JPH06116407A - 二軸配向フィルム - Google Patents

二軸配向フィルム

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JPH06116407A
JPH06116407A JP26507092A JP26507092A JPH06116407A JP H06116407 A JPH06116407 A JP H06116407A JP 26507092 A JP26507092 A JP 26507092A JP 26507092 A JP26507092 A JP 26507092A JP H06116407 A JPH06116407 A JP H06116407A
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JP
Japan
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particles
biaxially oriented
oriented film
particle size
primary particle
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Application number
JP26507092A
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English (en)
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Iwao Okazaki
巌 岡崎
Koichi Abe
晃一 阿部
Yukari Nakamori
ゆか里 中森
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一次粒径が5nm以上30nm未満である二
次粒子と、一次粒径が30nm以上100nm以下であ
る二次粒子とを、合わせて0.01〜3重量%含有して
なる二軸配向フィルム。 【効果】 特定の値の一次粒径を持つ凝集粒子を含有し
たので、フィルム表面が傷つきにくく、また、磁気媒体
用とした時に、優れた画質、ドロップアウト特性を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向フィルム、例えば二軸配向ポリ
エステルフィルムとしては、ポリエステルに凝集酸化ア
ルミニウム粒子を含有せしめたフィルムが知られている
(例えば特開平3−6239号公報)。
【0003】しかし、上記従来の二軸配向フィルムで
は、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、カレン
ダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダビング
してソフトテープ等を製造する工程等の工程速度の増大
に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面に傷が
つくという欠点があった。また、従来のものでは、上記
ダビング時の画質低下のために、ビデオテープにした時
の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイズ比)も不
十分という欠点があった。
【0004】本発明はかかる課題を解決し、特に高速工
程でフィルムに傷がつきにくく(以下耐スクラッチ性に
優れるという)、しかもダビング時の画質低下の少ない
(以下耐ダビング性に優れるという)二軸配向フィルム
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記目的を
達成するために、一次粒径が5nm以上30nm未満で
ある二次粒子と、一次粒径が30nm以上100nm以
下である二次粒子とを、合わせて0.01〜3重量%含
有することを特徴とする二軸配向フィルムとするもので
ある。
【0006】本発明の二軸配向フィルムを構成するポリ
マは、特に限定されないがポリエステルが好ましい。ポ
リエステルとしては特に限定されないが、エチレンテレ
フタレ−ト、エチレンα,β−ビス(2-クロルフェノキ
シ)エタン-4,4'-ジカルボキシレ−ト、エチレン2,6-ナ
フタレ−ト単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位
を主要構成成分とする場合に耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性がより良好となるので好ましい。なかでも、エチレ
ンテレフタレ−トを主要構成成分とするポリエステルの
場合に耐ダビング性、耐スクラッチ性がより一層良好と
なるので特に好ましい。なお、本発明を阻害しない範囲
内で、2種以上のポリエステルを混合しても良いし、共
重合ポリマを用いても良い。
【0007】本発明の二軸配向フィルムは、一次粒径が
5nm以上30nm未満である二次粒子と、一次粒径が
30nm以上100nm以下である二次粒子とを含有し
ている必要がある。なお、以下の説明において、本発明
では、一次粒径が5nm以上30nm未満である二次粒
子と、一次粒径が30nm以上100nm以下である二
次粒子とを総称して凝集粒子と称することがある。
【0008】上記凝集粒子がいずれも含有されないと、
二軸配向フィルムの耐スクラッチ性が悪化する。また、
一次粒径が5nm以上30nm未満の二次粒子のみであ
ると、フィルム表面に凝集粒子に起因する微細な突起が
あまり存在せず、耐スクラッチ性が不十分である。一
方、一次粒径が30nm以上100nm以下の二次粒子
のみであると、フィルム表面に凝集粒子に起因する微細
な突起は存在するが、フィルム中の凝集粒子の存在が少
なく粗な状態となるため耐スクラッチ性が不十分であ
る。一次粒径が5nm以上30nm未満である二次粒子
と一次粒径が30nm以上100nm以下である二次粒
子が同時に存在することにより、耐スクラッチ性が極め
て向上するのである。
【0009】本発明の凝集粒子は、耐スクラッチ性、耐
ダビング性の点から、一次粒径が5nm以上30nm未
