JP2555739B2 - 二軸配向熱可塑性樹脂フイルム - Google Patents

二軸配向熱可塑性樹脂フイルム

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JP2555739B2
JP2555739B2 JP1223065A JP22306589A JP2555739B2 JP 2555739 B2 JP2555739 B2 JP 2555739B2 JP 1223065 A JP1223065 A JP 1223065A JP 22306589 A JP22306589 A JP 22306589A JP 2555739 B2 JP2555739 B2 JP 2555739B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、二軸配向熱可塑性樹脂フイルムに関し、と
くに表面特性の改良をはかった、積層フイルム構成の二
軸配向熱可塑性樹脂フイルムに関する。
[従来の技術] 表面特性の改良をはかった二軸配向熱可塑性樹脂フイ
ルムとして、熱可塑性樹脂であるポリエステルにコロイ
ド状シリカに起因する実質的に球形のシリカ粒子を含有
させたフイルムが知られている(たとえば特開昭59−17
1623号公報)。
このような二軸配向熱可塑性樹脂フイルムにおいて
は、含有されたシリカ粒子により、フイルム表面に突起
を形成し、表面の摩擦係数を下げてハンドリング性、走
行性を向上したり、磁気記録媒体用途での磁性層の接着
性を向上したりすることが可能である。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の二軸配向熱可塑性樹脂フイ
ルムでは、含有されたシリカ粒子が、フイルムの厚さ方
向全域にわたって略ランダムに分布するため、フイルム
表面における含有粒子による突起の密度増大には限界が
あり、しかもその突起高さもランダムに相当ばらつくこ
とになる。この突起高さが不均一であること、突起密度
が低いことに起因して、最近つぎのような問題が指摘さ
れだした。
フイルム表面の突起高さが不均一であると、高さの高
い突起部分が削れやすくなり、フイルムの加工工程、た
とえば包装用途における印刷工程、磁気記録媒体用途に
おける磁性層塗布・カレンダー工程あるいは感熱転写用
途における熱転写層塗布などの工程速度の増大にともな
い、接触するロールによってフイルム表面に傷がつくと
いう欠点が、最近、問題となってきている。
また、ある種用途、たとえばグラフィック用途では、
フイルムの透明性が要求されるが、表面突起の高さが不
均一であると光のランダムな散乱の度合が大きくなり、
透明性が悪くなるという問題がある。
また、磁気記録媒体用途、とくにビデオテープは、最
近、ソフト用(制作された映像作品をパッケージ媒体に
記録固定、複製・増製したもの)に用いられるケースが
多いが、この場合、上記従来のフイルムをベースとした
ビデオテープでは、映像作品を録画する工程でマスター
テープから高速でダビング(記録複写)する時のS/N
(シグナル/ノイズ比、画質のパラメータ)の低下が大
きく画質が悪くなるという問題も出てきている。また、
ビデオテープくり返し使用における、あるいはくり返し
ダビングにおける耐久性(S/Nの低下)の向上も望まれ
ている。
一方、フイルム表面の突起密度が低いと、フイルム表
面の滑り性改良の効果が低く、ハンドリング性、走行性
改良の効果が期待した程得られない。とくに、高温・高
湿下でフイルムを取り扱う時に摩擦係数が高くなり、ハ
ンドリング性が不良になるという問題があった。
また、突起を有するフイルム表面においては、相手物
(たとえば加工工程におけるロール)に対し主として突
起の先端面が接触するが、突起密度が低いと、この先端
面による接触面積が小さくなって接触面圧が高くなるの
で、フイルム表面の耐摩耗性にも問題が生じてくる。
本発明は、二軸配向熱可塑性樹脂フイルムにおけるフ
イルム表面の突起高さの均一化と突起の高密度化を達成
し、上記従来技術における各種問題に対し、とくに透明
性の改良、ダビングによる画質(S/N)の低下の防止
(以下、耐ダビング性ともいう)、そのテープ使用耐久
性の向上、および滑り性の向上を目的とする。
[課題を解決するための手段] この目的に沿う本発明の二軸配向熱可塑性樹脂フイル
ムは、熱可塑性樹脂Aと不活性粒子とを主成分とするフ
ィルムを共押出により熱可塑性樹脂Bを主成分とするフ
ィルムに積層した二軸配向熱可塑性樹脂フィルムであっ
て、前記不活性粒子により形成されたフィルム表面の突
起の個数が1万個/mm2以上であり、かつ、該突起の高さ
分布の相対標準偏差が0.7以下であり、さらに前記不活
性粒子の平均粒径が、熱可塑性樹脂Aと不活性粒子とを
主成分とする前記積層フィルムの厚さの0.1〜10倍の範
囲にある二軸配向熱可塑性樹脂フィルムから成る。
本発明を構成する熱可塑性樹脂Aはポリエステル、ポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド
など特に限定されることはないが、特に、ポリエステ
ル、中でも、エチレンテレフタレート、エチレンα、β
