JPH07148840A - 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体

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JPH07148840A
JPH07148840A JP29807793A JP29807793A JPH07148840A JP H07148840 A JPH07148840 A JP H07148840A JP 29807793 A JP29807793 A JP 29807793A JP 29807793 A JP29807793 A JP 29807793A JP H07148840 A JPH07148840 A JP H07148840A
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JP
Japan
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film
magnetic recording
recording medium
biaxially oriented
polyester film
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JP29807793A
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Iwao Okazaki
巌 岡崎
Koichi Abe
晃一 阿部
Katsunori Oshima
桂典 大島
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレンテレフタレートおよび/またはエチ
レンナフタレート成分が70%以上かつフィルム密度が
0.2〜1.3g/cm3 であることを特徴とする磁気
記録媒体用ポリエステルフィルム。 【効果】 フィルムをエチレンテレフタレートおよび/
またはエチレンナフタレートを主体とし、かつ密度を特
定範囲としたので、フィルム表面が傷つきにくく、ま
た、磁気記録媒体、特に磁気記録テープ、VHS用ビデ
オテープとした場合に、優れた画質、ドロップアウト特
性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体用二軸配
向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフ
ィルムとしては、ポリエステルにモース硬度6以上の不
活性無機微粒子を含有させたフィルムが知られている
(例えば特開平1−306220号公報)。
【0003】しかし、上記従来の二軸配向フィルムで
は、例えば磁性層塗布、カレンダー工程、あるいは、で
きたビデオテープ等をダビングしてソフトテープ等を製
造する工程等の工程速度の増大に伴い、接触するロール
やガイドでフィルム表面に傷がつくという欠点があっ
た。また、従来のものでは、上記ダビング時の画質低下
のために、ビデオテープにした時の画質、すなわち、S
/N(シグナル/ノイズ比)も不十分という欠点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる課題を
解決し、特に高速工程でフィルムに傷がつきにくく(以
下耐スクラッチ性に優れるという)、しかも磁気テープ
製造におけるカレンダー工程での画質向上に優れ、ダビ
ング時の画質低下が少ない(以下耐ダビング性に優れる
という)二軸配向フィルムを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムは、エチ
レンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレー
ト成分が70%以上、かつフィルム密度が0.2〜1.
3g/cm3 であることを特徴とする。
【0006】本発明のフィルムを構成するポリエステル
は、エチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナ
フタレート成分が70%以上、好ましくは80%以上含
有したポリエステルであり、より好ましくはエチレンテ
レフタレート成分が70%以上、更に好ましくは80%
以上含有したポリエステルである。この範囲外であると
耐スクラッチ性、耐ダビング性が不良となるので好まし
くない。なお、本発明を阻害しない範囲内で、他のポリ
エステルを混合してもよいし、共重合してもよい。さら
に本発明のフィルムは、上記のポリエステルを主要成分
とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内で他種ポリ
マをブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤などの添加剤が通常添加される
程度添加されていてもよい。
【0007】本発明のフィルムは、上記組成物を二軸配
向せしめたフィルムである。一軸あるいは無配向フィル
ムでは耐スクラッチ性が不良となるので好ましくない。
また、本発明フィルムは、フィルムの厚さ方向の一部
分、例えば表層付近のポリマ分子の配向が無配向、ある
いは一軸配向になっていない、すなわち厚さ方向の全部
分の分子配向が二軸配向であることが耐スクラッチ性、
耐ダビング性の点から好ましい。特にアッベ屈折率計、
レーザーを用いた屈折率計、全反射レーザーラマン法な
どによって測定される分子配向が表面、裏面ともに二軸
配向である場合に、耐スクラッチ性、耐ダビング性がよ
り一層良好となるので好ましい。
【0008】本発明のフィルム密度は、0.2〜1.3
g/cm3 であり、好ましくは0.3〜1.2g/cm
3 、より好ましくは0.3〜1.0g/cm3 、さらに
好ましくは0.4〜0.9g/cm3 である場合に、特
に耐スクラッチ性、耐ダビング性が良好となる。フィル
ム密度をこの範囲とするには、特定範囲の密度のポリマ
を添加する方法、非相溶ポリマを添加しボイド(空隙)
を多数生成させる方法、または、特定範囲の密度の他の
添加剤を必要量添加する方法等により達成することがで
きる。
【0009】本発明のフィルムは耐ダビング性、耐スク
ラッチ性の点から、フィルムの縦方向、横方向の破断強
度がいずれも8kg/mm2 以上であるのが好ましく、
より好ましくは9kg/mm2 以上である。さらに、耐
ダビング性、耐スクラッチ性の点から、フィルムの縦方
向と横方向のヤング率の和が500kg/mm2 以上で
あるのが好ましく、より好ましくは600kg/mm2
以上、さらに好ましくは700kg/mm2 以上であ
る。フィルムを低密度化し、かつフィルム強度を上げる
ことによって、耐ダビング性、耐スクラッチ性が向上す
る。
【0010】本発明のフィルムは耐ダビング性、耐スク
ラッチ性の点から、少なくとも片面の表面粗さRaが1
〜50nmであるのが好ましく、より好ましくは2〜3
0nmである。
【0011】本発明フィルムには特に限定されないが、
耐スクラッチ性、耐ダビング性の点から平均粒径0.0
05〜2μmの粒子を0.005〜10重量%含有する
のが好ましく、より好ましくは0.01〜1μmの粒子
を0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜
0.5μmの粒子を0.05〜3重量%含有する。
【0012】粒子の種類としては特に限定されないが、
結晶形がα型、γ型、δ型、θ型、η型のアルミナ、ジ
ルコニア、シリカ、チタン等の凝集粒子、または、炭酸
カルシウム、コロイダルシリカ、チタン、有機粒子等の
単分散粒子が好ましく例示される。有機粒子としては特
に限定されないが、ジビニルベンゼン粒子および/また
はシルコーン粒子が好ましく例示される。ジビニルベン
ゼン粒子としては、なかでも粒子成分の51%以上、好
ましくは60%以上、さらに好ましくは75%以上がジ
ビニルベンゼンであるものが好ましい。また、シリコー
ン粒子としては3次元的に架橋されたオルガノポリシロ
キサン(CH3 Si O3/2 )を主たる成分とするものが
好ましい。なお、これらの粒子を複数併用して用いても
よい。
【0013】上記粒子の平均粒径と粒子を含有するフィ
ルム層の厚さtの関係は、0.2d≦t≦10d、好ま
しくは0.5d≦t≦5d、さらに好ましくは0.5d
≦t≦3dの場合に、特に耐スクラッチ性、耐ダビング
性が良好となる。
【0014】本発明では、少なくとも2層構造からなる
積層フィルムの少なくとも1層が、前記二軸配向ポリエ
ステルフィルムからなる層(以下A層という場合があ
る)である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性が特に
良好となるので好ましく、中でもA層が少なくとも1つ
の最外層を構成することが好ましく、さらにはA層が、
少なくとも3層構造からなる積層フィルムの両最外層を
構成することが好ましい。
【0015】上記積層構成の場合、A層以外の層を構成
するポリマは、特に限定されないがポリエステルが好ま
しい。ポリエステルとしては特に限定されないが、エチ
レンテレフタレ−トおよび/またはエチレンナフタレー
トを主要構成成分、つまり70%以上、好ましくは80
%以上をエチレンテレフタレートおよび/またはエチレ
ンナフタレートとする場合に耐ダビング性、耐スクラッ
チ性がより一層良好となるので特に好ましい。
【0016】さらに、少なくとも3層構成の積層フィル
ムの場合、中間層のフィルム密度が0.2〜1.3g/
cm3 、好ましくは0.3〜1.2g/cm3 、さらに
好ましくは0.3〜1.0g/cm3 、より好ましくは
0.4〜0.9g/cm3 である場合に、特に耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性が良好となる。ただし、中間層と
は両最外層以外の層をいう。
【0017】また、該積層構成の場合、A層以外の層を
構成するポリマ中には粒子を含有していてもかまわな
い。この場合に用いられる粒子としては、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、シリカ、チタン、カーボンブラック等が
好ましく例示される。
【0018】中間層フィルムの厚さは特に限定されない
が、1〜100μm、好ましくは2〜75μmである。
【0019】次に本発明フィルムの製造方法を説明する
が、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0020】ポリエステルに有機粒子を含有せしめる方
法としては、ジオ−ル成分であるエチレングリコールに
スラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコールを
所定のジカルボン酸成分と重合せしめるのが好ましい。
また粒子の水スラリーを直接所定のポリエステルペレッ
トと混合し、ベント式の2軸混練押出機を用いてポリエ
ステルに練り込む方法は、本発明の効果をより一層良好
とするのに非常に有効である。
【0021】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時に
粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈して粒子
の含有量を調節する方法が有効である。
【0022】次に、粒子を所定量含有するペレットを必
要に応じて乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供
給し、スリット状のダイからシ−ト状に押出し、キャス
ティングロ−ル上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを
作る。積層構成の場合、2または3台以上の押出し機、
2または3層以上のマニホ−ルドまたは合流ブロックを
用いて、溶融状態のポリエステルを積層する。この場
合、凝集粒子を含有するポリマ流路に、スタティックミ
キサー、ギヤポンプを設置する方法は本発明の効果をよ
り一層良好とするのに有効である。
【0023】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、縦延
伸温度80〜120℃、総縦延伸倍率3.0〜5.5
倍、縦延伸速度5,000 〜50,000%/分の範囲で行うのが
好ましい。幅方向の延伸方法としてはテンタ−を用いる
方法が好ましく、延伸温度80〜140℃、幅方向延伸
倍率は縦倍率より大きく3.5〜6.5倍、幅方向の延
伸速度1,000 〜20,000%/分の範囲が好ましい。
【0024】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は170〜220℃、特に170〜2
10℃で時間は0.5〜60秒の範囲が好適である。
【0025】得られた二軸配向フィルムは、従来公知の
方法に従って磁性層を形成することによって、磁気記録
媒体として用いられる。磁気記録媒体としては、テー
プ、ディスク等を挙げることができるが、好ましくはテ
ープ、なかでもVHS用テープが好ましい。
【0026】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。
【0027】(1)粒子の平均粒径 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1
0万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約1
00nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。
有機粒子の平均径は重量平均径から求める。また凝集粒
子の一次粒径は、凝集粒子の分割できない粒子最小単位
についての数平均径、凝集二次粒径は凝集体についての
数平均径である(それぞれ等価円相当径)。
【0028】(2)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0029】(3)フィルム積層厚み (4)フィルム積層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子のうち最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C- )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では
表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざか
るにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合
は、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。
この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/
2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深
い)を求め、これを積層厚みとした。条件は次のとお
り。
【0030】測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 独、ATOMIKA 社
製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 O2 + 1次イオン加速電圧 12kV 1次イオン電流 200nA ラスタ−領域 400μm□ 分析領域 ゲ−ト30% 測定真空度 6.0×10-9Torr E−GUN 0.5kV−3.0A なお、表層からの深さ3000nmの範囲に最も多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合は、SIMSでは測
定が難しいので、表層からエッチングしながらXPS
(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記
同様のデプスプロファイルを測定し積層厚みを求めても
良いし、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度
の変化状態やポリマの違いによるコントラストの差から
界面を認識し積層厚みを求めることもできる。さらには
積層ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚み
を求めることもできる。
【0031】(4)フィルム密度 四塩化炭素とn−ヘプタンからなる密度勾配管を用い
て、25℃にて測定した。
【0032】(5)フィルム表面の配向 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの
二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN
1 、N2 、N3 とした時、(N1 −N2 )の絶対値が
0. 07以下、かつ、N3 /[(N1 +N2 )/2]が
0.95以下であることをひとつの基準とできる。ま
た、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定しても良
い。さらに、この方法では測定が難しい場合は全反射レ
ーザーラマン法を用いることもできる。レーザー全反射
ラマンの測定は、Jobin-Yvon社製Ramanor U−1000
ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクトルを測定
し、例えばPETの場合では、1615cm-1(ベンゼ
ン環の骨格振動)と1730cm-1(カルボニル基の伸
縮振動)のバンド強度比の偏光測定比(YY/XX比な
ど。ここでYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対
して平行なラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向を
XにしてXに対して平行なラマン光検出)が分子配向と
対応することを利用できる。ポリマの二軸配向性はラマ
ン測定から得られたパラメータを長手方向、幅方向の屈
折率に換算して、その絶対値、差などから判定できる。
この場合の測定条件は次のとおりである。
【0033】光源 アルゴンイオンレ−ザ−(5145A) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レ−ザのプ
リズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60
゜とした。
【0034】検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230) (supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (6)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。
【0035】(7)F−5 JIS K−7127に規定された方法により、25
℃、65%RH下で引っ張り、5%伸長時の荷重を初期
の断面積で割り、 kg/mm2 単位で表した。
【0036】(8)表面粗さRa 小坂研究所製の表面粗さ計ET−10を用いて測定し
た。条件は下記の通りであり、20回の測定の平均値を
もって値とした。
【0037】(Ra:平均粗さ) ・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm (9)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2 インチのテ−プ状にスリットしたもの
をテ−プ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度25
0m/分、走行回数1パス、巻き付け角:60゜、走行
張力:90g)。この時、フィルムに入った傷を顕微鏡
で観察し、幅1μm以上の傷がテ−プ幅あたり2本未満
は優、2本以上10本未満は良、10本以上は不良と判
定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能で
ある。
【0038】(10)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダ−装置(スチ−ルロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダ−処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テ−プ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。
【0039】(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 :100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体: 10重量部 ・ポリウレタンエラストマ : 10重量部 ・ポリイソシアネート) : 5重量部 ・レシチン : 1重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・メチルイソブチルケトン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 ・カーボンブラック : 2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生
器により100%クロマ信号を記録し、その再生信号か
らカラ−ビデオノイズ測定器でクロマS/Nを測定しA
