴を有する。
ィルムは、波長800〜1000nmにおける光線透過
率が70%以下、好ましくは50%以下、さらに好まし
くは30%以下である特徴を有する。
【0020】次に本発明の二軸配向ポリエステルフィル
ムの製造方法について説明する。
ムの製造方法について説明する。
【0021】まず、ポリエステルに偏平粒子、単分散粒
子、凝集粒子を含有させる方法としては、ジオール成分
のエチレングリコールにスラリーとして分散させ、この
エチレングリコールを所定のジカルボン酸成分と重合す
るのが好ましい。また粒子の水スラリーを直接所定のポ
リエステルペレットと混合し、ベント式の2軸混練押出
機を用いてポリエステルに練り込む方法も、本発明の効
果をより一層良好とするのに非常に有効である。
子、凝集粒子を含有させる方法としては、ジオール成分
のエチレングリコールにスラリーとして分散させ、この
エチレングリコールを所定のジカルボン酸成分と重合す
るのが好ましい。また粒子の水スラリーを直接所定のポ
リエステルペレットと混合し、ベント式の2軸混練押出
機を用いてポリエステルに練り込む方法も、本発明の効
果をより一層良好とするのに非常に有効である。
【0022】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時に
粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈して調節
する方法が有効である。
記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時に
粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈して調節
する方法が有効である。
【0023】次に、粒子を所定量含有するペレットを必
要に応じて乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供
給し、スリット状のダイからシート状に押出し、キャス
ティングロール上で冷却固化して未延伸フィルムを作
る。すなわち、2または3台の押出し機、2または3層
のマニホールドまたは合流ブロックを用いて、溶融状態
のポリエステルを積層する。この場合、上記粒子を含有
するポリマ流路に、スタティックミキサー、ギヤポンプ
を設置する方法は本発明の効果をより一層良好とするの
に有効である。
要に応じて乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供
給し、スリット状のダイからシート状に押出し、キャス
ティングロール上で冷却固化して未延伸フィルムを作
る。すなわち、2または3台の押出し機、2または3層
のマニホールドまたは合流ブロックを用いて、溶融状態
のポリエステルを積層する。この場合、上記粒子を含有
するポリマ流路に、スタティックミキサー、ギヤポンプ
を設置する方法は本発明の効果をより一層良好とするの
に有効である。
【0024】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、縦延
伸温度は80〜150℃、総縦延伸倍率3.0〜5.5
倍、縦延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が
好ましい。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる
方法が好ましく、延伸温度は80〜160℃、幅方向延
伸倍率は縦倍率より大きく3.5〜6.5倍、幅方向の
延伸速度は1000〜20000%/分の範囲が好まし
い。
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、縦延
伸温度は80〜150℃、総縦延伸倍率3.0〜5.5
倍、縦延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が
好ましい。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる
方法が好ましく、延伸温度は80〜160℃、幅方向延
伸倍率は縦倍率より大きく3.5〜6.5倍、幅方向の
延伸速度は1000〜20000%/分の範囲が好まし
い。
【0025】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は170〜200℃、特に170〜1
90℃で時間は0.5〜60秒の範囲が好適である。
場合の熱処理温度は170〜200℃、特に170〜1
90℃で時間は0.5〜60秒の範囲が好適である。
【0026】 <物性の測定方法ならびに効果の評価方法> 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の
通りである。 (1)単分散粒子、凝集粒子の粒径 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1
0万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約1
00nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。
凝集粒子の一次粒径は、凝集粒子の分割できない粒子最
小単位について、凝集二次粒径は凝集体について、単分
散粒子の粒径は単分散粒子について、それぞれ等価円相
当径の平均値である。 (2)偏平粒子の厚さ、大きさ 上記(1)に準じて測定するが、偏平粒子は大きさに異
方性があるため、それぞれフィルム面方向、フィルム面
に垂直な方向での観察を行ない、粒子の大きさ、厚さを
求める。 (3)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。 (4)フィルム表面の分子配向 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの
二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN
1 、N2 、N33 とした時、(N1 −N2 )の絶対値が
0.07以下、かつ、N3 /[(N1 +N2 )/2]が
0.95以下であることをひとつの基準とできる。ま
た、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定しても良
い。さらに、この方法では測定が難しい場合は全反射レ
ーザーラマン法を用いることもできる。レーザー全反射
ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Raman
orU−1000ラマンシステムにより、全反射ラマン
スペクトルを測定し、例えばPETの場合では、161
5cm-1 (ベンゼン環の骨格振動)と1730cm-1
(カルボニル基の伸縮振動)のバンド強度比の偏光測定
比(YY/XX比など。ここでYY:レーザーの偏光方
向をYにしてYに対して平行なラマン光検出、XX:レ
ーザーの偏光方向をXにしてXに対して平行なラマン光