−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカ
ルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレート単位から
選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とす
る場合に透明性、耐ダビング性、摩擦係数がより一層良
好となるので望ましい。また、本発明を構成する熱可塑
性樹脂は結晶性である場合に透明性、耐ダビング性、摩
擦係数がより一層良好となるのできわめて望ましい。こ
こでいう結晶性とはいわゆる非晶質ではないことを示す
ものであり、定量的には結晶化パラメータにおける冷結
晶化温度Tccが検出され、かつ結晶化パラメータΔTcgが
150℃以下のものである。さらに、示差走査熱量計で測
定された融解熱(融解エンタルピー変化)が7.5cal/g以
上の結晶性を示す場合に透明性、耐ダビング性、摩擦係
数がより一層良好となるのできわめて望ましい。また、
エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエス
テルの場合に耐ダビング性と透明性がより一層良好とな
るので特に望ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内
で、2種以上の熱可塑性樹脂を混合しても良いし、共重
合ポリマを用いても良い。
本発明の熱可塑性樹脂A中の不活性粒子の形状は、特
に限定されないが、フイルム中での粒径比(粒子の長径
/短径)が1.0〜1.3の粒子、特に、球形状の粒子の場合
にフイルム表面が傷つきにくくなり(耐スクラッチ性と
もいう)、透明性が一層良好となるので望ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂A中の不活性粒子はフイ
ルム中での単一粒子指数が0.7以上、好ましくは0.9以上
である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層
良好となるので特に望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂A中の不活性粒子の種類は特に
限定されないが、上記の好ましい粒子特性を満足させる
にはアルミナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状態のシリ
カ、内部析出粒子などは好ましくない。好ましい粒子と
して、コロイダルシリカに起因する実質的に球形のシリ
カ粒子、架橋高分子による粒子(たとえば架橋ポリスチ
レン)などがあるが、特に10重量%減量時温度(窒素中
で熱重量分析装置島津TG−30Mを用いて測定。昇温速度2
0℃/分)が380℃以上になるまで架橋度を高くした架橋
高分子粒子の場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がよ
り一層良好となるので特に望ましい。なお、コロイダル
シリカに起因する球形シリカの場合にはアルコキシド法
で製造された、ナトリウム含有量が少ない、実質的に球
形のシリカの場合に耐スクラッチ性、透明性がより一層
良好となるので特に望ましい。しかしながら、その他の
粒子、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、アルミナ
等の粒子でもフイルム厚さと平均粒径の適切なコントロ
ールにより十分使いこなせるものである。
不活性粒子の大きさは、該不活性粒子を含有する積層
フイルム中での平均粒径が該積層フイルム厚さの0.1〜1
0倍、好ましくは0.5〜5倍、さらに好ましくは1.1〜3
倍の範囲とされる。平均粒径/フイルム厚さ比が上記の
範囲より小さいと耐スクラッチ性、摩擦係数、透明性が
不良となり、逆に大きくても耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性、摩擦係数が不良となるので好ましくない。
また、熱可塑性樹脂A中の不活性粒子のフイルム中で
の平均粒径(直径)が0.007〜0.5μm、好ましくは0.02
〜0.45μmの範囲である場合に、耐スクラッチ性、耐ダ
ビング性、摩擦係数がより一層良好となるので望まし
い。
つまり、本発明における積層フイルム層には、該フイ
ルム厚さ近傍あるいはそれよりも大きな平均粒径の不活
性粒子が含有される。換言すれば、極薄積層フイルム
に、そのフイルム厚さ近傍あるいはそれよりも大きな平
均粒径の微小不活性粒子が含有される。したがって、二
軸配向熱可塑性樹脂フイルム全体に対し、その厚さ方向
に、実質的に積層フイルム層のみに集中して不活性粒子
を分布させることができる。その結果、積層フイルム中
における粒子密度を容易に高くすることができ、該粒子
により形成されるフイルム表面の突起の密度も容易に高
めることができる。また、不活性粒子は、上質積層フイ
ルム中に含有されることで、二軸配向熱可塑性樹脂フイ
ルム全体に対し、その厚さ方向に位置規制されることに
なり、しかも積層フイルムの厚さと平均粒径とは前述の
如き関係にあるから、該粒子により形成される表面突起
の高さは極めて均一になる。