とした。また上記と同じ信号を記録したマスタ−テープ
のパンケーキを磁界転写方式のビデオソフト高速プリン
トシステム(スプリンタ)を用いてAを測定したのと同
じ試料テープ(未記録)のパンケーキへダビングした後
のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、B
とした。このダビングによるクロマS/Nの低下(A−
B)が3dB未満の場合は耐ダビング性:優、3dB以
上5dB未満の場合は良、5dB以上は不良と判定し
た。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能であ
る。
【0040】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説
明する。
【0041】実施例1(表1、2) 粒径0.45μmのジビニルベンゼン粒子(粒子中の組
成:ジビニルベンゼン81%)の水スラリーをポリエチ
レンテレフタレートにベント式2軸混練押出機を用いて
練り込み、粒子を0.1重量%含有する粒子原料ポリマ
Aを得た。また、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)79.5重量%、ポリプロピレン(PP)20重量
部、あらかじめPETと数平均分子量4000のポリエ
チレングリコール(PEG)との重量比が6対4となる
ようにPET重合時にPEGを添加し製造した共重合体
0.5重量部を混合した原料ポリマBを得た。これらを
それぞれ、180℃で8時間減圧下で(3Torr)乾燥し
た後、押出機1、押出機2に供給し、275℃、280
℃で溶融し、高精度瀘過し、矩形合流部にて3層積層と
した(A/B/A)。
【0042】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、粒子含有ポリ
マ層であるA層の厚さを調節した。
【0043】この未延伸フィルムを温度90℃にて長手
方向に3.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロ−ル
の周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルム
をテンターを用いて延伸速度2,000 %/分で95℃で幅
方向に5.2倍延伸し、定長下で200℃にて3秒間熱
処理し、総厚さ15μm、A層厚さ0.5μmの二軸配
向積層フィルムを得た。このフィルムの特性は第1表に
示したとおりであり、耐スクラッチ性、耐ダビング性が
良好であった。
【0044】実施例2、比較例1〜2(表1、2) 実施例1と同様にして、粒子の種類、粒径等を変更した
フィルムを得た。表1に示すように本発明範囲のフィル
ムは耐スクラッチ性、耐ダビング性が良好であるが、そ
うでないものは耐スクラッチ性、耐ダビング性を両立す
ることができない。
【0045】
【表1】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明のフィルムによれば、フィルムを
エチレンテレフタレートを主体とし、かつ密度を特定範
囲としたので、フィルム表面が傷つきにくく、また、磁
気記録媒体、特に磁気記録テープ、VHS用ビデオテー
プとした場合に、優れた画質、ドロップアウト特性を得
ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 7:00 C08L 67:02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートおよび/または
    エチレンナフタレート成分が70%以上かつフィルム密
    度が0.2〜1.3g/cm3 であることを特徴とする
    磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルムの縦方向、横方向の破断強度が
    いずれも8kg/mm2 以上、かつフィルムの縦方向と
    横方向のヤング率の和が500kg/mm2以上である
    ことを特徴とする請求項1の磁気記録媒体用二軸配向ポ
    リエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 少なくとも片面の表面粗さRaが1〜5
    0nmであることを特徴とする請求項1〜2の磁気記録
    媒体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 平均粒径0.005〜2μmの粒子を
    0.005〜10重量%含有したことを特徴とする請求
    項1〜3に記載の磁気記録媒体用二軸配向ポリエステル
    フィルム。
  5. 【請求項5】 粒子の平均粒径d(nm)と該粒子含有
    フィルムの厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d (1) であることを特徴とする請求項4の磁気記録媒体用二軸
    配向ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 少なくとも2層構造からなる積層フィル
    ムの1層が、請求項1〜5に記載のフィルムであること
    を特徴とする磁気記録媒体用二軸配向積層ポリエステル
    フィルム。
  7. 【請求項7】 少なくとも2層構造からなる積層フィル
    ムの少なくとも1つの最外層が、請求項1〜5に記載の
    フィルムであることを特徴とする磁気記録媒体用二軸配
    向積層ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 少なくとも3層構造からなる積層フィル
    ムの両最外層が、請求項1〜5に記載のフィルムである
    ことを特徴とする磁気記録媒体用二軸配向積層ポリエス
    テルフィルム。
  9. 【請求項9】 少なくとも3層構造からなる積層フィル
    ムの中間層が、ポリエチレンテレフタレートおよび/ま
    たはエチレンナフタレート成分が70%以上かつフィル
    ム密度が0.2〜1.3g/cm3 であることを特徴と
    する請求項8の磁気記録媒体用二軸配向積層ポリエステ
    ルフィルム。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のポリエステルフィルム
    を用いることを特徴とする磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 磁気記録媒体が磁気記録テープである
    ことを特徴とする請求項10の磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 磁気記録媒体がVHS用ビデオテープ
    であることを特徴とする請求項10の磁気記録媒体。
JP29807793A 1993-11-29 1993-11-29 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 Pending JPH07148840A (ja)

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