検出)が分子配向と対応することを利用できる。ポリマ
の二軸配向性はラマン測定から得られたパラメータを長
手方向、幅方向の屈折率に換算して、その絶対値、差な
どから判定できる。またカルボニル基の伸縮振動である
1730cm-1 の半価幅をもって表面の全反射ラマン
結晶化指数とした。この場合の測定条件は次のとおりで
ある。
通りである。 (1)単分散粒子、凝集粒子の粒径 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1
0万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約1
00nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。
凝集粒子の一次粒径は、凝集粒子の分割できない粒子最
小単位について、凝集二次粒径は凝集体について、単分
散粒子の粒径は単分散粒子について、それぞれ等価円相
当径の平均値である。 (2)偏平粒子の厚さ、大きさ 上記(1)に準じて測定するが、偏平粒子は大きさに異
方性があるため、それぞれフィルム面方向、フィルム面
に垂直な方向での観察を行ない、粒子の大きさ、厚さを
求める。 (3)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。 (4)フィルム表面の分子配向 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの
二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN
1 、N2 、N33 とした時、(N1 −N2 )の絶対値が
0.07以下、かつ、N3 /[(N1 +N2 )/2]が
0.95以下であることをひとつの基準とできる。ま
た、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定しても良
い。さらに、この方法では測定が難しい場合は全反射レ
ーザーラマン法を用いることもできる。レーザー全反射
ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Raman
orU−1000ラマンシステムにより、全反射ラマン
スペクトルを測定し、例えばPETの場合では、161
5cm-1 (ベンゼン環の骨格振動)と1730cm-1
(カルボニル基の伸縮振動)のバンド強度比の偏光測定
比(YY/XX比など。ここでYY:レーザーの偏光方
向をYにしてYに対して平行なラマン光検出、XX:レ
ーザーの偏光方向をXにしてXに対して平行なラマン光
検出)が分子配向と対応することを利用できる。ポリマ
の二軸配向性はラマン測定から得られたパラメータを長
手方向、幅方向の屈折率に換算して、その絶対値、差な
どから判定できる。またカルボニル基の伸縮振動である
1730cm-1 の半価幅をもって表面の全反射ラマン
結晶化指数とした。この場合の測定条件は次のとおりで
ある。
【0027】 光源 アルゴンイオンレーザー(5145A) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズム
に圧着させ、レーザーのプリズムへの入射角(フィルム
厚さ方向との角度)は60゜とした。
に圧着させ、レーザーのプリズムへの入射角(フィルム
厚さ方向との角度)は60゜とした。
【0028】 検出器 PM:RCA31034/Photon C
ounting System(Hamamatsu
C1230)(supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1 /min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (5)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。 (6)積層フィルムの積層厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子のうち最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C- )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では
表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざか
るにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合
は、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。
この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/
2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深
い)を求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。
ounting System(Hamamatsu
C1230)(supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1 /min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (5)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。 (6)積層フィルムの積層厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子のうち最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C- )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では
表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざか
るにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合
は、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。
この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/
2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深
い)を求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。
【0029】(A) 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 独、ATOMI