このような熱可塑性樹脂Aと不活性粒子とを主成分と
するフイルムが熱可塑性樹脂Bを主成分とするフイルム
に積層される。
熱可塑性樹脂Bは、前述の熱可塑性樹脂Aと同様のも
のからなり、熱可塑性樹脂Bと熱可塑性樹脂Aとは同じ
種類のものでも異なるものでもよい。熱可塑性樹脂Aの
フイルム層は、熱可塑性樹脂Bからなるフイルム層の両
面、又は片面に積層される。つまり、積層構成がA/B/
A、A/Bの場合であるが、もちろん、Aと異なる表面状態
を有するC層をAと反対面に設けたA/B/Cでも、あるい
はそれ以上の多層構造でもよい。(ここで、A、B、C
それぞれの熱可塑性樹脂の種類は同種でも、異種でもよ
い。また、少なくとも片方の表面はA層であることが必
要である。) 熱可塑性樹脂Bとしても、結晶性ポリマが望ましく、
特に、結晶性パラメータΔTcgが20〜100℃の範囲の場合
に、耐ダビング性がより一層良好となるので望ましい。
具体例として、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリオレフィンが挙げられるが、ポリ
エステルの場合に耐ダビング性がより一層良好となるの
で特に望ましい。また、ポリエステルとしては、エチレ
ンテレフタレート、エチレンα、β−ビス(2−クロル
フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート、エ
チレン2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なくとも
一種の構造単位を主要構成成分とする場合に耐ダビング
性が特に良好となるので望ましい。ただし、本発明を阻
害しない範囲内、望ましい結晶性を損なわない範囲内
で、好ましくは5モル%以内であれば他成分が共重合さ
れていてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂Bにも、本発明の目的を阻害し
ない範囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、ま
た酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有
機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
熱可塑性樹脂Bを主成分とするフイルム中には不活性
粒子を含有している必要は特にないが、このフイルムが
フイルム表面の一面を形成する場合、平均粒径が0.007
〜2μm、特に0.02〜0.45μmの不活性粒子が0.001〜
0.2重量%、特に0.005〜0.15重量%、さらには0.005〜
0.12重量%含有されていると、摩擦係数、耐スクラッチ
性がより一層良好となるのみならず、フイルムの巻姿が
良好となるのできわめて望ましい。含有する不活性粒子
の種類は熱可塑性樹脂Aに望ましく用いられるものを使
用することが望ましい。熱可塑性樹脂AとBに含有され
る粒子の種類、大きさは同じでも異なっていても良い。
上述の如き不活性粒子を含有する熱可塑性樹脂Aと、
熱可塑性樹脂Bとが共押出により積層され、シート状に
成形された後二軸に延伸され、二軸配向熱可塑性樹脂フ
イルムとされる。本発明における共押出による積層と
は、不活性粒子を含有する熱可塑性樹脂Aと、熱可塑性
樹脂Bとをそれぞれ異なる押出装置で押出し、口金から
積層シートを吐出する前にこれらを積層することをい
う。この積層は、シート状に成形、吐出するための口金
内(たとえばマニホルド)で行ってもよいが、前述の如
く積層フイルム層が極薄であることから、口金に導入す
る前のポリマ管内で行うことが好ましい。とくに、ポリ
マ管内の積層部を、短形に形成しておくと、幅方向に均
一に積層できるので特に好ましい。ポリマ管内矩形積層
部で積層された溶融ポリマは、口金内マニホルドでシー
ト幅方向に所定幅まで拡幅され、口金からシート状に吐
出された後、二軸に延伸される。したがって、たとえ二
軸配向後の積層フイルム層が極薄であっても、ポリマ管
内矩形積層部では、不活性粒子含有熱可塑性樹脂ポリマ
を、かなりの厚さで積層することになるので、容易にか
つ精度よく積層できる。
本発明による二軸配向後の熱可塑性樹脂フイルムは、
熱可塑性樹脂Aに含有の不活性粒子により形成されたフ
イルムの表面の突起の個数が、1万個/mm2以上である。
とくに各種工業用材料、グラフィック用途では、突起個
数が1万個/mm2以上、50万個/mm2未満が好ましい。これ
よりも少ないと(つまり突起密度が上記値よりも小さい
と)、滑り性が悪くなり、上記値よりも多いと(突起密
度が高いと)、透明性が悪くなる。また、磁気記録媒体
用途、とくにビデオテープ用途では、透明性は実質的に
問題にならず、耐ダビング性、テープの使用耐久性、ド
ロップアウトが問題視されることから、突起個数はさら
に多く、50万個/mm2以上とすることが好ましい。このよ
うに突起個数が極めて多くなると、次に述べる突起高さ
も均一化される。突起個数を50万個/mm2以上とすること
で、ビデオテープとして、極めて望ましい耐ダビング
性、使用耐久性、ドロップアウト性の特性が得られるよ
うになる。なお、突起個数に関しての製造上の上限は1
億個/mm2程度である。
本発明による二軸配向熱可塑性樹脂フイルムにおいて
は、上記突起の高さ分布の相対標準偏差(標準偏差/平
均値)が0.7以下、好ましくは0.6以下である。つまり極
めて均一な高さ分布を有している。この値を越えると、
透明性が悪化し、かつフイルム表面が削れやすくなる
(耐スクラッチ性が悪化する)。また、ビデオテープに
おける耐ダビング性、使用耐久性も低下する。
さらに、本発明の二軸配向熱可塑性樹脂フイルムは、
幅方向のヤング率が400kg/mm2以上であることが好まし
く、ビデオテープ用途等では、さらに好ましくは幅方
向、長手方向ともにヤング率が400kg/mm2以上であるこ
とが好ましい。前述の矩形積層部を有するポリマ管内で
積層することにより均一な積層が可能になり、積層フイ
ルム層が極薄層であっても、幅方向延伸倍率として少な
くとも3倍がとれるようになり、上記400kg/mm2以上の
幅方向ヤング率が容易に達成できる。ヤング率が上記値
よりも低いと、広幅フイルムを使用用途に合わせて狭幅
にスリットする際、スリットされたフイルム端面からの
粉落ち特性が悪く、発生したフイルム粉が各種障害を惹
き起こすおそれがあるので、好ましくない。また、幅方
向および長手方向ヤング率が上記値よりも低いと、ビデ
オテープとしての耐ダビング性、ドロップアウト特性が
低下するおそれがあるので好ましくない。
また、本発明の二軸配向熱可塑性樹脂フイルムにおい
ては、不活性粒子を含む積層フイルム側の表層の不活性
粒子による粒子濃度比が0.1以下であることが好まし
い。この表層粒子濃度比は、後述の測定法に示す如く、
フイルム表面突起を形成する不活性粒子がフイルム表面
において如何に熱可塑性樹脂Aの薄膜で覆われているか
を示すものであり、粒子がフイルム表面に実質的に直接
露出している度合が高い程層粒子濃度比が高く、表面突
起は形成するが熱可塑性樹脂Aの薄膜に覆われている度
合が高い程表層粒子濃度比は低い。突起を形成する不活
性粒子が熱可塑性樹脂Aの薄膜で覆われていることによ
り、不活性粒子が高密度に極薄積層フイルム層に分布し
ている状態にあっても、該粒子が該積層フイルム層、ひ
いては熱可塑性樹脂Bのベースフイルム層にしっかりと
保持されることになる。したがって、表面粒子濃度比を
上記値以下とすることにより、粒子の脱落等が防止され
て、フイルム表面の耐スクラッチ性、耐摩耗性が高く維
持される。このような表層粒子濃度比は、共押出による
積層を行うことによって達成可能となる。ちなみに、コ
ーティング方法によっても、本発明と類似のフイルム、
すなわち、ベースフイルム層に対し極薄厚さで樹脂層を
コーティングし、該樹脂層内に不活性粒子を含有させる
ことは可能であるが、表層粒子濃度比が著しく高くなり
(つまり粒子が実質的に表面に直接露出する度合が著し
く高くなり)、本発明フイルムに比べ表面の極めて脆い
ものしか得られない。
なお、本発明のフイルムにおいては、不活性粒子によ
り形成される表面突起の高さは特に限定されないが、狙
った滑り性改良等の効果を得るために、突起平均高さが
不活性粒子の平均粒径の0.3倍以上となるように、不活
性粒子の平均粒径、熱可塑性樹脂Aの積層フイルム層の
厚さを設定することが好ましい。また、均一なかつ高密
度の突起を得るために、不活性粒子自身の粒径分布の標
準偏差が0.5以下であることが好ましい。
次に本発明フイルムの製造方法について説明する。
まず、熱可塑性樹脂Aに不活性粒子を含有せしめる方
法としては、重合後、重合中、重合前のいずれでも良い
が、ポリマにベント方式の2軸押出機を用いて練り込む
方法が本発明範囲の表面形態のフイルムを得るのに有効
である。また、粒子の含有量を調節する方法としては、
上記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時
に不活性粒子を実質的に含有しない熱可塑性樹脂で希釈
して粒子の含有量を調節する方法が本発明範囲の表面形
態のフイルムを得るのに有効である。さらにこの粒子高
濃度マスターポリマの溶融粘度、共重合成分などを調節
して、その結晶化パラメータΔTc gを30〜80℃の範囲に
しておく方法は延伸破れなく、本発明範囲の表面形態の
フイルムを得るのに有効である。
かくして、不活性粒子を含有するペレットAを十分乾
燥したのち、公知の溶融押出機に供給し、熱可塑性樹脂
の融点以上分解点以下の温度で溶融し、もう一方の実質
的に不活性粒子を含有しない熱可塑性樹脂B(種類は不
活性粒子を含有する熱可塑性樹脂と同一であっても異な
っていてもよい)を前述の如き積層用装置に供給し、ス
リット状のダイからシード状の押出し、キャスティング
ロール上で冷却固化せしめて未延伸フイルムを作る。す
なわち、2または3台の押出機、2または3層用の合流
ブロックあるいは口金を用いて、これらの熱可塑性樹脂
を積層する。合流ブロック方式を用いる場合は積層部分
を前述の如く矩形のものとし、両者の熱可塑性樹脂の溶
融粘度の差(絶対値)を0〜2000ポイズ、好ましくは0
〜1000ポイズの範囲にしておくことが本発明範囲の表面
形態のフイルムを安定して、幅方向の斑なく、工業的に
製造するのに有効である。
次にこの多層の未延伸フイルムを二軸延伸し、二軸配
向せしめる。二軸延伸の方法は同時二軸延伸、逐次二軸
延伸法のいずれでもよいが、長手方向、幅方向の順に延
伸する逐次二軸延伸法の場合に本発明範囲の表面形態の
フイルムを安定して、幅方向の斑なく、工業的に製造す
るのに有効である。逐次二軸延伸の場合、長手方向の延
伸を、3段階、特に4段階以上に分けて、40〜150℃の
範囲で、かつ、1000〜50000%/分の延伸速度で、3〜
6倍行なう方法は本発明範囲の表面形態を有するフイル
ムを得るのに有効である。幅方向の延伸温度、速度は、
80〜170℃、1000〜20000%/分の範囲が好適である。延
伸倍率は3〜10倍が好適である。また必要に応じてさら
に長手方向、幅方向の少なくとも一方向に延伸すること
もできる。いずれにしても不活性粒子を含有するきわめ
て薄い層を設けてから、面積延伸倍率(長手方向倍率×
幅方向倍率)として9倍以上の延伸を行なうことが本発
明のポイントである。次にこの延伸フイルムを熱処理す
る。この場合の熱処理条件としては、幅方向に弛緩、微
延伸、定長下のいずれかの状態で140〜280℃、好ましく
は160〜220℃の範囲で0.5〜60秒間が好適であるが、熱
処理にマイクロ波加熱を併用することによって本発明範
囲の表面形態を有するフイルムが得られやすくなるので
望ましい。
また、製品フイルムの状態で、不活性粒子を含有する
熱可塑性樹脂層の厚さtと含有する不活性粒子の平均粒
径(直径)dとの比、d/tを0.1〜10、好ましくは0.5〜
5、さらに好ましくは1.1〜3とすることが本発明範囲
の表面形態を有するフイルムを製造するのにきわめて有
効である。したがって、適切な積層厚さは用いる不活性
粒子の大きさによって異なり一概には言えないが、通
常、0.007〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.45μmの場合
に本発明範囲の表面形態が得られやすいので特に有効で
ある。
本発明フイルムの製法の特徴は、特殊な方法で調製し
た特定範囲の熱特性を有する高濃度粒子ポリマを用い
て、不活性粒子を含有するきわめて薄い層を設けた後に
フイルムを二軸延伸することであり、製膜工程内で、フ
イルムを一軸延伸した後、コーティングなどを施しさら
に延伸する方法、あるいは二軸延伸フイルムにコーティ
ングして作られる積層フイルムでは本発明フイルムの性
能には遠く及ばず、また、コスト面でも本発明フイルム
が優れている。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。
(1)粒子の平均粒径 フイルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法
(たとえばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子を露
出させる。処理条件はポリエステルは灰化されるが粒子
はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(走
査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子によって
できる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケ
ンブリッジインストルメント製QTM900)に結び付け、観
察箇所を変えて粒子数5000個以上で次の数値処理を行な
い、それによって求めた数平均径Dを平均粒径とする。
D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。
(2)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
(3)ガラス点移転Tg、冷結晶化温度Tcc、結晶化パラ
メータΔTc g、融点 パーキシエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りである。
すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、300℃の温度
で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷する。この急冷
試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点Tgを検知する。
さらに昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発熱ピーク
温度をもって冷結晶化温度Tccとした。さらに昇温を続
け、溶解ピーク温度を融点とした。また、TccとTgの差
(Tcc−Tg)を結晶化パラメータΔTc gと定義する。
(4)表面突起の平均高さ、個数、高さ分布の相対標準
偏差 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオ
ニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面高さを
0として走査したときの突起の高さ測定値を画像処理装
置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送り、画像
処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築する。次
に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得られた
個々の突起の面積から円相当径を求めこれをその突起の
平均径とする。また、この2値化された個々の突起部分
の中で最も高い値をその突起の高さとし、これを個々の
突起について求める。この測定を場所をかえて500回繰
返し、突起個数を求め、測定された全突起についてその
高さの平均値を平均高さとした。また個々の突起の高さ
データをもとに、高さ分布の標準偏差を求めた。求めら
れた標準偏差を上記高さの平均値で割った値を、相対標
準偏差とした。また走査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜
8000倍の間の値を選択する。なお、場合によっては、高
精度光干渉式3次元表面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、
対物レンズ:40〜200倍、高解像度カメラ使用が有効)を
用いて得られる高さ情報を上記SEMの値に読み替えて用
いてもよい。
(5)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フイル
ム中の粒子に起因する元素の内のもっとも高濃度の元素
とポリエステルの炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、厚
さ方向の分析を行なう。SIMSによって測定される最表層
粒子濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさらに深
さ方向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、A/Bを
表層粒子濃度比と定義した。測定装置、条件は下記のと
おりである。
測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種:O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲート30% 測定真空度:6.0×109Torr E−GUN:0.5KV−3.0A (6)単一粒子指数 フイルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で写真観
察し、粒子を検知する。観察倍率を100000倍程度にすれ
ば、それ以上分けることができない1個の粒子が観察で
きる。粒子の占める全面積をA、その内2個以上の粒子
が凝集している凝集体の占める面積をBとした時、(A
−B)/Aをもって、単一粒子指数とする。TEM条件は下
記のとおりであり1視野面積:2μm2の測定を場所を変え
て、500視野測定する。
・装置:日本電子製JEM−1200EX ・観察倍率:100000倍 ・切片厚さ:約1000オングストローム (7)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均値
/短径の平均値の比である。
すなわち、下式で求められる。
長径=ΣD1i/N 短径=ΣD2i/N D1i、D2iはそれぞれ個々の粒子の長径(最大径)、短
径(最短径)、Nは総個数である。
(8)ヤング率 JIS−7−1702に規定された方法にしたがって、イン
ストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、65℃
RHにて測定した。
(9)積層されたフイルム中の熱可塑性樹脂A層の厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フイルム
中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素とポリエ
ステルの炭素元素の濃度比(M+/C+)を粒子濃度とし、
熱可塑性樹脂A層の表面から深さ(厚さ)方向の分析を
行なう。表層では表面という界面のために粒子濃度は低
く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。本発
明フイルムの場合は深さ[I]でいったん極大値となっ
た粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をも
とに極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[II](ここでI
I>I)を積層厚さとした。条件は測定法(5)と同様
である。
なお、フイルム中にもっとも多く含有する粒子が有機
高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面か
らエッチングしながらXPS(X線光電子分光法)、IR
(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、
その粒子濃度のデプスプロファイルを測定し、上記同様
の手法から積層厚さを求めても良い。
さらに、上述した粒子濃度のデプスプロファイルから
ではなく、フイルムの断面観察あるいは薄膜段差測定機
等によって熱可塑性樹脂Aの積層厚さを求めても良い。
(10)耐スクラッチ性 フイルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度1000m/分、走
行回数10パス、巻き付け角:60゜、走行張力:20g)。こ
の時、フイルムに入った傷を顕微鏡で観察し、幅2.5μ
m以上の傷がテープ幅あたり2本末端は優、2本以上10
本未満は良、10本以上は不良と判定した。優が望ましい
が、良でも実用的には使用可能である。
(11)耐ダビング性、使用耐久性 フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールによ
り塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テ
ストカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロー
ル、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー
処理した後、70℃、48時間キュアリングする。上記テー
プ原反を1/2インチにスリットし、パンケーキを作成し
た。このパンケーキから長さ250mの長さをVTRカセット
に組み込みVTRカセットテープとした。
(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2/g) :100 重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体) :10 重量部 ・ニッポンラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタン
エラストマ) :10 重量部 ・コトネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネー
ト): 5 重量部 ・レシチン :1 重量部 ・メチルエチルケトン :75 重量部 ・メチルイソブチルケトン :75 重量部 ・トルエン :75 重量部 ・カーボンブラック :2 重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてシバソク製のテレビ
試験波形発生器(TG7/U706)により100%クロマ信号を
記録し、その再生信号からシバクソ製カラービデオノイ
ズ測定器(925D/1)でクロマS/Nを測定しAとした。ま
た上記と同じ信号を記録したマスターテープのパンケー
キを磁界転写方式のビデオソフト高速プリントシステム
(たとえばソニーマグネスケール(株)製のスプリン
タ)を用いてAを測定したのと同じ試料テープ(未記
録)のパンケーキへダビングした後のテープのクロマS/
Nを上記と同様にして測定し、Bとした。このダビング
によるクロマS/Nの低下(A−B)が3dB未満の場合は耐
ダビング性:優、3dB以上5dB未満の場合は良、5dB以上
は不良と判定した。優が望ましいが、良でも実用的には
使用可能である。
上記ダビングしたテープを、さらに家庭用VTRに500回
パス後S/Nの低下を測定し、使用耐久性を評価した。S/N
低下が2dB未満を使用耐久性良好とした。
(12)ドロップアウト ビデオテープをVTRにセットし、TV試験信号発生機
((株)シバソク製TG−7/1型)からの信号を録画させ
た後、25℃、50%RHで100パス(120分×100パス)走行
させた。このテープをドロップアウトカウンターを用い
てドロップアウトの幅が5μ秒以上で、再生された信号
の減衰がマイナス16db以上のものをピックアウトしてド
ロップアウトとした。測定は10巻について行ない、1分
間に換算したドロップアウト個数が10個未満の場合はド
ロップアウト良好、10個以上の場合を不良とした。
(13)静摩擦係数 μs ASTM−D−1894−B−63に従い、スリップテスタを用
いてフイルム/フイルムの静摩擦係数を測定した。1.5
を超えるとハンドリング性不良となる。
(14)透明性 ASTM−D−1003−52に従ってフイルムヘイズを測定し
た。
(15)フイルム端面の粉落ち テスト用小型スリッターを用いて速度150m/分でフイ
ルムをスリットする。このときスリット部から10cm離れ
た箇所において、フイルムの両端面に黒色の東レ製トレ
シー(眼鏡ふき)を軽く触れる程度押しあて300m拭きと
る。拭きとった後のトレシーを目視で観察し次の基準で
判定を行なった。
全く粉が付着していない 5点 やや粉が付着している 3点 多量に粉が付着している 1点 5点と3点の間を4点、3点と1点の間を2点とし、
3点より点数の高いものを粉落ち良好とした。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜6、比較例1〜5 平均粒径の異なる架橋ポリスチレン粒子、コロイダル
シリカに起因するシリカ粒子を含有するエチレングリコ
ールスラリーを調製し、このエチレングリコールスラリ
ーを190℃で15時間熱処理した後、テレフタル酸ジメチ
ルとエステル交換反応後、重縮合し、該粒子を0.3〜55
重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以下PET
と略記する)のペレットを作った。このペレットを用い
て熱可塑性樹脂Aを調製し、また、常法によって、実質
的に不活性粒子を含有しないPETを製造し、熱可塑性樹
脂Bとした。これらのポリマをそれぞれ180℃で3時間
減圧乾燥(3Torr)した。熱可塑性樹脂Aを押出機1に
供給し310℃で溶融し、さらに、熱可塑性樹脂Bを押出
機2に供給、280℃で溶融し、これらのポリマを矩形積
層部を備えた合流ブロックで合流積層し、静電印加キャ
スト法を用いて表面温度30℃のキャスティング・ドラム
に巻きつけて冷却固化し、2層又は両面に熱可塑性樹脂
A層を有する3層構造の未延伸フイルムを作った。この
時、それぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑
性樹脂A層の厚さを調節した。(ただし比較例3はA層
単層)。この未延伸フイルムを温度80℃にて長手方向に
4.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロールの周速差
で、4段階で行なった。この一軸延伸フイルムをステン
タを用いて延伸速度2000%/分で100℃で幅方向に4.0倍
延伸し、定長下で、200℃にて5秒間熱処理し、総厚さ1
5μm、熱可塑性樹脂A層厚さ0.03〜3μmの二軸配向
積層フイルムを得た。これらのフイルムの本発明のパラ
メータは第1表に示したとおりであり、本発明のパラメ
ータが範囲内の場合は透明性(ヘイズ)、滑り性(摩擦
係数)、スリット端面粉落ちの各特性は第1表に示した
とおり良好な値を示したが、そうでない場合は透明性、
滑り性、粉落ち特性を兼備するフイルムは得られなかっ
た。
実施例7〜12、比較例6〜9 磁気記録媒体用途のフイルム作成を目指し、シリカ粒
子、架橋ポリスチレン粒子の平均粒径を小さくするとと
もに、個数を大幅に増大させた。その他の製法について
は前記実施例と同じである。第2表に示すように、各パ
ラメータを本発明範囲内とすることにより、良好な耐ダ
ビング性、耐久性、ドロップアウト特性が得られる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の二軸配向熱可塑性樹脂
フイルムによるときは、積層フイルム層内含有の不活性
粒子により形成されるフイルム表面の突起個数を特定値
以上に大きくとり、突起高さ分布の相対標準偏差を特定
値以下に小さく抑えたので、フイルム表面の突起密度の
向上と突起高さの均一化を両立させることができ、一般
工業用材料、グラフィック用途等に対しては、とくに透
明性、滑り性、スリット端面からの粉落ち特性を向上す
ることができ、磁気記録媒体用途に対しては、とくに耐
ダビング性、使用の耐久性、ドロップアウトの特性を向
上することができる。
また、本発明フイルムは、製膜工程内で、コーティン
グなどの操作なしで共押出により直接複合積層すること
によって作ったフイルムであり、製膜工程中あるいはそ
の後のコーティングによって作られる積層フイルムに比
べて、最表層の分子も二軸配向であるため、上述した特
性以外、例えば、表面の耐削れ性もはるかに優れ、しか
もコスト面、品質の安定性などにおいて有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08J 7/04 CFD C08J 7/04 CFDV B29K 67:00 B29L 9:00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂Aと不活性粒子とを主成分と
    するフィルムを共押出により熱可塑性樹脂Bを主成分と
    するフィルムに積層した二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
    であって、前記不活性粒子により形成されたフィルム表
    面の突起の個数が1万個/mm2以上であり、かつ、該突起
    の高さ分布の相対標準偏差が0.7以下であり、さらに前
    記不活性粒子の平均粒径が、熱可塑性樹脂Aと不活性粒
    子とを主成分とする前記積層フィルムの厚さの0.1〜10
    倍の範囲にあることを特徴とする二軸配向熱可塑性樹脂
    フィルム。
  2. 【請求項2】軸方向のヤング率が400kg/mm2以上である
    請求項1記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】前記不活性粒子を含む積層フィルム側の表
    層の不活性粒子の粒子濃度比が0.1以下である請求項1
    記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性樹脂Aが結晶性の樹脂である
    請求項1記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。
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