満である二次粒子数が、一次粒径30nm以上100n
m以下である二次粒子数より多いことが好ましい。
【0010】凝集粒子の平均二次粒径は特に限定されな
いが、20〜800nm、好ましくは30〜600nm
の場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性が良好となる。
【0011】凝集粒子の含有量は、耐スクラッチ性、耐
ダビング性の点から、0.01〜3重量%、好ましくは
0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量
%である。含有量が3重量%より多いと耐ダビング性が
悪化し、0.01重量%より少ないと耐スクラッチ性が
満足できない。
【0012】凝集粒子の種類は、特に限定されないが、
ジルコニア、シリカ、アルミナ等が好ましく例示され
る。凝集粒子は1種類だけで用いるのではなく、2種類
以上を混合してもよい。好ましい組み合わせとしては、
例えば、一次粒径の異なる2種のジルコニア、ジルコニ
アとアルミナ等が例示されるが、なかでも一次粒径の異
なる2種のジルコニアの組み合わせの場合に耐スクラッ
チ性、耐ダビング性が特に良好となる。アルミナの場合
には、δ−アルミナ、θ−アルミナ、γ−アルミナを用
いるのが特に好ましいが、その中でもθ−アルミナが良
い。
【0013】本発明の二軸配向フィルムには、耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性の点から、上記の凝集粒子の他
に、凝集していない粒子、即ち単分散粒子を1種類以上
含有するのが好ましい。場合によっては2種類以上含有
するのが好ましい。
【0014】単分散粒子の種類としては、特に限定され
ないが、炭酸カルシウム粒子、架橋有機粒子、コロイダ
ルシリカ粒子、酸化チタン粒子が好ましく例示される。
炭酸カルシウム粒子の場合には、特に限定されないが、
結晶形がカルサイト型、バテライト型の場合に、耐スク
ラッチ性、耐ダビング性が特に良好となる。架橋有機粒
子の場合には、特に限定されないが、架橋度が51%以
上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは75%以
上のジビニルベンゼン共重合体粒子が好ましい。2種類
以上含有する場合の組み合わせとしては炭酸カルシウム
と架橋有機粒子の組み合わせ等が例示される。
【0015】上記単分散粒子の粒径は特に限定されない
が、平均粒径が0.1〜2μm、好ましくは0.2〜
1.5μm、さらに好ましくは0.3〜1μmである。
また、該単分散粒子の含有量は特に限定されないが、
0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜8重量
%、さらに好ましくは0.1〜6重量%の場合に耐スク
ラッチ性、耐ダビング性が特に良好となる。
【0016】本発明の二軸配向フィルムは、上記のポリ
マと凝集粒子を主要成分とするが、本発明の目的を阻害
しない範囲内で他種ポリマをブレンドしてもよいし、ま
た酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有
機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
また、特定の一次粒径をもつ二次粒子の集合たる本発明
の凝集粒子の他に、これらと異なる一次粒径をもつ二次
粒子をさらに含有していても良い。
【0017】本発明の二軸配向フィルムは、上記組成物
を二軸配向せしめたフィルムである。一軸あるいは無配
向フィルムでは耐スクラッチ性が不良となるので好まし
くない。この配向の程度は特に限定されないが、高分子
の分子配向の程度の目安であるヤング率が長手方向、幅
方向ともに350kg/mm2 以上である場合に耐スクラッ
チ性がより一層良好となるので特に好ましい。分子配向
の程度の目安であるヤング率は通常、1500kg/mm2
程度が製造上の限界である。
【0018】また、本発明フィルムは、ヤング率が上記
範囲内であっても、フィルムの厚さ方向の一部分、例え
ば表層付近のポリマ分子の配向が無配向、あるいは一軸
配向になっていない、すなわち厚さ方向の全部分の分子
配向が二軸配向である場合に耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性がより一層良好となる。特にアッベ屈折率計、レー
ザーを用いた屈折率計、全反射レーザーラマン法などに
よって測定される分子配向が、表面、裏面ともに二軸配
向である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一
層良好となる。
【0019】本発明の二軸配向フィルムは、耐スクラッ
チ性、耐ダビング性の点から、前記凝集粒子を含有する
フィルムが、少なくとも2層構造からなる積層フィルム
の少なくとも1つの最外層として積層された積層二軸配
向フィルムであることが好ましい。
【0020】また、本発明の二軸配向フィルムが3層以
上の積層構造である場合は、耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性の点から、前記凝集粒子を含有するフィルムが、3
層構造からなる積層フィルムの少なくとも1つの最外層
であることが好ましい。
【0021】本発明の二軸配向フィルムが積層フィルム
の場合、前記凝集粒子を含有するフィルム層の厚さは、
特に限定されないが、耐スクラッチ性、耐ダビング性の
点から、0.005〜3μm、好ましくは0.01〜2
μm、さらに好ましくは0.02〜1μmである。凝集
粒子を含有する層に同時に単分散粒子を含有する場合に
は、積層厚みを単分散粒子の粒径の0.2〜5倍、好ま
しくは0.3〜3倍とすることにより、耐スクラッチ
性、耐ダビング性が特に良好となる。
【0022】本発明の二軸配向フィルムが積層フィルム
の場合、前記凝集粒子を含有するフィルム層以外の層を
構成するポリマは、特に限定されないが、ポリエステル
が好ましい。ポリエステルとしては、特に限定されない
が、エチレンテレフタレ−ト、エチレンα,β−ビス
(2-クロルフェノキシ)エタン-4,4'-ジカルボキシレ−
ト、エチレン2,6-ナフタレ−ト単位から選ばれた少なく
とも一種の構造単位を主要構成成分とする場合に耐スク
ラッチ性、耐ダビング性がより良好となるので好まし
い。なかでも、エチレンテレフタレ−トを主要構成成分
とするポリエステルの場合に耐ダビング性、耐スクラッ
チ性がより一層良好となるので特に好ましい。
【0023】本発明の二軸配向フィルムが積層フィルム
の場合、前記凝集粒子を含有するフィルム層以外の層を
構成するポリマ中に粒子を含有していてもかまわない。
この場合、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、チタ
ン、カーボンブラック等が例示される。
【0024】次に本発明フィルムの製造方法を、積層ポ
リエステルフィルムの場合について説明する。
【0025】まず、ポリエステルに凝集粒子および/ま
たは単分散粒子を含有せしめる方法としては、ジオ−ル
成分であるエチレングリコ−ルのスラリーの形で分散せ
しめ、このエチレングリコールを所定のジカルボン酸成
分と重合せしめるのが好ましい。また粒子の水スラリー
を直接所定のポリエステルペレットと混合し、ベント式
の2軸混練押出機を用いてポリエステルに練り込む方法
も本発明の効果をより一層良好とするのに非常に有効で
ある。
【0026】粒子の含有量、個数を調節する方法として
は、上記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製
膜時に粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈し
て粒子の含有量を調節する方法が有効である。
【0027】次に、粒子を所定量含有するペレットを必
要に応じて乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供
給し、スリット状のダイからシ−ト状に押出し、キャス
ティングロ−ル上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを
作る。すなわち、2または3台の押出し機、2または3
層のマニホ−ルドまたは合流ブロックを用いて、溶融状
態のポリエステルを積層する。この場合、凝集粒子を含
有するポリマ流路に、スタティックミキサー、ギヤポン
プを設置する方法は本発明の効果をより一層良好とする
のに有効である。
【0028】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸は85〜150℃で3段階以
上に分けて、総縦延伸倍率を3.0〜6.5倍で行なう
方法が有効である。長手方向延伸速度は5,000 〜50,000
%/分の範囲が好ましく、幅方向の延伸方法としてはス
テンタを用いる方法が好ましい。幅方向延伸倍率は、
3.0〜5.0倍、幅方向の延伸速度は、1,000 〜20,0
00%/分、温度は80〜160℃の範囲が好ましい。
【0029】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は170〜210℃、特に170〜2
00℃、時間は0.5〜60秒の範囲が好適である。
【0030】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】本発明の特
性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りであ
る。
【0031】(1)凝集粒子の一次粒径、二次粒径、二
次粒子数 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、5
0万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約1
00nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。
凝集粒子の一次粒径は、凝集粒子の分割できない粒子最
小単位について、二次粒径は凝集体について、それぞれ
等価円相当径の平均値である。二次粒子数は、倍率10
万倍程度で一次径をもとにカウントする。
【0032】(2)単分散粒子の平均粒径 フィルムからポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去
し、粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化される
が粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像
をイメージアナライザーで処理する。SEMの倍率はお
よそ2,000 〜10,000倍、また、1回の測定での視野は1
辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観察箇所
をかえて粒子数5,000 個以上で、粒径とその体積分率か
ら、次式で体積平均径dを得る。
【0033】d=Σdi・Nvi ここで、diは粒径、Nviはその体積分率である。
【0034】(3)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0035】(4)フィルム表面の分子配向 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの
二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN
1 、N2 、N3とした時、(N1 −N2 )の絶対値が
0.07以下、かつ、N3 /[(N1 +N2 )/2]が
0.95以下であることをひとつの基準とできる。ま
た、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定しても良
い。さらに、この方法では測定が難しい場合は全反射レ
ーザーラマン法を用いることもできる。レーザー全反射
ラマンの測定は、Jobin-Yvon社製Ramanor U−1000
ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクトルを測定
し、例えばPETの場合では、1615cm-1(ベンゼ
ン環の骨格振動)と1730cm-1(カルボニル基の伸
縮振動)のバンド強度比の偏光測定比(YY/XX比な
ど。ここでYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対
して平行なラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向を
XにしてXに対して平行なラマン光検出)が分子配向と
対応することを利用できる。ポリマの二軸配向性はラマ
ン測定から得られたパラメータを長手方向、幅方向の屈
折率に換算して、その絶対値、差などから判定できる。
この場合の測定条件は次のとおりである。 光源 アルゴンイオンレ−ザ−(5145A) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レ−ザのプ
リズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60
゜とした。 検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230) (supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm -1 REPEAT TIME 6
【0036】(5)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。
【0037】(6)架橋有機粒子の架橋度 粒子モノマー全重量分の架橋成分モノマー重量で定義す
る。
【0038】(7)積層フィルムの積層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっ
とも高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素
元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から
深さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層で
は表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざ
かるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場
合はいったん極大値となった粒子濃度がまた減少し始め
る。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度がの極大値
の1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さより
も深い)を求め、これを積層厚さとした。条件は次の通
り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種:O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲ−ト30% 測定真空度:5.0×10-9Torr E−GUN:0.5KV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲に最も多く含有する
粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難し
いので、表面からエッチングしながらXPS(X線光電
子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプ
スプロファイルを測定し積層厚さを求めても良いし、ま
た、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変化状態
やポリマの違いによるコントラストの差から界面を認識
し積層厚さを求めることもできる。さらには積層ポリマ
を剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求めるこ
ともできる。
【0039】(8)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2 インチのテ−プ状にスリットしたもの
をテ−プ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度25
0m/分、走行回数1パス、巻き付け角:60゜、走行
張力:90g)。この時、フィルムに入った傷を顕微鏡
で観察し、幅1μm以上の傷がテ−プ幅あたり2本未満
は優、2本以上10本以上は不良と判定した。優が望ま
しいが、良でも実用的には使用可能である。
【0040】(9)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダ−装置(スチ−ルロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダ−処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テ−プ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。
【0041】(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄:100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部 ・ポリウレタンエラストマ:10重量部 ・ポリイソシアネート:5重量部 ・レシチン:1重量部 ・メチルエチルケトン:75重量部 ・メチルイソブチルケトン:75重量部 ・トルエン:75重量部 ・カーボンブラック:2重量部 ・ラウリン酸:1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生
器により100%クロマ信号を記録し、その再生信号か
らカラ−ビデオノイズ測定器でクロマS/Nを測定しA
とした。また上記と同じ信号を記録したマスタ−テープ
のパンケーキを磁界転写方式のビデオソフト高速プリン
トシステム(スプリンタ)を用いてAを測定したのと同
じ試料テープ(未記録)のパンケーキへダビングした後
のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、B
とした。このダビングによるクロマS/Nの低下(A−
B)が3dB未満の場合は耐ダビング性:優、3dB以
上5dB未満の場合は良、5dB以上は不良と判定し
た。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能であ
る。
【0042】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。
【0043】実施例1(表1) 凝集粒子として一次径の異なる2種類のジルコニアをそ
れぞれエチレングリコ−ル中にて分散させ、このエチレ
ングリコ−ルスラリをテレフタル酸と重合し、凝集粒子
含有ポリエチレンテレフタレ−トのマスタペレットとし
た。また、同様にして、炭酸カルシウムを含有するポリ
エチレンテレフタレ−トのマスタペレット、粒子を含有
しないポリエチレンテレフタレ−トのマスタペレットを
得た。
【0044】これらのポリマを適当量混合し(ポリマ
A:無粒子、ジルコニア、炭酸カルシウム、ポリマB:
無粒子、炭酸カルシウム)、180℃で8時間減圧乾燥
(3Torr)した後、それぞれ押出機1、押出機2にポリ
マA、ポリマBをそれぞれ供給し285℃、280℃で
溶融した。これらのポリマを高精度瀘過した後、矩形合
流部にて3層積層とした(積層構成:ポリマA/ポリマ
B/ポリマA)。
【0045】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂
A層の厚さを調節した。
【0046】この未延伸フィルムを温度85℃にて長手
方向に3.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロ−ル
の周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルム
をステンタを用いて延伸速度2,000 %/分で100℃で
幅方向に4.0倍延伸し、定長下で、200℃にて5秒
間熱処理し、総厚さ15μm、積層厚み0.75μmの
二軸配向積層フィルムを得た。このフィルムの特性は表
1に示したとおりであり、耐スクラッチ性、耐ダビング
性が良好であった。
【0047】実施例2〜4、比較例1〜4(表1、表
2) 実施例1と同様にして、凝集粒子の種類、粒径等を変更
したフィルムを得た。表1、表2に示すように本発明範
囲のフィルムは耐スクラッチ性、耐ダビング性が良好で
あるが、そうでないものは耐スクラッチ性、耐ダビング
性を両立することができない。
【0048】
【表1】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の二軸配向フィルムによれば、特
定の粒径の凝集粒子が存在するので、フィルム表面が傷
つきにくく、また、磁気媒体用とした時に、優れた画
質、ドロップアウト特性を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 105:16 B29L 7:00 4F

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次粒径が5nm以上30nm未満であ
    る二次粒子と、一次粒径が30nm以上100nm以下
    である二次粒子とを、合わせて0.01〜3重量%含有
    することを特徴とする二軸配向フィルム。
  2. 【請求項2】 一次粒径が5nm以上30nm未満であ
    る二次粒子数が、一次粒径が30nm以上100nm以
    下である二次粒子数より多いことを特徴とする請求項1
    に記載の二軸配向フィルム。
  3. 【請求項3】 一次粒径が5nm以上30nm未満であ
    る二次粒子及び一次粒径が30nm以上100nm以下
    である二次粒子の他に、平均粒径0.1〜2μmの単分
    散粒子を少なくとも1種類以上含有することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の二軸配向フィルム。
  4. 【請求項4】 一次粒径が5nm以上30nm未満であ
    る二次粒子及び一次粒径が30nm以上100nm以下
    である二次粒子の他に、平均粒径0.1〜2μmの単分
    散粒子を少なくとも2種類以上含有することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の二軸配向フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配
    向フィルムが、少なくとも2層構造からなる積層フィル
    ムの少なくとも1つの最外層として積層されてなること
    を特徴とする二軸配向フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配
    向フィルムが、少なくとも3層構造からなる積層フィル
    ムの少なくとも1つの最外層として積層されてなること
    を特徴とする二軸配向フィルム。
  7. 【請求項7】 一次粒径が5nm以上30nm未満であ
    る二次粒子及び一次粒径が30nm以上100nm以下
    である二次粒子が、ジルコニア、シリカ、アルミナより
    なる群から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 単分散粒子が、炭酸カルシウム粒子、架
    橋有機粒子、コロイダルシリカ粒子、酸化チタン粒子よ
    りなる群から選ばれた少なくとも1種類であることを特
    徴とする請求項3又は4に記載の二軸配向フィルム。
  9. 【請求項9】 アルミナの結晶形態がθ型であることを
    特徴とする請求項7に記載の二軸配向フィルム。
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