KA社製 A−DIDA3000(B) 測定条件 1次イオン種 02 + 1次イオン加速電圧 12kV 1次イオン電流 200nA ラスター領域 400μm□ 分析領域 ゲート30% 測定真空度 6.0×10−9 Torr E−GUN 0.5kV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲に最も多く含有
する粒子が有機高分子粒子の場合は、SIMSでは測定
が難しいので、表層からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには積層
ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求
めることもできる。 (7)フィルム表面の突起個数 2検出器方式の走査型電子顕微鏡(ESM−3200、
エリオニクス(株)製)と断面測定装置(PSM−1、
エリオニクス(株)製)においてフィルム表面の平坦面
の高さを0として走査した時の突起の高さ測定値を画像
処理装置(IBAS2000、カールツァイス(株)
製)に送り、画像処理装置上にフィルム表面突起画像を
再構築する。次に、この表面突起画像で突起部分を2値
化して得られた個々の突起部分の中で最も高い値をその
突起高さとし、これを個々の突起について求める。この
測定を場所をかえて500回繰返し、20nm以上の高
さのものを突起とし、突起個数を求めた。また走査型電
子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間の値を選
択する。なお、場合によっては高精度光干渉式3次元表
面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、対物レン
ズ:40〜200倍、高解像度カメラ使用が有効)を用
いて得られる高さ情報を上記SEMの値に読み替えて用
いてもよい。 (8)光線透過率 日立分光光度計320型にて800〜900nmの波長
におけるフィルムの光線透過率を測定した。 (9)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面
粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度2
50m/分、走行回数1パス、巻き付け角:60゜、走
行張力:90g)。この時、フィルムに入った傷を顕微
鏡で観察し、幅1μm以上の傷がテープ幅あたり2本未
満は優、2本以上10本未満は良、10本以上は不良と
判定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能
である。 (10)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダー処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テープ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 :100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部 ・ポリウレタンエラストマ :10重量部 ・ポリイソシアネート :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生
器により100%クロマ信号を記録し、その再生信号か
らカラービデオノイズ測定器でクロマS/Nを測定し、
Aとした。また上記と同じ信号を記録したマスターテー
プのパンケーキを磁界転写方式のビデオソフト高速プリ
ントシステム(スプリンタ)を用いてAを測定したのと
同じ試料テープ(未記録)のパンケーキへダビングした
後のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、
Bとした。このダビングによるクロマS/Nの低下(A
−B)が3dB未満の場合は耐ダビング性が優、3dB
以上5dB未満の場合は良、5dB以上は不良と判定し
た。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能であ
る。
KA社製 A−DIDA3000(B) 測定条件 1次イオン種 02 + 1次イオン加速電圧 12kV 1次イオン電流 200nA ラスター領域 400μm□ 分析領域 ゲート30% 測定真空度 6.0×10−9 Torr E−GUN 0.5kV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲に最も多く含有
する粒子が有機高分子粒子の場合は、SIMSでは測定
が難しいので、表層からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには積層
ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求
めることもできる。 (7)フィルム表面の突起個数 2検出器方式の走査型電子顕微鏡(ESM−3200、
エリオニクス(株)製)と断面測定装置(PSM−1、
エリオニクス(株)製)においてフィルム表面の平坦面
の高さを0として走査した時の突起の高さ測定値を画像
処理装置(IBAS2000、カールツァイス(株)
製)に送り、画像処理装置上にフィルム表面突起画像を
再構築する。次に、この表面突起画像で突起部分を2値
化して得られた個々の突起部分の中で最も高い値をその
突起高さとし、これを個々の突起について求める。この
測定を場所をかえて500回繰返し、20nm以上の高
さのものを突起とし、突起個数を求めた。また走査型電
子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間の値を選
択する。なお、場合によっては高精度光干渉式3次元表
面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、対物レン
ズ:40〜200倍、高解像度カメラ使用が有効)を用
いて得られる高さ情報を上記SEMの値に読み替えて用
いてもよい。 (8)光線透過率 日立分光光度計320型にて800〜900nmの波長
におけるフィルムの光線透過率を測定した。 (9)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面
粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度2
50m/分、走行回数1パス、巻き付け角:60゜、走
行張力:90g)。この時、フィルムに入った傷を顕微
鏡で観察し、幅1μm以上の傷がテープ幅あたり2本未
満は優、2本以上10本未満は良、10本以上は不良と
判定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能
である。 (10)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダー処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テープ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 :100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部 ・ポリウレタンエラストマ :10重量部 ・ポリイソシアネート :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生
器により100%クロマ信号を記録し、その再生信号か
らカラービデオノイズ測定器でクロマS/Nを測定し、
Aとした。また上記と同じ信号を記録したマスターテー
プのパンケーキを磁界転写方式のビデオソフト高速プリ
ントシステム(スプリンタ)を用いてAを測定したのと
同じ試料テープ(未記録)のパンケーキへダビングした
後のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、
Bとした。このダビングによるクロマS/Nの低下(A
−B)が3dB未満の場合は耐ダビング性が優、3dB
以上5dB未満の場合は良、5dB以上は不良と判定し
た。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能であ
る。
【0030】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。
明する。
【0031】実施例1 チタンコートマイカ粒子(偏平粒子)をポリエステルペ
レットと混合し、ベント式の2軸混練押出機を用いてポ
リエステルに練り込んだ。
レットと混合し、ベント式の2軸混練押出機を用いてポ
リエステルに練り込んだ。
【0032】平均粒径0.8μmの炭酸カルシウム粒子
(単分散粒子)、ジルコニア粒子(凝集粒子)をエチレ
ングリコール中にて分散させ、このエチレングリコール
スラリーをテレフタル酸と重合し、粒子含有ポリエチレ
ンテレフタレートのマスタペレットとした。また、同様
にして、粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート
のマスタペレットを得た。
(単分散粒子)、ジルコニア粒子(凝集粒子)をエチレ
ングリコール中にて分散させ、このエチレングリコール
スラリーをテレフタル酸と重合し、粒子含有ポリエチレ
ンテレフタレートのマスタペレットとした。また、同様
にして、粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート
のマスタペレットを得た。
【0033】これらのポリマを適当量混合し(ポリマ
A:無粒子、チタンコートマイカ、ジルコニア、炭酸カ
ルシウム、ポリマB:無粒子)、180℃で8時間減圧
乾燥(3Torr)した後、それぞれ押出機1、押出機
2にポリマA、ポリマBをそれぞれ供給し282℃、2
80℃で溶融した。これらのポリマを高精度瀘過した
後、矩形合流部にて3層積層とした(積層構成:ポリマ
A/ポリマB/ポリマA)。
A:無粒子、チタンコートマイカ、ジルコニア、炭酸カ
ルシウム、ポリマB:無粒子)、180℃で8時間減圧
乾燥(3Torr)した後、それぞれ押出機1、押出機
2にポリマA、ポリマBをそれぞれ供給し282℃、2
80℃で溶融した。これらのポリマを高精度瀘過した
後、矩形合流部にて3層積層とした(積層構成:ポリマ
A/ポリマB/ポリマA)。
【0034】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化
し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット間
隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、それ
ぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂A
層の厚さを調節した。
度25℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化
し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット間
隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、それ
ぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂A
層の厚さを調節した。
【0035】この未延伸フィルムを温度85℃にて長手
方向に3.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロール
の周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルム
をステンタを用いて延伸速度2000%/分で95℃で
幅方向に5.5倍延伸し、定長下で、190℃にて3秒
間熱処理し、総厚さ15μmの二軸配向フィルムを得
た。このフィルムの特性は表1に示したとおりであり、
耐スクラッチ性、耐ダビング性、遮光性が良好であっ
た。
方向に3.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロール
の周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルム
をステンタを用いて延伸速度2000%/分で95℃で
幅方向に5.5倍延伸し、定長下で、190℃にて3秒
間熱処理し、総厚さ15μmの二軸配向フィルムを得
た。このフィルムの特性は表1に示したとおりであり、
耐スクラッチ性、耐ダビング性、遮光性が良好であっ
た。
【0036】実施例2〜実施例4、比較例1〜比較例4
実施例1と同様にして、偏平粒子の種類、大きさ、添加
量、および単分散粒子、凝集粒子の種類、粒径、添加量
を変更したフィルムを得た。表1に示すように本発明範
囲のフィルムは耐スクラッチ性、耐ダビング性、遮光性
が良好であるが、そうでないものは耐スクラッチ性、耐
ダビング性、遮光性を両立することができない。
実施例1と同様にして、偏平粒子の種類、大きさ、添加
量、および単分散粒子、凝集粒子の種類、粒径、添加量
を変更したフィルムを得た。表1に示すように本発明範
囲のフィルムは耐スクラッチ性、耐ダビング性、遮光性
が良好であるが、そうでないものは耐スクラッチ性、耐
ダビング性、遮光性を両立することができない。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の二軸配向フィルムによれば、特
定の大きさの偏平粒子を用いたので、遮光性を有し、ま
た、フィルム表面が傷つきにくく、磁気媒体用とした時
に、優れた画質、ドロップアウト特性を得ることができ
る。
定の大きさの偏平粒子を用いたので、遮光性を有し、ま
た、フィルム表面が傷つきにくく、磁気媒体用とした時
に、優れた画質、ドロップアウト特性を得ることができ
る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/18 B29C 55/12 - 55/16 B32B 27/36
Claims (6)
- 【請求項1】 偏平粒子を0.01〜10重量%含有す
る層を少なくとも1層有する、少なくとも2層構造から
なる積層フィルムであり、該積層フィルムの少なくとも
1つの最外層に一次粒径5〜100nmの少なくとも1
種類の偏平でない凝集粒子を含有し、偏平粒子の平均厚
さが0.01〜1μm、かつ、波長800〜1000n
mにおける光線透過率が70%以下であることを特徴と
する二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項2】 偏平粒子を含有するフィルムが、少なく
とも3層構造からなる積層フィルムの1つの芯層である
ことを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエステ
ルフィルム。 - 【請求項3】 粒径0.1〜2μmの少なくとも1種類
の偏平でない単分散粒子を少なくとも1層に含有するこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の二軸配向ポリ
エステルフィルム。 - 【請求項4】 単分散粒子の平均粒径d(nm)と単分
散粒子を含有するフィルム層の厚さt(nm)との関係
が0.2d≦t≦10dであることを特徴とする請求項
3に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項5】 少なくとも片面の突起個数が2×103
〜5×105 個/mm2 であることを特徴とする請求項
1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項6】 偏平粒子がチタンで被覆されたマイカ粒
子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
載の二軸配向ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10699693A JP3293229B2 (ja) | 1993-05-07 | 1993-05-07 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10699693A JP3293229B2 (ja) | 1993-05-07 | 1993-05-07 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06322147A JPH06322147A (ja) | 1994-11-22 |
JP3293229B2 true JP3293229B2 (ja) | 2002-06-17 |
Family
ID=14447836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10699693A Expired - Fee Related JP3293229B2 (ja) | 1993-05-07 | 1993-05-07 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3293229B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999044638A1 (en) * | 1998-03-06 | 1999-09-10 | Spectrx, Inc. | Photothermal structure for biomedical applications, and method therefor |
US6569593B2 (en) * | 2001-08-16 | 2003-05-27 | Eastman Kodak Company | Oriented polyester imaging element with nacreous pigment |
JP5267817B2 (ja) * | 2008-12-03 | 2013-08-21 | 東洋紡株式会社 | 層状化合物が高度に面内に配向した熱可塑性樹脂延伸多層フィルム |
-
1993
- 1993-05-07 JP JP10699693A patent/JP3293229B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06322147A (ja) | 1994-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3293229B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2998456B2 (ja) | 二軸配向フィルム | |
JP2820176B2 (ja) | 二軸配向積層フイルム | |
JP2812136B2 (ja) | 二軸配向積層フィルム | |
JP2998457B2 (ja) | 二軸配向フィルム | |
JP2510791B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフイルム | |
JPH06313051A (ja) | 二軸配向フィルム | |
JP2828184B2 (ja) | 二軸配向積層フイルム | |
JPH0760832A (ja) | 二軸配向フィルム | |
JPH06136147A (ja) | 二軸配向フィルム | |
JP2803770B2 (ja) | 二軸配向積層フイルム | |
JP2803774B2 (ja) | 二軸配向積層フイルム | |
JP2743695B2 (ja) | 二軸配向積層フイルム | |
JP2743713B2 (ja) | 二軸配向積層フイルム | |
JP2570444B2 (ja) | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム | |
JP3123665B2 (ja) | 二軸配向積層フイルム | |
JP2867789B2 (ja) | 二軸配向積層フイルム | |
JPH03140336A (ja) | 二軸配向熱可塑性樹脂フイルム | |
JPH06116407A (ja) | 二軸配向フィルム | |
JP2666500B2 (ja) | 高密度記録用ビデオテープ | |
JPH04105935A (ja) | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム | |
JPH06298953A (ja) | 二軸配向フィルム | |
JPH06298954A (ja) | 二軸配向フィルム | |
JPH03207725A (ja) | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム | |
JPH0762115A (ja) | 二軸配向フイルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080405 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090405 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |