JPH0693113A - 二軸配向フィルム - Google Patents

二軸配向フィルム

Info

Publication number
JPH0693113A
JPH0693113A JP24359092A JP24359092A JPH0693113A JP H0693113 A JPH0693113 A JP H0693113A JP 24359092 A JP24359092 A JP 24359092A JP 24359092 A JP24359092 A JP 24359092A JP H0693113 A JPH0693113 A JP H0693113A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
film
biaxially oriented
oriented film
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24359092A
Other languages
English (en)
Inventor
Iwao Okazaki
巌 岡崎
Koichi Abe
晃一 阿部
Yukari Nakamori
ゆか里 中森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP24359092A priority Critical patent/JPH0693113A/ja
Publication of JPH0693113A publication Critical patent/JPH0693113A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 化学構造中にカルボキシル基とスルホン酸基
を同時に有するスルホ化合物と特定粒径の凝集粒子を含
有する二軸配向フィルム。 【効果】 特定の化学構造の化合物と凝集粒子を用いた
ので、凝集粒子の脱落が減少し、フィルム表面が傷つき
にくく、また、磁気媒体用とした時に、優れた画質、ド
ロップアウト特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向フィルム、例えば二軸配向ポリ
エステルフィルムとしては、ポリエステルに凝集粒子を
含有させたフィルムが知られている(例えば特開平3−
6239号公報)。
【0003】しかし、上記従来の二軸配向フィルムで
は、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、カレン
ダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダビング
してソフトテープ等を製造する工程等の工程速度の増大
に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面に傷が
つくという欠点があった。また、従来のものでは、上記
ダビング時の画質低下のために、ビデオテープにした時
の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイズ比)も不
十分という欠点があった。
【0004】本発明はかかる課題を解決し、特に高速工
程でフィルムに傷がつきにくく(以下耐スクラッチ性に
優れるという)、しかもダビング時の画質低下の少ない
(以下耐ダビング性に優れるという)二軸配向フィルム
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向フィルムは、化学構造中にカルボキシル基とス
ルホン酸基を同時に有するスルホ化合物と、一次粒径が
5〜100nmの凝集粒子を含有することを特徴とす
る。
【0006】本発明の二軸配向フィルムを構成するポリ
マは、特に限定されないがポリエステルが好ましい。ポ
リエステルとしては特に限定されないが、エチレンテレ
フタレ−ト、エチレンα,β−ビス(2-クロルフェノキ
シ)エタン-4,4'-ジカルボキシレ−ト、エチレン2,6-ナ
フタレ−ト単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位
を主要構成成分とする場合に耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性がより良好となるので好ましい。なかでも、エチレ
ンテレフタレ−トを主要構成成分とするポリエステルの
場合に耐ダビング性、耐スクラッチ性がより一層良好と
なるので特に好ましい。なお、本発明を阻害しない範囲
内で、2種以上のポリエステルを混合しても良いし、共
重合ポリマを用いても良い。
【0007】本発明の二軸配向フィルムには、少なくと
も1種類以上の凝集粒子が含有される。場合によっては
2種類以上の凝集粒子を含有してもよい。凝集粒子が含
有されないと耐スクラッチ性が悪化する。
【0008】凝集粒子の一次粒径は5〜100nm、好
ましくは10〜80nm、さらに好ましくは10〜60
nmである。一次粒径が上記範囲を外れると、耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性がともに良好とならない。また、
凝集二次粒径は特に限定されないが、耐スクラッチ性、
耐ダビング性の点から20〜800nm、さらに25〜
600nm、よりさらに30〜500nmであることが
好ましい。
【0009】凝集粒子の含有量は特に限定されないが、
0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%、
さらに好ましくは0.1〜1重量%である場合に耐スク
ラッチ性、耐ダビング性が特に良好となる。
【0010】凝集粒子の種類は、特に限定されないが、
ジルコニア、シリカ、アルミナ等が好ましく用いられ
る。なかでもジルコニア、δ−アルミナ、θ−アルミ
ナ、γ−アルミナの場合に耐スクラッチ性、耐ダビング
性が特に良好となる。凝集粒子は種類、または一次粒径
の異なるものを2種類以上併用してもよい。
【0011】さらに、本発明では前記凝集粒子の他に、
化学構造中にカルボキシル基とスルホン酸基を同時に有
するスルホ化合物を含有する必要がある。このスルホ化
合物を含有することにより、ポリマと凝集粒子の接着性
が向上し、粒子の脱落が減少し、耐スクラッチ性、耐ダ
ビング性が向上する。従って、化学構造中にカルボキシ
ル基とスルホン酸基を同時に有するスルホ化合物はポリ
マ中に単独で用いてもよいが、凝集粒子を表面処理した
状態で用いるのがより好ましい。スルホ化合物の含有量
は特に限定されないが、凝集粒子に対して0.1〜10
重量%、好ましくは0.3〜5重量%である。スルホ化
合物の量が上記範囲より多いと凝集粒子との接着性以外
でポリマに作用するため耐スクラッチ性が悪化し、また
上記範囲より少ないと接着性が不十分となり耐スクラッ
チ性、耐ダビング性が悪化する。
【0012】化学構造中にカルボキシル基とスルホン酸
基を同時に有するスルホ化合物のスルホン酸基はアルカ
リ金属等のスルホン酸塩となっていてもよい。また、カ
ルボキシル基はスルホン酸基を同時に有する化合物中に
2つ以上複数存在してもよい。化学構造は特に限定され
ないが、次式(1)で表わされる化合物が好ましく例示
される。
【0013】 HOOC−(Ar)−SO3 H ・・・ (1) Arはベンゼン環であり、この場合カルボキシル基とス
ルホン酸基はメタ位またはパラ位が好ましい。
【0014】本発明の二軸配向フィルムには、耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性の点から、上記の少なくとも1種
類以上の凝集粒子の他に、凝集していない粒子、すなわ
ち単分散粒子を含有するのが好ましい。凝集していない
単分散粒子としては、特に限定されないが、炭酸カルシ
ウム粒子、架橋有機粒子、コロイダルシリカ粒子、酸化
チタン粒子から選ばれた少なくとも1種類以上、場合に
よっては2種類以上の粒子を組み合わせて含有すること
が好ましい。その場合の好ましい組み合わせとしては炭
酸カルシウム粒子と架橋有機粒子等の組み合わせが例示
される。
【0015】炭酸カルシウム粒子の結晶形態としては、
特に限定されないが、カルサイト型、バテライト型等が
例示される。架橋有機粒子としては、特に限定されない
が、架橋度が51%以上、好ましくは60%以上、さら
に好ましくは75%以上のジビニルベンゼン共重合体粒
子の場合に、特に耐スクラッチ性、耐ダビング性が良好
となるので好ましい。
【0016】上記の単分散粒子の粒径は、特に限定され
ないが、平均粒径が0.1〜2μm、好ましくは0.2
〜1.5μm、さらに好ましくは0.3〜1μmであ
る。また、該単分散粒子の含有量は特に限定されない
が、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜8重
量%、さらに好ましくは0.1〜6重量%の場合に耐ス
クラッチ性、耐ダビング性が特に良好となる。
【0017】本発明の二軸配向フィルムは、上記のポリ
マと凝集粒子、スルホ化合物を主要成分とするが、本発
明の目的を阻害しない範囲内で他種ポリマをブレンドし
てもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線
吸収剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加され
ていてもよい。
【0018】本発明の二軸配向フィルムは、上記組成物
を二軸配向せしめたフィルムである。一軸あるいは無配
向フィルムでは耐スクラッチ性が不良となるので好まし
くない。この配向の程度は特に限定されないが、高分子
の分子配向の程度の目安であるヤング率が長手方向、幅
方向ともに350kg/mm2 以上である場合に耐スクラッ
チ性がより一層良好となるので特に好ましい。分子配向
の程度の目安であるヤング率は通常、1500kg/mm2
程度が製造上の限界である。
【0019】また、本発明フィルムは、ヤング率が上記
範囲内であっても、フィルムの厚さ方向の一部分、例え
ば表層付近のポリマ分子の配向が無配向、あるいは一軸
配向になっていない、すなわち厚さ方向の全部分の分子
配向が二軸配向である場合に耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性がより一層良好となる。特にアッベ屈折率計、レー
ザーを用いた屈折率計、全反射レーザーラマン法などに
よって測定される分子配向が、表面、裏面ともに二軸配
向である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一
層良好となる本発明の二軸配向フィルムは、単層フィル
ムであっても良いが、2層以上の積層フィルムのうちの
一層として用いても良い。この場合、耐スクラッチ性、
耐ダビング性の点から、前記凝集粒子とスルホ化合物を
含有するフィルムが、少なくとも2層構造からなる積層
フィルムの少くとも1つの最外層として積層されている
ことが好ましい。
【0020】また、本発明の二軸配向フィルムが3層以
上の構造である場合は、耐スクラッチ性、耐ダビング性
の点から、前記凝集粒子とスルホ化合物を含有するフィ
ルムが、3層構造からなる積層フィルムの少なくとも1
つの最外層であることが好ましい。
【0021】積層フィルムとして用いる場合、前記のス
ルホ化合物と少なくとも1種類の凝集粒子を含有するフ
ィルム層の厚さは、特に限定されないが、耐スクラッチ
性、耐ダビング性の点から、0.005〜3μm、好ま
しくは0.01〜2μm、さらに好ましくは0.02〜
1μmである。また、該層に同時に単分散粒子を含有す
る場合には、該層の厚さtと単分散粒子の平均粒径dと
の比t/dが、0.1〜10の範囲にあることが好まし
く、より好ましくは0.3〜5、特に好ましくは0.5
〜3である。t/dがこの範囲より大きいと耐ダビング
性が不良となり、逆にこの範囲より小さいと耐スクラッ
チ性が不良となり、いずれも好ましくない。
【0022】積層構成をとる場合、前記凝集粒子とスル
ホ化合物を含有するフィルム層以外の層を構成するポリ
マは、特に限定されないが、ポリエステルが好ましい。
ポリエステルとしては特に限定されないが、エチレンテ
レフタレ−ト、エチレンα,β−ビス(2-クロルフェノ
キシ)エタン-4,4'-ジカルボキシレ−ト、エチレン2,6-
ナフタレ−ト単位から選ばれた少なくとも一種の構造単
位を主要構成成分とする場合に耐スクラッチ性、耐ダビ
ング性がより良好となるので好ましい。なかでも、エチ
レンテレフタレ−トを主要構成成分とするポリエステル
の場合に耐ダビング性、耐スクラッチ性がより一層良好
となるので特に好ましい。
【0023】積層構成をとる場合、前記少なくとも1種
類の凝集粒子を含有するフィルム層以外の層を構成する
ポリマ中に粒子を含有していてもかまわない。この場
合、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、チタン、カー
ボンブラック等が例示される。
【0024】次に本発明フィルムの製造方法を、積層ポ
リエステルフィルムの場合について説明する。
【0025】まず、凝集粒子のエチレングリコールスラ
リーに、化学構造中にカルボキシル基とスルホン酸基を
同時に有するスルホ化合物を混合する。その後、このエ
チレングリコールスラリーを所定のジカルボン酸成分と
重合せしめる。また粒子の水スラリーにスルホ化合物を
混合したものを直接所定のポリエステルペレットと混合
し、ベント式の2軸混練押出機を用いてポリエステルに
練り込む方法も本発明の効果をより一層良好とするのに
非常に有効である。
【0026】粒子の含有量、個数を調節する方法として
は、上記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製
膜時に粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈し
て粒子の含有量を調節する方法が有効である。
【0027】次に、粒子を所定量含有するペレットを必
要に応じて乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供
給し、スリット状のダイからシ−ト状に押出し、キャス
ティングロ−ル上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを
作る。すなわち、2または3台の押出し機、2または3
層のマニホ−ルドまたは合流ブロックを用いて、溶融状
態のポリエステルを積層する。この場合、凝集粒子を含
有するポリマ流路に、スタティックミキサー、ギヤポン
プを設置する方法は本発明の効果をより一層良好とする
のに有効である。
【0028】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.0〜6.5倍で行なう方法が有効であ
る。長手方向延伸速度は5,000 〜50,000%/分の範囲が
好ましく、幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる
方法が好ましい。幅方向延伸倍率は、3.0〜5.0
倍、幅方向の延伸速度は、1,000 〜20,000%/分、温度
は80〜160℃の範囲が好ましい。
【0029】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は170〜200℃、特に170〜1
90℃、時間は0.5〜60秒の範囲が好適である。
【0030】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。
【0031】(1)凝集粒子の一次粒径、凝集二次粒
径、単分散粒子の平均粒径 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1
0万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約1
00nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。
凝集粒子の一次粒径は、凝集粒子の分割できない粒子最
小単位について、凝集二次粒径は凝集体について、単分
散粒子の粒径は単分散粒子について、それぞれ等価円相
当径の平均値である。
【0032】(2)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0033】(3)架橋粒子の架橋度 モノマ全重量に対する架橋成分の重量%で表す。
【0034】(4)フィルム表面の分子配向 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの
二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN
1 、N2 、N3とした時、(N1 −N2 )の絶対値が
0.07以下、かつ、N3 /[(N1 +N2 )/2]が
0.95以下であることをひとつの基準とできる。ま
た、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定しても良
い。さらに、この方法では測定が難しい場合は全反射レ
ーザーラマン法を用いることもできる。レーザー全反射
ラマンの測定は、Jobin-Yvon社製Ramanor U−1000
ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクトルを測定
し、例えばPETの場合では、1615cm-1(ベンゼ
ン環の骨格振動)と1730cm-1(カルボニル基の伸
縮振動)のバンド強度比の偏光測定比(YY/XX比な
ど。ここでYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対
して平行なラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向を
XにしてXに対して平行なラマン光検出)が分子配向と
対応することを利用できる。ポリマの二軸配向性はラマ
ン測定から得られたパラメータを長手方向、幅方向の屈
折率に換算して、その絶対値、差などから判定できる。
この場合の測定条件は次のとおりである。
【0035】 光源:アルゴンイオンレ−ザ−(51
45A) 試料のセッティング:フィルム表面を全反射プリズ
ムに圧着させ、レ−ザのプリズムへの入射角(フィルム
厚さ方向との角度)は60゜とした。 検出器:PM:RCA31034/Photon Counting System
(Hamamatsu C1230) (supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm -1 REPEAT TIME 6
【0036】(5)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。
【0037】(6)積層フィルムの積層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子のうち最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表層から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では
表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざか
るにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合
は、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。
この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/
2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深
い)を求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。
【0038】 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種:O2 + 1次イオン加速電圧:12kV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲート30% 測定真空度:6.0×10-9Torr E−GUN:0.5kV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲にもっとも多く
含有する粒子が有機高分子粒子の場合は、SIMSでは
測定が難しいので、表面からエッチングしながらXPS
(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記
同様のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても
よいし、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度
の変化状態やポリマの違いによるコントラストの差から
界面を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには
積層ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さ
を求めることもできる。
【0039】(7)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2 インチのテ−プ状にスリットしたもの
をテ−プ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度25
0m/分、走行回数1パス、巻き付け角:60゜、走行
張力:90g)。この時、フィルムに入った傷を顕微鏡
で観察し、幅1μm以上の傷がテ−プ幅あたり2本未満
は優、2本以上10本未満は良、10本以上は不良と判
定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能で
ある。
【0040】(8)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダ−装置(スチ−ルロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダ−処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テ−プ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄:100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部 ・ポリウレタンエラストマ:10重量部 ・ポリイソシアネート):5重量部 ・レシチン:1重量部 ・メチルエチルケトン:75重量部 ・メチルイソブチルケトン:75重量部 ・トルエン:75重量部 ・カーボンブラック:2重量部 ・ラウリン酸:1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生
器により100%クロマ信号を記録し、その再生信号か
らカラ−ビデオノイズ測定器でクロマS/Nを測定しA
とした。また上記と同じ信号を記録したマスタ−テープ
のパンケーキを磁界転写方式のビデオソフト高速プリン
トシステム(スプリンタ)を用いてAを測定したのと同
じ試料テープ(未記録)のパンケーキへダビングした後
のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、B
とした。このダビングによるクロマS/Nの低下(A−
B)が3dB未満の場合は耐ダビング性:優、3dB以
上5dB未満の場合は良、5dB以上は不良と判定し
た。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能であ
る。
【0041】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。
【0042】実施例1(表1) まずジルコニア(凝集粒子)のエチレングリコールスラ
リーとスルホ安息香酸を混合し、このエチレングリコ−
ルスラリをテレフタル酸と重合し、凝集粒子含有ポリエ
チレンテレフタレ−トのマスタペレットとした。また、
同様にして、炭酸カルシウムを含有するポリエチレンテ
レフタレ−トのマスタペレット、粒子を含有しないポリ
エチレンテレフタレ−トのマスタペレットを得た。
【0043】これらのポリマを適当量混合し(ポリマ
A:無粒子、ジルコニア、スルホ安息香酸、炭酸カルシ
ウム、ポリマB:無粒子、炭酸カルシウム)、180℃
で8時間減圧乾燥(3Torr)した後、それぞれ押出機
1、押出機2に供給し290℃、282℃で溶融した。
これらのポリマを高精度瀘過した後、矩形合流部にて3
層積層とした(ポリマA/ポリマB/ポリマA)。
【0044】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂
A層の厚さを調節した。
【0045】この未延伸フィルムを温度85℃にて長手
方向に3.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロ−ル
の周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルム
をステンタを用いて延伸速度2,000 %/分で100℃で
幅方向に4.0倍延伸し、定長下で、210℃にて5秒
間熱処理し、総厚さ15μmの二軸配向積層フィルムを
得た。このフィルムの特性は第1表に示したとおりであ
り、耐スクラッチ性、耐ダビング性が良好であった。
【0046】実施例2〜4、比較例1〜4(表1、2) 実施例1と同様にして、表1、表2のような凝集粒子と
スルホ安息香酸含有フィルムを得た。表1、表2に示す
ように本発明範囲のフィルムは耐スクラッチ性、耐ダビ
ング性が良好であるが、そうでないものは耐スクラッチ
性、耐ダビング性を両立することができない。
【0047】
【表1】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の二軸配向フィルムによれば、化
学構造中にカルボキシル基とスルホン酸基を同時に有す
るスルホ化合物と、凝集粒子を用いたので、フィルム表
面が傷つきにくく、また、磁気媒体用とした時に、優れ
た画質、ドロップアウト特性を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/704 7215−5D // B29K 67:00 4F B29L 7:00 4F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学構造中にカルボキシル基とスルホン
    酸基を同時に有するスルホ化合物と、一次粒径が5〜1
    00nmの凝集粒子とを含有することを特徴とする二軸
    配向フィルム。
  2. 【請求項2】 前記スルホ化合物と凝集粒子の他に、平
    均粒径が0.1〜2μmの単分散粒子を含有することを
    特徴とする請求項1に記載の二軸配向フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の二軸配向フィル
    ムが、少なくとも2層構造からなる積層フィルムの少く
    とも1つの最外層として積層されてなることを特徴とす
    る二軸配向フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の二軸配向フィル
    ムが、少なくとも3層構造からなる積層フィルムの少く
    とも1つの最外層として積層されてなることを特徴とす
    る二軸配向フィルム。
  5. 【請求項5】 前記凝集粒子が、ジルコニア、アルミ
    ナ、シリカから選ばれた少なくとも1種類からなること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向
    フィルム。
  6. 【請求項6】 前記単分散粒子が、炭酸カルシウム粒
    子、架橋有機粒子、コロイダルシリカ粒子、酸化チタン
    粒子から選ばれた少なくとも1種類からなることを特徴
    とする請求項2に記載の二軸配向フィルム。
  7. 【請求項7】 前記単分散粒子が、炭酸カルシウム粒
    子、架橋有機粒子、コロイダルシリカ粒子、酸化チタン
    粒子から選ばれた少なくとも2種類からなることを特徴
    とする請求項2に記載の二軸配向フィルム。
  8. 【請求項8】 前記化学構造中にカルボキシル基とスル
    ホン酸基を同時に有するスルホ化合物が、次式(1)で
    表わされる化合物であることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載の二軸配向フィルム。 HOOC−(Ar)−SO3 H ・・・ (1)
JP24359092A 1992-09-11 1992-09-11 二軸配向フィルム Pending JPH0693113A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24359092A JPH0693113A (ja) 1992-09-11 1992-09-11 二軸配向フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24359092A JPH0693113A (ja) 1992-09-11 1992-09-11 二軸配向フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0693113A true JPH0693113A (ja) 1994-04-05

Family

ID=17106083

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24359092A Pending JPH0693113A (ja) 1992-09-11 1992-09-11 二軸配向フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0693113A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100241146B1 (ko) 2축배향열가소성수지필름
JPH07326044A (ja) 磁気テープ
JP3293229B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2998456B2 (ja) 二軸配向フィルム
JP2812136B2 (ja) 二軸配向積層フィルム
JPH0693113A (ja) 二軸配向フィルム
JP2820176B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JPH0760832A (ja) 二軸配向フィルム
JP2998457B2 (ja) 二軸配向フィルム
JPH06116407A (ja) 二軸配向フィルム
JP2555739B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フイルム
JP3687127B2 (ja) 二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフィルム
JPH06136147A (ja) 二軸配向フィルム
JPH076350A (ja) 磁気記録媒体
JPH08102041A (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム
JPH06298953A (ja) 二軸配向フィルム
JP2803770B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JPH06298954A (ja) 二軸配向フィルム
JPH07144360A (ja) 二軸配向フィルム
JP2993280B2 (ja) 磁気記録媒体用積層ポリエステルフィルム
JPH0592483A (ja) 二軸配向積層フイルム
JPH07148840A (ja) 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP2867789B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JPH04259548A (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JPH0890648A (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム